JP4172791B2 - 伝送線路及び高周波モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、ミリ波帯で利用される伝送線路及びこの伝送線路を用いた高周波モジュールに関するものである。
従来、ミリ波帯において高周波信号を伝達するための伝送線路として、導波管、誘電体線路、NRDガイド、ストリップ線路、コプレーナ線路などが知られている。このうち導波管は、現在でも最も使用されいるが、他の線路に比べるとサイズが大きく、金属加工を必要とするため、コストがかかるという問題点がある。このため、誘電体基板を用いて伝送線路を形成する試みが成されてきた。
このような伝送線路として、図8に示すように、誘電体基板11の上部及び下部に電極12,13が形成され、電極12,13には、誘電体11が露出するようにスロットが設けられ、スロットの上下には導体14,15が配置された伝送線路が提案された(特許文献1参照)。
特許文献1では、この構造にした利点として、線路の特性及びICなどの電子部品との接続が容易に可能となることを挙げている。
また、図9に示すように、誘電体11の内部に複数の導体層15,16を挿入した積層型伝送線路が提案された(特許文献2参照)。
特許文献2では、この構造の利点として小型化の他に積層を用いた作製方法の容易さによる低コスト化を挙げている。
特許第2991076号公報 特開平10−190318号公報
しかしながら、特許文献1では、誘電体基板11の上下に空間があるため、伝送線路の構造が大きくなることが課題である。また、製造上も誘電体の上下にエッチングをする必要があり、工程が複雑となる。
また、特許文献2では、伝送特性の伝送損失が課題として残されている。
本発明は、前記の課題を解決できるものであり、良好な伝送特性を保持したまま、従来よりも構造的に簡易化できる伝送線路を提供することを目的とする。
図1に本発明の伝送線路の伝送方向zに垂直な断面構造を示す。
本発明の伝送線路は、誘電体基板1と、当該誘電体基板1の両面に、当該誘電体基板1に接触した状態でそれぞれ配置された電極板2,3と、そのいずれか片側の電極板3から所定の間隔を置いて導体板4を支持するために、当該片側の電極板3に取り付けられた側面支持部材5と、前記導体板4とを備え、前記片側の電極板3には、高周波信号の伝送方向に沿ったスロット部Wが形成され、前記誘電体基板1の厚みt及び比誘電率ε r は、前記電極板2と電極板3で挟まれた誘電体基板1で構成される導波領域において、前記高周波信号を減衰させる伝送モード(遮断伝送モード)となるような値に設定され、前記電極板3と導体板4とで形成される空間の厚み(a−t)は、当該空間で構成される導波領域において、前記高周波信号を減衰させる伝送モード(遮断伝送モード)となるような値に設定されていることを特徴とする。
本発明の伝送線路が、ミリ波帯において有効である理由を説明する。
本発明の伝送線路の設計は、比誘電率ε r を持つ誘電体を内部に挿入した導波管のLSEモードをベースにして行うことができる。
この導波管の遮断周波数fは、誘電体を含む導波管の全厚さaにより決定され、次式より求められることが知られている。ただし誘電体の厚さtとする。
c1 =√(εrε0μ0)ωc
c2=√(ε0μ0)ωc
ωc=2πfc
c1 cotkc1t=−kc2 cotkc2(a−t)
ただし、kc1 、kc2 は、それぞれ、誘電体の領域、空気の領域における波数である。これらの連立方程式を解くことより遮断周波数fを決定できる。
図1に示す本発明の伝送線路において、誘電体を含む線路の全厚さaとし、前記の設計方法を使用すると概略のfを求めることができる。
次に本発明の伝送線路における、幅Wのスロット部を形成した電極板3の役割を説明する。
伝送線路を伝搬する高周波信号が、側面方向(図1の+x方向、−x方向)に漏れ出すことになれば、伝送に大きなロスが発生するので、これを避けるための工夫が必要である。
伝送線路の側面を完全に金属で覆って方形導波管の構造にすることも一つの解法であるが、本発明では、スロット部Wを形成した電極板3を設けて、前記電極板2と電極板3で挟まれた誘電体基板1で構成される導波領域において、前記高周波信号を減衰させる伝送モード(遮断モード)となるように設計する。すなわち、遮断モードになるように、誘電体基板1の厚みt及び比誘電率ε r を設定する。また、前記電極板3と導体板4とで形成される空間で構成される導波領域においても、前記高周波信号を減衰させる伝送モードとなるように設計する。すなわち、当該空間の厚み(a−t)と、当該空間が第2の誘電体基板で満たされるときはその第2の誘電体基板の誘電率ε2を、当該領域が遮断モードの導波路となるように設定する。
これにより、伝送線路を伝搬する高周波信号が、側面方向(図1の+x方向、−x方向)に漏れ出すことを防止できるので、伝送線路の伝送特性を向上させることができる。
このような幅Wのスロット部を形成した電極板3を備えた本発明の構造は、側面支持部材5を金属でなく誘電体で構成する場合、あるいは、前記厚み(a−t)の空間を第2の誘電体基板で置き換えて、第2の誘電体基板によって導体板4を支える構造とし、かつ側面にビアを設けない場合などにおいても、有効である。
前記スロット部の幅Wは、小さすぎると、側面方向(図1の+x方向、−x方向)への信号の漏出防止には有効であるが、図1のz方向への信号の伝送が遮断条件あるいはそれに近い条件になって、信号の伝送が困難になる。幅Wが大きすぎると、図1のz方向への信号の伝送は容易になるが、側面方向への信号の漏出防止が困難になる。そこで、スロットの幅Wの値が重要になってくる。Wの値は、有限要素法などの電磁界解析を行い決定する必要がある。最適なWの値を決定すると側面方向への放射が抑えられ、ほぼ導波管と同様な伝送特性が得られる。
本発明の伝送線路における伝送方向zに沿った高周波信号の伝送モードは、主電界が電極板及び導体板に平行となっているLSEモードとすることが好ましい。LSEモードを伝送することができれば、導波管のTE10モードやNRDガイドのLSEモードとの接続が容易である。
また、上部の領域(電極板3と導体板4の間)を空気で満たす場合、マイクロストリップ線路やコプレーナ線路との接続も容易となる。
前記側面支持部材を、遮蔽導体や、誘電体基板を貫通するビアホール導体で形成した構造とすれば、側面方向の放射を抑えることが容易にできるので、前記スロット幅Wの値を、大きな制約を受けずに決定することができる。
本発明の構造では、特に、前記厚み(a−t)の空間を第2の誘電体基板で満たす場合、第1及び第2の誘電体基板、導体板、電極板が平行に積層可能なので、製造過程において、一体に形成することができる。したがって、製造工程を少なくすることができ、製造容易になり、さらなる低コスト化が可能となる。
また、本発明の伝送線路と高周波デバイスとを組み合わせて、高周波モジュールを形成することにより、小型で、製造容易、低コストな高周波モジュールを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は、本発明の伝送線路の断面構造を示すための断面図である。
伝送線路は、平面状の下部電極2の上に一定厚みtの誘電体基板1を、誘電体基板1が下部電極2の上面に接触した状態で配置し、誘電体基板1の上に、幅WのスロットGが形成された上部電極3を、上部電極3が誘電体基板1の上面に接触した状態で設置している。スロットGを隔てた上部電極3の両サイドをそれぞれ上部電極3a,3bという(3a,3bを総称して3とする)。
さらに、上部電極3a,3bにそれぞれ直方体状の側面支持部材5a,5bを取り付け、側面支持部材5a,5bの上面に平面状の導体板4を取り付けている。上部電極3、導体板4、側面支持部材5a,5bにより囲まれた空間をSで表す。
これらの下部電極2、誘電体基板1、上部電極3,スロットG及び空間Sにより伝送線路を構成している。伝送線路内の高周波信号の伝送方向をzで示す。
前記誘電体基板1には、例えば、ガラスエポキシ樹脂などの有機系誘電体基板、又は、セラミック材料などの無機系誘電体基板が用いられる。
特に、セラミック材料を用いれば、セラミック誘電体の比誘電率は通常5から25と、樹脂基板に比べて高いので、誘電体層を薄くでき、素子の小型化に有効である。
前記導体材料は、金、銀、銅などである。
前記側面支持部材5a,5bは、導体でも誘電体でもよい。側面支持部材5a,5bが導体であれば、伝送線路を伝搬する高周波信号を側面から簡単にシールドできるので、好ましい。
側面支持部材5が誘電体である場合シールド効果がないので、空間Sの高さhは、高周波信号の周波数において、導体3,4間の空間Sを電磁波が横方向x(高周波信号の伝送方向zに垂直な方向)に伝搬する場合に、この横方向の伝搬モードが遮断領域となるような高さに選ぶことが好ましい。これは、導体3,4間の空間S内の電波が側面に漏れ出すのを防ぐためである。
また、誘電体基板1は、下部導体2と上部電極3とで挟み込まれた平行平板の構造となっているが、誘電体基板1の側面から横方向xに電波が漏れ出さないためには、平行平板の遮断周波数fc′を超えない周波数領域で設計を行う必要がある。従来のマイクロ波帯では、あまり考慮する必要がなかったが、ミリ波帯では波長が短いので、誘電体基板1の厚みtが厚く、比誘電率ε r が高い試料では、遮断周波数fc′を超える場合も生じる。平行平板の遮断周波数fc′は、次式で表される(μは透磁率、ε0は真空の誘電率)。
fc′=1/2t√(μεrε0
したがって、誘電体基板1の厚みt、比誘電率ε r は、使用する周波数が遮断周波数fc′を超えないように選ぶ必要がある。
さらに、高周波信号のz方向への伝送について考察する。高周波信号は、前述したように下部電極2、誘電体基板1、スロットG、空間Sにより構成される伝送線路内をz方向に伝送する。この伝送線路は、下部電極2と導体板4との間を、厚さtの誘電体基板1と、高さhの空気の充填された空間Sとで満たしたような構成になっている。
高周波信号がz方向に伝送する場合、高周波信号が減衰しない伝送モードとなるように、誘電体基板1の厚みt、比誘電率ε r 、空間Sの高さhを選択する必要がある。
この場合、伝送線路の遮断周波数fcは、誘電体基板1の厚みt、比誘電率ε r 、誘電体を含む伝送線路の全厚さa(a=h+t)を用いて、[課題を解決するための手段]で説明したように連立方程式を解くことによって決定される。
したがって、誘電体基板1の厚みt、比誘電率ε r 、空間Sの高さhは、使用する周波数が遮断周波数fcを超えるように選ぶ必要がある。
この伝送線路の内部電界は、下部電極2、導体板4の表面でそれぞれゼロになり、それから離れるに従って増大する。このため、下部電極2に接して配置された誘電体基板1に蓄積される電界エネルギーは、誘電体基板1を下部電極2から離して設置している場合と比べて小さくなる。
このため、同じ条件(誘電体厚みt、比誘電率ε r 、空間Sの高さh等)で設計した場合、本発明の伝送線路の伝送線路は、従来の伝送線路に比べて周波数を高く設計でき、ミリ波帯の伝送線路として適している。周波数が同じであれば、従来の伝送線路に比べて空間Sの高さhを高くできる利点がある。
この結果、伝送線路製造時の加工誤差に対する要求が緩和され、伝送線路の製造が容易になる。
図3は、本発明の伝送線路の他の構造を示す断面図である。
伝送線路は、平面状の下部電極2の上に一定厚みt1の第1の誘電体基板1a(以下単に「誘電体基板1a」という)を、誘電体基板1aが下部電極2の上面に接触した状態で配置し、誘電体基板1aの上に、スロットGが形成された上部電極3を、上部電極3が誘電体基板1aの上面に接触した状態で設置している。スロットGを隔てた上部電極3の両サイドをそれぞれ上部電極3a,3bという。
さらに、上部電極3の上面に一定厚みt2の第2の誘電体基板1b(以下単に「誘電体基板1b」という)を設置し、その上に平面状の導体板4を取り付けている。誘電体基板1bは、必ずしも誘電体基板1aと比誘電率が同じである必要はない。
これらの下部電極2、誘電体基板1a,1b、上部電極3,スロットG、導体板4により伝送線路を構成している。
この構造の伝送線路を製造するときは、例えば、ガラスエポキシ樹脂などの有機系誘電体基板に対して、銅箔などの導体によって導体パターンを形成し、積層して熱硬化させるか、又は、セラミック材料などの無機系誘電体基板に種々の導体パターンを形成し、これらを積層後同時に焼成したものが用いられる。
とりわけ、ガラスセラミックスなどの低温で焼成が可能なセラミック材料を用いると、導体パターンを低抵抗の銅、銀などによって形成することができるので望ましい。
また、後述するようにビアホール導体を埋め込むときは、誘電体基板に形成した貫通孔にメッキ処理するか、導体ペーストを充填するかして形成する。
この構造は、誘電体基板1a,1bを積層することで一体に成形できるという利点がある。
誘電体基板1aは、下部導体2と上部電極3とで挟み込まれた平行平板の構造となっているが、誘電体基板1aの側面方向に電波が漏れ出さないためには、平行平板の遮断周波数fc′を超えない周波数領域で設計を行う必要がある。従来のマイクロ波帯では、あまり考慮する必要がなかったが、ミリ波帯では波長が短いので、誘電体基板1aの厚みt1が厚く、比誘電率ε r が高い試料では、遮断周波数fc′を超える場合も生じる。平行平板の遮断周波数fc′は、次式で表される(μは透磁率)。
fc′=1/2t1√(μεrε0
したがって、誘電体基板1aの厚みt1、比誘電率ε r は、使用する周波数が遮断周波数fc′を超えないように選ぶ必要がある。
誘電体基板1bも、上部電極3と上部導体4とで挟み込まれた平行平板の構造となっているが、誘電体基板1bの側面方向xに電波が漏れ出さないためには、誘電体基板1aの場合と同様、平行平板の遮断周波数fc′を超えない周波数領域で設計を行う必要がある。
さらに、高周波信号のz方向への伝送について考察する。高周波信号は、下部電極2、誘電体基板1a,1b、スロットG、導体板4により構成される伝送線路内をz方向に伝送する。この伝送線路は、下部電極2と導体板4との間を、厚さt1の誘電体基板1aと、厚さt2の誘電体基板1bとで満たしたような構成になっている。なお、スロットG内の空間の厚みは、誘電体基板1a,1bを同時焼成して形成する時に消滅するので、表示していない。
高周波信号がz方向に伝送する場合、高周波信号が減衰しない伝送モードとなるように、誘電体基板1aの厚みt1、誘電体基板1bの厚みt2、比誘電率ε r 1ε r 2を選択する必要がある。
この場合、伝送線路の遮断周波数fcは、誘電体基板1aの厚みt1、誘電体基板1bの厚みt2、あるいは誘電体を含む伝送線路の全厚さa(a=t1+t2)、比誘電率ε r 1ε r 2を用いて、[課題を解決するための手段]で説明したように連立方程式を解くことによって決定される。
したがって、誘電体基板1aの厚みt1、誘電体基板1bの厚みt2、比誘電率ε r 1ε r 2は、使用する周波数が遮断周波数fcを超えるように選ぶ必要がある。
図4は、本発明の伝送線路のさらに他の構造を示す断面図である。
この伝送線路は、図2の構造と基本的に同様であるが、異なるところは、伝送線路の側面に平板状の遮蔽導体6a、6bが設けられた構造となっている。このように遮蔽導体6a、6bを設けることで、遮蔽導体6a、6bがなければ誘電体基板1aの側面から電磁波の放射が生ずる条件においても、電磁波の放射を防ぐことができる。
なお、平板状の遮蔽導体に代えて、金属柱である貫通ビアホール導体を一定間隔で誘電体基板に埋め込んでも、同じように放射を抑制することができる。このビアホール導体は、伝送線路の全体を一体に成形して製作するときに、同時に形成できる。
本発明の伝送線路は、特にミリ波帯において最も効果があり、低コストかつ小型化が期待できる。
つぎに、前記伝送線路と高周波デバイスとを組み合わせた高周波モジュールについて説明する。
図5は、高周波モジュールの構成の一例を示すブロック図である。高周波モジュールは、アンテナ端子ANTに接続され、送信系と受信系とを切り替えるフィルタからなるデュープレクサ21と、デュープレクサ21から出力される受信信号を増幅するための低雑音増幅器22と、デュープレクサ21に接続され、所定の送信通過帯域の送信信号を増幅する高周波増幅回路23とを多層基板に実装してなるものである。
このようなモジュールの伝送線路に本発明の伝送線路を使用し、デュープレクサ21、低雑音増幅器22、高周波増幅回路23などの各素子との信号伝送に用いることで、高周波モジュールの低コスト化や小型化に有効となる。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
図1に示した伝送線路を想定して、アンソフト社製有限要素法ソフトHFSSを用いて、電磁界解析を行った。
伝送モード解析は、LSEモードを想定し、さらに構造の左右対称性より中央に電気壁を設けた1/2モデルで計算を行った。
伝送線路の構造を図6に示す。伝送方向をzとする。誘電体基板1の厚さtを1.5mm,比誘電率を2.5とする。誘電体基板1の上には、中央の電気壁から距離W(W=2.3mm)離れた位置及びその右側(x方向)に上部電極3bを載せている。誘電体基板1の上部には厚さh(h=1mm)の空気があり、上部電極3bの厚さは、tやhに比べて無視できるほど薄いものとする。したがって、伝送線路の全厚さは2.5mmとなる。誘電体基板1の下面と、空気で満たされた誘電体基板1の上部空間の上面は、金属壁(図示せず)で閉じている。電極及び金属壁の導電率は銅の値、58×10S/mとした。伝送方向zの終端面は開放端として放射条件を設定している。
この構造における電界分布の計算結果を図6にE0で示す。これより、電界は、中央の伝送領域に集中しており、側面からは放射していないことが確認できた。
60GHzを中心とし、50GHzから70GHzにかけて周波数掃引を行い、Sパラメータの伝送特性S21及び反射特性S11を算出した。この計算結果を図7に示す。この結果から、50GHzから70GHzにわたって損失の少ない良好な伝送特性S21が得られることが分かった。60GHzを超えたあたりでやや伝送特性S21が乱れているが解析上の誤差の範囲であると考えている。
本発明の伝送線路の断面構造を示す断面図である。 本発明の伝送線路の構造を示す斜視図である。 本発明の伝送線路の他の構造を示す断面図である。 本発明の伝送線路のさらに他の構造を示す断面図である。 高周波モジュールの一例を示すブロック図である。 本発明の伝送線路に対して電磁界シミュレータにより求めた放射電界の説明図である。 周波数掃引を行い、Sパラメータの伝送特性S21及び反射特性S11を求めたグラフである。 従来の伝送線路の断面構造の一例を示す断面図である。 従来の積層型伝送線路の構造の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 誘電体基板
2 下部電極
3、3a、3b 上部電極
4 導体板
5a、5b 支持部材
6a、6b 遮蔽導体
G スロット

Claims (8)

  1. 誘電体基板と、当該誘電体基板の両面に、当該誘電体基板に接触した状態でそれぞれ配置された第一の電極板及び第二の電極板と、前記第一の電極板から所定の間隔を置いて導体板を支持するために設けられた側面支持部材と、前記導体板とを備え、
    前記第一の電極板には、高周波信号の伝送方向に沿ってスロット部が形成され、
    前記高周波信号の伝送方向に沿って前記高周波信号を伝搬させる伝送モードは、主電界が、前記第一の電極板が配置された前記誘電体基板の面に平行となるLSEモードであり(これを「第一の伝送モード」という)、
    前記誘電体基板の厚み及び比誘電率は、前記第一の電極板と前記第二の電極板で挟まれた前記誘電体基板で構成される導波領域において、前記高周波信号を減衰させる第二の伝送モードとなるような値に設定され、
    前記スロット部が形成された前記第一の電極板と前記導体板とで形成される空間の厚みは、当該空間で構成される導波領域において、前記高周波信号を減衰させる第三の伝送モードとなるような値に設定されていることを特徴とする伝送線路。
  2. 前記スロット部が形成された前記第一の電極板と前記導体板とで形成される空間は、空気で満たされている請求項1記載の伝送線路。
  3. 前記側面支持部材は、遮蔽導体で形成されている請求項1又は請求項2記載の伝送線路。
  4. 第1の誘電体基板と、当該第1の誘電体基板の両面に、当該誘電体基板に接触した状態でそれぞれ配置された第一の電極板及び第二の電極板と、前記第一の電極板に接触した状態で配置された第2の誘電体基板と、当該第2の誘電体基板の他面に当該第2の誘電体基板に接触した状態で配置された導体板とを備え、
    前記第一の電極板には、高周波信号の伝送方向に沿ったスロット部が形成され、
    前記高周波信号の伝送方向に沿って前記高周波信号を伝搬させる伝送モードは、主電界が、前記第一の電極板が配置された前記誘電体基板の面に平行となるLSEモードであり(これを「第一の伝送モード」という)、
    前記第1の誘電体基板の厚み及び比誘電率は、前記第一の電極板と前記第二の電極板で挟まれた前記第1の誘電体基板で構成される導波領域において、前記高周波信号を減衰させる第二の伝送モードとなるような値に設定され、
    前記第2の誘電基板の厚み及び比誘電率は、前記第一の電極板と前記導体板で挟まれた前記第2の誘電体基板で構成される導波領域において、前記高周波信号を減衰させる第三の伝送モードとなるような値に設定されていることを特徴とする伝送線路。
  5. 前記スロット部の両側に、前記第1及び/又は第2の誘電体基板を貫通するビアホール導体を所定の間隔を置いて複数個設けた請求項記載の伝送線路。
  6. 前記第1及び第2の誘電体基板の側面は、遮蔽導体でシールドされている請求項記載の伝送線路。
  7. 前記誘電体基板前記導体板、前記電極板が一体に形成されている請求項又は請求項記載の伝送線路。
  8. 求項1から請求項のいずれかに記載の伝送線路と高周波デバイスとを組み合わせたことを特徴とする高周波モジュール。
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