JP4172123B2 - 無人取引システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金融機関等において、顧客が顧客端末装置を操作して契約の申込みを行い、遠隔地にあるセンタ端末装置でオペレータが審査を行って契約を行う無人取引システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金融機関等においては、現金の入出金、その他の処理を顧客の操作によって自動的に実行する装置が広く普及している。顧客がキャッシュカード等の所定の金融商品を利用する場合には、契約の申込書等の記入や提出等の手続きが必要になる。このような手続きは、従来は金融機関の窓口で直接案内係の案内により処理されているが、近年、顧客が記入した申込書等の書類をイメージスキャナで読み取り、取得したイメージデータを本店の管理センタへ送って契約の申込み手続きを行う無人取引システムが登場してきた。
【0003】
この無人取引システムでは、顧客が操作する顧客端末装置にイメージスキャナを備えたイメージ読取部を搭載し、このイメージ読取部で申込書のイメージデータを取得し、管理センタに送られたイメージデータをオペレータが操作するセンタ端末装置に表示して内容を確認し、顧客が記入した事項に誤りがなければ身分証明書等のイメージデータとともにファイルに保管し、顧客端末装置側で契約書を発行する。申込書や顧客が署名した契約書は、顧客端末装置内に取り込み、その写しが顧客に渡される。以上のようにして、顧客のみによる申込み手続きを可能にし、金融機関の窓口の負担を軽減するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した無人取引システムにおける顧客端末装置では、イメージデータを取得した申込書等を回収するための機構が設けられている。
一方、顧客端末装置には、契約書やその写しを発行するためにプリンタが設けられている。従来、申込書等を回収するための機構と、契約書等を発行するための機構は独立しており、ハード量が多く、また、保守も手間がかかるものであった。
【0005】
さらに、申込書等をイメージ読取部にセットするための書類の投入口と、プリンタからの契約書等を発行するための書類の排出口が別になってしまうので、操作性が悪いものであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明は、顧客端末装置のイメージ読取部にセットされた申込書のイメージデータを取得し、この取得したイメージデータをセンタ端末装置に送って内容を確認し、顧客端末装置で契約書を発行する無人取引システムにおいて、イメージ読取部にある申込書を回収ボックスへ搬送する搬送路に印字機構を設け、印字前の契約書を前記搬送路に送り、印字機構で印字を行ってから、この印字の終了した契約書を、イメージ読取部にセットする申込書を受け入れる書類投入取り出し口に搬送することを特徴とする無人取引システムである。
【0007】
本発明の請求項2に係る発明は、上述した請求項1に係る無人取引システムにおいて、イメージ読取部にある申込書を回収ボックスへ回収する時に、前記印字機構で番号を印字するとともに、イメージ読取部にある契約書を回収ボックスへ回収する時に、対になる申込書に印字した番号と同じ番号を前記印字機構で印字することを特徴とする無人取引システムである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の無人取引システムの第1の実施の形態を示す説明図で、この図1は、本発明の第1の実施の形態の無人取引システムを構成する顧客端末装置の要部構成を示す。
図2は無人取引システムの全体構成の概略を示す説明図であり、まず、図2を用いて無人取引システムの全体構成について説明する。
【0009】
顧客端末装置1は顧客2が操作する装置で、通信網3を介してセンタ端末装置4に接続されている。センタ端末装置4はオペレータ5が操作する装置で、該センタ端末装置4は複数台の顧客端末装置1と通信網3を介して接続され、これら顧客端末装置1の中で、取引を実行している顧客端末装置1とセンタ端末装置4との間で、データの授受が行われる。
【0010】
オペレータ5は、センタ端末装置4を操作して、取引を実行している顧客端末装置1に対して通信網3を介してガイダンスを送れるようになっており、顧客端末装置1は、音声や画像でガイダンスを出力する。そして、顧客端末装置1を操作する顧客2は、センタ端末装置4を操作するオペレータ5から適宜ガイダンスを受けながら申込書等の書類の記入や、記入済、あるいは持参した書類の所定位置へのセットを行う。
【0011】
図3は顧客端末装置の外観斜視図である。
顧客端末装置1の本体キャビネット11の正面上部には、スピーカ12、人物カメラ13、近接センサ14および手元カメラ15が並べて設けてある。
スピーカ12は、一連の操作案内およびオペレータからのガイダンス等の音声を顧客に向けて出力する。人物カメラ13は、顧客端末装置1の前に座った顧客の姿を撮影するためのカメラで、その映像はセンタ端末装置4へ送られる。
【0012】
近接センサ14は、取引作業を自動的に開始するため、顧客の接近を検知するものである。手元カメラ15は、顧客が申込書等の書類に署名したり、取引作業を行ったりする場合に、その手元を撮影するカメラで、その映像はセンタ端末4へ送られる。
本体キャビネット11の正面中央部には、表示部16、タッチパネル部17、ハンドセット18、マイク19、書類記入台20、イメージ読取部21、カード発行口22、書類投入取り出し口23が設けられている。
【0013】
表示部16は、顧客に対するガイダンス等を表示するためのディスプレイである。タッチパネル部17は、表示部16に表示された仮想キーを押すと、その圧力を検出して所定の処理を実行させるものである。ハンドセット18は、顧客がオペレータの呼び出しを行うためのものである。マイク19は、顧客の声の入力を受けて、センタ端末装置4に送るためのものである。
【0014】
書類記入台20は、水平な面を有して、顧客が申込書に記入したり、契約書に署名したりする場合に用いるものである。
この書類記入台20には開閉可能な蓋20aが設けられ、この蓋20aの下に、イメージ読取部21が設けられる。このイメージ読取部21は、申込書等と身分証明書を読み取ってイメージデータを取得する。そして、取得したイメージデータはセンタ端末4へ送られる。
【0015】
カード発行口22は、契約が成立した時、顧客に対してカードを発行するためのものである。
書類投入取り出し口23は、申込書や契約書等を受け入れたり、契約書や契約書の写し等を受け取って排出するものであり、蓋20aの奥に位置する。
そして、書類投入取り出し口23にセットされた申込書や契約書は、ここでは図示しない搬送路によってイメージ読取部21に搬送され、該イメージ読取部21の所定の位置にセットされてイメージデータの取得が行えるようになっているとともに、イメージ読取部21でイメージデータの取得の終了した申込書や契約書は、該イメージ読取部21から、やはりここでは図示しない搬送路によって回収ボックスに搬送される。
【0016】
また、ここでは図示しない収納ボックスから印字前の契約書等が繰り出されて、イメージ読取部21と回収ボックスを結ぶ搬送路に送り込まれ、該搬送路に設けられる印字機構で印字を行って、書類投入取り出し口23から排出するようになっている。なお、これら書類の処理機構の詳細については後述する。
図4は顧客端末装置のブロック図である。
【0017】
制御部28は顧客端末装置1の動作全体を制御するもので、内部には記憶部29が設けられている。
制御部28は、スピーカ12、近接センサ14、表示部16、タッチパネル部17、イメージ読取部21、カード発行部22a、書類取込機構23aおよびプリンタ部23bが接続されている。
【0018】
カード発行部22aは、必要事項をカードに例えば磁気記録して発行するもので、カード発行部22aで処理されたカードが、カード発行口22から発行される。
書類取込機構23aは、書類投入取り出し口23にセットされた申込書や契約書等を取り込み、イメージ読取部21に搬送して所定の位置にセットしたり、イメージ読取部21にある申込書や契約書等を回収ボックスへ搬送する。また、印字前の契約書等を収納ボックスから繰り出し、書類投入取り出し口23に搬送する。
【0019】
プリンタ部23bは、前記書類取込機構23aで搬送される契約書や署名した契約書の写しの印字を行う。
また、イメージ読取部21で取得したイメージデータは、記憶部29に記憶される。
制御部28にはマルチメディア通信制御部25が接続されている。このマルチメディア通信制御部25は、顧客を撮影した映像や顧客の声等をセンタ端末装置4へ送る制御を行うもので、人物カメラ13、手元カメラ15、マイク19およびハンドセット18が接続されている。
【0020】
さらに、制御部28はLANや通信網に接続される。
図5はセンタ端末装置の外観図である。
オペレータが操作するセンタ端末装置4には、ディスプレイ31、キーボード32、マウス33等を備えた制御部38と、カメラ34、ヘッドセット35、マルチメディア通信装置36、プリンタ37が設けられている。カメラ34は、オペレータの顔を顧客端末装置1の表示部16に表示させるため、オペレータの顔を撮影する。ヘッドセット35はレシーバ35bで顧客の声を聞き、マイク35aでオペレータの声を入力する。マルチメディア通信装置36は、音声や画像を送受信するための装置である。プリンタ37は、オペレータが必要とする事項を印刷出力する。
【0021】
図6はセンタ端末装置のブロック図である。
制御部38はセンタ端末装置4の動作全体を制御するもので、内部には記憶部39が設けられている。
記憶部39には定型フォームの書類のイメージ等のデータが記憶されている。制御部38は、これに接続されるディスプレイ31、キーボード32、マウス33、マルチメディア通信装置36およびプリンタ37を制御する。
【0022】
そして、制御部38はLANに接続され、同じLANに接続される顧客端末装置の制御部や、他の通信網を介して接続される顧客端末装置の制御部と接続される。
次に、図1を用いて本発明の第1の実施の形態の詳細について説明する。
41は申込書等を回収して収納しておく回収ボックス、42は回収ボックス41とイメージ読取部21を結ぶ第1の搬送路、43は書類投入取り出し口23と第1の搬送路42を結ぶ第2の搬送路、44は第1の搬送路42に設けた印字機構、45aは契約書となる用紙を収納する収納ボックス、45bは契約書の写しとなる用紙を収納する収納ボックス、46は第1の搬送路42と第2の搬送路43の合流点において申込書等の搬送方向を切り替える第1の分岐部、47は第1の搬送路42において回収ボックス41への搬送経路と収納ボックス45aもしくは収納ボックス45bからの搬送経路の合流点において申込書等の搬送方向を切り替える第2の分岐部であり、書類取込機構23aとして、図示しないが、申込書等の繰り出しや搬送を行う搬送ローラ、搬送ローラを駆動するためのモータ、申込書等の位置を検出するためのセンサ等を備えている。
【0023】
前記印字機構44は、印字ヘッドやプラテン等を備えて、制御部28に制御されるプリンタ部23bを構成し、収納ボックス45aもしくは収納ボックス45bから第1の搬送路42に送り込まれたれた契約書もしくは契約書の写しとなる印字前の用紙に印字を行い、契約書あるいは契約書の写しを作成する。
第1の分岐部46は、図示しないブレードとこのブレードの駆動機構等により、イメージ読取部21にある申込書もしくは契約書の搬送方向を、書類投入取り出し口23方向か、回収ボックス41方向に切り替える。また、第1の分岐部46では、収納ボックス45aもしくは収納ボックス45bから第1の搬送路42に送り込まれた契約書もしくは契約書の写しの搬送方向を、書類投入取り出し口23方向に切り替える。さらに、書類投入取り出し口23にある申込書、契約書、契約書の写しの搬送方向を、取引の進行状況に応じてイメージ読取部21方向か回収ボックス41方向かに切り替える。
【0024】
第2の分岐部47は、図示しないブレードとこのブレードの駆動機構等により、イメージ読取部21から搬送されてきた申込書もしくは契約書の搬送方向を回収ボックス41方向に切り替える。また、この第2の分岐部47は、収納ボックス45aもしくは収納ボックス45bから繰り出された契約書もしくは契約書の写しが、第1の搬送路42に送り込めるように搬送方向を切り替える。
【0025】
イメージ読取部21は、申込書と免許証等の身分証明書を同時に載せることが可能な大きさを持つ読取面を備える。そして、イメージ読取部21の身分証明書を載せる部分の上には開閉可能な蓋20aが設けられ、顧客がアクセス可能となっている。これに対して、イメージ読取部21の申込書を載せる部分の上は開閉はせず、さらに、イメージ読取部21の身分証明書を載せる部分と申込書を載せる部分の間には仕切48を設けることで、イメージ読取部21の申込書を載せる部分には顧客はアクセスできないようにしてある。なお、申込書は、その記入面を上側に向けた状態で書類投入取り出し口23にセットするようにして、顧客が、記入した申込書を書類投入取り出し口23にセットする段階で裏返すという手間を省くようにしている。
【0026】
また、身分証明書は、その対象が免許証であったり健康保険証であったりと、サイズや厚みが統一されていないので、顧客が直接イメージ読取部21の読取面にセットすることとしてある。顧客が直接イメージ読取部21の読取面に身分証明書をセットできるようにするため、イメージ読取部21の身分証明書が載る部分は、図3に示す書類記入台20の下側に位置する。そして、書類記入台20の蓋20aの奥に書類投入取り出し口23があって、かつ、イメージ読取部21の読取面に申込書と身分証明書を並べるために、第2の搬送路43はU字状となっている。
【0027】
次に、本発明の第1の実施の形態の動作を説明する。なお、以下の動作は、顧客が顧客端末装置を操作することで金融機関との間で契約書を交わし、キャッシュカードを発行する場合を例に説明する。
図7および図8は本発明の第1の実施の形態の処理の流れを示すフローチャートで、図7は顧客が記入した申込書と顧客が持参した身分証明書のイメージデータを取得し、これら書類を返却するまでの処理を示し、図8はこれ以降の動作、すなわち、契約書発行以降の処理を示す。
【0028】
図9は第1の実施の形態における書類の流れを示す説明図で、図1において説明した顧客端末装置における申込書等の書類の搬送経路を矢印で示したものである。
以下に、動作を説明する。
顧客2が顧客端末装置1に接近すると、近接センサ14の出力から顧客の接近が検出され、制御部28は表示部16にガイダンスを表示する。
【0029】
顧客2はガイダンスに従ってタッチパネル部17を操作し、取引項目を選択する。ここでは、キャッシュカードの発行取引が選択されるものとする。また、顧客2は、持参した身分証明書の種類を特定する情報をタッチパネル部17から入力する。顧客2が顧客端末装置1から入力した情報は、通信網3を介してセンタ端末装置4に送信される。
【0030】
次に、顧客2はガイダンスに従って申込書を作成する(SA1)。すなわち、顧客2は申込書に必要事項を記入する。なお、顧客2があらかじめ記入済の申込書を持参してもよい。
顧客2は、記入の終了した申込書を記入面を上にした状態で書類投入取り出し口23にセットする(SA2)。申込書が書類投入取り出し口23にセットされると、図9▲1▼の矢印で示すように、書類取込機構23aによりこれを吸入し(SA3)、イメージ読取部21に送り込む。すなわち、制御部28は、第1の分岐部46において、書類投入取り出し口23からの申込書の搬送方向を、イメージ読取部21方向に切り替え、図示しない搬送ローラを回転させて、書類投入取り出し口23にセットされた申込書を第2の搬送路43および第1の搬送路42によりによりイメージ読取部21に送り込む。
【0031】
申込書がイメージ読取部21の所定の位置に搬送されたと判断すると、制御部28は顧客に対して持参した身分証明書を蓋20aを開けてセットするように促すガイダンスを表示部16やスピーカ12を用いて出力する。
顧客2は、このガイダンスを受けて、蓋20aを開け、身分証明書をイメージ読取部21にセットする(SA4)。
【0032】
ここで、イメージ読取部21の申込書を載せる部分と身分証明書を載せる部分の間には仕切48が設けられているので、身分証明書をイメージ読取部21にセットする際、蓋20aを開けても、既に吸入してイメージ読取部21にセットしてある申込書にアクセスすることはできない。
顧客2は身分証明書をイメージ読取部21にセットすると、蓋20aを閉める。
【0033】
制御部28は、図示しないセンサの出力から蓋20aが閉状態となったことを検出すると、イメージ読取部21を制御して読取動作を実行する(SA5)。このとき、申込書と身分証明書の両方を一度に読み取ってイメージデータを取得する。そして、取得したイメージデータをセンタ端末装置4に送信し、センタ端末装置4の制御部38は、受信した申込書と身分証明書のイメージデータを記憶部39に記憶する。
【0034】
一方、センタ端末装置4側では、送られてきた申込書と身分証明書のイメージデータがディスプレイ31に表示され、オペレータによる確認が行われる。
オペレータ5は、ディスプレイ31に表示された申込書のイメージと身分証明書のイメージを見て、顧客2が記入した申込書の内容を確認するとともに(SA6)、身分証明書の位置の確認および内容確認を行う(SA7)。
【0035】
前記SA6の判断で申込書の記入内容に不備があった場合は、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して申込書を返却して、表示部16から申込書の訂正のガイダンスを出力するように指示を出すとともに、ヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して音声によるガイダンスを入力する。
【0036】
顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から申込書の返却指示を受けると、第1の分岐部46において、イメージ読取部21からの申込書の搬送方向を、書類投入取り出し口23方向に切り替え、図9▲2▼の矢印で示すように、イメージ読取部21にある申込書を、書類取込機構23aにより書類投入取り出し口23に搬送して排出する(SA8)。そして、表示部16からガイダンスを出力するとともに、センタ端末装置4のヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して入力した音声によるガイダンスをスピーカ12から出力する。
【0037】
顧客2は、書類投入取り出し口23から排出された申込書を受け取り、表示部16からの映像によるガイダンスとスピーカ12からの音声によるガイダンスに従い該申込書を修正し、修正の終了した申込書を、記入面を上にした状態で書類投入取り出し口23にセットする(SA2)。修正の終了した申込書が書類投入取り出し口23にセットされると、図9▲1▼の矢印で示すように、書類取込機構23aによりこれを吸入し(SA3)、イメージ読取部21に送り込んで、イメージ読取部21により読取動作を実行する(SA5)。このとき、申込書と既にセットしてある身分証明書の両方を一度に読み取ってイメージデータを取得する。そして、取得したイメージデータをセンタ端末装置4に送信し、センタ端末装置4の制御部38は、受信した申込書と身分証明書のイメージデータを記憶部39に上書き記憶する。
【0038】
前記SA7の判断で身分証明書の位置に不備があった場合は、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して表示部16から身分証明書の位置の訂正のガイダンスを出力するように指示を出すとともに、ヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して音声によるガイダンスを入力する。
【0039】
顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から身分証明書の位置の訂正指示を受けると、表示部16から蓋20aを開けて身分証明書をセットし直させるガイダンスを出力するとともに、センタ端末装置4のヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して入力した音声によるガイダンスをスピーカ12から出力する。
【0040】
このガイダンスを受けて、顧客2は、蓋20aを開けて身分証明書をセットし直し、再度蓋20aを閉める(SA4)。制御部28は、図示しないセンサの出力から蓋20aが閉状態となったことを検出すると、イメージ読取部21を制御して読取動作を実行する(SA5)。このとき、既に取り込んである申込書とセットし直された身分証明書の両方を一度に読み取ってイメージデータを取得する。そして、取得したイメージデータをセンタ端末装置4に送信し、センタ端末装置4の制御部38は、受信した申込書と身分証明書のイメージデータを記憶部39に上書き記憶する。
【0041】
申込書の内容に不備がなく、身分証明書の位置にも不備がなければ、契約内容の審査を行い、審査が通ると、契約書の交付手続きに移行するべく、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して契約書の発行を指示する。
顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から契約書の発行指示を受けると、イメージ読取部21にある申込書を、図9▲3▼の矢印で示すように、書類取込機構23aにより回収ボックス41に搬送して回収する(SA9)。すなわち、第1の分岐部46において、イメージ読取部21からの申込書の搬送方向を、回収ボックス41方向に切り替え、イメージ読取部21にある申込書を第1の搬送路42を搬送させて回収ボックス41に回収する。
【0042】
また、身分証明書を返却するため、表示部16とスピーカ12からガイダンスを出力して、顧客2に対して身分証明書を受け取るように促す。このガイダンスを受けて、顧客2は蓋20aを開け、身分証明書を受け取る(SA10)。なお、イメージ読取部21の申込書を載せる部分と身分証明書を載せる部分の間には仕切48が設けてあり、蓋20aを開けても申込書を差し替える等の不正を行うことはできないので、申込書の回収動作と並行して身分証明書の返却動作を行うことが可能であり、蓋20aが開いた時に、申込書がイメージ読取部21に残っている状態が許されるので、処理の高速化が図れるものである。
【0043】
次に、顧客端末装置1の制御部28は、第2の分岐部47において、収納ボックス45aから繰り出された契約書となる用紙が、第1の搬送路42に送り込めるように搬送方向を切り替えて、図9▲4▼の矢印で示すように、該収納ボックス45aから契約書となる用紙を繰り出し、第1の搬送路42に送り込む。そして、プリンタ部23bを制御して、印字機構44により、第1の搬送路42を搬送される契約書となる用紙に必要事項の印字を行って契約書を作成する。そして、第1の分岐部46において、収納ボックス45aから第1の搬送路42に送り込まれた契約書の搬送方向を、書類投入取り出し口23方向に切り替えて、図9▲6▼に示すように、契約書を第1の搬送路42から第2の搬送路43に送り込み、書類投入取り出し口23から排出する(SA11)。ここで、第1の搬送路42の上側に印字機構44を設け、第1の分岐部46により、契約書をイメージ読取部21を経由することなく書類投入取り出し口23に送り込むことで、顧客2には、印字面を上にした状態で契約書を発行できる。
【0044】
顧客2はこの契約書を受け取り、署名する(SA12)。
そして、顧客2は署名の終了した契約書を記入面を上にした状態で書類投入取り出し口23にセットする(SA13)。
契約書が書類投入取り出し口23にセットされると、図9▲1▼の矢印で示すように、書類取込機構23aによりこれを吸入し、イメージ読取部21に送り込む。すなわち、制御部28は、第1の分岐部46において、書類投入取り出し口23からの契約書の搬送方向を、イメージ読取部21方向に切り替え、書類投入取り出し口23にセットされた契約書を第2の搬送路43および第1の搬送路42によりによりイメージ読取部21に送り込む。
【0045】
契約書がイメージ読取部21の所定の位置に搬送されたと判断すると、イメージ読取部21を制御して読取動作を実行する(SA14)。そして、取得したイメージデータをセンタ端末装置4に送信し、センタ端末装置4の制御部38は、受信した契約書のイメージデータを記憶部39に記憶する。また、取得したイメージデータは、顧客端末装置1の記憶部29にも記憶される。
【0046】
センタ端末装置4側では、送られてきた契約書のイメージデータがディスプレイ31に表示され、オペレータ5による確認が行われる。
オペレータ5は、ディスプレイ31に表示された契約書のイメージを見て、顧客2の署名を確認する(SA15)。
前記SA15の判断で契約書の署名に不備があった場合は、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して契約書を返却して、表示部16から署名の訂正のガイダンスを出力するように指示を出すとともに、ヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して音声によるガイダンスを入力する。
【0047】
顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から契約書の返却指示を受けると、第1の分岐部46において、イメージ読取部21からの契約書の搬送方向を、書類投入取り出し口23方向に切り替え、図9▲2▼の矢印で示すように、イメージ読取部21にある契約書を、書類取込機構23aにより書類投入取り出し口23に搬送して排出する(SA16)。そして、表示部16からガイダンスを出力するとともに、センタ端末装置4のヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して入力した音声によるガイダンスをスピーカ12から出力する。
【0048】
顧客2は、書類投入取り出し口23から排出された契約書を受け取り、表示部16からの映像によるガイダンスとスピーカ12からの音声によるガイダンスに従い該契約書の署名を修正し、修正の終了した契約書を、記入面を上にした状態で書類投入取り出し口23にセットする。修正の終了した契約書が書類投入取り出し口23にセットされると、図9▲1▼の矢印で示すように、書類取込機構23aによりこれを吸入し、イメージ読取部21に送り込んで、イメージ読取部21により読取動作を実行する(SA14)。そして、取得したイメージデータをセンタ端末装置4に送信し、センタ端末装置4の制御部38は、受信した契約書のイメージデータを記憶部39に上書き記憶する。
【0049】
前記SA15の判断で契約書の署名に不備がなければ、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して契約書の回収および契約書の写しの発行を指示する。
顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から契約書の回収および契約書の写しの発行指示を受けると、まず、イメージ読取部21にある契約書を、図9▲3▼の矢印で示すように、書類取込機構23aにより回収ボックス41に搬送して回収する(SA17)。すなわち、第1の分岐部46において、イメージ読取部21からの契約書の搬送方向を、回収ボックス41方向に切り替え、イメージ読取部21にある契約書を第1の搬送路42を搬送させて回収ボックス41に回収する。
【0050】
次に、顧客端末装置1の制御部28は、第2の分岐部47において、収納ボックス45bから繰り出された契約書の写しとなる用紙が、第1の搬送路42に送り込めるように搬送方向を切り替えて、図9▲5▼の矢印で示すように、該収納ボックス45bから契約書の写しとなる用紙を繰り出し、第1の搬送路42に送り込む。そして、記憶部29に記憶してある契約書のイメージデータを用い、プリンタ部23bを制御して印字機構44により、第1の搬送路42を搬送される契約書の写しとなる用紙に必要事項の印字を行って契約書の写しを作成する。そして、第1の分岐部46において、収納ボックス45bから第1の搬送路42に送り込まれた契約書の写しの搬送方向を、書類投入取り出し口23方向に切り替えて、図9▲6▼に示すように、契約書の写しを第1の搬送路42から第2の搬送路43に送り込み、書類投入取り出し口23から排出する(SA18)。
【0051】
さらに、カード発行部22aを制御してカードに必要事項を記憶し、カード発行口22から発行する(SA19)。顧客が書類投入取り出し口23から契約書の写しを受け取り、カード発行口22からカードを受け取ると、キャッシュカードの発行取引が終了する。
ここで、制御部28は、近接センサ14の出力から顧客2が顧客端末装置1から離れたと判断してから一定時間が経過しても、図示しないセンサの出力から契約書の写しが書類投入取り出し口23にあると、顧客2が契約書の写しを取り忘れたものと判断し、第1の分岐部46において書類投入取り出し口23にある契約書の写しの搬送方向を、回収ボックス41方向に切り替え、書類投入取り出し口23にある契約書の写しを、図9▲7▼で示すように第2の搬送路43および第1の搬送路42を搬送させて回収ボックス41に回収する。なお、顧客2が契約途中で顧客端末装置1から離れてしまい、申込書もしくは契約書が書類投入取り出し口23に残ってしまった場合も、上述した契約書の写しの回収動作と同様にして、回収ボックス41に回収する。これにより、顧客端末装置1を後から利用する顧客に前に利用していた顧客の申込書、契約書あるいは契約書の写しを使用されることはない。
【0052】
以上説明した本発明の第1の実施の形態によれば、イメージ読取部にある申込書や契約書を回収ボックスへ搬送する搬送路に印字機構を設け、印字前の契約書あるいは契約書の写しを前記搬送路に送り、印字機構で印字を行ってから、この印字の終了した契約書等を、イメージ読取部にセットする申込書もしくは契約書を受け入れる書類投入取り出し口に搬送することとしたので、イメージ読取部にある申込書等を回収するための搬送路と、契約書等を発行するための搬送路を共用化できるとともに、申込書や契約書を金融機関側で保存するための回収ボックスと、顧客が取り忘れた契約書の写し等を保存するための回収ボックスを共用化できるので、ハード量を減らすことができ、顧客端末装置全体の省スペース化を図り、ハード量を減らすことで保守性を向上させることが可能となる。また、顧客端末装置から顧客へ排出する書類の取り出し口と、顧客が顧客端末装置へ書類を投入する投入口とを統一できるので、顧客に対する操作性の向上が図れる。
【0053】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
なお、この第2の実施の形態においては、無人取引システム全体の構成は第1の実施の形態と同じであり、申込書と契約書の回収時の動作が第1の実施の実施の形態と異なるものである。以下に、図1〜図6で説明した構成を用いて第2の実施の形態の動作を説明する。
【0054】
ここで、図10および図11は本発明の第2の実施の形態の処理の流れを示すフローチャートで、図10は顧客が記入した申込書と顧客が持参した身分証明書のイメージデータを取得し、これら書類を返却するまでの処理を示し、図11はこれ以降の動作、すなわち、契約書発行以降の処理を示す。
図12は第2の実施の形態における書類の流れを示す説明図で、図1において説明した顧客端末装置における申込書等の書類の搬送経路を矢印で示したものである。
【0055】
顧客2が顧客端末装置1に接近すると、近接センサ14の出力から顧客の接近が検出され、制御部28は表示部16にガイダンスを表示する。
顧客2はガイダンスに従ってタッチパネル部17を操作し、取引項目を選択する。ここでは、キャッシュカードの発行取引が選択されるものとする。また、顧客2は、持参した身分証明書の種類を特定する情報をタッチパネル部17から入力する。顧客2が顧客端末装置1から入力した情報は、通信網3を介してセンタ端末装置4に送信される。
【0056】
次に、顧客2はガイダンスに従って申込書を作成する(SB1)。すなわち、顧客2は申込書に必要事項を記入する。なお、顧客2があらかじめ記入済の申込書を持参してもよい。
顧客2は、記入の終了した申込書を記入面を上にした状態で書類投入取り出し口23にセットする(SB2)。申込書が書類投入取り出し口23にセットされると、図12▲1▼の矢印で示すように、書類取込機構23aによりこれを吸入し(SB3)、イメージ読取部21に送り込む。すなわち、制御部28は、第1の分岐部46において、書類投入取り出し口23からの申込書の搬送方向を、イメージ読取部21方向に切り替え、図示しない搬送ローラを回転させて、書類投入取り出し口23にセットされた申込書を第2の搬送路43および第1の搬送路42によりによりイメージ読取部21に送り込む。
【0057】
申込書がイメージ読取部21の所定の位置に搬送されたと判断すると、制御部28は顧客に対して持参した身分証明書を蓋20aを開けてセットするように促すガイダンスを表示部16やスピーカ12を用いて出力する。
顧客2は、このガイダンスを受けて、蓋20aを開け、身分証明書をイメージ読取部21にセットする(SB4)。
【0058】
ここで、イメージ読取部21の申込書を載せる部分と身分証明書を載せる部分の間には仕切48が設けられているので、身分証明書をイメージ読取部21にセットする際、蓋20aを開けても、既に吸入してイメージ読取部21にセットしてある申込書にアクセスすることはできない。
顧客2は身分証明書をイメージ読取部21にセットすると、蓋20aを閉める。
【0059】
制御部28は、図示しないセンサの出力から蓋20aが閉状態となったことを検出すると、イメージ読取部21を制御して読取動作を実行する(SB5)。このとき、申込書と身分証明書の両方を一度に読み取ってイメージデータを取得する。そして、取得したイメージデータをセンタ端末装置4に送信し、センタ端末装置4の制御部38は、受信した申込書と身分証明書のイメージデータを記憶部39に記憶する。
【0060】
一方、センタ端末装置4側では、送られてきた申込書と身分証明書のイメージデータがディスプレイ31に表示され、オペレータによる確認が行われる。
オペレータ5は、ディスプレイ31に表示された申込書のイメージと身分証明書のイメージを見て、顧客2が記入した申込書の内容を確認するとともに(SB6)、身分証明書の位置の確認および内容確認を行う(SB7)。
【0061】
前記SB6の判断で申込書の記入内容に不備があった場合は、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して申込書を返却して、表示部16から申込書の訂正のガイダンスを出力するように指示を出すとともに、ヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して音声によるガイダンスを入力する。
【0062】
顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から申込書の返却指示を受けると、第1の分岐部46において、イメージ読取部21からの申込書の搬送方向を、書類投入取り出し口23方向に切り替え、図12▲2▼の矢印で示すように、イメージ読取部21にある申込書を、書類取込機構23aにより書類投入取り出し口23に搬送して排出する(SB8)。そして、表示部16からガイダンスを出力するとともに、センタ端末装置4のヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して入力した音声によるガイダンスをスピーカ12から出力する。
【0063】
顧客2は、書類投入取り出し口23から排出された申込書を受け取り、表示部16からの映像によるガイダンスとスピーカ12からの音声によるガイダンスに従い該申込書を修正し、修正の終了した申込書を、記入面を上にした状態で書類投入取り出し口23にセットする。修正の終了した申込書が書類投入取り出し口23にセットされると、図12▲1▼の矢印で示すように、書類取込機構23aによりこれを吸入し(SB3)、イメージ読取部21に送り込んで、イメージ読取部21により読取動作を実行する(SB5)。このとき、申込書と既にセットしてある身分証明書の両方を一度に読み取ってイメージデータを取得する。そして、取得したイメージデータをセンタ端末装置4に送信し、センタ端末装置4の制御部38は、受信した申込書と身分証明書のイメージデータを記憶部39に上書き記憶する。
【0064】
前記SB7の判断で身分証明書の位置に不備があった場合は、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して表示部16から身分証明書の位置の訂正のガイダンスを出力するように指示を出すとともに、ヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して音声によるガイダンスを入力する。
【0065】
顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から身分証明書の位置の訂正指示を受けると、表示部16から蓋20aを開けて身分証明書をセットし直させるガイダンスを出力するとともに、センタ端末装置4のヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して入力した音声によるガイダンスをスピーカ12から出力する。
【0066】
このガイダンスを受けて、顧客2は、蓋20aを開けて身分証明書をセットし直し、再度蓋20aを閉める(SB4)。制御部28は、図示しないセンサの出力から蓋20aが閉状態となったことを検出すると、イメージ読取部21を制御して読取動作を実行する(SB5)。このとき、既に取り込んである申込書とセットし直された身分証明書の両方を一度に読み取ってイメージデータを取得する。そして、取得したイメージデータをセンタ端末装置4に送信し、センタ端末装置4の制御部38は、受信した申込書と身分証明書のイメージデータを記憶部39に上書き記憶する。
【0067】
申込書の内容に不備がなく、身分証明書の位置にも不備がなければ、契約内容の審査を行い、審査が通ると、契約書の交付手続きに移行するべく、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して契約書の発行を指示する。
顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から契約書の発行指示を受けると、イメージ読取部21にある申込書を、図12▲3▼の矢印で示すように、書類取込機構23aにより印字機構44のところに搬送して、プリンタ部23bを制御して該印字機構44により申込書に番号を印字するナンバリングを行い(SB9)、図12▲4▼の矢印で示すように、回収ボックス41に搬送して回収する(SB10)。すなわち、第1の分岐部46において、イメージ読取部21からの申込書の搬送方向を、回収ボックス41方向に切り替え、イメージ読取部21にある申込書を第1の搬送路42を搬送させて印字機構44の所に搬送し、申込書に番号を印字する。なお、この番号は、次の取引前には自動的にインクリメントされる。そして、番号を印字した申込書を回収ボックス41へ搬送して回収する。
【0068】
また、身分証明書を返却するため、表示部16とスピーカ12からガイダンスを出力して、顧客2に対して身分証明書を受け取るように促す。このガイダンスを受けて、顧客2は蓋20aを開け、身分証明書を受け取る(SB11)。なお、イメージ読取部21の申込書を載せる部分と身分証明書を載せる部分の間には仕切48が設けてあり、蓋20aを開けても申込書を差し替える等の不正を行うことはできないので、申込書の回収動作と並行して身分証明書の返却動作を行うことが可能であり、蓋20aが開いた時に、申込書がイメージ読取部21に残っている状態が許されるので、処理の高速化が図れるものである。
【0069】
次に、顧客端末装置1の制御部28は、第2の分岐部47において、収納ボックス45aから繰り出された契約書となる用紙が、第1の搬送路42に送り込めるように搬送方向を切り替えて、図12▲5▼の矢印で示すように、該収納ボックス45aから契約書となる用紙を繰り出し、第1の搬送路42に送り込む。そして、プリンタ部23bを制御して、印字機構44により、第1の搬送路42を搬送される契約書となる用紙に必要事項の印字を行って契約書を作成する。そして、第1の分岐部46において、収納ボックス45aから第1の搬送路42に送り込まれた契約書の搬送方向を、書類投入取り出し口23方向に切り替えて、図12▲6▼に示すように、契約書を第1の搬送路42から第2の搬送路43に送り込み、書類投入取り出し口23から排出する(SB12)。
【0070】
顧客2はこの契約書を受け取り、署名する(SB13)。
そして、顧客2は署名の終了した契約書を記入面を上にした状態で書類投入取り出し口23にセットする(SB14)。
契約書が書類投入取り出し口23にセットされると、図12▲1▼の矢印で示すように、書類取込機構23aによりこれを吸入し、イメージ読取部21に送り込む。すなわち、制御部28は、第1の分岐部46において、書類投入取り出し口23からの契約書の搬送方向を、イメージ読取部21方向に切り替え、書類投入取り出し口23にセットされた契約書を第2の搬送路43および第1の搬送路42によりによりイメージ読取部21に送り込む。
【0071】
契約書がイメージ読取部21の所定の位置に搬送されたと判断すると、イメージ読取部21を制御して読取動作を実行する(SB15)。そして、取得したイメージデータをセンタ端末装置4に送信し、センタ端末装置4の制御部38は、受信した契約書のイメージデータを記憶部39に記憶する。また、取得したイメージデータは、顧客端末装置1の記憶部29にも記憶される。
【0072】
センタ端末装置4側では、送られてきた契約書のイメージデータがディスプレイ31に表示され、オペレータ5による確認が行われる。
オペレータ5は、ディスプレイ31に表示された契約書のイメージを見て、顧客2の署名を確認する(SB16)。
前記SB16の判断で契約書の署名に不備があった場合は、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して契約書を返却して、表示部16から署名の訂正のガイダンスを出力するように指示を出すとともに、ヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して音声によるガイダンスを入力する。
【0073】
顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から契約書の返却指示を受けると、第1の分岐部46において、イメージ読取部21からの契約書の搬送方向を、書類投入取り出し口23方向に切り替え、図12▲2▼の矢印で示すように、イメージ読取部21にある契約書を、書類取込機構23aにより書類投入取り出し口23に搬送して排出する(SB17)。そして、表示部16からガイダンスを出力するとともに、センタ端末装置4のヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して入力した音声によるガイダンスをスピーカ12から出力する。
【0074】
顧客2は、書類投入取り出し口23から排出された契約書を受け取り、表示部16からの映像によるガイダンスとスピーカ12からの音声によるガイダンスに従い該契約書の署名を修正し、修正の終了した契約書を、記入面を上にした状態で書類投入取り出し口23にセットする。修正の終了した契約書が書類投入取り出し口23にセットされると、図12▲1▼の矢印で示すように、書類取込機構23aによりこれを吸入し、イメージ読取部21に送り込んで、イメージ読取部21により読取動作を実行する(SB15)。そして、取得したイメージデータをセンタ端末装置4に送信し、センタ端末装置4の制御部38は、受信した契約書のイメージデータを記憶部39に上書き記憶する。
【0075】
前記SB16の判断で契約書の署名に不備がなければ、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して契約書の回収および契約書の写しの発行を指示する。
顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から契約書の回収および契約書の写しの発行指示を受けると、まず、イメージ読取部21にある契約書を、図12▲3▼の矢印で示すように、書類取込機構23aにより印字機構44の所に搬送して、プリンタ部23bを制御して該印字機構により契約書に番号を印字するナンバリングを行い(SB18)、図12▲4▼の矢印で示すように、回収ボックス41に搬送して回収する(SB19)。すなわち、第1の分岐部46において、イメージ読取部21からの契約書の搬送方向を、回収ボックス41方向に切り替え、イメージ読取部21にある契約書を第1の搬送路42を搬送させて印字機構44の所に搬送し、前記回収した申込書に印字した番号と同じ番号を印字する。そして、番号を印字した申込書を回収ボックス41へ搬送して回収する。
【0076】
図13はナンバリングの一例を示す説明図で、図13(a)は前記SB9の処理で説明した申込書へのナンバリング例を示し、図13(b)は前記SB18の処理で説明した契約書へのナンバリング例を示す。図13に示すように、申込書と、この申込書に対して発行された契約書に、同じ番号が印字されて、回収ボックス41に回収する。なお、番号の内容および位置は任意に設定できるものであるが、対になる申込書と契約書には、同じ番号が印字されるようにする。
【0077】
次に、顧客端末装置1の制御部28は、第2の分岐部47において、収納ボックス45bから繰り出された契約書の写しとなる用紙が、第1の搬送路42に送り込めるように搬送方向を切り替えて、図12▲7▼の矢印で示すように、該収納ボックス45bから契約書の写しとなる用紙を繰り出し、第1の搬送路42に送り込む。そして、記憶部29に記憶してある契約書のイメージデータを用い、印字機構44により、第1の搬送路42を搬送される契約書の写しとなる用紙に必要事項の印字を行って契約書の写しを作成する。そして、第1の分岐部46において、収納ボックス45bから第1の搬送路42に送り込まれた契約書の写しの搬送方向を、書類投入取り出し口23方向に切り替えて、図12▲6▼に示すように、契約書の写しを第1の搬送路42から第2の搬送路43に送り込み、書類投入取り出し口23から排出する(SB20)。
【0078】
さらに、カード発行部22aを制御してカードに必要事項を記憶し、カード発行口22から発行する(SB21)。顧客が書類投入取り出し口23から契約書の写しを受け取り、カード発行口22からカードを受け取ると、キャッシュカードの発行取引が終了する。
ここで、制御部28は、近接センサ14の出力から顧客2が顧客端末装置1から離れたと判断してから一定時間が経過しても、図示しないセンサの出力から契約書の写しが書類投入取り出し口23にあると、顧客2が契約書の写しを取り忘れたものと判断し、第1の分岐部46において書類投入取り出し口23にある契約書の写しの搬送方向を、回収ボックス41方向に切り替え、書類投入取り出し口23にある契約書の写しを、図12▲8▼で示すように第2の搬送路43および第1の搬送路42を搬送させて回収ボックス41に回収する。なお、顧客2が契約途中で顧客端末装置1から離れてしまい、申込書もしくは契約書が書類投入取り出し口23に残ってしまった場合も、上述した契約書の写しの回収動作と同様にして、回収ボックス41に回収する。これにより、顧客端末装置1を後から利用する顧客に前に利用していた顧客の申込書、契約書あるいは契約書の写しを使用されることはない。
【0079】
以上説明した本発明の第2の実施の形態によれば、イメージ読取部にある申込書や契約書を回収ボックスへ搬送する搬送路に印字機構を設けたことで、申込書の回収途中で、該申込書にも印字が行えるようになるので、金融機関側で回収する申込書と契約書に、同一の番号を印字することで、申込書と、この申込書に対して発行した契約書の突き合わせを行う際、対になる申込書と契約書を容易に探し出すことができ、また、申込書と契約書に印字した番号と、契約を行った顧客氏名等を対応させて記憶させておけば、検索が容易に行えるようになる等、金融機関側の運用性が向上する。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、イメージ読取部にある申込書を回収ボックスへ搬送する搬送路に印字機構を設け、印字前の契約書を前記搬送路に送り、印字機構で印字を行ってから、この印字の終了した契約書を、イメージ読取部にセットする申込書を受け入れる書類投入取り出し口に搬送することとしたので、イメージ読取部にある申込書を回収するための搬送路と、契約書を発行するための搬送路を共用化でき、ハード量を減らすことができる。
【0081】
また、顧客端末装置から顧客へ排出する書類の取り出し口と、顧客が顧客端末装置へ書類を投入する投入口とを統一できるので、顧客に対する操作性の向上が図れる。
さらに、イメージ読取部にある申込書を回収ボックスへ搬送する搬送路に印字機構を設けることで、イメージデータ取得後の申込書に対して番号を印字することができ、契約書にも申込書と同じ番号を印字すれば、申込書と契約書との照合作業等が、容易に行えるようになり、金融機関側の運用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無人取引システムの第1の実施の形態を示す説明図
【図2】無人取引システムの全体構成の概略を示す説明図
【図3】顧客端末装置の外観斜視図
【図4】顧客端末装置のブロック図
【図5】センタ端末装置の外観図
【図6】センタ端末装置のブロック図
【図7】本発明の第1の実施の形態の処理の流れを示すフローチャート
【図8】本発明の第1の実施の形態の処理の流れを示すフローチャート
【図9】第1の実施の形態における書類の流れを示す説明図
【図10】本発明の第2の実施の形態の処理の流れを示すフローチャート
【図11】本発明の第2の実施の形態の処理の流れを示すフローチャート
【図12】第2の実施の形態における書類の流れを示す説明図
【図13】ナンバリングの一例を示す説明図
【符号の説明】
21 イメージ読取部
23 書類投入取り出し口
42 第1の搬送路
44 印字機構
46 第1の分岐部
Claims (2)
- 顧客端末装置のイメージ読取部にセットされた申込書のイメージデータを取得し、この取得したイメージデータをセンタ端末装置に送って内容を確認し、顧客端末装置で契約書を発行する無人取引システムにおいて、
イメージ読取部にある申込書を回収ボックスへ搬送する搬送路に印字機構を設け、
印字前の契約書を前記搬送路に送り、印字機構で印字を行ってから、この印字の終了した契約書を、イメージ読取部にセットする申込書を受け入れる書類投入取り出し口に搬送することを特徴とする無人取引システム。 - 請求項1において、
イメージ読取部にある書類を回収ボックスへ回収する時に、前記印字機構で番号を印字することを特徴とする無人取引システム。
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