JP4170841B2 - 液体用紙容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を収容する、天面が平坦で長方形である四角柱形状で、天面に注出口を取り付けたフラットトップ型の液体用紙容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、牛乳、ジュース、酒類等の液体を収容する、天面が水平で平坦な長方形である四角柱形状のフラットトップ型の液体用紙容器が、広く用いられている。この天面が平坦な四角柱状の液体用紙容器は、頭部が切妻形屋根状のゲーベルトップ型と異なりトップリブが合掌シールされたトップシール部が一方に倒され、さらに両端のいわゆる耳が側壁パネル側に折り畳まれている液体用紙容器である。
【0003】
このような従来のフラットトップ型の液体用紙容器においては、天面2が長方形の場合、液体用紙容器Pのトップシール部2aは、長方形の長辺に平行に設けられている。また、内容物を注出するために、別に成形により作製されたプラスチックの注出口具5が取り付けられている。注出口具5を取り付ける位置は、図5に示すように、天面2のトップシール部2aをはずした中央部近傍であった(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特許第2914105号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の天面が長方形の液体用紙容器Pでは、図5に示すように、トップシール部2aが長方形の長辺に平行に設けられているため、注出口具5をトップシール部2aを外した位置に取り付けようとした時に、中央部近傍に設けても内容物が注出しにくく、また、口径の大きい注出口具を取り付けられず、注出口具の口径が限定されてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、天面が長方形である液体用紙容器において、注出口から内容物である液体を注ぎ出しやすい位置に、注出口具を取り付けることができるように取り付ける位置範囲を広くし、また、口径の大きい注出口具を取り付けることができるように改良した液体用紙容器を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上のような問題を解決するために、4枚の側壁パネルからなる胴部、底面、そして、長方形の平坦な天面からなる四角柱形状のフラットトップ型の液体用紙容器において、前記天面の長方形の短辺に平行にトップシール部を設け、該トップシール部を外した一方の短辺の中央部近傍の位置に注出口具を取り付けたことを特徴とする液体用紙容器である。
【0008】
本発明によれば、天面が長方形である液体用紙容器において、トップシール部を天面の短辺と平行に設けることによって、内容物を注出しやすい位置に注出口具を取り付けることができるように取り付ける位置範囲を広くし、また、口径の大きい注出口具を取り付けることができ、注出口から内容物である液体が注ぎやすくすることができるように改良した液体用紙容器を得ることができるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら、本発明の液体用紙容器の実施の形態について説明する。なお、説明を簡単にするため、各図の対応する部位には同じ符号を付している。
【0010】
図1は本発明の液体用紙容器の一実施例を示す斜視図であり、図2は本発明の液体用紙容器の一実施例を示す上面図、正面図および側面図であり、図3は本発明の液体用紙容器の一実施例のブランクを示す展開図であり、図4は本発明および従来の液体用紙容器の天面を示す平面図であり、そして、図5は従来の液体用紙容器の例を示す斜視図である。
【0011】
本発明の液体用紙容器1は、図1および図2に示すように、板紙を基材とする積層体を用いた、4枚の側壁パネル11〜14からなる胴部3、底面4、天面2からなる四角柱状であり、天面2が平坦な、いわゆるフラットトップ型の液体用紙容器である。そして、天面2は対向する一対の長辺と対向する一対の短辺とからなる長方形であり、トップシール部2aが天面2の長方形の短辺に平行に設けられていることが特徴である。そして、トップシール部2aは、平行な短辺のほぼ中央に設けられている。また、そのトップシール部2aを外した位置で、一方の短辺の中央部近傍に注出口具5が取り付けられている。
【0012】
図3は、本発明による液体用紙容器1のブランク10の展開図である。このブランク10は、ブランク胴部D、ブランク天部T、ブランクリブ部R、そしてブランク底部Bからなっている。
【0013】
ブランク胴部Dでは、側壁パネル11、12、13、14と糊代15が折れ線a、b、c、dを介して順次連設されている。
【0014】
また、ブランク天部Tは、側壁パネル11の上辺に折れ線eを介して連設した天パネル11T、側壁パネル12の上辺に折れ線fを介して連設した折り込み天パネル12T、側壁パネル13の上辺に折れ線gを介して連設した天パネル13T、側壁パネル14の上辺に折れ線hを介して連設した折り込み天パネル14Tからなり、折れ線e、gは、折れ線f、hより短く、折れ線e、gが天面2の短辺となり、折れ線f、hが天面2の長辺となっている。そして、天面2の長辺となる折れ線fを一辺とする折り込み天パネル12Tおよび折れ線hを一辺とする折り込み天パネル14Tには、これらの折り込み天パネル12T、14Tを斜めに外側に折り込む斜めの折れ線i、i、j、jがそれぞれ設けられている。
【0015】
また、ブランクリブ部Rは、それぞれの天パネルの上辺に折れ線kを介して連設したトップシール部2aを形成するリブ11R、12R、13R、14Rからなっている。
【0016】
さらに、ブランク底部Bは、ブランク胴部Dの各側壁パネルの下辺にそれぞれ折れ線lを介して連設された底パネルからなり、ヒートシールによって平坦な液洩れのない底面4が形成されるようになっている。
【0017】
そして、天パネル13Tには注出口具5を嵌入するための注出口用孔16を設けている。すなわち、注出口具5が天パネル13Tの中央部近傍のトップシール部2aを外した位置に取り付けられている。
【0018】
なお、ブランク天部Tにおいて、糊代15が貼り合わされるパネルを折り込み天パネル12、または折り込み天パネル14とすると、液体用紙容器1に組み立てる時に折り曲げにくくなるため、糊代15とこれらのパネルとの貼り合わせのない形状とすることが好ましい。
【0019】
注出口具5の口径の大きさは、天パネル11T、13Tの大きさまでの範囲とすることができ、トップシール部2aが倒された天パネル11T側より、もう一方の天パネル13T側により大きい口径の注出口具5を取り付けることができる。また、ブランク10を四角柱状に組み立てるための糊代15の貼り合わせ部分のある位置は避けて取り付け、糊代15の貼り合わせ部分がない側の位置に取り付けることが好ましい。
【0020】
このようにして製造した本発明の液体用紙容器1においては、トップシール部2aを長方形の天面2の短辺に平行に設けることによって、天面2に注出口具5を取り付ける位置範囲が広くなる。トップシール部2aを長辺に平行に設けた場合、図4−aに示すように、短辺に近くかつ中央部には設けることができないのに対して、トップシール部2aを短辺に平行に設けた場合、図4−bに示すように、一方の短辺に近くかつ中央部には設けることができる。また、同形の天面2である場合、トップシール部2aを長辺に平行に中央に設けた場合よりトップシール部2aを短辺に平行に中央に設けた場合の方が、図4−cに示すように、口径の大きい注出口具5を取り付けることができる。このように手面2の一方の短辺に近い位置に注出口具5を設けることができることによって、液体用紙容器1から内容物の液体を注ぎ出す時に、注ぎやすく、かつ、大量に注ぎ出すことができる。
【0021】
本発明の液体用紙容器1に使用する材料は、紙を主体とする積層体からなり、その紙の一方の面に最内層が熱接着性樹脂層である内層を、他方の面に最外層が熱接着性樹脂層である外層を備えていることを基本としている。そして、紙と熱接着樹脂層との間にバリアー層を積層することもできる。
【0022】
また、積層体の最内層および最外層に使用する熱可塑性樹脂は、内容物の保護、特に液状の物質を入れても洩れない機能、また、熱シールにより貼り合わせて液体用紙容器の組み立てを可能にする機能を持っている必要がある。具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂などの樹脂を使用することができる。なかでも、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体は、伸縮性があり、ひび割れ、ピンホールが発生しにくく、好適に使用することができる。
【0023】
上記の熱接着性樹脂を用いて、例えば、押し出し機を使用し、紙とバリアー層との層間に、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を単層ないし多層に押し出して溶融押し出し樹脂層を形成し、その溶融押し出し樹脂層を介して、上記の紙とバリアー層とを積層することができるものである。
【0024】
なお、本発明の液体用紙容器1において、熱接着性樹脂層の膜厚としては、20〜200μmの範囲、好ましくは、25〜100μmの範囲がより好ましいものである。膜厚が、25μm未満であると、炙りピンホールが発生し易い傾向にあることから好ましくなく、200μmを越えると、底面4および天面2の成形性が非常に悪くなることから好ましくないものである。
【0025】
また、本発明の液体用紙容器1を構成するバリアー層として、機械的、物理的、化学的、その他において優れた性質を有し、特に、強度を有して強靱であり、かつ、耐熱性を有する樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。具体的には、例えば、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。さらに、これらのフィルムに金属蒸着膜あるいは無機酸化膜を設けたフィルム、金属箔などを使用することもできる。
【0026】
具体的な材料の構成としては、表面側からポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン樹脂層、発泡ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン樹脂層、ポリプロピレン樹脂層/紙層/ポリプロピレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエステル樹脂層、ポリエステル樹脂層/紙層/ポリエステル樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/エチレン−アクリル酸共重合体層/アルミニウム箔/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン層/ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン層/ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層(フィルム)、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン層/アルミニウム箔/二軸延伸ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン層/蒸着アルミ層/ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン樹脂層/シリカ蒸着層/ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層(フィルム)などがあげられる。
【0027】
つぎに、本発明に使用する注出口具5は、特に、限定されるものではなく、公知のプラスチックの成形によるものを使用することができる。この注出口具5は、図4−cに示すように、フランジ5aを有しており、注出口具5を液体用紙容器に設けた注出口用孔16に嵌入して、フランジ5aを注出口用孔16の周縁部に接着して、注出口具5を液体用紙容器に固定して本発明の液体用紙容器1とすることができる。また、この注出口具5は、プルタブ形式のものであってもよい。
【0028】
つぎに、本発明の液体用紙容器1を製造する方法について説明する。まず、液体紙容器1を組み立てる前の図3に示すようなブランク10を作製する。このブランク10を作製する打ち抜き工程において、注出口用孔16を同時に加工する。つぎに、このブランク10を用いて公知の液体用紙容器用の製函機で一般的な液体用紙容器と同様に製函し、折り畳まれた状態の液体用紙容器を作製する。
【0029】
さらに、内容物の充填メーカーにおいて、この折り畳まれた状態の液体用紙容器を起こして液体用充填機で内容物を充填して液体用紙容器1を作製する。すなわち、まず、糊代15と側壁パネル11とを貼り合わせ4枚の側壁パネル11〜14からなる4角柱状に組み立てて、つぎに、フラットな底面4を形成し、そして、内容物を充填した後に、側壁パネル11、13の上端に連接された対向する折り込み天パネル11T、13Tをそれぞれ斜め折れ線に沿って外側に折り込み、同時に残りの側壁パネル12、14の上端に連接された対向する天パネル12T、14Tを内側に折り曲げ、折り込み天パネル11T、13Tおよび天パネル12T、14Tの上端にそれぞれ連接されたリブ11R〜14Rを対向するもの同志で水平に合掌シールしてトップシール部2aを形成し、天パネル14T側に倒して平坦に折り畳み、さらにシールされたトップシール部2aの両端を側壁パネル上に折り返してなる平坦な天面2を形成した液体用紙容器1を製造する。
【0030】
また、この工程では、注出口具5の取り付けも行うことができる。この取り付け方法は、一般的な方法で、注出口具5のフランジ5aを液体用紙容器1の注出口用孔16の内面周縁部にヒートシール、インパルスシールなどで接着する。
【0031】
本発明の液体用紙容器の用途としては、牛乳、ジュース、酒類をはじめ、油脂類、調味料類、液体洗剤類等があげられる。特に、大型の液体用紙容器として有効である。
【0032】
【実施例】
つぎに、本発明の液体用紙容器について、以下に、具体例をあげて説明する。
【0033】
材料として、外面からポリエチレン樹脂層20μm/晒クラフト紙337g/m2/エチレン−メタアクリル酸共重合体20μm/アルミニウム層6μm/ポリエチレンテレフタレート樹脂層12μm/接着層/ポリエチレンフィルム層60μmの構成の積層体を使用して、まず、外面側に通常の印刷をして、つぎに、通常の打ち抜き工程でブランクを作製し、ついで、公知の液体用紙容器用の製函機で、一般的な液体用紙容器と同様に、折り畳まれた状態の液体用紙容器とした。つぎに、内容物の充填メーカーにおいて、この折り畳まれた状態の液体用紙容器を起こして液体用充填包装機で内容物である調味料を充填して、縦×横×高さが103×70×160mmで、内容量が1000mlの中華調味料が充填された液体用紙容器を作製した。
【0034】
この充填ラインで内容物を充填する前の工程で、注出口具を天面の短辺の中央部近傍に取り付けた。
【0035】
本実施例によれば、天面のトップシール部を短辺に平行に設けたことにより、天面の短辺の中央部近傍に注出口具を取り付けることができ、内容物を注出口から注ぎ出しやすくすることができた。
【0036】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の液体用紙容器によれば、天面が平坦な、いわゆる、フラットトップ型の液体用紙容器において、天面が長方形である液体用紙容器において、トップシール部を天面の短辺と平行に設けることによって、注出口具を取り付けることができる位置範囲を広くすることによって、内容物を注ぎ出しやすい位置に注出口具を取り付けることができ、また、口径の大きい注出口具を取り付けることができ、注出口から内容物である液体を多量に注ぎ出しやすくすることができるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体用紙容器の一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の液体用紙容器の一実施例を示す上面図、正面図および側面図である。
【図3】本発明の液体用紙容器の一実施例のブランクを示す展開図である。
【図4】本発明および従来の液体用紙容器の天面を示す平面図である。
【図5】従来の液体用紙容器の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 液体用紙容器(本発明)
P 液体用紙容器(従来)
2 天面
2a トップシール部(天面)
3 胴部
4 底面
5 注出口具
5a フランジ
10 ブランク
11〜14 側壁パネル
15 糊代
11T 折り込み天パネル
12T 天パネル
13T 折り込み天パネル
14T 天パネル
11R〜14R リブ
16 注出口用孔
T ブランク天部
R ブランクリブ部
D ブランク胴部
B ブランク底部
a〜l 折れ線
Claims (1)
- 4枚の側壁パネルからなる胴部、底面、長方形の平坦な天面からなる四角柱形状のフラットトップ型の液体用紙容器において、前記天面の長方形の短辺に平行にトップシール部を設け、該トップシール部を外した一方の短辺の中央部近傍の位置に注出口具を取り付けたことを特徴とする液体用紙容器。
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