JP4169605B2 - 逆適応制御回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は主として直流安定化電源装置おけるリプル雑音除去と負荷安定度に関する技術である。特に低動作電流でかつ高いリプル雑音除去率と負荷安定度を達成する電源回路を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電子機器に限らずその他あらゆる電子装置には直流安定化電源電圧が必ず複数個内蔵されている。デジタル回路用、高周波回路用、アナログ回路用などには、それぞれの用途に適した特性の電源回路が配置されている。なかでも携帯電話器の場合には、送信部の電源のリプル除去率が悪いと通話明瞭度が劣化するので可能な限り高いリプル除去率が求められる。また、デジタルコード化された無線通信手段であっても、送受信はキャリア信号をアナログ的に変調復調するので電源リプル雑音はエラー率に悪影響をもたらす。こうしたリプル雑音除去に関しては、例えば−80dBのリプル除去率を達成するためには十分な動作電流数100μAを流せば可能であり、後述するようにいくつか発明が提案されているが、低動作電流を大幅に減らしてかつ高リプル除去率を実現した提案は存在しなかった。
【0003】
現在、世界中で動作している電子装置の数は数十億の単位と推定される。ちなみに一つの電源回路が200μAで動作しているとすると50億個で100万アンペアーの電流を流していることになり、3Vで動作しているとすると3000KWの電力が消費されている計算になる。以下、図面を参照しつつ、従来技術及び従来技術下での回路理論について考察する。
【0004】
(1)従来回路の例
図1は従来から用いられているCMOS型安定化電源回路のブロック図である。図1において、1、2は電圧供給端子を示し、3は出力電圧Vout端子を示し、50は基準電圧Vrefを発生する基準電圧発生回路であり、60は動作電流を定めるためのバイアス電流を発生する回路であり、100は基準電圧Vrefに対する誤差電圧を増幅する誤差増幅回路である。30は出力回路を示している。40は出力電圧の変動を検出し出力を分圧する回路である。この従来の安定化電源回路の具体例が、図2の回路図である。同図において、当該誤差増幅回路100は2段で構成され、差動回路10がその第1段目、位相反転増幅器20が第2段目を示している。基準電圧発生回路50は、誤差増幅器の入力端子N1に接続され、出力分圧回路40は、誤差増幅器の入力端子N2に接続されている。
【0005】
図3は図2の従来例回路における直流特性を示すグラフであり、出力電圧Voutと基準電圧Vrefの電源電圧Vddに対する依存性を示している。横軸に電源電圧Vddをとり、31は動作電流、32は出力トランジスタのゲート電圧、33は出力電圧Vout、34は基準電圧Vrefを示している。図4は図3を10000倍に拡大したグラフであり、41が出力電圧Vout、42が基準電圧Vrefをそれぞれ示す。図4(b)中の42に見られるように一般的には基準電圧源Vrefは正の電源電圧係数を持ち、電源電圧が上がるとその出力も増加する性質を持っている。これはリプル除去には非常に具合が悪く、低域のリプル除去率は基準電圧の電源電圧依存係数が大きく影響することとなる。電源電圧係数をゼロすることは不可能ではないが、トリミングや特殊な電圧係数素子を用いる必要があるので広く普及している半導体製造方法では非常に高価なものになってしまう。
【0006】
(2)従来回路の理論式
次に、出力電圧の理論検討をする。出力電圧Voutは次の式で表される。
【0007】
Vout=Vref*(Av/1+K*Av)+So (1)
ここで、Vrefは基準電圧、Avは誤差増幅器の電圧利得、Kは分圧回路の分圧比、Soは誤差増幅器のシステムオフセット電圧を示す。
【0008】
基準電圧Vrefは電源電圧Vddの変動の影響を受けるのでその変化率は、Vrefの電源電圧係数ΔVref=(δVref/δv)/Kで表される。
【0009】
Kは出力分圧抵抗の分圧比なのでK<1であり、Vrefに乗ってきたリプルΔVrefはフィルターで除去しないと高いPSRR(Power Supply Rejection Ratio。電源電圧Vddが1V変化したときに出力がどれだけ変化したかの比率。例えば、出力が1mV変化したとすれば、PSRRは、1mV/1V 即ち−60dBとなる。)が実現できないが、Vrefのリプルは非常に低い周波数から高い周波数まで含まれるので、フィルターには大きな時定数が要求され、全部の周波数帯域を除去するフィルターは半導体同一チップ上の集積化は実現できていない。
【0010】
図4(b)でVrefはVddが4v〜5v(0dB)の間で約10μV(−100dB)増加している。一方、図4(a)では、Voutは90μV(−82dB)増加している。
【0011】
Kは出力分圧回路の分圧比で、次式で示される。
【0012】
K=R1/R1+R2
ここで、R1,R2は出力分圧回路の抵抗であり、ポリシリコンで製造すればVddの影響を無視できるので電源電圧Vddの変化率は考えないことにする。Kの値は出力電圧を決める分圧値でありVrefは0.2から0.8が一般的なので極端に小さな値や大きな値は設定できないので、リプル低減には限定的にしか寄与しないといえる。
【0013】
Soはシステムオフセット電圧を表していて、回路構成上不可避的に発生するもので、従来採用されなかった考え方で実験値からその存在を仮定して導入した。経験的にVddの影響を受けると知られていてたいていはプラスの係数を有するがマイナス傾斜に出来ると重要な働きをすることを式(1)は示している。
【0014】
ここで、Soの電源電圧係数はΔSo=δSo/δvで表される。
【0015】
Avは回路全体の増幅率でオープンループ利得があり、当然電源電圧Vdd依存性があるので変化率は次の微分式で表される。
【0016】
ΔAv=(δAv/δv)/(1+KAv)2 となる。
【0017】
ちなみにAv=10000倍(80dB)、K=0.5、電源電圧が1V上昇すると10000倍から12000倍に変化し、δAv=2000倍、δV=1vとなり
ΔAv=80x10- 6
Vref=1.2Vのときリプル成分は96μV(−80.5dB)に相当して無視できるレベルではないことがわかる。
【0018】
以上の理論的検討から、合計のVoutのリプル成分は下記(2)式で示されることが分かる。
【0019】
ΔVout=ΔVref+Vref*ΔAv+ΔSo (2)
(3)安定度の検討
次に動作安定度に関し各増幅段の利得と極点、ゼロ点の周波数理論式を検討する(【非特許文献1】を参照)。
【0020】
まず、各増幅段の利得を考察する。図2において、1段目10、2段目20、出力回路30も増幅作用を持つので3段目の増幅回路として、各段の電圧利得をそれぞれAv1,Av2,Av3すると、
Av=Av1*Av2*Av3であり、
i番目の増幅段の利得をAviとすると、Aviは下記(3)式で表される。
【0021】
Avi=Gmi*Zoi (3)
ここで、Gmi、Zoiはi段目の増幅器のコンダクタンスと出力インピーダンスであり、
Zoi=Rpi//Rni//Coiである(Rpi//Rni//Coiは、Pトランジスタiの出力抵抗、Nトランジスタiの出力抵抗、出力iの容量分の並列インピーダンスを表す)。Rpiは、下記(4)式で表され、Gmiは、下記(5)式で表される。
【0022】
Rpi=α(Li/Idi)√(Vdgi+Vtpi) (4)
ここで、αは補正係数で大体5x106√V/mである。
【0023】
Gmi=√{2μp Cox(Wi/Li)Idi} (5)
μp、Cox、Wi、Li、IdiはそれぞれPFETのキャリア移動度、ゲート酸化膜の単位容量、トランジスタiのチャネル幅、チャネル長、ドレイン電流を示している。
【0024】
次に周波数特性を考察する。
【0025】
1段目、2段目、3段目(出力回路を3段目の増幅回路とする)の増幅回路はそれぞれFpiの周波数で極点を持つ。
【0026】
Fpi=1/2π*Zoi (6)
各段の出力は周波数Fpiで増幅度が−6dB/オクターブで減衰し始める。
【0027】
リプル雑音除去率に関して、前述の式(2)から、Voutのリプル成分を小さくするためには、増幅率Avが大きければ大きいほどよいことがわかる。(5)式からわかるように回路利得を高くするためにはドレイン電流Idiをある程度大きくすれば効果があることが推定できる。一方、式(4)はドレイン電流Idiを小さくすると出力インピーダンスがあがって利得が上昇することを示している。また式(4)と(5)はドレイン電流Idiを下げると極周波数が下がって、高い周波数まで利得が伸びないことを示している。
【0028】
この段階では安定度やリプル除去率を考察するにはまだ不十分で周波数特性はさらにゼロ点の存在が関係する。極点周波数では利得が−6dB/オクターブで減衰してゼロ点周波数では+6dB/オクターブで上昇するが通常は極点周波数が低いので利得は平坦な特性を示す。
【0029】
図1の従来例ではもっとも大きく位相や利得の周波数特性に関与する2つのゼロ点がある。第一のゼロ点周波数Fz1は出力平滑コンデンサC3と負荷抵抗R3で定まる。
【0030】
Fz1=1/2π*R3*C3 (7)
第2のゼロ点周波数は非常に重要である。出力トランジスタP4の出力回路は集積化電源回路においては太さ25μから30μの太さの金線で接続されていて長さが1mmから3mmなら数十ミリオームから百数十ミリオームの抵抗を有する。金線の両端はアルミパッドとリード線に圧着されている部分で数十ミリオームの接触抵抗と寄生抵抗を有する。合計でRog=100ミリオームから200ミリオームの抵抗を有している。また平滑用出力コンデンサC3の等価直列抵抗ESRも大きく関係する。
【0031】
Fz2=1/2π*(Rog+ESR)*C3 (8)
(4)ゼロ点周波数考察
C3は一般的には1000pFから10μFが広く利用される。R3は負荷電流によって大きく変動する。例えば10オームから100Kオーム程度とする、Rog=200mオーム、ESR=20mオームとすると、
Fz1=0.15Hz〜1.5MHz、Fz2=72KHz〜7.2MHzの範囲であり、Fz1は動作中の電流に依存して大きく移動する。負荷電流が大きいときは非常に高い周波数に、無負荷状態では低い周波数に移動して位相回りが低い周波数から生ずるため、不安定状態が発生しやすい。一方、Fz2は一度各部の値を設定すれば負荷電流には依存しない。しかし、出力平滑コンデンサーの等価抵抗ESRは、コンデンサーの種類によって大きく変化する。即ち、ケミカルや電解コンデンサーでは数オームから数十オーム、タンタルで1オームから数オーム、セラミック系で数ミリオームから数百ミリオームと言われている。従って、使用するコンデンサーの種類によって動作が不安定になることがある。Fz2は後で詳しく述べるが、ちょうど位相遅れが180度のあたりの位相特性に影響するので安定度にとって重要な要素である。
【0032】
(5)安定度と極点周波数の具体例考察
安定化電源回路の安定度は極点周波数が互いに離れていれば安定であるとされている。例えば10倍づつ離れていると問題がおきないとされている。各段の極点周波数の具体例を検討してみる。
【0033】
1段目の極点周波数Fp1は、Ro1=300K〜150K,Co1=0.1〜0.2pFであり、Fp1=数100KHz〜数MHz程度になる。周波数が高いので安定度に関しては、比較的問題になりにくいが、Co1が小さいので位相補償を行うための追加する容量が少なくて済み、位相補償をかける場所として最適である。図2において、P3のゲートドレイン間に容量と抵抗の直列回路を付加することで安定な誤差増幅器が構成できる。しかし、従来の回路ではこの位相補償は、PSRRを大きく犠牲にしてしまうので、注意を要する。
【0034】
2段目の極点周波数Fp2はRo2=50K〜100K、Co2=150pF〜250pFであり、Fp2=数KHz〜10数KHzとなる。Co2は出力トランジスタのゲート容量と追加容量C2の和である。出力電流規格つまり出力トランジスタサイズで変化するが、大きな出力トランジスタの回路では最初から大きな容量がCo2に入ってしまう。動作中はほぼ固定しているが、次に述べるFp3との関係で問題になる。
【0035】
最終段の極点周波数Fp3はRo3が負荷電流によって大きく変化するので動作中に大きく変動する。無負荷のときはRo3が出力分圧抵抗と等しくなって、出力分圧抵抗が大きいと数百Hzまで下がり、低い周波数から位相が回るので位相余裕が少なくなって不安定になる恐れが出てくる。そのために出力分圧抵抗にアイドリング電流を流しておいてこれを回避する。このことが回路電流を極端に低減できない理由の1つでもある。
【0036】
極点周波数Fp3は、大きな電流を引いたときは150KHzまで上昇する。このとき2段目の極点周波数FP2に接近してかつ利得が大きいと動作が不安定になるのでFp2をずらす必要が生じる。Fp2を高くすることはこのままの回路構成では不可能なので従来はC2を増加してFp2を下げる対策が一般的であった。しかしこの方法はP4のゲートに数pFから数10pFのコンデンサを付加するので電源リプル雑音がpdからVoutに抜けてしまい、リプル雑音除去が犠牲になることが避けられなかった。さらにパルス的な変化への応答にさいして、付加されたコンデンサの充放電をすばやく行うために出力トランンジスタP4を駆動するP3には十分な動作電流を流しておく必要もあった。
【0037】
このように従来の回路構成では、良好なリプル雑音除去率(例えば10Khzで−80dB以上の特性)および良好な安定度を得るためには十分な動作電流とアイドリング電流を流す必要があることが理論式からも推定される。
【0038】
(6)負荷安定度の検討
安定化電源においては出力から負荷電流を流すと出力電圧は低下する。出力負荷電流と出力電圧の関係は負荷安定度と呼ばれる指標で議論される。前述の式(1)には負荷電流の項目は含まれていないので、負荷電流をIoとするとVoutは下記の式で表される。
【0039】
Vout=V0−(Rog+Ron)*Io (1a)
V0は無負荷のときの出力電圧、Rogは図2などで示される出力等価抵抗、Ronは出力FETであるP4のON抵抗で出力FETのゲート電位が制御範囲内ではゼロ、ゲート電位が図2の場合Vss電位になったときはFETのON抵抗である。
【0040】
したがって出力FET P4が制御範囲内にあるときは出力等価抵抗Rogで電圧降下すなわち負荷安定度がきまる。出力等価抵抗Rogは寄生的に発生するもので半導体回路上の配線抵抗、接触抵抗、接続ワイヤーの抵抗、実装基盤の配線抵抗などからなる。数10から数100ミリオームが不可避的に存在する。
【0041】
図14(a)において140はRog=50ミリオームの時の出力―負荷電流特性を示す。出力電流200mAのとき出力は100mV低下していることが読み取れる。
【0042】
(7)従来回路のシミュレーション特性
図5と図6は従来の回路で、動作電流を大きくした場合と減らした場合の利得位相−周波数特性およびPSRR特性をシミュレーション結果のグラフを示している。51,52,53はVoutの利得特性を示し、54,55,56は位相特性を示し、61,62,63はPSRR特性を示している。51,54、61は動作電流が100μA以上の時、52,55、62は動作電流が2μA以下の時をそれぞれ示す。位相余裕度は回路の安定度を測る指数であり、利得が1の時の180度からの位相差で定義される。従って、利得1の周波数で180度位相から位相が40度以上離れていれば安定であり発振されないとされている。利得余裕度も回路の安定度を測る指数であり、出力信号の位相が180度遅れた時の利得の減衰割合で定義される。180度位相が遅れたときの周波数で利得が12dB以上減衰していれば安定であり、発振されないとされている。以下では、位相余裕度について検討を行う。
【0043】
図5では54が0dBを横切る周波数400KHz付近で位相余裕が約50度で十分な余裕がある。61は動作電流が十分大きいときのPSRR特性で、良好なPSRR−90dBが得られていることを示している。
【0044】
ところが52と55は52が0dBの時に55はすでに180度を過ぎていて、55が180度を横切る周波数10Khz付近で52はまだ十分な利得40dBを有していてこの付近の周波数で発振することを示している。つまり従来の回路では動作電流を減らしていくと位相の回りが低い周波数からおきて利得も下がらず、安定動作できなくなることを示してしている。
【0045】
特性曲線53,56,62は動作電流を2μA以下に減らした時、C3を100μFと大きくして、位相特性を改善して安定度を高めた回路の特性である。C3を大きくしたので第3極点Fp3が大幅に下がって利得が20dB程度低下している。第2ゼロ点周波数Fz2は大きなC3のために10Khzと100Khzの間に設定されて位相遅れを抑えて安定度を大きく改善している。53の利得0dBのとき56は位相余裕約50度があることを示している。このように極点とゼロ点を調整すれば従来の回路方式でも、動作電流を大幅に下げて安定度を確保して安定化電源回路を作ることは可能であるが、C3に大きな容量値が必要なので小型機器には採用できないことと、結果としてPSRRは大幅に低下してしまう問題がある。図6の62は53,56に対応するPSRR特性で61に比べて10Khz付近で約40dB以上も特性が劣化していることを示している。
【0046】
63は図2における従来例の回路で動作電流を2μA以下にした場合のPSRR特性を比較のために示す。2段増幅構成なので利得が不足して良好な特性が得られていない事を示している。
【0047】
以上の考察から、従来の回路方式では動作電流を十分大きくしないと、良好なリプル除去率は達成できなかったことが理解される。
【0048】
ところで、リプル雑音除去については携帯電話や無線LANの市場拡大に応じて数多くの提案がなされてきた。これらは、以下の5分類に大別される。
【0049】
(分類1)極点ゼロ点周波数の最適化と利得増大による方法(例えば【特許文献1】乃至【特許文献6】参照)。
【0050】
(分類2)基準電圧源と誤差増幅器を自分の安定化電圧で動作させる方法(例えば【特許文献7】乃至【特許文献8】参照)。
【0051】
(分類3)極点ゼロ点周波数を負荷状態で適応的に制御する方法(例えば【特許文献9】乃至【特許文献10】参照)。
【0052】
(分類4)リプルフィルターで除去する方法(例えば【特許文献11】乃至【特許文献13】参照)。
【0053】
(分類5)リアクトルトランスでキャンセルする方法(例えば【特許文献14】乃至【特許文献15】参照)。
【0054】
【特許文献1】
米国特許第5631598号明細書
【特許文献2】
米国特許第6304131号明細書
【特許文献3】
特開2001−195138号公報
【特許文献4】
特開2000−284843号公報
【特許文献5】
特開平5−204476号公報
【特許文献6】
米国特許第5889393号明細書
【特許文献7】
特開平4−263303号公報
【特許文献8】
特開平5−35344号公報
【特許文献9】
米国特許6246221号明細書
【特許文献10】
特開2000−47738号公報
【特許文献11】
特開平8−272461号公報
【特許文献12】
米国特許5130579号明細書
【特許文献13】
米国特許4327319号明細書
【特許文献14】
米国特許5668464号明細書
【特許文献15】
特開2001−339937号公報
【非特許文献1】
ディビットエージョン、ケンマーティン(David a. JOHNS and Ken MARTIN)著、「アナログ インテグレーテッド サーキット デザイン(ANALOG INTEGRATED CIRCUIT DESIGN)」、(米国)、第1版、ジョンウィリー&サンインク(JOHN WILEY&SONS INC)、1997年、p223-224
【0055】
【発明が解決しようとする課題】
分類1に係る発明は近年最も多く提案されているもので、リプル除去特性が非常に優れている。しかしながら電流増幅器を追加するので素子数が増加すること、及び基本的には前述の従来理論の範疇なので動作電流を激減させることは困難であるという問題は残っている。
【0056】
分類2に係る発明は起動時にもとの電源から自分で安定化した安定化出力に切り替える瞬間に不安定状態が必ず出現して動作開始から出力が安定するまでの時間が長くなってしまうという点が問題である。近年の携帯電話などの応用では電力を節約するために電源が間欠的に動作しているので起動に時間がかかるのは致命的である。また誤差増幅器と出力トランジスタの間に正確なレベルシフト回路が必要になるので動作電流がそこでも増加することになり、低消費電流は実現出来ない。
【0057】
分類3に係る発明は、分類1と同様、誤差増幅器に設計理論は従来のままなので動作電流は減らせないことと、負荷電流は変化の激しい非常に雑音が多く含まれる性質がありそれをフィードバックするとリップル除去特性を阻害してしまうという問題を内在している。
【0058】
分類4に係る発明はリプル成分が数Hzから高周波領域までの周波数帯域を含み、特に低い周波数のリプルをフイルタで取り除くためには大きな時定数が不可欠であり、半導体基板上に集積化するのは大きなコスト上昇なしには実現不可能である。
【0059】
分類5に係る発明は大きなリアクトルトランスは集積化不可能なので応用範囲が限られてしまう。
【0060】
そこで、本発明では、上記の諸問題を解決すべく、動作電流を従来の100分の1以下に減らしても諸特性が劣化しないでかつ、回路も複雑化しない、設計理論も単純で明快な、安定度も優れたリプル除去回路を提供することを技術的課題とするものである。
【0061】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記の課題を達成するための技術的手段として、
電源電圧が供給される第1の電圧供給端子と第2の電圧供給端子との間に、
基準電圧を発生する基準電圧発生回路と、
前記基準電圧に対する誤差電圧を増幅する誤差増幅回路と、
該誤差増幅回路によって制御されて安定化出力電圧を生成するとともに外部に接続される負荷に電流を供給する電圧電流出力回路と、
出力電圧変動を検出する出力分圧回路と、
前記基準電圧発生回路と前記誤差増幅回路に接続される電圧制御電流帰還回路とを有する安定化電源回路であって、
前記基準電圧発生回路は、第1の電圧供給端子に接続される第1の型の第1MOSFET、第1の型の第2MOSFETと
第2の電圧供給端子(グランド端子)に接続される第2の型の第3MOSFETとの直列接続で構成され、
前記電圧制御電流帰還回路は、
第1の電圧供給端子にそのソース端子が、前記誤差増幅回路の出力端子にゲート端子がそれぞれ接続される第3の型の第4MOSFET、前記基準電圧発生回路の第1MOSFETと第2MOSFETとに接続される第1の型の第5MOSFETと
第2の電圧供給端子に接続される第2の型の第6MOSFETとの直列接続で構成され、
前記第1MOSFETの電流は前記第2MOSFETと第5MOSFETに分流され
前記第4MOSFETの電流は第5MOSFETと第6MOSFETに分流されることによって電流帰還経路を形成していて、
前記電源電圧の増加に応じて
増加する電圧電流出力回路の増幅率を用いて
電流帰還量を逆比例的に減らして、前記基準電圧発生回路の基準電圧出力を低下させるよう制御することを特徴とする逆適応制御回路としたものである。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0063】
(実施例)
図15は本発明に係る実施例を示すブロック図であり、図7はその具体的な回路構成例である。従来技術で述べた図2の回路構成と同様に図7において誤差増幅器100は2段構成で、図8はその例を示していて、図8において、差動回路10が1段目、位相反転増幅器20が2段目であり、出力回路30、誤差検出分圧回路40、基準電圧回路50で構成されている。従来技術と異なる点は、基準電圧発生回路50が電圧制御電流帰還回路90に接続されている点である。電圧制御電流帰還回路90以外は従来の回路構成と同じなので、90について詳細な回路構成を説明する。
【0064】
図10は電圧制御電流帰還回路90の回路を示す図である。同図において、P5はP−FETであり電圧電流変換を行い、IPFはP5の電流、抵抗R5は電流制限抵抗である。このR5はFETに置き換えても同様の作用を実現することができる。N8はN−FETで、IBはその電流を示す。N9はデプレションN−FETを示し、IB0はその電流とする。P5で変換された電流IPFはN8に流れ込んでN8のドレイン電圧VBをあらかじめ上昇させておく。IPFが減少するとVBを減少させ、基準電圧発生回路50を制御する電流IB0を変化させる。以下に電圧制御電流帰還回路の動作原理を説明する。
【0065】
(電源電圧依存特性)
図11各図は負荷電流一定として電源電圧Vddが変化したときの、図7の回路各部の電流電圧を示す。図11(a)はIRを、(b)はIB0を、(c)はIPFを、(d)はIRを、(e)はVdd-pdを、(f)はVRを、(g)はVoutを示している。図7中pd端子は出力FETであるP4のゲート端子を示し、電源Vddとpd端子電位差に注目すると、図11(e)において、Vddが増大すると115で示されるVdd-pd(縦軸で示される)は減少している。これはMOSFETの大電流動作領域ではソースドレイン間の電圧(VDS)が増加するとドレイン電流IDが増加する、つまりコンダクタンスGmが増加することに起因する。同じドレイン電流を流すのに要するゲート電圧はソースドレイン間の電圧VDSが大きい方が小さい場合に比べて少なくてすむためである。図12はそれを説明するための、ゲート電圧VGSをパラメータとした出力FETのP4のドレイン電流とソースドレイン電圧特性を示す。120から124の曲線は、ゲート電圧VGSをソース電位から低い方向に−1.0Vから−1.8Vまで0.2V間隔で変化させたときのドレイン電流曲線を示す。曲線124のA点と123のB点について、A点は100mAのドレイン電流をVDS=0.23V、VGS=−1.8Vで流したとき、B点は100mAのドレイン電流をVDS=0.32V、VGS=−1.6Vで流したときをあらわす。つまり同じドレイン電流なら、VDSが高いほどゲートソース間電圧Vgsが小さくてよい事を示している。しかしある程度以上のVDSになると電流は飽和してVDSによる変化は少なくなるので電源電圧Vddがある程度以上になるとVgsの低下も非常に少なくなる。
【0066】
以下に図11の動作曲線に準じてその動作の順番を箇条書きに並べてみる。カッコ内の数字は同図中に記載されているグラフを示す数字である。
【0067】
(1)電源電圧Vddが増加してP4のゲートソース間電圧VgsであるVd−pd(115)電位差が減少する。
【0068】
(2)pd端子が接続される電圧制御電流帰還のP5のゲートソース間電圧Vgsも同時に減少して、P5の電流IPF(112)が減少する。
【0069】
(3)IPF(112)が減少するとPchFET P5のドレイン電圧のプルアップ効果が弱くなってN8のドレイン電圧が降下する。
【0070】
(4)VBが降下した分デプレションN−FET N9のソースドレイン間電圧VDSが増大して、N9のドレイン電流IB0(111)が増加する。
【0071】
(5)N12ドレイン電流IB0(111)の増加分はデプレションN−FETN12の電流I0の増加分となりN11とN9のドレイン電圧V0が下がる。
【0072】
(6)V0が下がるとN11の電流IR(113)が減少してN10のドレイン電圧すなわち基準電圧VR(114)が低下する。
【0073】
(7)基準電圧VR(114)が低下すると出力Vout(118)が低下する。
【0074】
従って、電源電圧Vddの上昇にもかかわらず、出力Vout(118)の傾斜を平坦もしくは負に制御できることが分かる。Vout(118)のVdd依存の傾斜は低周波領域のPSRRに等しいので、平坦にするのが安定化電源回路やアナログ信号増幅回路にとって望ましいことである。傾斜の度合いは電流帰還量IPF(112)によって決定され、電流帰還量IPF(112)はP5のチャネル長で定まるので簡単に設定できる。図中に電圧制御電流帰還回路90の動作を停止した場合の動作特性を116が基準電圧VR、117で出力電圧Voutを示す。基準電圧116、VRは従来の回路と同様に電源電圧Vddの上昇とともに増加していて、ごく普通の動作を示している。従って出力117Voutも上昇して変化している。変化を見やすくするために目盛りをそれぞれ個別に割り当てているので変化量の直視的な比較は難しいが、図13にVoutの変化量をPSRRのシミュレーションとして表示していて、曲線130が電圧制御電流帰還回路90の動作を停止した場合の特性、曲線131が本発明のPSRR特性を示す、その差が40dB程も本発明のほうが改良されていることがわかる。しかも前述のPSRR改善のための誤差増幅器の動作電流増加は必要なく、最低限の動作電流で十分である。
【0075】
図11(e)において、電源電圧Vddが出力電圧よりも少し高い付近、即ち横軸4.0V以下の領域では、Vdd−pd電位差(115)の変化は大きく特性改善効果が大きいと言えるが、図11(e)において、電源電圧Vddが出力電圧よりも相当高い領域、即ち横軸4.0V以上の領域では、Vdd−pd電位差の変化は飽和している。これは安定化電源等の特性改善にはまことに都合がいい性質である。なぜなら電源電圧は電池などから供給される場合、効率の点から出力電圧よりも少し高い電圧が使用される場合がほとんどであり、その領域で電源電圧依存性が顕著に劣化する領域だからそこでの特性改善が重要であるからである。
【0076】
従来このような方法で基準電圧を緩やかに制御する方法は従来存在しなかった。しかも微小な傾斜制御が大きなチャンネル長変化で実現できるので、素子感度も適度に低く、設計理論も平易であり安定に製造可能である。
【0077】
ただし誤差増幅回路の出力を電流帰還して諸特性を改善する提案はいくつか見られる。たとえば特開2001−75663、特開2001−34351、特開平3−158912などがある。これらの基本的な構成は誤差増幅器の出力を電流変換して出力電流と比例する制御電流として、カレントミラー回路によって誤差増幅回路のバイアス電流に帰還するものであり、古典的な適応制御のテキストサンプルといえる。詳細は公開公報資料に譲るとして、いずれの場合も出力電流に正比例した電流を誤差増幅器のバイアス電流として帰還していて、出力過渡応答を改善するのが目的であって、基準電圧を制御する機能は全く持っていない点が似て非なる全く異なる技術であると言える。
【0078】
適応制御とは狭義的には出力増加量に応じて帰還量を増加させて、出力変化を加速する制御方法であるが、本発明では、電源電圧入力の増加に応じて電流帰還量を逆比例的に減らして逆方向に出力を制御するので、この制御を逆適応制御と定義している。
【0079】
(本発明のもうひとつの作用)
従来の回路理論の説明についての「(6)負荷安定度」の章で述べたように、出力寄生抵抗は安定化電源の帰還ループの外にあるのでそれによる電圧低下は補正されず、出力負荷電流により出力電圧が低下する。図14は本発明のもう一つの効果である負荷安定度改善効果を説明するための動作図である。同図は、電源電圧Vdd一定とし、出力負荷電流をゼロから500mAまで変化させた時の、図7の回路各部((a)はIP F、(b)はVR、(c)はVdd-pd、(d)はVoutを示す)の電流・電圧を示している。
【0080】
作用は前述の電源電圧上昇とちょうど反対の動作を示し、箇条書きにすると、(1)出力電流Iout(横軸)が増加してP4のゲートソース間電圧VgsであるVdd−pd(143)電位差が増加する。
【0081】
(2)pd端子が接続される電圧制御電流帰還のP5のゲートソース間電圧Vgsも同時に増加して、P5の電流である帰還電流IPF(140)が増加する。
【0082】
(3)IPF(140)が増加するとPchFET P5のドレイン電圧のプルアップ効果が強まってN8のドレイン電圧が上昇する。
【0083】
(4)VBが上昇した分デプレションN−FET N9のソースドレイン間電圧VDSが減少して、N9のドレイン電流IB0が減少する。
【0084】
(5)ドレイン電流IB0の減少分はデプレションN−FET N12の電流I0の減少分となりN11とN9のドレイン電圧V0が上昇する。
【0085】
(6)V0が上昇するとN10のドレイン電流IRが増加してN10のドレイン電圧すなわち基準電圧VR(141)が上昇する。
【0086】
(7)基準電圧VR(141)が上昇すると出力Vout(144)の下降を補正する。
【0087】
つまり出力電流Ioutが上昇すると、基準電圧VR(141)を少し持ち上げて出力Vout(144)の下降を補正する。これは負荷電流の増加に伴う出力電圧の低下を補う作用であり、安定化電源にとって望ましい作用である。補正の度合いは電流帰還量IPFによって決定され、電流帰還量IPFはP5のチャネル長で定まるのでこれも簡単に設定できる。図中において142は電圧制御電流帰還回路90の動作を停止した場合の基準電圧VRの特性を示し、Ioutの変化に対して一定の出力であることを示している。従って電圧制御電流帰還回路90の動作を停止した場合の出力Voutも145に示されるように単純に降下していることが示されている。図14(b)においては、負荷電流Ioutの増加に伴ってほぼ正比例して基準電圧VR(141)が上昇していて、飽和する領域は見られないが、飽和がどこで現れるかはP5のFETサイズによっては飽和することがある。
【0088】
(変形例)
図16は本発明の実施例の変形例を示すブロック図である。図15の実施例との相違点は誤差増幅器のB端子バイアス端子が基準電圧発生回路50の基準電圧出力VRではなく、電圧制御電流帰還回路90のVB端子に接続されている点である。本変形例は、前記実施例と本質的には同じ構成なので、本発明のPSRR改善動作とその効果、負荷安定度改善動作とその効果は前記実施例に係る図15と同等である。違う点は誤差増幅器100の動作電流を決めるバイアス端子が電圧制御電流帰還回路90のVB出力端子に接続されているので、VBの変動によって誤差増幅器100の動作電流が変動する点である。しかし、前記動作電流は本発明のPSRR改善動作及び負荷安定度改善動作には大きな割合を占める関数ではないので、本発明の本質的な目的には影響しない。それ故、本変形例においても前記実施例と同様の効果が得られる。
【0089】
なお、本発明の実施例においては、半導体素子の例としてFETにて示しているが、ほかのタイプの半導体素子、例えばバイポーラトランジスタ、SiGeトランジスタ、薄膜トランジスタ、GaAsトランジスタでも同等の効果が期待できるので、実施はFETに限定されるものではない。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電圧制御電流帰還回路90を付加することによって、動作電流を最低限の状態に設定してもPSRR特性と同時に負荷安定度も改善することができる。また電圧制御電流帰還回路90を付加することによって動作安定度は変化することもない。なぜなら、誤差増幅回路、出力回路、分圧回路は何らの変更も追加もなされていず、前述の極点の変化やゼロ点の変化が何もないからである。また動作電流についても、電圧制御電流帰還回路の動作電流がわずかに増加するだけであり、その分補って余りある効果が期待できる。更には、回路面積においても電圧制御電流帰還回路による増加分は高々1%の増加であり、コスト増によるデメリットよりも得られる効果の方がはるかに大きい。
【0091】
従って、本発明は、誤差増幅器の増幅度を上げることなく、また極点の位置を特別な方法で離すこともなく、非常に低い動作電流で従来よりもはるかに優れたリプル雑音除去率と負荷安定度を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の安定化電源回路の一例を示すブロック図である。
【図2】従来の安定化電源回路の一例を示す回路図である。
【図3】従来の安定化電源回路の出力電圧対電源電圧特性の一例を示す図面である。
【図4】図3のスケールを10000倍に拡大した図面である。
【図5】従来の安定化電源回路の出力電圧対電源電圧特性を示す図面である。
【図6】従来の安定化電源回路のPSRR特性を示す図面である。
【図7】本発明の実施例である回路図を示す図面である。
【図8】誤差増幅器の回路例を示す2段増幅回路を示す図面である。
【図9】誤差増幅器の回路例を示す1段増幅回路を示す図面である。
【図10】本発明の電圧制御電流帰還回路示す図面である。
【図11】図7に記載した回路各部の電流電圧の電源電圧依存性を示す図面である。
【図12】 P-FET P4の電流対電圧特性を示す図面である。
【図13】本発明のPSRR特性を示す図面である。
【図14】本発明の負荷安定度を説明するための図面である。
【図15】本発明の実施例に係るブロック図を示す図面である。
【図16】本発明の実施例の変形例に係るブロック図を示す図面である。
【符号の説明】
1,2 電圧供給端子
3 出力電圧端子
10 差動回路
20 位相反転増幅器
30 出力回路
40 出力分圧回路
50 基準電圧発生回路
90 電圧制御電流帰還回路
100 誤差増幅器
Claims (1)
- 電源電圧が供給される第1の電圧供給端子と第2の電圧供給端子との間に、
基準電圧を発生する基準電圧発生回路と、
前記基準電圧に対する誤差電圧を増幅する誤差増幅回路と、
該誤差増幅回路によって制御されて安定化出力電圧を生成するとともに外部に接続される負荷に電流を供給する電圧電流出力回路と、
出力電圧変動を検出する出力分圧回路と、
前記基準電圧発生回路と前記誤差増幅回路に接続される電圧制御電流帰還回路とを有する安定化電源回路であって、
前記基準電圧発生回路は、第1の電圧供給端子に接続される第1の型の第1MOSFET、第1の型の第2MOSFETと
第2の電圧供給端子(グランド端子)に接続される第2の型の第3MOSFETとの直列接続で構成され、
前記電圧制御電流帰還回路は、
第1の電圧供給端子にそのソース端子が、前記誤差増幅回路の出力端子にゲート端子がそれぞれ接続される第3の型の第4MOSFET、前記基準電圧発生回路の第1MOSFETと第2MOSFETとに接続される第1の型の第5MOSFETと
第2の電圧供給端子に接続される第2の型の第6MOSFETとの直列接続で構成され、
前記第1MOSFETの電流は前記第2MOSFETと第5MOSFETに分流され
前記第4MOSFETの電流は第5MOSFETと第6MOSFETに分流されることによって電流帰還経路を形成していて、
前記電源電圧の増加に応じて
増加する電圧電流出力回路の増幅率を用いて
電流帰還量を逆比例的に減らして、前記基準電圧発生回路の基準電圧出力を低下させるよう制御することに特徴を有する逆適応制御回路。
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