JP2002226933A - 深絞り加工用アルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents

深絞り加工用アルミニウム合金板およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002226933A
JP2002226933A JP2001026687A JP2001026687A JP2002226933A JP 2002226933 A JP2002226933 A JP 2002226933A JP 2001026687 A JP2001026687 A JP 2001026687A JP 2001026687 A JP2001026687 A JP 2001026687A JP 2002226933 A JP2002226933 A JP 2002226933A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amount
rolling
solid solution
temperature
aluminum alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001026687A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3765986B2 (ja
Inventor
Katsura Kajiwara
桂 梶原
Kenji Tokuda
健二 徳田
Masahiro Hata
昌弘 秦
Tsutomu Sakurai
強 櫻井
Yasuaki Sugizaki
康昭 杉崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2001026687A priority Critical patent/JP3765986B2/ja
Publication of JP2002226933A publication Critical patent/JP2002226933A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3765986B2 publication Critical patent/JP3765986B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耳率が低く、かつそののばらつきも小さく、
さらにまた表面品質にも優れた純Al系軟質Al合金板
およびその製造する方法を提供する。 【解決手段】 本発明のAl合金板は、mass%で、F
e:0.20〜0.70%、Si:0.07 〜0.3
0%、Cu:0.005〜0.10%、残部Alおよび
不純物からなり、固溶Fe量が5〜200ppm、Si
含有量に対する固溶Si量の割合が0.3〜0.9、固
溶Cu量が5〜500ppmとされたものである。この
Al合金板において、結晶粒径を80μm 以下にするこ
とで、絞り成形の際の表面品質をより一層向上させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、一般用器物、照明
用器具、コンデンサーケース等の深絞り成形品の素材と
して使用される純アルミニウム系軟質アルミニウム合金
板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】器物やコンデンサーケース等のアルミニ
ウム深絞り成形品には、素材として板厚5mm以下のアル
ミニウム(Al)合金薄板が用いられる。前記成形品
は、この薄板に限界絞り比(LDR)が2.0 以上の
絞り、再絞り加工が施された後、数回のしごき加工が施
されて成形され、最終絞り深さ(成形高さ)は100mm
以上とされる。このため、Al合金薄板には前記成形特
性が要求され、素材薄板として成形性の良好なJIS
1050、JIS 1100などの純Al系の軟質材が
用いられる。この純Al系軟質材は、一般的に、純Al
系Al合金鋳塊を均質化熱処理後、熱間圧延、中間焼鈍
を伴う冷間圧延、および最終焼鈍という基本的な工程を
とって、板厚0.2 〜0.5mmの板材に製造される。
【0003】これらの純Al軟質材は、深い絞り加工を
受けるため、成形品には高い耳が形成されやすい。この
ため、成形品の安定化や歩留りの向上のためには成形品
の耳率を低く抑えることが重要であり、耳率を低く抑え
るために成形加工条件の改善は勿論のこととして、素材
である純アルミニウム系軟質材における耳率を改善する
必要がある。しかし、これら純Al系のAl合金は、合
金元素や不純物元素が比較的少ないために、前記製造工
程の履歴(圧延条件や熱処理条件)に対して非常に敏感
であり、他の合金系Al合金に比して耳率特性を改善す
るための有効な方策である、特に圧延板の異方性の制御
が難しい。
【0004】このような背景の下で、圧延板の異方性を
制御して耳率特性を改善するために、例えば特開平4−
236745号公報、登録第2677887号公報、登
録2945178号公報等に記載されているように、粗
圧延における最終パス付近での圧延パス数を増すなどの
方策が提案されている。しかし、これらの技術は基本的
に中間焼鈍を必須工程とするものであり、製造コストの
低減には寄与しない。さらに、中間焼鈍を行うことによ
る生産性の低下やコイル膨張、収縮により発生する表面
傷等の表面品質低下の問題がある。近年、ユーザーにお
いては表面品質に対する要求が益々厳しくなっており、
更なる低コスト化、表面品質レベルの向上が求められて
いる。このため、近年、中間焼鈍工程の省略を前提とし
て、耳率特性を改善する技術が種々提案されるようにな
ってきた。例えば、特開平5−9674号公報には、熱
間粗圧延の最終パス付近での圧延パスを多パス化し、圧
延率、温度を規定した製造条件が開示されている。ま
た、特開平11−279724号公報には、化学成分と
して、Mgの添加を必須とし、かつ熱間圧延における総
圧下率、仕上終了温度、冷延率、最終焼鈍条件を規定し
た製造条件が開示されている。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平5−9674号公報に開示の技術では、熱間粗圧延
の最終パス付近で7パス以上の多パス圧延を行うため、
生産性を著しく低下させるという問題がある。また特開
平11−279724号公報に開示の技術においても、
Mg合金添加によるコストアップの問題があるだけな
く、他に求められる特性、例えば表面処理、エッチング
性、機械的特性等がMgが入っていない成分系に比して
安定性が低下するという問題がある。また、いずれの方
法においても、大量生産では温度条件にばらつきが必然
的に生じるため、ロット間、ロット内における幅方向、
長手方向の耳率にばらつきが生じて、低い耳率を安定的
に達成させるには至っていない。
【0005】さらにまた、近年、成形品に要求される品
質が向上しており、耳率が所定の規格に入るというだけ
では十分にユーザーの要求に応えているとは言えず、成
形加工における耐肌荒れ性や表面エッチング時の耐スト
リーク等の表面品質の向上も求められている。
【0006】本発明はこの様な事情に鑑みてなされたも
のであって、耳率が低く、かつそののばらつきも小さ
く、さらにまた表面品質にも優れた純Al系軟質Al合
金板およびその合金板を中間焼鈍工程を省略して低コス
トで安定的に製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、Al合金
板の絞り加工後の耳率は、圧延板の集合組織によって生
じる塑性異方性によって生じるとの認識の下、最終焼鈍
で形成される再結晶集合組織の機構を詳細に調査したと
ころ、集合組織とAl合金板中のFe、Si、Cuの固
溶量との間に密接な関係があることを知見し、これらの
元素の特定量を固溶させることで、耳率が低下し、また
その変動が安定化すること、さらに固溶強化による強
度、機械的性質についても安定化し、成形性も向上する
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明のAl合金板は、mass%
で、Fe:0.20〜0.70%、Si:0.07 〜
0.30%、Cu:0.005〜0.10%、残部Al
および不純物からなり、固溶Fe量が5〜200pp
m、Si含有量に対する固溶Si量の割合が0.3〜
0.9、および固溶Cu量が5〜500ppmとされた
ものである。この発明のAl合金板において、結晶粒径
を80μm 以下にすることで、絞り成形後の表面品質を
より一層向上させることができる。
【0009】また、本発明のAl合金板の製造方法は、
前記成分を有するアルミニウム合金鋳塊を、均質化熱処
理し、450〜330℃の温度範囲で熱間粗圧延を行
い、その後仕上圧延入側温度から出側温度にかけての平
均冷却速度1〜5℃/secとし、かつ仕上圧延終了温度を
250〜330℃として熱間仕上圧延を終了し、その後
冷間圧延、最終焼鈍を行うものであり、この製造方法に
よって、中間焼鈍を施すことなく前記固溶量を有するA
l合金板を容易に製造することができる。前記冷間圧延
における冷延率は80〜99%とするのがよく、これに
よって結晶粒径を80μm 以下にすることができる。
【0010】
【課題を解決するための手段】まず、本発明のAl合金
板の成分、その限定理由について説明する。 Fe:0.20〜0.70% FeはSiとともに金属間化合物を形成して析出し、純
Al系軟質圧延板の同一板内、あるいはロット間の45
°方向(圧延方向に対する角度を意味する。以下同様)
の耳を形成して、純Al系軟質圧延板の耳率を安定化さ
せるために必要である。Feの含有量が0.2%未満で
は、Feの析出量自体が低くなり、耳率を安定化させる
効果が過少になる。一方、Feの含有量が0.70%を
越えると、鋳造中に粗大な金属間化合物を形成し、却っ
て、成形加工性を阻害するとともに、耳率を高くするよ
うになる。このため、Fe量の下限を0.20%、好ま
しくは0.25%とし、その上限を0.70%、好まし
くは0.65%とする。
【0011】Si:0.07〜0.30% SiはFeとともに金属間化合物を形成して析出し、F
eの析出を積極的に促す元素である。Siの含有量が
0.10% 未満では、この効果が不足し、Feの析出
量自体が低くなり、耳率を安定化させる効果が過少にな
る。一方、Siの含有量が0.30%を超えると、鋳造
中に粗大な金属間化合物を形成し、却って成形加工性を
阻害するとともに、耳率を高くするようになる。このた
め、Si量の下限を0.07%、好ましくは0.08%
とし、その上限を0.30%、好ましくは0.20%と
する。
【0012】Cu:0.005〜0.10% Cuは純Al系軟質圧延板の強度を向上させるために必
要である。また、Cuは固溶元素であるため、Cuの含
有がSiとFeとの金属間化合物の析出を促進するとと
もに、耳率の向上に影響を与える。Cuの含有量が0.
005%未満では、これらの効果が不足し、純Al系軟
質圧延板の強度が低下するとともにSiとFeとの金属
間化合物の析出量自体が低くなり、耳率が安定化しなく
なる。一方、Cuの含有量が0.10%を越えると、耐
食性が劣化するとともに、強度も高くなり過ぎ、成形加
工性を阻害する。このため、Cu量の下限を0.005
%、好ましくは0.01%とし、その上限を0.10
%、好ましくは0.09%とする。
【0013】本発明のAl合金板は、上記基本的成分の
ほか、残部Alおよび不純物によって構成される。不純
物元素は基本的には少ないほどよいが、不純物の内、M
g、Mn、Cr、Zn、Ti、Sn、Ni、B等のAl
鋳塊に混入しやすい元素については、各々0.10%程
度以下の含有は許容される。この程度までの含有であれ
ば、本発明のAl合金板の諸特性に対して実用的に問題
はない。
【0014】以上、本発明のAl合金板の成分について
説明したが、本発明ではAl合金板中のFe、Siおよ
びCuの固溶量を下記のように厳密に制御する必要があ
る。 固溶Fe量:5〜200ppm 添加Si量(Si含有量)に対する固溶Si量の割合:
0.3〜0.9 固溶Cu量:5〜500ppm
【0015】上記限定理由を説明するに際し、まずAl
合金板のもつ集合組織と耳率との関係について説明す
る。通常のアルミニウム合金の場合、主として、Cub
e方位、R方位、Goss方位、Brass方位(以
下、B方位という。)、Copper方位(以下、C方
位という。)およびS方位と呼ばれる集合組織を形成
し、それらに応じた結晶面が存在する。すなわち、各集
合組織に対応した結晶面は下記のとおりであり、基本的
にこれらの結晶面から±15°以内の方位のずれは同一
の集合組織とみなして差し支えない。 Cube方位 {001}<100> R方位 {352}<358> Goss方位 {011}<100> Brass方位 {011}<100> Copper方位{112}<111> S方位 {123}<634> 絞り加工後の耳率は、これら集合組織によって生じる塑
性異方性によって生じ、Cube方位は0°/90°
(0°および90°、以下同様)方向、Goss方位
は、0°/180°方向の耳(以下、これを「−耳」
(マイナス耳)と呼ぶ。)を強く形成させ、他のR方
位、Brass方位、Copper方位、S方位は、圧
延方向45°方向の耳(以下、これを「+耳」(プラス
耳)と呼ぶ。)を強く発達させる。本発明の成分系にお
ける最終焼鈍後の集合組織は、主として、Cube方位
とR方位からなり、特に上述のCube方位が強く発達
すると0°/90°方向の耳(−耳)が大きくなる。一
方、逆にCube方位の発達が弱いと圧延方向45°方
向の耳(+耳)が大きくなる。
【0016】本発明者は、最終焼鈍で形成する再結晶集
合組織の機構を詳細に調査したところ、上記集合組織と
Fe、Si、Cuの固溶量との間に密接な関係があるこ
とを知見し、これらの元素の固溶量を適切な範囲に制御
することで、耳率の低下と安定化が達成されることを見
出した。さらに、固溶量を適切な範囲に制御すること
で、固溶強化による強度、機械的特性についても安定化
し、成形性についても向上することがわかった。
【0017】すなわち、Fe、Cuの固溶量は、最終焼
鈍時の再結晶集合組織で、Cube方位の集合組織を制
御するのに好適なファクターであり、Fe固溶量が5pp
m 未満、Cu固溶量が5ppm 未満ではCube方位の発
達が著しく強くなり、−耳率が強くなりすぎる。また析
出するFe量、Cu量が過多となり、固溶強化の寄与が
減少し、強度軟化も大きくなり、機械的特性がばらつき
やすく、成形性も不安定になる。一方、Fe固溶量が2
00ppm 超、Cu固溶量が500ppm 超では、Cube
方位の発達が抑制され、R方位が強く発達するようにな
り+耳が強く発達しすぎる。Fe、Cuの固溶量が多く
なるほど強度は高くなるが、前記固溶量を超えると強度
が過大となり、成形性を劣化させるようになる。このた
め、Feの固溶量の下限を5ppm 、好ましくは10ppm
とし、一方その上限を200ppm、好ましくは180ppm
とする。また、Cuの固溶量の下限を5ppm 、好まし
くは10ppm とし、一方その上限を500ppm 、好まし
くは400ppm とする。
【0018】また、添加Si量に対する固溶Si量の割
合(固溶Si量/添加Si量)は、0.3未満では固溶
したSi量が少なく、析出するSi(析出物中に含まれ
るSiや単体Si)の量が多くなるため、最終焼鈍時の
再結晶集合組織でCube方位の発達が強く、−耳が強
くなりすぎる。一方、0.9超では、固溶したSi量が
多くなり、析出量が少なくなるため、逆にCube方位
の発達が抑制され、+耳が強くなりすぎる。またSi含
有析出物、単体Siの析出が多いと耳率、耐成形割れ性
が低下し、成形性が不安定になりやすい。このため、添
加Si量に対する固溶Si量の割合の下限を0.3、好
ましくは0.4とし、その上限を0.9、好ましくは
0.8とする。
【0019】本発明のAl合金板は以上の成分、Fe,
Si,Cu固溶量を有するものであるが、さらに冷間圧
延、焼鈍後の結晶粒径は80μm以下、好ましくは60
μm以下とするのがよい。かかる結晶粒径にすることに
より、絞り加工の際の表面肌荒れを防止することがで
き、表面品質を向上させることができる。
【0020】次に、本発明のAl合金板の好適な製造方
法について説明する。本発明のAl合金板は、前記成分
を有するAl合金鋳塊を、均質化熱処理(均熱処理)
し、粗圧延開始温度を350〜450℃とし、かつ粗圧
延終了温度を450〜330℃として熱間粗圧延を行
い、その後仕上圧延入側温度から出側温度にかけての平
均冷却速度1〜5℃/secとし、かつ仕上圧延終了温度を
250〜330℃として熱間仕上圧延を終了し、その後
冷間圧延、焼鈍することによって製造される。
【0021】均熱処理は、材質の安定化のために施され
る。均熱の際の保持温度は450〜600℃程度とされ
る。保持温度を500〜600℃程度とする場合、保持
時間は4〜10hr程度とすればよい。保持温度を45
0〜500℃程度と低めに設定する場合は、保持時間は
10〜20hr程度と長めに設定すればよい。鋳塊に均
熱処理を施すことで、鋳塊に生じている固溶量のミクロ
的な不均一性を改善することができ、Fe、Si、Cu
の固溶量の制御もしやすくなる。また、鋳塊時の準安定
な金属間化合物が安定化し、表面性状、エッチング性、
アルマイト処理性も向上させることができる。
【0022】なお、溶解鋳造方法は、通常のDC鋳造
(半連続鋳造)や連続鋳造を適用すればよい。表面面削
は、均熱処理前に行ってもよく、複数回の均熱処理を行
う場合には1回目の均熱後に行ってもよい。1回目の均
熱後に行う方が酸化膜が除去でき、表面品質としては好
ましい。もっとも、均熱前に行うことは、上記均熱を連
続的に行える利点があり、生産性の観点からは好まし
い。均熱を複数回行い、引き続いて粗圧延を行う場合、
粗圧延直前の均熱の保持温度は粗圧延開始温度に合わせ
るようにすればよく、保持時間も鋳塊温度が均一になる
ように少なくとも数時間程度あればよい。
【0023】熱間圧延の製造条件については、まず条件
選択の指針となる基本概念について、図1を参照して説
明する。図1は、粗圧延後の板材のある部位について、
熱間仕上圧延中の経過時間とその部位の温度との関係を
示す概念図であり、仕上圧延中の板材の温度勾配が2種
示されている。(1) は温度勾配が大きいケース、(2)は
温度勾配が小さいケースである。
【0024】本発明者が行った多くの実験によって、仕
上圧延入側から出側にかけての温度勾配(平均冷却速
度)によって耳率が変化することがわかった。すなわ
ち、(1)の温度勾配大(平均冷却速度大)の場合には+
耳が強くなり、一方温度勾配小(平均冷却速度小)の場
合には−耳が強くなる。この理由は次のように考えるこ
とができる。基本的傾向として、高温側ほどAl−F
e、Al−Fe−Si系析出物の析出によりFe固溶量
が減少する傾向にある。また、仕上圧延温度範囲の中間
温度域では単体Siの析出が多い傾向にあり、さらに低
温ほど圧延板に蓄積する蓄積ひずみが大きくなるため、
集合組織が発達やすくなり、冷延−焼鈍後のR方位の発
達が強くなり、+耳が強くなる傾向がある。また、熱延
材に蓄積する転位密度が大きくなると、それによって析
出促進量が変化し、固溶量が変化しやすくなるため、特
性にばらつきが生じやすい傾向が生じる。従って、前記
(1) の場合、FeおよびCuの析出が促進されてFe固
溶量、Cu固溶量が比較的少なくなり、中間温度域での
Siの析出も少なくなるため固溶Si量が比較的多くな
り、また低温域での加工組織の発達により、+耳の形成
が優勢になる。他方、(2) の場合、Fe、Cuの析出が
抑制されてFe、Cu固溶量が比較的多くなり、中間温
度域でのSiの析出が促進されて固溶Si量が減少し、
低温域での加工組織の発達が抑制されるため−耳の発達
が優勢になるものと考えられる。
【0025】上記のとおり、仕上圧延入側温度、および
仕上圧延における冷却速度が耳の形成に大きな影響を及
ぼすことがわかる。粗圧延においても同様の影響があ
り、本発明の製造条件は上記耳形成概念に基づき、種々
の実験を経て決定されたものである。以下、より具体的
に限定理由を説明する。
【0026】粗圧延は450〜330℃、好ましくは4
40〜340℃の温度範囲で行う。かかる温度範囲に規
制することにより、Al‐Fe、Al−Fe−Si系析
出物を適量析出させ、さらに晶出物中、析出物中に拡散
するCu量を適量として、Fe固溶量、Si固溶量およ
びCu固溶量を制御し、耳率を低下、安定化させること
ができる。450℃を超えると、蓄積転位密度、固溶量
が安定せず、耳率がばらつきやすくなる。一方、330
℃未満では、熱間圧延の際に蓄積ひずみが過多となり、
析出量が変化しやすく、耳率や機械的性質が変化しやす
くなる。
【0027】熱間仕上圧延については、終了温度を25
0〜330℃、好ましくは260℃〜320℃とする。
図1で説明したように、250℃未満では+耳が強くな
り過ぎ、一方330℃を超えると−耳が強く発達するよ
うになる。さらに、仕上圧延入側温度から出側温度にか
けての平均冷却速度、すなわち熱間仕上圧延における平
均冷却速度を1〜5℃/sec、好ましくは1.5℃/sec〜
4℃/secとする。平均冷却速度が1℃/sec未満では、図
1に示すように、−耳が強く発達し、一方、5℃/sec超
の冷却では、+耳が強く発達し過ぎるようになる。
【0028】熱間圧延を上記のように制御することで、
比較的広い圧延温度範囲の下で、低い耳率を安定して得
ることができる。このため、後述の実施例から明らかな
ように、ロット間だけでなく、ロット内の長手方向、幅
方向の各部位において低い耳率を安定的に得ることがで
きる。
【0029】なお、仕上圧延までの製造条件が一定であ
れば、製品耳率は下記式(a,b,cは係数であり、別
途実験により決定される。)から実操業データに基づき
予測することが可能であり、品質のばらつきを実測によ
らずにチェックすることができる。また熱間圧延制御用
プロセスコンピュータで上記計算を行い、オンラインで
圧延設備を制御することで、耳率を安定化させた製造を
行うことができ、著しく歩留まりを改善することができ
る。 製品板耳率(%)=a×(仕上圧延入側温度)+b×
(仕上圧延出側温度)+c
【0030】熱間圧延後、中間焼鈍を施すことなく冷間
圧延され、その後最終焼鈍が施される。前記冷間圧延に
おける冷延率は、結晶粒微細化および耳率を制御する効
果があり、所望の製品板厚を得るとともに、より安定し
た低い耳率を得るために重要である。冷延率が80%よ
りも低いと、最終焼鈍後の結晶粒が大きくなり、またA
l合金板内に導入される歪みが不均一となる。このた
め、Al合金板内の耳率のばらつきが大きくなったり、
板内に導入される歪みが過少となり、高い−耳を形成
し、安定した低い耳率が得られにくくなる。一方、冷延
率が99%よりも高いと、Al合金板内に蓄積される歪
みが過多となり、板内の耳率のばらつきが大きくなった
り、Al板内に導入される歪みが過少となり、+耳が高
くなり、やはり安定した低い耳率が得られにくくなる。
このため、冷延率は80〜99%、好ましくは82〜9
7%とするのがよい。
【0031】冷間圧延後、Al合金板を十分な再結晶組
織として、軟質材とするために最終焼鈍が施される。焼
鈍温度は、300〜450℃程度とするのがよい。30
0℃未満では、十分な再結晶組織が得られず、一方45
0℃を越えると、再結晶組織が粗大化して、成形時に肌
あれが生じるなどの問題を生じる。なお、最終焼鈍の方
式によって最適温度範囲が異なり、バッチ方式の焼鈍の
場合では300〜400℃程度、連続焼鈍方式の場合で
は400〜450℃程度である。
【0032】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定的に
解釈されないことは勿論である。
【0033】
【実施例】表1に示す化学成分のAl合金を溶製し、D
C鋳造法にて板厚600mm、幅1200mm、長さ500
0mmの鋳塊を得た。この鋳塊を表2に示す製造条件にて
1次均熱を行い、引き続いて熱間粗圧延開始温度付近に
て2次均熱を行い、その後熱間粗圧延を行った。この粗
圧延において150mm厚以下の終段の圧延パスは2〜4
パスとし、30〜50mmに減厚した。次いで、同表に示
す条件にて3mm〜6mmの板厚に仕上圧延を行って巻き取
った後、中間焼鈍を行うことなく、冷間圧延を行い、そ
の後最終焼鈍を施した。最終焼鈍は、焼鈍温度360
℃、保持時間4hrとした。
【0034】焼鈍板の長さ方向、幅方向の中央部から組
織観察用のサンプルを採取し、結晶粒径を観察するとと
もに、焼鈍板中のFe固溶量、Si固溶量、Cu固溶量
を測定し、Siについては固溶Si量/Si含有量(添
加Si量)を求めた。
【0035】結晶粒径の測定については、サンプルの板
表面から約0.05〜0.1mmまでを機械研磨により除
去した後、電解エッチングを行い、光学顕微鏡(偏光板
使用)を用いて組織を観察し、圧延直角方向でラインイ
ンターセプト法にて結晶粒径を測定した。
【0036】FeおよびCuの固溶量に測定について
は、熱フェノールによる残渣抽出法を行い、得られた溶
液中のFe量、Cu量をICP発光分析によって測定し
た。この際、残渣を濾すフィルターとして、メッシュサ
イズが0.2μm のものが用いられた。
【0037】一方、Siの固溶量については、晶出物あ
るは析出物(Al3FeまたはAl−Fe−Si系金属
間化合物)中のSiと単体Siとを別々に測定し、Si
添加量よりこれらのSi量を差し引くことによって求め
た。前者のSi量は、熱フェノール残渣抽出法により残
存した残渣(晶出物または析出物)中のSi量を測定す
ることによって求めた。一方、単体Si量は塩酸溶解残
渣法により、残渣を濾すフィルターとしてメッシュサイ
ズが0.2μm のものを用いて単体Si析出物だけを抽
出し、これからICP発光分析により単体Siの量を求
めた。なお、添加量は、通常のX線分析やICP発光分
析法によって測定することができる。
【0038】また、得られた焼鈍板の各部位による特性
のばらつき(ロット内ばらつき)を調査するため、コイ
ル長手方向の先端部、中央部、後端部およびコイル幅方
向の左端部、中央部、右端部から各々サンプル板を切り
出し、このサンプル板をカップ成形して耳率および成形
中の破断カップ数を測定した。カップ成形条件について
は、コンデンサーケースの深絞り成形品(限界絞り比
(LDR)が2.0以上)を模擬して、サンプル板より
径φ80mmのブランクを得て、ポンチ径φ40mm、しわ
押さえ300kgfとし、潤滑油をブランク板に塗布し
た後、エリクセン試験機により成形した。成形したカッ
プの開口周縁部の8方向に生じる山谷からサンプル数1
0個の平均耳率を測定した。
【0039】また、前記カップ試験後の成形品の表面を
目視により観察し、成形表面品質を下記の4段階で評価
した。 ◎:リビングマークがなく、表面性状も非常に良好、
○:表面性状が良好であり、実用レベルを満足、△:一
部で肌荒れが発生、×:リビングマークが強く発現し、
所々に肌荒れが発生
【0040】また、前記カップ試験用のサンプル板を王
水(体積比で濃塩酸:濃硝酸=3:1)に浸漬して、板
表面をエッチングし、ストリークおよびエッチングむら
を目視により観察し、エッチング表面品質を下記の4段
階で評価した。 ◎:優良、○:良好、△:不良、×:非常に悪い
【0041】上記測定結果、観察結果を表3に併せて示
す。なお、表3では、耳率については、長手方向はばら
つきの大きい先端部と後端部について示し、また幅方向
は左端と右端の平均を幅端として示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】表3より、成分が発明範囲より外れるAl
合金を用いた試料No. 25〜30(比較例)は、総じて
ロット内の耳率の大きさ、ばらつきが大きく、一部のも
のを除いて成形時の破断割れも頻発しており成形性に劣
る。またエッチング表面品質、成形表面品質もよくな
い。また、成分が発明範囲内であっても、製造条件が適
切でない試料No. 21〜24は、Fe固溶量、Si固溶
量が適切な範囲に収まらず、耳率の大きさ、ばらつきが
大きく、表面品質もよくない。これに比して、発明例の
試料No. 1〜12は、耳率の大きさ、ばらつきが小さ
く、また表面品質も良好であり、成形時の割れもほぼ皆
無である。もっとも、No. 12は冷延率が低いため、結
晶粒径がやや大きくなったため、表面品質はやや劣る結
果となった。
【0046】
【発明の効果】本発明のAl合金板は、Fe、Si、C
uを特定量含み、さらにこれらの元素を適量固溶させた
ので、ロット間のみならず、ロット内における耳率の大
きさ、ばらつきを低くすることができ、成形の際に破断
割れも発生し難くなり、成形性も良好である。また、本
発明の製造方法によると。上記Al合金板を中間焼鈍工
程を省略して低コストで安定的に製造することができ、
工業的生産性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱間仕上圧延中の経過時間とAl合金熱延板の
ある部位の温度との関係を示す概念図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 630 C22F 1/00 630K 682 682 692 692A 694 694B 694A (72)発明者 秦 昌弘 栃木県真岡市鬼怒ヶ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内 (72)発明者 櫻井 強 栃木県真岡市鬼怒ヶ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内 (72)発明者 杉崎 康昭 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 mass%で、Fe:0.20〜0.70
    %、Si:0.07 〜0.30%、Cu:0.005
    〜0.10%、残部Alおよび不純物からなり、固溶F
    e量が5〜200ppm、Si含有量に対する固溶Si
    量の割合が0.3〜0.9、および固溶Cu量が5〜5
    00ppmである、絞り加工用アルミニウム合金板。
  2. 【請求項2】 結晶粒径が 80μm 以下である、請求
    項1に記載したアルミニウム合金板。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した成分を有するアルミ
    ニウム合金鋳塊を、均質化熱処理し、450〜330℃
    の温度範囲で熱間粗圧延を行い、その後仕上圧延入側温
    度から出側温度にかけての平均冷却速度1〜5℃/secと
    し、かつ仕上圧延終了温度を250〜330℃として熱
    間仕上圧延を終了し、その後冷間圧延、最終焼鈍を行
    う、深絞り加工用アルミニウム合金板の製造方法。
  4. 【請求項4】 冷間圧延における冷延率を80%〜99
    %とする、請求項3に記載したアルミニウム合金板の製
    造方法。
JP2001026687A 2001-02-02 2001-02-02 深絞り加工用アルミニウム合金板およびその製造方法 Expired - Lifetime JP3765986B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001026687A JP3765986B2 (ja) 2001-02-02 2001-02-02 深絞り加工用アルミニウム合金板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001026687A JP3765986B2 (ja) 2001-02-02 2001-02-02 深絞り加工用アルミニウム合金板およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002226933A true JP2002226933A (ja) 2002-08-14
JP3765986B2 JP3765986B2 (ja) 2006-04-12

Family

ID=18891460

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001026687A Expired - Lifetime JP3765986B2 (ja) 2001-02-02 2001-02-02 深絞り加工用アルミニウム合金板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3765986B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007021519A (ja) * 2005-07-14 2007-02-01 Fujifilm Holdings Corp 平版印刷版用支持体の製造方法
JP2009120926A (ja) * 2007-11-19 2009-06-04 Kobe Steel Ltd アルミニウム圧延板およびその製造方法
JP2010013669A (ja) * 2008-07-01 2010-01-21 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 耐食性および成形性に優れたアルミニウム合金板
JP2011208230A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Kobe Steel Ltd 電池ケース用アルミニウム合金板および電池ケース
JP2011208229A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Kobe Steel Ltd 電池ケース用アルミニウム合金板および電池ケース
CN113049337A (zh) * 2021-03-24 2021-06-29 重庆市科学技术研究院 一种非沉淀强化铝合金铸锭强度和塑性的判断方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007021519A (ja) * 2005-07-14 2007-02-01 Fujifilm Holdings Corp 平版印刷版用支持体の製造方法
JP4607692B2 (ja) * 2005-07-14 2011-01-05 富士フイルム株式会社 平版印刷版用支持体の製造方法
JP2009120926A (ja) * 2007-11-19 2009-06-04 Kobe Steel Ltd アルミニウム圧延板およびその製造方法
JP2010013669A (ja) * 2008-07-01 2010-01-21 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 耐食性および成形性に優れたアルミニウム合金板
JP2011208230A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Kobe Steel Ltd 電池ケース用アルミニウム合金板および電池ケース
JP2011208229A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Kobe Steel Ltd 電池ケース用アルミニウム合金板および電池ケース
CN113049337A (zh) * 2021-03-24 2021-06-29 重庆市科学技术研究院 一种非沉淀强化铝合金铸锭强度和塑性的判断方法
CN113049337B (zh) * 2021-03-24 2023-06-09 重庆市科学技术研究院 一种非沉淀强化铝合金铸锭强度和塑性的判断方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3765986B2 (ja) 2006-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5325472B2 (ja) 磁気ディスク用アルミニウム合金基板およびその製造方法
JP4873078B2 (ja) マグネシウム合金板材
JP4285916B2 (ja) 高強度、高耐食性構造用アルミニウム合金板の製造方法
CN109563572B (zh) 磁盘基板用铝合金板及其制造方法、磁盘
JP6427267B2 (ja) 磁気ディスク用アルミニウム合金基板及びその製造方法、ならびに、当該磁気ディスク用アルミニウム合金基板を用いた磁気ディスク
JP6176393B2 (ja) 曲げ加工性と形状凍結性に優れた高強度アルミニウム合金板
CN103946404B (zh) 冲压成形性与形状冻结性优良的铝合金板及其制造方法
JP4205458B2 (ja) アルミニウム系熱間圧延板及びそれを用いた缶胴用板材
CA2588046C (en) Aluminum alloy sheet and method for manufacturing the same
CN103370433B (zh) 镁合金材料及其制造方法
JP2000119782A (ja) アルミニウム合金板及びその製造方法
JP3529270B2 (ja) アルミニウム箔の製造方法
JP3765986B2 (ja) 深絞り加工用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP3498942B2 (ja) 耐リジングマーク性に優れたアルミニウム合金板及びリジングマーク発生の有無の評価方法
JP2003027172A (ja) 微細組織を有する構造用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP3529273B2 (ja) 薄箔用アルミニウム箔地及びその製造方法
JP2018059180A (ja) 磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレート
JP3867569B2 (ja) 容器用アルミニウム箔およびその製造方法
JP4591986B2 (ja) 塗装性およびプレス成形性に優れた輸送関連構造体用アルミニウム合金板材
JP2018178138A (ja) 成形性、曲げ加工性および耐デント性に優れた高強度アルミニウム合金板及びその製造方法
JP2002129269A (ja) アルミニウム合金板およびその製造方法
JP3529271B2 (ja) アルミニウム箔の製造方法
JP2000038632A (ja) アルミニウム箔地及びその製造方法
JP2000054045A (ja) 薄箔用アルミニウム箔地及びその製造方法
JPH07197170A (ja) 薄肉ディスク用アルミニウム合金板とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3765986

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110203

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120203

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130203

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140203

Year of fee payment: 8

EXPY Cancellation because of completion of term