JP4169387B2 - 植物育成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物の育種または栽培等、農学の研究、実験に使用する植物育成装置であって、植物を収納する育成室を備え、該育成室内に温度が調整された空気を循環させて、環境要因を人為的に制御可能な植物育成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の植物育成装置では、植物を収納する育成室内の温度や湿度を任意に制御できるように構成されており、育成室内において様々な環境条件下で、植物の育成実験や研究を行えるようになっている。一般に、前記育成室の傍らには、制御室が隔壁で仕切られるように設けられており、この制御室内で温度等が調整された空気が、育成室内に循環するように構成されている。
【0003】
ここで温度の制御は、制御室内に配設したヒータによる加熱作用と、冷凍機による冷却作用を組み合わせることで、所定の温度に恒常的に調整できるようになっていた。また、湿度の制御は、装置内に設けてある加湿器を稼働させて加湿し、除湿する場合には、冷却器の稼働により育成室内の湿気を水滴に凝縮させる、いわゆる冷却減湿作用により行っていた。
【0004】
特に除湿にあたっては、温度制御において冷凍機が稼働している冷却時では、除湿操作量に応じて冷凍機の出力を増大させ、その冷却減湿作用によって除湿を行う。一方、ヒータが稼働している加熱時では、同じく除湿操作量に応じてヒータの出力を増大させる。すると、温度を所定温度に保つべく、結果として冷却負荷が増大し、その冷却減湿作用によって除湿が行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した植物育成装置での除湿では、冷却操作側で温度制御している時に、冷凍機の出力をそのまま増大させて除湿する場合、過冷却となり、制御していた所望の温度が一時的に低温側に乱れてしまうという問題があった。また、温度制御において、再加熱のための稼働エネルギー喪失が大きくなるという問題もあった。
【0006】
一方、加熱操作側で温度制御している時に、前記除湿操作で先ず最初にヒータの出力を増大させた場合、加熱過多となり、制御していた所望の温度が一時的に高温側に乱れてしまうという問題があった。また、温度制御において、再冷却のための稼働エネルギー喪失が大きくなるという問題もあった。
【0007】
本発明は、以上のような従来技術が有する問題点に着目してなされたもので、除湿操作時における温度制御の乱れを抑制することができ、しかも除湿操作時における再加熱や再冷却に伴う稼働エネルギーの喪失を抑制することで、コスト低減が可能な植物育成装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の項の発明に存する。
[1]植物を収納する育成室(20)を備え、該育成室(20)内に温度および湿度が調整された空気を循環させて、環境要因を人為的に制御可能な植物育成装置(10)において、
前記育成室(20)内へ循環させる空気を加熱するヒータ(41)と、冷却する冷凍機(42)と、前記ヒータ(41)および冷凍機(42)のそれぞれの出力を制御する制御手段(50)とを有して成り、
前記制御手段(50)は、
育成室(20)内の測定温度と予め設定した目標温度とに基づき、測定温度を目標温度に近づけるように、前記ヒータ(41)と冷凍機(42)の出力を制御する温度制御部(51)と、
育成室(20)内の測定湿度と予め設定した目標湿度とに基づき、測定湿度を目標湿度に近づけるように、前記ヒータ(41)と冷凍機(42)の出力、および別途設けてある加湿器(44)の出力を制御する湿度制御部(52)とを有し、
前記湿度制御部(52)により加湿制御する場合、前記温度制御部(51)によりヒータ(41)と冷凍機(42)のそれぞれの出力が制御される一方、
前記湿度制御部(52)により除湿制御する場合、ヒータ(41)の出力が冷凍機(42)の出力を上回る加熱時には、前記温度制御部(51)によりヒータ(41)の出力が、前記湿度制御部(52)により冷凍機(42)の出力がそれぞれ制御され、冷凍機(42)の出力がヒータ(41)の出力を上回る冷却時には、前記温度制御部(51)により冷凍機(42)の出力が、前記湿度制御部(52)によりヒータ(41)の出力がそれぞれ制御されるように設定したことを特徴とする植物育成装置(10)。
【0010】
次に前述した解決手段に基づく作用を説明する。
本発明に係る植物育成装置(10)によれば、前記育成室(20)内へ循環させる空気はヒータ(41)で加熱され、冷凍機(42)で冷却されて、それぞれの出力が制御手段(50)で制御されることで、育成室(20)内は所望の温度に保たれる。
【0011】
前記温度調整において、ヒータ(41)の出力が冷凍機(42)の出力を上回る加熱時に、除湿を行う場合には、制御手段(50)が冷凍機(42)の出力を制御することで除湿される。すなわち、除湿操作量に応じて冷凍機(42)を一時的に稼働させれば、循環空気中の湿気が凝縮して水滴となり除湿される。
【0012】
この時、ヒータ(41)の稼働による加熱中に、除湿のために従来の如くヒータ(41)出力量を更に増大させることはなく、最初から冷凍機(42)を稼働させるから、加熱と冷却が拮抗して加熱過多になることがない。従って、制御温度が大きく乱れることはなく、また、除湿時における温度制御のための加熱に要す稼働エネルギーを抑えることができる。
【0013】
一方、冷凍機(42)の出力がヒータ(41)の出力を上回る冷却時に、除湿を行う場合には、前記制御手段(50)がヒータ(41)の出力を制御することで除湿される。すなわち、除湿操作量に応じてヒータ(41)を一時的に稼働させると、温度を所定温度に保つべく結果として冷却負荷が増大し、その冷却減湿作用により除湿される。
【0014】
この時、冷凍機(42)の稼働による冷却中に、除湿のために従来の如くそのまま単に冷却出力量を増大させるのではなく、先ず最初にヒータ(41)を稼働させて、その操作量を相殺する程度に冷凍機(42)の出力を増大させるため、温度冷却と除湿のための冷却が累積されることがなく、過冷却を防ぐことができる。従って、制御温度が大きく乱れることはなく、また、除湿時における温度制御のため前記冷却に要す稼働エネルギーを抑えることができる。
【0015】
更に具体的には、育成室(20)内は、次のように所望の温度および湿度に保たれる。制御手段(50)の温度制御部(51)により、育成室(20)内の測定温度と目標温度とに基づき、測定温度を目標温度に近づけるための出力値が算出される。この出力値に応じて、加熱が必要な場合はヒータ(41)、冷却が必要な場合は冷凍機(42)の出力操作量がそれぞれ制御される。
【0016】
また、制御手段(50)の湿度制御部(52)により、育成室(20)内の測定湿度と目標湿度とに基づき、測定湿度を目標湿度に近づけるための出力値が算出される。この出力値に応じて、加湿の場合は加湿器(44)の出力操作量が制御され、温度制御部(51)により、加熱が必要な場合はヒータ(41)、冷却が必要な場合は冷凍機(42)の出力がそれぞれ制御される。
一方、除湿の場合には、温度制御において加熱中か冷却中であるかが判断されて、前述した場合分けで、すなわち、ヒータ(41)の出力が冷凍機(42)の出力を上回る加熱時には、前記温度制御部(51)によりヒータ(41)の出力が、前記湿度制御部(52)により冷凍機(42)の出力がそれぞれ制御され、冷凍機(42)の出力がヒータ(41)の出力を上回る冷却時には、前記温度制御部(51)により冷凍機(42)の出力が、前記湿度制御部(52)によりヒータ(41)の出力がそれぞれ制御される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明を代表する一実施の形態を説明する。
図1〜図4は本発明の一実施の形態を示している。
図1に示すように、植物育成装置10は、箱型の機本体10a内に、植物を収納する育成室20と、該育成室20の側方に隔壁22で仕切られた制御室40を備えて成る。制御室40内で温度および湿度が調整された空気は、育成室20の底面部側より天井側へと循環するように構成されている。
【0018】
育成室20の底面部側には、機本体10aの底面壁と平行な床板21が設けられている。床板21には多数の吹出孔(図示せず)が開設され、この床板21下方は、育成室20内へ調整済みの空気を吹き出す吹出空間20aとなっている。植物を植えた鉢等は床板21上に載置される。また、育成室20の天井側には、例えばナトリウム灯等の人工光源30が配設されている。
【0019】
前記育成室20と制御室40とを仕切る隔壁22には、前記育成室20側の循環空気を制御室40側へ導く吸込口23が設けられている。吸込口23には、空気中の塵や埃を除去するエアーフィルタを装着するとよい。また、制御室40側より吸込口23を臨む位置には、温度および湿度を検知するセンサ24が配設されている。
【0020】
制御室40内には、前記育成室20内へ循環させる空気を加熱するヒータ41と、冷却する冷凍機42、それに空気を循環させるための送風機43が配設されている。ここでヒータ41は、一般の電熱ヒータから成る。また、冷凍機42は、圧縮機、凝縮器、減圧器、蒸発器等を具備して成る。
【0021】
ヒータ41および冷凍機42は、何れも電気的に出力操作量を適宜調整できるものであり、後述する制御手段50によって、それぞれの出力が制御されるように設定されている。なお、冷凍機42に冷却液用電磁弁を設けて、該冷却液用電磁弁を制御することで、ヒータ41の出力調整を行うように構成してもよい。
【0022】
図1に示すように、制御室40下側は、前記育成室20の床板21下方の吹出空間20aに連通している。また、吹出空間20aには、加湿器44が配設されている。この加湿器44は、前記ヒータ41や冷凍機42と共に、制御手段50によって制御されるように設定されている。
【0023】
制御手段50は、前記ヒータ41や冷凍機42を含む各機器を集中管理するものであり、インターフェース,CPU,RAM,ROM等から構成されたマイクロコンピュータから成る。図2に示すように、特に制御手段50は、温度制御部51と、湿度制御部52、それに切換制御部53を有している。
【0024】
温度制御部51は、育成室20内の測定温度と予め設定した目標温度とに基づき、測定温度を目標温度に近づけるように、前記ヒータ41と冷凍機42の出力を制御するものである。詳しく言えば、図4に示すように、温度制御部51の比較回路51aにより、前記測定温度PVと目標温度SPとの偏差の値Eが算出され、この値Eに基づいて、PID演算部51bより、PID演算処理により出力内部演算値(MVTC)が算出されるように設定されている。
【0025】
ここで出力内部演算値(MVTC)とは、測定温度PVと目標温度SPとの偏差の値Eに対してPID演算をしている出力%値である。また、前記PID演算部51bには、加熱用、冷却用の制御定数(比例帯、積分・微分時間等)が設けられており、これらの制御定数は、自動的に切り換わるように設定されている。
【0026】
詳しくはPID演算部51bでは、出力内部演算値(MVTC)が50以上の場合は加熱用の制御定数が選択され、出力内部演算値(MVTC)が50未満の場合は冷却用の制御定数が選択されるように設定されている。かかる出力内部演算値(MVTC)は、後述する切換制御部53を経て、加熱または冷却出力として算出される。
【0027】
湿度制御部52は、育成室20内の測定湿度と予め設定した目標湿度とに基づき、測定湿度を目標湿度に近づけるように、前記ヒータ41と冷凍機42の出力、および加湿器44の出力を制御するものである。かかる湿度制御部52でも、前記温度制御部51と同様のPID演算処理により加湿または除湿出力が算出され、前記各機器41,42,44の出力が調整されるように設定されている。
【0028】
具体的には、湿度に関する出力内部演算値(MVHC)が50以上の場合は加湿用の制御定数が選択され、出力内部演算値(MVHC)が50未満の場合は除湿用の制御定数が選択されるように設定されている。すなわち、出力内部演算値(MVHC)が50以上の場合は、湿度制御部52から加湿信号が出力され、50未満の場合は、湿度制御部52から除湿信号が出力される。
【0029】
切換制御部53は、ヒータ41の出力が冷凍機42の出力を上回る加熱時に除湿する場合、具体的には、図3に示す図表の中で、出力内部演算値(MVTC)が50以上で出力内部演算値(MVHC)が50未満の場合に、冷凍機42の出力を制御して除湿を行うように、一対のスイッチA,Bの接点を切り換えるものである。
【0030】
また、切換制御部53は、冷凍機42の出力がヒータ41の出力を上回る冷却時に除湿する場合、具体的には、図3に示す図表の中で、出力内部演算値(MVTC)が50未満で出力内部演算値(MVHC)も50未満の場合に、ヒータ41の出力を制御して除湿を行うように、一対のスイッチA,Bの接点を切り換えるものである。
【0031】
次に作用を説明する。
図1において、前記育成室20内へ循環させる空気は、制御室40にあるヒータ41で加熱され、また冷凍機42で冷却されて、所望の温度に調整されてから、育成室20下方の吹出空間20aへ送られる。この温度調整済みの空気は、吹出空間20a内で、必要に応じて加湿器44で加湿されてから、育成室20の床板21にある多数の吹出孔を通って育成室20内へ吹き出される。
【0032】
前記ヒータ41、冷凍機42、それに加湿器44等の稼働は、図2に示す制御手段50で制御されており、育成室20内は所望の温度および湿度に保たれる。温度調整に関しては、図4に示す温度制御部51の比較回路51aにより、育成室20の測定温度PVと目標温度SPとの偏差の値Eが算出され、この値Eに基づいて、PID演算部51bより、PID演算処理により出力内部演算値(MVTC)が算出される。
【0033】
湿度調整に関しても、図示省略したが前記温度調整の場合と同様に、湿度制御部52によって、育成室20の測定湿度と目標湿度との偏差の値が算出され、この値に基づいてPID演算処理により、湿度に関する出力内部演算値(MVHC)が算出される。
【0034】
温度に関する出力内部演算値(MVTC)が50以上の場合は加熱が必要となり、50未満の場合は冷却が必要となる。また、湿度に関する出力内部演算値(MVHC)が50以上の場合は加湿が必要となり、50未満の場合は除湿が必要となる。これら出力内部演算値(MVTC,MVHC)は切換制御部53により判断され、該切換制御部53による一対のスイッチA,Bの接点を切り換え操作により、温度および湿度の具体的な制御は、以下のように行われる。
【0035】
先ず、図3の図表において、湿度に関する出力内部演算値(MVHC)が50以上の場合、湿度制御部52から出力される加湿信号に基づき、前記出力内部演算値(MVHC)に応じて加湿器44が稼働される。そして、湿度に関する出力内部演算値(MVHC)が50以上の場合では、温度に関する出力内部演算値(MVTC)が50以上、50未満に拘わらず、一対のスイッチA,Bの接点はそれぞれ温度制御部51側につながる。
【0036】
それにより、温度制御部51によって、前記出力内部演算値(MVTC)が算出されると、その値に応じて、加熱が必要な場合はヒータ41、冷却が必要な場合は冷凍機42の出力操作量がそれぞれ適宜制御されて、所望の温度に調整・維持される。
【0037】
次に、図3の図表において、温度に関する出力内部演算値(MVTC)が50以上で、かつ湿度に関する出力内部演算値(MVHC)が50未満の場合、すなわち、加熱時に除湿を行う場合には、切換制御部53は、ヒータ41側のスイッチBの接点を温度制御部51側につなげる一方、冷凍機42側のスイッチAの接点を湿度制御部52側につなげる。
【0038】
それにより、湿度制御部52が冷凍機42の出力を制御することで除湿が行われる。すなわち、湿度制御部52で算出された出力内部演算値(MVHC)に基づく除湿操作量に応じて、冷凍機42が一時的に稼働され、循環空気中の湿気が凝縮して水滴となり除湿される。
【0039】
このように、ヒータ41の稼働による加熱中に、除湿のために従来の如くヒータ出力量を更に増大させることはなく、最初から冷凍機42を稼働させるから、加熱と冷却が拮抗して加熱過多になることがない。従って、制御温度が大きく高温側に乱れることはなく、また、除湿時における温度制御のための加熱に要す稼働エネルギーを極力抑えることができる。
【0040】
また、図3の図表において、温度に関する出力内部演算値(MVTC)が50未満で、かつ湿度に関する出力内部演算値(MVHC)も50未満の場合、すなわち、冷却時に除湿を行う場合には、切換制御部53は、ヒータ41側のスイッチBの接点を湿度制御部52側につなげる一方、冷凍機42側のスイッチAの接点を温度制御部51側につなげる。
【0041】
それにより、湿度制御部52がヒータ41の出力を制御することで除湿が行われる。すなわち、湿度制御部52で算出された出力内部演算値(MVHC)に基づく除湿操作量に応じて、ヒータ41を一時的に稼働させると、温度を所定温度に保つべく結果として冷凍機42の冷却負荷が増大し、その冷却減湿作用により除湿される。
【0042】
このように、冷凍機42の稼働による冷却中に、除湿のために従来の如くそのまま単に冷却出力量を増大させるのではなく、先ず最初にヒータ41を稼働させて、その操作量を相殺する程度に冷凍機42の出力を増大させる。そのため、温度冷却と除湿のための冷却が累積されることがなく、過冷却を防ぐことができる。従って、制御温度が大きく低温側に乱れることはなく、また、除湿時における温度制御のため前記冷却に要す稼働エネルギーを極力抑えることができる。
【0043】
なお、本発明に係る植物育成装置は、前述した実施の形態に係る具体的構成に限定されるものではない。例えば、温度調整における加熱時とは、ヒータのみが稼働している状況に限らず、ヒータの出力が冷凍機の出力を上回る状態であればよく、一方、温度調整における冷却時とは、冷凍機のみが稼働している状況に限らず、冷凍機の出力がヒータの出力を上回る状態であればよい。
【0044】
また、温度および湿度の制御は、それぞれに関する出力内部演算値が50となり、図5に示す如く不感帯が0となる場合を例にして説明したが、その他、図6に示す如く不感帯が0より大きくなる場合や、あるいは図7に示す如く不感帯が0未満となる場合の制御も可能なように設定してもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明に係る植物育成装置によれば、温度調整における加熱時に除湿する場合は、冷凍機の出力を制御して除湿するから、従来の如くヒータ出力量を更に増大させることはなく、加熱過多を防ぐことができる。一方、温度調整における冷却時に除湿する場合は、ヒータの出力を制御して除湿するから、従来の如く温度冷却と除湿冷却とが累積されることがなく、過冷却を防ぐことができる。以上により、制御温度が大きく乱れることがなくなり、植物育成に関する正確な実験データを収集することができ、また、除湿時における温度制御のために要す稼働エネルギーを抑えることで、コスト低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る植物育成装置の内部構造を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る植物育成装置を構成する制御装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る植物育成装置を構成する制御手段による温度および湿度の制御態様を説明する図表である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る植物育成装置を構成する制御手段による温度制御の詳細を説明するブロック線図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る植物育成装置を構成する制御手段による温度、湿度の制御において、不感帯=0の場合の出力内部演算値の変化を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施の形態に係る植物育成装置を構成する制御手段による温度、湿度の制御において、不感帯>0の場合の出力内部演算値の変化を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施の形態に係る植物育成装置を構成する制御手段による温度、湿度の制御において、不感帯<0の場合の出力内部演算値の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10…植物育成装置
10a…機本体
20…育成室
20a…吹出空間
21…床板
23…吸込口
30…人工光源
40…制御室
41…ヒータ
42…冷凍機
43…送風機
44…加湿器
50…制御手段
51…温度制御部
51a…比較回路
51b…PID演算部
52…湿度制御部
53…切換制御部
Claims (1)
- 植物を収納する育成室を備え、該育成室内に温度および湿度が調整された空気を循環させて、環境要因を人為的に制御可能な植物育成装置において、
前記育成室内へ循環させる空気を加熱するヒータと、冷却する冷凍機と、前記ヒータおよび冷凍機のそれぞれの出力を制御する制御手段とを有して成り、
前記制御手段は、
育成室内の測定温度と予め設定した目標温度とに基づき、測定温度を目標温度に近づけるように、前記ヒータと冷凍機の出力を制御する温度制御部と、
育成室内の測定湿度と予め設定した目標湿度とに基づき、測定湿度を目標湿度に近づけるように、前記ヒータと冷凍機の出力、および別途設けてある加湿器の出力を制御する湿度制御部とを有し、
前記湿度制御部により加湿制御する場合、前記温度制御部によりヒータと冷凍機のそれぞれの出力が制御される一方、
前記湿度制御部により除湿制御する場合、ヒータの出力が冷凍機の出力を上回る加熱時には、前記温度制御部によりヒータの出力が、前記湿度制御部により冷凍機の出力がそれぞれ制御され、冷凍機の出力がヒータの出力を上回る冷却時には、前記温度制御部により冷凍機の出力が、前記湿度制御部によりヒータの出力がそれぞれ制御されるように設定したことを特徴とする植物育成装置。
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