JP4170482B2 - 液晶パネル用ガラス基板の洗浄方法 - Google Patents

液晶パネル用ガラス基板の洗浄方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶パネルを製造する工程における液晶用ガラス基板洗浄剤を使用した洗浄方法に関し、さらに、詳しくは、液晶パネルに使用されるガラス基板の洗浄および液晶表示素子や半導体素子などの製造に用いられるタンタル、アルミニウム、クロム、ニオブ、インジウム−錫酸化物(以後ITOと略称する)等の薄膜回路素子を製造する際のドライエッチング時の残渣物除去に係る洗浄法に関する。この本発明の洗浄方法によれば、液晶パネルを効率よく製造することができる。
【0002】
【従来の技術】
近年に至って、液晶パネルに使用される液晶用ガラス基板は、表面積が大きくなるとともに、画素数の多いディスプレーが多くなり、それに伴い基板面全体の洗浄度が歩留りに直接関係するようになり、その結果として洗浄力の向上が強く望まれるようになってきた。
現在、液晶用ガラス基板の洗浄剤としては、無機アルカリや有機アルカリ等のアルカリ系洗浄剤、または硫酸、フッ酸、バッファードフッ酸等の酸系洗浄剤が使用されている。しかし、無機アルカリを使用した洗浄剤は、洗浄後にアルカリイオンが吸着されて残存し、特に薄膜トランジスター(TFT)基板の場合、残存したアルカリイオンが電気的特性上の問題を起こすことがある。また、有機アルカリを使用した洗浄剤では充分な洗浄効果が得られず、場合によっては次工程で形成される薄膜の密着不良を引き起こす等の問題が生じてしまう。また、一般の洗浄剤による洗浄の場合には、エッチングによって発生したガラス基板面の損傷による微小な面荒れや、微小な粒子の除去が完全ではなく、これらの問題点は液晶の集積度が上がり、ガラス基板の表面積が大きくなるにつれ、ますます重要な問題となってきており、有効な改善方法が強く望まれている。
【0003】
一般に、表示素子や半導体等の各種電子回路装置を製造するにあたっては、基板上にスパッタリング等の技術を用いて薄膜を形成するとともに、薄膜上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィーにより薄膜上に所定のパターンを形成し、次いで該フォトレジストをマスクとし、非マスク部のドライエッチングを行って回路を形成する。その後このレジストおよびドライエッチング時に発生する残渣物を除去し、あるいは同様にしてドライエッチングにより回路を形成した後、灰化処理を行い、上記レジスト及びドライエッチング時に発生した残渣物を除去する方法が採用されている。
従来、上記薄膜のドライエッチング後の剥離方法に関して、特開昭62−49355号公報、特開昭62−95531号公報、特開昭64−981949号公報、特開昭64−81950号公報及び特開平5−273768号公報等にはアミノアルコールを含有する剥離液が例示されているが、これらの剥離液では、特にドライエッチング後のタンタル系残渣物については、ほとんど除去されない。そのため、アミノアルコール系剥離液を使用する場合は、ドライエッチング後にバッファードフッ酸のようなフッ酸系水溶液でタンタル系残渣物の除去を行っている。しかしながらバッファードフッ酸のようなフッ酸系洗浄剤では、アモルファスシリコンやポリシリコンのようなスイッチング素子の材料やガラス基板を腐食するなどの問題点が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、液晶パネルを製造する工程に使用する液晶用ガラス基板を洗浄する方法並びに、ガラス基板上に薄膜回路を形成する際のドライエッチング時に発生する残渣物を容易に除去ができ、さらに、ガラス基板や薄膜回路に使用されるスイッチング素子や配線材料を全く腐食することなく、極めて効率よく液晶パネルを洗浄する方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、液晶用ガラス基板の洗浄や、導電薄膜のドライエッチング時に発生する導電薄膜系残渣物を除去する際、酸化剤とキレ−ト剤とからなる洗浄剤で洗浄することにより、その目的を達成されることを見出した。本発明は、かかる知見に基いて完成したものである。
すなわち、本発明は、ガラス基板上に導電薄膜を形成し、次いで該導電薄膜上に所定のパターンをレジストで形成し、これをエッチングレジストとして前記導電薄膜の不要部分をドライエッチング除去し、しかる後にドライエッチング時に発生した導電薄膜に由来する残渣物を、酸化剤とキレート剤とからなる洗浄剤により除去することを特徴とする液晶パネル用基板の洗浄方法を提供するものである。また、上記方法において、ドライエッチング除去した後、所望によりさらに灰化処理を行い、しかる後に、ドライエッチング時に発生した導電薄膜に由来する残渣物を、酸化剤とキレート剤とからなる洗浄剤によって除去することもできる。
さらに、本発明は、ガラス基板を酸化剤とキレート剤とからなる洗浄剤により洗浄することを特徴とするガラス基板(つまり液晶パネル用ガラス基板)の洗浄方法をも提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる洗浄剤は、酸化剤とキレート剤とからなるものであり、特に好ましくは酸化剤とキレート剤とを含有する水溶液から構成されている。
ここで用いられる酸化剤としては、例えば、過酸化水素、オゾン、次亜塩酸などの水溶液等があげられる。
これらの酸化剤の中で上記のいずれの酸化剤でも使用できるが、通常は過酸化水素が最も好ましい。
本発明の洗浄剤における上記酸化剤の濃度は特に制限はないが、通常は0.1〜60重量%、好ましくは0.5〜30重量%である。その濃度が0.1重量%未満では所望の洗浄効果が得られず、60重量%を越えると導電薄膜材料を腐食する恐れがある。
【0007】
一方、本発明の洗浄剤におけるキレート剤としては、各種のものがあるが、好適なものとしては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸(DHEDDA)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(1,3−PDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTNA)、ニトリロ酸酢酸(NTA)またはヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIMDA)等のアミノポリカルボン酸類、あるいはこれらのアンモニウム塩、金属塩、有機アルカリ塩等があげられる。
さらには、メチルジホスホン酸、アミノトリスメチレンホスホン酸、エチリデンジホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロプロピリデン−1,1−ジホスホン酸、エチルアミノビスメチレンホスホン酸、ドデシルアミノビスメチレンホスホン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、エチレンジアミンビスメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、ヘキセンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、1,2−プロパンジアミンテトラメチレンホスホン酸等のホスホン酸類、あるいはこれらのアンモニウム塩、アルカリ金属塩、有機アミン塩等、分子中にホスホン酸基またはその塩を1以上有するキレート剤が挙げられ、それらの酸化体としては、これらホスホン酸系キレート剤の内、その分子中に窒素原子を有するものが酸化されてN−オキシド体となっているものが挙げられる。また、本発明におけるキレート剤には、縮合リン酸類を用いることができるが、この縮合リン酸類としては、例えばメタリン酸、テトラメタリン酸、ヘキサメタリン酸、トリポリリン酸などがあり、さらに、これらのアンモニウム塩、金属塩、有機アミン塩等があげられる。
上記キレート剤は何れも使用できるが、より好ましくは、ホスホン酸系キレート剤であり、特に2つあるいはそれ以上のホスホン酸基を有するキレート剤が好ましく、具体的には、1,2−プロパンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸およびエチレンジアミンビスメチレンホスホン酸等である。
本発明の洗浄剤における上記キレート剤の濃度は、特に制限はないが、通常は0.0001〜5重量%である。濃度が0.0001重量%未満では、所望の洗浄効果が得られず、一方5重量%を越えると導電薄膜材料を腐食する恐れがある。また、洗浄効果,経済性などの理由から、キレート剤の好ましい濃度は0.01〜3重量%である。
本発明の洗浄剤のpHは、特に制限はなく、適宜選定すればよいが、通常はpH3〜12、好ましくははpH5〜9の範囲に調節される。洗浄剤がpH3未満では洗浄効果の低下の恐れがあり、pH12を超えると酸化剤が分解し、不安定になる傾向がある。
さらに洗浄剤のpHは、エッチングの条件および使用される無機質機体の種類等より選択すれば良く、アルカリ性で使用するならばアンモニア、アミン、テトラメチルアンモニウム水酸化物のような第四級アンモニウム水酸化物を添加してもよく、酸性で使用するならば、有機酸、無機酸等を添加すればよい。
【0008】
本発明の洗浄剤には、濡れ性を向上させるために、さらに界面活性剤を添加しても差し支えなく、カチオン系、ノニオン系、アニオン系の何れの界面活性剤も使用できる。なかでも好ましくは、スルホン酸系界面活性剤、ポリカルボン酸型界面活性剤またはエチレンオキサイド付加型の界面活性剤である。
本発明の方法を実施する際の洗浄温度は、通常は、常温から80℃の範囲であり、エッチング条件や使用される薄膜材料により適宜選択すれば良い。
本発明の洗浄対象となる導電薄膜の材料としては、様々なものがあるが、例えばタンタル、タンタル酸化物、タンタル合金、クロム、クロム酸化物、クロム合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、チタン、窒化チタン、チタン合金、タングステン、タングステン合金、ITO等の半導体配線材料の他に、シリコン、非晶性シリコン、ポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等のシリコン系材料、あるいはガリウム−砒素、ガリウム−リン、インジウム−リン等の化合物半導体等が挙げられる。
特に、本発明の方法は、上記導電薄膜材料の中で、タンタル、タンタル合金、ニオブ、ニオブ合金、ITO、アルミニウム合金クロム、クロム合金のドライエッチング時に発生する残渣物の除去に好適に使用される。
【0009】
本発明の方法は、所定パターンをレジストで形成された上記導電薄膜の不要部分をドライエッチング除去し、その際に生ずるこの導電薄膜に由来する残渣物を、上述した洗浄剤で除去するものであるが、ドライエッチング除去後、所望により灰化処理を行い、しかる後に導電薄膜に由来する残渣物を、上述した洗浄剤で除去することもできる。
ここで言う灰化処理(アッシング)とは、例えば有機高分子よりなるレジストをプラズマ中で発生する酸素プラズマにより、燃焼反応でCO,CO2 として除去するものである。具体的な方法としては、一対の電極間に介在される容器内に、被処理基板とアッシングガス(酸素のみの場合と酸素と四フッ化炭素と窒素との混合ガス等の場合がある)を封入し、前記電極に高周波電力を印加し、前記容器内にアッシングガスのプラズマを発生させ、このプラズマ中の活性イオンと基板表面の物質とを反応させてレジストを気化させることにより、レジストを除去する。
この灰化処理(アッシング)を行うと、通常行われる次工程のレジスト剥離剤によるレジスト膜の除去作業を簡略化あるいは省略できる場合がある。
なお、この灰化処理を行わない場合においては、通常は、次工程でレジスト剥離剤でのレジスト膜の除去作業が行われ、さらにそのレジスト残渣の除去のため洗浄する工程が必要である。この場合でも、エッチングレジストとして導電薄膜の不要部分をドライエッチング除去後、前記の酸化剤とキレート剤とからなる洗浄剤による洗浄を予め行っておくと、レジスト残渣の除去のための洗浄がより容易になる。
なお本発明は、前述した酸化剤とキレート剤とからなる洗浄剤を用いて、ガラス基板そのものを洗浄する方法をも提供するが、この方法で洗浄されたガラス基板は、様々な液晶パネル用基板として有用である。
また、本発明の液晶パネル用基板の洗浄方法にあっては、予め上記ガラス基板の洗浄方法によって洗浄したものを使用することもできる。
【0010】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
(1)洗浄剤の調製
超純水947g(94.7重量%)に酸化剤として高純度過酸化水素50g(5重量%)、キレート剤として1,2−プロパンジアミンテトラメチレンホスホン酸3g(0.3重量%)を添加し攪拌して均一にし、液晶パネル用基板の洗浄剤を調製した。
(2)上記洗浄剤による洗浄
ガラス基板上にタンタル薄膜をスパッタリングで設け、その上にレジストを塗布しフォトリソグラフィーによりパターンを形成し、これをマスクとしてフッ素系ガスを使用してドライエッチング処理を行った。そこで形成されたタンタル薄膜回路素子の断面図を図1に示す。この図1によれば、ガラス基板1上には、ドライエッチング処理時に生成したタンタル微粒子4等のタンタル系残渣物が飛散し、残存している。
その後、このタンタル薄膜回路素子を上記(1)で調製した洗浄剤に50℃で10分間浸漬し、超純水でリンスして乾燥した。この清浄されたタンタル薄膜回路素子の断面図を図2に示す。
しかる後に、走査型電子顕微鏡(SEM)でガラス基板1の表面を観察し、タンタル微粒子の除去性について、下記の判定基準に従い評価を行った。その結果、タンタル微粒子等のタンタル系残渣物は完全に除去された。その結果を第1表に示す。
【0011】
〈除去性の判定基準〉
◎:完全に除去された。
○:ほぼ完全に除去された。
△:一部残存物が認められた。
×:大部分が残存していた。
【0012】
実施例2〜6および比較例1〜3
実施例1と同様にして、タンタル薄膜回路素子を製作し、第1表に示す組成の洗浄剤に、タンタル薄膜回路素子を第1表に示す条件で浸漬したのち、超純水でリンスして乾燥した。得られたタンタル薄膜回路素子のガラス基板1の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察を行い、タンタル微粒子の除去性について、実施例1と同様に上記の判定基準に従い評価を行った。その結果を第1表に示す。
【0013】
【表1】
Figure 0004170482
【0014】
比較例4
実施例1のタンタル薄膜回路素子を用い、モノエタノールアミン60重量%、N−メチルピロリドン40重量%からなる剥離液で、80℃、10分間洗浄を行い、イソプロパノールでリンスを行い乾燥したのち、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察を行った結果、図1中のタンタル微粒子は大部分が残存していた。
【0015】
実施例7〜12および比較例5〜7
ガラス基板上にニオブ薄膜をスパッタリングで設け、その上にレジストを塗布しフォトリソグラフィーによりパターンを形成し、これをマスクとしてフッ素系ガスを使用してドライエッチング処理を行った。そこで形成されたニオブ薄膜回路素子の断面図を図3に示す。この図3によれば、ガラス基板1上には、ドライエッチング処理時に生成したニオブ微粒子9等のニオブ系残渣物が飛散し、残存している。
その後、このニオブ薄膜回路素子を第2表に示す組成の洗浄液に第2表に示す条件で浸漬したのち、超純水でリンスして乾燥した。この清浄されたニオブ薄膜回路素子の断面図を図4に示す。
しかる後に、走査型電子顕微鏡(SEM)でガラス基板6の表面を観察し、ニオブ微粒子の除去性について、実施例1と同様に上記の判定基準に従い評価を行った。その結果を第2表に示す。
【0016】
【表2】
Figure 0004170482
【0017】
比較例8
図3のニオブ薄膜回路素子を用い、モノエタノールアミン60重量%、N−メチルピロリドン40重量%からなる剥離液で、80℃、10分間洗浄を行い、イソプロパノールでリンスを行い乾燥したのち、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察を行った結果、図3中のニオブ微粒子9は大部分が残存していた。
【0018】
実施例13
ガラス基板を、過酸化水素5重量%と1,2−プロパンジアミンテトラメチレンホスホン酸0.2重量%を含有し、残部が水である洗浄剤で、30℃、15分間洗浄を行った。水洗,乾燥後、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察を行ったところ、損傷や表面荒れは全く認められなかった。
また、洗浄後のガラス基板上に、3000Åの膜厚でタンタル薄膜をスパッタリングで形成後、樹脂テープを付着し、剥がれテストを行ったが、タンタル薄膜の剥がれは全く認められなかった。
【0019】
比較例9
ガラス基板を、バッファードフッ酸水溶液に、23℃で15分間洗浄を行った。水洗、乾燥後、SEMで観察を行ったが、ガラス表面の損傷が明らかに認められた。
比較例10
ガラス基板を0.5重量%TMAH(テトラメチルアンモニウム水酸化物)水溶液で、23℃で15分間洗浄を行った。水洗、乾燥後、SEMで観察を行ったが表面荒れはまったく認められなかった。
しかし、洗浄後のガラス基板上に、3000Åの膜厚で、タンタル膜厚をスパッタリングで形成した後、樹脂テープを接着し、剥れテストを行った結果、タンタル薄膜はほぼ全面にわたって剥れが認められ、密着不良であることが判明した。
【0020】
実施例13
実施例1と同じ方法で、ガラス基板上にタンタル薄膜をスパッタリングで設け、その上にレジストを塗布しフォトリソグラフィーによりパターンを形成し、これをマスクとしてフッ素系ガスを使用してドライエッチング処理を行った後、さらに酸素ブラズマを用い、170℃で3分間灰化処理を行い、しかる後に、ドライエッチング時に発生したタンタル系残渣物を、実施例1と同じ組成の洗浄剤に50℃で10分間浸漬し、超純水でリンスして乾燥した。その結果得られたタンタル薄膜回路素子のガラス基板1の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察を行い、タンタル微粒子の除去性について、上記と同じ判定基準に従い評価を行った。その結果、タンタル微粒子等のタンタル系残渣物は完全に除去された。
【0021】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、ドライエッチング時に発生する導電薄膜に由来する残渣物を容易に除去ができると共に、ガラス基板や薄膜回路に使用されるスイッチング素子や配線材料を全く腐食することなく、十分に洗浄することができるため、清浄化された不純物の極めて少ない高品質の液晶パネルを得ることが出来る。また、本発明の方法によれば、ガラス基板そのものの洗浄にも極めて効果的であり、この方法で洗浄されガラス基板は、様々な高品質液晶パネル用基板として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例及び比較例で用いたエッチング処理後のレジスト膜を有するタンタル薄膜回路素子の断面図である。
【図2】 図1で示される薄膜回路素子を洗浄した後のタンタル薄膜回路素子の断面図である。
【図3】 実施例及び比較例で用いたエッチング処理後のレジスト膜を有するニオブ薄膜回路素子の断面図である。
【図4】 図3で示される薄膜回路素子を洗浄した後のニオブ薄膜回路素子の断面図である。
【符号の説明】
1:ガラス基板
2:残存レジスト
3:タンタル薄膜
4:タンタル微粒子
5:レジスト残渣
6:ガラス基板
7:残存レジスト
8:ニオブ薄膜
9:ニオブ微粒子

Claims (2)

  1. ガラス基板上に、ニオブ又はニオブ合金からなる導電薄膜を形成し、次いで該導電薄膜上に所定のパターンをレジストで形成し、これをエッチングレジストとして前記導電薄膜の不要部分をドライエッチング除去し、しかる後にドライエッチング時に発生した前記導電薄膜に由来する残渣物を、過酸化水素ホスホン酸系キレート剤とを含有する水溶液から構成されてなる洗浄剤により除去することを特徴とする液晶パネル用ガラス基板の洗浄方法。
  2. 洗浄剤中の過酸化水素濃度が0.1〜60重量%であり、かつホスホン酸系キレート剤濃度が0.0001〜5重量%である請求項1に記載の液晶パネル用ガラス基板の洗浄方法。
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