JP4168216B2 - ゲーム装置用の振動発生装置及びゲーム装置用の銃模型 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲーム装置を操作するプレイヤに対してゲーム内容の展開に応じて振動を付与するための振動発生装置に関する。また、本発明はその振動発生装置を用いて構成されるゲーム装置用の銃模型に関する。
【0002】
【従来の技術】
シミュレーション装置も含めてゲーム装置では、ゲーム内容の展開に応じてプレイヤに振動を与えて臨場感を盛り上げるという手法が従来から広く採り入れられている。このための振動発生装置として、従来、特開平7−024147号公報に開示されたものが知られている。この振動発生装置は、偏心カムと銃模型とをリンクによって連結し、偏心カムの平面的な回転運動を銃模型の振動運動に変換してプレイヤに付与するという構造を有している。
【0003】
また、従来の振動発生装置として、特開平7−091894号公報に開示されたものが知られている。この振動発生装置は、加圧気体の給排気によって弾性体を伸縮させて可動片を瞬間的に移動させるという構造を有している。
【0004】
また、従来の振動発生装置として、往復直線運動機構であるソレノイドの運動子に重りを固定し、そのソレノイドを作動させて重りを往復移動させることによって振動を発生するという構造を有するものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平7−024147号公報に開示された従来の振動発生装置に関しては、偏心カムの平面的な回転運動を利用するものなので、銃模型のように直線的な銃身を有するものに対してその直線方向に振動を付与することを希望する場合には、希望通りの効果が得られないという問題があった。また、偏心カムの回転運動をリンクを介して対象物の直線運動に変換してプレイヤに伝えるという構造なので、瞬間的に強い振動をプレイヤに付与することが難しかった。
【0006】
また、特開平7−091894号公報に開示された従来の振動発生装置に関しては、加圧気体を利用しなければならないので装置全体が大掛かりになると共に、周期の短い高速の振動を発生することが難しいという問題があった。さらに、ソレノイドを用いた上記従来の振動発生装置に関しても、周期の短い高速の振動を発生することが難しいという問題があった。
【0007】
本発明は、従来の振動発生装置における上記の問題点に鑑みて成されたものであって、瞬間的に強い振動を短い周期で高速に発生させることができる振動発生装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記の目的を達成するため、本発明に係る振動発生装置は、回転する出力軸を備えたモータと、前記モータの出力軸に取り付けられた周面カムと、前記周面カムの周面に形成されたカム輪郭によって駆動されて直線運動する重りと、前記重りの運動によって伸縮されるバネとを有し、前記カム輪郭は、前記バネの復元力に抗して前記重りを移動させる押圧領域と、前記バネの復元力に従って前記重りが移動するように前記重りの移動を解放する解放領域とを有し、さらに、前記解放領域において解放された前記重りの移動を停止させるストッパを有することを特徴とする。
【0009】
上記構成において「周面カム」とは、中心軸のまわりの周面にカム輪郭が形成される形状のカムのことであり、例えば、円筒形状の周面にカム輪郭を形成した円筒カム、円錐形状の周面にカム輪郭を形成した円錐カム等が考えられる。
【0010】
この振動発生装置においては、バネの作用により重りが円筒カムのカム輪郭に押し付けられる。そして、モータが作動してその回転軸が回転すると円筒カムが回転する。すると、回転する円筒カムの周面に形成したカム輪郭に従って重りが往復移動し、この重りの移動により振動が発生する。
【0011】
本発明では、上記のようにカムによって重りを移動させて振動を発生するようにしたので、特開平7−024147号公報に示された装置のように対象物をカムによって直接に振動させる場合に比べて瞬間的に強い振動を発生させることができる。また、円筒カムの周面に形成したカム輪郭によって重りを往復移動させるので、短い周期で高速に振動を発生することができ、しかも、振動発生装置の全体形状を非常に小型に形成できる。
【0012】
(2) 上記構成の振動発生装置において、前記周面カムの回転中心軸線と前記重りの直線運動方向とは互いに実質的に平行に設定できる。このような構造は、周面カムとして円筒カムを用いることによって達成できる。「実質的」とは、多少の誤差がある場合でも作用・効果的に同じであると考えられる場合を含む意味である。この構成の振動発生装置によれば、周面カムの中心軸線、モータの中心軸線及び重りの運動方向の全てを互いに平行に、すなわち同じ方向へ揃えることができるので、振動発生装置の全体形状を非常に小型に形成できる。
【0013】
(3) 上記構成の振動発生装置において、前記カム輪郭は、前記バネを圧縮する方向へ前記重りを移動させるための押圧領域と、その押圧領域の後に設けられていて重りとの係合が外れる解放領域とを含んで構成できる。そしてさらに、前記カム輪郭の解放領域に対応したときに前記バネの復元力に従って移動する重りを停止させるストッパを設けることができる。
【0014】
この構成によれば、カム輪郭の解放領域の所で重りを瞬時に解放でき、そのときには、カムから解放された重りがバネの復元力によって勢い良くストッパに衝突して振動が発生する。この振動は、偏心カムによって単に対象物を直接に振動させる場合に比べて非常に強いものであり、よって、プレイヤに対してメリハリの利いた歯切れの良い振動を付与でき、特に、銃模型における射撃の反動衝撃を実現することに関して非常に有効である。
【0015】
(4) 次に、本発明に係るゲーム装置用の銃模型は、上記の各構成の振動発生装置を備えたゲーム装置用の銃模型であって、前記重りの運動方向は銃身方向に対して実質的に平行に設定されることを特徴とする。この銃模型によれば、振動発生装置によってもたらされる振動を、銃の射撃時の反動衝撃を忠実に再現するための振動として有効に利用できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る振動発生装置を用いた銃模型の一実施形態を示している。この銃模型1は、銃の形を模して形成されたケーシング2を有し、その中には振動発生装置3、トリガ装置4及び受光センサ6の各要素が収納される。トリガ装置4は、矢印A−A’のように移動可能なトリガレバー10を有し、そのトリガレバー10が矢印A方向へ引かれたときにトリガ信号を出力する。
【0017】
受光センサ6は、例えば、ラスター走査型のCRTディスプレイ(図示せず)からのラスター輝点を受光するために使用される。今、プレイヤが銃模型1を持って上記ディスプレイの適所に狙いを定めてトリガレバー10を矢印A方向へ引くと、上記ディスプレイには模擬銃1の狙い位置、すなわち照準位置を特定するために使用されるホワイト画面、いわゆるフラッシュ画面が瞬間的に表示される。このフラッシュ画面のラスター走査輝点を受光センサ6によって受光して、その輝点のディスプレイ上におけるX座標及びY座標を求めれば、その座標位置をもって銃模型1の照準位置を特定できる。
【0018】
振動発生装置3は、フレーム5を介してケーシング2の内部に固定されたモータ7を有し、そのモータ7の出力軸7aに周面カムとしての円筒カム8が取り付けられる。この円筒カム8は、図2において、モータ7によって駆動されて中心軸線Z8を中心として回転する。円筒カム8はその周面にカム輪郭8aを有し、重り9に形成されたカムフォロワ11がそのカム輪郭8aに圧力下で接触する。
【0019】
重り9は、フレーム5に設けられたスライダ14に支持されることにより、矢印B−B’で示すように往復直線移動できるようになっている。この直線移動方向B−B’は、円筒カム8の回転中心軸線Z8と実質的に平行に設定されている。また、この方向は図1の銃模型1の銃身方向に対しても実質的に平行である。重り9とフレーム5との間には圧縮バネ13が設けられ、このバネ13のバネ力により重り9がカムフォロワ11を介してカム輪郭8aに押し付けられる。
【0020】
カム輪郭8aは、図示の展開図に示すように、重り9をバネ13のバネ力に抗して矢印B方向(図の右方向)へ押しやるための押圧領域12及びカムフォロワ11との係合が外れる解放領域16を有する。図2に示す状態は、カムフォロワ11が押圧領域12の低ストローク位置に置かれる状態を示しており、このとき重り9は、フレーム5に形成したストッパ17に当接する状態にある。
【0021】
モータ7が作動して円筒カム8が回転すると、カム輪郭8aはカムフォロワ11に対して相対的に矢印C方向へ移動し、これによりカムフォロワ11従って重り9は矢印B方向へ直線移動する。回転するカム輪郭8aの高ストローク位置がカムフォロワ11に到達すると、図3に示すように、重り9はバネ13を最も圧縮する位置まで移動する。
【0022】
カム輪郭8aの高ストローク位置の直ぐ後には、カムフォロワ11との係合が外れる領域である解放領域16が設けられているので、図3の圧縮位置まで押しやられた重り9は、次の瞬間にカム輪郭8aから外れて、バネ13の復元力により瞬時に矢印B’方向へ移動してストッパ17へ衝突して図2に示す状態となる。このときの衝突による振動が銃模型1を持っているプレイヤに射撃動作の反動、すなわち振動として体感される。
【0023】
本実施形態の振動発生装置3は以上のように構成されているので、図1において、標的像が映像として表示されているCRTディスプレイ(図示せず)へ向けてプレイヤが銃模型1の照準を合わせ、さらにトリガレバー10を矢印A方向へ引いた場合に、受光センサ6によって検出される照準位置が上記のCRTディスプレイ上の標的像に一致するときには、そのCRTディスプレイ上に命中の演出映像を映し出す。また、照準位置が標的像から外れるときには、外れの演出映像を映し出す。
【0024】
さらに、プレイヤがトリガレバー10を矢印A方向へ引いたときには、実際の射撃動作のときに発生するような反動をプレイヤに体感させるために、振動発生装置3を作動させて振動を発生する。具体的には、図2に示す状態からモータ7を作動して円筒カム8を所定の速度で少なくとも1回転させる。すると、重り9は円筒カム8の回転に従って図2に示すストップ位置と図3に示すバネ圧縮位置との間で往復移動を行い、重り9がストッパ17に衝突するときに、瞬間的に強い振動がプレイヤに付与される。
【0025】
本実施形態では、中心軸線Z8を中心として回転する円筒カム8の周面に形成したカム輪郭8aによって重り9を往復移動させて振動を発生させる構造を採用したので、従来のようにソレノイドのON/OFFによって重りを往復移動させて振動を発生する構造に比べて、短い周期で高速に振動を発生することができる。このことは、プレイヤがトリガレバー10を小刻みにON/OFFさせる場合に非常に好適である。
【0026】
また、本実施形態の振動発生装置3では、モータ7の中心軸線、円筒カム8の回転中心軸線Z8及び重り9の往復直線運動方向が互いに平行に設定されているので、振動発生装置3の全体形状を非常に小型に形成できる。
【0027】
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。例えば、周面カムとしては円筒カム8に限られず、円錐カム等を用いることもできる。
【0028】
【発明の効果】
本発明に係る振動発生装置及び銃模型によれば、カムによって重りを移動させて振動を発生するようにしたので、特開平7−024147号公報に示された装置のように対象物をカムによって直接に振動させる場合に比べて、瞬間的に強い振動を発生させることができる。
【0029】
また、円筒カムの周面に形成したカム輪郭によって重りを往復移動させるので、短い周期で高速に振動を発生することができ、しかも、振動発生装置の全体形状を非常に小型に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振動発生装置を用いた銃模型の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の銃模型に用いられる振動発生装置の断面構造及びそれに用いられるカム輪郭の展開図を示す図である。
【図3】図2の振動発生装置における異なる時点の動作状態を示す図である。
【符号の説明】
1 銃模型
2 ケーシング
3 振動発生装置
4 トリガ装置
5 フレーム
7 モータ
7a モータ出力軸
8 円筒カム(周面カム)
8a カム輪郭
9 重り
11 カムフォロワ
12 カム輪郭の押圧領域
13 圧縮バネ
16 カム輪郭の解放領域
17 ストッパ
Claims (4)
- 回転する出力軸を備えたモータと、
前記モータの出力軸に取り付けられた周面カムと、
前記周面カムの周面に形成されたカム輪郭によって駆動されて直線運動する重りと、
前記重りの運動によって伸縮されるバネと、を有し、
前記カム輪郭は、前記バネの復元力に抗して前記重りを移動させる押圧領域と、前記バネの復元力に従って前記重りが移動するように前記重りの移動を解放する解放領域とを有し、前記解放領域において解放された前記重りの移動を停止させるストッパを有する
ことを特徴とするゲーム装置用の振動発生装置。 - 請求項1において、前記周面カムの回転中心軸線と前記重りの直線運動方向とは実質的に互いに平行であることを特徴とするゲーム装置用の振動発生装置。
- 請求項2において、前記バネは前記重りの直線運動方向に沿って伸縮する圧縮バネであり、該圧縮バネは、前記重りが前記カム輪郭の押圧領域によって移動させられるときに圧縮されることを特徴とするゲーム装置用の振動発生装置。
- 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のゲーム装置用の振動発生装置を備えたゲーム装置用の銃模型において、前記重りの運動方向は銃身方向に対して実質的に平行に設定されることを特徴とするゲーム装置用の銃模型。
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