JP4170933B2 - リソグラフィーストリップ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧延アルミニウム合金で構成されており、電気化学的に粗面仕上げを行うリソグラフィーストリップに関する。また本発明はこのリソグラフィーストリップの製造方法にも関する。
リソグラフィーストリップの表面は純粋で均一であることが非常に必要とされている。従って、ブランク材料のキャスティングのときから特別な方法を行って、酸化物又は他の汚染物質が金属を汚染しないようにしなければならない。長方形のキャストされたインゴット又はブランク材料を提供し、これはキャスティングスキンに研磨処理をした後で、熱間又は冷間圧延によって薄いストリップにする。仕上げ圧延処理は通常は微細研磨スチールロールによって行って、標準のいわゆる研磨仕上げ表面を得る。この半仕上げ製品を、オフセットストリップ又はリソグラフィーストリップ(ritho strip)と呼び、通常は丸めてコイル状にする。
標準の材料としては、高級アルミニウム(AA1050)及びAlMnlタイプの合金(AA3003、AA3103)を使用する。
圧延ストリップはその後更に処理して、ストリップ表面を粗面化(roughening)することによって印刷板支持物にする。機械的、化学的、及び電気化学的な粗面化処理、並びにそれらの組み合わせが知られている。通常はHCl又はHNO3に基づく浴で、電気化学粗面化処理を行う。そのようにして作られた輪郭は、微細な丸いピットによって特徴付けられ、このピットの直径は20μm未満である。印刷板は表面全体にわたって粗面化されており、構造物がない外観を示す(むらが無い影響)。陽極酸化処理によって、この粗面化された構造を保護する。すなわち薄く堅い酸化物層によって、この粗面化された構造を保護する。光感受性層を適用することによって、印刷板支持物をオフセット印刷板にする。この印刷板に照射を行って展開させる。ポジティブ板の場合、220〜300℃の温度で3〜10分間にわたって光感受性層を燃焼させる。この熱処理によって、イメージ点が耐付着性になって、印刷板が何回も印刷を行うのにふさわしくなる。これに関して、柔らかい印刷板は使用の間に座屈してしまうので、Al印刷板支持物は可能な限りその強さを失わないようにすべきである。
仕上げを行った印刷板は、印刷装置に取り付ける。印刷シリンダーへのこの印刷板の正確な取り付けを行って、印刷工程の間にこの印刷板が動かないようにすることが重要である。印刷板を完全に固定せずに、印刷の間に曲げ又はねじれ負荷が筒状体にかかると、素早く動かすロータリーオフセット印刷装置では、実際に印刷板にクラックが発生する。これは疲労破壊に起因しており、印刷工程を即座に中断させる。従って、オフセット印刷板のためのAl材料は、十分に大きい疲労強さ又は反復曲げ疲労強さを示して、印刷板のクラック発生を防止できるべきである。
使用する材料のタイプが、反復曲げ疲労強さに影響を与えることが知られている。実際の経験から知られているように、AlMn合金(AA3003、AA3103)で作られたオフセット印刷板は、高級アルミニウム(AA1050)で作られたオフセット印刷板と比較して、プレートにクラックを発生させにくい。AlMn合金の欠点は、電気化学プロセスでの粗面化の性質が不十分であることである。従って、電気化学粗面化板としては、材料AA1050を使用することが好ましい。
印刷板を圧延Alストリップからとる方向に依存して、印刷板のクラック発生に対する感受性に大きな違いがあることも、印刷板の製造者は認識している。圧延方向に対して並行に印刷板をとって、圧延方向が印刷装置を稼働させる方向に向くようにして固定する場合、実際の経験から知られているように、圧延方向に対して直角(横断方向)に印刷板をとる場合と比較して、印刷板は実質的に、クラックを発生させる頻度が比較的少ない。従って、印刷板におけるクラック発生を防止するために、ロータリーオフセット印刷装置のための印刷板は、圧延方向に対して並行(長手方向)に、圧延Alストリップから取ることが好ましい。この方法は、コイルを切断して様々な形の印刷板にする場合に、大きな経済的な制約をもたらす。
生産性を向上させるために、印刷装置は改良されてきている。この様な印刷装置は、幅が大きいオフセット印刷板、例えば幅が1700mm以上の大きいオフセット印刷板を必要とする。この新しい印刷装置を製造するための印刷板は、圧延方向に対して横断方向でアルミニウムコイルから取らなければならない。これは現在、半仕上げ製品の製造者も印刷板の製造者も、1,700mm以上の幅を作れないためである。大きなプレートを必要とする新しい印刷装置では、圧延方向に対して横断方向で、大きい反復曲げ疲労強さを持つAl材料が望ましい。
この説明から、オフセット印刷板への新しい要求が印刷の分野で存在することが理解される。従って、基材として使用されるアルミニウム支持物は、以下の性質を組み合わせて持つべきである:
-高い熱安定性。この性質によって、光感受性層の焼成の間にアルミニウム基材が軟化しない(再結晶化しない)ようにする。
-HCl及びHNO3に基づく電気化学プロセスでの良好な粗面化性質。この性質によって、このAl材料を普通に使用することができる。
-大きい反復曲げ疲労強さ、特に重要な横断方向(圧延方向に対して)での大きい反復曲げ疲労強さ。この性質によって、圧延アルミニウムコイルから任意の所望の方向で印刷板を取ることができる。
本発明の目的は、熱安定性が高く、高級アルミニウムと同程度の効率でHCl及びHNO3に基づく電気化学プロセスで粗面化(roughen)することができ、電気化学粗面化の後で均一な構造物の無い(むらが無い)外観をもたらし、且つ圧延方向に対して垂直の方向で大きい反復曲げ疲労強さを示すリソグラフィーストリップを開発することである。更に、本発明の方法は、リソグラフィーストリップにこれらの性質を与えることができる方法を提供する。
上述目的は、以下において示すリソグラフィーストリップ及びリソグラフィーストリップの製造方法で解決することができる:
1. 圧延アルミニウム合金からなる電気化学粗面化のためのリソグラフィーストリップであって、
前記アルミニウム合金が、製造に起因する不純物に加えて、
0.30〜0.40%のFe、
0.10〜0.30%のMg、
0.05〜0.25%のSi、
最大で0.05%のMn、
最大で0.04%のCu、
を含み、反復曲げ試験において、圧延方向に対して垂直方向の反復曲げ疲労強さが1,250サイクルを超え、且つ240℃で10分間のアニール処理の後で、引っ張り強さRmが145N/mm2を超える、電気化学粗面化のためのリソグラフィーストリップ。
2. 個々の不純物が0.03%未満であり、これらの不純物の合計が0.10%未満であることを特徴とする、前記リソグラフィーストリップ。
3. 合金が、
0.05〜0.15%のSi、
0.30〜0.40%のFe、
0.15〜0.30%のMg、
最大で0.005%の銅、
最大で0.01%のマンガン、
最大で0.01%のクロム、
最大で0.02%の亜鉛、
最大で0.01%のチタン、
最大で50ppmのホウ素、
を含み、残部がアルミニウムと製造に起因する不純物であり、この不純物の合計が0.05%未満であることを特徴とする、前記リソグラフィーストリップ。
4. 75%超が連続的に再結晶化されており、且つ表面層に平均粒子直径が50μm未満の球晶を持つ熱間圧延ストリップで作られていることを特徴とする、前記リソグラフィーストリップ。
5. (a)厚さが500mm超の圧延インゴットを、請求項1、2、又は3に記載の合金から連続キャスティングによって作り、そして最短で2時間にわたって480〜620℃の温度で均一化すること;
(b)熱間圧延を行って、最後の熱間圧延での厚さの減少を15〜75%にし、熱間圧延の最後の温度を250℃超にして、熱間圧延ストリップ厚さを2〜7mmにし、それによって、室温に冷却した後のこの熱間圧延ストリップが、表面において50μm未満の平均直径の球晶状再結晶化粒子を持つようにし、且つ残留抵抗比RRが10〜20になるようにすること;
(c)中間アニール処理を伴って又は中間アニール処理を伴わずに冷間圧延を行うこと、ここでこの中間アニール処理の後の圧延による厚さの減少の程度が60%超であり;
(d)前記圧延プロセスにおいて調節された微細構造を維持しながら(100℃未満の温度で)、延伸、脱脂、切断、及び/又は酸洗いによって、電気化学粗面化の前の更なる処理を行うこと;
を特徴とする、リソグラフィーストリップの製造方法。
6. 前記中間アニール処理を、ゆっくりとした加熱速度(10〜75℃/h)を用いて、1時間を超えるアニール処理時間及び300〜500℃の金属温度で行うことを特徴とする、前記方法。
7. 前記中間アニール処理を、迅速な加熱速度(5〜40℃/s)を用いて、2秒〜2分間のアニール処理時間及び400〜500℃の金属温度で行うことを特徴とする、前記方法。
8. 前記リソグラフィーストリップを、交流電流を伴うHCl及びHNO3浴での電気化学粗面化によって粗面化し、そして陽極処理することを特徴とする、前記リソグラフィーストリップの印刷板支持物の製造方法。
9. 前記印刷板支持物に光感受性疎水性層を具備させることを特徴とする、前記印刷板支持物からロータリーオフセット印刷のための印刷板を製造する方法。
本発明によれば、幅が1,700mm以上の技術的に有益なオフセット印刷板を、AA1050の長手方向の反復曲げ疲労強さと実質的に同程度の大きい反復曲げ疲労強さのストリップで、作れることが見出された。
本発明のリソグラフィーストリップは、かなり限定された合金組成、及び制御された半仕上げ製品の製造方法によって特徴付けられ、この製造方法によれば、微粒の再結晶化熱間圧延ストリップを製造することができる。また、制御された条件で更なる処理を行って、圧延工程の間に調節された微細構造が維持されるようにしなければならない。
新しい材料の開発は、圧延リソグラフィーストリップ材料の横断方向の反復曲げ疲労強さを、標準材料AA1050と比較して、大きく改良することに関して行った。実験によって、この目的のためには、固溶体の及び/又はアルミニウム混合結晶において固溶体を維持できる合金元素が好ましいことが分かった。これらは、限られた程度で強さを増加させるが、疲労性質に関して良好な影響を与える。これに関して、特に元素Mg、Cu、及びFeが重要である。
上述のように、圧延Alストリップから印刷板/試料を取る方向に依存して、板でのクラック発生又は反復曲げ疲労強さに対する感受性がかなり異なる。実際の経験と実験室での実験によって、圧延方向に対して並行(「長手方向」)にとった試料の測定された反復曲げ疲労強さは、圧延方向に対して垂直(「横断方向」)に取った試料の反復曲げ疲労強さの1.5〜4倍であることが分かった。更に、材料分析結果及び製造技術は、模様付き(textured)圧延ストリップの長手方向の性質と横断方向の性質に異なる影響を与えることが分かった。長手方向の反復曲げ疲労強さと横断方向の反復曲げ疲労強さとには、固定された関係は存在しない。
公開された又は一般的なこの課題に関する材料の開発では(フルカワアルミニウム社の米国特許第4,435,230号明細書、スイスアルミニウム社の米国特許第3,911,819号明細書)、常に長手方向に関して疲労性質が考慮されており、重要な横断方向の疲労性質は考慮されていない。
ケイ素、マンガン、及び銅の含有率が低い高級アルミニウムAl99.5では、0.10〜0.30%のマグネシウムと0.30〜0.40%の鉄を組み合わせて加えると、反復曲げ疲労強さが増加して、以下で説明されている試験方法によれば、圧延方向に対して横断方向で1,250サイクルを超える値になる。本発明の原理の特に有利な更なる改良では、請求項3に記載の組成を有するリソグラフィーストリップで、以下で説明される試験方法での曲げサイクルが、圧延方向に対して横断方向で、1,800サイクルを超えることができる。
更に、本発明の材料は、既知のリソグラフィー材料と比較して以下の一連の利点を有する:
-Mgの添加は、熱間圧延ストリップでの再結晶化を促進する。粗面化した印刷板支持物のむら(すじ)のある外観を防ぐためには、再結晶化熱間圧延ストリップが必要である。熱間圧延ストリップ表面においてむらの影響を防ぐためには、直径が50μm未満の球晶粒及び連続再結晶化層の存在が必要であることが、実際の経験から分かった。また、これを実際に確実に達成するためには、75%超の連続再結晶化を目標とすべきである。これについては表1を参照。
-Mg含有材料では、粗面化速度の増加が観察される。すなわち、必要とされる表面での粗面化プロセスを行う負担が、Mgを含有しない高級アルミニウムと比較して軽減される。有意の効果を得るために、少なくとも0.10%を加えるべきである。濃度が0.3%を超えると、増加したエッチング攻撃が、印刷板にふさわしくない不均一な粗面化構造物をもたらす。
-過飽和固溶体の元素Feは、熱的な安定性に好ましい影響を与える。本発明の実験結果によれば、大きいFe:Si比と組み合わせた0.30〜0.40%のFeを含む合金が最適である。含有率が低いと影響は小さくなり、含有率が比較的大きいと有害である。比較的大きい含有率が有害であるのは、Feがキャスト材料において粗い相の形で分離して、続くエッチングの間に優先的に攻撃され、不均一な粗い構造をもたらすためである。
疲労性質を改良するために、Cuの添加も原理的には可能である。これは例えば、スイスアルミニウム社の米国特許第3,911,819号明細書で説明されている。しかしながら、疲労性質に改良をもたらす0.04%を超えるCuの添加は、電気化学粗面化で著しく不均一な構造をもたらす好ましくない影響を与えるので、Cuは好ましくない合金添加物である。
圧延方向に対して横断方向で大きい反復曲げ疲労強さを持ち、むらが無いリソグラフィーストリップを得るために、制御された半仕上げ製品製造方法が、かなり限定された組成と共に必要とされる。請求項5の特徴(a)及び(b)を行うために、以下の特徴的な値を持つ本発明の熱間圧延ストリップを製造する(表1と比較)。
熱間圧延ストリップはほぼ連続的に再結晶化されて、表面において直径が50μm未満の球晶粒を持つ。図1(a)は、本発明の熱間圧延ストリップの粒子構造の概略図を長手方向で示している。図は黒色の球晶再結晶化粒を示しており、これは全熱間圧延ストリップ厚さの75%超に拡がっている。灰色の細長い領域は、再結晶化していない粒子を示している。これに対して、図1(b)は合金AA1050から標準の方法で製造した熱間圧延ストリップの長手方向断面の概略図を示している。ここでは、不均一な混合結晶構造が示されており、これは一部では粗く再結晶化しており、また一部では再結晶化していない。
更なる圧延では、原理的に微細構造を維持する。本発明の熱間圧延ストリップの均一な形状は、ストリップ厚さへのむらの効果を妨げる。
本発明による熱間圧延ストリップでは更に、残留抵抗比(residual resistance)RRが10〜20でり、これはこの材料に特徴的である。熱間圧延ストリップのRR値の測定は、製造の初期段階で、溶存元素Fe及びMgの制御を可能にする。ここでこれらの元素Fe及びMgは、反復曲げ疲労強さのために重要である。RR値が10〜20であると、完成した圧延ストリップで、横断方向での大きな反復曲げ疲労強さに必要とされる固溶体中の元素の割合が確実になる。(残留抵抗比RRは、アルミニウム混合結晶において固溶体で存在する合金の割合の測定値である。RR値を測定するための測定方法は、公知文献Corrosion Science、Vol.38、No.3、p.413〜429、1996年で説明されている。)
熱間圧延ストリップは、請求項5の特徴(c)に従って冷間圧延する。冷間圧延ストリップの最終的なアニール処理は行うことができない。これは、最終的なアニール処理では、反復曲げ疲労強さが長手方向で増加し(フルカワアルミニウム社の米国特許第4,435,230号明細書、及びスイスアルミニウム社の米国特許第3,911,819号明細書と比較)、重要な横断方向において反復曲げ疲労強さが低下するためである。
このことは、電気化学粗面化の前の更なる処理は、100℃未満での圧延工程で調節した微細構造で行うことを意味している。
試験基準
印刷板の新しい特徴に必要とされる以下の性質を、以下の試験基準によって決定した:
1. 大きい熱安定性
2. HCl及びHNO3に基づく電気化学処理での、むら(streakiness)効果をもたらさない良い粗面化性質
3. 横断方向に印刷板をとったときの大きい反復曲げ疲労強さ
1. 熱安定性
リソグラフィーストリップを10分間にわたって240℃でアニール処理した後の、引っ張り試験での強さを測定することによって、熱安定性を試験した。これは標準のアニール処理試験であり、印刷板の製造者が普通に行っており、且つ実施において一般的な焼付け処理(burn-in treatment)にも対応している。
要求値:材料は240℃で10分間の処理の後で、AA1050よりも大きい熱的強さを持っていなければならない。すなわち、材料のRmは145N/mm2超でなければならない。
2. 粗面化性質
リソグラフィーストリップが電気化学処理によってうまく粗面化されるかそうでないかは、印刷板製造者の個々の方法にかなり依存している。従って、粗面化性質の評価には、単一の試験基準では十分だとは言えない。従って、3つの最も重要な性質を評価した。これらの性質は、HCl浴での粗面化性質、HNO3浴での粗面化性質、及びむらができる傾向である。
HClでの粗面化試験
0.5m2の試料を、50Hzの交流を伴う7g/L塩酸電解質中において、一定の温度及び一定の流れの条件で粗面化した。電気化学粗面化は、500〜1,500C/dm2の異なる粗面化負荷で行う。この範囲では、試料の表面全体での粗面化は普通に達成される。平坦な(plateau-like)研磨仕上げ表面が消えて、表面全体にピットを有する構造がもたらされる。
その後、粗面化の程度による試料の分類を行う。このために、標準試料材料AA1050を常に同時に試験し、試験材料はそれぞれこの標準材料と比較して評価する。
分類
++ 標準材料よりも迅速に表面の粗面化が達成された。
+ 標準材料と同じぐらい迅速に表面の粗面化が達成された。
+- 標準材料よりも遅れて表面の粗面化が達成された。
-- 標準材料よりもかなり遅れて表面の粗面化が達成された。
要求値:材料は少なくともAA1050と同じぐらい容易に粗面化されるべきである。すなわち、この試験では評価が少なくとも+であるべきである。
HNO3での粗面化試験
0.5m2の試料を、50Hzの交流を伴う10g/L(1%)硝酸電解質中において、一定の温度及び一定の流れ条件で粗面化した。電気化学粗面化は、500〜1,000C/dm2の異なる粗面化負荷で行う。この範囲では、試料表面の粗面化は普通に達成される。研磨仕上げした構造を有する滑らかな圧延表面が消えて、表面を覆うピットを有する構造が現れる。
その後、粗面化の程度による試料の分類を行う。標準試料材料AA1050を常に同時に試験し、試験材料はそれぞれこの標準材料と比較して評価する。
分類
++ 標準材料よりも迅速に表面の粗面化が達成された。
+ 標準材料と同じぐらい迅速に表面の粗面化が達成された。
+- 標準材料よりも遅れて表面の粗面化が達成された。
-- 標準材料よりもかなり遅れて表面の粗面化が達成された。
要求値:材料は少なくともAA1050と同じぐらい容易に粗面化されるべきである。すなわち、この試験では評価が少なくとも+であるべきである。
むら試験
リソグラフィーストリップが電気化学粗面化の後で所望の構造物がない外観を持つかどうかは、マクロエッチングによって試験することができる。試料は、新しく調製したマクロエッチング溶液で処理する(500mlのH2O、375mlのHCl、175mlのHNO3、50mlのHFで、30秒間にわたって25℃でエッチングする)。その後、むらの程度を光学的な試験によって決定する。評価は標準の試料と比較して行う。これは1(多くのむら)〜10(むら無し、構造物無し)に分類する。
要求値:それぞれの材料は、5以上の評価を受けなければならない。これは、ほとんどの電気化学プロセスにおいて、むらのない外観を確実にする。
3. 横断方向での反復曲げ疲労強さ
印刷シリンダーでの印刷板の特定の負荷条件のための、標準の試験方法は存在しない。試験は、実施の様式に従って印刷板を前後に曲げることによって行った。これは、印刷板におけるクラック発生への感受性に関する情報を提供する。
この目的のために、幅20mm長さ100mmの試料をリソグラフィーストリップからとって、この試料の長手方向の縁を、アルミニウムストリップの圧延方向に対して垂直(横断方向)にした。試料は湾曲半径が約30mmになるようにして機械で前後に曲げ、クラックが発生するまで曲げサイクルを継続した。曲げ回数を測定するために10個の試料をこの様式で試験して、10個の値に基づいて平均値を計算する。この曲げ数は、材料の変形及び疲労性質の指標を与える。それぞれの試料の曲げ数を比較すると、印刷板でのクラック発生に関する感受性の評価が可能である。これは実際の経験と相関している。曲げ試験では厚さが変形性質にかなり影響を与えるので、互いに同一の厚さのストリップのみを比較することに注意すべきである。
要求値:この試験方法では、厚さ0.3mmのストリップで、圧延方向に対して横断方向での新しい材料の曲げ数が、AA1050の曲げ数よりも実質的に大きいべきであり、またAA3103の曲げ数以上であるべきである。すなわち、圧延方向に対して横断方向での新しい材料の曲げ数は、厚さ0.3mmのストリップで1,250よりも大きいべきである。
以下では、いくつかの例を使用して本発明を説明する。
例1、2、3(表2)
例1、2及び3は、本発明の合金組成物である。ストリップのためのブランク材料は、連続キャスティング法によって製造された厚さ600mmの長方形のキャストインゴットである。連続キャスティング及びキャスティングスキンの研磨の後で、4時間にわたって金属温度を580℃にしてインゴットにアニール処理を行い、25℃/hを超える冷却速度で冷却して温度を480℃にする。その後、熱間圧延を行って、熱間圧延の最後の温度を280〜290℃にし、最後の通過での厚さの減少を約30%にし、そして熱間圧延ストリップ厚さを4mmにする。それぞれの熱間圧延ストリップを室温まで冷却して、以下の性質を持つようにする:
○ストリップ厚さの80〜85%の再結晶化
○熱間圧延ストリップ表面において測定される直径が20〜40μmの微細な球晶粒子
○電気抵抗値の測定で、残留抵抗値RRが13〜16であること(RR値は、アルミニウム混合結晶中において固溶体で存在する合金部分を測定される値である。RR値を決定するための測定方法は、公知文献Corrosion Science、Vol.38、No.3、p.413〜429、1996年で説明されている。)
これらの性質は、本発明の合金の熱間圧延ストリップ及び本発明の製造方法に関して表1に挙げられている重要な特徴に対応しており、これらは、標準材料AA1050の典型的な熱間圧延ストリップとはかなり異なっている。本発明の熱間圧延ストリップの粒子微細構造は、図1(a)でおおよそを示されている。10〜20のRR値は、固溶体で存在する合金元素Mg及びFeの必要とされる大きい割合を確実にし、これは大きい反復曲げ疲労強さに必要とされる。
その後の冷間圧延は様々な様式で行うことができる。この様式は以下で例示している。
例1では、中間アニール処理を行ってストリップを製造する。加熱速度は35℃/h、アニール処理温度は400℃、及びアニール処理期間はこの金属温度で2時間である。
例2では、中間アニール処理を行ってストリップを製造する。加熱速度は25℃/h、アニール処理温度は450℃、及びアニール処理期間は1分間である。
例3では、中間アニール処理を行わずにストリップを製造する。
それぞれの最終的な厚さは0.3mmである。ストリップには更なるアニール処理を行わずに、印刷板製造においては冷間圧延した状態で使用する。
表2は、本発明の合金組成を持ち上記の製造方法で製造したストリップが、熱安定性(Rm>145N/mm2)及び横断方向での曲げサイクル数(1,250超)に関して要求値を満たすことを示している。更に、表2は、このストリップが粗面加速度に関して標準材料AA1050を超えるHCl及びHNO3中での非常に良好な粗面化性質を持つことを示している。中間アニール処理を行って製造した場合(例1及び2)、ストリップには完全に構造物が無く、むら試験において最も良好な評価を得る。しかしながら中間アニール処理を伴わない製造においてさえも(例3)、粗面化表面はまだ十分に構造物を持たず且つむらがない。
比較例6、7及び8(表3)
表3においては、オフセット印刷板のための従来使用されている標準材料AA1050及びAA3103の性質を挙げている。これらは、解析によれば本発明のストリップとは本質的に異なっている。半仕上げ製品の製造は、例1、2及び3と同様な様式で行う。
例6及び7:標準材料AA1050(高級アルミニウム)は、中間アニール処理を伴って製造しても中間アニール処理を伴わずに製造しても、熱安定性及び横断方向の反復曲げ疲労強さに関して要求値を満たさない。中間アニール処理を伴うAA1050の製造では(例6)、むら試験においてストリップは良い評価を得る。中間アニール処理を伴わない製造では(例7)、粗面化表面はむらのある外観をもたらす。HCl及びHNO3プロセスでの電気化学粗面化では、AA1050で本発明の例よりも大きい負荷が、表面の粗面化のために必要とされる。
例8:オフセット印刷板に使用される材料AA3103は、強さ及び反復曲げ疲労強さに関して要求値を満たす合金である。これは、この合金のMn含有率が約1%であることによる。この材料の欠点は、電気化学粗面化において普通に使用できないことである。HNO3による粗面化プロセスは不可能であり、従って不便である。HClプロセスによる電気化学粗面化では、表面全体を均一にエッチングされたピットのある構造をもたらすためには、非常に大きい負荷が必要とされる。むら試験の要求は満たされない。
比較例4、5、9及び10(表4)
表4では、オフセット印刷板のリソグラフィーストリップの性質をまとめている。これらは、Mg含有材料から作られているが、ストリップの製造方法及び/又は解析値に関しては本発明の例と異なっている。
例4、5及び9の一般的な特徴は、むら試験に関する要求を満たすことである。従って本発明の例1、2及び3のストリップでのように、このストリップは実質的に再結晶化した熱間圧延ストリップから製造した。他の状況では、以下の違いが観察される。
例4は、1時間にわたる200℃での最終的なアニール処理を伴うことを除いて、本発明の解析値及び製造方法に従う材料で製造した。熱安定性は同様であり、且つ両方の酸の系における粗面化性質は本発明の例3と同じぐらい良好であった。しかしながら、横断方向での反復曲げ疲労強さは、必要とされるレベルに対応していない。
例9は、Fe含有率が0.3%未満である点で、本発明の解析値とは異なる。製造方法は例3と同一である。熱的安定性を除く要求値が満たされていることが注目される。このことから、Fe含有率が比較的高いことは、十分に高い熱的安定性を得るために必要であると推定される。
例5は、Fe含有率が0.3%未満である点、及び中間アニール処理を行わずに200℃で1時間にわたって冷間圧延ストリップの最終的なアニール処理を行った点で、本発明の例3とは異なっている。この違いは、米国特許第4,435,230号明細書(フルカワアルミニウム社)で開示される材料に対応している。この特許明細書によれば、この材料は、非常に良好な疲労性質を持つこと(長手方向で)、及びHClプロセスでの良好な粗面化性質を持つことを特徴としている。重要な横断方向での反復曲げ疲労強さに関する要求値が満たされていないこと、及び所望の熱的安定性が達成できないことが注目される。この特許明細書で示されているように、粗面化性質は良好である。
例10の材料は、米国特許第3,911,819号明細書(スイスアルミニウム社)で説明されている材料である。この合金は主にCuの添加によって特徴付けられる。良好な疲労性質がこの材料で証明され、これは解析値に関して理解できる。粗面化性質に関する状態は、この特許明細書では示されていない。しかしながら、AA1050及びAA3103合金に、0.04%を超えるCuを添加することは、電気化学粗面化に好ましくない影響を与えることが分かった。例10のCu含有材料は、純粋に機械的粗面化でのみ使用することができ、HCl及びHNO3プロセスによる電気化学的粗面化にはふさわしくない。これは、必要とされるリソグラフィーストリップの質が達成できないことによる。
比較例の説明から、本発明による例のみが、以下の全ての性質の所望の組み合わせを提供し、従ってオフセット印刷板に必要とされる性質を持つことが理解できる:
-高い熱安定性
-HCl及びHNO3に基づく電気化学プロセスでの良好な粗面化性質
-巨視的なむらがない外観、及び
-重要な横断方向で印刷板をとったときの、大きい反復曲げ疲労強さ
Figure 0004170933
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図1は、本発明の熱間圧延ストリップの粒子構造の長手方向断面概略図(a)、及び合金AA1050から標準の方法で製造した熱間圧延ストリップの長手方向断面の概略図(b)を示している。

Claims (11)

  1. 圧延アルミニウム合金からなる電気化学粗面化のためのリソグラフィーストリップであって、
    前記アルミニウム合金が、製造に起因する不純物に加えて、
    アルミニウム、
    0.30〜0.40%の鉄、
    0.10〜0.30%のマグネシウム、
    0.05〜0.25%のケイ素、
    最大で0.05%のマンガン、
    最大で0.04%の銅、
    を含み、
    前記リソグラフィーストリップが、特定の圧延方向を有し、
    反復曲げ試験において、前記圧延方向に対して垂直方向での、前記リソグラフィーストリップの反復曲げ疲労強さが、1,250サイクルを超え、
    前記リソグラフィーストリップが熱間圧延ストリップから作られており、この熱間圧延ストリップが、50μm未満の平均直径を有する球状再結晶粒子を表面に有し、またこの熱間圧延ストリップの残留抵抗比が10〜20であり、且つ
    前記リソグラフィーストリップの引っ張り強さRmが、240℃で10分間の試験アニール処理の後で145N/mm2を超える、
    圧延アルミニウム合金からなる電気化学粗面化のためのリソグラフィーストリップ。
  2. 前記アルミニウム合金が不純物を含む場合に、個々の不純物が前記合金の0.03%未満であり、且つ
    これらの不純物の合計が、前記合金の0.10%未満である、
    請求項1に記載のリソグラフィーストリップ。
  3. ストリップの厚さの75%超にわたって広がる再結晶化された領域であって、非結晶化領域が混在しない領域を有する熱間圧延ストリップから作られる、請求項2に記載のリソグラフィーストリップ。
  4. ストリップの厚さの75%超にわたって広がる再結晶化された領域であって、非結晶化領域が混在しない領域を有する熱間圧延ストリップから作られる、請求項1に記載のリソグラフィーストリップ。
  5. 請求項1に記載のリソグラフィーストリップを、HCl及びHNO3からなる群より選択される酸の酸浴に入れ、この酸浴に交流電流を提供することによって、このリソグラフィーストリップを電気化学的に粗面化すること、及び
    粗面化を行った後で、前記リソグラフィーストリップに陽極酸化処理をすること、
    を含む、請求項1に記載のリソグラフィーストリップから印刷板支持物を製造する方法。
  6. 請求項5に記載の方法によって印刷板支持物を製造すること、及び
    前記印刷板に、光感受性疎水性層を具備させること、
    を含む、印刷板支持物からロータリーオフセット印刷のための印刷板を製造する方法。
  7. 圧延アルミニウム合金からなる電気化学粗面化のためのリソグラフィーストリップであって、
    前記アルミニウム合金が、製造に起因する不純物に加えて、
    アルミニウム、
    0.30〜0.40%の鉄、
    0.15〜0.30%のマグネシウム、
    0.05〜0.15%のケイ素、
    最大で0.01%のマンガン、
    最大で0.005%の銅、
    最大で0.01%のクロム、
    最大で0.02%の亜鉛、
    最大で0.01%のチタン、
    最大で50ppmのホウ素、
    を含み、前記アルミニウム合金が製造に起因する不純物を含む場合、この不純物の合計が前記合金の0.05%未満であり、
    前記リソグラフィーストリップが、特定の圧延方向を有し、
    反復曲げ試験において、前記圧延方向に対して垂直方向での、前記リソグラフィーストリップの反復曲げ疲労強さが1,250サイクルを超え
    リソグラフィーストリップが、熱間圧延ストリップから作られており、この熱間圧延ストリップの厚さの75%超にわたって広がる再結晶化された領域であって、非結晶化領域が混在しない領域を有し、またこの熱間圧延ストリップが、50μm未満の平均直径を有する球状粒子を表面に有し、またこの熱間圧延ストリップの残留抵抗比が10〜20であり;且つ
    前記リソグラフィーストリップの引っ張り強さRmが、240℃で10分間の試験アニール処理の後で145N/mm2を超える、
    圧延アルミニウム合金からなる電気化学粗面化のためのリソグラフィーストリップ。
  8. 製造に起因する不純物に加えて、
    アルミニウム、
    0.30〜0.40%の鉄、
    0.10〜0.30%のマグネシウム、
    0.05〜0.25%のケイ素、
    最大で0.05%のマンガン、
    最大で0.04%の銅、
    を含むアルミニウム合金から、500mm超の厚さの圧延用インゴットを製造し、ここでこの圧延用インゴットの製造は、連続キャスティングを行い、480℃〜620℃の温度で2時間以上にわたって均質化を行うことを含み;
    この圧延用インゴットを、熱間圧延して熱間圧延ストリップにし、ここでこの熱間圧延は、熱間圧延ストリップの厚さを15〜75%減少させる最後の熱間圧延を含み、この熱間圧延の最後の温度が250℃超であり、且つこの熱間圧延によって前記熱間圧延ストリップの厚さを2〜7mmにし;
    前記熱間圧延ストリップを室温に冷却して、平均直径が50μm未満の球状再結晶粒子を表面に有し、且つ残留抵抗比RRが10〜20の、冷却された熱間圧延ストリップを得;
    前記冷却された熱間圧延ストリップを、冷間圧延して冷間圧延ストリップを得;そして
    前記熱間及び冷間圧延の間に作られた微細構造を有し、且つ100℃未満の温度の前記冷間圧延ストリップに、電気化学粗面化を行う前に、前記微細構造及び前記温度を維持しながら、
    (a)延伸、
    (b)脱脂、
    (c)切断、
    (d)酸洗い、及び
    (e)これら(a)〜(d)の組み合わせ、
    からなる群より選択される更なる処理を行うこと;
    を含む、リソグラフィーストリップの製造方法。
  9. 中間アニール処理を行うことを更に含み、この中間アニール処理の後の冷間圧延による厚さの減少の程度が60%超である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記中間アニール処理が、10〜75℃/hのゆっくりとした加熱速度、300〜500℃の金属温度での維持、及び1時間を超えるアニール処理時間を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記中間アニール処理が、5〜40℃/sの迅速な加熱速度、400〜500℃の金属温度での維持、及び2秒〜2分間のアニール処理時間を含む、請求項9に記載の方法。
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