JP4171943B2 - 望遠コンバージョンレンズ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は撮影機器用の撮影レンズの物体側に装着して、レンズ全系の焦点距離を拡大する望遠コンバージョンレンズに関し、高性能の撮影レンズに対応した、画像の劣化が少ない高性能の望遠コンバージョンレンズを提供するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
撮影機器用の撮影レンズの物体側に装着して、レンズ全系の焦点距離を拡大する、所謂望遠コンバージョンレンズと称されるものがある。
【0003】
従来の民生用撮影機器、例えば、図4に示すビデオカメラ用の望遠コンバージョンレンズaにおいては、レンズ系物体側から順に、正、正、負の屈折力をそれぞれ有する3枚のレンズL1乃至L3でレンズ系を構成するのが一般的であり、主として、望遠端において20°以下の画角を有するビデオカメラ用の高倍率ズームレンズに適合するように設計されている。
【0004】
また、最近、特に、所謂電子スチルカメラにおいては、撮影画像の高画質化が進んである。即ち、撮影画像を高画質化するために、撮影画面の寸法を大きくする傾向があるが、高画質と小型化への要求から、撮影レンズは、単焦点レンズ若しくは変倍比が3倍程度のズームレンズが多く用いられている。尚、単焦点レンズにあっては、特に、撮像素子の特性に伴う制約によって、射出瞳が撮像素子からある程度離れた位置に生じるように、一般的に、絞りがレンズ系の前寄りに配置される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
単焦点レンズ又は変倍比が3倍程度の低変倍ズームレンズを使用した電子スチルカメラにおいては、望遠撮影を可能にする望遠コンバージョンレンズを使用することの要求が強いが、上記した従来の望遠コンバージョンレンズaのように、3枚構成のレンズ系を有すると共に、望遠端において20°以下の画角を有するビデオカメラ用の高倍率ズームレンズに適合したものを使用すると、電子スチルカメラの撮影レンズの画角が20°よりも大きい場合には、望遠コンバージョンレンズaから発生する倍率色収差の補正が困難となり、また、撮影レンズの入射瞳が望遠コンバージョンレンズに近いため、主として像面湾曲がオーバー側に倒れる傾向も強くなって、実用に耐えないものとなる。この一例として、単焦点レンズのみの各収差曲線図を図2に、その単焦点レンズに図4に示す角倍率が約2倍の従来の望遠コンバージョンレンズaを装着したときの各収差曲線図を図5に示す。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、撮影レンズの画角が20°より広く、また、入射瞳が前玉寄りにある高画質に対応した高性能な単焦点レンズ用の画質の劣化が少ない高性能な望遠コンバージョンレンズを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明望遠コンバージョンレンズは、撮影レンズの物体側に装着してレンズ全系の焦点距離を延長する略アフォーカル系の望遠コンバージョンレンズであって、物体側から順に、曲率の強い凸面を物体側に向けた凸レンズの第1レンズと凹レンズの第2レンズとの接合正レンズと、凸面を物体側に向けた凸メニスカスレンズの第3レンズと、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズの第4レンズとによってレンズ系を構成し、νiを物体側から数えてi番目のレンズを構成するガラスのアッベ数、r5を第3レンズの像面側の面の曲率半径、r6を第4レンズの物体側の面の曲率半径、d5を第3レンズと第4レンズとの間の空気間隔とすると、55<(ν1+ν3)/2、ν2<30、50<ν4及び−d5<r5−r6<2・d5の各条件を満足するようにしたものである。
【0008】
従って、撮影レンズの画角が20°より広く、また、入射瞳が前玉寄りにある高画質撮影に対応した高性能な単焦点レンズに使用した場合においても、画質の劣化を極めて少なくすることが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明望遠コンバージョンレンズの実施の形態(数値実施例)について、添付図面を参照して説明する。
【0010】
撮像機器の撮影レンズ(以下、「主レンズ」という。)の物体側に装着してレンズ全系の焦点距離を延長する略アフォーカル系の望遠コンバージョンレンズ1は、物体側から順に、曲率の強い凸面を物体側に向けた凸レンズの第1レンズL1と凹レンズの第2レンズL2との接合正レンズと、凸面を物体側に向けた凸メニスカスレンズの第3レンズとL3と、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズの第4レンズL4とによってレンズ系が構成される。
【0011】
コンバージョンレンズ1(以下、単に、「コンバージョンレンズ」という。)は、νiを物体側から数えてi番目のレンズを構成するガラスのアッベ数、r5を第3レンズの像面側の面の曲率半径、r6を第4レンズL4の物体側の面の曲率半径、d5を第3レンズL3と第4レンズL4との間の空気間隔、とすると、
55<(ν1+ν3)/2(以下、「条件式1」という。)、
ν2<30(以下、「条件式2」という。)、
50<ν4(以下、「条件式3」という。)、
−d5<r5−r6<2・d5(以下、「条件式4」という。)
の各条件式を満足するように構成される。
【0012】
以下に、上記各条件式を説明する。
【0013】
条件式1は、主光線の光線高が高くなる凸レンズL1と凸レンズL3から発生する倍率色収差を最小限に抑えるための条件を示すものであり、図4に示す従来の望遠コンバージョンレンズで軸外の画質の劣化の支配的な要因となる像面湾曲と倍率色収差のうち、特に、倍率色収差を補正するための必須の条件である。
【0014】
条件式2は、上記条件式1を適用することによっても発生を抑えることができなかった倍率色収差を、主光線の光線高が高い位置で効果的に補正するための条件を示すものである。即ち、できるだけ高い屈折率と高分散のガラスを用いると、像面湾曲など単色の収差の補正と同時に、倍率色収差もバランス良く補正することができる。
【0015】
尚、第1レンズL1と第2レンズL2は、接合レンズとしないで、それぞれを単体で配置してもよいが、これらを接合レンズとすることによって、偏心による片ぼけを防止することが可能となると共に、量産時において、性能をバラ付かせないで安定して生産することも可能となる。
【0016】
条件式3は、主レンズの軸上色収差を崩さないための条件を規定するものである。即ち、従来の望遠コンバージョンレンズでは凸レンズで発生した倍率色収差を像面側の凹レンズで補正しようとして軸上色収差のバランスを崩すことがあったのに対し、コンバージョンレンズ1においては、第1レンズL1乃至第3レンズL3で倍率色収差が補正された正の屈折率を有するレンズ系を構成するようになっているので、レンズ系をアフォーカルにするための凹レンズL4にできるだけ低分散のガラスを用いることで、主レンズの倍率色収差と軸上色収差を崩さないようにされた望遠コンバージョンレンズを実現することが可能となる。
【0017】
条件式4は、主レンズの入射瞳がコンバージョンレンズ1に近い側にあるときには、従来の望遠コンバージョンレンズのように第4レンズL4が両面凸レンズだと像面湾曲がオーバー側に倒れてしまうという問題点が、第4レンズL4をメニスカスレンズになるようにレンズ面を湾曲させることによって補正することが可能となるため、この条件を規定するものである。即ち、r5−r6の値が−d5以下となると、上記した従来の望遠コンバージョンレンズと同様の傾向が残り、反対に、r5−r6の値が2・d5以上となると、特にサジタル像面のオーバー側への曲がりが大きくなって、周辺部の画質が劣化してしまう。
【0018】
次に、コンバージョンレンズ1を構成する第1レンズL1乃至第4レンズL4の詳細について説明する。
【0019】
尚、以下の説明において、「ri」は物体側から数えてi番目の面の曲率半径、「di」は物体側から数えてi番目の面とi+1番目の面との間の空気間隔(面間隔)、「n1」は物体側から数えてi番目の第iレンズを構成するガラスのd線(波長587.6nm)における屈折率、「νi」は第iレンズのアッベ数、とする。
【0020】
以下の表1にコンバージョンレンズ1の各値を示す。
【0021】
【表1】
【0022】
また、上記表1に記載した以外の数値としては、角倍率は1.9倍、面r7から主レンズの入射瞳までの距離は9.9mm、主レンズの焦点距離fは7、主レンズのF値はF2.85、主レンズの画角は60.2°、主レンズとコンバージョンレンズ1との合成レンズ系の画角は32.4°である。
【0023】
上記表1の各数値に示すように、コンバージョンレンズ1は、前記条件式1乃至4を満足することは明らかである。尚、(ν1+ν3)/2の値は61.3、r5−r6の値は7.455である。
【0024】
図2に主レンズを単独で使用したときの非点収差、歪曲収差及びメリディオナル横収差をそれぞれ示し、また、図3に主レンズとコンバージョンレンズ1との合成光学系の非点収差、歪曲収差及びメリディオナル横収差をそれぞれ示す。尚、非点収差ぞにおいて、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面における値を示すものである。
【0025】
このように、図3に示す主レンズとの合成系の各収差図と、図5に示す従来の望遠コンバージョンレンズを用いた場合の各収差図との比較によっても明らかなように、図2に示す主レンズのみの各収差図と比較しても、コンバージョンレンズ1は、例えば、画素数200万画素の高画素の撮像素子に対応した高性能撮影レンズに最適な画質の劣化が極めて小さい高性能の望遠コンバージョンレンズであることが明白である。
【0026】
尚、前記実施の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施するに当たっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0027】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように本発明望遠コンバージョンレンズは、撮影レンズの物体側に装着してレンズ全系の焦点距離を延長する略アフォーカル系の望遠コンバージョンレンズであって、物体側から順に、曲率の強い凸面を物体側に向けた凸レンズの第1レンズと凹レンズの第2レンズとの接合正レンズと、凸面を物体側に向けた凸メニスカスレンズの第3レンズと、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズの第4レンズとによってレンズ系を構成し、νiを物体側から数えてi番目のレンズを構成するガラスのアッベ数、r5を第3レンズの像面側の面の曲率半径、r6を第4レンズの物体側の面の曲率半径、d5を第3レンズと第4レンズとの間の空気間隔とすると、55<(ν1+ν3)/2、ν2<30、50<ν4及び−d5<r5−r6<2・d5の各条件を満足するようにしたので、撮影レンズの画角が20°より広く、また、入射瞳が前玉寄りにある高画質撮影に対応した高性能な単焦点レンズに使用した場合にあっても、画質の劣化を極めて少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明望遠コンバージョンレンズのレンズ構成を概略的に示す図である。
【図2】本発明望遠コンバージョンレンズを使用する撮像機器の撮影レンズの非点収差、歪曲収差及びメリディオナル横収差を示す図である。
【図3】本発明望遠コンバージョンレンズを図2に各収差を示す撮影レンズに用いた場合の合成光学系における非点収差、歪曲収差及びメリディオナル横収差を示す図である。
【図4】従来の望遠コンバージョンレンズのレンズ構成を概略的に示す図である。
【図5】図4に示す従来の望遠コンバージョンレンズを図2に各収差を示す撮影レンズに用いた場合の合成光学系における非点収差及び歪曲収差を示す図である。
【符号の説明】
1…望遠コンバージョンレンズ、L1…第1レンズ、L2…第2レンズ、L3…第3レンズ、L4…第4レンズ
【発明の属する技術分野】
本発明は撮影機器用の撮影レンズの物体側に装着して、レンズ全系の焦点距離を拡大する望遠コンバージョンレンズに関し、高性能の撮影レンズに対応した、画像の劣化が少ない高性能の望遠コンバージョンレンズを提供するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
撮影機器用の撮影レンズの物体側に装着して、レンズ全系の焦点距離を拡大する、所謂望遠コンバージョンレンズと称されるものがある。
【0003】
従来の民生用撮影機器、例えば、図4に示すビデオカメラ用の望遠コンバージョンレンズaにおいては、レンズ系物体側から順に、正、正、負の屈折力をそれぞれ有する3枚のレンズL1乃至L3でレンズ系を構成するのが一般的であり、主として、望遠端において20°以下の画角を有するビデオカメラ用の高倍率ズームレンズに適合するように設計されている。
【0004】
また、最近、特に、所謂電子スチルカメラにおいては、撮影画像の高画質化が進んである。即ち、撮影画像を高画質化するために、撮影画面の寸法を大きくする傾向があるが、高画質と小型化への要求から、撮影レンズは、単焦点レンズ若しくは変倍比が3倍程度のズームレンズが多く用いられている。尚、単焦点レンズにあっては、特に、撮像素子の特性に伴う制約によって、射出瞳が撮像素子からある程度離れた位置に生じるように、一般的に、絞りがレンズ系の前寄りに配置される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
単焦点レンズ又は変倍比が3倍程度の低変倍ズームレンズを使用した電子スチルカメラにおいては、望遠撮影を可能にする望遠コンバージョンレンズを使用することの要求が強いが、上記した従来の望遠コンバージョンレンズaのように、3枚構成のレンズ系を有すると共に、望遠端において20°以下の画角を有するビデオカメラ用の高倍率ズームレンズに適合したものを使用すると、電子スチルカメラの撮影レンズの画角が20°よりも大きい場合には、望遠コンバージョンレンズaから発生する倍率色収差の補正が困難となり、また、撮影レンズの入射瞳が望遠コンバージョンレンズに近いため、主として像面湾曲がオーバー側に倒れる傾向も強くなって、実用に耐えないものとなる。この一例として、単焦点レンズのみの各収差曲線図を図2に、その単焦点レンズに図4に示す角倍率が約2倍の従来の望遠コンバージョンレンズaを装着したときの各収差曲線図を図5に示す。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、撮影レンズの画角が20°より広く、また、入射瞳が前玉寄りにある高画質に対応した高性能な単焦点レンズ用の画質の劣化が少ない高性能な望遠コンバージョンレンズを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明望遠コンバージョンレンズは、撮影レンズの物体側に装着してレンズ全系の焦点距離を延長する略アフォーカル系の望遠コンバージョンレンズであって、物体側から順に、曲率の強い凸面を物体側に向けた凸レンズの第1レンズと凹レンズの第2レンズとの接合正レンズと、凸面を物体側に向けた凸メニスカスレンズの第3レンズと、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズの第4レンズとによってレンズ系を構成し、νiを物体側から数えてi番目のレンズを構成するガラスのアッベ数、r5を第3レンズの像面側の面の曲率半径、r6を第4レンズの物体側の面の曲率半径、d5を第3レンズと第4レンズとの間の空気間隔とすると、55<(ν1+ν3)/2、ν2<30、50<ν4及び−d5<r5−r6<2・d5の各条件を満足するようにしたものである。
【0008】
従って、撮影レンズの画角が20°より広く、また、入射瞳が前玉寄りにある高画質撮影に対応した高性能な単焦点レンズに使用した場合においても、画質の劣化を極めて少なくすることが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明望遠コンバージョンレンズの実施の形態(数値実施例)について、添付図面を参照して説明する。
【0010】
撮像機器の撮影レンズ(以下、「主レンズ」という。)の物体側に装着してレンズ全系の焦点距離を延長する略アフォーカル系の望遠コンバージョンレンズ1は、物体側から順に、曲率の強い凸面を物体側に向けた凸レンズの第1レンズL1と凹レンズの第2レンズL2との接合正レンズと、凸面を物体側に向けた凸メニスカスレンズの第3レンズとL3と、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズの第4レンズL4とによってレンズ系が構成される。
【0011】
コンバージョンレンズ1(以下、単に、「コンバージョンレンズ」という。)は、νiを物体側から数えてi番目のレンズを構成するガラスのアッベ数、r5を第3レンズの像面側の面の曲率半径、r6を第4レンズL4の物体側の面の曲率半径、d5を第3レンズL3と第4レンズL4との間の空気間隔、とすると、
55<(ν1+ν3)/2(以下、「条件式1」という。)、
ν2<30(以下、「条件式2」という。)、
50<ν4(以下、「条件式3」という。)、
−d5<r5−r6<2・d5(以下、「条件式4」という。)
の各条件式を満足するように構成される。
【0012】
以下に、上記各条件式を説明する。
【0013】
条件式1は、主光線の光線高が高くなる凸レンズL1と凸レンズL3から発生する倍率色収差を最小限に抑えるための条件を示すものであり、図4に示す従来の望遠コンバージョンレンズで軸外の画質の劣化の支配的な要因となる像面湾曲と倍率色収差のうち、特に、倍率色収差を補正するための必須の条件である。
【0014】
条件式2は、上記条件式1を適用することによっても発生を抑えることができなかった倍率色収差を、主光線の光線高が高い位置で効果的に補正するための条件を示すものである。即ち、できるだけ高い屈折率と高分散のガラスを用いると、像面湾曲など単色の収差の補正と同時に、倍率色収差もバランス良く補正することができる。
【0015】
尚、第1レンズL1と第2レンズL2は、接合レンズとしないで、それぞれを単体で配置してもよいが、これらを接合レンズとすることによって、偏心による片ぼけを防止することが可能となると共に、量産時において、性能をバラ付かせないで安定して生産することも可能となる。
【0016】
条件式3は、主レンズの軸上色収差を崩さないための条件を規定するものである。即ち、従来の望遠コンバージョンレンズでは凸レンズで発生した倍率色収差を像面側の凹レンズで補正しようとして軸上色収差のバランスを崩すことがあったのに対し、コンバージョンレンズ1においては、第1レンズL1乃至第3レンズL3で倍率色収差が補正された正の屈折率を有するレンズ系を構成するようになっているので、レンズ系をアフォーカルにするための凹レンズL4にできるだけ低分散のガラスを用いることで、主レンズの倍率色収差と軸上色収差を崩さないようにされた望遠コンバージョンレンズを実現することが可能となる。
【0017】
条件式4は、主レンズの入射瞳がコンバージョンレンズ1に近い側にあるときには、従来の望遠コンバージョンレンズのように第4レンズL4が両面凸レンズだと像面湾曲がオーバー側に倒れてしまうという問題点が、第4レンズL4をメニスカスレンズになるようにレンズ面を湾曲させることによって補正することが可能となるため、この条件を規定するものである。即ち、r5−r6の値が−d5以下となると、上記した従来の望遠コンバージョンレンズと同様の傾向が残り、反対に、r5−r6の値が2・d5以上となると、特にサジタル像面のオーバー側への曲がりが大きくなって、周辺部の画質が劣化してしまう。
【0018】
次に、コンバージョンレンズ1を構成する第1レンズL1乃至第4レンズL4の詳細について説明する。
【0019】
尚、以下の説明において、「ri」は物体側から数えてi番目の面の曲率半径、「di」は物体側から数えてi番目の面とi+1番目の面との間の空気間隔(面間隔)、「n1」は物体側から数えてi番目の第iレンズを構成するガラスのd線(波長587.6nm)における屈折率、「νi」は第iレンズのアッベ数、とする。
【0020】
以下の表1にコンバージョンレンズ1の各値を示す。
【0021】
【表1】
【0022】
また、上記表1に記載した以外の数値としては、角倍率は1.9倍、面r7から主レンズの入射瞳までの距離は9.9mm、主レンズの焦点距離fは7、主レンズのF値はF2.85、主レンズの画角は60.2°、主レンズとコンバージョンレンズ1との合成レンズ系の画角は32.4°である。
【0023】
上記表1の各数値に示すように、コンバージョンレンズ1は、前記条件式1乃至4を満足することは明らかである。尚、(ν1+ν3)/2の値は61.3、r5−r6の値は7.455である。
【0024】
図2に主レンズを単独で使用したときの非点収差、歪曲収差及びメリディオナル横収差をそれぞれ示し、また、図3に主レンズとコンバージョンレンズ1との合成光学系の非点収差、歪曲収差及びメリディオナル横収差をそれぞれ示す。尚、非点収差ぞにおいて、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面における値を示すものである。
【0025】
このように、図3に示す主レンズとの合成系の各収差図と、図5に示す従来の望遠コンバージョンレンズを用いた場合の各収差図との比較によっても明らかなように、図2に示す主レンズのみの各収差図と比較しても、コンバージョンレンズ1は、例えば、画素数200万画素の高画素の撮像素子に対応した高性能撮影レンズに最適な画質の劣化が極めて小さい高性能の望遠コンバージョンレンズであることが明白である。
【0026】
尚、前記実施の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施するに当たっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0027】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように本発明望遠コンバージョンレンズは、撮影レンズの物体側に装着してレンズ全系の焦点距離を延長する略アフォーカル系の望遠コンバージョンレンズであって、物体側から順に、曲率の強い凸面を物体側に向けた凸レンズの第1レンズと凹レンズの第2レンズとの接合正レンズと、凸面を物体側に向けた凸メニスカスレンズの第3レンズと、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズの第4レンズとによってレンズ系を構成し、νiを物体側から数えてi番目のレンズを構成するガラスのアッベ数、r5を第3レンズの像面側の面の曲率半径、r6を第4レンズの物体側の面の曲率半径、d5を第3レンズと第4レンズとの間の空気間隔とすると、55<(ν1+ν3)/2、ν2<30、50<ν4及び−d5<r5−r6<2・d5の各条件を満足するようにしたので、撮影レンズの画角が20°より広く、また、入射瞳が前玉寄りにある高画質撮影に対応した高性能な単焦点レンズに使用した場合にあっても、画質の劣化を極めて少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明望遠コンバージョンレンズのレンズ構成を概略的に示す図である。
【図2】本発明望遠コンバージョンレンズを使用する撮像機器の撮影レンズの非点収差、歪曲収差及びメリディオナル横収差を示す図である。
【図3】本発明望遠コンバージョンレンズを図2に各収差を示す撮影レンズに用いた場合の合成光学系における非点収差、歪曲収差及びメリディオナル横収差を示す図である。
【図4】従来の望遠コンバージョンレンズのレンズ構成を概略的に示す図である。
【図5】図4に示す従来の望遠コンバージョンレンズを図2に各収差を示す撮影レンズに用いた場合の合成光学系における非点収差及び歪曲収差を示す図である。
【符号の説明】
1…望遠コンバージョンレンズ、L1…第1レンズ、L2…第2レンズ、L3…第3レンズ、L4…第4レンズ
Claims (1)
- 撮影レンズの物体側に装着してレンズ全系の焦点距離を延長する略アフォーカル系の望遠コンバージョンレンズであって、
物体側から順に、曲率の強い凸面を物体側に向けた凸レンズの第1レンズと凹レンズの第2レンズとの接合正レンズと、
凸面を物体側に向けた凸メニスカスレンズの第3レンズと、
物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズの第4レンズとによってレンズ系を構成し、
以下の各条件を満足するようにした
ことを特徴とする望遠コンバージョンレンズ。
55<(ν1+ν3)/2
ν2<30
50<ν4
−d5<r5−r6<2・d5
但し、
νi:物体側から数えてi番目のレンズを構成するガラスのアッベ数、
r5:第3レンズの像面側の面の曲率半径、
r6:第4レンズの物体側の面の曲率半径、
d5:第3レンズと第4レンズとの間の空気間隔、
とする。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30228098A JP4171943B2 (ja) | 1998-10-23 | 1998-10-23 | 望遠コンバージョンレンズ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30228098A JP4171943B2 (ja) | 1998-10-23 | 1998-10-23 | 望遠コンバージョンレンズ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000131609A JP2000131609A (ja) | 2000-05-12 |
JP4171943B2 true JP4171943B2 (ja) | 2008-10-29 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP30228098A Expired - Fee Related JP4171943B2 (ja) | 1998-10-23 | 1998-10-23 | 望遠コンバージョンレンズ |
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JP (1) | JP4171943B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105700120A (zh) * | 2014-10-24 | 2016-06-22 | 大立光电股份有限公司 | 光学透镜系统、取像装置及电子装置 |
-
1998
- 1998-10-23 JP JP30228098A patent/JP4171943B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105700120A (zh) * | 2014-10-24 | 2016-06-22 | 大立光电股份有限公司 | 光学透镜系统、取像装置及电子装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000131609A (ja) | 2000-05-12 |
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