JP4171352B2 - パイプフェンス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パイプフェンスに関し、詳細には、道路と歩道の間や車道の中央分離帯などに設置されるガードフェンス、あるいは公園などの境界柵などとしても好適に使用し得るパイプフェンスに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
道路と歩道の間などに設置されるガードフェンスや公園などの境界柵などとして、従来より使用されているフェンスは、通常、図7に示すように、上下の枠部材31、32と左右端の枠部材33、34及びその中間に所定間隔で設けられている中間の縦部材35とは溶接により固定されている。このように固定して製作されるため、平地に適用する場合には、フェンスを予め長方形状に製作しておくことができ、フェンスの施工も迅速にできる。
【0003】
しかしながら、上記構成のフェンスを傾斜地に適用する場合には、その都度、傾斜地に沿わせた平行四辺形状に製作するか、予め傾斜地に適用できるように傾斜地の勾配を予測して数度刻みで製作するなどの対応が必要となる。しかし、後者の数度刻みで製作しておく場合でも、多用される勾配、殆ど使用されない勾配などの予測が難しく、在庫管理が大変である上に、結局新たに製作することが多く、施工期日が長くなるなどの問題がある。
【0004】
一方、上下の枠部材と左右端の枠部材及び縦部材との交差部にボルト挿通孔を設け、ボルト・ナットにより連結してフェンスを構成することも考えられるが、この構成では、傾斜地への適用は可能であるものの、施工した場合にボルト・ナットが見え外観が悪い。特に良好な景観が望まれるところへの適用には不向きである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解消するためになしたものであって、その目的は、道路や公園などの平地はもとより傾斜地に対しても適用し得るとともに、外観の良いパイプフェンスを提供するものである。
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明に係るパイプフェンス(請求項1)は、立設した支柱に金具を介在させて上下の枠パイプを取付けてなるパイプフェンスにおいて、上下の枠パイプには対向管壁面に所定間隔に角穴が設けられ、縦パイプの管端部には前記角穴に挿入可能な角パイプが設けられ、その角パイプの角穴への挿入側端部には管軸に交差して貫通孔が設けられ、角パイプが角穴に遊挿された後に上下の枠パイプの管端部よりそれら貫通孔に連通させて係止棒を挿通させ、その係止棒の一端部に形成された抜け止め部を上下の枠パイプの貫通孔に挿入した状態で上下の枠パイプ間に縦パイプを連結してなるものである。
【0007】
上記構成では、上下の枠パイプと縦パイプとは、縦パイプの管端部に設けた角パイプを、上下の枠パイプの管壁に所定間隔で設けられている角穴内に遊挿するとともに、その遊挿した角パイプに形成されている貫通孔に係止棒を挿通させて抜け止め、連結されているので、角穴内に遊挿された遊びの範囲内で、平地から十数%の勾配の傾斜地に対して適用することができるとともに、上下の枠パイプと縦パイプとの連結部分にはボルト、ナットなどの突起もなく外観が良い。また、係止棒の抜け止め部を貫通孔に挿入しているので、特段の抜け止め手段を講じることなく、貫通孔からの抜け止めを図ることができる。
【0008】
そして、上記パイプフェンスにおいては、係止棒の抜け止め部が、屈曲部であることが好ましい(請求項2)。このように構成しても上記の作用効果を享受することができる。
【0009】
また、特に限定するものではないが、上下の枠パイプの角穴に樹脂製スペーサを介して縦パイプの管端部の角パイプを遊挿することが好ましい(請求項3)。このように樹脂製スペーサを介して遊挿することにより、枠パイプ、縦パイプ、係止棒が金属製である場合に係合部で発生する金属音を抑制することができる。従って、樹脂製スペーサの形状としては、短尺な角パイプの一端には枠パイプの外表面形状に沿う形状のフランジを設けることが好ましい。
【0010】
また、特に限定するものではないが、樹脂スペーサには係止棒を挿通する貫通孔が形成されていることが好ましい(請求項4)。この樹脂スペーサに形成した貫通孔は、角パイプに形成した係止棒を挿通する貫通孔より小径にすることが、金属音を抑制することができるという意味では更に好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るパイプフェンスの説明図であって、aは正面図、bはaの側面図、cはaのA部拡大断面図である。図において、1は支柱、2はパイプフェンス、3は係止棒、4は支柱1にパイプフェンス2を取付けるための取付金具である。
【0012】
支柱1は、丸パイプであって、通常、施工現場において、所定の間隔で地面Gに鉛直に立設され、その側面には取付金具4を介してパイプフェンス2が取りつけられている。なお、支柱1は、丸パイプを例としたが、支柱としての機能を果たすものであればその形状は特に限定するものではなく、例えば、中実の棒材や四角形の角パイプであってもよい。
【0013】
パイプフェンス2は、上下の枠パイプ5、6と、この上下の枠パイプ5、6の間に所定間隔で設けられた縦パイプ7とで構成されている。上枠パイプ5と下枠パイプ6は、同寸法、同形状のパイプ材であって、図2に示すように、所定間隔で角穴8が形成されている。なお、符号9で示す長孔は、ボルト10によって取付金具4に取付けるための長孔である。
【0014】
縦パイプ7は、図3に示すように、本体部11が丸パイプでその両管端部に、絞り加工又は溶接などにより角パイプ12が一体に設けられている。角パイプ12には管軸に直交させて貫通孔13が開けられており、本体部11の両管端部に設けられた角パイプ12の貫通孔13は同方向を向くように形成されている。また、角パイプ12は上記角穴8に遊挿可能な寸法である。なお、本例では、縦パイプ7を本体部11とその両管端部に設けた角パイプ12とで構成した例としたが、本体部11を角パイプ12と同断面形状、同寸法の角パイプとし縦パイプ7を一本の角パイプ12で構成してもよいし、断面形状の大きい角パイプを用いてもよい。
【0015】
係止棒3は、合成樹脂あるいは金属などの棒材であって、図4に示すように、上記貫通孔13への挿通側の先端はテーパー状に面取り14が施され、また反対側の端部には屈曲部15が形成されている。この係止棒3は、支柱1の間隔が長く、上下の枠パイプ5、6の長さが長く、枠パイプ5、6の一端から挿入したのでは撓みが生じる懸念のある場合には、半分の長さとして枠パイプ5、6の両管端より挿入される。
【0016】
取付金具4は、本体部16とその両端の挿入部17とで構成され、本体部16は支柱1の側面にボルト18によって固定され、挿入部17には、枠パイプ5、6の管端が挿入されボルト10によって固定される。なお、この取付金具4の好ましい形態としては本出願人が先に特願2003−60019号に提案の防護柵のビームパイプ取付け用金具が好適に使用できる。
【0017】
上記構成のパイプフェンス2は次のようにして組立てられる。すなわち、上枠パイプ5と下枠パイプ6のそれぞれに開けられている角穴8に縦パイプ7の角パイプ12を遊挿する。この遊挿の際に予め角パイプ7に開けられている貫通孔13が上下の枠パイプ5、6の管軸と平行になるように遊挿する。この後、上下の枠パイプ5、6に遊挿された管内の角パイプ7の貫通孔13に管端部より係止棒3を順番に挿し通し、最後に管端部に位置する縦パイプ7の角パイプ12の貫通孔13に屈曲部15を押し通して、係止棒3の貫通孔13あるいは上下の枠パイプ5、6からの抜け止めを図ることで組立てられる。なお、本例のものは、支柱1の間隔が長く、上下の枠パイプ5、6の長さが長いため、係止棒3を上下の枠パイプ5、6に対してそれぞれ両管端より挿入した例である。
【0018】
上記のようにして組立てられたパイプフェンス2は、上下の枠パイプ5、6のそれぞれの管端部に取付金具4を構成する金具片の挿入部17を挿入し、支柱1の側面に金具片を組合わせることで、取付金具4を介して取付けられる。
【0019】
上記のように組立てられたパイプフェンス2によれば、上下の枠パイプ5、6の角穴8に縦パイプ7の角パイプ12を遊挿した遊びの範囲内で、平地はもとより、図5に示すように、十数%以内の勾配の傾斜地に対しても適用できる。また、上下の枠パイプ5、6と縦パイプ7との連結部分にはボルト・ナットなどの突起もなく外観が良い。
【0020】
なお、上記例のパイプフェンス2においては、上下の枠パイプ5、6の角穴8に縦パイプ7の角パイプ12を直に遊挿する場合を例に説明したが、本発明はこの例に限定されるものではなく、例えば図6に示す樹脂製スペーサ19を枠パイプ5、6の角穴8内に嵌め入れ、この樹脂製スペーサ19の角穴20に縦パイプ7の角パイプ12を遊挿するようにしても良い。この場合、樹脂製スペーサ19を構成する短尺な角パイプ本体21の一端には枠パイプ5、6の外表面形状に沿う形状のフランジ22を設け、角パイプ本体21には係止棒3を挿通する貫通孔23を縦パイプ7の角パイプ12に形成した係止棒3を挿通する貫通孔13より小径に形成することが好ましい。なお、符号24は抜け止め用の突起である。
【0021】
また、上記例のパイプフェンス2においては、係止棒3に抜け止め部として屈曲部15を設け、この屈曲部15を縦パイプ7の角パイプ12の貫通孔13に押し通すことによって、係止棒3の貫通孔13からの抜け止めを図る場合を例としたが、本発明はこの例に限定されるものではなく、屈曲部15に変えて樹脂やゴムなどの部材を取付けて抜け止め部としてもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るパイプフェンスによれば、道路や公園などの平地はもとより傾斜地に対しても適用し得るとともに、上下の枠パイプと縦パイプとの連結部分にはボルト・ナットなどの突起もなく外観が良い。また、係止棒の抜け止め部を貫通孔に挿入しているので、特段の抜け止め手段を講じることなく、貫通孔からの抜け止めを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパイプフェンスの説明図であって、aは正面図、bはaの側面図、cはaのA部拡大断面図である。
【図2】本発明に係る上下の枠パイプの説明図であって、aは全体図、bはaのB−B拡大断面図、cはaのC−C拡大断面図である。
【図3】本発明に係る縦パイプの説明図であって、aは全体図、bはaのD−D断面図である。
【図4】本発明に係る係止棒の説明図であって、aは正面図、bは上面図である。
【図5】本発明に係るパイプフェンスの別の施工形態を示す説明図である。
【図6】本発明に係る樹脂製スペーサの右半分断面示説明図であって、aは正面図、bは側面図である。
【図7】従来のフェンスの説明図である。
【符号の説明】
1:支柱 2:パイプフェンス 3:係止棒
4:取付金具 5:上枠パイプ 6:下枠パイプ
7:縦パイプ 8:角穴 9:長孔
10:ボルト 11:本体部 12:角パイプ
13:貫通孔 14:テーパ状の面取り 15:屈曲部
16:本体部 17:挿入部 18:ボルト
19:樹脂製スペーサ 20:角穴 21:角パイプ本体
22:フランジ 23:貫通孔 24:抜け止め用の突起
Claims (4)
- 立設した支柱に金具を介在させて上下の枠パイプを取付けてなるパイプフェンスにおいて、上下の枠パイプには対向管壁面に所定間隔に角穴が設けられ、縦パイプの管端部には前記角穴に挿入可能な角パイプが設けられ、その角パイプの角穴への挿入側端部には管軸に交差して貫通孔が設けられ、角パイプが角穴に遊挿された後に上下の枠パイプの管端部よりそれら貫通孔に連通させて係止棒を挿通させ、その係止棒の一端部に形成された抜け止め部を上下の枠パイプの貫通孔に挿入した状態で上下の枠パイプ間に縦パイプを連結してなることを特徴とするパイプフェンス。
- 係止棒の抜け止め部が、屈曲部である請求項1に記載のパイプフェンス。
- 上下の枠パイプの角穴に樹脂スペーサを介して縦パイプの管端部の角パイプを遊挿してなる請求項1又は2に記載のパイプフェンス。
- 樹脂スペーサには係止棒を挿通する貫通孔が形成されている請求項3に記載のパイプフェンス。
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