JP4170595B2 - ドリッパー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物を漉す時に使用するドリッパーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、レギュラーコーヒー、紅茶、緑茶を愛飲する時に、缶、瓶、あるいは、包装袋に収納されたレギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物を漉すために、漉し器の準備や洗浄等の手間が不要で、使い勝手もよいといったことから、使い捨てタイプのドリッパーが色々と市販されている。この種のドリッパーは、いずれも折り畳み可能な紙製の器板の内部に漏斗状フィルターを取り付けて構成したものであって、折り畳まれた紙製の器板を起立させると共に、折り畳まれた紙製の器板に設けられた凸起あるいは切込や切欠部を利用してカップ壁面にドリッパーを載置固定し、缶、瓶、あるいは、包装袋に収納されたレギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物を漏斗状フィルター内に充填すると共に、この状態で熱湯を漏斗状フィルター内に注ぐことにより、カップ内にレギュラーコーヒーや紅茶、緑茶等を得ることができるようになっている。
【0003】
そして、この種の使い捨てタイプのドリッパーは、漉し器の準備や洗浄等の手間が不要であり、また、使い勝手が良いなどの理由から独身者等の使用者に好んで用いられている。しかし、使用者にとってはレギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物については、別途用意する必要があり、この点においては不満の残るものであった。この使用者の不満を解決するものとして、たとえば、ドリッパーにレギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物を密封状態で収納した包装袋を添付したものが市販されているが、レギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物を別途用意する手間は省けるものの、これについても包装袋を開封してレギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物をドリッパー内に充填する手間は同じであり、使用者にとってはなお不満の残るものであった。
【0004】
そこで、使用者の上記不満を解決するものとして、たとえば、実公昭60−7615号公報が開示されている。この開示されたドリッパーは、ドリッパー内に予めレギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物を収納したものであって、使用者にとっては、レギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物を別途用意する手間や前記内容物をドリッパー内に充填する手間を省き、折り畳まれたドリッパーを起立させ、ドリッパーに設けられた凸起あるいは切込や切欠部を利用してカップ壁面にドリッパーを載置固定し、熱湯をドリッパー内に注ぐだけでカップ内にレギュラーコーヒーや紅茶、緑茶等を得ることができるという極めて重宝なものである。
【0005】
しかし、実公昭60−7615号公報に開示されたドリッパーは、ドリッパー内に収納されたレギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物が外気の影響を受けて変質するものであり、販売者は品質保証の意味からもこのままの状態で販売することは到底できないものであり、通常はレギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物を収納したドリッパーを気密性に優れた包装袋に封入して販売している。その結果、製造から使用されるまでの間、レギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物の品質は気密性に優れた包装袋により保持できる反面、レギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物を収納したドリッパーは結構嵩高であって、このドリッパーを封入する気密性に優れた包装袋は大きくならざるを得ず、包装コストの面では問題のあるものであった。また、この気密性に優れた包装袋は使用時に開封されて後は廃棄されるものであり、内容物の品質保証の面では必要であるが、省資源の面では過剰包装の誹りを受けかねないものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、レギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物を収納すると共に製造から使用されるまでの間に内容物の変質を防止することができ、使用時には簡単な操作により開口することができると共に簡単に起立させてカップに安定した状態で載置固定して濾過することができる過剰包装の誹りを受けることのない使い捨てタイプのドリッパーを安価に提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、両側縁に設けられた両側縁折罫により折り畳まれ矩形状となした筒状紙体と、周縁を熱接着して密封した袋体の内面に濾過機能を有する隔壁底部材を前記袋体の全幅に亘って架設すると共に、前記隔壁底部材の上方と下方にある前記袋体の上部と下部とに上部開口予定部と下部開口予定部とを設けてなる包装袋とからなり、前記筒状紙体に前記包装袋を挿入すると共に前記筒状紙体と前記包装袋とが一体固定されており、前記筒状紙体の折曲両側縁に前記筒状紙体を筒状に保持する折込部が設けられ、該折込部が、前記両側縁折罫に対して線対称な切刃と、前記下部開口予定部側に位置し中心を前記両側縁折罫上とする円形状切欠部と、前記切刃の両端部から前記円形状切欠部に達する折罫とを有することを特徴とするものである。このように構成することにより、レギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物を収納すると共に使用時には包装袋の上部開口予定部と下部開口予定部とを開封するだけで注湯口と抽出口を形成することができる。さらに、筒状紙体の折曲両側端に設けた折込部を内側に折り込むことにより容易に起立させることができると共に、起立させて開口した注湯口と抽出口を確実に保持することができ、且つ円形状切欠部を設けることにより、両側縁折罫及び折罫の端部が重なる(集中する)ことを回避しつつ折込部をそれぞれ内側に折り込み、容易にドリッパーを起立させ抽出状態とすることができる。さらにまた、製造から使用されるまでの間に内容物の変質を防止することができる。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のドリッパーにおいて、前記包装袋の前記下部開口予定部側の前記筒状紙体の端縁に係合突片が形成されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、カップ壁面に安定して載置固定することができる。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、請求項1、2のいずれかに記載のドリッパーにおいて、前記筒状紙体の略中央部の対向する位置に前記筒状紙体を筒状に起立すると共に前記包装袋の開口を補助する手段としての開口補助フラップが形成されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、上部開口予定部と下部開口予定部を開口して後に開口補助フラップを手指で摘んで互いに乖離する方向に引っ張ることにより、筒状紙体を容易に筒状に起立することができると共に、開口を容易に拡大することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、具体的な実施形態を図面等を用いて以下に更に詳しく説明する。
図1は本発明にかかるドリッパーの一実施例を示す正面図、図2は図1に示すドリッパーに用いる筒状紙体の展開図、図3は図1に示すドリッパーに用いる包装袋の内容物を収納した開封前の状態を示す説明図、図4は図3のX−X線の断面図、図5は図3のY−Y線の断面図、図6は本発明にかかるドリッパーの使用方法を説明する図、図7は図3に対応する他の包装袋の内容物を収納した開封前の状態を示す図、図8は本発明にかかるドリッパーの他の実施例を示す正面図、図9は図8に示すドリッパーに用いる筒状紙体の展開図であり、図中の1,1’はドリッパー、2,200は筒状紙体、2’,200’は筒状紙体のブランク板、3,3’は包装袋、4は隔壁底部材、20,20’は開口補助フラップ、21,21’は折込部、22は係合突片、23,212,222,242,252,244,254は切欠部、24,25,213,223,243,253は折罫、30は周縁、31は上部開口予定部、32は下部開口予定部、33,34はノッチ、41は隔壁底部材の前面部、42は隔壁底部材の後面部、210は前面板、220は背面主板、221は背面補助板、241,251は切刃、310,320は胴材、330は上部端縁熱接着部、340は下部端縁熱接着部、350,360は両側部端縁熱接着部、370,380は舟底形状熱接着部、390は間隙部をそれぞれ示す。
【0011】
まず、図1は本発明にかかるドリッパーの一実施例を示す正面図であって、ドリッパー1は折り畳むことにより矩形状となした筒状紙体2に、周縁30を熱接着して密封すると共に上部と下部とに上部開口予定部31(破線で表示)と下部開口予定部32(破線で表示)とを有する包装袋3を前記上部開口予定部31と前記下部開口予定部32とが前記筒状紙体2の上端及び下端からそれぞれ突出するように挿着されたものであって、前記筒状紙体2の折曲両側縁の略中央部に前記筒状紙体2を起立して筒状に保持する折込部21、21’が設けられると共に、前記筒状紙体2の下端縁の折曲両側縁と中央部とに係合突片22が4箇所(図1上は3箇所)形成され、この係合突片22により前記筒状紙体2の下端縁に必然的に切欠部23が4箇所(図1上は2箇所)形成され、前記係合突片22と前記切欠部23とが協働してカップ壁面に載置固定するように構成されている。
【0012】
次に、本発明のドリッパーを構成する筒状紙体2と包装袋3について説明する。まず最初に筒状紙体2について説明する。
図2は図1に示すドリッパーに用いる筒状紙体の展開図であって、筒状紙体2は、背面補助板221、前面板210、背面主板220が折罫24、25を介して順次連接されると共に、前記折罫24、25と直交する一方の端縁に、前記折罫24及び前記折罫25に対してそれぞれ線対称に突出した係合突片22、22、及び、前記前面板210の中央部と前記背面主板220の略中央部に突出した係合突片22、22が形成され(この係合突片22により必然的に切欠部23が形成され)、さらに、前記折罫24及び25のそれぞれの略中央部に前記折罫24及び25に対して線対称となるように略コの字状の切刃241、251が設けられ、そして前記切刃241、251に連接して他方の端縁側に前記折罫24及び25に対して線対称となるように略半円状の切欠部242、252が設けられ、かつ、前記切刃241、251のそれぞれの両端部から前記一方の端縁側に延びて前記折罫24及び25にそれぞれ交わる前記折罫24及び25に対して線対称な折罫243、243及び253、253が設けられると共に、前記折罫24と前記折罫243、243の交点(図示せず)及び前記折罫25と前記折罫253、253の交点(図示せず)をそれぞれ中心とする円形状の切欠部244、254が設けられたブランク板2’から構成され、前記ブランク板2’を、まず前記前面板210上に前記背面主板220を前記折罫25で折り重ね、次に折り重ねた前記背面主板220上に前記背面補助板221を前記折罫24で折り重ねると共に、前記背面主板220と前記背面補助板221との重ね部を接着剤等により接着することにより筒状紙体2を得ることができる。ところで、図1に示した前記折込部21は前記切刃241と前記略半円状の切欠部242と前記折罫243、243と前記円形状の切欠部244及び前記前記切刃241と前記円形状の切欠部244との間の前記折罫24で形成されるように構成されると共に前記折込部21’は前記切刃251と前記略半円状の切欠部252と前記折罫253、253と前記円形状の切欠部254及び前記前記切刃251と前記円形状の切欠部254との間の前記折罫25で形成されるように構成される。なお、筒状紙体としては、たとえば、260〜340g/m2の耐水カード紙、アイボリー紙等が適当である。
【0013】
次に、包装袋3について説明する。
図3は図1に示すドリッパーに用いる包装袋の内容物を収納した開封前の状態を示す説明図、図4は図3のX−X線の断面図、図5は図3のY−Y線の断面図であって、包装袋3はレギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物(図示せず)を収納した袋であって、前記包装袋3は内層に熱接着性樹脂層を有する酸素ガスバリアー性、遮光性等に優れた積層体からなる矩形状の胴材310、320を前記内層が対向するように重ね合わせて4周縁30を熱接着して上部端縁熱接着部330、下部端縁熱接着部340、両側部端縁熱接着部350、360を形成すると共に、前記下部端縁熱接着部340側の内面に前記上部端縁熱接着部330ないし前記下部端縁熱接着部340と平行な方向に全幅に亘って逆V字状に折り込まれた状態で濾過機能を有する隔壁底部材4が、該隔壁底部材4の前後面部41、42がそれぞれ前記胴材310及び320に舟底形状に熱接着されて舟底形状熱接着部370、380が形成されると共に前記隔壁底部材4の前後面部の前後両側縁部は前記両側部端縁熱接着部350、360と一緒に熱接着されて一体固定され、この隔壁底部材4によって内部が2つの区画に区分され、前記上部端縁熱接着部330側の区画にレギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物(図示せず)が収納されている。なお、前記隔壁底部材4は前記下部端縁熱接着部340と接することのないように間隙部390を介して設けられている。そして、前記上部端縁熱接着部330近傍の前記下部端縁熱接着部340側に上部開口予定部31(破線で表示)が形成されると共に、前記間隙部390に下部開口予定部32(破線で表示)が形成されている。さらに、前記上部開口予定部31(破線で表示)及び前記下部開口予定部32(破線で表示)のそれぞれの前記両側部端縁熱接着部350、360の外端縁にノッチ(notch)33、33と34、34が設けられている。このノッチ33と34を開口開始端として包装袋3を前記上部開口予定部31(破線で表示)及び前記下部開口予定部32(破線で表示)に沿って引き裂くことにより容易に開口部を形成することができる。
【0014】
前記包装袋3を構成する前記胴材310、320としては、内層に熱接着性樹脂層を有する酸素ガスバリアー性、水蒸気バリアー性、遮光性等に優れた積層体であれば、特に限定するものではないが、たとえば、基材として12μmの2軸延伸ポリエステルフィルムを用いて、これと7μmのアルミニウム箔と40μmの線状低密度ポリエチレンフィルムないし40μmのエチレン−プロピレン共重合体フィルムを周知のドライラミネーション法で積層したもの、あるいは、12μmの2軸延伸ポリエステルフィルムと片面にアルミニウム蒸着を施した12μmの2軸延伸ポリエステルフィルムと40μmの線状低密度ポリエチレンフィルムないし40μmのエチレン−プロピレン共重合体フィルムを周知のドライラミネーション法で積層したもの、あるいは、基材として12μmの2軸延伸ポリエステルフィルムに代えて、たとえば、84g/m2の片アート紙等の紙を用いた上記構成などを例示することができる。また、前記ドリッパー1を遮光性を有する包装容器、たとえば、紙箱等に収納する場合においては、前記包装袋3を構成する前記胴材310、320としては、酸素ガスバリアー性、水蒸気バリアー性等を備えていればよく、たとえば、上記7μmのアルミニウム箔やアルミニウム蒸着を施した12μmの2軸延伸ポリエステルフィルムに代えて酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機物の透明蒸着を施した12μmの2軸延伸ポリエステルフィルム等を用いた上記構成を例示することができる。
【0015】
また、前記隔壁底部材4としては、熱接着性を有し、濾過機能を有するものであれば、特に限定するものではないが、たとえば、日本板紙(株)製のヒートパックMW50g/m2を例示することができる。また、前記隔壁底部材4として、たとえば、ポリエチレン系やポリプロピレン系、あるいは、ポリエステル系等の透水性を有する不織布を用い、胴材310、320の内層に用いる熱接着性樹脂層と確実に溶融する樹脂を選択することにより、両側部端縁熱接着部350、360の前記隔壁底部材4と前記胴材310、320の内層に用いる熱接着樹脂層とを一体化することができ、その結果包装袋3を気密性に優れた包装袋とすることができる。このような気密性に優れた包装袋は、内容物により、不活性ガスによるガス置換包装や真空脱気包装といった包装形態、あるいは、脱酸素剤〔商品名:三菱瓦斯化学(株)エージレス〕を収納した包装形態など種々の包装形態を採ることができ、一層内容物の品質を良好な状態に保持することができる。なお、ここで前記隔壁底部材4と前記胴材310、320の内層に用いる熱接着性樹脂層との一体化とは、前記隔壁底部材4に用いる不織布の繊維を潰して透明性を有するようにした状態を言うものであって、前記一体化を達成する方法としては、前記両側部端縁熱接着部350、360を形成する前後に、たとえば、前記隔壁底部材4のある前記両側部端縁熱接着部350、360の個所を部分(局部)的に熱板で加熱・加圧する方法(所謂ポイントシール法)などを採ることにより達成することができるものである。
【0016】
なお、前記筒状紙体2に前記包装袋3を挿着した本発明のドリッパー1は、前記筒状紙体2を前記ブランク板2’から組み立てる時に前記ブランク板2’の前記前面板210と前記背面主板220とにホットメルト接着剤を塗工し、ホットメルト接着剤を塗工した前記前面板210上に前記包装袋3を位置決めして固着すると共にホットメルト接着剤を塗工した前記背面主板220を前記折罫25で前記包装袋3上に折り重ねて圧着し、その後に前記背面主板220上に前記前記背面補助板221を前記折罫24で折り重ねると共に、前記背面主板220と前記背面補助板221との重ね部を接着剤等により接着することにより得ることができる。なお、前記ブランク板2’と前記包装袋3とを固着する接着剤としては、ホットメルト型に限ることはなく、たとえば、溶剤型、水性型、反応型、感圧型等の接着剤から適宜選択して用いることができる。また、前記ブランク2’の前記背面主板220と前記背面補助板221との重ね部を接着する接着剤についても同様に上記した接着剤から適宜選択して用いることができることは当然である。
【0017】
次に、本発明のドリッパー1の使用方法について説明する。
図6は本発明のドリッパーの使用方法を説明する図であって、図1に示す筒状紙体2にレギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物(図示せず)を収納した包装袋3が挿着されたドリッパー1は、まず、包装袋3に設けられたノッチ33、34から前記上部開口予定部31(破線で表示)及び前記下部開口予定部32(破線で表示)に沿って引き裂いて上部と下部に開口部を設け、次に筒状紙体2に設けられた折込部21、21’を手指等で折り込んで前記筒状紙体2を開口した状態に保形すると共に、上下部に設けた開口部も同時に開口した状態に保形し、その後に筒状紙体2の下端縁に設けた係合突片22及び切欠部23でカップ壁面にドリッパー1を図6に示すように載置固定し、上部開口部から所定量の熱湯を注ぐことにより、カップ内に所望の飲料を得ることができる。
【0018】
また、図8は本発明にかかるドリッパーの他の実施例を示す正面図であって、ドリッパー1’は図1に示すドリッパー1の筒状紙体2に代えて略中央部の対向する位置に開口補助フラップ20、20’(図示せず)を形成した筒状紙体200からなるものであって、これ以外は図1に示したドリッパー1と同じである。このように構成することにより、包装袋3に設けられたノッチ33、34から上部開口予定部31(破線で表示)及び下部開口予定部32(破線で表示)に沿って引き裂いて上部と下部に開口部を設けて後に、前記筒状紙体200に形成された開口補助フラップ20、20’(図示せず)を手指で摘んで互いに乖離する方向に引っ張ることにより、筒状紙体200を容易に筒状に起立することができると共に、前記開口部を容易に拡大することができる。
【0019】
図9は図8に示すドリッパーに用いる筒状紙体の展開図であって、筒状紙体200は、図2に示したブランク板2’の前面板210の中央部と背面主板220の略中央部に、略Cの字形状の切欠部212、222を設けることにより、前記略Cの字形状の切欠部212、222のそれぞれの両端部を繋ぐ前記折罫24ないし25に垂直な折罫213、223を介して連接した開口補助フラップ20、20’を形成したブランク板200’から構成され、この開口補助フラップ20、20’以外は前記ブランク板2’と同じであって、該ブランク板200’を上記で説明したブランク板2’と同様に組み立てることにより筒状紙体200を得ることができる。また、前記ブランク板200’は、前記ブランク板2’と同様に周知の打抜機(型抜き機)で容易に製造することができる。
【0020】
ところで、今まで説明してきたドリッパー1、1’は、本発明の一実施例を示したものであって、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、図7に示す包装袋も本発明に含まれるものである。図7は図3に対応する他の包装袋の内容物を収納した開封前の状態を示す図であって、包装袋3’は前記隔壁底部材4を設けた箇所から前記下部端縁熱接着部340までを内容物を収納する区画の幅よりも狭く構成して漏斗状となした以外は図3と同じである。このように構成することにより、口の小さいカップに対しても容易に用いることができると共に、漏斗状となしたことで濾過効率を向上させることができる。また、同様の理由から前記隔壁底部材4を設ける両側部端縁熱接着部350、360の部分を逆ハの字形状に形成したものでもよい。当然、図1に示した筒状紙体2に代えて図8に示した筒状紙体200を用いることもできる。また、ドリッパーをカップ壁面に載置固定するために筒状紙体2の下端縁に設けた係合突片22ないし切欠部23についても上記で説明した構成に限るものではなく、要するにカップ壁面に挿入可能であって、安定して載置固定できる本発明の趣旨を逸脱しない範疇のものはすべて本発明に含まれる。また、筒状紙体2に設けた前記筒状紙体2を開口状態に保形する折込部21、21’についても上記で説明した構成にかぎるものではなく、要するに筒状紙体2を開口状態に保形することができる本発明の趣旨を逸脱しない範疇のものはすべて本発明に含まれる。また、上記説明においては、上下部開口予定部31、32を開口するために、開口開始端としてノッチ33、34を設けた実施例を説明したが、ノッチ33、34に代えて上下部開口予定部31、32に傷痕群等の他の開口手段を設けてもよいし、また、必要に応じて、ノッチ33、34や傷痕群等の開口手段を組み合わせて用いても構わない。
【0021】
【発明の効果】
本発明のドリッパーは、今まで縷々説明してきたが、レギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の内容物を収納すると共に製造から使用されるまでの間に内容物の変質を防止することができるという効果を奏するものである。さらに、使用時には簡単な操作により開口することができると共に簡単に起立させてカップに安定した状態で載置固定して濾過することができるという効果を奏するものである。さらに、本発明のドリッパーは、包装袋に濾過機能を持たせたものであり、過剰包装の誹りを受けることがない上に包装袋自体を小さくすることができ、それだけ安価なものとすることができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるドリッパーの一実施例を示す正面図である。
【図2】 図1に示すドリッパーに用いる筒状紙体の展開図である。
【図3】 図1に示すドリッパーに用いる包装袋の内容物を収納した開封前の状態を示す説明図である。
【図4】 図3のX−X線の断面図である。
【図5】 図3のY−Y線の断面図である。
【図6】 本発明にかかるドリッパーの使用方法を説明する図である。
【図7】 図3に対応する他の包装袋の内容物を収納した開封前の状態を示す図である。
【図8】 本発明にかかるドリッパーの他の実施例を示す正面図である。
【図9】 図8に示すドリッパーに用いる筒状紙体の展開図である。
【符号の説明】
1,1’ ドリッパー
2,200 筒状紙体
2’,200’ 筒状紙体のブランク板
3,3’ 包装袋
4 隔壁底部材
20,20’ 開口補助フラップ
21,21’ 折込部
22 係合突片
23,212,222 切欠部
242,252,244,254 切欠部
24,25,213,223 折罫
243,253 折罫
30 周縁
31 上部開口予定部
32 下部開口予定部
33,34 ノッチ
41 隔壁底部材の前面部
42 隔壁底部材の後面部
210 前面板
220 背面主板
221 背面補助板
241,251 切刃
310,320 胴材
330 上部端縁熱接着部
340 下部端縁熱接着部
350,360 両側部端縁熱接着部
370,380 舟底形状熱接着部
390 間隙部

Claims (3)

  1. 両側縁に設けられた両側縁折罫により折り畳まれ矩形状となした筒状紙体と、周縁を熱接着して密封した袋体の内面に濾過機能を有する隔壁底部材を前記袋体の全幅に亘って架設すると共に、前記隔壁底部材の上方と下方にある前記袋体の上部と下部とに上部開口予定部と下部開口予定部とを設けてなる包装袋とからなり、前記筒状紙体に前記包装袋を挿入すると共に前記筒状紙体と前記包装袋とが一体固定されており、前記筒状紙体の折曲両側縁に前記筒状紙体を筒状に保持する折込部が設けられ該折込部が、前記両側縁折罫に対して線対称な切刃と、前記下部開口予定部側に位置し中心を前記両側縁折罫上とする円形状切欠部と、前記切刃の両端部から前記円形状切欠部に達する折罫とを有することを特徴とするドリッパー。
  2. 請求項1記載のドリッパーにおいて、前記包装袋の前記下部開口予定部側の前記筒状紙体の端縁に係合突片が形成されていることを特徴とするドリッパー。
  3. 前記筒状紙体の略中央部の対向する位置に前記筒状紙体を筒状に起立すると共に前記包装袋の開口を補助する手段としての開口補助フラップが形成されていることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載のドリッパー。
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