JP4169522B2 - 画像処理装置、画像処理プログラム及びこのプログラムを記憶する記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、この画像処理装置が備えるコンピュータに解釈実行される画像処理プログラム、及びこのプログラムを記憶する記憶媒体に係り、より詳細には、例えば印刷文書をスキャナ等の画像読取機器から入力して得られるデジタル画像をプリンタ等の画像出力機器から出力する際に、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば印刷文書をスキャナ等の画像読取機器から入力して得られるデジタル画像をディスプレイ上に表示したりプリンタ等の画像出力機器から出力する場合、デジタル画像に何の処理も施さなかったり、あるいは、施したとしてもスケーリングや回転等のような画像品質に関係しない画像処理だけを施した場合、モアレ現象が生じたり、粒状性が粗くなったりするというような再現画像の劣化が生じることがある。
【0003】
これは、印刷文書の中間調領域が、ディザ等のスクリーニングや誤差拡散法等を適用して生成されたドットパターンによって構成されている場合、そのような画像処理と、プリンタ等の画像出力機器で行われている中間調処理等の画像処理との整合性がとれていないことを原因として発生する現象である。
【0004】
このような画像劣化の問題を回避して画質を改善するためには、ドットパターンで表現された中間調領域を連続階調表現に変換すれば良い。このような画質改善のための処理は、従来からデジタル複合機等の画像機器に組み込まれている。但し、ここで注意しなければならないのは、文字、線画等のグラフィックスや重要なエッジ等をぼかしてはならないということである。
【0005】
ここで、関連する従来技術としては、特開平6−62230号公報、特開平10−208038号公報、特開平11−41469号公報、及び特開2001−211327公報等がある。
【0006】
特開平6−62230号公報及び特開平10−208038号公報には、文字領域と絵柄領域を分離して、各画素の周囲の画像特徴に応じて画素ごとに異なる周波数特性をもつ線形フィルタ処理を施し、これによって中間調領域を連続階調表現に変換するという技術が記載されている。
【0007】
また、特開平11−41469号公報及び特開2001−211327公報には、ウェーブレット変換を利用した方法が考案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年のネットワーク環境の普及に伴い、画像読取機器を通して入力されたデジタル画像がネットワークを介して遠隔地に送信され、受信者は、未知の画像読取機器を通して入力された画像を例えばパーソナルコンピュータ上で編集・再利用・印刷・再送信するという状況が出現している。このようなネットワーク環境では、従来にはなかった新たな技術的課題が発生する。
【0009】
なお、前に紹介した特開平6−62230号公報、特開平10−208038号公報、特開平11−41469号公報、及び特開2001−211327公報に記載された技術は、このようなネットワーク環境を考慮したものではない。
【0010】
ネットワーク環境によって発生する技術的課題は、次の通りである。
【0011】
(1)未知の画像読取機器を通して入力された画像を例えばパーソナルコンピュータ上で編集・再利用・印刷・再送信し、この際に出力画像の粒状性やモアレ現象を改善するための機能を、パーソナルコンピュータにインストールされ、あるいはパーソナルコンピュータで解釈されるソフトウェアによって実現する場合でも、実用に耐え得る処理速度を達成すること。
【0012】
ネットワーク環境下では、遠隔地で入力されてネットワークを介して送られてきた画像に対して、パーソナルコンピュータ上で画質向上処理を施し、これをファイルに保存したり、プリンタで出力したり、さらにネットワークを介して送信することがある。この場合、このような機能をパーソナルコンピュータにインストールされ、あるいはパーソナルコンピュータで解釈されるソフトウェアで実現すると、実用に耐える処理速度を達成することが困難である。例えば、前述した線形フィルタやウェーブレット変換をソフトウェアで実装し、A4サイズのフルカラー文書画像に適用すると、解像度が上がるに従って、計算時間が実用に耐えられないものとなってしまう。
【0013】
そこで、上記機能をソフトウェアで実装する場合にも、実用に耐え得る処理速度を達成することが望まれる。
【0014】
(2)画像の送り手側での画像処理機器(特に、スキャナ等の画像入力機器)と画像の受け手側での画像処理機器との特性の相違を吸収すること。
【0015】
スタンドアロンの画像処理機器の場合、機器の特性に合わせて、画像処理アルゴリズムやパラメータを設計することが多い。しかしながら、ある特定の機種に対して最適な画像処理系が、特性が異なる機種に対して効果を発揮するとは限らない。ネットワーク環境下では、画像処理機器、特にスキャナ等の画像入力機器の特性が多様であり、さらに、遠隔地から画像が送信されてきたような場合には、特性が未知のことすらある。このため、画像の送り手側における画像入力機器で入力されてその画像入力機器の特性に依存する補正情報を含む画像を、その画像入力機器と特性が異なる画像の受け手側の画像処理機器で再現処理する場合、あるいは未知の補正情報を含む画像を再現処理する場合には、再現する画像品質が著しく劣化し、出力画像の粒状性が低下したりモアレ現象が発生したりすることがある。
【0016】
そこで、画像の送り手側における画像入力機器で入力されてその画像入力機器の特性に依存する補正情報を含む画像を、その画像入力機器と特性が異なる画像の受け手側の画像処理機器で再現処理する場合、あるいは未知の補正情報を含む画像を再現処理する場合でも、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善する画質向上処理を簡単に適応することができ、満足がいく画質が得られるようにすることが望まれる。
【0017】
(3)画像の送り手側で行った中間調処理方式の内容(方式、性質)に依存することなく、画像の受け手側で良好な画像品質での画像再現を実現すること。
【0018】
ドットパターンを生成する中間調処理の方式やそのパラメータ(ディザの閾値行列、誤差拡散のフィルタ係数、スクリーン角、網点周期等)が分かれば、情報処理機器における画像再現処理に際してそれに特化した方式を用いることができる。しかし、書籍、雑誌、新聞等、未知の工程で印刷された文書画像を対象とする場合、画像入力機器の高周波感度が良くないか解像度が低い場合には、中間調パターンの特徴を抽出することができない場合がある。
【0019】
そこで、画像の送り手側における画像入力機器で入力された画像の中間調処理方式が如何なる処理方式を採用していようとも、これに依存することなく、画像の受け手側で出力画像の粒状性やモアレ現象を改善した良好な画像品質での画像再現を実現することが望まれる。
【0020】
本発明の目的は、未知の画像読取機器を通して入力された画像を例えばパーソナルコンピュータ上で編集・再利用・印刷・再送信し、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善するための機能をソフトウェアで実装する場合にも、実用に耐え得る処理速度を達成することである。
【0021】
本発明の目的は、画像の送り手側における画像入力機器で入力されてその画像入力機器の特性に依存する補正情報を含む画像を、その画像入力機器と特性が異なる画像の受け手側の画像処理機器で再現処理する場合、あるいは未知の補正情報を含む画像を再現処理する場合でも、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善する画質向上処理を簡単に適応することができ、満足がいく画質が得られるようにすることである。
【0022】
本発明の目的は、画像の送り手側における画像入力機器で入力された画像の中間調処理方式が如何なる処理方式を採用していようとも、これに依存することなく、画像の受け手側で出力画像の粒状性やモアレ現象を改善した良好な画像品質での画像再現を実現することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1ないし12のそれぞれに記載された発明は、新規な画像処理装置を規定する。また、請求項13ないし18のそれぞれに記載された発明は、本発明の画像処理装置が備えるコンピュータに解釈実行される新規な画像処理プログラムを規定する。そして、請求項19記載の発明は、本発明の画像処理プログラムを記憶する新規な記憶媒体を規定する。
【0024】
[画像処理装置(請求項1ないし12)]請求項1記載の画像処理装置の発明は、デジタル画像である原画像に対して、解像度が原画像よりも低い縮小画像を生成する縮小画像生成手段と、前記縮小画像に対して、前景画像と背景画像とを区別して抽出する第1の抽出手段と、前記第1の抽出手段で前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する第1の連続階調変換手段と、前記第1の抽出手段で前記前景画像として抽出された画像に対して、当該画像に対応する原画像上での領域で前景画像と背景画像とを区別して抽出する第2の抽出手段と、前記第2の抽出手段で前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する第2の連続階調変換手段と、前記第1の連続階調変換手段で連続階調に変換された画像を前記原画像の解像度に拡大した画像と、前記第2の抽出手段で前記前景画像として抽出された画像と、前記第2の連続階調変換手段で連続階調に変換された画像とを合成する合成手段と、を具備する。
【0025】
したがって、前景画像と背景画像とを区別して抽出する処理が縮小画像に対して行なわれ、縮小画像から背景画像として抽出された画像とに対して、その中間調ドットパターンを連続階調に変換する処理が実行される。そして、連続階調に変換された画像と縮小画像から前景画像として抽出された画像に基づく画像とが合成される。このようなことから、本請求項の発明は、次のような利点を備える。
(1)中間調ドットパターンが連続階調に変換される背景画像の大部分は、縮小画像から抽出された画像であるので、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善するための機能をソフトウェアで実装する場合にも、実用に耐え得る処理速度を達成することができる。
(2)中間調ドットパターンが連続階調に変換される背景画像の大部分は、縮小画像から抽出された画像であるため、原画像には含まれていた各種の画像処理の痕跡が目立たなくなる。これにより、画像の送り手側における画像入力機器で入力されてその画像入力機器の特性に依存する補正情報を含む画像を、その画像入力機器と特性が異なる画像の受け手側の画像処理機器で再現処理する場合、あるいは未知の補正情報を含む画像を再現処理する場合でも、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善する画質向上処理を簡単に適応することができ、よって、満足がいく画質を得ることができる。
(3)中間調ドットパターンが連続階調に変換される背景画像の大部分は、縮小画像から抽出された画像であるため、原画像には含まれていた各種の画像処理の痕跡が目立たなくなる。これにより、画像の送り手側における画像入力機器で入力された画像の中間調処理方式が如何なる処理方式を採用していようとも、これに依存することなく、画像の受け手側で出力画像の粒状性やモアレ現象を改善した良好な画像品質での画像再現を実現することができる。
(4)縮小画像から前景画像として抽出された画像については、さらに原画像から前景画像と背景画像とを区別して抽出する処理が行なわれ、より精密な前景画像と背景画像との区別がなされる。
【0042】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置において、前記第1の連続階調変換手段と前記第2の連続階調変換手段との何れか一方又は両方は、前記背景画像として抽出された画像に対して予め決められた大きさのウィンドウを設定するウィンドウ設定手段と、前記各ウィンドウ内の色の平均値を前記各ウィンドウ内の画素として置き換え、これによって中間調ドットパターンを連続階調に変換する変換手段と、を具備する。
【0043】
したがって、画像に対してウィンドウが設定され、このウィンドウ内の色の平均値が各ウィンドウ内の画素として置き換えられる。これにより、原画像に含まれている画像改善情報が如何なるものであるとしても、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善する画質向上処理の結果を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0044】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置において、前記変換手段は、前記ウィンドウ内の第1の方向に沿うラインを細分化するランを設定して各ランについて色の平均値を求め、前記ウィンドウ内の前記第1の方向と直交する第2の方向に沿うラインを細分化するランを設定して各ランについて色の平均値を求め、これによって前記ウィンドウ内の色の平均値を求めるようにした。
【0045】
したがって、例えば縦横方向のラインを細分化するラン毎の色の平均値に基づいてウィンドウ内の色の平均値が求められる。これにより、ウィンドウ内の色の平均値が精度良く求められる。
【0046】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の画像処理装置において、前記第1の連続階調変換手段と前記第2の連続階調変換手段との何れか一方又は両方は、前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する連続階調変換処理を施した画像からエッジを検出するエッジ検出手段と、検出したエッジを、連続階調変換処理を施す前の画像のエッジと比較し、連続階調変換処理を施す前の画像に存在するエッジなのか存在しないエッジなのかを判定する比較判定手段と、比較判定の結果、連続階調変換処理を施す前の画像に存在しないエッジの検出を判定した場合、その検出したエッジの周囲について連続階調変換処理を再度施す再変換手段と、を具備する。
【0047】
画像に対してウィンドウを設定し、このウィンドウ内の色の平均値を各ウィンドウ内の画素として置き換える処理では、あるウィンドウとこれに隣接する別のウィンドウとの色の平均値が大きくかけ離れ、連続階調変換処理を施す前の画像には存在しなかったエッジが連続階調変換処理を施した画像中に発生する可能性がある。そこで、本請求項の発明では、連続階調変換処理を施した画像中に、連続階調変換処理を施す前の画像に存在しなかったエッジを発見した場合には、その検出したエッジの周囲について連続階調変換処理を再度施すことで、連続階調変換処理を施した画像を、連続階調変換処理を施す前の画像に近似させる。
【0048】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の画像処理装置において、前記比較判定手段は、各画素について、前記エッジ検出手段で計算されたエッジ強度から連続階調変換処理を施す前の画像のエッジ強度を差し引き、その値が予め決められた閾値以上であれば連続階調変換処理を施す前の画像に存在しないエッジであると判定する。
【0049】
このような判定手法を採用することで、連続階調変換処理を施す前の画像には存在しなかったエッジが連続階調変換処理を施した画像中に存在しているかどうかが容易に判定される。
【0050】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の画像処理装置において、前記再変換手段は、前記ウィンドウ設定手段で設定する前記ウィンドウの大きさを、前回の連続階調変換処理のときよりも小さく設定する。
【0051】
これにより、連続階調変換処理が再度施されるに際して、あるウィンドウとこれに隣接する別のウィンドウとの色の平均値を近接させることが可能となり、それらの異なるウィンドウの平均値として規定される画素の連続性が維持され、良好な画像品質での画像再現が可能となる。
【0052】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか一記載の画像処理装置において、前記第1の抽出手段は、前記縮小画像に対して、エッジの抽出と二値化とを行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出する。
【0053】
ここで、第1の抽出手段及び第2の抽出手段における前景画像と背景画像との区別した抽出は、エッジの抽出によっても二値化によってもその組み合わせによっても可能である。請求項8ないし12記載の発明は、そのような各種の組み合わせを規定する。
【0054】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか一記載の画像処理装置において、前記第1の抽出手段は、前記縮小画像に対して、エッジの抽出を行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出する。
【0055】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか一記載の画像処理装置において、前記第1の抽出手段は、前記縮小画像に対して、二値化を行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出する。
【0056】
請求項10記載の発明は、請求項7、8又は9記載の画像処理装置において、前記第2の抽出手段は、前記縮小画像から前記前景画像として抽出された画像に対して、エッジの抽出と二値化とを行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出する。
【0057】
請求項11記載の発明は、請求項7、8又は9記載の画像処理装置において、前記第2の抽出手段は、前記縮小画像から前記前景画像として抽出された画像に対して、エッジの抽出を行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出する。
【0058】
請求項12記載の発明は、請求項7、8又は9記載の画像処理装置において、前記第2の抽出手段は、前記縮小画像から前記前景画像として抽出された画像に対して、二値化を行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出する。
【0059】
[画像処理プログラム(請求項13ないし18)]請求項13記載の画像処理プログラムの発明は、コンピュータに解釈され、このコンピュータに、デジタル画像である原画像に対して、解像度が原画像よりも低い縮小画像を生成する縮小画像生成手段と、前記縮小画像に対して、前景画像と背景画像とを区別して抽出する第1の抽出手段と、前記第1の抽出手段で前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する第1の連続階調変換手段と、前記第1の抽出手段で前記前景画像として抽出された画像に対して、当該画像に対応する原画像上での領域で前景画像と背景画像とを区別して抽出する第2の抽出手段と、前記第2の抽出手段で前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する第2の連続階調変換手段と、前記第1の連続階調変換手段で連続階調に変換された画像を原画像の解像度に拡大した画像と、前記第2の抽出手段で前記前景画像として抽出された画像と、前記第2の連続階調変換手段で連続階調に変換された画像とを合成する合成手段と、を実行させる。
【0060】
したがって、前景画像と背景画像とを区別して抽出する処理が縮小画像に対して行なわれ、縮小画像から背景画像として抽出された画像とに対して、その中間調ドットパターンを連続階調に変換する処理が実行される。そして、連続階調に変換された画像と縮小画像から前景画像として抽出された画像に基づく画像とが合成される。このようなことから、本請求項の発明は、次のような利点を備える。
(1)中間調ドットパターンが連続階調に変換される背景画像の大部分は、縮小画像から抽出された画像であるので、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善するための機能をソフトウェアで実装する場合にも、実用に耐え得る処理速度を達成することができる。
(2)中間調ドットパターンが連続階調に変換される背景画像の大部分は、縮小画像から抽出された画像であるため、原画像には含まれていた各種の画像処理の痕跡が目立たなくなる。これにより、画像の送り手側における画像入力機器で入力されてその画像入力機器の特性に依存する補正情報を含む画像を、その画像入力機器と特性が異なる画像の受け手側の画像処理機器で再現処理する場合、あるいは未知の補正情報を含む画像を再現処理する場合でも、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善する画質向上処理を簡単に適応することができ、よって、満足がいく画質を得ることができる。
(3)中間調ドットパターンが連続階調に変換される背景画像の大部分は、縮小画像から抽出された画像であるため、原画像には含まれていた各種の画像処理の痕跡が目立たなくなる。これにより、画像の送り手側における画像入力機器で入力された画像の中間調処理方式が如何なる処理方式を採用していようとも、これに依存することなく、画像の受け手側で出力画像の粒状性やモアレ現象を改善した良好な画像品質での画像再現を実現することができる。
(4)縮小画像から前景画像として抽出された画像については、さらに原画像から前景画像と背景画像とを区別して抽出する処理が行なわれ、より精密な前景画像と背景画像との区別がなされる。
【0073】
請求項14記載の発明は、請求項13記載の画像処理プログラムにおいて、前記第1の連続階調変換手段と前記第2の連続階調変換手段との何れか一方又は両方は、前記背景画像として抽出された画像に対して予め決められた大きさのウィンドウを設定するウィンドウ設定手段と、前記各ウィンドウ内の色の平均値を前記各ウィンドウ内の画素として置き換え、これによって中間調ドットパターンを連続階調に変換する変換手段と、を前記コンピュータに実行させる。
【0074】
したがって、画像に対してウィンドウが設定され、このウィンドウ内の色の平均値が各ウィンドウ内の画素として置き換えられる。これにより、原画像に含まれている画像改善情報が如何なるものであるとしても、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善する画質向上処理の結果を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0075】
請求項15記載の発明は、請求項14記載の画像処理プログラムにおいて、前記変換手段は、前記ウィンドウ内の第1の方向に沿うラインを細分化するランを設定して各ランについて色の平均値を求め、前記ウィンドウ内の前記第1の方向と直交する第2の方向に沿うラインを細分化するランを設定して各ランについて色の平均値を求め、これによって前記ウィンドウ内の色の平均値を求めるようにした。
【0076】
したがって、例えば縦横方向のラインを細分化するラン毎の色の平均値に基づいてウィンドウ内の色の平均値が求められる。これにより、ウィンドウ内の色の平均値が精度良く求められる。
【0077】
請求項16記載の発明は、請求項14又は15記載の画像処理プログラムにおいて、前記第1の連続階調変換手段と前記第2の連続階調変換手段との何れか一方又は両方は、前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する連続階調変換処理を施した画像からエッジを検出するエッジ検出手段と、検出したエッジを、連続階調変換処理を施す前の画像のエッジと比較し、連続階調変換処理を施す前の画像に存在するエッジなのか存在しないエッジなのかを判定する比較判定手段と、比較判定の結果、連続階調変換処理を施す前の画像に存在しないエッジの検出を判定した場合、その検出したエッジの周囲について連続階調変換処理を再度施す再変換手段と、を前記コンピュータに実行させる。
【0078】
画像に対してウィンドウを設定し、このウィンドウ内の色の平均値を各ウィンドウ内の画素として置き換える処理では、あるウィンドウとこれに隣接する別のウィンドウとの色の平均値が大きくかけ離れ、連続階調変換処理を施す前の画像には存在しなかったエッジが連続階調変換処理を施した画像中に発生する可能性がある。そこで、本請求項の発明では、連続階調変換処理を施した画像中に、連続階調変換処理を施す前の画像に存在しなかったエッジを発見した場合には、その検出したエッジの周囲について連続階調変換処理を再度施すことで、連続階調変換処理を施した画像を、連続階調変換処理を施す前の画像に近似させる。
【0079】
請求項17記載の発明は、請求項16記載の画像処理プログラムにおいて、前記比較判定手段は、各画素について、前記エッジ検出手段で計算されたエッジ強度から連続階調変換処理を施す前の画像のエッジ強度を差し引き、その値が予め決められた閾値以上であれば連続階調変換処理を施す前の画像に存在しないエッジであると判定する。
【0080】
このような判定手法を採用することで、連続階調変換処理を施す前の画像には存在しなかったエッジが連続階調変換処理を施した画像中に存在しているかどうかが容易に判定される。
【0081】
請求項18記載の発明は、請求項16又は17記載の画像処理プログラムにおいて、前記再変換手段は、前記ウィンドウ設定手段で設定する前記ウィンドウの大きさを、前回の連続階調変換処理のときよりも小さく設定する。
【0082】
これにより、連続階調変換処理が再度施されるに際して、あるウィンドウとこれに隣接する別のウィンドウとの色の平均値を近接させることが可能となり、それらの異なるウィンドウの平均値として規定される画素の連続性が維持され、良好な画像品質での画像再現が可能となる。
【0083】
[画像処理プログラムを記憶する記憶媒体(請求項19)]請求項19記載の発明は、請求項13ないし18の何れか一記載の画像処理プログラムを記憶する記憶媒体である。したがって、それらの各請求項に記載された発明と同一の作用効果を奏する。
【0084】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1ないし図9に基づいて説明する。
【0085】
本実施の形態は、本発明の画像処理装置を実施する画像処理装置であり、この画像処理装置は、そのコンピュータにインストールされるか、あるいは解釈されて実行される画像処理プログラムによって動作制御されて画像処理を実行する。本実施の形態では、そのような画像処理プログラムを記憶する記憶媒体も紹介する。
【0086】
図1は、本実施の形態におけるシステム構築例を示す模式図である。
【0087】
本実施の形態のシステムでは、サーバコンピュータ101にLAN等のネットワーク201を介して画像処理装置を構成するパーソナルコンピュータ301が複数第接続されたサーバクライアントシステム11を想定する。このサーバクライアントシステム11は、スキャナやデジタルカメラ等の画像入力機器401及びプリンタ等の画像出力機器501をネットワーク201上でシェアし得る環境が整えられている。また、ネットワーク201上には、マルチファンクションペリフェラルと称されるMFP601が接続され、このMFP601が画像入力機器401や画像出力機器501として機能するように環境が構築されていても良い。
【0088】
このようなサーバクライアントシステム11は、例えばイントラネット21を介して別のサーバクライアントシステム31とのデータ通信可能に構築され、インターネット通信網41を介して外部環境とデータ通信可能に構築されている。
【0089】
図2は、本実施の形態における画像処理装置としてのパーソナルコンピュータ301のモジュール構成図である。
【0090】
パーソナルコンピュータ301は、情報処理を行なうCPU302、情報を格納するROM303及びRAM304等の一次記憶装置305、HDD306(ハードディスクドライブ)等の二次記憶装置307、情報を保管したり外部に情報を配布したり外部から情報を入手するためのCD−ROM等のリムーバブルディスク装置308、外部の他のコンピュータと通信により情報を伝達するためのネットワークインターフェース309、処理経過や結果等を操作者に表示する表示装置310、並びに操作者がパーソナルコンピュータ301に命令や情報等を入力するためのキーボード311、マウス等のポインティングディバイス312等から構成されており、これらの各部間で送受信されるデータをバスコントローラ313が調停して動作する。
【0091】
このようなパーソナルコンピュータ301では、ユーザが電源を投入するとCPU302がROM303内のローダーというプログラムを起動させ、HDD306よりオペレーティングシステムというコンピュータのハードウェアとソフトウェアとを管理するプログラムをRAM304に読み込み、このオペレーティングシステムを起動させる。このようなオペレーティングシステムは、ユーザの操作に応じてプログラムを起動したり、情報を読み込んだり、保存を行ったりする。オペレーティングシステムのうち代表的なものとしては、Windows(登録商標)、UNIX(登録商標)等が知られている。これらのオペレーティングシステム上で走る動作プログラムをアプリケーションプログラムと呼んでいる。
【0092】
ここで、パーソナルコンピュータ301は、アプリケーションプログラムとして、画像処理プログラムをHDD306に記憶している。この意味で、HDD306は、画像処理プログラムを記憶する記憶媒体として機能する。
【0093】
また、一般的には、パーソナルコンピュータ301のHDD306等の二次記憶装置307にインストールされる動作プログラムは、CD−ROM等の光情報記録メディアやFD等の磁気メディア等に記録され、この記録された動作プログラムがHDD306等の二次記憶装置307にインストールされる。このため、CD−ROM等の光情報記録メディアやFD等の磁気メディア等の可搬性を有する記憶媒体も、画像処理プログラムを記憶する記憶媒体となり得る。さらには、画像処理プログラムは、例えばネットワークインターフェース309を介して外部から取り込まれ、HDD306等の二次記憶装置307にインストールされても良い。
【0094】
図3は、画像処理プログラムに従い画像処理装置であるパーソナルコンピュータ301よって実行される手段を模式的に示す機能ブロック図である。また、図4は、この機能ブロック図に含まれる各種の手段の実行手順を示すフローチャートである。
【0095】
パーソナルコンピュータ301は、オペレーティングシステム上で動作する画像処理プログラムが起動すると、この画像処理プログラムに従い、CPU302が各種の演算処理を実行して各部を集中的に制御する。この際、パーソナルコンピュータ301は、図3の機能ブロック図に示す各機能によって、図4のフローチャートに示す各種の手段を実行することになる。これらの手段を次に説明する。
【0096】
1.処理の概要
本実施の形態では、多重解像度解析を利用する。Mixed Raster Content (MRC) Imaging Modelによると、画像は次の2つの要素から構成される。
◎前景(Foreground):テキスト、グラフィックス(特に線画)、重要なエッジ
◎背景(Background):前景以外の領域(連続階調領域)
これらのうち、背景については、鋭いエッジがなく、例えば、100dpi程度の低解像度の画像に圧縮しても、人間の目には劣化が目立たない。また、BTC(Block Truncation Coding)では、画像をブロック分割し、各ブロックを2色で符号化するlossy圧縮方法を採用している。これに対して、前景に対しては、高周波数成分の保持のために高い解像度が必要とされる。そこで、画像を表現する場合には、前景と背景とを異なる観点から異なる方法で表現することが必要となる。
【0097】
そこで、本実施の形態では、背景領域の処理は解像度を落とした画像で行っても十分であるとの認識に基づいて画像処理を行ない、これによって全体の処理時間の短縮等を図っている。
【0098】
本実施の形態における画像処理は、図3の機能ブロック図及び図4のフローチャートに示すように、一例として、パーソナルコンピュータ301がネットワークインターフェース309を介して原画像I0 を受信していることが前提となっている(ステップS101)。この場合、原画像I0 は、デジタル化されたカラー画像である。このような前提の下、まず、原画像I0 から低解像度の縮小画像Iを生成する(ステップS102)。
【0099】
次いで、低解像度処理(図3参照)として、生成した低解像度の縮小画像I上で、局所的特徴(エッジ、色信号の局所的統計量等など)に基づいて前景画像Fを抽出する(ステップS103)。前景画像F以外の画素が背景画像Bとなる。そして、背景画像Bを連続階調表現(後述する)に変換し、連続階調変換された背景画像Jとする(ステップS104)。
【0100】
次いで、原解像度処理(図3参照)として、低解像度の縮小画像I中から前景として抽出された前景画像Fについて、受信したままの原画像I0 での処理を行なう。縮小画像I中から前景として抽出された前景画像F内で、局所的特徴(エッジ、色信号の局所的統計量等など)をもとに前景画像FFを抽出し、それ以外の画素を背景画像BFとする(ステップS105)。そして、その背景画像BFを連続階調表現(後述する)に変換し、連続階調変換された背景画像J0 とする(ステップS106)。
【0101】
最後に、縮小画像Iから連続階調表現された背景画像J、前景画像FF、原画像I0 から連続階調表現された背景画像J0 を合成して、補正画像Qが得られる(ステップS107)。そこで、この補正画像Qを、例えば画像出力機器501、601から出力したり、あるいは、他の機器301、31等に送信したりする(ステップS108)。
【0102】
ここで、背景画像B、BFを連続階調表現に変換する処理の概要を説明する。
【0103】
受信した原画像I0 について、ドットパターンを生成した中間調処理の方式やパラメータがわかっていれば、適当なサポートサイズをもつ線形フィルタのセットを用意し、各画素に対しては、そこでの画像特徴に応じてその中から適当なフィルタを原画像I0 にかければよい。しかしながら、本実施の形態では、適当なサポートサイズが分からないことを想定していることから、以下に述べるような疎から密への多重スケール処理を用いて連続階調変換処理を行なう。
【0104】
まず、前景画像Fを抽出した後に残る領域の画像、すなわち背景画像B内に、W×Wの大きさ(ウィンドウサイズs)の局所的領域Rを設定する。ここでは、ウィンドウサイズsがW×Wの大きさであることから、局所的領域Rは正方形であることになるが、局所的領域Rは、矩形であれば必ずしも正方形に限定されない。また、この局所的領域Rは、それが適切なサイズであれば、鋭いエッジ、文字、グラフィックスなどを持たない。したがって、ウィンドウサイズsの大きさと局所的領域Rの位置とが適切であれば、局所的領域R内の画素をR内の平均色で置き換えても問題はないはずである。例えば、局所的領域Rが図5(a)に例示するように背景が単一色からなるような場合、連続階調変換を行った結果が図5(c)に例示するようになり、適切な連続階調表現が得られる。
【0105】
これに対して、ウィンドウサイズsの大きさが大きすぎたり、局所的領域Rの位置が不適切であったりする場合、局所的領域Rが不適切な状態となり、連続階調変換の結果も不適切となる。ウィンドウサイズsの大きさが大きすぎたり局所的領域Rの位置が不適切であったりする場合に局所的領域Rが不適切な状態となる一例としては、図5(b)や図6(a)に例示するように、背景に異なる複数の色が含まれてしまう状態が挙げられる。局所的領域Rが図5(b)や図6(a)に例示する状態となっている場合に連続階調変換を行った結果は、図6(b)に例示するようになり、画像に歪みが生じる。
【0106】
そこで、この問題の解決のためには、歪みが生じた部分を検出し、この部分に対してより小さなウィンドウサイズsを有する局所的領域Rを設定し直し、この局所的領域Rに対して連続階調変換処理を再度行なう必要がある。
【0107】
ここで、歪みを生じた部分の検出手法について説明する。連続階調表現がなされた背景画像J、J0 に含まれるエッジは、原画像I0 のエッジの部分集合になるはずである。すなわち、妥当な処理が行われている限り、連続階調表現がなされた背景画像J、J0 中に原画像I0 に存在しないエッジが存在することは有り得ない。これを画素毎に観察すると、連続階調表現がなされた背景画像J、J0 でのエッジ強度が原画像I0 でのエッジ強度よりも強いことはありえないということになる。これに対して、例えば図6(c)に例示するように、連続階調表現がなされた背景画像J、J0 中、原画像I0 にないエッジがあったとすると、これは、連続階調変換処理においてウィンドウサイズsの大きさが大きすぎたり局所的領域Rの位置が不適切であったりして生じる副作用であると考えられる。つまり、連続階調表現がなされた背景画像J、J0 中、原画像I0 にないエッジが存在するか否かを判定することにより、歪みを生じた部分を検出することが可能となる。
【0108】
そこで、こうして検出された歪みが生じた部分に対してより小さなウィンドウサイズsを有する局所的領域Rを設定し直し、この局所的領域Rに対して連続階調変換処理を再度行なう。この際、画素毎に適切な処理スケールを適宜決定できることが望ましいが、ボトムアップ的な画像解析によって自動的に最適な処理スケールを決めることは難しい。そこで、エッジ情報をもとにして、作った画像を原画像と比較しながら、疎から密への多重スケール処理により、最適な処理スケールを決めて行くことになる。
【0109】
もっとも、実際には、背景画像B、BFを一定のウィンドウサイズsを有する矩形状の局所的領域Rで覆い尽くすことはできない。そこで、実際のアルゴリズムでは、後述するように、縦横のランを用いて連続階調変換を行なう。
【0110】
2.処理の詳細
【0111】
[1001:縮小画像生成手段]
デジタルカラー画像である原画像I0 に対して、解像度が原画像I0 よりも低い縮小画像Iを生成する処理である。
【0112】
ここでは、単純に、入力画像を重なりのないブロックに分割し、ブロック内での信号の平均値を低解像度画像での対応する画素の信号に設定し、これによって縮小画像Iを生成する。ブロックの大きさ、すなわち、縮小率をrとすると、
【0113】
【数1】
となる。この際、縮小率rは常に自然数になるようにする。
【0114】
[2001:第1の抽出手段]
縮小画像Iに対して、前景画像Fと背景画像Bとを区別して抽出する処理である。
【0115】
この処理に先立って、ノイズ除去のため、低解像度の縮小画像Iを例えば線形フィルタで平滑化する。この際、初期状態として、すべての画素が前景要素として設定されていないとすると、
【0116】
【数2】
となる。
【0117】
そこで、平滑化された低解像度の縮小画像Iから、前景要素である前景画像Fを抽出する。この抽出処理には、エッジ強度の検出処理及びカラー信号の局所統計量の処理を用いる。以下、この二つの処理について説明する。
【0118】
まず、エッジ強度計算と前景抽出とについて説明する。低解像度の縮小画像Iに対して、エッジ強度を計算する(E0 )。画素[i,j]でのエッジ強度は、3つのチャンネル(RGB)に対して別個に計算されたエッジ強度の最大値である。つまり、
【0119】
【数3】
となる。ただし、S[I;i,j;k]は、縮小画像Iのkチャンネルでの画素[i,j]におけるエッジ強度である。このようにして計算されたエッジ強度を閾値処理(thr)することにより、
【数4】
として前景要素が得られる。なお、閾値については、予め固定値を設定しても良いし、外部から設定変更できるようにしても良い。
【0120】
次いで、局所統計量計算と前景抽出とについて説明する。この処理では、エッジ強度計算によるエッジ特徴の抽出処理によっては前景として抽出されなかった画素に対して、カラー成分の局所適応的二値化を行なうことにより、残りの前景要素の検出が行なわれる。例えば、各画素の周りに固定サイズのウィンドウを設定する。RGBチャンネルごとにウィンドウ内の画素の信号値の平均値μと標準偏差σとを計算して、aとbとをパラメータとした閾値μ(a+bσ)と信号値との比較を行ない、信号値が閾値よりも低いようなチャンネルが1つでもあれば、その画素[i,j]を前景要素に設定する。つまり、
【0121】
【数5】
となる。
【0122】
こうして、エッジ強度の検出処理とカラー信号の局所統計量の処理という二種類の処理によって前景要素である前景画像Fが抽出される。
【0123】
ここで、前景画像Fと背景画像Bとの区別した抽出は、エッジの抽出とカラー成分の二値化による文字や線画の抽出との組み合わせが可能である。例えば、縮小画像Iに対して、エッジの抽出とカラー成分の二値化による文字や線画の抽出との両方を行なっても、エッジの抽出だけを行なっても、カラー成分の二値化による文字や線画の抽出だけを行っても良い。但し、エッジ抽出だけでは、細い線のような画像を抽出することができない場合があるため、カラー成分の二値化と併用することが好ましい。また、エッジ抽出とカラー成分の二値化は、いずれの順序で行なっても良い。なお、カラー成分の二値化は、上述した局所対応的二値化に限定されず、固定閾値を用いた二値化であっても良い。
【0124】
[3001:第1の連続階調変換手段]
縮小画像Iから背景画像Bとして抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換し、連続階調処理された背景画像Jを生成する処理である。この処理は、疎から密への多重スケール処理として概略説明した処理であり、具体的には、初期連続階調画像の生成処理と階調画像の修正処理とから構成されている。そこで、これらの二つの処理、つまり、初期連続階調画像の生成処理と階調画像の修正処理とを順に説明する。
【0125】
まず、初期連続階調画像の生成処理の概略について説明する。
【0126】
図7は、初期連続階調画像の生成処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、初期連続階調画像を生成することが前提となっている。ここでは、初期連続階調画像として、縮小画像Iと同じサイズの画像であって、前景画素(前景画像Fの要素)では値ON、それ以外(背景画像Bの要素)では値OFFを持つような二値画像Pを構成する。ここに、図7のフローチャート中での記号の意味は、
入力情報として、
I:縮小画像
P:二値(前景/背景)画像
出力情報として、
J:連続階調処理後の背景画像
パラメータとして、
s:ウィンドウサイズ
w:画像の幅
h:画像の高さ
である。
【0127】
初期連続階調画像の生成処理では、背景画像Bとして抽出された画像に対して、予め決められた大きさのウィンドウを設定するウィンドウ設定手段(後述する図10のステップS301参照)と、各ウィンドウ内の色の平均値を各ウィンドウ内の画素として置き換え、これによって中間調ドットパターンを連続階調に変換する変換手段とを含んでいる。このような連続階調変換処理を実施することにより、原画像I0 に含まれている画像改善情報が如何なるものであるとしても、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善する画質向上処理の結果を向上させることが可能となる。
【0128】
また、変換手段では、ウィンドウ内の第1の方向、例えば横方向に沿うラインを細分化するランを設定して各ランについて色の平均値を求め(後述する図10のステップS302参照)、続いて、ウィンドウ内の第1の方向と直交する第2の方向、例えば縦方向に沿うラインを細分化するランを設定して各ランについて色の平均値を求め(後述する図10のステップS303参照)、ウィンドウ内の色の平均値を求めるようにしている。これにより、例えば縦横方向のラインを細分化するラン毎の色の平均値に基づいてウィンドウ内の色の平均値が求められるため、ウィンドウ内の色の平均値が精度良く求められる。
【0129】
ここで、より具体的な処理内容について説明する。図8(a)に示すように、横方向の各ラインに対して、長さが最大wsz(例えば、100dpiで4画素)であり、その中に前景要素の画素(PがONである画素)を含まないようなランを逐次構成する(ステップS201〜208、ステップS210〜212)。
【0130】
そして、各ランについて、ランを構成する画素の平均色を計算し、計算後の平均色をそのランを構成する各画素の色に設定する(ステップS209)。こうして、横方向のランを用いた連続階調変換処理をした画像C´が得られる。
【0131】
その後、図8(b)に示すように、縦方向のランを構成し、生成された画像C´に対して、上記と同様な連続階調変換処理を施す(ステップS251〜261)。
【0132】
このように、連続階調変換処理では、横方向で左から右、縦方向で上から下に、指定された長さになるか、前景画素に出会うまで、ランを順次構成して行く。ランが前景画素に出会ったときには、指定された長さより短くなることがあるので、そのラン上で推定された背景色が暗くなることがある。この問題を解決するために、ランが前景画素に出会って、ランの長さが指定の長さまで成長しなかったときには、図9に示すように、ランの始点から逆戻りして、ランを拡張する処理を行なう。すなわち、ランが前景画素に出会って、ランの長さがwsz未満のときに、ランの始点から逆戻りして、ランを拡張する。
【0133】
このようにして、横方向と縦方向のランに連続階調変換処理を施すことにより、初期連続階調画像Jが生成される。
【0134】
次いで、連続階調画像の修正処理の概略を図10にフローチャートに基づいて説明する。図10は、連続階調画像の修正処理の流れを示すフローチャートである。
【0135】
前述したように、初期連続階調画像の生成処理では、背景画像Bとして抽出された画像に対して、予め決められた大きさのウィンドウを設定し(ステップS301)と、各ウィンドウ内の色の平均値を各ウィンドウ内の画素として置き換え、これによって中間調ドットパターンを連続階調に変換する。この際、各ウィンドウの色の平均値は、前述したように、ウィンドウ内の第1の方向、例えば横方向に沿うラインを細分化するランを設定して各ランについて色の平均値を求め(ステップS302)、続いて、ウィンドウ内の第1の方向と直交する第2の方向、例えば縦方向に沿うラインを細分化するランを設定して各ランについて色の平均値を求め(ステップS303)、これによってウィンドウ内の色の平均値を求めるようにしている。
【0136】
ところが、画像に対してウィンドウを設定し、このウィンドウ内の色の平均値を各ウィンドウ内の画素として置き換える処理では、あるウィンドウとこれに隣接する別のウィンドウとの色の平均値が大きくかけ離れ、連続階調変換処理を施す前の原画像I0 には存在しなかったエッジが連続階調変換処理を施した画像(初期連続階調画像J)中に発生する可能性がある。
【0137】
そこで、本実施の形態の連続階調変換処理は、背景画像Bとして抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する連続階調変換処理を施した画像(初期連続階調画像J)からエッジを検出するエッジ検出手段と、検出したエッジを、連続階調変換処理を施す前の原画像I0 のエッジと比較し、連続階調変換処理を施す前の原画像I0 に存在するエッジなのか存在しないエッジなのかを判定する比較判定手段と、比較判定の結果、連続階調変換処理を施す前の原画像I0 に存在しないエッジの検出を判定した場合、その検出したエッジの周囲について連続階調変換処理を再度施す再変換手段と、を含む。
【0138】
つまり、図10に示すフローチャート中、ウィンドウ内の第1の方向と直交する第2の方向のランについて色の平均値を求めたら(ステップS303)、連続階調変換処理を施した画像(初期連続階調画像J)からエッジを検出(ステップS304)、検出したエッジを、連続階調変換処理を施す前の原画像I0 のエッジと比較する(ステップS305)。これにより、エッジ残差画像を生成し(ステップS306)、これを二値化し(ステップS307)、二値化されたエッジ残差画像に基づいて擬似エッジ、つまり連続階調変換処理を施す前の原画像I0 には存在しなかったエッジであるかどうかを判定する(ステップS308)。そして、擬似エッジが存在すると判定されなければ(ステップS308のN)処理を終了し、擬似エッジが存在すると判定されれば(ステップS308のY)、擬似エッジの周囲について前回よりも小さなウィンドウを設定し(ステップS309)、そのウィンドウサイズが予め決められたウィンドウサイズよりも小さくなるまで(ステップS310のY)、ウィンドウ中の第1の方向及び第2の方向について平均色を算出する処理(ステップS302、303)から続くステップS302〜309の処理を繰り返す。
【0139】
これにより、連続階調変換処理を施した画像(初期連続階調画像J)中に、連続階調変換処理を施す前の原画像I0 に存在しなかったエッジを発見した場合には、その検出したエッジの周囲について連続階調変換処理を再度施すことで、連続階調変換処理を施した画像(修正後の画像)を、連続階調変換処理を施す前の原画像I0 に近似させることが可能となる。
【0140】
ここで、比較判定手段は、各画素について、計算されたエッジ強度から連続階調変換処理を施す前の原画像I0 のエッジ強度を差し引き、その値が予め決められた閾値以上であれば連続階調変換処理を施す前の原画像I0 に存在しないエッジであると判定する。このような判定手法を採用することで、連続階調変換処理を施す前の原画像I0 には存在しなかったエッジが連続階調変換処理を施した画像(初期連続階調画像J)中に存在しているかどうかが容易に判定される。
【0141】
さらに、再変換手段によって連続階調変換処理を施す画像のウィンドウは、最初に設定されていたウィンドウの大きさよりも小さく設定する。これにより、連続階調変換処理が再度施されるに際して、あるウィンドウとこれに隣接する別のウィンドウとの色の平均値を近接させることが可能となり、それらの異なるウィンドウの平均値として規定される画素の連続性が維持され、良好な画像品質での画像再現が可能となる。
【0142】
ここで、初期連続階調画像Jを修正する、より具体的な処理内容について説明する。まず、概略として、
(a)各画素に対して、連続階調画像Jのエッジ強度から原画像I0 のエッジ強度E0 を引き、これによってエッジ残差画像を生成する。大半の画素では、残差が0以下の値になる。そして、エッジ残差画像を二値化処理し、疑似エッジ画像E1 を生成する。残差が閾値以上の画素をON、それ以外をOFFとする。ここで、ウィンドウの大きさを前回設定されていた大きさよりも小さく設定する。
【0143】
(b)そして、設定したウィンドウ内のランの長さwszの値を半分にする。疑似エッジ画像E1 でON画素の周囲に対して新しいwszの値を用いて連続階調変換処理を実行し、連続階調画像Cを生成する。なお、ランの長さwszの値を半分にすることを例示したが、ここではランの長さwszを短くすれば良く、必ずしも半分の長さにすることに限定されない。
【0144】
(c)背景色画像Jにおいて、疑似エッジ画像E1 でON画素の近傍の例えば(2・wsz−1)×(2・wsz−1)個の画素の色を、新しい連続階調画像Cでの色に置き換える。
【0145】
(d)wszが予め決められた最小サイズより小さくなるまで、上記(a)〜(c)の処理を、再帰的に繰り返す。
【0146】
次に、これらの(a)〜(d)について詳しく述べる。
【0147】
連続階調画像のエッジ検出のために、連続階調画像Jから上記と同様に、次式によってエッジ強度を計算する(E1 )。
【0148】
【数6】
【0149】
擬似エッジ検出のために、低解像度の縮小画像Iには存在せずに連続階調画像Jだけに存在する偽のエッジを次式により求める。
【0150】
【数7】
【0151】
背景色の修正のために、ウィンドウサイズ(wsz)を小さく(半分に)する。この新しい小さなウィンドウサイズ(wsz)で連続階調変換する(C)。そして、連続階調画像Jにおいて、擬似エッジの周囲を、次式のように今変換した色Cで置き換える。
【0152】
【数8】
【0153】
その後、修正処理の反復のために、ウィンドウサイズ(wsz)が指定された最小サイズより大きければ、連続階調画像修正の一連の処理を繰り返す。そうでなければ、ここで連続階調画像修正は終了する。
【0154】
[4001:第2の抽出手段]
縮小画像Iから前景画像Fとして抽出された画像に対して、この画像に対応する原画像上で前景画像FFと背景画像BFとを区別して抽出する処理である。
【0155】
つまり、低解像度の縮小画像Iから前景として抽出された前景画像Fに対して、原解像度で精細な処理を行なう。正確に言えば、前景画像Fに対応する原画像I0 上での領域は、[i/r,j/r]∈Fであるような画素[i,j]の集合である。そこで、この前景画像F内において、原画像I0 に対して前述した手法と同様にして前景抽出を行なう。この結果、前景として分類された領域である前景画像をFF、その残りの領域である背景画像をBF(=F−FF)とする。
【0156】
ここで、前景抽出に関しては、第1の抽出手段2001と同様に、エッジの抽出とカラー成分の二値化による文字や線画の抽出との組み合わせが可能である。例えば、縮小画像Iに対して、エッジの抽出とカラー成分の二値化による文字や線画の抽出との両方を行なっても、エッジの抽出だけを行なっても、カラー成分の二値化による文字や線画の抽出だけを行っても良い。
【0157】
そして、第1の抽出手段2001における前景画像Fと背景画像Bとの区別した抽出と、第2の抽出手段4001における前景画像FFと背景画像BFとの区別した抽出とに関して、エッジの抽出とカラー成分の二値化による文字や線画の抽出とを様々に組み合わせることが可能である。
【0158】
例えば、第1の抽出手段2001における前景画像Fと背景画像Bとの区別した抽出をエッジの抽出とカラー成分の二値化による文字や線画の抽出との両方で行ない、第2の抽出手段4001における前景画像FFと背景画像BFとの区別した抽出をエッジの抽出とカラー成分の二値化による文字や線画の抽出との両方、エッジの抽出のみ、又はカラー成分の二値化による文字や線画の抽出で行なうという三種類の組み合わせが可能である。
【0159】
別の例として、第1の抽出手段2001における前景画像Fと背景画像Bとの区別した抽出をエッジの抽出のみで行ない、第2の抽出手段4001における前景画像FFと背景画像BFとの区別した抽出をエッジの抽出とカラー成分の二値化による文字や線画の抽出との両方、エッジの抽出のみ、又はカラー成分の二値化による文字や線画の抽出で行なうという三種類の組み合わせが可能である。
【0160】
さらに別の例として、第1の抽出手段2001における前景画像Fと背景画像Bとの区別した抽出をカラー成分の二値化による文字や線画の抽出のみで行ない、第2の抽出手段4001における前景画像FFと背景画像BFとの区別した抽出をエッジの抽出とカラー成分の二値化による文字や線画の抽出との両方、エッジの抽出のみ、又はカラー成分の二値化による文字や線画の抽出で行なうという三種類の組み合わせが可能である。
【0161】
[5001:第2の連続階調変換手段]
原画像I0 から背景画像BFとして抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換し、連続階調処理された背景画像J0 を生成する処理である。
【0162】
つまり、原画像I0 から抽出した背景画像BF内において、原画像I0 に対して、前述した手法と同様の手法で連続階調変換処理を行ない、連続階調画像J0 を計算する。ここで、ランの初期長は、d・r(dは定数)と設定する。rは、低解像度である縮小画像Iの1画素分に相当し、物理的な長さは入力画像の解像度に関わらずほぼ一定になる。定数dは、ランの長さが中間調ドットパターンの周期よりも十分大きくなる様に設定する。
【0163】
[6001:合成手段]
第1の連続階調変換手段で連続階調に変換された画像Jと、第2の抽出手段で前景画像FFとして抽出された画像と、第2の連続階調変換手段で連続階調に変換された画像J0 とを合成する処理である。
【0164】
これにより、補正画像Qが得られる。この補正画像Qは、実際には、画素[i,j]において、
【0165】
【数9】
と表現される。
【0166】
[作用、効果]
以上説明したように、パーソナルコンピュータ301は、例えばインストールされた画像処理プログラムに従い、上述した各種の処理を実行する。つまり、前景画像Fと背景画像Bとを区別して抽出する処理が縮小画像Iに対して行なわれ(2001)、この処理によって前景画像Fとして抽出された画像について、さらに原画像I0 から前景画像FFと背景画像BFとを区別して抽出する処理が行なわれる(4001)。そして、縮小画像Iから前景画像Fとして抽出された画像と原画像I0 から背景画像BFとして抽出された画像とに対して、その中間調ドットパターンを連続階調に変換する処理が実行される(3001、5001)。そして、連続階調に変換された画像と原画像I0 から前景画像FFとして抽出された画像とが合成される。このようなことから、本実施の形態の発明は、次のような利点を備える。
【0167】
(1)中間調ドットパターンが連続階調に変換される画像合成後の背景画像の大部分は、縮小画像Iから抽出された背景画像Bであるので、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善するための機能をソフトウェアで実装する場合にも、実用に耐え得る処理速度を達成することができる。
【0168】
(2)中間調ドットパターンが連続階調に変換される画像合成後の背景画像の大部分は、縮小画像Iから抽出された画像であるため、原画像I0 には含まれていた各種の画像処理の痕跡が目立たなくなる。これにより、画像の送り手側で操作する画像入力機器401、601で入力されてその画像入力機器401、601の特性に依存する補正情報を含む画像を、その画像入力機器401、601と特性が異なる画像の受け手側で操作する画像出力機器501で再現処理する場合、あるいはインターネット通信網41を利用して外部環境から取得したような未知の補正情報を含む画像を再現処理する場合でも、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善する画質向上処理を簡単に適応することができ、よって、満足がいく画質を得ることができる。
【0169】
(3)中間調ドットパターンが連続階調に変換される画像合成後の背景画像の大部分は、縮小画像Iから抽出された画像であるため、原画像I0 には含まれていた各種の画像処理の痕跡が目立たなくなる。これにより、画像の送り手側で操作する画像入力機器401、601で入力された画像の中間調処理方式が如何なる処理方式を採用していようとも、これに依存することなく、画像の受け手側で操作する画像出力機器501において、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善した良好な画像品質での画像再現を実現することができる。
【0170】
なお、本実施の形態では、原画像I0 としてデジタルカラー画像を用い、このデジタルカラー画像に対して処理を施す一例を示したが、モノクロのような1つのチャンネルからなるデジタル画像についても同様に本発明が適用可能である。
【0171】
また、本実施の形態では、第2の抽出手段4001の機能、つまり、縮小画像Iから前景画像Fとして抽出された画像に対して、この画像に対応する原画像上で前景画像FFと背景画像BFとを区別して抽出する機能が実行され、第2の連続階調変換手段5001の機能、つまり、原画像I0 から背景画像BFとして抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換し、連続階調処理された背景画像J0 を生成する機能が実行される。このような第2の抽出手段4001の機能及び第2の連続階調変換手段5001の機能は、縮小画像Iから前景画像FFとして抽出された画像について、さらに原画像にI0 から前景画像FFと背景画像BFとを区別して抽出するという機能であり、これらの機能の実行は、より精密な前景画像F(FF)と背景画像B(BF)との区別に効果的である。しかしながら、前述した(1)、(2)及び(3)の効果は、必ずしも第2の抽出手段4001の機能及び第2の連続階調変換手段5001の機能が実施されなくても得られる。したがって、実施に当っては、デジタル画像である原画像I0 に対して、縮小画像生成手段1001、第1の抽出手段2001、第1の連続階調変換手段3001、及び合成手段6001の機能が実行されるような処理内容であっても良い。この場合、合成手段6001では、第1の抽出手段2001で前景画像Fとして抽出された画像と、第1の連続階調変換手段3001で連続階調に変換された画像Jとを合成する。あるいは、合成する画像として、第1の抽出手段2001で前景画像Fとして抽出された画像を用いるのではなく、原画像I0 中の第1の抽出手段2001で前景画像Fとして抽出された画像に対応する領域の画像を用いても良い。このような原画像I0 中の対応画像は、前述したように、[i/r,j/r]∈Fであるような画素[i,j]の集合である。
【0172】
【発明の効果】
[画像処理装置(請求項1ないし12)]請求項1記載の画像処理装置の発明は、デジタル画像である原画像に対して、解像度が原画像よりも低い縮小画像を生成する縮小画像生成手段と、前記縮小画像に対して、前景画像と背景画像とを区別して抽出する第1の抽出手段と、前記第1の抽出手段で前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する第1の連続階調変換手段と、第1の抽出手段で前記前景画像として抽出された画像に対して、当該画像に対応する原画像上での領域で前景画像と背景画像とを区別して抽出する第2の抽出手段と、前記第2の抽出手段で前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する第2の連続階調変換手段と、前記第1の連続階調変換手段で連続階調に変換された画像を前記原画像の解像度に拡大した画像と、前記第2の抽出手段で前記前景画像として抽出された画像と、前記第2の連続階調変換手段で連続階調に変換された画像とを合成する合成手段と、を具備するので、次に示す効果を有する。
(1)中間調ドットパターンが連続階調に変換される背景画像の大部分は、縮小画像から抽出された画像であるので、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善するための機能をソフトウェアで実装する場合にも、実用に耐え得る処理速度を達成することができる。
(2)中間調ドットパターンが連続階調に変換される背景画像の大部分は、縮小画像から抽出された画像であるため、原画像には含まれていた各種の画像処理の痕跡が目立たなくなる。これにより、画像の送り手側における画像入力機器で入力されてその画像入力機器の特性に依存する補正情報を含む画像を、その画像入力機器と特性が異なる画像の受け手側の画像処理機器で再現処理する場合、あるいは未知の補正情報を含む画像を再現処理する場合でも、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善する画質向上処理を簡単に適応することができ、よって、満足がいく画質を得ることができる。
(3)中間調ドットパターンが連続階調に変換される背景画像の大部分は、縮小画像から抽出された画像であるため、原画像には含まれていた各種の画像処理の痕跡が目立たなくなる。これにより、画像の送り手側における画像入力機器で入力された画像の中間調処理方式が如何なる処理方式を採用していようとも、これに依存することなく、画像の受け手側で出力画像の粒状性やモアレ現象を改善した良好な画像品質での画像再現を実現することができる。
(4)縮小画像から前景画像として抽出された画像については、さらに原画像から前景画像と背景画像とを区別して抽出する処理が行なわれ、より精密な前景画像と背景画像との区別がなされる。
【0182】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置において、前記第1の連続階調変換手段と前記第2の連続階調変換手段との何れか一方又は両方は、前記背景画像として抽出された画像に対して予め決められた大きさのウィンドウを設定するウィンドウ設定手段と、前記各ウィンドウ内の色の平均値を前記各ウィンドウ内の画素として置き換え、これによって中間調ドットパターンを連続階調に変換する変換手段と、を具備するので、原画像に含まれている画像改善情報が如何なるものであるとしても、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善する画質向上処理の結果を飛躍的に向上させることができる。
【0183】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の画像処理装置において、前記変換手段は、前記ウィンドウ内の第1の方向に沿うラインを細分化するランを設定して各ランについて色の平均値を求め、前記ウィンドウ内の前記第1の方向と直交する第2の方向に沿うラインを細分化するランを設定して各ランについて色の平均値を求め、これによって前記ウィンドウ内の色の平均値を求めるようにしたので、ウィンドウ内の色の平均値を精度良く求めることができ、したがって、良好な画像品質での画像再現を行なうことができる。
【0184】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の画像処理装置において、前記第1の連続階調変換手段と前記第2の連続階調変換手段との何れか一方又は両方は、前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する連続階調変換処理を施した画像からエッジを検出するエッジ検出手段と、検出したエッジを、連続階調変換処理を施す前の画像のエッジと比較し、連続階調変換処理を施す前の画像に存在するエッジなのか存在しないエッジなのかを判定する比較判定手段と、比較判定の結果、連続階調変換処理を施す前の画像に存在しないエッジの検出を判定した場合、その検出したエッジの周囲について連続階調変換処理を再度施す再変換手段と、を具備するので、画像に対してウィンドウを設定し、このウィンドウ内の色の平均値を各ウィンドウ内の画素として置き換える処理では、あるウィンドウとこれに隣接する別のウィンドウとの色の平均値が大きくかけ離れ、連続階調変換処理を施す前の画像には存在しなかったエッジが連続階調変換処理を施した画像中に発生する可能性があるのに対して、本請求項の発明では、連続階調変換処理を施した画像中に、連続階調変換処理を施す前の画像に存在しなかったエッジを発見した場合には、その検出したエッジの周囲について連続階調変換処理を再度施すことで、連続階調変換処理を施した画像を、連続階調変換処理を施す前の画像により近似させることができ、したがって、良好な画像品質での画像再現を行なうことができる。
【0185】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の画像処理装置において、前記比較判定手段は、各画素について、前記エッジ検出手段で計算されたエッジ強度から連続階調変換処理を施す前の画像のエッジ強度を差し引き、その値が予め決められた閾値以上であれば連続階調変換処理を施す前の画像に存在しないエッジであると判定するので、連続階調変換処理を施す前の画像には存在しなかったエッジが連続階調変換処理を施した画像中に存在しているかどうかを容易に判定することができる。
【0186】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の画像処理装置において、前記再変換手段は、前記ウィンドウ設定手段で設定する前記ウィンドウの大きさを、前回の連続階調変換処理のときよりも小さく設定するので、連続階調変換処理を再度施すに際して、あるウィンドウとこれに隣接する別のウィンドウとの色の平均値を近接させ、それらの異なるウィンドウの平均値として規定される画素の連続性を維持することができ、したがって、良好な画像品質での画像再現を行なうことができる。
【0187】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか一記載の画像処理装置において、前記第1の抽出手段は、前記縮小画像に対して、エッジの抽出と二値化とを行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出するので、前景画像と背景画像とを確実に区別して抽出することができ、本発明の画像処理装置の効果を確実なものとすることができる。
【0188】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか一記載の画像処理装置において、前記第1の抽出手段は、前記縮小画像に対して、エッジの抽出を行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出するので、前景画像と背景画像とを確実に区別して抽出することができ、本発明の画像処理装置の効果を確実なものとすることができる。
【0189】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか一記載の画像処理装置において、前記第1の抽出手段は、前記縮小画像に対して、二値化を行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出するので、前景画像と背景画像とを確実に区別して抽出することができ、本発明の画像処理装置の効果を確実なものとすることができる。
【0190】
請求項10記載の発明は、請求項7、8又は9記載の画像処理装置において、前記第2の抽出手段は、前記縮小画像から前記前景画像として抽出された画像に対して、エッジの抽出と二値化とを行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出するので、前景画像と背景画像とを確実に区別して抽出することができ、本発明の画像処理装置の効果を確実なものとすることができる。
【0191】
請求項11記載の発明は、請求項7、8又は9記載の画像処理装置において、前記第2の抽出手段は、前記縮小画像から前記前景画像として抽出された画像に対して、エッジの抽出を行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出するので、前景画像と背景画像とを確実に区別して抽出することができ、本発明の画像処理装置の効果を確実なものとすることができる。
【0192】
請求項12記載の発明は、請求項7、8又は9記載の画像処理装置において、前記第2の抽出手段は、前記縮小画像から前記前景画像として抽出された画像に対して、二値化を行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出するので、前景画像と背景画像とを確実に区別して抽出することができ、本発明の画像処理装置の効果を確実なものとすることができる。
【0193】
[画像処理プログラム(請求項13ないし18)]請求項13記載の画像処理プログラムの発明は、コンピュータに解釈され、このコンピュータに、デジタルカラー画像である原画像に対して、解像度が原画像よりも低い縮小画像を生成する縮小画像生成手段と、前記縮小画像に対して、前景画像と背景画像とを区別して抽出する第1の抽出手段と、前記第1の抽出手段で前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する第1の連続階調変換手段と、前記第1の抽出手段で前記前景画像として抽出された画像に対して、当該画像に対応する原画像上での領域で前景画像と背景画像とを区別して抽出する第2の抽出手段と、
前記第2の抽出手段で前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する第2の連続階調変換手段と、前記第1の連続階調変換手段で連続階調に変換された画像を原画像の解像度に拡大した画像と、前記第2の抽出手段で前記前景画像として抽出された画像と、前記第2の連続階調変換手段で連続階調に変換された画像とを合成する合成手段と、を実行させる次に示す効果を有する。
(1)中間調ドットパターンが連続階調に変換される背景画像の大部分は、縮小画像から抽出された画像であるので、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善するための機能をソフトウェアで実装する場合にも、実用に耐え得る処理速度を達成することができる。
(2)中間調ドットパターンが連続階調に変換される背景画像の大部分は、縮小画像から抽出された画像であるため、原画像には含まれていた各種の画像処理の痕跡が目立たなくなる。これにより、画像の送り手側における画像入力機器で入力されてその画像入力機器の特性に依存する補正情報を含む画像を、その画像入力機器と特性が異なる画像の受け手側の画像処理機器で再現処理する場合、あるいは未知の補正情報を含む画像を再現処理する場合でも、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善する画質向上処理を簡単に適応することができ、よって、満足がいく画質を得ることができる。
(3)中間調ドットパターンが連続階調に変換される背景画像の大部分は、縮小画像から抽出された画像であるため、原画像には含まれていた各種の画像処理の痕跡が目立たなくなる。これにより、画像の送り手側における画像入力機器で入力された画像の中間調処理方式が如何なる処理方式を採用していようとも、これに依存することなく、画像の受け手側で出力画像の粒状性やモアレ現象を改善した良好な画像品質での画像再現を実現することができる。
(4)縮小画像から前景画像として抽出された画像については、さらに原画像から前景画像と背景画像とを区別して抽出する処理が行なわれ、より精密な前景画像と背景画像との区別がなされる。
【0200】
請求項14記載の発明は、請求項13記載の画像処理プログラムにおいて、前記第1の連続階調変換手段と前記第2の連続階調変換手段との何れか一方又は両方は、前記背景画像として抽出された画像に対して予め決められた大きさのウィンドウを設定するウィンドウ設定手段と、前記各ウィンドウ内の色の平均値を前記各ウィンドウ内の画素として置き換え、これによって中間調ドットパターンを連続階調に変換する変換手段と、を前記コンピュータに実行させるので、原画像に含まれている画像改善情報が如何なるものであるとしても、出力画像の粒状性やモアレ現象を改善する画質向上処理の結果を飛躍的に向上させることができる。
【0201】
請求項15記載の発明は、請求項14記載の画像処理プログラムにおいて、前記変換手段は、前記ウィンドウ内の第1の方向に沿うラインを細分化するランを設定して各ランについて色の平均値を求め、前記ウィンドウ内の前記第1の方向と直交する第2の方向に沿うラインを細分化するランを設定して各ランについて色の平均値を求め、これによって前記ウィンドウ内の色の平均値を求めるようにしたので、ウィンドウ内の色の平均値を精度良く求めることができ、したがって、良好な画像品質での画像再現を行なうことができる。
【0202】
請求項16記載の発明は、請求項14又は15記載の画像処理プログラムにおいて、前記第1の連続階調変換手段と前記第2の連続階調変換手段との何れか一方又は両方は、前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する連続階調変換処理を施した画像からエッジを検出するエッジ検出手段と、検出したエッジを、連続階調変換処理を施す前の画像のエッジと比較し、連続階調変換処理を施す前の画像に存在するエッジなのか存在しないエッジなのかを判定する比較判定手段と、比較判定の結果、連続階調変換処理を施す前の画像に存在しないエッジの検出を判定した場合、その検出したエッジの周囲について連続階調変換処理を再度施す再変換手段と、を前記コンピュータに実行させるので、画像に対してウィンドウを設定し、このウィンドウ内の色の平均値を各ウィンドウ内の画素として置き換える処理では、あるウィンドウとこれに隣接する別のウィンドウとの色の平均値が大きくかけ離れ、連続階調変換処理を施す前の画像には存在しなかったエッジが連続階調変換処理を施した画像中に発生する可能性があるのに対して、本請求項の発明では、連続階調変換処理を施した画像中に、連続階調変換処理を施す前の画像に存在しなかったエッジを発見した場合には、その検出したエッジの周囲について連続階調変換処理を再度施すことで、連続階調変換処理を施した画像を、連続階調変換処理を施す前の画像により近似させることができ、したがって、良好な画像品質での画像再現を行なうことができる。
【0203】
請求項17記載の発明は、請求項16記載の画像処理プログラムにおいて、前記比較判定手段は、各画素について、前記エッジ検出手段で計算されたエッジ強度から連続階調変換処理を施す前の画像のエッジ強度を差し引き、その値が予め決められた閾値以上であれば連続階調変換処理を施す前の画像に存在しないエッジであると判定するので、連続階調変換処理を施す前の画像には存在しなかったエッジが連続階調変換処理を施した画像中に存在しているかどうかを容易に判定することができる。
【0204】
請求項18記載の発明は、請求項16又は17記載の画像処理プログラムにおいて、前記再変換手段は、前記ウィンドウ設定手段で設定する前記ウィンドウの大きさを、前回の連続階調変換処理のときよりも小さく設定するので、連続階調変換処理を再度施すに際して、あるウィンドウとこれに隣接する別のウィンドウとの色の平均値を近接させ、それらの異なるウィンドウの平均値として規定される画素の連続性を維持することができ、したがって、良好な画像品質での画像再現を行なうことができる。
【0205】
[画像処理プログラムを記憶する記憶媒体(請求項19)]請求項19記載の発明は、請求項13ないし18の何れか一記載の画像処理プログラムを記憶する記憶媒体である。それらの各請求項に記載された発明と同一の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態におけるシステム構築例を示す模式図である。
【図2】画像処理装置のモジュール構成図である。
【図3】画像処理プログラムによって実行される手段を模式的に示す機能ブロック図である。
【図4】図3の機能ブロック図に含まれる各種の手段の実行手順を示すフローチャートである。
【図5】ウィンドウ内での局所的領域を示す模式図である。
【図6】ウィンドウ内での局所的領域にエッジが出現した様子を示す模式図である。
【図7】連続階調処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】連続階調変換処理の様子を示す模式図である。
【図9】ランを拡張する処理の様子を示す模式図である。
【図10】連続階調画像の修正処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1001 縮小画像生成手段
2001 第1の抽出手段
3001 第1の連続階調変換手段
4001 第2の抽出手段
5001 第2の連続階調変換手段
6001 合成手段、合成手段
B、BF 背景画像
F、FF 前景画像
FF 第2の抽出手段で前景画像として抽出された画像
I0 原画像
I 縮小画像
J 第1の連続階調変換手段で連続階調に変換された画像
J0 第2の連続階調変換手段で連続階調に変換された画像
Claims (19)
- デジタル画像である原画像に対して、解像度が原画像よりも低い縮小画像を生成する縮小画像生成手段と、
前記縮小画像に対して、前景画像と背景画像とを区別して抽出する第1の抽出手段と、
前記第1の抽出手段で前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する第1の連続階調変換手段と、
前記第1の抽出手段で前記前景画像として抽出された画像に対して、当該画像に対応する原画像上での領域で前景画像と背景画像とを区別して抽出する第2の抽出手段と、
前記第2の抽出手段で前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する第2の連続階調変換手段と、
前記第1の連続階調変換手段で連続階調に変換された画像を前記原画像の解像度に拡大した画像と、前記第2の抽出手段で前記前景画像として抽出された画像と、前記第2の連続階調変換手段で連続階調に変換された画像とを合成する合成手段と、を具備する画像処理装置。 - 前記第1の連続階調変換手段と前記第2の連続階調変換手段との何れか一方又は両方は、
前記背景画像として抽出された画像に対して予め決められた大きさのウィンドウを設定するウィンドウ設定手段と、
前記各ウィンドウ内の色の平均値を前記各ウィンドウ内の画素として置き換え、これによって中間調ドットパターンを連続階調に変換する変換手段と、を具備する請求項1記載の画像処理装置。 - 前記変換手段は、
前記ウィンドウ内の第1の方向に沿うラインを細分化するランを設定して各ランについて色の平均値を求め、前記ウィンドウ内の前記第1の方向と直交する第2の方向に沿うラインを細分化するランを設定して各ランについて色の平均値を求め、
これによって前記ウィンドウ内の色の平均値を求めるようにした請求項2記載の画像処理装置。 - 前記第1の連続階調変換手段と前記第2の連続階調変換手段との何れか一方又は両方は、
前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する連続階調変換処理を施した画像からエッジを検出するエッジ検出手段と、
検出したエッジを、連続階調変換処理を施す前の画像のエッジと比較し、連続階調変換処理を施す前の画像に存在するエッジなのか存在しないエッジなのかを判定する比較判定手段と、
比較判定の結果、連続階調変換処理を施す前の画像に存在しないエッジの検出を判定した場合、その検出したエッジの周囲について連続階調変換処理を再度施す再変換手段と、を具備する請求項2又は3記載の画像処理装置。 - 前記比較判定手段は、各画素について、前記エッジ検出手段で計算されたエッジ強度から連続階調変換処理を施す前の画像のエッジ強度を差し引き、その値が予め決められた閾値以上であれば連続階調変換処理を施す前の画像に存在しないエッジであると判定する請求項4記載の画像処理装置。
- 前記再変換手段は、前記ウィンドウ設定手段で設定する前記ウィンドウの大きさを、前回の連続階調変換処理のときよりも小さく設定する請求項4又は5記載の画像処理装置。
- 前記第1の抽出手段は、前記縮小画像に対して、エッジの抽出と二値化とを行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出する請求項1ないし6のいずれか一記載の画像処理装置。
- 前記第1の抽出手段は、前記縮小画像に対して、エッジの抽出を行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出する請求項1ないし6のいずれか一記載の画像処理装置。
- 前記第1の抽出手段は、前記縮小画像に対して、二値化を行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出する請求項1ないし6のいずれか一記載の画像処理装置。
- 前記第2の抽出手段は、前記縮小画像から前記前景画像として抽出された画像に対して、エッジの抽出と二値化とを行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出する請求項7、8又は9記載の画像処理装置。
- 前記第2の抽出手段は、前記縮小画像から前記前景画像として抽出された画像に対して、エッジの抽出を行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出する請求項7、8又は9記載の画像処理装置。
- 前記第2の抽出手段は、前記縮小画像から前記前景画像として抽出された画像に対して、二値化を行ない、これによって前記前景画像と前記背景画像とを区別して抽出する請求項7、8又は9記載の画像処理装置。
- コンピュータに解釈され、このコンピュータに、デジタル画像である原画像に対して、解像度が原画像よりも低い縮小画像を生成する縮小画像生成手段と、
前記縮小画像に対して、前景画像と背景画像とを区別して抽出する第1の抽出手段と、
前記第1の抽出手段で前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する第1の連続階調変換手段と、
前記第1の抽出手段で前記前景画像として抽出された画像に対して、当該画像に対応する原画像上での領域で前景画像と背景画像とを区別して抽出する第2の抽出手段と、
前記第2の抽出手段で前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する第2の連続階調変換手段と、
前記第1の連続階調変換手段で連続階調に変換された画像を原画像の解像度に拡大した画像と、前記第2の抽出手段で前記前景画像として抽出された画像と、前記第2の連続階調変換手段で連続階調に変換された画像とを合成する合成手段と、を実行させる画像処理プログラム。 - 前記第1の連続階調変換手段と前記第2の連続階調変換手段との何れか一方又は両方は、
前記背景画像として抽出された画像に対して予め決められた大きさのウィンドウを設定するウィンドウ設定手段と、
前記各ウィンドウ内の色の平均値を前記各ウィンドウ内の画素として置き換え、これによって中間調ドットパターンを連続階調に変換する変換手段と、を前記コンピュータに実行させる請求項13記載の画像処理プログラム。 - 前記変換手段は、
前記ウィンドウ内の第1の方向に沿うラインを細分化するランを設定して各ランについて色の平均値を求め、
前記ウィンドウ内の前記第1の方向と直交する第2の方向に沿うラインを細分化するランを設定して各ランについて色の平均値を求め、
これによって前記ウィンドウ内の色の平均値を求めるようにした請求項14記載の画像処理プログラム。 - 前記第1の連続階調変換手段と前記第2の連続階調変換手段との何れか一方又は両方は、
前記背景画像として抽出された画像の中間調ドットパターンを連続階調に変換する連続階調変換処理を施した画像からエッジを検出するエッジ検出手段と、
検出したエッジを、連続階調変換処理を施す前の画像のエッジと比較し、連続階調変換処理を施す前の画像に存在するエッジなのか存在しないエッジなのかを判定する比較判定手段と、
比較判定の結果、連続階調変換処理を施す前の画像に存在しないエッジの検出を判定した場合、その検出したエッジの周囲について連続階調変換処理を再度施す再変換手段と、を前記コンピュータに実行させる請求項14又は15記載の画像処理プログラム。 - 前記比較判定手段は、各画素について、前記エッジ検出手段で計算され たエッジ強度から連続階調変換処理を施す前の画像のエッジ強度を差し引き、その値が予め決められた閾値以上であれば連続階調変換処理を施す前の画像に存在しないエッジであると判定する請求項16記載の画像処理プログラム。
- 前記再変換手段は、前記ウィンドウ設定手段で設定する前記ウィンドウの大きさを、前回の連続階調変換処理のときよりも小さく設定する請求項16又は17記載の画像処理プログラム。
- 請求項13ないし18の何れか一記載の画像処理プログラムを記憶し、機械読み取り可能である記憶媒体。
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