JP4168168B2 - 改良スクロース−6−エステル化法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は触媒としてジスタノキサンジエステル(distannoxane diester)を用いるスクロースの位置選択的エステル化のための方法における改良に関する。
【0002】
【発明の背景】
人工甘味料である4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース(「スクラロース」)は、4、1’及び6’位のヒドロキシルを塩素で置換することによりスクロースから誘導される。(甘味料の製造法において4位における立体配置は逆転する−従って化合物はガラクトスクロースである。)置換されるヒドロキシルは2つが第1であり、1つが第2であり、異なる反応性のものなので、所望の位置のみへの塩素原子の方向が合成の主な問題である。さらに合成は、6位における第1ヒドロキシルが最終生成物において非置換であるという事実により複雑になる。
【0003】
スクラロースの製造のための複数の異なる合成経路が開発され、その経路においては4、1’及び6’位のヒドロキシルの塩素化の前に6位の反応性ヒドロキシルがエステル基などにより最初に遮蔽され、続いて加水分解をしてエステル置換基が除去され、スクラロースが製造される。そのような合成経路のいくつかはスクロース−6−エステル類の錫−媒介合成を含む。代表的例はNavia(米国特許第4,950,746号)、Neiditch et al.(米国特許第5,023,329号)及びWalkup et al.(米国特許第5,089,608号)により開示された錫−媒介経路である。
【0004】
1992年3月18日公開のEP A 0 475 619において、及び又米国特許第5,470,969号(EP A 0 475 619が基づく米国特許出願の一部継続)において、スクロース−6−エステルの製造のための改良法が開示されている。この方法は極性非プロトン性溶媒及び1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサン(「ジスタノキサンジエステル」又は「DSDE」)を含む反応混合物中でスクロースを無水カルボン酸と、スクロース−6−エステルを製造するのに十分な時間、及びそれに十分な温度で反応させることを含む。1つの重要な側面において、DSDE−触媒法は:
(1)スクロース、極性非プロトン性溶媒、共蒸留により水を除去することができる第2溶媒及び1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンを含む第1反応混合物を調製し;
(2)該第1反応混合物を共蒸留させて水を除去し、それにより第2反応混合物を形成せしめ;
(3)無水カルボン酸を該第2反応混合物に加え、第3反応混合物を形成せしめ、該第3反応混合物をスクロース−6−エステルを製造するのに十分な温度及び時間保持する
ことを含む。
【0005】
本発明はDSDE−触媒法のこの側面についての改良を含む。
【0006】
【発明の概略】
広義には、本発明は、共蒸留により水を除去することができる溶媒の蒸気を、(a)極性非プロトン性溶媒、ならびに(b)スクロース及び1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサン及び/又はスクロースと1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンの反応生成物を含む反応混合物に、該反応混合物中の水の実質的にすべてを共蒸留により除去するのに十分な量で及びそれに十分な時間通過させることを含む方法を提供する。
【0007】
1つの側面において本発明は:
(1)スクロース及び極性非プロトン性溶媒を含む第1反応混合物を調製し、場合により共蒸留により水を除去することができる第2溶媒の蒸気を該第1反応混合物に通過させることにより該第1反応混合物を加熱し;
(2)該第1反応混合物に1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)−ジスタノキサンを加えて第2反応混合物を形成せしめ;
(3)共蒸留により水を除去することができる第2溶媒の蒸気を該第2反応混合物に、該反応混合物中の水の実質的にすべてを共蒸留により除去するのに十分な量で及びそれに十分な時間通過させ、それにより該極性非プロトン性溶媒及び該第2溶媒を含む第3反応混合物を形成せしめ、該第2反応混合物は実質的に水を含まず;
(4)該第3反応混合物に無水カルボン酸を加えて第4反応混合物を形成せしめ、該第4反応混合物をスクロース−6−エステルを製造するのに十分な温度及び時間保持する
ことを含む方法を提供する。
【0008】
【発明の詳細な記載】
本発明の方法は、極性非プロトン性溶媒及びジスタノキサンジエステルを含む反応混合物中で、スクロース−6−エステルの製造に十分な時間及びそれに十分な温度でスクロースを無水カルボン酸と反応させる方法の1つの重要な側面における改良である。本方法の場合、(a)スクロース及び極性非プロトン性溶媒を含む第1反応混合物が調製される。第1反応混合物は場合により、共蒸留により水を除去することができる第2溶媒の蒸気を第1反応混合物に通過させることにより加熱されることができる。第2段階において、(b)DSDEを第1反応混合物に加えて第2反応混合物を形成せしめ、(c)共蒸留により水を除去することができる第2溶媒(例えばシクロヘキサンなどの)の蒸気を、水を除去するために十分な量で及びそれに十分な時間、第2反応混合物に通過させ、極性非プロトン性溶媒及び第2溶媒を含む第3反応混合物を形成せしめ、得られる第3反応混合物は実質的に水を含まず、(d)無水カルボン酸を第3反応混合物に加えて第4反応混合物を形成せしめ、それをスクロース−6−エステルを製造するのに十分な温度及び時間保持する。
【0009】
DSDE:スクロースの化学量論比(モル:モル)は狭い範囲内で決定的ではない。例えば約0.10〜約1.5モル当量(スクロースに基づき)の範囲の比率を用いることができ、約35%〜約80+%の範囲のスクロース−6−エステル収率を与える。実験室データは、約1:1のスクロース:DSDEの大体の比率まで、DSDEの化学量論的量が増加すると共にスクロース−6−エステル収率が増加することを示している。1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン(ジスタノキサンジアセテート又は「DSDA」)及び1,3−ジベンゾイルオキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン(ジスタノキサンジベンゾエート又は「DSDB」)の両方は本方法において用いるのに有効であることが示された。
【0010】
用いられた極性非プロトン性溶媒はN,N−ジメチルホルムアミド(「DMF」)及びN−メチル−2−ピロリドンを含む。他の適した溶媒はジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド及びヘキサメチルホスホルアミドを含む。
【0011】
約1〜約4モル当量(スクロースに基づき)の範囲の化学量論比の無水カルボン酸を用いることができる。好ましい化学量論比は約1.1〜約1.8モル当量の範囲にある。約1.1モル当量より低い化学量論比は最終生成物において望ましくない量の未反応スクロースを生じ得、一方約1.8より高い比率は望ましくないスクロースジエステルの形成を引き起こし得る。
【0012】
約−10℃〜約60℃の範囲のアシル化反応温度が有用であることが見いだされた。アシル化反応温度はアシル化の速度に影響を与え、過度の高温は望ましくないスクロースエステル類の製造を増加させ得るが、用いられる特定の反応温度は狭い範囲内で決定的な本発明の側面ではない。好ましいアシル化温度は約0℃〜約45℃の範囲である。アシル化反応は通常、0℃〜60℃の示されている温度範囲において約1/4時間〜約6時間を要するであろう。
【0013】
無水酢酸及び無水安息香酸の両方が有効なアシル化剤であることが示された。ほとんど経済的理由から、及びスクロースとの反応で用いる場合はジスタノキサンジアセテートがジスタノキサンジベンゾエートより好ましいので(この因子は下記においてもっと詳細に議論される)、無水酢酸が好ましい。多様な他の無水カルボン酸が本発明の実行において有効に機能することが予想される。そのような他の無水物の例は置換安息香酸(例えば4−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸など)、アルカン酸、例えばプロピオン酸、酪酸、シクロヘキサン−カルボン酸、炭素数が最高で例えば28の飽和及び不飽和の両方の長鎖脂肪酸、例えばステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸など、不飽和酸、例えばアクリル酸及びメタクリル酸、置換酸、例えばクロロ酢酸、シアノ酢酸、フェノキシ酢酸などの無水物である。
【0014】
アシル化の速度は複数の変数に依存し、それは触媒の化学量論(スクロースに対する触媒濃度の増加はアシル化の速度を向上させる)、触媒の活性(例えばDSDAはDSDBより活性な触媒であると思われる)、無水カルボン酸の反応性(例えば無水酢酸は無水安息香酸より反応性である)、ならびに反応温度及び反応性化学種の相対的濃度(アシル化は多−次反応なので)を含む。
【0015】
DSDEはVernon et al.,米国特許第5,034,551号の方法により再利用のために回収することができる。(本発明の場合、回収されたままDSDEを用いることができる;Vernon et al.,はDSDEをジスタノキサンジアルコキシド又はジ(ヒドロカルビル)錫オキシドに転化することを意図した。)アシル化混合物を少量の水で処理し、混合物をトルエン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン又はそれらの混合物などの炭化水素、あるいはジエチルエーテル、ジ(n−プロピル)エーテル、メチルtert.−ブチルエーテルなどのエーテルと接触させることによりDSDEが本質的に定量的に抽出される。DSDEを再循環させることは、大きな割合の錫化学種を再利用のために回収することができるので経済的理由から、及び固体の取り扱いが減少するので処理の理由から(すなわちDSDEは溶液中で回収される)有利である。
【0016】
再循環のためのDSDEの除去の後、反応混合物はスクロース−6−エステル、カルボン酸(無水カルボン酸とスクロースの反応により形成されるもの、及び過剰の無水物と上記のDSDE抽出段階で加えられた水との反応により形成され得るもの)、いくらかの未反応スクロース、少量の他のスクロースエステル、ならびに極性非プロトン性溶媒を含む。スクロース−6−エステルをさらに処理する前に極性非プロトン性溶媒中のスクロース−6−エステルの溶液からカルボン酸を除去するのが好ましい。これは例えば、酸が酢酸のように比較的揮発性の場合、真空離脱により行うことができる。スクロース−6−エステルを同じ溶媒中でさらに処理することが望まれる場合、離脱操作の間に補填極性非プロトン性溶媒を加えることができる。(例えばDMFが溶媒であり、Walkup et al.法を介した塩素化が次の段階である場合。)次いで残留極性非プロトン性溶媒中の所望のスクロース−6−エステルを続く処理に直接用いることができ、あるいは場合によりメタノールなどの溶媒からの結晶化などの従来の方法によりそれを回収することができる。通常存在する炭水化物不純物(未反応スクロース及び他のスクロースエステル類)は、スクラロース−6−エステルを製造するスクロース−6−エステルの塩素化に悪影響を持たない。
【0017】
共蒸留により水を除去することができる第2溶媒は飽和炭化水素、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、ケトン類及びエーテル類を含む。非常に広範囲の第2溶媒が本発明において用いるために適していると思われる。第2溶媒に関する主な基準は、それが極性非プロトン性溶媒、DSDE及びスクロースと、約75℃〜約153℃(及び好ましくはスクロースの熱分解を最小にするために100℃より低温)の範囲内の内部反応温度で還流する混合物を作ること、それが反応混合物中に存在する水と共蒸留されること、及びそれが重要反応成分(例えばスクロース)を不溶性としないことである。
【0018】
水と非混和性であり、水と一定−組成最小−沸騰共沸混合物(constant−composition minimum−boiling azeotrope)を形成する第2溶媒が好ましいが、第2溶媒は本発明で用いるために有効であるために、水と一定組成の一定−沸騰共沸混合物(constant−boiling azeotrope)を形成することができなくても良い。第2溶媒が水と非混和性であることも必要ではない。第2溶媒が反応媒体から水を共蒸留させることができることのみが必要である。第2反応混合物における水の源は、スクロース及び極性非プロトン性溶媒中に存在する少量の水、ならびにスクロース及びDSDEの相互作用により形成される(十分に特性化されていない反応により)水である。本発明の方法の場合、DSDEは方法の最後にDSDEとして回収することができるので、スクロースとのDSDEの相互作用にかかわらずDSDEは「触媒」と名付けられる。
【0019】
例示の目的で1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラ(ブチル)ジスタノキサン(DSDA)をジスタノキサンジエステルとして、及び無水酢酸をアシル化剤として用いる本発明の方法において、以下の順の反応が起こることが仮定される:
以下の通り、スクロース及びDSDAは反応してスクロース/スタノキサン付加物(1)及びジブチル錫ヒドロキシド(2)を与える:
Figure 0004168168
アルキル錫ヒドロキシドは容易に脱水されてジスタノキサン類を与えることが知られている1。結局1モル当量の(2)縮合物がそれぞれ1/2当量の水及びDSDAを与える。これがDSDEとのスクロースの反応により生成される水の源である。DSDAとのスクロースの反応が完了したら、反応混合物は冷却され、アシル化剤が加えられ、以下の反応が起こる:
Figure 0004168168
────────
1 A.J.Bloodworth and A.G.Davies,Chapter 4,in Organic Compounds,Ed.A.K.Sawyer,Marcel Dekker,NY 1971
ジブチル錫ジアセテートは水中で加水分解され、DSDA及び酢酸を与えることが報告されている2。かくしてDSDA及び無水酢酸が用いられると(上記の例示的反応系列の場合のように)、アシル化反応が完了した後に反応混合物に水が加えられると(クエンチング)、DSDAは変化せずに回収される。例えばDSDA及び無水安息香酸が用いられるとモノベンジルオキシ、モノアセトキシジブチル錫種(又はその2量体、最初のジスタノキサンジエステルの類似体)が回収される。
【0020】
化学的安定性、水の除去の効率、経費及び沸点の理由で好ましい第2溶媒はトルエン、シクロヘキサン、n−ヘプタン及びイソオクタン(2,2,3−トリメチルペンタン)を含む。好ましい脱水温度は約85℃〜約105℃の範囲内である。約85℃より低い温度は不必要に遅い脱水を生じ得、一方約105℃より高い温度はスクロースの有意な分解を生じ得る。
【0021】
本発明の主な寄与は蒸気の形態の第2溶媒を水の除去に十分な量で、及びそれに十分な時間、上記の第2反応混合物に通過させる(散布)ことにより、水除去段階を行う段階である。第2溶媒の蒸気が第2反応混合物に通過させられ、この反応混合物から水の実質的すべてを除去する。水の除去は例えば錫/水比が約20/1〜約35/1、重量/重量になるまで続けられる。錫の測定値は本質的にX−線蛍光により測定される%錫であり、%DSDEではなく、水はKarl−Fischer分析による%水として測定される。
【0022】
以下の実験は本発明を例示するものである:
【0023】
【実施例】
装置の配置
────────
2 M.G.Muralidhara and V.Chandrasekhar,Ind.J.Chem.,1991,30,487
反応器系(パイロットプラント寸法)は循環ループ、シクロヘキサンボイラー、蒸気回収系及び固体供給機系に連結された撹拌ジャケット付き反応器を含んだ。循環ループはポンプ及び熱交換器を含む。シクロヘキサンボイラーはポンプ及び熱交換器を有する循環ループ、ならびに散布機を介して反応器に連結されている蒸気ラインに連結された耐圧容器を含む。蒸気回収系は蒸気冷却器、ならびに重及び軽相排出ポンプを有するデカントタンクを含む。固体供給機系は振動ホッパー及びスクリューコンベヤーを含む。
【0024】
系におけるシクロヘキサンの流れは以下の通りである:シクロヘキサンはボイラー中で20psigに過熱される。次いで過熱されたシクロヘキサン蒸気は散布機を介して反応器に入り、反応混合物に接触し、高所を冷却器に流れる。(この場合所望の反応温度がシクロヘキサンの通常の沸点より高いので、シクロヘキサンの蒸気は過熱される。当該技術分野における熟練者はそれぞれの場合の第2溶媒の特定の所望の蒸気温度を、所望の反応温度、熱伝達率、特定の第2溶媒の蒸気の比熱、ならびに化学及びプロセスエンジニアに周知の他の類似の因子に基づいて決定することができるであろう。)凝縮された蒸気はデカントタンクに流れ、そこで2つの非混和相[(1)水/DMF−重い;(2)シクロヘキサン−軽い]が分離される。回収されたシクロヘキサンはシクロヘキサンボイラーにポンプで入れられ、水/DMFは運搬容器(すなわち凝縮液のためのポータブル受け器)に集められる。
【0025】
試験実験
シクロヘキサンをボイラーに装填し、循環を開始した。反応器に390kgのDMFを装填し、撹拌した。熱交換媒体としてジャケット中のプロピレングリコール33%水溶液を用い、DMFを45℃に加熱した。次いで70kgのスクロースを固体供給系を介して反応器に装填した。反応器を85℃に加熱し、スクロースを溶解させた。スクロースが溶液の状態となったら、ジャケットを用いて反応器を105℃(内部温度)に加熱した。
【0026】
シクロヘキサンをボイラー中で20psigに過熱した。温度に達したら、シクロヘキサン蒸気を散布機を介して反応器に通し出した。反応器からのシクロヘキサン蒸気を凝縮させ、デカントタンクに集め、ボイラーにポンプで戻した。
【0027】
反応器が温度に達し、蒸気が反応器に流れたら、室温におけるシクロヘキサン中の濃DSDA(122.7kgのDSDA;74.66重量%のDSDA/25.44重量%のシクロヘキサン)を約15分かけて反応器に加え、反応時間の監視を開始した。DSDAの添加の間に温度は94℃に下がったが、10分以内に97℃の反応温度に回復した。次いで濃DSDAラインに51kgのDMFをフラッシした。反応の間、シクロヘキサン流量を約1400kg/時に、及び反応器温度を約97℃に保持した。スクロース及びDSDAの間の相互作用は60分内に完了した(錫/水比により監視)。試料採取及び分析における時間の遅延のために、反応は98分間続けた。次いでシクロヘキサンボイラーを閉め、反応器の撹拌を開始し、プロピレングリコール33%水溶液冷却の循環ループを用いて反応器を0℃に冷却した。
【0028】
反応器が0℃になったら、24.1kgの無水酢酸を反応器の循環ループに15分かけて装填した。アセチル化反応は合計360分間、0℃に保持した。保持時間の最後に溶液を21.7kgの水でクエンチし、30分間保持した。最終的炭水化物分布は86.01%のS−6−A/S−2−A(スクロース−6−アセテート/スクロース−2−アセテート)、11.75%のS−D−A(スクロース−ジ−アセテート)、0.59%のS−M−A(他のスクロース−モノ−アセテート)及び1.65%のスクロースであった。
【0029】
S−6−A/S−2−A(スクロース−6−アセテート/スクロース−2−アセテート)の比率は典型的に約18:1であり、約81.5%のS−6−Aのみ及び4.5%のS−2−Aの収率に相当する。
【0030】
変法
S−6−Aの製造のための他の方法は、スクロースを85℃において溶解し、次いで溶液を105℃に加熱し、濃DSDAを約15分で加えることである。DSDAの添加の間に反応器温度は通常約92℃に下がり、ジャケットを用いて加熱して97℃の反応温度に戻さなければならない。反応器が温度に達したらシクロヘキサン蒸気及び反応時間監視を開始する。反応の経路は錫/水比の監視により追跡される。脱水が完了したら反応器を冷却し、0℃においてアセチル化し、次いで上記の通りにクエンチする。同等の生成物品質及び収率が回収されるが、この方法はスクロース/DSDE反応時間を60分から約90分に延長させ、炭水化物が高温にさらされる合計時間を長くする。
【0031】
これらの2つの方法における主な相違は全体的反応サイクル時間に関連し、それ自身は用いられる加熱順及び管理により影響される。第1の方法では、シクロヘキサン蒸気の導入が有機錫(DSDE)導入の間の内部温度の保持に用いられた。第2の方法では、反応物がすべて導入され、適した温度における平衡がジャケット加熱により達成された後に初めて散布系が開始された。正味の結果は、後者の加熱管理がより遅いということである。これは収率又は品質に悪影響を与えるように思われないが、それは同じ装置で与えられた時間に処理できるバッチがより少なく、従って固定された製造量に関する装置コストが対応して増加することを意味する。
【0032】
先行技術の方法
S−6−Aの製造のための他の方法(先行技術の方法)は、85℃でスクロースを溶解し、循環ループ及び蒸気加熱を用いて105℃に加熱し、次いで濃DSDAを加えることである。DSDA添加の間に反応温度は通常約90℃に下がり、熱交換器を用いて加熱して97℃の反応温度に戻す必要がある。反応の経路は錫/水比の監視により追跡される。脱水が完了したら(シクロヘキサンを用いた共蒸留によるが、反応混合物を通したシクロヘキサン蒸気の散布による加熱ではなく、ジャケット加熱を用いる)、反応混合物を冷却し、アセチル化し、3時間保持し、上記の通りにクエンチする。この方法は通常約>3%の残留スクロースを含む生成物品質、収率のわずかな低下、60分から90分への反応時間の延長、及び炭水化物が高温にさらされる合計時間の増加を生ずる。
【0033】
────────
DSDE及びスクロースの間の反応の感熱性、ならびにDSDE−スクロース生成物と水の反応によるその反応の可逆性の可能性のために、穏やかな加熱及び水を除去するための有効な共−蒸留が必要である。この要求は第2反応混合物中に散布される共−蒸留溶媒蒸気の激しい接触により満たされる。さらに反応混合物が高温にある時間は炭水化物分解の量を決定する。DSDA添加の後に反応器温度を回復させながら反応が進行することを可能にし、散布蒸気の概念と組み合わされた、添加の順序の(すなわち共蒸留溶媒蒸気の散布が開始された後にDSDEを加える)正しい調整により高温にある時間が有意に短縮され、より再現性良く高収率が得られる結果を与える。先行技術の方法の場合DSDAの添加の後、水の除去を始められる前に系が反応温度に再加熱されねばならない。これは高温にある時間の延長を生ずる。
【0034】
シクロヘキサン(又は他の共−蒸留溶媒)はボイラー中で加熱され、スクロース/DMF溶液を含む反応器の底中に注入される。反応混合物はシクロヘキサンとの直接の接触により105℃に加熱される。次いで濃DSDA溶液が室温において15分かけて反応器に加えられ、それは温度を約94℃に下げる。反応時間監視はDSDA装填が始まる時に開始される。温度が97℃に上昇しながら反応が続く。反応の間にシクロヘキサン蒸気は反応生成物に接触し、系から生成される水を加熱して共−蒸留する。系からの水の除去は律速段階であり、全体的反応時間を決定する。
【0035】
次いで溶液を例えば0℃に冷却し、アセチル化する。低温アセチル化は、未反応スクロースの量を確実に最少に保つことを助ける。未反応スクロースはS−6−Aの収率に直接影響し、続く処理の間にスクラロース−6−Aから分離するのが困難な望ましくない塩素化化合物を生成するので望ましくない。合計アセチル化時間は、反応が低温で完了することを可能にするために約6時間か又はそれ以上であるのが好ましい。
【0036】
アセチル化の後、反応混合物を水でクエンチし、すべての無水酢酸を加水分解し、DSDEを再生する(上記の通りおそらく存在するジアルキル錫ジエステルから)。このクエンチは1992年3月18日公開のEP A 0 475 619及び米国特許第5,470,969号に記載されている通りに行われ、これらの開示は引用することにより本明細書の内容となる。
【0037】
本発明の方法の利点は:
*注入される共−蒸留溶媒の蒸気を用いる水の共−蒸留による炭水化物分解の減少及び炭水化物複合体生成(DSDEとの)の増加。これはより均質な物質輸送によりサイクル時間の短縮を生ずる。本明細書において水の除去は重要な速度決定因子であり、散布系は反応物質との共−蒸留溶媒のより均質な接触を与えることにより水をより迅速に除去する。
【0038】
*炭水化物が高温にある時間の短縮。
【0039】
*生成物品質の向上。
【0040】
*反応選択性の向上(選択性の向上及び品質の向上はおそらくアシル化反応における改良の結果ではなく、より高いDSDE/スクロース生成及び炭水化物分解の減少の結果である)。
【0041】
*未反応スクロースの量の減少。
【0042】
本発明の主たる特徴及び態様は以下の通りである。
【0043】
1.(1)スクロース及び極性非プロトン性溶媒を含む第1反応混合物を調製し;
(2)該第1反応混合物に1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)−ジスタノキサンを加えて第2反応混合物を形成せしめ;
(3)共蒸留により水を除去することができる第2溶媒の蒸気を該第2反応混合物に、該反応混合物中の水の実質的にすべてを共蒸留により除去するのに十分な量で及び十分な時間通過させ、それにより該極性非プロトン性溶媒及び該第2溶媒を含む第3反応混合物を形成せしめ、該第2反応混合物は実質的に水を含まず;
(4)該第3反応混合物に無水カルボン酸を加えて第4反応混合物を形成せしめ、該第4反応混合物をスクロース−6−エステルを製造するのに十分な温度及び時間保持する
ことを含む方法。
【0044】
2.第2溶媒が炭化水素、塩素化炭化水素、ケトン類及びエーテル類から成る群より選ばれるメンバーである上記1項の方法。
【0045】
3.第2溶媒がトルエン、シクロヘキサン、n−ヘプタン及びイソオクタンから成る群より選ばれるメンバーである上記2項の方法。
【0046】
4.1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン、1,3−ジベンゾイルオキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラオクチルジスタノキサン及び1,3−ジベンゾイルオキシ−1,1,3,3−テトラオクチルジスタノキサンから成る群より選ばれるメンバーであり、極性非プロトン性溶媒がN,N−ジメチルホルムアミドであり、無水カルボン酸が無水酢酸又は無水安息香酸である上記1項の方法。
【0047】
5.第2溶媒がトルエン、シクロヘキサン、n−ヘプタン及びイソオクタンから成る群より選ばれるメンバーである上記4項の方法。
【0048】
6.無水カルボン酸が無水酢酸である上記5項の方法。
【0049】
7.無水カルボン酸が無水安息香酸である上記5項の方法。
【0050】
8.無水カルボン酸との反応が完了したら第4反応混合物を水でクエンチングする上記1項の方法。
【0051】
9.(1)スクロース及び極性非プロトン性溶媒を含む第1反応混合物を調製し;
(2)共蒸留により水を除去することができる第2溶媒の蒸気を該第1反応混合物に通過させ、それによりスクロース、該極性非プロトン性溶媒及び該第2溶媒を含む第2反応混合物を形成せしめ;
(3)共蒸留により水を除去する量で及びそれに十分な時間、該第2反応混合物に該第2溶媒の蒸気を通過させ続けながら、該反応混合物に1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)−ジスタノキサンを加えて実質的に水を含まない第3反応混合物を形成せしめ;
(4)該第3反応混合物に無水カルボン酸を加えて第4反応混合物を形成せしめ、該第4反応混合物をスクロース−6−エステルを製造するのに十分な温度及び時間保持する
段階を含む方法。
【0052】
10.無水カルボン酸との反応が完了したら、第4反応混合物を水でクエンチングする上記9項の方法。
【0053】
11.第2溶媒が炭化水素、塩素化炭化水素、ケトン類及びエーテル類から成る群より選ばれるメンバーである上記9項の方法。
【0054】
12.第2溶媒がトルエン、シクロヘキサン、n−ヘプタン及びイソオクタンから成る群より選ばれるメンバーである上記11項の方法。
【0055】
13.1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン、1,3−ジベンゾイルオキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラオクチルジスタノキサン及び1,3−ジベンゾイルオキシ−1,1,3,3−テトラオクチルジスタノキサンから成る群より選ばれるメンバーであり、極性非プロトン性溶媒がN,N−ジメチルホルムアミドであり、無水カルボン酸が無水酢酸又は無水安息香酸である上記9項の方法。
【0056】
14.第2溶媒がトルエン、シクロヘキサン、n−ヘプタン及びイソオクタンから成る群より選ばれるメンバーである上記13項の方法。
【0057】
15.無水カルボン酸が無水酢酸である上記14項の方法。
【0058】
16.無水カルボン酸が無水安息香酸である上記14項の方法。
【0059】
17.無水カルボン酸との反応が完了したら第4反応混合物を水でクエンチする上記9項の方法。
【0060】
18.共蒸留により水を除去することができる共蒸留溶媒の蒸気を、(a)極性非プロトン性溶媒、ならびに(b)スクロース、1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサン及びスクロースと1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンの反応生成物を含む反応混合物に、該反応混合物中の水の実質的にすべてを共蒸留により除去するのに十分な量で及びそれに十分な時間通過させることを含む方法。
【0061】
19.共蒸留溶媒が炭化水素、塩素化炭化水素、ケトン類及びエーテル類から成る群より選ばれるメンバーである上記18項の方法。
【0062】
20.共蒸留溶媒がトルエン、シクロヘキサン、n−ヘプタン及びイソオクタンから成る群より選ばれるメンバーである上記18項の方法。
【0063】
21.1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン、1,3−ジベンゾイルオキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラオクチルジスタノキサン及び1,3−ジベンゾイルオキシ−1,1,3,3−テトラオクチルジスタノキサンから成る群より選ばれるメンバーであり、極性非プロトン性溶媒がN,N−ジメチルホルムアミドである上記18項の方法。
【0064】
22.共蒸留溶媒がトルエン、シクロヘキサン、n−ヘプタン及びイソオクタンから成る群より選ばれるメンバーである上記21項の方法。

Claims (21)

  1. (1)スクロース及び極性非プロトン性溶媒を含む第1反応混合物を調製し;
    (2)該第1反応混合物に1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)−ジスタノキサンを加えて第2反応混合物を形成せしめ;
    (3)共蒸留により水を除去することができる第2溶媒の蒸気を該第2反応混合物に、該反応混合物中の水の実質的にすべてを共蒸留により除去するのに十分な量で及び十分な時間通過させ、それにより該極性非プロトン性溶媒及び該第2溶媒を含む第3反応混合物を形成せしめ、該第2反応混合物は実質的に水を含まず;
    (4)該第3反応混合物に無水カルボン酸を加えて第4反応混合物を形成せしめ、該第4反応混合物をスクロース−6−エステルを製造するのに十分な温度及び時間保持することを特徴とする方法。
  2. 第2溶媒が炭化水素、塩素化炭化水素、ケトン類及びエーテル類から成る群より選ばれるメンバーである請求項1に記載の方法。
  3. 第2溶媒がトルエン、シクロヘキサン、n−ヘプタン及びイソオクタンから成る群より選ばれるメンバーである請求項2に記載の方法。
  4. 1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン、1,3−ジベンゾイルオキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラオクチルジスタノキサン及び1,3−ジベンゾイルオキシ−1,1,3,3−テトラオクチルジスタノキサンから成る群より選ばれるメンバーであり、極性非プロトン性溶媒がN,N−ジメチルホルムアミドであり、無水カルボン酸が無水酢酸又は無水安息香酸である請求項1に記載の方法。
  5. 第2溶媒がトルエン、シクロヘキサン、n−ヘプタン及びイソオクタンから成る群より選ばれるメンバーである請求項4に記載の方法。
  6. 無水カルボン酸が無水酢酸である請求項5に記載の方法。
  7. 無水カルボン酸が無水安息香酸である請求項5に記載の方法。
  8. 無水カルボン酸との反応が完了したら第4反応混合物を水でクエンチングする請求項1に記載の方法。
  9. (1)スクロース及び極性非プロトン性溶媒を含む第1反応混合物を調製し;
    (2)共蒸留により水を除去することができる第2溶媒の蒸気を該第1反応混合物に通過させ、それによりスクロース、該極性非プロトン性溶媒及び該第2溶媒を含む第2反応混合物を形成せしめ;
    (3)共蒸留により水を除去する量で及びそれに十分な時間、該第2反応混合物に該第2溶媒の蒸気を通過させ続けながら、該第2反応混合物に1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)−ジスタノキサンを加えて実質的に水を含まない第3反応混合物を形成せしめ;
    (4)該第3反応混合物に無水カルボン酸を加えて第4反応混合物を形成せしめ、該第4反応混合物をスクロース−6−エステルを製造するのに十分な温度及び時間保持する段階を含む方法。
  10. 無水カルボン酸との反応が完了したら、第4反応混合物を水でクエンチングする請求項9に記載の方法。
  11. 第2溶媒が炭化水素、塩素化炭化水素、ケトン類及びエーテル類から成る群より選ばれるメンバーである請求項9に記載の方法。
  12. 第2溶媒がトルエン、シクロヘキサン、n−ヘプタン及びイソオクタンから成る群より選ばれるメンバーである請求項11に記載の方法。
  13. 1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン、1,3−ジベンゾイルオキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン、1, 3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラオクチルジスタノキサン及び1,3−ジベンゾイルオキシ−1,1,3,3−テトラオクチルジスタノキサンから成る群より選ばれるメンバーであり、極性非プロトン性溶媒がN,N−ジメチルホルムアミドであり、無水カルボン酸が無水酢酸又は無水安息香酸である請求項9に記載の方法。
  14. 第2溶媒がトルエン、シクロヘキサン、n−ヘプタン及びイソオクタンから成る群より選ばれるメンバーである請求項13に記載の方法。
  15. 無水カルボン酸が無水酢酸である請求項14に記載の方法。
  16. 無水カルボン酸が無水安息香酸である請求項14に記載の方法。
  17. 共蒸留により水を除去することができる共蒸留溶媒の蒸気を(a)極性非プロトン性溶媒、ならびに(b)スクロース、1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサン及びスクロースと1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンの反応生成物を含む反応混合物に、該反応混合物中の水の実質的にすべてを共蒸留により除去するのに十分な量で及びそれに十分な時間通過させることを特徴とする方法。
  18. 共蒸留溶媒が炭化水素、塩素化炭化水素、ケトン類及びエーテル類から成る群より選ばれるメンバーである請求項17に記載の方法。
  19. 共蒸留溶媒がトルエン、シクロヘキサン、n−ヘプタン及びイソオクタンから成る群より選ばれるメンバーである請求項17に記載の方法。
  20. 1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン、1,3−ジベンゾイルオキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラオクチルジスタノキサン及び1,3−ジベンゾイルオキシ−1,1,3,3−テトラオクチルジスタノキサンから成る群より選ばれるメンバーであり、極性非プロトン性溶媒がN,N−ジメチルホルムアミドである請求項17に記載の方法。
  21. 共蒸留溶媒がトルエン、シクロヘキサン、n−ヘプタン及びイソオクタンから成る群より選ばれるメンバーである請求項20に記載の方法。
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