JP3183174B2 - 基体の表面処理方法及びそれに用いる有機錯化剤含有アンモニア水溶液 - Google Patents

基体の表面処理方法及びそれに用いる有機錯化剤含有アンモニア水溶液

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JP3183174B2 JP16718396A JP16718396A JP3183174B2 JP 3183174 B2 JP3183174 B2 JP 3183174B2 JP 16718396 A JP16718396 A JP 16718396A JP 16718396 A JP16718396 A JP 16718396A JP 3183174 B2 JP3183174 B2 JP 3183174B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は基体の表面処理方法
及びそれに用いる表面処理剤に関し、より詳細にはアル
カリ性水性溶媒を主成分とする表面処理組成物から基体
表面への金属不純物の汚染を長時間にわたって防止し、
安定的に極めて清浄な基体表面を達成する事ができる基
体の表面処理方法及び表面処理剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超LSIや、TFT液晶等に代表される
各種デバイスの高集積化に伴い、基板表面の清浄化への
要求は益々厳しいものになっている。清浄化を妨げるも
のとして各種汚染物質があり、汚染物質の中でも、特に
金属汚染はデバイスの電気的特性を劣化させるものであ
り、かかる劣化を防止するためにはデバイスが形成され
る基板表面における金属不純物の濃度を極力低下させる
必要がある。そのため、基板表面を洗浄剤により洗浄す
る事が一般に行われる。
【0003】半導体洗浄工程においては、[アンモニア
+過酸化水素+水]洗浄(APM洗浄、またはSC−1
洗浄)(RCA Review, p.187-206, June(1970)等)が、
広く用いられている。本洗浄は通常、室温〜90℃で行
われ、組成比としては通常(30重量%アンモニア
水):(31重量%過酸化水素水):(水)=(0.0
5〜1):(0.05〜1):5程度で使用に供され
る。しかし、本洗浄法は高いパーティクル除去能力や有
機物除去能力を持つ反面、金属汚染の除去能力はほとん
ど持たず、それどころか、溶液中にFeやAl、Zn、
Ni等の金属が極微量存在すると、基板表面に付着して
逆汚染してしまうという問題があった。このため、半導
体洗浄工程においては、通常、[アンモニア+過酸化水
素+水]洗浄の後に、[塩酸+過酸化水素+水]洗浄
(HPM洗浄、またはSC−2洗浄)等の酸性洗浄剤に
よる洗浄を行い、基板表面の金属汚染を除去している。
【0004】また、シリコン酸化膜や金属膜上の洗浄に
は、アンモニア水洗浄が用いられているが、この洗浄法
も高いパーティクル除去能力や有機物除去能力を持つ反
面、洗浄液中に微量に含まれる金属が、基板表面に付着
してしまうという問題があった。溶液中の金属不純物が
基板表面に付着する問題は、洗浄工程のみならず、シリ
コン基板のアルカリエッチング工程等の、溶液を使用し
た基板表面処理工程全般において大きな問題となってい
る。アルカリエッチング工程では、液中にFeやAl等
の微量金属不純物があると、基板表面に容易に付着して
しまう。
【0005】この様に、アルカリ性溶液によって基板の
表面を処理する場合には、液中に含まれる微量金属が基
板表面に付着してしまうという問題があった。そこでか
かる汚染を防止する技術が強く求められていた。この問
題を解決するために、アルカリ性表面処理液にキレート
剤等の錯化剤を添加し、液中の金属不純物を安定な水溶
性錯体として捕捉し、基板表面への付着を防止する方法
が提案されている(特開平3ー219000号公報、特
開平5−275405号公報等)。
【0006】しかし、従来から提案されていた錯化剤を
添加した場合、特定の金属(例えば、Fe)に関しては
付着防止、あるいは除去に顕著な効果が見られたもの
の、処理液や基板を汚染しやすい他の金属(例えば、A
l)については付着防止、あるいは除去の効果が極めて
小さく、大量の錯化剤を添加しても十分な効果が得られ
ないという問題があった。
【0007】本発明者らは、上記課題を解決するため
に、先に特願平7−191504号において、表面処理
組成物中に金属付着防止剤としてエチレンジアミンジオ
ルトヒドロキシフェニル酢酸〔通称:EDDHA〕等の
分子構造中に環状骨格を有し、且つ該環を構成する炭素
原子に結合したOH基及び/またはO-基を1つ以上有
する特定の錯化剤を添加含有せしめることにより、Fe
だけでなくAl等の他の金属不純物に対しても処理液か
ら基体への金属付着防止効果が著しく向上するという発
明を提案した。
【0008】しかし、上記の特定の有機錯化剤を金属付
着防止剤として添加した表面処理組成物を使用した場
合、表面処理の初期には著しい改善効果を発揮するもの
の、長時間使用すると金属付着防止能の大幅な性能劣化
が見られた。とくにシリコンウェハの洗浄剤としてよく
用いられる、アンモニア/過酸化水素水にこれらの有機
錯化剤を添加した場合、数時間で金属付着防止能が低下
し、実用上、大きな問題となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、アルカ
リ性表面処理組成物から基体表面への金属不純物汚染が
深刻な問題となっているが、それを長時間に渡って防止
する技術は、いまだ不十分である。本発明は上記問題を
解決するためになされたものであり、アルカリ性表面処
理組成物から基体表面への金属不純物の汚染を長時間に
渡って防止し、安定的に極めて清浄な基体表面を達成す
る事ができる基体の表面処理方法及び表面処理組成物を
提供する事を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、有機錯化剤が
アルカリ性溶液中の溶存酸素や過酸化水素によって、酸
化分解されていたことを見いだした。一方、アンモニア
を含有する表面処理組成物で長時間の表面処理を行う場
合には、アンモニアが蒸発するので、アンモニアを補う
必要がある。そこで、アンモニアと共に分解した有機錯
化剤を補うことで、有機錯化剤を添加含有せしめた表面
処理液から基体への金属不純物の付着防止効果が長時間
に渡って安定して持続する事を見いだし、本発明に到達
した。
【0011】すなわち本発明の要旨は、液媒体中にアン
モニア、水、分子構造中に環状骨格を有し、且つ該環を
構成する炭素原子に結合したOH基及び/またはO-
を1つ以上有する有機錯化剤を含有するアルカリ性表面
処理組成物を用いて基体の表面処理を行う際に、蒸発し
たアンモニア分を当該有機錯化剤を含有するアンモニア
水溶液で補う表面処理方法、及びそれに用いる有機錯化
剤を含有するアンモニア水溶液、に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における表面処理組成物とは、基体の洗浄、エッ
チング、研磨、成膜等を目的として用いられる表面処理
剤の総称である。なお、アルカリ性表面処理組成物と
は、これらの目的の為に用いられるアルカリ性(pHが
7より大きい)の水性溶媒を主成分とする表面処理組成
物の総称である。
【0013】本発明において、金属付着防止・除去剤と
して使用される有機錯化剤は、分子構造中に環状骨格を
有し、且つ該環を構成する炭素原子に結合したOH基及
び/またはO-基を1つ以上有する錯化剤である。分子
構造中の環状骨格としては、脂環式化合物、芳香族化合
物、あるいは複素環式化合物に対応する環状骨格のいず
れでも良い。
【0014】この様な錯化剤としては以下に示すものが
挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、具体例はOH基を有する化合物として例示する
が、そのアンモニウム塩等の対応する塩も含む。また、
化合物名の後の[]内には通称・略称を示す。
【0015】(1)OH基を1つのみ有するフェノール
類及びその誘導体 フェノール、クレゾール、エチルフェノール、t-ブチル
フェノール、メトキシフェノール、サリチルアルコー
ル、クロロフェノール、アミノフェノール、アミノクレ
ゾール、アミドール、p−(2−アミノエチル)フェノ
ール、サリチル酸、o−サリチルアニリド、ナフトー
ル、ナフトールスルホン酸、7−アミノ−4−ヒドロキ
シ−2−ナフタレンジスルホン酸など。
【0016】(2)OH基を2つ以上有するフェノール
類及びその誘導体 カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、4−メチ
ルピロカテコール、2−メチルヒドロキノン、ピロガロ
ール、1,2,5−ベンゼントリオール、1,3,5−
ベンゼントリオール、2−メチルフロログルシノール、
2,4,6−トリメチルフロログルシノール、1,2,
3,5−ベンゼンテトラオール、ベンゼンヘキサオー
ル、タイロン、アミノレソルシノール、2,4−ジヒド
ロキシベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズ
アルデヒド、ジヒドロキシアセトフェノン、3,4−ジ
ヒドロキシ安息香酸、没食子酸、2,3,4−トリヒド
ロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安
息香酸、ナフタレンジオール、ナフタレントリオール、
ニトロナフトール、ナフタレンテトラオール、ビナフチ
ルジオール、4,5−ジヒドロキシ−2,7−ナフタレ
ンジスルホン酸、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフ
タレンジスルホン酸、1,2,3−アントラセントリオ
ール、1,3,5−トリス((2,3−ジヒドロキシベ
ンゾイル)アミノメチル)ベンゼン[MECAM]、
1,5,10−トリス(2,3−ジヒドロキシベンゾイ
ル)−1,5,10−トリアザデカン[3,4−LIC
AM]、1,5,9−トリス(2,3−ジヒドロキシベ
ンゾイル)−1,5,9−シクロトリアザトリデカン
[3,3,4−CYCAM]、1,3,5−トリス
((2,3−ジヒドロキシベンゾイル)カルバミド)ベ
ンゼン[TRIMCAM]、エンテロバクチン、エナン
シクロエンテロバクチンなど。
【0017】(3)ヒドロキシベンゾフェノン類 ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロ
キシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、2,2’,5,6’−テトラヒド
ロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,6−ペン
タヒドロキシベンゾフェノンなど。
【0018】(4)ヒドロキシベンズアニリド類 o−ヒドロキシベンズアニリドなど (5)ヒドロキシアニル類 グリオキサールビス(2−ヒドロキシアニル)など (6)ヒドロキシビフェニル類 ビフェニルテトラオールなど
【0019】(7)ヒドロキシキノン類及びその誘導体 2,3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、5−ヒド
ロキシ−1,4−ナフトキノン、ジヒドロキシアントラ
キノン、1,2−ジヒドロキシ−3−(アミノメチル)
アントラキノン−N,N’−2酢酸[アリザリンコンプ
レキサン]、トリヒドロキシアントラキノンなど (8)ジフェニルまたはトリフェニルアルカン誘導体 ジフェニルメタン−2,2’−ジオール、4,4’,
4”−トリフェニルメタントリオール、4,4’−ジヒ
ドロキシフクソン、4,4’−ジヒドロキシ−3−メチ
ルフクソン、ピロカテコールバイオレット[PV]な
ど。
【0020】(9)アルキルアミンのフェノール誘導体 エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェニル酢酸[E
DDHA]、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジル)
エチレンジアミン−N,N−2酢酸[HBED]、エチ
レンジアミンジヒドロキシメチルフェニル酢酸[EDD
HMA]など (10)アルキルエーテルのフェノール誘導体 3,3’−エチレンジオキシジフェノールなど。
【0021】(11)アゾ基を有するフェノール類及び
その誘導体 4,4’−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニルアゾ)
−2,2’−スチルベンジスルホン酸2アンモニウム
[スチルバゾ]、2,8−ジヒドロキシ−1−(8−ヒ
ドロキシ−3,6−ジスルホ−1−ナフチルアゾ)−
3,6−ナフタレンジスルホン酸、o,o’−ジヒドロ
キシアゾベンゼン、2−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニルアゾ)−4−ナフタレンスル
ホン酸[カルマガイト]、クロロヒドロキシフェニルア
ゾナフトール、1’2−ジヒドロキシ−6−ニトロ−
1,2’−アゾナフタレン−4−スルホン酸[エリオク
ロームブラックT]、2−ヒドロキシ−1−(2−ヒド
ロキシ−4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−3,6−ナ
フタレンジスルホン酸、5−クロロ−2−ヒドロキシ−
3−(2,4−ジヒドロキシフェニルアゾ)ベンゼンス
ルホン酸[ルモガリオン]、2−ヒドロキシ−1−(2
−ヒドロキシ−4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−3−
ナフタレン酸[NN]、1,8−ジヒドロキシ−2−
(4−スルホフェニルアゾ)−3,6−ナフタレンジス
ルホン酸、1,8−ジヒドロキシ−2、7−ビス(5−
クロロ−2−ヒドロキシ−3−スルホフェニルアゾ)−
3,6−ナフタレンジスルホン酸、1,8−ジヒドロキ
シ−2、7−ビス(2−スルホフェニルアゾ)−3,6
−ナフタレンジスルホン酸、2−〔3−(2,4,−ジ
メチルフェニルアミノカルボキシ)−2−ヒドロキシ−
1−ナフチルアゾ〕−3−ヒドロキシベンゼンスルホン
酸、2−〔3−(2,4,−ジメチルフェニルアミノカ
ルボキシ)−2−ヒドロキシ−1−ナフチルアゾ〕フェ
ノールなど。
【0022】(12)OH基を有する複素環式化合物類
及びその誘導体 8−キノリノール、2−メチル−8−キノリノール、キ
ノリンジオール、1−(2−ピリジルアゾ)−2−ナフ
トール、2−アミノ−4,6,7−プテリジントリオー
ル、5,7,3’4’−テトラヒドロキシフラボン[ル
テオリン]、3,3’−ビス〔N,N−ビス(カルボキ
シメチル)アミノメチル〕フルオレセイン[カルセイ
ン]、2,3−ヒドロキシピリジンなど。
【0023】(13)OH基を有する脂環式化合物類及
びその誘導体、 シクロペンタノール、クロコン酸、シクロヘキサノー
ル、シクロヘキサンジオール、ジヒドロキシジキノイ
ル、トロポロン、6−イソプロピルトロポロンなど。
【0024】本発明の有機錯化剤の選択にあたっては、
基板表面に要求される清浄度レベル、錯化剤コスト等か
ら総合的に判断して選択される為、一概にどの錯化剤が
最も優れているとは言えないが、表面処理組成物中にお
ける含有量一定の際の金属付着防止効果の点では、特に
エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェニル酢酸[E
DDHA]等のアルキルアミンのフェノール誘導体、カ
テコール、タイロン等のOH基を2つ以上有するフェノ
ール類及びその誘導体が優れており好ましく用いられ
る。
【0025】また、分子構造中に環状骨格を有し、且つ
該環を構成する炭素原子に結合したOH基または/及び
-基を1つ以上有する有機錯化剤のほかに、該OH基
及びO-基以外の配位基を有する有機及び/または無機
の錯化剤を添加し、錯化剤の種類を2種以上にするとよ
り効果的である。以下に第2成分として添加される錯化
剤の具体例を挙げるが、特にこれらに限定されるもので
はない。
【0026】[1]ドナー原子である窒素を有する錯化
剤として以下の化合物が挙げられる。 (1)モノアミン類 エチルアミン、イソプロピルアミン、ビニルアミン、ジ
エチルアミン、ジプロピルアミン、N−メチルエチルア
ミン、トリエチルアミン、ベンジルアミン、アニリン、
トルイジン、エチルアニリン、キシリジン、チミルアミ
ン、2,4,6−トリメチルアニリン、ジフェニルアミ
ン、N−メチルジフェニルアミン、ビフェニリルアミ
ン、ベンジジン、クロロアニリン、ニトロソアニリン、
アミノベンゼンスルホン酸、アミノ安息香酸など。
【0027】(2)ジアミン及びポリアミン類 エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、ジアミノベンゼン、トルエンジアミン、N−メチ
ルフェニレンジアミン、トリアミノベンゼン、アミノジ
フェニルアミン、ジアミノフェニルアミンなど。
【0028】(3)アミノアルコール類 エタノールアミン、2−アミノ−1−ブタノール、2−
アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−
2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(エチル
アミノ)エタノール、2,2’−イミノジエタノール、
ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミ
ン、エチルジエタノールアミン、3−ジエチルアミノ−
1,2−プロパンジオール、トリエタノールアミンな
ど。
【0029】(4)アミノフェノール類 アミノフェノール、p−アミノフェノール硫酸塩、(メ
チルアミノ)フェノール、アミノレゾルシノールなど。 (5)アミノ酸類 グリシン、グリシンエチルエステル、サルコシン、アラ
ニン、アミノ酪酸、ノルバリン、バリン、イソバリン、
ノルロイシン、ロイシン、イソロイシン、セリン、L−
トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、オル
ニチン、リシン、アルギニン、シトルリン、アスパラギ
ン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、β−
ヒドロキシグルタミン酸、N−アセチルグリシン、グリ
シルグリシン、ジグリシルグリシン、フェニルアラニ
ン、チロシン、L−チロキシン、N−フェニルグリシ
ン、N−ベンゾイルグリシンなど。
【0030】(6)イミノカルボン酸類 イミノ2酢酸、ニトリロ3酢酸、ニトリロ3プロピオン
酸、エチレンジアミン2酢酸[EDDA]、エチレンジ
アミン4酢酸[EDTA]、ヒドロキシエチルエチレン
ジアミン4酢酸[EDTA−OH]、トランス−1,2
−ジアミノシクロヘキサン4酢酸[CyDTA]、ジヒ
ドロキシエチルグリシン[DHGE]、ジアミノプロパ
ノール4酢酸[DPTA−OH]、ジエチレントリアミ
ン5酢酸[DTPA]、エチレンジアミン2プロピオン
2酢酸[EDDP]、グリコールエーテルジアミン4酢
酸[GEDTA]、1,6−ヘキサメチレンジアミン4
酢酸[HDTA]、ヒドロキシエチルイミノ2酢酸[H
IDA]、メチルEDTA(ジアミノプロパン4酢
酸)、トリエチレンテトラミン6酢酸[TTHA]、
3,3’−ジメトキシベンジジン−N,N,N’,N’
−4酢酸など。
【0031】(7)イミノホスホン酸類 エチレンジアミン−N,N’−ビス(メチレンホスホン
酸)[EDDPO]、エチレンジアミンテトラキス(メ
チレンホスホン酸)[EDTPO]、ニトリロトリス
(メチレンホスホン酸)[NTPO]、ジエチレントリ
アミンペンタ(メチレンホスホン酸)[ETTPO]、
プロピレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)[P
DTMP]など。
【0032】(8)複素環式アミン類 ピリジン、コニリン、ルチジン、ピコリン、3−ピリジ
ノール、イソニコチン酸、ピコリン酸、アセチルピリジ
ン、ニトロピリジン、4−ピリドン、ビピリジル、2,
4,6−トリス(2−ピリジル)−1,3,5−トリア
ジン[TPTZ]、3−(2−ピリジル)−5,6−ビ
ス(4−スルフォニル)−1,2,4−トリアジン[P
DTS]、syn−フェニル−2−ピリジルケトキシム
[PPKS]などのピリジン類、キノリン、キナルジ
ン、レピジン、ジメチルキノリン、8−キノリノール、
2−メチル−8−キノリノール、メトキシキノリン、ク
ロロキノリン、キノリンジオール、キナルジン酸、キニ
ン酸、ニトロキノリン、キヌリン、キヌレン酸、8−ア
セトキシキノリン、ビシンコニン酸などのキノリン類、
イソキノリン類、アクリジン、9−アクリドン、フェナ
ントリジン、ベンゾキノリン、ベンゾイソキノリンなど
のベンゾキノリン類、ナフトキノリンなどのナフトキノ
リン類、o−フェナントロリン、2,9−ジメチル−
1,10−フェナントロリン、バソクプロイン、バソク
プロインスルホン酸、バソフェナントロリン、バソフェ
ナントロリンスルホン酸、2,9−ジメチル−4,7−
ジフェニル−1,10−フェナントロリンなどのフェナ
ントロリン類。
【0033】更に、ピラゾール、5−ピラロゾンなどの
ピラゾール類、イミダゾール、メチルイミダゾールなど
のイミダゾール類、2−イミダゾリン、イミダゾリジ
ン、エチレン尿素などのイミダゾリンおよびイミダゾリ
ジン類、ベンゾイミダゾールなどのベンゾイミダゾール
類、ジアジン、ピリミジン、ピラジンなどのジアジン
類、ウラシル、チミンなどのヒドロピリミジン類、ピペ
ラジンなどのピペラジン類、シンノリン、フェナジンな
どのベンゾジアジンおよびジベンゾジアジン類、トリア
ジン類、プリン類、オキサゾール、4−オキサゾロン、
イソオキサゾール、アゾキシムなどのオキザゾールおよ
びイソオキサゾール類、4H−1,4−オキサジン、モ
ルホリンなどのオキサジン類、チアゾールおよびベンゾ
チアゾール類、イソチアゾール類、チアジン類、ピロー
ル類、ピロリン類およびピロリジン類、インドール類、
インドリン類、イソインドール類、カルバゾール類、イ
ンジゴ類、ポルフィリン類など。
【0034】(9)アミド及びイミド類 カルバミン酸、カルバミド酸アンモニウム、オキサミド
酸、オキサミド酸エチル、N−ニトロカルバミド酸エチ
ル、カルバニル酸、カルバニロニトリル、オキサニル
酸、ホルムアミド、ジアセトアミド、ヘキサンアミド、
アクリルアミド、乳酸アミド、シアノアセトアミド、オ
キサミド、スクシンアミド、サリチルアミド、ニトロベ
ンズアミド、スクシンイミド、マレイミド、フタル酸イ
ミドなど。
【0035】(10)アニリド類 ホルムアニリド、アセトアニリド、ヒドロキシアニリ
ド、クロロアニリド、メトキシアセトアニリド、オキサ
ニリドなど。 (11)尿素、チオ尿素及びその誘導体 尿素、N−メチル尿素、N,N’−エチリデン尿素、ア
ロファン酸、グリコルル酸、オキサルル酸、ビウレッ
ト、N−ニトロ尿素、アゾジカルボンアミド、チオ尿
素、メチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素など。
【0036】(12)オキシム類 ホルムアルドキシム、p−ベンゾキノンジオキシム、ベ
ンズアルドキシム、ベンジルジオキシムなど。 (13)窒素同士が結合した配位基を有するもの アゾベンゼン、アゾトルエン、メチルレッド、アゾベン
ゼンジカルボン酸、ヒドロキシアゾベンゼン、アゾキシ
ベンゼンなどのヒドラジン及びヒドラジド類として、フ
ェニルヒドラジン、p−ブロモフェニルヒドラジン、p
−ニトロフェニルヒドラジン、N−フェニルアセトヒド
ラジドなどのアゾおよびアゾキシ化合物類、ヒドラゾベ
ンゼン、ヒドラゾ2安息香酸などのヒドラゾ化合物類、
オキサリックビス(サリシリデンヒドラジド)、サリシ
ルアルデヒド(2−カルボキシフェニル)ヒドラゾン、
ベンズアルデヒドヒドラゾン、アセトアルデヒドフェニ
ルヒドラゾンなどのヒドラゾン類、ベンジリデンアジン
などのアジン類、ベンゾイルアジドなどのアジド類、ベ
ンゼンジアゾニウムクロリドなどのジアゾニウム塩類、
ベンゼンジアゾヒドロキシドなどのジアゾ化合物類、セ
ミカルバジドなどのセミカルバジド類、チオセミカルバ
ジドなどのチオセミカルバジド類など。
【0037】(14)その他の窒素原子をドナー原子と
するもの アジ化アンモニウム、アジ化ナトリウムなどのアジ化物
類、アセトニトリルなどのニトリル類、アミド硫酸、イ
ミド2硫酸、ニトリド3硫酸、チオシアン酸、チオシア
ン酸アンモニウム、1,1−ジニトロエタンなど。
【0038】[2]ドナー原子である硫黄を有する錯化
剤として以下の化合物が挙げられる。配位基として、式
HS−、S2ー、S2O32−、RS−、R−COSー、R−
CSSー若しくはCS32ーで示される基の少なくとも
1種を有するか、またはRSH、R’2S若しくはR2C
=Sで示されるチオール、スルフィド若しくはチオカル
ボニル化合物から選ばれるものがある。ここでRはアル
キル基を表し、R’はアルキル基またはアルケニル基を
表し、さらに互いに連結して硫黄原子を含む環を形成す
る事もできる。具体的には、HS−基またはS2ー基を
有するものとして硫化水素またはその塩、あるいは硫化
アンモニウム等の硫化物;S2O32−基を有するもの
としてチオ硫酸またはその塩;RSHまたはRSー基を
有するものとしてチオール、エタンチオール、1−プロ
パンチオールなどの低級アルキルチオールまたはその
塩;R−COSー基を有するものとしてチオ酢酸、ジチ
オシュウ酸またはその塩;R−CSSー基を有するもの
としてエタンジビス(ジチオ酸)、ジチオ酢酸またはそ
の塩;CS32ー基を有するものとしてトリチオ炭酸ま
たはその塩;R’2Sで示されるスルフィドとして硫化
メチル、メチルチオエタン、硫化ジエチル、硫化ビニ
ル、ベンゾチオフェンなど;R2C=S基で示されるチ
オカルボニル化合物としてプロパンチオン、2,4−ペ
ンタンジチオンなどが挙げられる。
【0039】[3]ドナー原子である炭素を有する錯化
剤として以下の化合物が挙げられる。配位基として、N
Cー、RNC、RCCーを有するものがある。具体的に
は、シアン化水素、シアン化アンモニウム等のシアン化
物類、イソシアン化エチル等のイソシアン化物類、アリ
レン、金属アセチリドなど。
【0040】[4]ドナー原子である酸素を有する錯化
剤として以下の化合物が挙げられる。 [4−1]配位基としてカルボキシル基を有する錯化剤
として以下の化合物が挙げられる。 (1)モノカルボン酸類 ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、
デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、
アクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、モノクロロ酢
酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、フルオロ酢酸、安
息香酸、メチル安息香酸、クロロ安息香酸、ニトロ安息
香酸、スルホカルボン酸、フェニル酢酸など。
【0041】(2)ポリカルボン酸類 シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル
酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、クロロコハ
ク酸、フタル酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン
酸、ジクロロフタル酸、ニトロフタル酸、フェニルコハ
ク酸など。 (3)水酸基4以下のヒドロキシモノカルボン酸類 水酸基を1つ有するものとして、グリコール酸、乳酸、
2−ヒドロキシ酪酸、ヒドロアクリル酸、ヒドロキシ安
息香酸、サリチル酸、スルホサリチル酸など、水酸基を
2つ有するものとして、グリセリン酸、8,9−ジヒド
ロキシステアリン酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、
プロトカテク酸など、水酸基を3つ有するものとして、
没食子酸など。
【0042】(4)水酸基4以下のヒドロキシジカルボ
ン酸類 水酸基を1つ有するものとして、タルトロン酸、リンゴ
酸、2−ヒドロキシブタン2酢酸、2−ヒドロキシドデ
カン2酢酸、ヒドロキシフタル酸など、水酸基を2つ有
するものとして、酒石酸、3,4−ジヒドロキシフタル
酸など、水酸基を4つ有するものとして、テトラヒドロ
キシコハク酸など。
【0043】[4−2]配位基としてカルボニル基を有
する錯化剤として以下の化合物が挙げられる。 (1)脂肪族アルデヒド類 ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアル
デヒド、イソブチルアルデヒド、アクリルアルデヒド、
クロトンアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、ジクロ
ロアセトアルデヒド、ブチルクロラール、ヒドロキシア
セトアルデヒド、ラクトアルデヒド、D−グリセリンア
ルデヒド、ホルマール、アセタール、ジクロロアセター
ルなど。
【0044】(2)脂肪族ケトン類 アセトン、エチルメチルケトン、2−メチルペンタノ
ン、3−ペンタノン、3ーメチル−2−ブタノン、4−
メチル−2−ペンタノン、ピナコリン、2−ヘプタノ
ン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、6−メチルーヘ
プタノン、ジイソブチルケトン、ジ−tert−ブチル
ケトン、ジヘキシルケトン、メチルビニルケトン、アリ
ルアセトン、1−クロロ−2−プロパノン、1,1−ジ
クロロ−2−プロパノン、ヒドロキシアセトン、ジヒド
ロキシアセトンなど
【0045】(3)ポリオキソ化合物類 グリオキサール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒ
ドなどのジおよびポリアルデヒド類、ジアセチル、アセ
チルアセトン、アセトニルアセトンなどのジおよびポリ
ケトン類、ピルビンアルデヒド、4−オキソペンタナー
ルなどのケトアルデヒド類など。 (4)ケテン類 ケテン、ジメチルケテンなど
【0046】(5)ケトカルボン酸およびアルデヒドカ
ルボン酸類 4,4,4−トリフルオロ−1−フェニル−1,3−ブ
タンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−
ヘプタンジオン、ピルビン酸、マロンアルデヒド酸、ア
セト酢酸、グリオキシル酸、メソシュウ酸、オキサロ酢
酸、オキサログルタル酸など (6)芳香族アルデヒド類および芳香族ケトン類 ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、フェニルアセトア
ルデヒド、シンナムアルデヒド、テレフタルアルデヒ
ド、プロトカテクアルデヒド、アセトフェノン、メチル
アセトフェノン、ベンゾフェノン、クロロアセトフェノ
ン、ジヒドロキシベンゾフェノン、フェニルグリオキサ
ールなど
【0047】(7)キノン類 o−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、
キンヒドロン、2,6−ジクロロ−p−ベンゾキノン、
2,5−ジヒドロキシ−p−ベンゾキノン、テトラヒド
ロキシ−p−ベンゾキノン、2,3−ヒドロキシ−1,
4−ナフトキノンなど (8)トロポロン類 トロポロン、6−イソプロピルトロポロンなど。
【0048】[4−3]その他のドナー原子である酸素
を有する錯化剤 メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピル
アルコール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノー
ル、ベンジルアルコールなどの飽和アルコール類、アリ
ルアルコール、メチルビニルアルコールなどの不飽和ア
ルコール類、エチレングリコール、グリセリンなどの多
価アルコール類、ベンゼンホスホン酸等のホスホン酸
類、ベンゼンジスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン
酸、ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸類、ジメトキ
シメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル類など
【0049】[5]無機系錯化剤 フッ化水素酸、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素等のハロゲ
ン化水素またはそれらの塩、硫酸、リン酸、縮合リン
酸、ホウ酸、ケイ酸、炭酸、硝酸、亜硝酸、過塩素酸、
塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸等のオキソ酸類またはそ
れらの塩など。
【0050】有機錯化剤のうち、環状骨格の環を構成す
る炭素原子に結合したOH基及び/またはO-基を有
し、かつ、その他のドナー原子を持つ錯化剤は、組み合
わせによって上記の第1の錯化剤として機能する場合
と、上記第2の錯化剤として機能する場合がある。例え
ば、8−キノリノールは環状骨格の環を構成する炭素原
子に結合したOH基を有するが、カテコールと8−キノ
リノールを併用した場合には8−キノリノールは複素環
式アミンとしての性格が色濃く現れる。
【0051】本発明の表面処理組成物はアルカリ性水性
溶媒を主成分としている。アルカリ性成分としては、ア
ンモニアが用いられるが、第2のアルカリ成分をアンモ
ニアと共に添加しても良い。表面処理組成物中のアンモ
ニア濃度は、通常0.01〜30重量%である。さら
に、表面処理組成物中には過酸化水素等の酸化剤が適宜
配合されていても良い。半導体ウェハ洗浄工程におい
て、ベア(酸化膜のない)シリコンを洗浄する際には、
酸化剤の配合により、ウェハのエッチングや表面荒れを
抑える事ができる。本発明の表面処理組成物に過酸化水
素を配合する場合には、通常表面処理組成物全溶液中の
過酸化水素濃度が0.01〜30重量%の濃度範囲にな
るように用いられる。
【0052】本発明で初期の表面処理組成物中に添加さ
れる有機錯化剤の量は、付着防止対象である液中の金属
不純物の種類と量、基板表面に要求される洗浄度レベル
によって異なるので一概には決められないが、表面処理
組成物に対し、総添加量として、10-7〜5重量%、好
ましくは10-6%〜1重量%である。上記添加量より少
なすぎると本研究の目的である金属付着防止・除去効果
が発現し難く、一方多すぎてもそれ以上の効果が得られ
ず、また基体表面に錯化剤が付着する危険性が高くなる
ので好ましくない。
【0053】本発明は、長時間の表面処理を行う際に、
表面処理組成物より蒸発したアンモニア分を前述した有
機錯化剤を含有するアンモニア水で補う事を特徴とす
る。この場合、追加添加されるアンモニア水溶液中のア
ンモニア濃度及び有機錯化剤濃度は、蒸発するアンモニ
ア、水、及び分解する有機錯化剤の量比によって決ま
る。蒸発するアンモニア及び水の量は、初期の表面処理
組成物中のアンモニア濃度、表面処理の温度等によって
決まる。また、分解する有機錯化剤の量は、初期の表面
処理組成物中の有機錯化剤の種類、濃度及び表面処理の
条件によって決まる。一般に、表面処理の温度が高い場
合や、表面処理組成物が過酸化水素のような酸化剤を含
有している場合には有機錯化剤の分解は促進される。追
加添加されるアンモニア水溶液中のアンモニア濃度及び
有機錯化剤濃度は、これらの要因によって決まるもので
あり、一概には決まられないが、アンモニア濃度は通常
0.1〜35重量%、好ましくは5〜32重量%であ
り、有機錯化剤濃度は10-7〜5重量%、好ましくは1
-6〜1重量%である。
【0054】また、蒸発した水分は、前記アンモニア水
溶液の追加添加によっても補充されるが、不十分な場合
には、別途、水のみを補充しても良い。本発明の有機錯
化剤含有アンモニア水溶液は、金属不純物の含有量が各
金属あたり通常10-4重量%以下、好ましくは10-5
量%以下である。金属不純物量が多くなると、その付着
防止のために大量の有機錯化剤が消費されるため経済上
好ましくない。
【0055】本発明のアルカリ性表面処理組成物およ
び、追加添加する有機錯化剤含有アンモニア水溶液に
は、表面処理の目的に応じて界面活性剤、酸化剤、還元
剤、pH調整用の酸成分等の添加剤を加えても良い。表
面処理の温度は通常は室温〜90℃であるが、高温での
使用の場合、有機金属錯化剤の劣化が促進されるので、
70℃以下での使用が好ましい。
【0056】本発明の表面処理組成物は基体の金属不純
物汚染が問題となる半導体、金属、ガラス、セラミック
ス、プラスチック、磁性体、超伝導体等の基体の、洗
浄、エッチング、研磨、成膜等の表面処理に用いられ
る。特に、高清浄な基体表面が要求される半導体基板の
洗浄、エッチングには本発明が好適に使用される。半導
体基板の洗浄の中でも特に[アンモニア+過酸化水素+
水]洗浄に本発明を適用すると、該洗浄法の問題点であ
った基板への金属不純物付着の問題が改善され、これに
より該洗浄によって、パーティクル、有機物汚染と共
に、金属汚染のない高清浄な基板表面が達成されるた
め、極めて好適である。
【0057】本発明を洗浄に用いる場合には、液を直
接、基体に接触させる方法が用いられる。このような洗
浄方法としては、洗浄槽に洗浄液を満たして基板を浸漬
させるディップ式クリーニング、基板に液を噴霧して洗
浄するスプレー式クリーニング、基板上に洗浄液を滴下
して高速回転させるスピン式クリーニング等が挙げられ
る。本発明においては、上記洗浄方法の内、適当なもの
が用いられるが、好ましくはディップ式クリーニングが
用いられる。洗浄時間については、適当な時間洗浄され
るが、好ましくは10秒〜30分、より好ましくは30
秒〜15分である。時間が短すぎると洗浄効果が十分で
なく、長すぎるとスループットが悪くなるだけで、洗浄
効果は上がらず意味がない。洗浄は常温で行っても良い
が、洗浄効果を向上させる目的で、加温して行う事もで
きる。また、洗浄の際には、物理力による洗浄方法と併
用させても良い。このような物理力による洗浄方法とし
ては、たとえば、メガソニック洗浄等の超音波洗浄、洗
浄ブラシ、電磁波を用いた洗浄法などが挙げられる。
【0058】
【実施例】次に実施例を用いて、本発明の具体的態様を
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例により何ら限定されるものではない。 実施例1及び比較例1〜3 アンモニア水(30重量%)、過酸化水素水(31重量
%)及び水を1:1:10の容量比で混合し、得られた
水性溶媒に、金属付着防止・除去剤として、表1に記載
の錯化剤を所定量添加し、本発明の表面処理組成物を調
整した。なお、錯化剤の添加量は該水性溶媒に対する重
量比(ppm)で示した。また、比較のために、該水性
溶媒に錯化剤を一切添加しないものも調整した。表面処
理組成物の全容量は2.8リットルであり、容量6リッ
トルの蓋のない石英槽に入れた。液の温度は、加温して
40〜50℃に保持した。
【0059】こうして調整した表面処理液を、40〜5
0℃に保持したまま表−1に示す一定時間放置した。放
置の際、蒸発したアンモニア分は表−1に記載の錯化剤
を所定量添加したアンモニア水(30重量%)を用いて
補充した。この場合の錯化剤の添加量は該アンモニア水
溶液に対する重量比(ppm)で示した。補充したアン
モニア水溶液の量は一時間あたり76mlであった。一定
時間放置後、Al、Feを1ppbずつ添加し、清浄な
シリコンウェハ(p型、CZ、面方位(100))を1
0分間浸漬した。浸漬後のウェハは、超純水で10分間
オーバーフローリンスした後、窒素ブローにより乾燥
し、ウェハ表面に付着したAl、Feを定量した。シリ
コンウェハ上に付着したAl、Feはフッ酸0.1重量
%と過酸化水素1重量%の混合液で回収し、フレームレ
ス原子吸光法により該金属量を測定し、基板表面濃度
(atoms/cm2)に換算した。結果を表1に示す。なお、
比較のために、表面処理液を放置しない場合の実験結果
(錯化剤無添加の場合:比較例1、錯化剤添加の場合:
比較例2)と、4時間放置の際に錯化剤を一切添加して
いない無添加アンモニア水でアンモニア蒸発分を補った
場合(比較例2)の実験結果も表−1に示した。
【0060】
【表1】
【0061】表−1に示したように、EDDHAを12
00ppm添加したアンモニア水でアンモニア蒸発分を
補充した場合には、表面処理液を長時間放置した後で
も、基板表面への金属付着防止効果が維持される。
【0062】実施例2、3及び比較例4、5 アンモニア水(30重量%)、過酸化水素水(31重量
%)及び水を1:1:10の容量比で混合し、得られた
水性溶媒に、金属付着防止・除去剤として、表−2に記
載の2種の錯化剤を所定量添加し、本発明の表面処理組
成物を調整した。この液を40〜50℃に保持して、4
時間放置した後、実施例1と同じ方法で、基板表面への
金属付着性を評価した。放置の際、蒸発したアンモニア
分は表2に記載の錯化剤2種類を所定量添加したアンモ
ニア水(30重量%)を用いて補充した。なお、比較の
ために、錯化剤を一切添加していない無添加アンモニア
水でアンモニア蒸発分を補った場合の実験結果も表−2
に示した。この他の実験条件は全て実施例1と同様とし
た。
【0063】
【表2】
【0064】実施例4〜7及び比較例6〜8 アンモニア水(30重量%)、過酸化水素水(31重量
%)及び水を1:2:100の容量比で混合し、得られ
た水性溶媒に、金属付着防止・除去剤として、表−3に
記載の2種の錯化剤を所定量添加し、本発明の表面処理
組成物を調整した。この液を35〜45℃に保持して、
4時間または8時間放置した後、実施例1と同じ方法
で、基板表面への金属付着性を評価した。放置の際、蒸
発したアンモニア分は表−3に記載の錯化剤2種類を所
定量添加したアンモニア水(30重量%)を用いて補充
した。補充したアンモニア水溶液の量は一時間あたり1
7mlであった。なお、比較のために、錯化剤を一切添加
していない無添加アンモニア水でアンモニア蒸発分を補
った場合の実験結果も表−3に示した。この他の実験条
件は全て実施例1と同様にした。
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】実施例8及び比較例9 アンモニア水(30重量%)、過酸化水素水(31重量
%)及び水を1:2:100の容量比で混合し、得られ
た水性溶媒に、金属付着防止・除去剤として、表−4に
記載の2種の錯化剤を所定量添加し、本発明の表面処理
組成物を調整した。この液を60〜70℃に保持して、
4時間放置した後、実施例1と同じ方法で、基板表面へ
の金属付着性を評価した。放置の際、蒸発したアンモニ
ア分は表−4に記載の錯化剤2種類を所定量添加したア
ンモニア水(30重量%)を用いて補充した。補充した
アンモニア水溶液の量は一時間あたり32mlであった。
なお、比較のために、錯化剤を一切添加していない無添
加アンモニア水でアンモニア蒸発分を補った場合の実験
結果も表−4に示した。この他の実験条件は全て実施例
1と同様にした。
【0068】
【表5】
【0069】
【発明の効果】本発明の表面処理方法を用いれば、表面
処理組成物から基体表面へのAl、Fe等の金属不純物
汚染を防止し、安定的に極めて清浄な基体表面を長時間
にわたって達成する事ができる。特に、[アンモニア+
過酸化水素+水]洗浄等に代表される半導体基板のアル
カリ洗浄に本発明を適用すると、該洗浄法の問題点であ
った基板への金属不純物付着の問題が改善され、これに
より該洗浄によって、パーティクル、有機物汚染と共
に、金属汚染のない高清浄な基板表面が達成される。こ
のため、従来、該洗浄の後に用いられてきた、[塩酸+
過酸化水素+水]洗浄等の酸洗浄が省略でき、洗浄コス
ト、及び排気設備等のクリーンルームのコストの大幅な
低減が可能となるため、半導体集積回路の工業生産上利
するところ大である。半導体、液晶等の製造する際、エ
ッチングや洗浄等のウェットプロセスには、基板表面へ
の金属不純物付着を防止するため、金属不純物濃度が
0.1ppb以下の超純水及び超高純度薬品が用いられて
いる。さらに、これらの薬液は、使用中に金属不純物が
混入するため頻繁に交換する必要がある。しかし、本発
明を用いれば、液中に多量の金属不純物が存在していて
も付着防止が可能なため、超高純度の薬液を使う必要が
なく、また、薬液が使用中に金属不純物で汚染されても
頻繁に交換する必要はないため、薬液およびその管理の
コストの大幅な低減が可能である。また、金属が表面に
存在する基板のエッチングや洗浄の際には、処理される
金属よりイオン化傾向の高い金属が不純物として液中に
存在すると基板表面に電気化学的に付着するが、本発明
を用いれば金属不純物は安定な水溶性金属錯体となるの
で、これを防止する事が出来る。以上のように、本発明
の表面処理剤の波及的効果は絶大であり、工業的に非常
に有用である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−254581(JP,A) 特開 平4−278529(JP,A) 特開 平3−219000(JP,A) 特開 平5−275405(JP,A) 特開 平7−324199(JP,A) 特開 平7−94458(JP,A) 特開 平9−67688(JP,A) 特開 平9−298180(JP,A) 特開 平9−82677(JP,A) 実開 平2−722(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304 647 C09K 3/00 108 C11D 7/32

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液媒体中に、アンモニア、水、並びに、
    分子構造中に環状骨格を有し、且つ該環を構成する炭素
    原子に結合したOH基及び/またはO-基を1つ以上有
    する有機錯化剤を含有するアルカリ性表面処理組成物を
    用いて基体の表面処理を行う際に、蒸発したアンモニア
    分を当該有機錯化剤を含有するアンモニア水溶液で補う
    ことを特徴とする基体の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の表面処理方法におい
    て、アルカリ性表面処理組成物中にさらに過酸化水素が
    含有されている基体の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 アンモニア濃度が0.1〜35重量%、
    有機錯化剤濃度が10-7〜5重量%、金属不純物濃度が
    各金属あたり10-4重量%以下である事を特徴とする請
    求項1に記載の基体の表面処理方法に用いる有機錯化剤
    を含有するアンモニア水溶液。
  4. 【請求項4】 有機錯化剤が分子構造中に環状骨格を有
    し、且つ該環を構成する炭素原子に結合したOH基及び
    /またはO-基を少なくとも2個有することを特徴とす
    る請求項3に記載の有機錯化剤を含有するアンモニア水
    溶液。
  5. 【請求項5】 分子構造中に環状骨格を有し、且つ該環
    を構成する炭素原子に結合したOH基及び/またはO-
    基を1つ以上有する有機錯化剤から選ばれる少なくとも
    1種とともに、環状骨格を構成する炭素原子に結合した
    OH基及びO-基以外の配位基を有する錯化剤から選ば
    れる少なくとも1種をも含有する請求項3または4項に
    記載の有機錯化剤を含有するアンモニア水溶液。
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