JP4169467B2 - 可逆記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可逆記録可能な感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来技術】
分子量が2000以下で、ガラス転移温度が35℃以上の中分子量のコレステリック液晶化合物またはその混合物からなる記録材料において、コレステリック液晶状態から急冷することにより、その固定反射色を常温で長期間保存でき、さらに、液晶状態に戻せば繰り返し書き込むことが出来る記録材料が知られている(N.Tamaoki,A.V.Parfenov,A.Masaki,H.Matsuda,Adv.Mater.1997,9,1102−1104、特開平11−24027号公報参照)。
この記録材料は、書き換え可能なフルカラー記録や、多値記録媒体への応用が可能である。
【0003】
この記録材料を書き換え可能なフルカラー表示用の材料として用いる際には、図1のように、二枚の基板(ベースフィルム及びカバーフィルム)の一方に光吸収層を設け、両基板間にコレステリック液晶系記録材料(Ch液晶)を挟んだ構成とし、コレステリック液晶の分子配向状態を変化させ、急冷固定することにより、様々な色を室温で安定に記録することが出来る。
しかしながらこの記録材料は、反射波長が温度に依存することを一つの特徴とし、その依存性は化合物固有である。そのため、反射波長の温度特性を変化させたい場合には、新たに要求される特性に適合したコレステリック液晶を設計および合成しなければならない。
また、これまでに得られているコレステリック液晶は、温度に対しほぼ単調に反射波長が変化するため、加熱印字の際に、熱の拡散、加熱ムラ等による色の滲みが出てしまう。
少なくとも一方が透明な二枚の基板間にコレステリック液晶系記録材料が挟持されている可逆記録媒体において、該記録材料として2種類以上の液晶化合物の混合物を用いた例としては、ポリマー分散型のものが挙げられるが(特開平6−258622号公報、特開平8−152605号公報など)、液晶とポリマーが相分離するために反射波長範囲を拡大するような効果は得られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、簡便に反射波長の温度特性を変化させることができる可逆記録材料の提供を目的とする。
また、書き換えが容易であり、室温で反射色の固定が可能であり、選択反射波長範囲を可視光範囲とすることができ、反射波長の温度特性を短波長側にシフトさせることができる可逆記録材料の提供を目的とする。
さらに、加熱印字の際に、熱の拡散、加熱ムラ等による色の滲みを無くし、綺麗な印字をすることができる可逆記録材料の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題は次の1)〜4)の発明(以下、本発明1〜4という)によって解決される。
1) 少なくとも一方が透明な二枚の基板間にコレステリック液晶系記録材料が挟持され、かつ該記録材料が、その一部、あるいは全部の領域を等方相あるいはコレステリック液晶相を示す温度まで加熱させた後、加熱した領域を、ある決められた温度以下まで急冷することにより、または、該記録材料が、その一部、あるいは全部の領域を等方相あるいはコレステリック液晶相を示す温度まで加熱させた後、加熱した領域を、固定化を所望する選択波長に応じて適当な冷却速度を選択してある決められた温度以下に冷却することにより、所望のコレステリック反射色を固定して記録を行うことができ、更に、再度加熱することにより、記録の消去が可能であることを特徴とする可逆記録材料において、前記記録材料が、二種類のコレステリック液晶化合物からなり、その一方が、下記式(a)において、Z、Y両者がコレステリル基の化合物であり、他方が、下記式(a)において、Z、Y両者がスティグマステリル基で、m=n=8である化合物であって、後者の化合物の混合比が、全体の10重量%未満であることを特徴とする可逆記録材料。
〔化4〕
Z−O−CO−(CH2)m−C≡C−C≡C−(CH2)n−CO−O−Y (a)
(式中、Z、Yはコレステリル基又はスティグマステリル基を表し、m、nは各々独立して1〜10の整数を表す。)
2) 少なくとも一方が透明な二枚の基板間にコレステリック液晶系記録材料が挟持さ れ、かつ該記録材料が、その一部、あるいは全部の領域を等方相あるいはコレステリック液晶相を示す温度まで加熱させた後、加熱した領域を、ある決められた温度以下まで急冷することにより、または、該記録材料が、その一部、あるいは全部の領域を等方相あるいはコレステリック液晶相を示す温度まで加熱させた後、加熱した領域を、固定化を所望する選択波長に応じて適当な冷却速度を選択してある決められた温度以下に冷却することにより、所望のコレステリック反射色を固定して記録を行うことができ、更に、再度加熱することにより、記録の消去が可能であることを特徴とする可逆記録材料において、前記記録材料が、下記式(a)、(b)で表される二種類のコレステリック液晶化合物からなり、その一方が、下記式(a)において、Z、Y両者がコレステリル基で、m=n=8の化合物であり、他方が、下記式(b)において、Z、Y両者がコレステリル基で、p=18である化合物であって、下記式(b)の化合物の混合比が全体の20重量%より多く40重量%未満であることを特徴とする可逆記録材料。
〔化5〕
Z−O−CO−(CH2)m−C≡C−C≡C−(CH2)n−CO−O−Y (a)
〔化6〕
Z−O−CO−(CH2)p−CO−O−Y (b)
3) 1)又は2)記載の可逆記録材料を用いた感熱記録層を有するリライトカード。
4) 1)又は2)記載の可逆記録材料を用いた感熱記録層を有するデジタルペーパー。
【0006】
以下、本発明を詳しく説明する。
図2は、コレステリック液晶性化合物の相変化モデルであるが、結晶相から加熱していくと融点以上で等方相となる。そこからコレステリック液晶相を示す温度範囲まで冷却すると、温度に応じた選択反射色を示すようになる。
一般に、高温側で短波長の色を、低温側で長波長の色を示す材料が多いが、80℃〜150℃程度の比較的高温領域でコレステリック液晶相を示す材料が好ましい。
コレステリック液晶相から室温程度まで徐冷すると、結晶化して光散乱による白濁状態となる。この時、記録層が数+μm以下に薄い場合はほぼ透明として観測される場合もある。
【0007】
温度によって種々の選択反射色を示すコレステリック液晶相から室温程度まで一気に急冷すると、コレステリック液晶相の螺旋状分子配列をほぼ保持したガラス状固体(コレステリックガラス相)になり、その螺旋ピッチに依存した選択反射色が固定化される。
この時、コレステリックガラス相に入射した光のうち、選択反射されずに透過した波長の光を吸収するための光吸収層を設けることで、選択反射された波長の光のみが観測され、コントラストが向上する。
また、等方相から室温程度まで冷却する時の急冷速度を変化させることで、コレステリックガラス相の選択反射色を変化させることもできる。急冷速度が大きい場合には高温で出現する短波長の選択反射色を固定化でき、急冷速度が小さい場合には低温で出現する長波長の選択反射色を固定化できる。
【0008】
一度記録されたコレステリックガラス相を再び高温に加熱して等方相または液晶相に変化させることで、記録は消去され、別な冷却条件によって新たな情報を記録することにより、任意の選択反射色を示す記録部が可逆的に記録できる。
コレステリックガラス相を100℃程度の温度に再加熱しても結晶化した白濁状態が記録できる。但し、材料によってはコレステリックガラス相から液晶相に直接転移する場合もある。
ここで、中分子量のコレステリック液晶性化合物の分子量が900より小さいと急冷条件でも結晶化が起こってしまい、コレステリックガラス相が固定されない場合がある。これは、急冷に伴う分子の再配向が早いためと考えられる。また、分子量が10000より大きいと1画素が数百ミリ秒程度以下での実用的な記録や消去が困難になる場合がある。
【0009】
本発明では、記録材料が特定の二種類のコレステリック液晶化合物からなる。
反射色をガラス状態で固定できるコレステリック液晶化合物に、さらに他のコレステリック液晶化合物を混合することにより、それぞれを単独で使用した場合に比べて分子間相互作用の強さが変化し、それに伴い液晶相の温度範囲、屈折率、コレステリック液晶の螺旋ピッチの幅が変化するために反射波長の温度特性を変化させることができる。
【0010】
本発明で使用するコレステリック液晶化合物は、ガラス転移点が30℃未満であると室温で安定に反射色を保存することが出来ないため、ガラス転移点が30℃以上の化合物であること、及び高分子であると再加熱による可逆記録が困難なため、分子量が10000以下であること、更には分子量2000以下のものが少なくとも一つ含まれることが望ましい。
また、記録層を構成する他のコレステリック液晶化合物として分子量が2000以下の中分子量のコレステリック液晶化合物を用いると、反射色をガラス状態で固定できるコレステリック液晶化合物と分子構造が近いためコレステリックガラス相の熱的安定性が高くなり好ましい。
【0011】
上記コレステリック液晶化合物としては、室温で反射色の固定が可能であるような温度特性を有するものが好ましい。また、その選択反射波長が、通常の状態で400〜700nm程度の可視光領域に存在するものが好ましく、この場合は人間が視認することができる。ただし、機械により読み取る場合などは、紫外領域や赤外領域に選択反射波長が存在していてもよい。
【0012】
本発明で使用する好ましい液晶化合物としては、例えば前記式(a)又は(b)で表される化合物が挙げられる。
このような中分子量のコレステリック液晶化合物の具体例としては、図3に示すI−8、 II−18、I−8−Stig、I−8−DiHCが挙げられるが、これらの化合物は、可視波長が得られる上に、ガラス状態が室温で安定であるため好ましい。但し、前述のコレステリックガラス相による記録特性を示すものならばこれらの化合物に限定されるものではない。
【0013】
また、これらの化合物を二種類以上組み合わせて混合することにより、簡便に可逆記録材料の持つ特性である反射波長の温度特性を変化させることができ、室温で反射色の固定が可能で、書き換えが容易であり、選択反射波長範囲が可視光領域内にある可逆記録材料が得られる。
同じくこれらの化合物を二種類以上組み合わせて混合することにより、反射波長の温度特性を短波長側にシフトさせることができる。
さらに、本発明では、混合比を変化させることにより、温度が変化しても反射波長が変化しない領域を持たせることが出来ることを初めて見出し、加熱印字の際の色の滲みの問題を解決した。
【0014】
感熱記録層の厚さは、0.5〜50μm、好ましくは1〜20μmの範囲から適宜選択すればよい。感熱記録層が薄すぎると最大反射が得られる波長における反射率が低くなるため表示画像のコントラストが低下し、厚すぎると感熱記録層での光吸収が多くなって表示画像のコントラストが低下する。
なお、感熱記録層は、選択反射を示す液晶化合物だけで構成することが好ましいが、バインダ樹脂やスペーサー粒子を含有するものであってもよい。
バインダ樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエステルなどが挙げられる。
スペーサー粒子としては、一般的な液晶デイスプレイ用に用いられているものが使用できる。
【0015】
次に、本発明の実施態様について説明する。
分子量が2000以下のコレステリック液晶化合物と光学活性な化合物を適当な比率で有機溶媒に溶かし、攪拌後乾燥することによりコレステリック液晶混合物を得る。この時、目的の特性に合わせ、適宜、他の液晶化合物、高分子化合物等を混合しても良い。
この混合物を二枚の基板に挟み、加熱手段により、該コレステリック液晶混合物が透明状態となる温度に加熱した後、冷却手段により、ある冷却速度で冷却し、各温度によるコレステリック反射波長を顕微紫外可視分光装置により測定する。
【0016】
図4〜図5として、実施例3〜4に関する、混合比を変化させたときのコレステリック液晶混合物の反射波長の温度依存性を示したが、各図より、混合比を変化するだけで反射波長の温度依存性を自在に変化させられることが分かる。
またこれらのコレステリック液晶混合物は、反射色が得られている温度から水などを用いて室温に急冷することにより、容易にコレステリックガラス状態に変化し、反射色の固定ができる。
さらに、このコレステリック液晶状態の記録材料を、等方相となる温度まで加熱すると記録が消去され、再び同様な手順で記録ができる。
【0017】
加熱手段としては、必要とする加熱速度などに応じて、適当な加熱手段及び加熱条件を選択すればよく、具体的にはホットプレート、レーザー光、サーマルヘッドなどを使用することが出来るが、これらに限定されるものではない。
冷却手段としては、必要とする冷却速度などに応じて、適当な冷却手段及び冷却条件を選択すればよく、具体的には水冷、空冷、金属板、ガラス板等などを使用することが出来るが、これらに限定されるものではない。
基板としては、ガラス、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックフィルムを使用することが出来るが、これらに限定されるものではない。
【0018】
また、記録層と接する側の表面に配向膜を形成した基板も使用可能であり、例えば、次の方法で作製できる。
まず、可溶性ポリイミド溶液(JSRオプトマーAL3046、日本合成ゴム社製)を使用し、これを1重量%濃度となるように溶解させた塗布液を、洗浄処理したガラス基板上にスピンコートし、乾燥処理を経て樹脂薄膜を形成する。
次いで、平面部材に一般的なLCD配向膜用のラビング布を貼りつけ、ポリイミド面と接離可能に配置させる。
ここでガラス基板あるいは平面部材を往復運動させ、どちらか一方向に移動する時のみラビング布とポリイミド面を均一加重で接触させて一方向に摺擦する。
ラビング処理したポリイミド膜面が内側になるようにして、可逆記録媒体基板として使用する。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0020】
実施例1
I−8〔式(a)において、Z、Yがコレステリル基、m=n=8である化合物〕に、I−8−Stig〔式(a)において、Z、Yがスティグマステリル基、m=n=8である化合物〕を5、10、30重量%の割合で混合し、ジクロロメタンに両者を溶かし、攪拌後乾燥することにより3種類の液晶混合物を作成した。
この混合物約10mgを、1.8cm×2.5cm×0.12mmのガラスプレートで挟み、ホットプレート上で130℃に加熱して等方相とし、降温する際の反射色を目視確認したところ、どの混合比の液晶混合物も、降温するに従い反射波長が長波長へシフトした。
一方、100℃における反射波長を顕微紫外可視分光装置により測定したところ、表1の様になり、同じ温度であっても、混合比を変えることにより長波長へシフトさせることが出来た。
即ち、液晶混合物の混合比を変化させることで、容易に反射波長の温度依存性を変化させられることが分かった。
【0021】
【表1】
【0022】
実施例2
I−8〔式(a)において、Z、Yがコレステリル基、m=n=8である化合物〕に、II−18〔式(b)において、Z、Yがコレステリル基、p=18である化合物〕を20、30、40重量%の割合で混合し、ジクロロメタンに両者を溶かし、攪拌後乾燥することにより3種類の液晶混合物を作成した。
この混合物約10mgを、1.8cm×2.5cm×0.12mmのガラスプレートで挟み、ホットプレート上で130℃に加熱して等方相とし、降温する際の反射色を目視確認したところ、どの混合比の液晶混合物も、降温するに従い反射波長が長波長へシフトした。
一方、90℃における反射波長を顕微紫外可視分光装置により測定したところ、表3の様になり、同じ温度であっても、混合比を変えることで急激に長波長へシフトさせることが出来た。
即ち、液晶混合物の混合比を変化させることにより、容易に反射波長の温度依存性を変化させられることが分かった。
【0023】
【表2】
【0024】
実施例3
I−8〔式(a)において、Z、Yがコレステリル基、m=n=8である化合物〕に、I−8−Stig〔式(a)において、Z、Yがスティグマステリル基、m=n=8である化合物〕を5、10、30重量%の割合で混合し、ジクロロメタンに両者を溶かし、攪拌後乾燥することにより3種類の液晶混合物を作成した。
この混合物約10mgを、1.8cm×2.5cm×0.12mmのガラスプレートで挟み、ホットプレート上で130℃に加熱して等方相とし、降温する際の反射波長を顕微紫外可視分光装置により測定した。
図4に示した測定結果から、液晶混合物の混合比を変化させることで、反射波長の温度依存性を変化させられることが分かる。
さらに、5重量%の混合比に於いて、70〜80℃の温度範囲に亘って反射波長が約630nmで変化しない領域が出来た。
この領域が出来たことにより、75℃のホットプレート上で反射色を出し、室温の水で急冷したところ、加熱ムラ、熱拡散等による滲みのないオレンジ色の記録ができた。
【0025】
実施例4
I−8〔式(a)において、Z、Yがコレステリル基、m=n=8である化合物〕に、II−18〔式(b)において、Z、Yがコレステリル基、p=18である化合物〕を20、30、40重量%の割合で混合し、ジクロロメタンに両者を溶かし、攪拌後乾燥することにより3種類の液晶混合物を作成した。
この混合物約10mgを、1.8cm×2.5cm×0.12mmのガラスプレートで挟み、ホットプレート上で130℃に加熱して等方相とし、降温する際の反射波長を顕微紫外可視分光装置により測定した。
図5に示した測定結果から、液晶混合物の混合比を変化させることで、反射波長の温度依存性を変化させられることが分かる。
さらに、30%の混合比に於いて、70〜80℃の温度範囲に亘って反射波長が約560nmで変化しない領域が出来た。
この領域が出来たことにより、80℃のホットプレート上で反射色を出し、室温の水で急冷したところ、加熱ムラ、熱拡散等による滲みのない緑色の記録ができた。
【0026】
【発明の効果】
本発明1〜2によれば、簡便に反射波長の温度特性を変化させることができ、書き換えが容易で、室温で反射色の固定が可能であり、選択反射波長範囲が可視光領域にあると共に、反射波長の温度特性として、温度が変化しても赤又は緑の反射波長で波長が変化しない領域を有し、この様な領域を有することにより、加熱印字の際に、熱の拡散、加熱ムラ等による色の滲みが無くなり、綺麗な印字が出来る可逆記録材料が得られる。
本発明3〜4によれば、本発明1〜2の可逆記録材料の優れた物性を活かしたリライトカードあるいはデジタルペーパーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コレステリック液晶を用いた書き換え可能なフルカラー表示装置の構成を示す図である。
【図2】 コレステリック液晶性化合物の相変化モデルを示す図である。
【図3】 本発明で用いられる中分子量のコレステリック液晶性化合物の例を示す図である。
(イ)は、I−8を示す図。
(ロ)は、II−18を示す図。
(ハ)は、I−8−Stigを示す図。
(ニ)は、I−8−DiHCを示す図。
【図4】 実施例3の混合コレステリック液晶化合物について、混合比を変化させたときの反射波長の温度依存性を示す図である。
【図5】 実施例4の混合コレステリック液晶化合物について、混合比を変化させたときの反射波長の温度依存性を示す図である。
Claims (4)
- 少なくとも一方が透明な二枚の基板間にコレステリック液晶系記録材料が挟持され、かつ該記録材料が、その一部、あるいは全部の領域を等方相あるいはコレステリック液晶相を示す温度まで加熱させた後、加熱した領域を、ある決められた温度以下まで急冷することにより、または、該記録材料が、その一部、あるいは全部の領域を等方相あるいはコレステリック液晶相を示す温度まで加熱させた後、加熱した領域を、固定化を所望する選択波長に応じて適当な冷却速度を選択してある決められた温度以下に冷却することにより、所望のコレステリック反射色を固定して記録を行うことができ、更に、再度加熱することにより、記録の消去が可能であることを特徴とする可逆記録材料において、前記記録材料が、二種類のコレステリック液晶化合物からなり、その一方が、下記式(a)において、Z、Y両者がコレステリル基の化合物であり、他方が、下記式(a)において、Z、Y両者がスティグマステリル基で、m=n=8である化合物であって、後者の化合物の混合比が、全体の10重量%未満であることを特徴とする可逆記録材料。
〔化1〕
Z−O−CO−(CH2)m−C≡C−C≡C−(CH2)n−CO−O−Y (a)
(式中、Z、Yはコレステリル基又はスティグマステリル基を表し、m、nは各々独立して1〜10の整数を表す。) - 少なくとも一方が透明な二枚の基板間にコレステリック液晶系記録材料が挟持され、かつ該記録材料が、その一部、あるいは全部の領域を等方相あるいはコレステリック液晶相を示す温度まで加熱させた後、加熱した領域を、ある決められた温度以下まで急冷することにより、または、該記録材料が、その一部、あるいは全部の領域を等方相あるいはコレステリック液晶相を示す温度まで加熱させた後、加熱した領域を、固定化を所望する選択波長に応じて適当な冷却速度を選択してある決められた温度以下に冷却することにより、所望のコレステリック反射色を固定して記録を行うことができ、更に、再度加熱することにより、記録の消去が可能であることを特徴とする可逆記録材料において、前記記録材料が、下記式(a)、(b)で表される二種類のコレステリック液晶化合物からなり、その一方が、下記式(a)において、Z、Y両者がコレステリル基で、m=n=8の化合物であり、他方が、下記式(b)において、Z、Y両者がコレステリル基で、p=18である化合物であって、下記式(b)の化合物の混合比が全体の20重量%より多く40重量%未満であることを特徴とする可逆記録材料。
〔化2〕
Z−O−CO−(CH2)m−C≡C−C≡C−(CH2)n−CO−O−Y (a)
〔化3〕
Z−O−CO−(CH2)p−CO−O−Y (b) - 請求項1又は2記載の可逆記録材料を用いた感熱記録層を有するリライトカード。
- 請求項1又は2記載の可逆記録材料を用いた感熱記録層を有するデジタルペーパー。
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