JP4168295B2 - 輝尽性蛍光体プレート及び輝尽性蛍光体パネル - Google Patents

輝尽性蛍光体プレート及び輝尽性蛍光体パネル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、輝尽性蛍光体層が形成された輝尽性蛍光体シートと、該輝尽性蛍光体シート全体を封止する封止材とからなる輝尽性蛍光体プレートに関する。
【0002】
【従来の技術】
X線画像のような放射線画像は病気診断用などに多く用いられている。このX線画像を得るために被写体を通過したX線を蛍光体(蛍光スクリーン)に照射し、これにより可視光を生じさせてこの可視光を通常の写真をとるときと同じように銀塩を使用したフィルムに照射して現像した、いわゆる放射線写真が利用されている。しかし、近年、銀塩を塗布したフィルムを使用しないで蛍光体から直接画像を取り出す方法が工夫されるようになった。
【0003】
この方法としては被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体を例えば光又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射せしめ、この蛍光を検出し画像化する方法がある。
【0004】
具体的には、例えば米国特許3,859,527号及び特開昭55-12144号公報などに記載されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線画像変換方法が知られている。この方法はプレート上に輝尽性蛍光体層を形成した輝尽性蛍光体プレートを使用するもので、この輝尽性蛍光体プレートの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を当てて被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを蓄積させて、その後に輝尽性蛍光体層を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体層中に蓄積されている放射線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱による信号をたとえば光電変換し、電気信号を得て、この信号を感光フィルムなどの記録材料、CRTなどの表示装置上に可視像として再生するものである。
【0005】
この放射線像記録再生方法によれば、従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点がある。
【0006】
このような輝尽性蛍光体は、放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す輝尽性蛍光体であるが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が一般的に利用される。
【0007】
そして、輝尽性蛍光体層の保護のために、図6に示すように、輝尽性蛍光体層3が形成されたプラスチックフィルム2を積層された二枚の封止フィルム(封止材)5,5′の三辺をヒートシール等の手法で接着してなる袋内に挿入し、内部を脱気しながら開口部をヒートシール等の手法で封止(真空封止)した輝尽性蛍光体プレート1が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図6に示す構成の輝尽性蛍光体プレート1には、以下のような問題点がある。
【0009】
(1) 内部が脱気されているので、封止フィルム5と、輝尽性蛍光体層3とが密着しやすい。
又、長期間使用すると、封止フィルム5,5′を透過した水蒸気により輝尽性蛍光体層3の表面がぬれ、封止フィルム5と密着しやすい。
【0010】
一方、輝尽性蛍光体層3に輝尽励起光を照射して放射線画像を読み取る際に、封止フィルム5を透過した輝尽励起光は輝尽性蛍光体層3に吸収され、輝尽発光を生じるが、図7(a)に示すように、輝尽励起光Bの一部は、輝尽蛍光体層3で反射し、封止フィルム5へ向かう。
【0011】
封止フィルム5と輝尽性蛍光体層3とが密着していると、輝尽性蛍光体層3で反射した輝尽励起光Bは封止フィルム5内で平面方向に伝搬し、その一部は別の部位の輝尽性蛍光体層3表面に到達し、そこを励起するので、読取画像の鮮鋭性等が低下するなど画質が低下する。
【0012】
(2) 封止フィルムを透過した水蒸気により、輝尽性蛍光体が分解し、画像劣化を生じる。
(3) 輝尽性蛍光体プレート1を構成するプラスチックフィルム2,封止フィルム5,5′は剛性がなく、繰返し折り曲げられることにより、輝尽性蛍光体層3が割れたりして、耐久性がない。
【0013】
又、剛性がないことにより、画像読取装置での取り扱いが困難である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その第1の課題は、高画質の輝尽性蛍光体プレートを提供することにある。
【0014】
第2の課題は、高耐湿性の輝尽性蛍光体プレートを提供することにある。
第3の課題は、高耐久性で、画像読取装置での取り扱いが容易な輝尽性蛍光体パネルを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、輝尽性蛍光体層が形成された輝尽性蛍光体シートと、該輝尽性蛍光体シート全体を封止する封止フィルムとからなる輝尽性蛍光体プレートであって、前記輝尽性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層の前記封止フィルムとの対向面、前記封止フィルムの前記輝尽性蛍光体層との対向面のうち、少なくともどちらか一方の面に、平均あらさ(Ra:μm)が0.1μm ≦ Ra ≦ 5.0μとなるような微小突起を設け、前記輝尽性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層と、前記封止フィルムとの間に、間隙を形成したことを特徴とする輝尽性蛍光体プレートである。
【0016】
間隙を設けることにより、輝尽性蛍光体層と封止フィルムとが、密着せずに、不連続となり、輝尽性蛍光体層の表面で反射した輝尽励起光の多くは封止フィルムに向かい、封止材の外に出る。
【0017】
従って、輝尽性蛍光体層で反射した輝尽励起光のうち、輝尽性蛍光体層に再入射する輝尽励起光は少なくなり、読取画像の画質が低下しない
【0018】
この微小突起の設ける方法としては、エンボス加工や、塗布や蒸着等の手法で輝尽性蛍光体層を成膜する際の成膜条件により輝尽性蛍光体層の表面の粗さを制御する方法、PTFE(四弗化エチレン樹脂)、PMMA(メチルメタクリレート樹脂)、シリカ(無水けい酸)等の粒子を散布する方法、PTFE、PMMA、シリカ等の粒子を含む層を塗布する方法、輝尽性蛍光体層に面する封止材をPTFE、PMMA、シリカ等の粒子を含むアンチブロッキング性のフィルムを貼る方法等があるが限定するものではない。
【0019】
請求項2記載の発明は、請求項1載の発明で、前記封止フィルムは、水蒸気と酸素とを透過しにくい材質であることを特徴とする輝尽性蛍光体プレートである。
【0020】
封止フィルムを水蒸気を透過しにくい材質とすることにより、輝尽性蛍光体層と封止フィルムとがぬれて、密着するのを防止し、密着による画像劣化を防止する。更に、水蒸気により輝尽性蛍光体が分解し、画像が劣化するのを防止する。
【0021】
又、酸素を透過しにくい材質の封止フィルムを用いることで、輝尽性蛍光体層の酸化を防止し、着色等の変質劣化を防止する。水蒸気や酸素を透過しにくい材質の封止フィルムの一例としては、アルミナやシリカを蒸着した多層フィルムがあるが限定するものではない。
【0022】
請求項記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の前記輝尽性蛍光体層の前記封止フィルムとの対向面、前記封止フィルムの前記輝尽性蛍光体層との対向面のうち、少なくともどちらか一方の面に、疎水化処理を施すことを特徴とする輝尽性蛍光体プレートである。
【0023】
輝尽性蛍光体層の封止フィルムとの対向面、封止フィルムの輝尽性蛍光体層との対向面のうち、少なくともどちらか一方の面に、疎水化処理を施すことにより、輝尽性蛍光体層と封止フィルムとが密着せず、画像が向上する。
【0024】
疎水処理の例としては、ふっ素樹脂やシリコン系樹脂などの撥水性材料でのコーティングがある。
封止形態としては、請求項記載の発明のように、フィルム真空封止、フィルムラミネート封止、スキンパック封止がある。
【0025】
請求項記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明での輝尽性蛍光体プレートの輝尽性蛍光体層側の面と反対側の面に、剛性の高い支持体トレーを設けたことを特徴とする輝尽性蛍光体パネルである。
【0026】
輝尽性蛍光体層側の面と反対側の面に、剛性の高い支持体トレーを設けたことにより、輝尽性蛍光体プレートの剛性が向上し、高耐久性で、画像読取装置での取り扱いが容易となる。
【0027】
プレートの材質としては、Al(アルミニウム)あるいはAl-Mg(マグネシウム),Al-Si(ケイ素)等の合金板、樹脂板、繊維/樹脂コンポジット板、Al/発泡樹脂、ハニカム板等の反り,うねりが無く、変形時の復元性が良好な高剛性のものが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
(1) 全体構成
先ず、図1を用いて、輝尽性蛍光体パネル11の全体構成を説明する。図1は本発明の一実施の形態例の輝尽性蛍光体パネルの断面構成図である。
【0029】
輝尽性蛍光体パネル11は、大別して輝尽性蛍光体プレート10と、剛性の高い支持体である支持体トレー20とからなっている。
輝尽性蛍光体プレート10は、プラスチックフィルム12上に形成された輝尽性蛍光体層13が形成された輝尽性蛍光体シート14と、この輝尽性蛍光体シート14を封止する二枚の封止フィルム(封止材)15,15′とからなっている。
【0030】
本実施の形態例では、積層した二枚の封止フィルム(封止材)15,15′の三辺をヒートシール等の手法で接着してなる袋内に輝尽性蛍光体シート14を挿入し、更に、内部を脱気しながら袋の開口部をヒートシール等の手法で接着した(真空封止)。
【0031】
そして、輝尽性蛍光体層13の封止フィルム15との対向面、封止フィルム15の輝尽性蛍光体層13との対向面のうち、少なくともどちらか一方の面に微小突起(図1では、輝尽性蛍光体層13の表面に微小突起13a)を設け、輝尽性蛍光体シート14の輝尽性蛍光体層13と封止フィルム15との間に間隙Sを形成した。
【0032】
更に、輝尽性蛍光体層13の封止フィルム15との対向面、封止フィルム15の輝尽性蛍光体層13との対向面のうち、少なくともどちらか一方の面には、疎水化処理を施した。
【0033】
輝尽性蛍光体プレート10の輝尽性蛍光体層13側の面と反対側の面(本実施の形態例では封止フィルム15′側の面)には、X線吸収率が高い重金属のシート21を介して剛性の高い支持体トレー20が設けられている。
【0034】
(2) 輝尽性蛍光体層
輝尽性蛍光体層13は、バインダーと輝尽性蛍光体粒子とから構成される。
「輝尽性蛍光体」とは、最初の光または高エネルギー放射線が照射された後に、光的、熱的,機械的、科学的または電気的等の刺激(輝尽励起)により、最初の光または高エネルギー放射線の照射量に対応した輝尽発光を示す蛍光体をいうが、実用的な面からは、光刺激(輝尽励起)により輝尽発光を示す蛍光体が好ましく、波長が500nm以上、1μm以下の輝尽励起光によって輝尽発光を示す蛍光体が好ましい。
【0035】
輝尽性蛍光体の具体例としては、以下のようなものがある。
1. 特開平2-58593号公報に記載の一般式
aBaX2・(1-a)BaY2 : bEu2+
(式中、X,Yは、それぞれ、F,Cl,Br,Iの少なくとも1種を表し、X≠Yであり、a,bは、0<a<1、10-5<b<10-1 を満たす数を表す。)で表される輝尽性蛍光体。
【0036】
2. 特開昭61-72087号公報に記載の一般式
MIX・aMIIX′2・bMIIIX″3:cA
(但し、MIは、Li,Na,K,Rb,Csの少なくとも1種のアルカリ金属を表し、MIIは、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Cu,Niの少なくとも1種の2価の金属を表し、MIIIは、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,Ga,Inの少なくとも1種の3価の金属を表し、X,X′,X″は、F,Cl,Br,Iの少なくとも1種のハロゲンを表し、Aは、Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,Er,Gd,Lu,Sm,Y,Tl,Na,Ag,Cu,Mgの少なくとも1種の金属を表し、a,b,cは、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0≦c<0.2を満たす数を表す。)で表されるアルカリハイドロイド輝尽性蛍光体。
【0037】
3. 特開昭55-12145号公報に記載の一般式
(Ba1-x(MI)x)FX:yA
(但し、MIは、Mg,Ca,Sr,Zn,Cdの少なくとも1種を表し、Xは、Cl,Br,Iの少なくとも1種を表し、Aは、Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,Erの少なくとも1種を表し、x,yは、0≦x<0.6、0≦y<0.2を満たす数を表す。)で表される輝尽性蛍光体。
【0038】
4. 特開昭55-160078号公報に記載の一般式
MIFX・xA:yLn
(但し、MIは、Mg,Ca,Ba,Sr,Zn,Cdの少なくとも1種を表し、AはBeO,MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO,Al2O3,Y2O3,La2O3,In2O3,SiO2,TiO2,ZrO2,GeO2,SnO2,Nb2O5,Ta2O5,ThO2の少なくとも1種を表し、Lnは、Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,Er,Sm,Gdの少なくとも1種を表し、XはCl,Br,Iの少なくとも1種を表し、x,yは、5×10-5≦x≦0.5、0<y≦0.2を満たす数を表す。)で表される輝尽性蛍光体。
【0039】
(3) 封止フィルム
封止フィルム15,15′の材質は、画像性能を低下させず、水蒸気と酸素とを透過しにくい材質、例えば、アルミナ、あるいはシリカを蒸着した多層フィルムとした。
【0040】
尚、水蒸気透過率は、2.0g/m2・day以下であることが好ましく、吸湿等による輝尽性蛍光体層13の性能劣化を防止する点で、0.5 g/m2・dayであることが特に好ましい。
【0041】
更に、酸素透過率は、4.0 cc/m2・day以下であることが好ましく、輝尽性蛍光体層13の着色等の品質劣化を防止する点で、0.5 cc/m2・dayであることが好ましい。
【0042】
(4) 微小突起
輝尽性蛍光体層13の表面に微小突起を形成する手法としては、以下のような手法がある。
【0043】
▲1▼ エンボス加工を施す。
▲2▼ プラスチックフィルム12上に形成する輝尽性蛍光体層13の塗布、あるいは蒸着などの成膜条件により輝尽性蛍光体層の表面の粗さを制御する。
【0044】
▲3▼ 輝尽性蛍光体層13の表面にPTFE、PMMA、シリカ等の粒子を散布する。
▲4▼ 輝尽性蛍光体層13上にPTFE、PMMA、シリカ等の粒子を含む層を塗布する。
又、封止フィルム15の輝尽性蛍光体層13の対向面に微小突起を形成する手法としては、以下のような手法がある。
【0045】
▲1▼ エンボス加工を施す。
▲2▼ 封止フィルム15にPTFE、PMMA、シリカ等の粒子を散布する。
▲3▼ 封止フィルム15にPTFE、PMMA、シリカ等の粒子を含む層を塗布する。
【0046】
▲4▼ 封止フィルム15にPTFE、PMMA、シリカ等の粒子を含むアンチブロッキング性のフィルムを貼る。
そして、輝尽性蛍光体層13の封止フィルム15との対向面、封止フィルム15の輝尽性蛍光体層13との対向面のうち、少なくともどちらか一方の面の平均あらさ(Ra:μm)を下記のように設定した。
【0047】
0.1μm ≦ Ra ≦ 5.0μm
ここで、Ra<0.1μm の場合は、輝尽性蛍光体層13と封止フィルム15とが密着し、間隙Sが形成されず、又、 5.0μm<Ra の場合は、光が散乱して画像劣化となる。
【0048】
(5) 真空封止での真空度
真空度を10〜400Torrとした。
【0049】
ここで、10Torr以下であると、簡単な真空封止装置では困難で、製造工程に時間がかかり、400Torr以上では、封止フィルム15,15′にたるみが生じ、光が散乱して画像劣化となる。
【0050】
(6)疎水処理
ふっ素樹脂やシリコン樹脂等の撥水性材料でコーティングした。
(7) シート
シート21の主な材質として、X線の吸収率が高いPb(鉛)や、W(タングステン)を用いた。
【0051】
又、Pbシートの加工性を向上させるため、Sn(すず), Sb(アンチモン)をそれぞれ0.1〜10%を含有させたものが加工性の点で好ましい。
(8) 支持体トレー
支持体トレー20の材質としては、Al(アルミニウム)あるいはAl-Mg(マグネシウム),Al-Si(ケイ素)等の合金板、樹脂板、繊維/樹脂コンポジット板、Al/発泡樹脂、ハニカム板等の反り,うねりが無く、変形時の復元性が良好な高剛性のものを用いた。
【0052】
(9) 貼り合わせ
支持体トレー20とシート21との貼り合わせ、シート21と封止フィルム15′との貼りわせは、両面接着シート、接着剤等で行なった。
【0053】
このような構成の輝尽性蛍光体パネル11では、下記のような効果を得ることができる。
【0054】
(1) 図7(b)に示すように、封止フィルム15と輝尽性蛍光体層13との間に間隙Sがある場合、輝尽性蛍光体層13と封止フィルム15とが、密着せず、不連続となり、そのため輝尽性蛍光体層13の表面で反射した輝尽励起光Bの多くは封止フィルム15に向かい、封止フォルム15の外に出る。
【0055】
従って、輝尽性蛍光体層13で反射した輝尽励起光Bのうち、輝尽性蛍光体層13に再入射する輝尽励起光Bは少なくなり、読取画像の画質が低下しない。
(2) 封止フィルム15,15′を水蒸気が透過しにくい材質とすることにより、輝尽性蛍光体層13と封止材15とがぬれて、密着するのを防止し、密着による画像劣化を防止する。
【0056】
又、水蒸気により輝尽性蛍光体層13の輝尽性蛍光体が分解し、画像が劣化するのを防止できる。
更に、酸素を透過しにくい材質の封止フィルム15,15′材を用いることで、輝尽性蛍光体層13の酸化を防止し、着色等の変質劣化を防止できる。
【0057】
(3) 輝尽性蛍光体層13の封止フィルム15との対向面、封止フィルム15の輝尽性蛍光体層13との対向面のうち、少なくともどちらか一方の面に、疎水化処理を施すことにより、輝尽性蛍光体層13と封止フィルム15とが密着せず、画質が向上する。
【0058】
(4) 輝尽性蛍光体パネル11の輝尽性蛍光体層13側の面と反対側の面に、剛性の高い支持体トレー20を設けた輝尽性蛍光体パネル11としたことにより、剛性が向上し、高耐久性で、画像読取装置での取り扱いが容易となる。
【0059】
尚、本発明は上記実施の形態例に限定するものではない。上記実施の形態例では、輝尽性蛍光体シート14の封止方法として、真空封止方法で説明を行なったが、他に、輝尽性蛍光体シート14をラミネートフィルムで封止する方法や、スキンパックフィルムで封止する方法でもよい。
【0060】
更には、図2に示すように、輝尽性蛍光体シート14を封止材としての二枚のガラス板25,25′ではさみ、周囲の隙間を接着剤や低融点ガラス26で封止してもよい。
【0061】
【実施例】
本願発明者は、本発明の効果を確認するために、以下の項目を変化させた場合の輝尽性蛍光体パネルの画質及び耐久性を評価した。
【0062】
(1) 輝尽性蛍光体層の種類 … BFI:Eu、BF(Br,I):Eu
(2) 成膜方法 … バインダー分散散布、真空蒸着
(3) 封止形態 … フィルム真空封止、スキンパック封止、ラミネート封止、ガラス封止
(4) 封止フィルム … ベースフィルム(PET)のみ、ベースフィルム(PET)+アルミナ蒸着、ベースフィルム(PET)+シリカ蒸着、ガラス
(5) 微小突起の形成方法 … 処理なし、封止フィルム内面のフィルムが微粒子マット化フィルム、微粒子を封止フィルム内面に塗布、微粒子マット化フィルムを輝尽性蛍光体層表面に貼り合わせる、微粒子を輝尽性蛍光体層表面に散布、封止フィルム内面のフィルムをエンボス加工、輝尽性蛍光体層の表面をエンボス加工、微粒子を輝尽性蛍光体層表面に塗布、塗布蛍光体粒子の凹凸、蒸着膜の蛍光体結晶形
(6) 微粒子突起による表面粗さ … 0.0,0.2,0.5,1.0,3.5,7.0(μm)
(7) 真空封止真空度 … 50,100,200,350,500(Torr)
(8) 疎水化処理 … 処理なし、シランカップリング剤を散布
(9) シート … 純鉛、鉛+5%すず+2%アンチモン添加、鉛+5%すず添加、タングステン分散シート
(10) 支持体トレー … カーボン繊維強化樹脂板、Al-Mg合金板、Alハニカム板、Alハニカム板、Al+発泡樹脂複合板、ポリカーボネート樹脂板、塩化ビニル樹脂板
(11) 輝尽性蛍光体プレート10とシート21と支持体トレーとの貼り合わせ方法 … 両面接着シート(不織布ベース、PETベース)、エポキシ接着剤
(12) 画質 … 鮮鋭度指数、プレート構造による画像ざらつき指数
(13) 耐久性 …耐用指数
図3〜図5に示すように、本発明の構成とすることで、読取画像の画質、及び、耐久性が向上していることを確認した。
【0063】
又、比較例1〜4は、間隙形成手段を有しれおらず、輝尽性蛍光体層と封止フィルムとが密着し、両者は不連続となっていない。
【0064】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1載の発明の輝尽性蛍光体プレートによれば、輝尽性蛍光体層と封止フィルムとの間に間隙を形成したことにより、輝尽性蛍光体層と封止フィルムとが、密着せずに、不連続となり、輝尽性蛍光体層の表面で反射した輝尽励起光の多くは封止材に向かい、封止材の外に出る。
【0065】
従って、輝尽性蛍光体層で反射した輝尽励起光のうち、輝尽性蛍光体層に再入射する輝尽励起光は少なくなり、読取画像の画質が向上する。
請求項2記載の発明の輝尽性蛍光体プレートによれば、封止フィルムを水蒸気を透過しにくい材質とすることにより、輝尽性蛍光体層と封止フィルムとがぬれて、密着するのを防止し、密着による画像劣化を防止する。
【0066】
更に、水蒸気により輝尽性蛍光体が分解し、画像が劣化するのを防止できる。又、酸素を透過しにくい材質の封止フィルムを用いることで、輝尽性蛍光体層の酸化を防止し、着色等の変質劣化を防止できる。
【0067】
請求項3及び請求項4記載の発明の輝尽性蛍光体プレートによれば、輝尽性蛍光体層の封止フィルムとの対向面、封止フィルムの輝尽性蛍光体層との対向面のうち、少なくともどちらか一方の面に、疎水化処理を施すことにより、輝尽性蛍光体層と封止フィルムとが密着せず、画像が向上する。
【0068】
請求項記載の発明の輝尽性蛍光体パネルによれば、輝尽性蛍光体プレートの輝尽性蛍光体層側の面と反対側の面に、剛性の高い支持体トレーを設けたことにより、剛性が向上し、高耐久性で、画像読取装置での取り扱いが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例の輝尽性蛍光体パネルの断面構成図である。
【図2】他の実施の形態例の輝尽性蛍光体パネルの断面構成図である。
【図3】実施例での実験結果を示す図である。
【図4】実施例での実験結果を示す図である。
【図5】実施例での実験結果を示す図である。
【図6】従来の輝尽性蛍光体プレートの断面構成図である。
【図7】問題点と本発明の効果を説明する図である。
【符号の説明】
10 輝尽性蛍光体プレート
11 輝尽性蛍光体パネル
12 プラスチックフィルム
13 輝尽性蛍光体層
14 輝尽性蛍光体シート
15,15′ 封止フィルム(封止材)
20 支持体トレー

Claims (5)

  1. 輝尽性蛍光体層が形成された輝尽性蛍光体シートと、該輝尽性蛍光体シート全体を封止する封止フィルムとからなる輝尽性蛍光体プレートであって、
    前記輝尽性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層の前記封止フィルムとの対向面、前記封止フィルムの前記輝尽性蛍光体層との対向面のうち、少なくともどちらか一方の面に、平均あらさ(Ra:μm)が0.1μm ≦ Ra ≦ 5.0μとなるような微小突起を設け、
    前記輝尽性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層と、前記封止フィルムとの間に、間隙を形成したことを特徴とする輝尽性蛍光体プレート。
  2. 前記封止フィルムは、水蒸気と酸素とを透過しにくい材質であることを特徴とする請求項1記載の輝尽性蛍光体プレート。
  3. 前記輝尽性蛍光体層の前記封止フィルムとの対向面、前記封止フィルムの前記輝尽性蛍光体層との対向面のうち、少なくともどちらか一方の面に、疎水化処理を施すことを特徴とする請求項1又は2記載輝尽性蛍光体プレート。
  4. 前記封止フィルムの封止形態は、フィルム真空封止、フィルムラミネート封止、スキンパック封止のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の輝尽性蛍光体プレート。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の輝尽性蛍光体プレートの輝尽性蛍光体層側の面と反対側の面に、剛性の高い支持体トレーを設けたことを特徴とする輝尽性蛍光体パネル。
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