JP4170918B2 - ジッタトレランス診断方法およびジッタトレランス診断装置 - Google Patents
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Description
高速インタコネクトには、当然ながら、非常に高いデータ伝送速度が求められており、近年では、1リンクあたりの伝送速度が2.5Gbpsと極めて高速な製品が主流になっている。このような伝送速度の高速化に伴って、各リンクで伝送される信号の特性に関しても厳しい制約が必要となっており、InfiniBand規格では、高速インタコネクトの出力信号Txおよび入力信号Rxに許容されるジッタは、それぞれ0.35UIおよび0.65UIである。ここで、ジッタの単位として用いたUIは、データ1ビットあたりの時間間隔(unit Interval)を意味しており、ちなみに、伝送速度が2.5Gbpsである場合、1UIは、わずかに、400psである。
図12に、インタコネクトLSIの一般的な構成を示す。
図12に示すように、一般的なインタコネクトLSIは、入力データをシリアル化して出力するTxブロック410と、シリアルデータをパラレル化して出力するRxブロック420とを備えている。図12に示したTxブロック410およびRxブロック420は、それぞれクロック生成器414,424を備えており、これらのクロック生成器414,424は、PLL401が基準クロックに基づいて生成したクロック信号から必要な周期のクロック信号を生成し、それぞれシリアライザ412およびドライバ413あるいはデシリアライザ422およびレシーバ423にこのクロック信号を供給する。
この方法は、上述した様々な要因によるインタコネクトLSIにおける回路特性の劣化の程度を、PLLに関する要因によって代表させて評価しようとするものである。つまり、インタコネクトLSIの出力端子を介して出力されるPLLの調整コードをインタコネクトLSI全体の回路特性の劣化を示す指標として利用するもので、簡便法としては有効であった。
図13に、従来のジッタトレランス測定方法の概念図を示す。
図13に示したシンセサイザ402は、ノイズを付加した基準クロックを生成し、インタコネクトLSIに備えられたPLL401に入力する。この状態で、ノイズ測定装置403は、インタコネクトLSIのTxブロック410から出力された信号に含まれるノイズの量を測定する。このようにして測定されたTxブロック410の出力端におけるノイズ量と、シンセサイザ402によって付加されたノイズ量とを関連付けることにより、Txブロック410についてのジッタトレランスを評価する。また一方、ノイズ付加装置404は、Txブロック410からRxブロック420に入力される信号にノイズを付加し、このときのRxブロック420の出力信号を信号監視装置405によって監視する。この信号監視装置405による監視結果と、ノイズ付加装置404によって付加されたノイズ量とを関連付けることにより、Rxブロック420が正常にデータを受信できる限界のノイズ量、すなわち、Rxブロックの入力端におけるジッタトレランスを評価する。
図1(a)に示す第1のジッタトレランス診断方法は、制御手順(S11)および監視手順(S12)から構成される。
本発明にかかわる第1のジッタトレランス診断方法の原理は、以下の通りである。
制御手順(S11)は、複数の回路ブロックの内所望の回路ブロックの前段に配置され、通常の機能素子の一部として動作する第一のトランジスタと、特定の制御指示に対応する組み合わせで機能素子の形成に寄与させることで入力信号に対して機能素子をその設計値と等価な動作を行わせる少なくとも一つの第二のトランジスタを備えたジッタ付加回路に、ジッタ付加回路が機能素子の形成に寄与させる第二のトランジスタの組み合わせを変更することにより、機能素子の形成に寄与する第1のトランジスタと第2のトランジスタとのサイズ比を変更して、変更されたサイズに対応する大きさのジッタが発生するよう制御指示を行う。
このような構成の第1のジッタトレランス診断方法の動作は以下の通りである。
所望の回路ブロックの前段に配置されたジッタ付加回路に、制御手順(S11)により、適切な制御指示を所望のジッタ付加回路に入力することにより、このジッタ付加回路の後段の回路ブロックに所望の大きさのジッタを含んだ信号を入力する。また、制御手順(S11)により、このジッタ付加回路によって発生させるジッタの大きさを変化させつつ、監視手順(S12)によってLSIの出力信号を監視することにより、この出力信号の特性が所望の規格を満足する限界に相当するジッタの大きさ、すなわち、ジッタトレランスを見つけ出すことができる。
本発明にかかわるジッタトレランス診断方法の原理は、以下の通りである。
選択手順(S21)は、所望の回路ブロックとその前段の回路ブロックとの間に配置された相補型MOS回路素子を選択する。
このような構成の第2のジッタトレランス診断方法の動作は以下の通りである。
評価対象のLSIを製造する段階において、選択手順(S21)によって選択された相補型MOS回路素子を、置換手段(S22)は、サイズ比を変更可能なp型MOSトランジスタとn型MOSトランジスタを含んで形成されたジッタ付加回路に置き換える。評価対象のLSIについてジッタトレランスを測定する際に、サイズ比変更手順(S23)は、所望の回路ブロックに対応するジッタ付加回路におけるp型MOSトランジスタとn型MOSトランジスタとのサイズ比を変更することにより、このジッタ付加回路を介して所望の回路ブロックに入力される信号の立ち上がり時間あるいは立ち下がり時間を、変更されたサイズ比と基準となるサイズ比との割合に応じて変動させる。このようにして、入力信号に立ち上がり時間あるいは立ち下がり時間の変動を与えることは、この変動の大きさに相当する大きさの擬似的なジッタを入力信号に付加することに相当する。監視手順(S13)は、このようにして付加された擬似的なジッタの大きさに関連付けて、評価対象のLSIの出力信号を監視する。
図2は、本発明にかかわるジッタトレランス診断装置の原理ブロック図である。
図2に示すジッタトレランス診断装置は、ジッタ付加回路111、付加制御手段112および監視手段113から構成される。
本発明にかかわるジッタトレランス診断装置の原理は、以下の通りである。
付加制御手段112は、LSIを形成している複数の回路ブロックのいずれかに対応して配置されたジッタ付加回路111に対し、ジッタ付加回路が機能素子の形成に寄与させる第二のトランジスタの組み合わせを変更することにより、機能素子の形成に寄与する第1のトランジスタと第2のトランジスタとのサイズ比を変更して、変更されたサイズに対応する大きさのジッタが発生するよう制御指示を行う。
このような構成のジッタトレランス診断装置の動作は以下の通りである。
所望の回路ブロックについてジッタトレランスを診断する際に、付加制御手段112は、その回路ブロックの前段に配置されたジッタ付加回路111に適切な大きさのジッタを付加する旨の制御指示を入力する。例えば、付加制御手段112により、所定の範囲に含まれる大きさのジッタを付加する旨の制御指示をジッタ付加回路111に入力し、これらの制御指示によって付加されるジッタ値に関連付けて、監視手段113が、評価対象のLSIの出力信号を監視することにより、この出力信号の特性が所望の規格を満足する限界に相当するジッタの大きさ、すなわち、ジッタトレランスを見つけ出すことができる。
図3は、本発明にかかわるジッタ付加回路の原理を示す図である。
図3に示すジッタ付加回路は、相補型MOS回路素子121と、サイズ比変更手段122とから構成される。
本発明にかかわるジッタ付加回路の原理は、以下の通りである。
サイズ比変更手段122は、入力される制御指示に応じて、相補型MOS回路素子121の形成に寄与するp型MOSトランジスタとn型MOSトランジスタとのサイズ比を変更する。
サイズ比変更手段122は、相補型MOS回路素子121を形成すべきp型MOSトランジスタあるいはn型MOSトランジスタから、制御指示で指定されたジッタ値に相当する分を切り離すことにより、実質的に相補型MOS回路素子121を形成するp型MOSトランジスタとn型MOSトランジスタとの比を変更する。このようなジッタ付加回路111に前段の回路ブロックから出力された信号が入力されると、p型MOSトランジスタとn型MOSトランジスタとのサイズ比が相補型MOS回路素子121として機能するために最適な基準値である場合とは異なる波形を有する出力信号が得られる。この出力信号と最適なサイズ比に基づいて形成された相補型MOS回路素子121から得られるべき出力信号との間の立ち上がり時間あるいは立ち下がり時間の差は、このジッタ付加回路111の出力信号が入力される回路ブロックから見れば、入力信号に現れるジッタに他ならない。つまり、p型MOSトランジスタとn型MOSトランジスタとのサイズ比を基準値からずらすことにより、ジッタ付加回路210を介して所望の回路ブロックに入力する信号に、サイズ比のずれの大きさに応じた大きさの擬似的なジッタを付加することができる。
なお、図3に示すサイズ比変更手段122を、k個のn型MOSトランジスタ123を備えて形成されるバッファあるいはインバータである相補型MOS回路素子121を備えたジッタ付加回路111において、k個のスイッチ124と、スイッチ制御手段125とを備えて構成することもできる。
スイッチ制御手段125は、入力される制御指示に応じて適切なスイッチ124を選択し、選択したスイッチ124に対応するn型MOSトランジスタ123をバッファあるいはインバータの形成に寄与させる。
スイッチ制御手段125が、制御指示に応じてk個のスイッチ124を制御することにより、n型MOSトランジスタ123それぞれを相補型MOS回路素子121であるバッファあるいはインバータの形成に選択的に寄与させる。これにより、p型MOSトランジスタとn型MOSトランジスタとのサイズ比を基準値よりも小さい値から基準値と同じか大きい値まで変化させ、そのサイズ比に応じたジッタを付加した信号を後段の回路ブロックに入力することができる。
図4は、本発明にかかわる第2のジッタトレランス診断装置の原理を示す図である。
図4に示す第2のジッタトレランス診断装置は、固定トランジスタ131とm個の可変トランジスタ132を備えたバッファあるいはインバータ130およびm個のスイッチ133を備えたジッタ付加回路111と、制御指示作成手段134および回路選択手段135を備えた付加制御手段112とから構成される。
ジッタ付加回路111に備えられた固定トランジスタ131は、バッファあるいはインバータ130を構成するp型MOSトランジスタに直列に接続されており、所定のサイズSを有するn型MOSトランジスタとしてバッファあるいはインバータ130の機能に寄与する。
ジッタ付加回路111に備えられたm個のスイッチ133は、m個の可変トランジスタ132に対応して配置されており、制御指示に応じて、対応する可変トランジスタ132のゲート端子に入力信号電圧を印加するか否かを決定する。
付加制御手段112に備えられた回路選択手段135は、所望のジッタ付加回路111に備えられたm個のスイッチ133に制御指示を形成している各ビットの信号を各スイッチ133に対する制御指示として入力する。
制御指示作成手段134によって作成された制御指示の各ビットは、回路選択手段135によって所望のジッタ付加回路111に備えられたm個のスイッチ133に入力され、これに応じて各スイッチ133のオン/オフが決定される。これらのスイッチ133に関するオン/オフの組み合わせを変えれば、当然ながら、対応する可変トランジスタ132の組み合わせが変化するので、バッファあるいはインバータ130の形成に寄与するn型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタとのサイズ比を、固定トランジスタ131のサイズに相当する最小値Sに対応する値から全ての可変トランジスタ132を寄与させた場合に相当する最大値S+ΣSi(i=1〜m)に対応する値まで離散的に変化させることができる。
このような構成の可変トランジスタの動作は以下の通りである。
スイッチ133に関するオン/オフの組み合わせに応じて、対応する可変トランジスタ132の組み合わせがバッファあるいはインバータ130の形成に寄与するので、バッファあるいはインバータ130の形成に寄与するn型MOSトランジスタのサイズは、固定トランジスタ131のサイズに相当する最小値Sから最大値2m×Sまで刻みSで離散的に変化する。
更に、本発明にかかわる第3のジッタトレランス診断装置によれば、評価対象のLSIに組み込まれたジッタ付加回路によって、実用的な範囲で可変なジッタを簡単な制御コードに応じて発生させることができるので、ジッタトレランスの診断を十分な精度をもって実現することができる。
以下、本発明にかかるジッタトレランス診断装置の最良の実施形態について説明する。
図5に、本発明にかかるジッタトレランス診断装置の実施形態を示す。
なお、図5に示す各部のうち、図13に示した各部と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明を省略する。
図6に、ジッタ付加回路の詳細構成を示す。
図6に示したジッタ付加回路において、バッファ211は、p型MOSトランジスタとn型MOSトランジスタとから形成された一つのインバータと、固定トランジスタ131と3個の可変トランジスタ1321〜1323とをp型MOSトランジスタのソース端子に並列に接続して形成されたもう一つのインバータとから構成されている。図6に示した固定トランジスタ131およびm個の可変トランジスタ1321〜1323は、いずれもn型MOSトランジスタであり、これらのn型MOSトランジスタのソース端子はそれぞれ接地されている。また、3個の可変トランジスタ1321〜1323それぞれのサイズSiは、固定トランジスタ131のサイズSを用いて、式(1)のように表される。
なお、固定トランジスタ131のサイズSは、例えば、p型MOSトランジスタのサイズSpの4分の1とすればよい。
また、固定トランジスタ131のゲート端子には、前段のインバータの出力信号が入力されており、一方、3個の可変トランジスタ1321〜1323のゲート端子には、それぞれMOSトランジスタ2121〜2123を介して前段のインバータの出力信号が入力されている。また、図6において、これらのMOSトランジスタ2121 〜2123 のゲート端子には、それぞれMOSトランジスタ2131〜2133のドレイン端子が接続されており、イネーブル信号に応じて、これらのMOSトランジスタ2131〜2133がオン状態となったときに、MOSトランジスタ2121〜2123のゲート端子に制御コードの対応するビット値に相当する信号電圧が印加される。
以下に、図2、図3および図4に示した各手段と、図5および図6に示した各部との対応関係を示す。
また、一般的なインタコネクトの設計において、図11に示したPLL401とTxブロック410あるいはRxブロック420との間には、しばしば複数段のインバータやバッファが配置される。したがって、図5に示したジッタ付加回路201は、このような一般的な設計によってPLL401やTxブロック410、Rxブロック420の前段に配置されたインバータあるいはバッファを選択的に置き換えたものと捉えることもできる。このことは、図5に示したインタコネクトLSIの製造段階において、図1(b)に示した選択手順(S21)および置換手順(S22)が完了していることを示している。
図7に、ジッタトレランス診断装置の動作を表す流れ図を示す。
以下の記述では、図5乃至図7を適宜参照されたい。
図5に示した制御コード生成装置203は、まず、前段にジッタ付加回路201が配置された回路ブロックの一つを選択し、選択した回路ブロックに対応するジッタ付加回路201を示すセレクトコードを分配回路202に入力する(ステップ301)。次に、制御コード生成装置203は、数値「0」から数値「23」までの範囲の数値を表す3ビットの制御コードを順次に生成し、分配回路202を介して各ジッタ付加回路201に入力する(ステップ302)。
このようにして、制御コード生成装置203により、3ビットの組み合わせで生成可能な全ての制御コードを生成し、分配回路202を介して順次にジッタ付加回路201に入力する。これにより、このジッタ付加回路201内部のバッファ211に形成に寄与するp型MOSトランジスタとn型MOSトランジスタとのサイズ比を、制御コード「000」に相当する4対1から制御コード「111」に相当する1対2まで離散的に変化させ、このジッタ付加回路201により、それぞれのサイズ比に相当するジッタを入力信号に付加させて、Txブロック410に渡すことができる。そして、各サイズ比に相当するジッタが付加されているときに、Txブロック410の出力信号に含まれているノイズ成分の大きさがノイズ測定装置204によって測定され、ジッタ値に対応して順次に蓄積される。
その後、制御コード生成装置203は、全ての回路ブロックについて処理を完了したか否かを判定し(ステップ307)、否定判定の場合は、ステップ301に戻って新たな回路ブロックに関する処理を開始し、一方、肯定判定の場合は、ジッタトレランスの測定処理を終了する。
このとき、評価対象のLSIにジッタを含んだ信号を入力するために、シンセサイザなどの高価な装置も、また、外部からの信号を忠実に評価対象のLSIに伝達するための高精度なインタフェースも不要である。本発明にかかわるジッタトレランス診断装置による測定を実現するために必要な機材は、簡単な制御コードとセレクトコードを生成する制御コード生成装置203とノイズ測定装置204のみであり、これらの装置と評価対象のLSIとのインタフェースは、このLSIが実装される際に使われる程度の精度を持ったコネクタやソケットがあれば十分である。このように、本発明にかかわるジッタトレランス診断装置を適用するために必要とされる労力およびコストは、従来の測定方式において必要とされる機材やインタフェースの準備に要する労力およびコストに比べて極めて少ない。したがって、本発明のジッタトレランス診断装置によれば、量産された高速インタコネクトLSIの全数検査を行なうことも十分に可能である。
また、上述したジッタ付加機能を組み込む回路素子は、p型MOSトランジスタとn型MOSトランジスタとを組み合わせた相補型MOS回路素子であればよいので、必ずしも、図3に示した構成を持つインバータや図6に示した構成を持つバッファに限らない。例えば、ジッタ付加機能を相補型の差動バッファに組み込むことも可能である。
なお、図9に示す構成要素のうち、図6に示した構成要素と同等のものについては、図6に示した構成要素に付された符号と同一の符号を付して示し、説明を省略する。
図9に示したジッタ付加回路201において、差動バッファは、p型MOSトランジスタpa、pbとn型MOSトランジスタn1a,n1b,n2a,n2bとから形成されている。また、図9において、n型MOSトランジスタn1a,n1bは、図6に示した後段のインバータを構成するn型MOSトランジスタと同様に、固定トランジスタ131と3個の可変トランジスタ1321〜1323とから構成されている。なお、図9においては、n型MOSトランジスタn1aについてのみ詳細構成を示し、n型MOSトランジスタn1bについては、詳細構成を省略し、ブロックで示した。
また、上述したようにしてn型MOSトランジスタn1a,n1bのサイズを変更する代わりに、n型MOSトランジスタn2a,n2bあるいはp型MOSトランジスタpa、pbのサイズを変更してもよい。更に、これらの全てのサイズを変更してもよい。
図10に、ジッタ付加回路の配置例を示す。
なお、図10に示した構成要素のうち、図12に示した構成要素と同等のものについては、図12に示した構成要素に付された符号と同一の符号を付して示し、説明を省略する。
このようなジッタ付加回路の例としては、図11に示すように、制御コードに応じた分周比に従って分周回路231によって出力信号を分周し、得られた信号を位相比較回路232の制御入力とする構成が考えられる。
(付記1) 所望の回路ブロックの前段にそれぞれ配置され、指定された大きさのジッタを発生する機能を備えたジッタ付加回路に、所望の大きさのジッタを発生させる旨の制御指示を入力する制御手順と、評価対象のLSIから出力される少なくとも1つの出力信号を監視し、この出力信号の特性が所望の規格を満足するか否かを判定する監視手順とを備えたジッタトレランス診断方法。
(付記4) LSIを形成している複数の回路ブロックの少なくとも一つの前段にそれぞれ配置され、入力される制御指示に対応する大きさのジッタを前段の回路ブロックから受け取った信号に付加して出力するジッタ付加回路と、各ジッタ付加回路に、所望の大きさのジッタを付加する旨の制御指示を入力する付加制御手段と、評価対象のLSIから出力される出力信号を監視し、この出力信号の特性が所望の規格を満足するか否かを判定する監視手段とから構成されるジッタトレランス診断装置。
112 付加制御手段
113 監視手段
121 相補型MOS回路素子
122 サイズ比変更手段
123 n型MOSトランジスタ
124 スイッチ
125 スイッチ制御手段
130 バッファあるいはインバータ
131 固定トランジスタ
132 可変トランジスタ
133 スイッチ
134 制御指示作成手段
201 ジッタ付加回路
202 分配回路
203 制御コード生成装置
204、403 ノイズ測定装置
211 バッファ
212 MOSトランジスタ
213 MOSトランジスタ
401 PLL
402 シンセサイザ
404 ノイズ付加装置
405 信号監視装置
410 Txブロック
412 シリアライザ
413 ドライバ
414 クロック生成器
420 Rxブロック
422 デシリアライザ
423 レシーバ
Claims (5)
- 複数の回路ブロックから形成される評価対象のLSIについてジッタトレランスを診断する方法であって、
前記複数の回路ブロックの内所望の回路ブロックの前段にそれぞれ配置され、通常の機能素子の一部として動作する第一のトランジスタと、特定の制御指示に対応する組み合わせで前記機能素子の形成に寄与させることで入力信号に対して前記機能素子をその設計値と等価な動作を行わせる少なくとも一つの第二のトランジスタを備えたジッタ付加回路に対し、前記ジッタ付加回路が前記機能素子の形成に寄与させる第二のトランジスタの組み合わせを変更することにより、前記機能素子の形成に寄与する第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとのサイズ比を変更して、変更されたサイズに対応する大きさのジッタが発生するよう制御指示を行う制御手順と、
前記評価対象のLSIから出力される少なくとも1つの出力信号を監視し、この出力信号の特性が所望の規格を満足するか否かを判定する監視手順と
を備えたことを特徴とするジッタトレランス診断方法。 - 評価対象のLSIを形成する複数の回路ブロックにおける所望の回路ブロックとその前段の回路ブロックとの間に配置された相補型MOS回路素子を選択する選択手順と、
入力される比変更指示に応じて、p型MOSトランジスタとn型MOSトランジスタとをそのサイズ比を変更可能なように組み合わせた回路であり、かつ、このサイズ比を適切な値に固定することによって選択された相補型MOS回路素子と等価な機能を果たす回路であるジッタ付加回路によって、前記選択された相補型MOS回路素子を置き換える置換手順と、
前記評価対象のLSIについてジッタトレランスを診断する際に、所望の回路ブロックの前段に配置されたジッタ付加回路を形成するp型MOSトランジスタとn型MOSトランジスタとのサイズ比を、このジッタ付加回路に対応する相補型MOS回路素子におけるサイズ比を基準として定めた所定の範囲において変更するサイズ比変更手順と、
前記評価対象のLSIから出力される少なくとも1つの出力信号を監視し、この出力信号の特性が所望の規格を満足するか否かを判定する監視手順と
を備えたことを特徴とするジッタトレランス診断方法。 - 評価対象のLSIを形成している複数の回路ブロックの内所望の回路ブロックの前段にそれぞれ配置されており、通常の機能素子の一部として動作する第一のトランジスタと、特定の制御指示に対応する組み合わせで前記機能素子の形成に寄与させることで入力信号に対して前記機能素子をその設計値と等価な動作を行わせる少なくとも一つの第二のトランジスタを備えたジッタ付加回路と、
前記LSIを形成している複数の回路ブロックのいずれかに対応して配置されたジッタ付加回路に対し、前記ジッタ付加回路が前記機能素子の形成に寄与させる第二のトランジスタの組み合わせを変更することにより、前記機能素子の形成に寄与する第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとのサイズ比を変更して、変更されたサイズに対応する大きさのジッタが発生するよう制御指示を行う付加制御手段と、
前記評価対象のLSIから出力される少なくとも1つの出力信号を監視し、この出力信号の特性が所望の規格を満足するか否かを判定する監視手段と
を備えたことを特徴とするジッタトレランス診断装置。 - 請求項3に記載のジッタトレランス診断装置において、
ジッタ付加回路は、
所定のサイズを有するp型MOSトランジスタと別の所定のサイズを有するn型MOSトランジスタとから形成されている相補型MOS回路素子と、
入力される制御指示に応じて、前記相補型MOS回路素子の形成に寄与する前記p型MOSトランジスタと前記n型MOSトランジスタとのサイズ比を変更するサイズ比変更手段とを備えた構成である
ことを特徴とするジッタトレランス診断装置。 - 請求項3に記載のジッタトレランス診断装置において、
ジッタ付加回路は、
バッファあるいはインバータを構成するp型MOSトランジスタに直列に接続されており、所定のサイズSを有するn型MOSトランジスタとして前記バッファあるいはインバータの機能に寄与する固定トランジスタと、
それぞれサイズSi(i=1〜m)を有するn型MOSトランジスタであり、前記固定トランジスタに並列に接続されているm個の可変トランジスタと、
前記m個の可変トランジスタに対応して配置されており、制御指示に応じて、対応する前記可変トランジスタのゲート端子に入力信号電圧を印加するか否かを決定するm個のスイッチとを備えた構成であり
付加制御手段は、
所望のジッタ値に応じてmビットの制御指示を作成する制御指示作成手段と、
所望のジッタ付加回路に備えられた前記m個のスイッチに制御指示を形成している各ビットの信号を前記各スイッチに対する制御指示として入力する回路選択手段とを備えた構成である
ことを特徴とするジッタトレランス診断装置。
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