JP4168469B2 - 楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図22はコイルばねmの斜視図であり、矢印方向に次工程へ供給したい場合には、図23に示すようにからんでいては1個づつこの姿勢で供給することができない。これに対処するために、例えば実公昭52−4693号公報においては、振動パーツフィーダのボウルの内周壁部に形成された螺旋状のトラックの排出端部近くの直上方に、ほぼ直方形状の密閉空間を有するケーシングを取り付け、この下壁部は空気を噴き抜けさせるための誘導板とされており、この下方を通過するトラック上のからんだコイルばねを、下方からの噴出空気により上方へと噴き飛ばし、上壁部に衝突させてからみをほぐし、下方に落下したコイルばねを次工程へと供給するようにしている。
【0003】
しかし、このようなコイルばねのからみほぐし装置では、トラックの下方から大量の空気を噴出しなければならず、圧縮空気の消費量が大量となり、かつ、またケーシングの上壁部に衝突した後、落下すると再びからむ場合もある。
【0004】
また、特公昭55−5445号公報のコイルばね送給装置によれば、振動パーツフィーダのボウルの中央部に陣笠状のコイル衝撃体を設け、この下方に導いたからんだコイルばねにボウルの底壁面から空気を噴出させ、陣笠の内壁面に衝突させることによりからんだコイルをほぐすようにしているが、やはり大量の噴出空気を必要とし、かつ陣笠に衝突した後、再びからむことが多かった。
【0005】
本出願人はからんだコイルばねを、空気の消費量を従来より少なくして確実にそのからみをほぐすこと、及び重量の大きいコイルばねも処理出来ること、を目的として図24〜図26で示すように軸心に沿って下方に開口180を形成した円筒状体161をほぼ水平に配設し、この円筒状体161の内壁の頂壁部に前記軸心に沿って所定のピッチで複数の平板181を固定し、それ自身の軸心の回りに回転する長手状回転体164を、前記開口180の側縁部に隙間182をおいて上方に突出するように配設して、からんだコイルばねmを円筒状体161の一端から供給し、長手状回転体164の回転によりコイルばねmを反跳させて平板181に衝突させながら円筒状体161の他端側へ移送することによって、コイルばねのからみをほぐすようにした構成を開発した(実開平6−80734号)。
【0006】
図27、図28は、更に本出願人が開発した他例(特開平8−188229号)を示すが、例えば選別ゲート31aを通過し得ない絡んだコイルばねmは定常的なコイルばねmの移送を停止させるが、選別ゲート31aの下流端近傍に設けられている移送停止検知センサ36aが移送の停止を検知すると、図28を参照して、その信号の入力される図示しないコントローラはエアシリンダ32aを操作してゲートブロック34aを引き上げて開位置とすると共に、排除空気噴出ノズル37aから瞬時的に空気を噴出させて絡んだコイルばねmをU字形トラック35aから排除して下方の収集路38へ落下させる。そして収集路38上の絡んだコイルばねmは捩り振動を受けて下流側へ移送され、移送を介助する送り空気噴出ノズル39からの噴出空気にも助けられて下流端に接続されているからみほぐし装置40へ導かれる。
【0007】
本出願人は更に、先に上記問題に鑑みて製造コストを低下させ、部品の形状及び部品の整送手段の形状がいかなるものであっても確実に部品の詰りを除去することができる振動部品パーツフィーダを提供することを目的として振動部品搬送機は、内周壁部にスパイラル状の部品移送用トラックを形成させた部品受容器、該部品受容器を水平方向に振動可能に支持する水平振動用弾性手段、前記部品受容器を水平方向に加振するための水平駆動電磁石、前記部品受容器を垂直方向に振動可能に支持する垂直振動用弾性手段、前記部品受容器を垂直方向に加振するための垂直駆動電磁石を備え、前記水平駆動電磁石と前記垂直駆動電磁石に供給される各電圧に位相差をもたせるように商用周波の三相交流電源を前記水平駆動電磁石と前記垂直駆動電磁石に接続するだ円振動部品供給機であって、前記水平駆動電磁石と前記垂直駆動電磁石とのうちいずれか一方と前記三相交流電源との間に相切換スイッチを設け、前記部品詰り検知手段が部品の詰りを検知したときには、この検知出力により前記相切換スイッチを切換えて、前記所定の方向とは逆方向に部品を搬送するように振動させるようにした振動部品搬送機を開発した(特許番号第2062544号)。
【0008】
然るに上述の振動パーツフィーダにおいては三相交流電源の各相間の切換えにより、部品の移送詰まりを解除するようにしているが、垂直方向及び水平方向に共に強制振動であり、その共振点よりはるか低い周波数で振動している時には、振動力と振動変位との位相差が0であり、振動変位の位相差を60度として移送速度を大きくすることができる。また共に共振周波数より、高い周波数でも同様に最適な位相差60度を得るができ、また一方が共振点よりはるかに低く、また他方がはるか高い場合においても相間で切換えることによって最適な位相差の60度で楕円振動をさせることができる。
【0009】
然しながら、板ばねをばねとして使用する場合においても粘性係数は小さくても有限の値であり、共振点にある垂直方向または水平方向においては振動変位と力との位相差は90度であり、これから60度の位相差を持って他の振動系を振動させるためには力の位相差は必ずしも60度ではない。従って上記の特許において楕円振動させ、移送方向を変えて部品の移送詰まりを防止することができるが、定常状態における楕円振動は必ずしも電力消費上好ましくはない。また、60度の位相差を常に得ることができるというわけではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上の従来例では部品のからみをとるために何れも大量の空気を必要とするか、複雑な構造物を必要とする。あるいは、消費電力上、好ましくない。本発明はこれらの点に鑑みて、複雑な構造を必要とすることも大量の空気を必要とすることもなく、また、消費電力も極力小とし得る楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題は、垂直方向加振源と、水平方向加振源と、内周壁にスパイラル状のトラックを形成させ、該トラック上又は該トラックに近接して設けた部品整送手段により部品を整送して供給するボウルと、該ボウルを水平方向に振動するように支持する水平方向用振動用ばねと、前記ボウルを垂直方向に振動するように支持する垂直方向用振動用ばねと、を備え、前記ボウルの水平方向の振動変位と垂直方向の振動変位との間に位相差を持たせて、前記ボウルに楕円振動させるようにした楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置において、前記垂直加振源及び/又は前記水平方向加振源に加振力の位相調節手段を接続し、
前記トラック上で部品のからみ又は詰りを検出した時には、前記位相調節手段の調節により、前記楕円振動の傾斜角と回転方向を変更して、前記部品の移送速度の調整と前記部品の移送方向の変更の少なくとも一方を行うことで、前記部品への加振状態を調整し、該からみ又は該詰りを解除するようにしたことを特徴とする楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置、によって解決される。
【0012】
又は、第1電磁コイルを有する垂直方向加振源と、第2電磁コイルを有する水平方向加振源と、内周壁にスパイラル状のトラックを形成させ該トラック上又は該トラックに近接して設けた部品整送手段により部品を整送して供給するボウルと、該ボウルを取り付けるための可動フレームと、該可動フレームを水平方向に振動するように支持し垂直方向に延びる水平方向振動用板ばねと、前記可動フレームを垂直方向に振動するように支持し、水平方向に延びる垂直方向振動用板ばねとを備え、前記ボウルの水平方向の振動変位と垂直方向の振動変位との間に位相差をもたせて、前記ボウルに楕円振動させるようにした楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置において、前記第1及び/又は第2電磁コイルに位相調節手段を接続し、
前記トラック上で部品のからみ又は詰りを検出した時には前記位相調節手段の調節により、前記楕円振動の傾斜角と回転方向を変更して、前記部品の移送速度の調整と前記部品の移送方向の変更の少なくとも一方を行うことで、前記部品への加振状態を調整し、該からみ又は詰りを解除するようにしたことを特徴とする楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置、によって解決される。
【0013】
又は、内周壁にスパイラル状のトラックを形成させ、該トラック上又は該トラックに近接して設けた部品整送手段により部品を整送して供給するボウルを水平方向に振動可能に支持する第1ばねと、前記ボウルを垂直方向に振動可能に支持する第2ばねと、前記ボウルを水平方向に加振する第1電磁石と、前記ボウルを垂直方向に加振する第2電磁石とを備えた楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置において、前記第1、第2電磁石の一方のコイルに印加される第1電圧又は通流させる第1電流と、前記ボウルの該一方の電磁石が加振する方向の前記ボウルの振動変位との位相差を検出して、該位相差が180度又は90度となるように前記コイルに印加される第1電圧又は通流させる第1電流の周波数を増減させて該方向においては共振振動させるようにし、前記第1、第2の電磁石の他方のコイルに位相差調節手段を接続し、
前記トラック上で部品のからみ又は詰りを検出した時には前記位相差調節手段の調節により、前記楕円振動の傾斜角と回転方向を変更して、前記部品の移送速度の調整と前記部品の移送方向の変更の少なくとも一方を行うことで、前記部品への加振状態を調整し、該からみ又は詰りを解除するようにしたことを特徴とする楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置、によって解決される。
【0014】
又は、垂直方向加振源と、水平方向加振源と、内周壁にスパイラル状のトラックを形成させ、該トラック上又は該トラックに近接して設けた部品整送手段により部品を整送して供給するボウルと、該ボウルを水平方向に振動するように支持する水平方向用振動用ばねと、前記ボウルを垂直方向に振動するように支持する垂直方向用振動用ばねと、を備え、前記ボウルの水平方向の振動変位と垂直方向の振動変位との間に位相差を持たせて、前記ボウルに楕円振動させるようにした振動パーツフィーダの駆動制御装置において、前記垂直加振源及び/又は前記水平方向加振源に加振力の位相調節手段及び加振力の大きさ調節手段を接続し、
前記トラック上で部品のからみ又は詰りを検出した時には、前記位相調節手段及び前記加振力の大きさ調節手段の調節により、前記楕円振動の傾斜角と回転方向を変更して、前記部品の移送速度の調整と前記部品の移送方向の変更の少なくとも一方を行うこと及び前記楕円振動の垂直振巾と水平振巾との振巾を調整することで、前記部品への加振状態を調整し、該からみ又は該詰りを解除するようにしたことを特徴とする楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置、によって解決される。
【0015】
又は、第1電磁コイルを有する垂直方向加振源と、第2電磁コイルを有する水平方向加振源と、内周壁にスパイラル状のトラックを形成させ該トラック上又は該トラックに近接して設けた部品整送手段により部品を整送して供給するボウルと、該ボウルを取り付けるための可動フレームと、該可動フレームを水平方向に振動するように支持し垂直方向に延びる水平方向振動用板ばねと、前記可動フレームを垂直方向に振動するように支持し、水平方向に延びる垂直方向振動用板ばねとを備え、前記ボウルの水平方向の振動変位と垂直方向の振動変位との間に位相差をもたせて、前記ボウルに楕円振動させるようにした楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置において、前記第1及び/又は第2電磁コイルに位相調節手段及び電圧調節手段を接続し、
前記トラック上で部品のからみ又は詰りを検出した時には前記位相調節手段及び前記電圧調節手段の調節により、前記楕円振動の傾斜角と回転方向を変更して、前記部品の移送速度の調整と前記部品の移送方向の変更の少なくとも一方を行うこと及び前記楕円振動の垂直振巾と水平振巾との振巾を調整することで、前記部品への加振状態を調整し、該からみ又は詰りを解除するようにしたことを特徴とする楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置、によって解決される。
【0016】
又は、内周壁にスパイラル状のトラックを形成させ、該トラック上又は該トラックに近接して設けた部品整送手段により部品を整送して供給するボウルを水平方向に振動可能に支持する第1ばねと、前記ボウルを垂直方向に振動可能に支持する第2ばねと、前記ボウルを水平方向に加振する第1電磁石と、前記ボウルを垂直方向に加振する第2電磁石とを備えた楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置において、前記第1、第2電磁石の一方のコイルに印加される第1電圧又は通流させる第1電流と、前記ボウルの該一方の電磁石が加振する方向の前記ボウルの振動変位との位相差を検出して、該位相差が180度又は90度となるように前記コイルに印加される第1電圧又は通流させる第1電流の周波数を増減させて該方向においては共振振動させるようにし、前記第1、第2の電磁石の他方のコイルに位相差調節手段及び電圧調節手段を接続し、
前記トラック上で部品のからみ又は詰りを検出した時には前記位相差調節手段及び前記電圧調節手段の調節により、前記楕円振動の傾斜角と回転方向を変更して、前記部品の移送速度の調整と前記部品の移送方向の変更の少なくとも一方を行うこと及び前記楕円振動の垂直振巾と水平振巾との振巾を調整することで、前記部品への加振状態を調整し、該からみ又は詰りを解除するようにしたことを特徴とする楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置、によって解決される。
【0017】
又は、ボウルを水平方向に振動可能に支持する第1ばねと、前記ボウルを垂直方向に振動可能に支持する第2ばねと、前記ボウルを水平方向に加振する第1加振器と、前記ボウルを垂直方向に加振する第2加振器とを備えた楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置において、前記第1加振器及び/又は前記第2加振器に、加振力の位相調節手段及び/又は加振力の大きさの調節手段を接続し、
前記ボウルから部品を供給する時には、所望の供給速度を得るべく前記加振力の位相調節手段及び/又は前記加振力の大きさの調節手段を調節して、第1の楕円振動の傾斜角と回転方向を変更して、前記部品の移送速度の調整と前記部品の移送方向の変更の少なくとも一方を行うこと及び前記第 1 の楕円振動の垂直振巾と水平振巾との振巾を調整することで、前記部品への加振状態を調整し、前記ボウルを振動させ、前記ボウルからの部品供給を停止させている時には、所定時間又は該停止中に、前記ボウル内の部品のからみをほぐすべく、前記加振力の位相調節手段及び/又は前記加振力の大きさの調節手段を調節して、第2の楕円振動の傾斜角と回転方向を変更して、前記部品の移送速度の調整と前記部品の移送方向の変更の少なくとも一方を行うこと及び前記第 2 の楕円振動の垂直振巾と水平振巾との振巾を調整することで、前記部品への加振状態を調整し、前記ボウルを振動させるようにしたことを特徴とする楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置、によって解決される。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態による楕円振動パーツフィーダの全体を示すものであるが、10は内周壁部にスパイラル状のトラック11を形成させたボウルであり、後に詳述する駆動部にボルト12によりセンターで固定されている。
【0019】
図2はボウル10を取り外した状況を示し、楕円振動駆動部の斜視図であり固定フレーム1に後述するように垂直加振力用電磁石及び径方向に対向する一対の水平方向加振用電磁石が取り付けられており、ボウル10が取り付けられる上側側可動フレーム6の外周縁部には8つの径方向に伸びる突出部が設けられているが、この一つおきの突部6aに垂直に重ね板ばね5の上端部がボルトにより固定されている。
【0020】
また、図2〜図10に明示されるように垂直振動用板ばね15a、15b、15c、15dがその中央部に下側フレーム3のアーム部で固定されており、その両端部は固定フレーム1の板ばね取り付け部1aにボルトにより固定されている。図3で明示されるように上述の垂直加振力用の電磁石の可動コア31は上側可動フレーム6の下面に固定されており、これと空隙をおいて電磁石32が固定フレーム1の中央に固定されている。また、この固定フレーム1の径方向で一対の水平加振力用の電磁石が固定されているが、これは上側可動フレーム6に固定され、下方に垂下する可動コア21と電磁石22とからなっている。
【0021】
これら電磁石32、22に相互に所定の位相差を持って電圧が加えられると、垂直方向及び水平方向にこの位相差を持って電流が流れ、これにより、公知のようにボウルが楕円捩り振動を行なう。
【0022】
垂直に伸びる重ね板ばね5がボウル10の水平方向成分の共振周波数を決定し、また水平に配設された板ばね15a、15b、15c、15dによって垂直方向の共振周波数が決定される。一般に楕円振動においては水平方向の共振周波数にほゞ一致するように、水平方向加振力用電磁石22に電圧が加えられるのであるが、水平方向加振用の電磁石22には所定の位相差を持って同周波数の電圧が加えられ、かつ、また共振点からは、ずれた周波数で駆動されることになる。
【0023】
以上のようにしてボウル10は楕円振動を行なうのであるが、このボウル10の上側取付けフレームとしての上側可動フレーム6への取付けのために上述の板ばね5の上端部を取付けている突出部6aの間にそれぞれ同様な形状の突出部6cが4個形成されている。従ってこれら突出部6a、6c間は45度間隔に形成されており、また上側可動フレーム6の中央部に形成したねじ孔6bに対して径方向の長さはほゞ同一であり、これらにはボルト挿通孔hが形成されている。
【0024】
図11は水平方向には共振振動させる駆動回路を示すが、水平振巾指令回路52及び垂直振巾指令制御回路60はデジタル回路でなり、所定の振巾値がデジタルで記憶されている。水平振動変位センサ40のアンプ43による増巾出力を受けるA/D変換器51の出力を受けるPI(比例積分制御回路)内にはPI制御動作の離散アルゴリズムが組み込まれており、このアルゴリズムにより共振点追尾制御回路37の出力sinωtがデジタル信号を受け、PWMすなわちパルス巾変調制御回路により電圧調整され、この大きさに応じて共振点追尾制御回路37の出力をパルス巾変調する。すなわちこの制御回路には公知のように正弦波を三角波と比較し、これをコンパレータに入力してパルス巾をアナログ信号の高さに応じて変調するのであるが、これをアンプ42で増巾して水平方向電磁石15aのコイルに印加する。垂直振巾指令回路60のデジタル出力を受けるPI制御回路61においても同様な離散アルゴリズムが組み込まれており、これもセンサ58の増巾出力をデジタル変換して、離散アルゴリズムにより所定の振巾となるように、パルス巾変調してボウル2を垂直方向に所定の振巾で振動させる。このようにして、本発明の実施の形態によれば、デジタル制御であるので、小さい振巾に対しても精密な振巾調整を行なうことができる。
【0025】
また、位相差制御回路56では垂直振動系の共振周波数により、共振点追尾制御回路37の出力周波数からのずれに応じて、水平振動変位に対して垂直振動変位はある位相差を有するが、この位相差を適切な位相差、例えば60度になるように位相差制御回路56から共振点追尾制御回路Asinωtからθなる位相差をもった電圧Bsin(ωt+θ)をPWM制御回路63に印加する。垂直振巾指令60により、垂直方向に所定の振巾で振動すべく制御されるのであるが、水平振動方向の反力を受けて垂直振動方向に指令通りに振動しない悪影響を与える。これは位相差制御回路56により上述の位相制御を行なうときにこの悪影響での合成力が変わり垂直振巾も変わるのであるが、本願発明の実施の形態によれば、位相差制御は非常にゆるやかに行ない、これに対し垂直振巾制御は比較的迅速に行なう。これにより安定した位相差制御及び垂直振巾制御が行なわれるのであるが、振動パーツフィーダの駆動を停止し、再び駆動を開始するときに上述のような位相差制御及び垂直振巾制御が行なわれるのであれば、定常状態になるまで相当な時間がかかる。これに対処するために、定常状態における位相差制御回路56から出力している電圧の位相差を駆動中にデジタル値で記憶しておく。よって、駆動開始後、直ちに所定の位相差で垂直振動が行なわれ、かつ所定の振巾で振動させることができる。
【0026】
図11を更に説明する。上述したように図11は図1の楕円振動パーツフィーダの駆動制御回路を示すが、楕円振動パーツフィーダ自体は模式化して示されており、ボウル2は上述したように水平振動用板ばね9及び垂直振動用板ばね19により、地上に支持されており、また一対の水平方向用電磁石は代表的に一方の電磁コイル15aのみを示し、垂直用電磁コイル12も模式化して示されている。図1においては図示しなかったが、垂直振動用の板ばね19の何れか一つの一端部に近接して、垂直方向振動測定用のピックアップ58が設けられている。また垂直に配設された水平方向振動用板ばね9にも近接して、水平方向振動検出用のピックアップ40が配設されている。このピックアップ40は電線路W1 を介して水平用センサアンプ43に接続され、この出力は共振点追尾制御回路37及びA/D変換器51に接続されている。
【0027】
共振点追尾制御回路37の詳細は図12において示されるが、その出力はPWM制御回路54に供給され、更にその出力はパワーアンプ42で増巾されて、水平用の電磁コイル15aに供給される。本実施の形態では水平方向の振巾が定振巾制御され、この所望の水平振巾を指令する水平指令振巾回路52が設けられ、この出力はPI(Proportional Integral)制御回路(比例積分制御回路)53に供給され、この出力は上述のPWM制御回路54に供給される。一方、垂直振動駆動用のブロックに属する位相差制御回路56には電線路W4 を介して、共振点追尾制御回路37の出力が供給される。これには更に上述の垂直振動検出用ピックアップ58の出力が垂直用センサアンプ59を介して供給されており、またこのセンサアンプ59の出力はA/D変換器62を介して同じく垂直の振巾を定振巾制御するPI制御回路61に接続される。これには垂直振巾指令制御回路60が接続され、更にこの制御回路60の出力は、PI制御回路61を介してPWM制御回路63に供給される。位相差制御回路56は垂直用コイル12に所定の位相差を持った電圧を供給するのであるが、位相差指令回路57の出力は位相差制御回路56に供給されており、垂直振動がピックアップ58により検出され、これが位相差制御回路56に供給されているのであるが、この機械的な振動と、共振点追尾制御回路37から供給される電圧との位相差が位相差指令回路57の出力と比較して機械振動で所定の位相差角(例えば60度)を与えるような位相差の電圧をPWM制御回路63に供給している。この制御回路63の出力はパワーアンプ64を介して垂直用コイル12に供給される。この電圧の位相差θは垂直振動系の共振周波数が水平振動系のそれとはどれだけ離れているかによって決まるもので−90度から+90度の範囲で変わるものである。
【0028】
図12は図11における共振点追尾制御回路37の詳細を示すものであるが、主として可変周波数電源40、位相検出回路41およびメモリ45からなっている。可変周波数電源40には交流電源8にスイッチSを介して接続されており、この出力は増巾器42を介して電磁石21の電磁コイル22に接続されている。また図6におけるピックアップ40の出力は電線路W1 を介して増巾器43に接続される。この増巾出力は位相検出回路41に供給される。この位相検出回路41には、更に可変周波数電源40の出力が電線路W3 を介して供給されており、この位相検出出力が可変周波数電源40に接続されている。これは例えばインバータであってよい。
【0029】
スイッチSを閉じると交流電源38が可変周波数電源40に接続され、駆動状態となる。この出力電圧はPWM制御回路54及び増巾器42を介して電磁石21の電磁コイル22に供給される。これにより、本実施の形態の楕円振動パーツフィーダのボウル10は水平方向の捩り振動力を与えられる。
【0030】
ピックアップ40はこの水平方向の振動変位を検出し、増巾器43により増巾されて、位相検出回路41に加えられる。他方、これにはこの時の電磁コイル15aに印加されている電圧が供給されている。
【0031】
図14はこの印加電圧Vの時間的変化を示すものであるが、この電磁コイル15aにより、一時遅れが生じ、これに流れる電流Iは図14Bに示すように変化する。この電流により、電磁石15aとボウル2との間に交番磁気吸引力が発生し、ボウル2は水平方向の捩り振動変位を与えられているのであるが、この振動変位が図14Cに示すように、コイル22にかかる電圧Vと90度遅れている場合にはすなわちコイル電圧Vが正から負に変わるゼロクロスポイントPにおいて振動変位S1 が正であれば図13に示すように、共振点ω0 (角周波数)では位相差φは90度であるので、ω0 よりは小さく周波数を上昇させるべきであると位相検出回路41で判断して可変周波数電源40の出力周波数を上昇させる。これがPWM制御回路54を介して増巾器42で増巾されて電磁石14aのコイル15aに流され、より周波数の高い電流でボウル2を振動させる。共振点ω0 に前回より近づいたことにより、振巾は上昇する。可変周波数電源40の出力周波数が更に高くなってついにω0 を越えて、これより高くなると図9A、Dに示すように振動変位S2 とコイル電圧Vとの関係は位相差で270度となる(コイル電流Iとの間では180度である)。すなわちゼロクロスポイントPで振動変位S2 は負である。
【0032】
図13の周波数と位相差の関係から明らかなように共振点ω0 を通過したので可変周波数電源40の出力周波数を減少させる。
【0033】
以上のようにして可変周波数電源40の出力周波数の増減を行ってついにはこの振動パーツフィーダは水平方向に共振周波数で駆動するようになる。
【0034】
以上のようにして水平振動系は共振振動を行なうのであるが、共振点追尾制御回路37の出力は電線路W4 を介して位相差制御回路56に供給されており、ここでは垂直方向の振動を検出するピックアップ58の出力を受け、位相差指令57の指令に基づいてこの位相差を生じさせるような電圧を発生し、PWM制御回路63に供給する。これは垂直振巾指令回路60及びこの出力に基づくPI制御回路61からの出力を受けて定振巾を与えるための電圧をパワーアンプ4で増巾された後、垂直用コイル15aに供給する。よって垂直方向には位相差指令回路57で設定された位相差でボウル10を垂直方向に振動させる。よってボウル10は所望の楕円振動を行なうことができる。
【0035】
なお、位相差指令回路57に水平振動との位相差角を60度とし、かつ図13で示すように、垂直振動系の共振周波数(角周波数)(曲線群C)がω0 'であるとすれば、水平振動系は角周波数ω0 の周波数で駆動されているので、この時に図13から明らかなように、垂直振動系の振動変位は今、同位相で駆動されているとすれば加振力と変位との位相差は30度となる。すなわち水平振動の変位とは90度−30度=60度となり、同じ電圧の位相差すなわちθ=0であっても、適切な位相差で振動することができる。しかしながら、更に曲線群Aで示すように、垂直振動系の共振周波数がω0 より小さいω0 "になったとすれば、角周波数ω0 で駆動されている場合に、図13から明らかなように加振力と変位との位相差は約120度となる。これでは120度−90度=30度となり、適切な60度には30度足りない。このような場合に垂直方向用の電磁コイル12に加える電圧は、sin(ωt+θ)のθを30度進相しなければならない。これによって150度−90度=60度の適切な位相差角で楕円振動を行なわせることができる。
【0036】
本実施の形態によるボウル10には図1に明示されるように、上述のスパイラル状のトラック11が形成されているのであるが、この排出端部11aから、図示せずとも公知のリニア振動フィーダに長方形状の部品m’が1個ずつ供給されるようになっている。更に、この下流側近傍にはワイパーYがボウル10の側壁に取り付けられており、これの下端はトラック11との間に部品mの厚さよりは大きいが、この2倍よりは小さい隙間をおいている。従って、図示するように重なってきた部品m’は、ここを通過すると単層で次工程に供給されるようになっている。
【0037】
更に、排出端部11aの上方には部品詰り検知装置Qが設けられており、これは反射式の部品センサであるが、部品m’が所定時間以上この下方に到来しないことを検出すると、この上流側で、特にこの実施の形態ではワイパーYにおいて部品の詰りが生じたと判定している。この詰りは例えば2枚に重なった部品mがワイパーYにより適正に、上に重なっている部品m’がワイパーYにより停止されて部品m’がこの下方を通過した後に、下に落下して下流側に移送されればよいのであるが、場合によってはその重なり方により、上側の部品m’が先にワイパーYの下方を通過せんとする。このような場合、後続する部品m’の到来の仕方にもよるが、ここで部品の詰りを生ずる場合がある。
【0038】
本発明によれば、このような場合にトラック11の排出端部11aの直上方に配設されている詰り検知装置Qが所定時間以上部品mが到来しないことを検知して、図11で示すように詰り信号Pを発生する。
【0039】
図11において、位相差指令回路57はこの指令値により図16及び図17に示すように、位相差φ=0から360度まで変更した時に、図16A、B、C、D、及び図17A、B、C、Dで示すような振動モードの楕円振動を行なう。通常の高速で部品m’をトラック11上を移送させる場合には、例えば図16Bで示すような、すなわち、φが0と90度との間である位相値で楕円振動を行なう。そして詰り信号Pが発生すると、移送方向を逆転するモード、例えば図16Dで示すような楕円振動モードに変更される。すなわち、位相差は90度と180度の間のある値に設定される。なお、図15ではSは水平振動、S’は垂直振動で、点線は図16B、一点鎖線は図16Dの振動モードでのものである。
【0040】
これによって、図1においてワイパーYで部品m’の詰りが生じていた場合、上流側に部品m’を移送させんとするので詰りは一挙に解除される。
【0041】
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。この場合、図29、図30で示すような楕円振動パーツフィーダが適用される。部品の整送手段としては、図31、図32に示す整送手段すなわちゲート81が用いられる。また部品はこれに対応して図22に示すようなコイルばねmが適用される。このような部品は図23で示すようにからみ易いのであるが、本発明の実施の形態によれば、図27、図28に示す従来のからみ解除装置31a、31bを用いないゲート81をトラック上に設けた楕円振動パーツフィーダであっても、楕円振動パーツフィーダの駆動部の制御によりこのからみを解除することができる。
【0042】
すなわち、本発明の第2の実施の形態によれば、例えば、選別ゲート81を通過し得ない絡んだコイルばねmは定常的なコイルばねmの移送を停止させるが、選別ゲート81の下流側近傍に設けられている移送停止検知センサQが移送の停止を検知すると、やはり第1の実施の形態と同様に位相差を制御するが、更に垂直振巾と水平振巾との振巾を制御する。例えば、第1の実施の形態では、水平振巾が垂直振巾よりも大であったがこれを逆転させる。水平対垂直の振巾比が第1の実施の形態と同じであるとすれば、位相差φを変えることにより、図18、図19、図20図21のそれぞれのA、Bで示すように楕円振動モードは変更する。この場合には図から明らかなように、楕円振動はその長軸をほぼ垂直に近い傾斜となっている。このような振動により、図31のようにからんでいる部品mの下流側への移送力はほとんど0となるが、垂直方向に大きな振動を受けることにより、からんでいるコイルばねmのからみが解除されるか、その長軸の大きな振巾によっては、図32に示すように半円形のトラック85a、85bから側方へ排除され、下方の収集路88へ落下する。
【0043】
以上述べたように本発明によれば、従来例のように複雑な部品からみ防止装置又は解除装置を用いることなく、単に駆動部の制御によりからみを除去することができる。よってコストを低下させ、また楕円振動パーツフィーダ全体の占有体積を小とすることができる。
【0044】
なお、楕円振動パーツフィーダの制御を説明すると、駆動を停止させるべくスイッチSを開くと可変周波数電源40からの出力はなくなり、ボウル2の駆動は停止する。不揮発性のメモリ45にスイッチSを切る前の可変周波数電源40の出力周波数が記憶される。すなわち、定常的な駆動中の周波数が記憶されている。
【0045】
振動パーツフィーダを再び駆動開始させるべく、スイッチSを閉じるとメモリ45でこの時記憶されている(デジタルで記憶されている)共振周波数を出力すべく可変周波数電源40が駆動される。従って振動パーツフィーダのボウル2は最初から水平方向に共振周波数で駆動される。従って強制振動から共振周波数に移るときのショックがなくなり、また電源容量を小とすることができる。
【0046】
以下、駆動を繰り返すごとに、停止ごとにメモリ45の内容が書き換えられるのであるが、1か月単位、1年単位では振動パーツフィーダの共振周波数が変動する。したがってその都度、共振周波数を追尾制御していたのでは強制振動から共振振動に移るために多くの電流を流さねばならないのであるが、年単位で強制振動に移る程、共振周波数の変動が大きくとも前回の共振周波数で駆動を開始することができるので、常に振動パーツフィーダをショックなく電源容量を小として駆動することができる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0048】
例えば以上の実施の形態では、詰り検知装置Qにより詰りが検知されると、楕円振動パーツフィーダのボウル10の振動モードを上述のように変更させたが、このような駆動方法に限定されることはない。例えば次工程、例えばトラック11の排出端部11aに隙間をおいて配設されるリニア振動フィーダに部品mを供給している場合、この供給停止中にボウル10を上述のようにからみを取る振動、例えば図19のAで示すような振動をさせればボウル10から外部に部品を排出することなく、ボウル10内でからみ易い部品、例えば上述のコイルばねmをほぼ垂直に上下動させることにより、この時ボウルの底面又はトラック11に周期的に衝突させることによりからみを取ることができる。よって振動パーツフィーダを再駆動した時にはからみをほぐされた状態で部品を移送させることができるので、上述のような部品整送手段Y、31aが存在していたとしても、ほとんどこれにより、絡むことなくここを通過して、次工程に連続的に効率よく供給することができる。
【0049】
また、本発明は上述のように水平方向には共振振動とさせたが、両方向ともに強制振動させる楕円振動パーツフィーダにも適用可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置によれば、からみ易い部品であっても、これを容易に解除又はほぐすことができ、従来のような複雑な構造物を必要とせず、また大量の空気も必要とすることはないので、低コストで部品を所定の効率で供給することができる。また、消費エネルギーを極力小とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による楕円振動パーツフィーダの斜視図である。
【図2】同ボウルを取り除いた楕円振動駆動部の斜視図である。
【図3】図2において一部を切り欠いた斜視図である。
【図4】同正面図である。
【図5】同平面図である。
【図6】右側面図である。
【図7】底面図である。
【図8】左側面図である。
【図9】背面図である。
【図10】図9における[10]−[10]線方向の断面図である。
【図11】第1の実施の形態に適用される駆動制御回路のブロック図である。
【図12】図11における共進点追尾制御回路の詳細を示すブロック図である。
【図13】同作用を示す振動力の加振周波数と振動変位との位相差φとの関係を示すチャートである。
【図14】同作用を示すタイムチャートであり、Aはコイル電圧波形、Bはコイル電流波形、Cは振動変位波形、Dは他の振動変位波形を示す。
【図15】同作用を示す振動波形のタイムチャートである。
【図16】垂直と水平方向の振動変位の位相差を変えた場合の楕円振動の変化を示すチャートであり、Aはφ=0、Bはφは0から90度の間、Cはφ=90度、Dはφは90度から180度の間を示す。
【図17】同楕円振動の波形を示し、Aはφ=180度、Bはφは180から270度の間、Cはφ=270度、Dはφは270度より大360度より小の場合を示す。
【図18】第1の実施の形態の駆動制御回路による他の楕円の変化状況を示すチャートであり、Aはφ=0、Bはφが0から90度の間を示す。
【図19】同様に楕円振動波形の変化状況を示し、Aはφ=90度、Bはφが90度より大180度より小の場合を示す。
【図20】同様に楕円振動波形の変化状況を示し、Aはφ=180度、Bはφが180度より大270度より小の場合を示す。
【図21】同様に楕円振動波形の変化状況を示し、Aはφ=270度、Bはφが270度から360度の間の場合を示す。
【図22】従来例及び本発明の実施の形態に適用される部品の斜視図である。
【図23】同部品のからんだ状況を示す斜視図である。
【図24】同部品が適用される従来例のからみほぐし装置の要部の部分破断側面図である。
【図25】同正面図である。
【図26】図24における[26]−[26]線方向の断面図である。
【図27】他従来例の整送装置の要部の断面図である。
【図28】同からみを取る状況を示す断面図である。
【図29】本発明の第2の実施の形態による楕円振動パーツフィーダの斜視図である。
【図30】同ボウルの周壁74を取り除いた楕円振動パーツフィーダの斜視図である。
【図31】本発明の第2の実施の形態の整送装置の要部の断面図である。
【図32】同からみを取る状況を示す断面図である。
【符号の説明】
10 ボウル
56 位相差制御回路
57 位相差指令制御回路
60 垂直振巾指令回路
61 PI制御回路
74 周壁
75 平板トラック
80 外枠
88 収集路
m 部品
m' 部品
Y ワイパー
Q 詰り検知装置
Claims (7)
- 垂直方向加振源と、水平方向加振源と、内周壁にスパイラル状のトラックを形成させ、該トラック上又は該トラックに近接して設けた部品整送手段により部品を整送して供給するボウルと、該ボウルを水平方向に振動するように支持する水平方向用振動用ばねと、前記ボウルを垂直方向に振動するように支持する垂直方向用振動用ばねと、を備え、前記ボウルの水平方向の振動変位と垂直方向の振動変位との間に位相差を持たせて、前記ボウルに楕円振動させるようにした楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置において、前記垂直加振源及び/又は前記水平方向加振源に加振力の位相調節手段を接続し、
前記トラック上で部品のからみ又は詰りを検出した時には、前記位相調節手段の調節により、前記楕円振動の傾斜角と回転方向を変更して、前記部品の移送速度の調整と前記部品の移送方向の変更の少なくとも一方を行うことで、前記部品への加振状態を調整し、該からみ又は該詰りを解除するようにしたことを特徴とする楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置。 - 第1電磁コイルを有する垂直方向加振源と、第2電磁コイルを有する水平方向加振源と、内周壁にスパイラル状のトラックを形成させ該トラック上又は該トラックに近接して設けた部品整送手段により部品を整送して供給するボウルと、該ボウルを取り付けるための可動フレームと、該可動フレームを水平方向に振動するように支持し垂直方向に延びる水平方向振動用板ばねと、前記可動フレームを垂直方向に振動するように支持し、水平方向に延びる垂直方向振動用板ばねとを備え、前記ボウルの水平方向の振動変位と垂直方向の振動変位との間に位相差をもたせて、前記ボウルに楕円振動させるようにした楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置において、前記第1及び/又は第2電磁コイルに位相調節手段を接続し、
前記トラック上で部品のからみ又は詰りを検出した時には前記位相調節手段の調節により、前記楕円振動の傾斜角と回転方向を変更して、前記部品の移送速度の調整と前記部品の移送方向の変更の少なくとも一方を行うことで、前記部品への加振状態を調整し、該からみ又は詰りを解除するようにしたことを特徴とする楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置。 - 内周壁にスパイラル状のトラックを形成させ、該トラック上又は該トラックに近接して設けた部品整送手段により部品を整送して供給するボウルを水平方向に振動可能に支持する第1ばねと、前記ボウルを垂直方向に振動可能に支持する第2ばねと、前記ボウルを水平方向に加振する第1電磁石と、前記ボウルを垂直方向に加振する第2電磁石とを備えた楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置において、前記第1、第2電磁石の一方のコイルに印加される第1電圧又は通流させる第1電流と、前記ボウルの該一方の電磁石が加振する方向の前記ボウルの振動変位との位相差を検出して、該位相差が180度又は90度となるように前記コイルに印加される第1電圧又は通流させる第1電流の周波数を増減させて該方向においては共振振動させるようにし、前記第1、第2の電磁石の他方のコイルに位相差調節手段を接続し、
前記トラック上で部品のからみ又は詰りを検出した時には前記位相差調節手段の調節により、前記楕円振動の傾斜角と回転方向を変更して、前記部品の移送速度の調整と前記部品の移送方向の変更の少なくとも一方を行うことで、前記部品への加振状態を調整し、該からみ又は詰りを解除するようにしたことを特徴とする楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置。 - 垂直方向加振源と、水平方向加振源と、内周壁にスパイラル状のトラックを形成させ、該トラック上又は該トラックに近接して設けた部品整送手段により部品を整送して供給するボウルと、該ボウルを水平方向に振動するように支持する水平方向用振動用ばねと、前記ボウルを垂直方向に振動するように支持する垂直方向用振動用ばねと、を備え、前記ボウルの水平方向の振動変位と垂直方向の振動変位との間に位相差を持たせて、前記ボウルに楕円振動させるようにした振動パーツフィーダの駆動制御装置において、前記垂直加振源及び/又は前記水平方向加振源に加振力の位相調節手段及び加振力の大きさ調節手段を接続し、
前記トラック上で部品のからみ又は詰りを検出した時には、前記位相調節手段及び前記加振力の大きさ調節手段の調節により、前記楕円振動の傾斜角と回転方向を変更して、前記部品の移送速度の調整と前記部品の移送方向の変更の少なくとも一方を行うこと及び前記楕円振動の垂直振巾と水平振巾との振巾を調整することで、前記部品への加振状態を調整し、該からみ又は該詰りを解除するようにしたことを特徴とする楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置。 - 第1電磁コイルを有する垂直方向加振源と、第2電磁コイルを有する水平方向加振源と、内周壁にスパイラル状のトラックを形成させ該トラック上又は該トラックに近接して設けた部品整送手段により部品を整送して供給するボウルと、該ボウルを取り付けるための可動フレームと、該可動フレームを水平方向に振動するように支持し垂直方向に延びる水平方向振動用板ばねと、前記可動フレームを垂直方向に振動するように支持し、水平方向に延びる垂直方向振動用板ばねとを備え、前記ボウルの水平方向の振動変位と垂直方向の振動変位との間に位相差をもたせて、前記ボウルに楕円振動させるようにした楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置において、前記第1及び/又は第2電磁コイルに位相調節手段及び電圧調節手段を接続し、
前記トラック上で部品のからみ又は詰りを検出した時には前記位相調節手段及び前記電圧調節手段の調節により、前記楕円振動の傾斜角と回転方向を変更して、前記部品の移送速度の調整と前記部品の移送方向の変更の少なくとも一方を行うこと及び前記楕円振動の垂直振巾と水平振巾との振巾を調整することで、前記部品への加振状態を調整し、該からみ又は詰りを解除するようにしたことを特徴とする楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置。 - 内周壁にスパイラル状のトラックを形成させ、該トラック上又は該トラックに近接して設けた部品整送手段により部品を整送して供給するボウルを水平方向に振動可能に支持する第1ばねと、前記ボウルを垂直方向に振動可能に支持する第2ばねと、前記ボウルを水平方向に加振する第1電磁石と、前記ボウルを垂直方向に加振する第2電磁石とを備えた楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置において、前記第1、第2電磁石の一方のコイルに印加される第1電圧又は通流させる第1電流と、前記ボウルの該一方の電磁石が加振する方向の前記ボウルの振動変位との位相差を検出して、該位相差が180度又は90度となるように前記コイルに印加される第1電圧又は通流させる第1電流の周波数を増減させて該方向においては共振振動させるようにし、前記第1、第2の電磁石の他方のコイルに位相差調節手段及び電圧調節手段を接続し、
前記トラック上で部品のからみ又は詰りを検出した時には前記位相差調節手段及び前記電圧調節手段の調節により、前記楕円振動の傾斜角と回転方向を変更して、前記部品の移送速度の調整と前記部品の移送方向の変更の少なくとも一方を行うこと及び前記楕円振動の垂直振巾と水平振巾との振巾を調整することで、前記部品への加振状態を調整し、該からみ又は詰りを解除するようにしたことを特徴とする楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置。 - ボウルを水平方向に振動可能に支持する第1ばねと、前記ボウルを垂直方向に振動可能に支持する第2ばねと、前記ボウルを水平方向に加振する第1加振器と、前記ボウルを垂直方向に加振する第2加振器とを備えた楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置において、前記第1加振器及び/又は前記第2加振器に、加振力の位相調節手段及び/又は加振力の大きさの調節手段を接続し、
前記ボウルから部品を供給する時には、所望の供給速度を得るべく前記加振力の位相調節手段及び/又は前記加振力の大きさの調節手段を調節して、第1の楕円振動の傾斜角と回転方向を変更して、前記部品の移送速度の調整と前記部品の移送方向の変更の少なくとも一方を行うこと及び前記第 1 の楕円振動の垂直振巾と水平振巾との振巾を調整することで、前記部品への加振状態を調整し、前記ボウルを振動させ、前記ボウルからの部品供給を停止させている時には、所定時間又は該停止中に、前記ボウル内の部品のからみをほぐすべく、前記加振力の位相調節手段及び/又は前記加振力の大きさの調節手段を調節して、第2の楕円振動の傾斜角と回転方向を変更して、前記部品の移送速度の調整と前記部品の 移送方向の変更の少なくとも一方を行うこと及び前記第 2 の楕円振動の垂直振巾と水平振巾との振巾を調整することで、前記部品への加振状態を調整し、前記ボウルを振動させるようにしたことを特徴とする楕円振動パーツフィーダの駆動制御装置。
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