JP6033284B2 - スズ化合物を用いたカルボン酸の抽出 - Google Patents

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Description

様々な工業化学プロセスで第三級アミドが溶媒として使用されており、それらのプロセスにおいて第三級アミドを再利用のために再循環させることには大きな商業的価値がある。第三級アミドで起こる反応のタイプによっては、かかる再循環には、容易に分離されない反応副生成物を費用効率の良い方法で除去する必要があり得る。かかる副生成物の一例としてはカルボン酸が挙げられる。副生成物を再循環の一環として使用済みの溶媒から除去しなければならない場合もあれば、プロセス中間体の溶解に使用途中の溶媒から除去しなければならない場合もある。後者の状況では、影響を受ける可能性のある中間体が存在し得るため、酸除去の難しさが増すことが多い。スクラロースの商業的調製は、カルボン酸を単独で、また影響を受けやすいプロセス中間体の存在下で第三級アミド溶媒から除去する必要があるプロセスの一例である。
スクロースから作られる高甘味度甘味料であるスクラロース(4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース)は、多くの食品用途及び飲料用途で使用することができる。
Figure 0006033284
スクラロース調製のための多数の異なる合成経路が開発されているが、これらの経路では、6位の反応性ヒドロキシルが初めにアシル基でブロックされ、スクロース−6−エステルが形成される。アシル基は、通常アセチル基又はベンゾイル基であるが、他のものを使用してもよい。その後スクロース−6−エステルは塩素化され、4位、1’位、及び6’位のヒドロキシルが置換されて、4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース−6−エステル(本明細書中ではスクラロース−6−エステルと称する)が生じ、続いて加水分解によってアシル置換基が除去され、それによりスクラロースが生じる。スクロース−6−エステル形成の幾つかの合成経路は、スズ媒介アシル化反応を伴い、その具体例は特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、及び特許文献5(これらの全ての文献が、引用することにより本明細書の一部をなすものとする)に開示されている。
様々な塩素化剤をスクロース−6−エステルを塩素化するのに使用することができるが、最も一般的にはアーノルド試薬等のビルスマイヤー型の塩が使用される。好適な塩素化プロセスの一つがWalkup et al.(特許文献6(引用することにより本明細書の一部をなすものとする))によって開示されている。このプロセスでは第三級ホルムアミド、通常はN,N−ジメチルホルムアミド(「DMF」)が塩素化反応溶媒として使用される。塩素化が完了した後、基礎となるスクロース部分上のアーノルド試薬の付加体、及び過剰の塩素化試薬が塩基水溶液で中和(「クエンチ」)され、塩素化試薬の反応により得られる第三級アミド溶媒及び塩とともに、水溶液中にスクラロース−6−エステルが生じる。次いで、スクラロース−6−エステルが脱アシル化され、スクラロースが生じる。好適な脱アシル化プロセスの一つは、Navia et al.(特許文献7(引用することにより本明細書の一部をなす))によって教示されている。
かかるプロセスでは、カルボン酸をプロセスの様々な時点で除去する必要がある。したがって、カルボン酸を除去する容易な手段には商業的価値がある。
米国特許第4,950,746号 米国特許第5,023,329号 米国特許第5,089,608号 米国特許第5,034,551号 米国特許第5,470,969号 米国特許第4,980,463号 米国特許第5,498,709号
一態様では、本発明は、第三級アミド溶媒を含む液体からカルボン酸を除去する方法を提供する。該方法は、
B)第三級アミド溶媒を含む液体を、酸抽出スズ種と第三級アミド溶媒に非混和性の抽出溶媒とを含む抽出媒体に接触させ、それにより脱酸された第三級アミド溶媒を含む相及び抽出溶媒を含む相を形成する工程と、
C)抽出溶媒を含む相を除去する工程であって、脱酸された第三級アミド溶媒を含む液体を得る工程と、
を含み、酸抽出スズ種は、ジ(ヒドロカルビル)スズオキシドと1当量未満のカルボン酸との反応によって得ることができるスズ種、1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタノキサンと塩基水溶液との反応によって得ることができるスズ種及びそれらの組合せからなる群から選択される。
特に、上記方法は、
A)酸抽出スズ種と、第三級アミド溶媒に非混和性の抽出溶媒とを含む抽出媒体を形成する工程と、
B)引き続き第三級アミド溶媒を含む液体を上記抽出媒体に接触させ、それにより脱酸された第三級アミド溶媒を含む相及び抽出溶媒を含む相を形成する工程と、
C)抽出溶媒を含む相を除去する工程であって、脱酸された第三級アミド溶媒を含む液体を得る工程と、
を含み、酸抽出スズ種が、ジ(ヒドロカルビル)スズオキシドと1当量未満のカルボン酸との反応によって得ることができるスズ種、1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタノキサンと塩基水溶液との反応によって得ることができるスズ種及びそれらの組合せからなる群から選択される。
本発明は、スクロース−6−アシレートを調製する方法であって、
(i)スクロースと、第三級アミド溶媒と、有機スズベースのアシル化促進剤とを含む第1の反応混合物を準備する工程と、
(ii)第1の反応混合物から水を除去し、実質的に水を含まない第2の反応混合物を得る工程と、
(iii)無水カルボン酸を第2の反応混合物に添加して、第3の反応混合物を得ることにより、スクロース−6−アシレートを生じさせる工程と、
(iv)本発明による方法によって第3の反応混合物からカルボン酸を除去する工程と、
を順に含む、方法を提供する。
本発明によるスクロース−6−アセテートを含むプロセス流から酢酸を除去するプロセスの概略図である。
本発明は、或る特定のスズ化合物を用いたカルボン酸の反応抽出によって第三級アミド流からカルボン酸を除去する方法を提供する。該方法は、カルボン酸の除去を必要とする様々な状況に適用可能である。本開示では例示として、本発明の方法をスクラロース製造の補助としてどのように用いるかを説明するが、本発明はこの狭い意味での酸除去に限定されない。実際に、この方法は、第三級アミド溶媒からのカルボン酸の除去を必要とする任意のプロセスに適用可能である。
酸を除去することのできる第三級アミド溶媒の非限定的な例としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジブチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。便宜上、本発明を、スクラロース合成に使用する溶媒及び反応抽出によってカルボン酸が除去される溶媒としてDMFの使用に関して説明する。しかしながら、スクラロースプロセス中間体の存在下又は非存在下での任意の第三級アミド溶媒からの酸の除去も本発明の範囲内である。
本発明者らは、スクラロースの製造時に、相当量の低級カルボン酸が合成手順の様々な段階で副産物又は副生成物として生じ得ることを見出した。低級カルボン酸としては、典型的には、スクロース−6−アセテートをプロセスの中間体として用いる場合の酢酸が挙げられる。便宜上、以下の考察では酢酸の除去に言及する。しかしながら、スクラロースの作製に用いる具体的な合成経路に応じて、付加的又は代替的に他の酸が存在する場合がある。例えば、DMFをプロセスに使用する場合、その加水分解によってギ酸が形成し、例えばビルスマイヤー型の塩が形成し得る。他の例示的な酸としては、C〜Cモノカルボン酸、例えば安息香酸が挙げられる。任意の第三級アミド溶媒からの任意のカルボン酸の除去が本発明により企図される。
残念なことに、カルボン酸は製造機器の腐食の一因となり得るため、その存在は問題となる場合がある。特に、プロセスに使用され、引き続き回収、精製、再循環される第三級アミド溶媒中には相当量のカルボン酸が残ることとなる。このため、これらの酸を第三級アミド溶媒から除去するのが望ましい。
また、酢酸がプロセスの次の工程で相当量の塩素化剤(ビルスマイヤー試薬)と反応し、これを消費するため、炭水化物(スクロース−6−アセテート)を含有するプロセス流から酢酸を除去する必要がある。加えて、酢酸が塩素化工程でビルスマイヤー試薬と反応すると、所望の炭水化物生成物の収率を減少させ、DMF回収プロセスの効率を低下させる望ましくない反応生成物が生じる。
しかしながら、酢酸はDMFと高沸点共沸混合物を形成する。この共沸混合物は、(大気圧で)溶媒DMFよりも数度高い温度で沸騰する。その結果、蒸留による(DMF中の)酢酸の除去には、初めに溶媒DMFの大部分を除去し、続いて連続蒸留を行い、より高沸点の酢酸−DMF共沸混合物を除去する必要がある。結果的に、酢酸の大部分の除去には、高沸点共沸混合物を形成しない溶液からの酢酸の除去に必要とされるよりも顕著に高い温度及び低い圧力が必要とされる。この蒸留により、全溶媒の大半が系から効率的に除去され、著しく熱応力を受けた非常に粘稠な炭水化物生成物が生じる。この熱応力は、所望の炭水化物の著しい分解及びそれに応じた収率の低下を引き起こす。本発明者らは、はるかに温和な蒸留条件下で水を除去し、DMFの大部分をスクロース−6−アセテートとともに残すことができるように、蒸留供給物中の酸の量を最小限に抑えることで、これらの問題を緩和することができることを見出した。
本発明は、第三級アミド溶媒と非混和性の溶媒に溶解したスズ化合物(本明細書中では「酸抽出」スズ化合物と称する)でカルボン酸を抽出することによって、第三級アミド溶媒を含む液体からカルボン酸を除去する方法を提供する。本明細書中で使用する場合、「非混和性」という用語は、混和性でないこと、すなわちあらゆる割合で混合することが可能ではないことを意味する。酸抽出スズ化合物を生じさせる容易な方法の一つは、アシル化スズ化合物を脱アシル化することである。「アシル化スズ化合物」という用語は、スズ上にアシルオキシ置換基を含む化合物、すなわち少なくとも1つのSn−O−アシル部分を有する化合物を意味する。脱アシル化は、水非混和性溶媒中のアシル化スズ化合物を塩基水溶液で処理することによって達成することができる。脱アシル化は、所与のスズ原子上のO−アシル基の数及び脱アシル化されたスズ化合物のモル分率に関して部分的であっても、又は完全であってもよく、好ましくは得られる酸抽出スズ化合物が溶媒に実質的に可溶性の状態で残存するような条件下で行われる。溶解したアシル化スズ化合物として溶液中に初めに存在するスズの少なくとも50%が、脱アシル化後も溶液中に残存することが好ましい。
取扱いの容易さから、典型的には少なくとも95%又は好ましくは98%のスズが溶液中に残存するが、このプロセスは、大部分又は本質的に全てのスズが不溶性形態であっても効率的に行われる。例えば、1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタノキサンと十分な塩基水溶液との反応によって、不溶性のジ(ヒドロカルビル)スズオキシドを形成することができ、これを酸抽出スズ化合物として使用することができる。更なる好適な酸抽出スズ種を、ジ(ヒドロカルビル)スズオキシドと、全てのジ(ヒドロカルビル)スズオキシドを1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタノキサンへと変換すると化学量論的に算出される量未満の量のカルボン酸との反応によって生じさせることができるが、これは本発明による酸抽出スズ化合物ではない。典型的には、このことはジ(ヒドロカルビル)スズオキシド1mol当たり1当量未満のカルボン酸の使用を意味し、より典型的にはこの量は0.75当量未満又は0.6当量未満である。この量は、典型的には1mol当たり少なくとも0.1当量、より典型的には少なくとも0.25当量又は少なくとも0.4当量である。
典型的には少なくとも50mol%のアシル化スズ化合物が、酸抽出スズ化合物へと変換される。より典型的には少なくとも75%又は少なくとも90%が変換される。当然ながら比較的高い変換レベルは効率性を高めるが、一部の実施形態では、酸抽出スズ化合物への変換レベルが非常に低くてもプロセスは完全に実施可能である。使用に好適な典型的な水非混和性溶媒としては、炭化水素、例えば脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及び芳香族炭化水素が挙げられる。好適な具体例としては、シクロヘキサン、n−ヘプタン、トルエン及びイソオクタン(2,2,4−トリメチルペンタン)が挙げられるが、他のものを使用してもよい。アシル化スズ化合物上のアシル基が、抽出されるカルボン酸のアシル基と同じである必要はないことに留意されたい。
以下は、例示的なアシル化スズ化合物である1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン(ジスタノキサンジアセテートすなわちDSDA)の酸抽出スズ化合物(引き続きDMFからの酢酸の除去に使用される)への変換を説明する一例である。本発明の実際的な一実施形態をより明確かつ完全に示すために、スクラロース製造に関する更なる工程が含まれる。
任意の予備工程では、希薄DSDA(シクロヘキサン中12%のDSDA)を水で洗浄し、先の処理のために存在し得るDMFを抽出する。水とDSDA溶液との比率は、例えばDSDA溶液1容量部当たり水が0.05容量部〜0.2容量部という範囲内であり得る。水洗は、液液抽出に好適な任意の機器(液液遠心抽出機、ミキサーセトラー、撹拌槽及びデカント槽等)を用いて、除去する必要のあるDMFの量に応じて1回又は複数回の段階で行うことができる。水及びDMFを含有する重相は、DSDA/シクロヘキサン相から容易に分離される。
DSDAは、典型的にはスズ種が溶液中に維持されるように40℃〜75℃での希薄塩基水溶液を用いたDSDA/シクロヘキサン相の塩基処理によって、酸抽出スズ化合物へと変換される。しかしながら、この反応が適切に進行するのにスズ種を溶液中に残存させる必要はない。任意の特定の理論又は解釈に束縛されることを望むものではないが、本発明者らは、塩基とDSDAとの反応によってDSDA上の1つのアセテート基がヒドロキシル基に置き換わると考える。例えば、得られる種は1−ヒドロキシ−3−アセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサンであり得る。しかしながら、正確な種にかかわらず、酸抽出スズ化合物が含有するO−アシル基はDSDAよりも少ないが、酸抽出スズ化合物はシクロヘキサンに実質的に可溶性の状態で残存する。
炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムは好適な塩基の例であるが、他のものを代わりに使用してもよい。典型的には、塩基は約1質量%〜8質量%の濃度の水溶液として準備される。塩基の量は、典型的には50%〜95%のDSDA上の1つのアセテート基を置き換えるのに必要とされると化学量論的に算出される量である。例えば、1molのDSDAは0.50mol〜0.95molのNaOHで処理することができる。0.95%化学量論量よりも多くの塩基を添加すると、DSDAの一部がシクロヘキサン、DMF及び水に不溶性のジブチルスズオキシド(DBTO)へと変換される場合がある。このことは、使用する特定の機器での不溶性物質の取扱いが困難である場合に、状況によっては望ましくない可能性があるが、DBTO等のジ(ヒドロカルビル)スズオキシドは本発明によるカルボン酸を反応的に抽出することが可能である。塩基処理は液液抽出を行うのに好適な任意の機器(液液遠心抽出機、ミキサーセトラー、撹拌槽及びデカント槽等)で行うことができる。水及び塩基処理による塩(この例では酢酸ナトリウム)を含有する重相は、酸抽出スズ化合物/シクロヘキサン相から容易に分離される。
任意で、酸抽出スズ化合物/シクロヘキサン相を水で洗浄し、残留ナトリウム塩(複数の場合もあり)を除去する。これは45℃〜75℃の温度で好都合に行うことができるが、他の温度を用いてもよい。水とDSDA/シクロヘキサン相との典型的な比率は、容量で0.5〜0.2であり得る。水抽出は、液液抽出を行うのに好適な任意の機器(液液遠心抽出機、ミキサーセトラー、撹拌槽及びデカント槽等)で行うことができる。水及びナトリウム塩(複数の場合もあり)を含有する重相は、シクロヘキサン中の酸抽出スズ化合物から容易に分離される。
次いで、酸抽出スズ化合物を使用して、DMFを含む液体、例えばスクラロース調製プロセスの中間体として調製されるスクロース−6−アセテートを含有する液体から酢酸を反応的に抽出する。抽出は、スズ種の大部分が可溶性の状態で残存する温度である40℃〜75℃で好都合に行われる。しかしながら、スズ種はより低い温度であっても良好に反応して可溶性の種を形成するため、大量のスズ種が不溶性となるより低い温度も本発明では用いることができる。典型的には、1molの酸抽出スズ化合物が1molの酢酸と反応して1molのDSDAが生じるという仮定に基づき、酸抽出スズ化合物はスクロース−6−アセテート/DMF溶液中に存在する酢酸の80%〜110%に化学量論的に等しい量で使用される。反応抽出は、液液抽出を行うのに好適な任意の機器(液液遠心抽出機、ミキサーセトラー、撹拌槽及びデカント槽等)で行うことができる。DMF及びスクロース−6−アセテートを含有する重相(この時点で酢酸を本質的に含まない)は、シクロヘキサン相(この時点でDSDAを含有する)から容易に分離することができる。DSDA/シクロヘキサン相は、先の工程(水抽出、塩基処理、2回目の水抽出)を繰り返し、酸抽出スズ化合物を再度形成することによって再利用することができる。典型的には、酸抽出によって1回の抽出で50%超、複数回の抽出で85%超の酸が除去される。
酸を含まないスクロース−6−アセテートのDMF溶液は残留DSDA及び水を含有し、これらはスクラロースの前駆体であるスクラロース−6−アセテートを形成する塩素化工程前に除去するのが好ましい。残留DSDAはシクロヘキサンを用いた液液抽出によって容易に除去することができる。水は任意の様々なタイプの機器、例えばワイプトフィルム(wiped film)蒸発器、流下膜式蒸発器、バッチ式蒸発器等での単蒸留/蒸発によって除去することができる。次いで、スクロース−6−アセテートを塩素化し、更に処理して、本明細書の他の部分に記載されるスクラロースを得ることができる。また上述のアプローチを用いて、プロセス中間体を含有しないDMF流からカルボン酸を除去した後に、このようにして精製されたDMFをプロセスに使用することができる。
上記のプロセスの重要な利点は、酢酸の大部分がDMFから除去されているため、水及びシクロヘキサンしか除去する必要がなく、これを酢酸とDMFとの高沸点共沸混合物も揮発させる必要がある場合に必要とされ得るよりも顕著に低い温度で行うことができることである。この例のようにDMFがスクラロース中間体を含有する場合、温度が低いことは炭水化物の分解を低減し、生成物の収率を増大させる。同様の利点を、他のプロセスの化学中間体を含有する第三級アミド溶媒の処理に期待することができる。
酸抽出スズ化合物によるカルボン酸の反応抽出は、カルボン酸を除去する従来の方法に優る重要な利点をもたらす。このような伝統的方法は典型的には比較的高い温度での揮発を含み、これが問題となり得る。例えば、従来の典型的な方法では、カルボン酸をストリッピングするために75℃を超えるプロセス流温度で薄膜蒸発器が使用され、スクラロース製造の場合、このように高い温度は炭水化物の分解のために5%を超える収率損失を引き起こし得る。さらに、カルボン酸が酢酸である場合、水/DMF/酢酸共沸混合物の形成のために、80%の酢酸を除去するのにスクロース−6−アセテートを蒸発器の底部で乾燥分80%超まで濃縮する必要がある。高い濃度は、高粘度により閉塞を引き起こすことが多い。これらの問題は、顕著により温和な条件下でカルボン酸の除去及び水のストリッピングを可能にする本発明の反応抽出方法を用いることによって大幅に回避される。スクロース−6−アセテートを40%DS未満まで濃縮することによって、十分な水及びシクロヘキサンが除去される。水を低レベルとする一方で、DMFの大部分をスクロース−6−アセテート流とともに残すことができる。
本発明の抽出を行うのに好適な機器としては、化学工業技術において既知の任意のものが挙げられる。例えば、向流ミキサーセトラーユニットを使用することができる。他の好適な抽出技法としては、単段遠心分離機又は多段遠心分離機一式、例えばRobatelのBXPシリーズ、Podbielniak遠心抽出機が挙げられる。Scheibel抽出カラム及びKarr抽出カラム等の向流カラム技術も好適である。一部の実施形態では、単純バッチ抽出後のデカンテーションを使用することができる。充填/シーブトレイカラムを使用することもできる。
図1は、スクロース−6−アセテートを含むプロセス流、より具体的にはスクロースをアセチル化してスクロース−6−アセテートを形成した後のクエンチされたプロセス流から酢酸を除去する例示的なプロセスの概略図である。この例によると、クエンチされたプロセス流は、有機スズベースのアシル化促進剤としてDSDAを用いたスクロースのアセチル化反応によって生じ、アセチル化反応を行うのに好適な手順は以下に説明する。クエンチされたプロセス流は、スクロース−6−アセテート、DMF、DSDA及び酢酸を含む。
第1の工程では、クエンチされたアセチル化プロセス流(図1では「アセチル化クエンチ」と称する)を洗浄して、有機スズベースのアシル化促進剤(この場合はDSDA)を除去する。本発明の抽出溶媒をこの洗浄工程に好適に使用することができ、図1の例示的なプロセスではシクロヘキサンが使用される。
洗浄工程の後、プロセス流を本発明による抽出媒体(図1では「活性化DSDA」と称する)に接触させる。この例によると、DSDAを水酸化ナトリウム水溶液と反応させて酸抽出スズ種を形成し、抽出媒体は抽出溶媒、例えばシクロヘキサン中にこの酸抽出スズ種を含む。抽出媒体をプロセス流に接触させる前に水で洗浄して、例えばナトリウム塩を除去する。
プロセス流を抽出媒体に接触させる工程は、例えば液液遠心抽出機、ミキサーセトラー、撹拌槽、デカント槽又は液液抽出を行うのに好適な任意の他の装置で行われる。
プロセス流を抽出媒体に接触させる工程では、脱酸されたプロセス流を含む(DMF及びスクロース−6−アセテートを含む)相と、抽出溶媒を含む(シクロヘキサン及びDSDAを含む)相とが形成される。抽出溶媒を含む相(図1では「使用済みDSDA」と称する)を除去し、脱酸されたプロセス流を洗浄して残留DSDAを除去する。本発明の抽出溶媒をこの洗浄工程に好適に使用することができ、図1の例示的なプロセスではシクロヘキサンが使用される。その後、得られるスクロース−6−アセテートを含む脱酸されたプロセス流を必要に応じて使用してもよい。例えば、スクロース−6−アセテートをスクラロースへと変換することができる。この変換を行うのに好適な手順を以下に説明する。
上記の工程で除去された抽出溶媒を含む相(図1では「使用済みDSDA」と称する)を水で洗浄し、DMFを除去する。次いで、得られるDSDAのシクロヘキサン溶液を水酸化ナトリウム水溶液で処理して、既述の抽出媒体を形成した後、この抽出媒体を洗浄し、既述のプロセス流に接触させる。このようにして、図1の例示的なプロセスによると、抽出媒体が連続ループで再生され、再利用される。
図1では具体的な試薬及び溶媒に言及して本発明によるプロセスを説明するが、当然ながら、本明細書中で挙げられる他の試薬及び溶媒を用いて例示のプロセスを行ってもよいことを認識されたい。
本発明による酸抽出方法を含むスクラロースを生じさせる例示的な全プロセスは、以下のとおりである。
まず、スクロースの6位のヒドロキシルを、反応溶媒としてDMFを用いてアセテート又はベンゾエート等のエステル基によってブロックする。ブロック反応中に形成される酢酸を本発明による酸抽出スズ化合物を用いた反応抽出によって除去し、水を揮発によって混合物から除去する。次いで、得られるスクロース−6−エステルの4位、1’位及び6’位のヒドロキシルをクロロ基へと変換し、4位の立体化学的配置を反転させる。4位の立体化学的配置の反転を伴う、このエステルの4位、1’位及び6’位のヒドロキシルのクロロ基への変換は、Walkupの特許文献6、Jaiの米国特許出願公開第2006/0205936号及びFryの米国特許出願公開第2007/0100139号(これらの開示は全て引用することにより本明細書の一部をなすものとする)に開示されている。次いで、得られるスクラロース−6−エステルの6位のエステル基を除去し、得られる生成物であるスクラロースを精製して単離する。このプロセス又はその個々の工程は、バッチプロセス又は連続プロセスのいずれであってもよい。以下はプロセスの一部の実施形態を行うことができる方法の詳細である。
スクロース−6−エステルの調製
スクロース−6−エステルの調製は例えば、O'Brienの米国特許第4,783,526号、Naviaの特許文献1、Simpsonの米国特許第4,889,928号、Neiditchの特許文献2、Walkupの特許文献3、Vernonの特許文献4、Sankeyの特許文献5、Kahnの米国特許第5,440,026号、Clarkの米国特許第6,939,962号及びLiの米国特許出願公開第2007/0227897号(これらの開示は全て引用することにより本明細書の一部をなすものとする)に開示されている。
スクロース−6−エステルの典型的な調製は、2工程プロセスを利用する。まず、スクロースを、溶媒中で有機スズベースのアシル化促進剤(DSDA等)に接触させ、反応物の水を除去して、スズスクロース付加物を形成する。
有機スズベースのアシル化促進剤はアシル化スズ化合物、例えば1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタノキサンである。「ヒドロカルビル」という用語は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を指す。1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタノキサンのヒドロカルビル基は、好ましくはアルキル基、より好ましくはC〜Cアルキル基、最も好ましくはブチル基であり、1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサンが特に好ましい。アシルオキシ基が、使用される無水カルボン酸のアシルオキシ基と一致していると好都合であり、したがって例えば、スクロース−6−アセテートを調製する場合、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン(ジスタノキサンジアセテートすなわちDSDA)が最も好ましい。
スクロース1モル当たり、好ましくは0.5モル当量〜2.5モル当量、より好ましくは0.75モル当量〜1.2モル当量、更に好ましくは0.9モル当量〜1.1モル当量、最も好ましくは1.0モル当量のアシル化促進剤が反応混合物中に存在する。
水の除去は任意の好都合な方法によって達成することができる。例えばSankeyの特許文献5、Whiteの欧州特許第0776903号及びVernonの欧州特許第0475619号(それらの開示が引用することにより本明細書の一部をなすものとする)に記載されているような、共蒸留によって水を除去することが可能な非極性共溶媒の添加を用いて、反応物の水の効率的な除去を促進することができる。かかる溶媒は典型的には、第三級アミド溶媒、有機スズベースのアシル化促進剤又はスクロースと反応しないもの、第三級アミド溶媒、有機スズベースのアシル化促進剤及びスクロースとの混合物を生じるもの、約75℃〜約153℃の範囲内、好ましくは100℃未満の内部反応温度で還流するもの、水と共蒸留するもの、並びにスクロースを不溶性にしないものである。かかる溶媒は典型的には、飽和炭化水素、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、ケトン及びエーテル等といった、水と非混和性であり、水と一定組成の最低沸点共沸混合物を形成するものである。かかる溶媒の例としては、シクロヘキサン、n−ヘプタン、トルエン及びイソオクタン(2,2,4−トリメチルペンタン)が挙げられる。米国特許出願公開第12/901,808号及び同第12/901,820号(どちらも2010年10月11日付で出願された)に記載されているように、共溶媒を添加せずに水の除去を達成することもできる。
次いで、スズスクロース付加物を含有する反応混合物を無水カルボン酸、通常はスクロースに対して僅かに化学量論過剰量の無水カルボン酸に接触させ、それによりスクロース−6−エステル及び副生成物であるカルボン酸を形成する。典型的には、混合物を続いて水に接触させ、過剰の無水カルボン酸を酸へと変換する。次いで、有機スズアシル化促進剤及び/又はその反応生成物を、典型的にはシクロヘキサン等の炭化水素溶媒を用いた抽出によって反応混合物から除去することができるが、残りのスクロース−6−エステルのDMF溶液は幾らかの水及びカルボン酸を含有し、これらを次工程、すなわち4位、1’位及び6’位のヒドロキシルのクロロ基への変換に使用する前に除去しなければならない。これは、上記の酸抽出スズ化合物による酢酸抽出方法、続く揮発による水の除去を用いて達成することができる。
スクラロース−6−エステルの調製
スクロース−6−エステルをスクラロース−6−エステルへと変換するために、スクロース−6−エステルの4位、1’位及び6’位のヒドロキシルをクロロ基へと変換し、4位の立体化学的配置を反転させる。4位の立体化学的配置の反転を伴う、このエステルの4位、1’位及び6’位のヒドロキシルのクロロ基への変換は、Walkupの特許文献6、Jaiの米国特許出願公開第2006/0205936号及びFryの米国特許出願公開第2007/0100139号(これらの開示は全て引用することにより本明細書の一部をなすものとする)に開示されている。
この塩素化プロセスは以下の工程を含む。スクロース−6−エステル、第三級アミド及び少なくとも7モル当量の塩素化剤を含む反応混合物を調製する。例えば、一プロセスでは、スクロース−6−エステルは、約20wt%〜約40wt%のスクロース−6−エステルを含む供給流中に添加することができる。第三級アミドと反応混合物中の全炭水化物との質量比は、約5:1〜約12:1であり得る。代替的には、予め形成したクロロホルムイミニウム塩、例えば(クロロメチレン)ジメチルアンモニウムクロリド(アーノルド試薬)を使用することができる。(クロロメチレン)ジメチルアンモニウムクロリドは、例えばホスゲンとN,N−ジメチルホルムアミドとの反応によって調製することができる。典型的には、(クロロメチレン)ジメチルアンモニウム塩とスクロース−6−エステルとのモル比は約7:1〜約11:1である。
続いて、スクロース−6−エステルの2位、3位、4位、1’位、3’位、4’位及び6’位のヒドロキシル基を、O−アルキルホルムイミニウム基へと変換する。得られる反応混合物を、残りのヒドロキシル基がO−アルキルホルムイミニウム基として残存するスクラロース−6−エステルの誘導体を含有する生成物を生じさせるのに十分な温度(単数又は複数)で十分な期間(単数又は複数)にわたって加熱する。例えば、Walkupの特許文献6(その開示が引用することにより本明細書の一部をなすものとする)及びFryの米国特許出願公開第2007/0100139号(その開示が引用することにより本明細書の一部をなすものとする)は、かかるプロセスを開示している。
クロロホルムイミニウム塩又はビルスマイヤー試薬の形成は塩素化反応に必須ではないため、「塩素化剤」という用語は、クロロホルムイミニウム塩若しくはビルスマイヤー試薬を形成するために使用することができるか、又はスクロース−6−エステルのヒドロキシル基をクロロ基へと変換することができる任意の化合物を指す。第三級アミドと反応し、クロロホルムイミニウム塩を形成することができる幾つかの塩素化剤としては、例えばホスゲン、オキシ塩化リン、五塩化リン、塩化チオニル、塩化スルフリル、塩化オキサリル、クロロギ酸トリクロロメチル(「ジホスゲン」)、炭酸ビス(トリクロロメチル)(「トリホスゲン」)及びメタンスルホニルクロリドが挙げられる。使用することができる第三級アミドとしては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−ホルミルピペリジン、N−ホルミルモルホリン及びN,N−ジエチルホルムアミドが挙げられる。N,N−ジメチルホルムアミドは、第三級アミドとして使用する場合、反応溶媒としても使用することができる。反応媒体の液相の最大で約80vol%、又はそれ以上の共溶媒を使用することができる。有用な共溶媒は、化学的に不活性であり、反応が一塩素化段階で本質的に均一となることを可能とする十分な溶媒力をもたらす溶媒、例えばトルエン、o−キシレン、1,1,2−トリクロロエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルである。
塩基水溶液による反応混合物のクエンチによって、2位、3位、3’位及び4’位のヒドロキシル基が元に戻り、スクラロース−6−エステルが形成される。反応混合物は、反応に使用される塩素化剤の量に対して約0.5モル当量〜約2.0モル当量、典型的には約1.0モル当量〜約1.5モル当量のアルカリを添加することによってクエンチすることができる。水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物の水性スラリー、又は水酸化アンモニウム水溶液を反応のクエンチに使用することができる。例えば、約5wt%〜約35wt%、典型的には約8wt%〜約20wt%、好ましくは約10wt%〜約12wt%の水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ金属水酸化物の水溶液を使用することができる。
下記に記載されるように、二重流プロセス又は循環プロセスを用いて反応混合物にアルカリを添加することでクエンチを行うことができる。いずれの場合も、アルカリの添加の間、pH及び温度を制御する。クエンチは典型的には、約8.5〜約10.5のpH及び約0℃〜約60℃の温度で行われる。好ましくは、脱アシル化を別の工程で行う場合、pHがクエンチ反応の経過中に約10.5を上回らないものとする。しかしながら、クエンチ及び脱アシル化を一工程で行う場合、pHはより高くてもよい(典型的には約12.0未満)。
二重流プロセスにおいては、クエンチは、反応容器にアルカリ水溶液をゆっくりと添加すると同時に、塩素化反応材料をゆっくりと添加することによって行われる。塩素化反応混合物及びアルカリ水溶液は、所望の量の塩素化反応混合物が添加されるまで同時にゆっくりと添加される。更なるアルカリ水溶液を所望のpHに達するまで添加する。次いで、反応の残りの期間中、温度及びpHを所望のレベルに維持する。このプロセスはバッチプロセスであっても、又は連続プロセスであってもよい。
循環プロセスにおいては、クエンチは塩素化反応混合物を容器から循環ループを通して循環させることによって行われる。塩素化反応混合物及びアルカリ水溶液を、この循環ループ内にゆっくりと添加する。所望のpHに達するまで、十分なアルカリ水溶液を添加する。次いで、反応の残りの期間中、温度及びpHを所望のレベルに維持する。このプロセスはバッチプロセスであっても、又は連続プロセスであってもよい。クエンチの後、酸水溶液、例えば塩酸水溶液を添加することによって反応混合物を任意に中和してもよい。
得られる混合物は、主要な溶媒が水である水性溶媒中に、スクラロース−6−エステル、塩素化炭水化物不純物を含む他の炭水化物、未反応の第三級アミド、及び塩を含むものである。
スクラロース−6−エステルのスクラロースへの変換
スクラロース−6−エステルを含有する水性供給流は、典型的にはスクラロース及びスクラロース−6−エステルの両方を含む。スクラロース−6−エステルを加水分解する方法は、例えばCataniの米国特許第5,977,349号、同第6,943,248号、同第6,998,480号及び同第7,049,435号、Vernonの米国特許第6,890,581号、El Kabbaniの米国特許第6,809,198号及び同第6,646,121号、Naviaの米国特許第5,298,611号及び特許文献7、並びに米国特許出願公開第2004/0030124号、Liesenの米国特許出願公開第2006/0188629号、Fryの米国特許出願公開第2006/0276639号、El Kabbaniの米国特許出願公開第2007/0015916号、Deshpandeの米国特許出願公開第2007/0160732号、並びにRatnamの米国特許出願公開第2007/0270583号(これらの開示は全て引用することにより本明細書の一部をなすものとする)に開示されている。
例えば、(a)スクラロース−6−エステルを、保護基の除去をもたらすのに十分な温度で十分な期間にわたって、反応混合物のpHを約11±1まで上昇させることによってスクラロースへと加水分解することができ、(b)第三級アミドを例えば水蒸気ストリッピングによって除去する。工程(a)又は工程(b)のいずれを最初に行ってもよい。代替的には、スクラロース−6−エステルのスクラロースへの変換は、ナトリウムメトキシドを含有するメタノール中で行うことができる。スクラロース及び酸のメチルエステル、例えばスクラロース−6−エステルがスクラロース−6−アセテートである場合には酢酸メチルを形成するエステル交換反応が起こる。酸のメチルエステルを蒸留によって除去し、得られるスクラロース含有生成物を水に溶解することができる。スクラロースを最終的に精製し、単離する。
本発明のプロセスはスクラロースの調製に有用である。
スクラロースは、多くの食品用途及び飲料用途、並びに他の用途で使用することができる高甘味度甘味料である。かかる用途としては、例えば飲料、複合甘味料(combination sweeteners)、消費者製品、甘味料製品、錠剤コア(tablet cores)(Luberの米国特許第6,277,409号)、医薬組成物(Luberの米国特許第6,258,381号、Rocheの米国特許第5,817,340号及びMcNallyの米国特許第5,593,696号)、速吸収性液体組成物(Gelotteの米国特許第6,211,246号)、安定な発泡組成物(Gowan, Jr.の米国特許第6,090,401号)、デンタルフロス(Ochsの米国特許第6,080,481号)、速崩壊性医薬品剤形(Gowan, Jr.の米国特許第5,876,759号)、薬用飲料濃縮物(Shahの米国特許第5,674,522号)、医薬水性懸濁液(Ratnarajの米国特許第5,658,919号、Gowan, Jr.の米国特許第5,621,005号及び同第5,374,659号、並びにBlaseの米国特許第5,409,907号及び同第5,272,137号)、フルーツスプレッド(Antenucciの米国特許第5,397,588号及びSharpの米国特許第5,270,071号)、液体濃縮組成物(Antenucciの米国特許第5,384,311号)及び安定化ソルビン酸溶液(Merciadezの米国特許第5,354,902号)が挙げられる。許容甘味度(acceptable sweetness)の決定は、当業者に良く知られている当該技術分野で既知の様々な標準「味覚テスト」プロトコル、例えばMerkelの米国特許第6,998,144号及びShamilの米国特許第6,265,012号において言及されるプロトコル等によって達成することができる。
本発明の有利な特性は、本発明を説明するが、限定するものではない以下の実施例を参照することによって認めることができる。
以下の実施例では、スクラロース調製プロセスの一環としてのスクロース−6−アセテートを含有するDMF溶液からの酢酸の除去を説明する。
実施例1
DSDA溶液(90.07g/アッセイの85%DSDA及び15%シクロヘキサン)をシクロヘキサン(506.06g)で希釈して、596gの12.8%DSDA溶液を得た。この混合物は約127.6mmolのDSDAを含有していた。この混合物を121.02gの1N NaOH(約121mmol又はDSDAに対して約0.95当量)で処理した。さらに水を混合物に添加し(133g)、混合物をかき混ぜながら約60℃に加熱した。残存する固体の大半がこの温度で溶解し、溶解しなかった固体の量は僅かであった。得られたシクロヘキサン相は酸抽出スズ化合物を含有していた。
3.82%酢酸(63.2mmol)を含有するDMF中のスクロース−6−アセテート(99.20g)のサンプルをフラスコに添加した。次に、153.72gの酸抽出スズ化合物溶液をかき混ぜながら60℃でフラスコに添加した。この溶液は、31.2mmolの塩基(121mmol×153.72/596)を用いた脱アシル化により得られるスズ種を含有していたことから、約31.2mmolの酢酸抽出能が得られた。混合物を加熱せずに約5分間かき混ぜた。相を分離すると、スクロース−6−アセテート相は2.31%酢酸を含有すると決定され、これは40%の減少に相当していた。この工程を60℃以上で行うことで、スズ化合物が本質的に完全に溶解した状態で維持されることに留意されたい。このことは好都合であるが、反応を進行させるのにスズ化合物を溶解した状態で維持する必要はなく、反応温度にかかわらず、反応後にはどちらの相も本質的に固体を含まなかった。
スクロース−6−アセテート相を、159.7gのスズ/シクロヘキサンを用いて類似の物質中で2回目に処理した。この溶液は、32.3mmolの塩基を用いた脱アシル化により得られるスズ種を含有していた。この処理の後、スクロース−6−アセテート相は0.679%の酢酸を含有しており、元の3.82%に対して82%の減少となった。
スクロース−6−アセテート相を、161.1gのスズ/シクロヘキサンを用いて類似の物質中で3回目に処理した。この溶液は、32.7mmolの塩基を用いた脱アシル化により得られるスズ種を含有していた。この処理の後、スクロース−6−アセテート相は僅か0.0853%の酢酸を含有しており、元の3.82%に対して97.8%の減少となった。
出発物質及び最終生成物のアッセイは以下のとおりであった。
Figure 0006033284
実施例2
DSDAのシクロヘキサン溶液(63.68g/アッセイ、76.2%)をシクロヘキサン(436.72g)で希釈し、DSDAの10%溶液を得た。この混合物は約80.9mmolのDSDAを含有していた。混合物を76.34gの1N NaOH(約76.3mmol又はDSDAに対して約0.94当量)で処理した。さらに水を混合物に添加し(100g)、混合物をかき混ぜながら約60℃に加熱した。この時点で、シクロヘキサン相は酸抽出スズ化合物を含有していた。
2.75%酢酸(23.0mmol)を含有するDMF中のスクロース−6−アセテート(50.24g)のサンプルをフラスコに添加した。次に、124.96gの酸抽出スズ化合物溶液をかき混ぜながら62℃でフラスコに添加した。この溶液は、20.2mmolの塩基を用いた脱アシル化により得られるスズ種を含有していた。混合物を加熱せずに約5分間かき混ぜた。相を分離すると、スクロース−6−アセテート相は0.636%酢酸を含有すると決定され、これは77%の減少に相当していた。
スクロース−6−アセテート相を、104.22gのスズ/シクロヘキサンを用いて類似の物質中で2回目に処理した。この溶液は、16.8mmolの塩基を用いた脱アシル化により得られるスズ種を含有していた。この処理の後、スクロース−6−アセテート相は0.073%の酢酸を含有しており、元の2.75%に対して97.3%の減少となった。
出発物質及び最終生成物のアッセイは以下のとおりであった。
Figure 0006033284
実施例3
ジメチルホルムアミド中のスクロースを、水を除去しながらDSDAと反応させ、得られる混合物を無水酢酸に接触させて、スクロース−6−アセテートを形成した。続く水の添加の後、DSDAをシクロヘキサンによる2段階抽出によって混合物から回収し、15.6%DSDA溶液を得て、これを続いて以下のように処理した。
1. 1162g分のDSDA溶液を338gのシクロヘキサンで希釈して、1500gの12.8%DSDA溶液を得た。
2. 2L容のフラスコに、1500gの工程1の希釈DSDA/シクロヘキサン及び300.0gの水を充填した。混合物を常温で5分間撹拌した。水層を除去した後、更に300gの水を用いて水洗を再度繰り返すと、90%超のDMFの除去及び実質的に完全な炭水化物の除去がもたらされた。
3. 工程2のシクロヘキサン層を、希薄水酸化ナトリウムで以下のとおりに処理した。1L容のフラスコに、600gのDSDA/シクロヘキサン層(0.128molのDSDA)及び107gの4%水酸化ナトリウム(0.107mol)を充填し、60℃で20分間撹拌した。20分間の沈降期間の後、使用済み水酸化ナトリウム層を除去した。シクロヘキサン層(この時点で酸抽出スズ化合物を含有する)をスズの%(モノ脱アシル化されたDSDA分子の83%当量として算出される)について分析した。
4. 1L容のフラスコに、600gの工程3のシクロヘキサン生成物層及び120gの脱イオン水を充填した。混合物を60℃で20分間撹拌してナトリウム塩を抽出すると、得られる水層は170ppmのナトリウムイオンを含有することが分かった。更に600gの工程3の生成物及び120gの水を用いて工程4を繰り返した。
5. 1L容のフラスコに、362gの工程4の生成物(洗浄した酸抽出スズ化合物)及び145gのスクロース−6−アセテート/DMF溶液(2.22%の酢酸及び11.9%の全炭水化物を含有する)を充填した。混合物を60℃で20分間撹拌し、沈降させ、層を分離した。上層の「使用済みの」酸抽出スズ化合物層を工程1へと再循環させるために保存し、136.2gの下層の水/DMF/炭水化物層を同じフラスコに再充填し、更に362gの工程4の生成物で再抽出した。
抽出前:
全炭水化物 11.9%
スクロース−6−アセテート 10.37%
DSDA 1910ppm
酢酸 2.22%
1回目の抽出後:
全炭水化物 12.1%
スクロース−6−アセテート 10.47%
DSDA 895ppm
酢酸 0.61%
2回目の抽出後:
全炭水化物 13.6%
スクロース−6−アセテート 11.76%
DSDA 922ppm
酢酸 0.33%
1回の抽出で酢酸の含有量は73%減少した。2回の抽出では、酢酸の含有量は85%減少した。
6. 250mL容の分液漏斗に、94gの工程5の下層の炭水化物含有層及び75gのシクロヘキサンを充填した。常温で5分間振盪した後、最下層の生成物層は123ppmのDSDAを含有すると分析された。
実施例4
本実施例では、炭水化物を含有しないDMFから酢酸を抽出した。
1. 625g分のシクロヘキサン中の12%DSDA(125mmol)を60℃に加熱し、112.5gの4%水酸化ナトリウム(112.5mmol)と混合した。水酸化ナトリウムとDSDAとのモル比は0.9であった。混合物を15分間撹拌し、分離し、最下層の水層を捨てた。
2. 195g分の工程1の生成物(上層、酸抽出スズ化合物を含有する)及び100gの15%水/83%DMF/2%酢酸を混合し、60℃で15分間撹拌した、層を分離し、92gの最下層の水性DMF層を2回目の抽出用に取り出した。酸抽出スズ化合物と酢酸とのモル比は1.1であった。
3. 195g分の工程1の生成物(酸抽出スズ化合物層)及び86gの工程2の最下層を混合し、60℃で15分間撹拌した。層を分離し、74gの最下層を除去した。
酢酸の%
最初の水性DMF/酢酸 1.95
1回の抽出後 0.82
2回の抽出後 0.31
分析から、1回の抽出で58%の酢酸が除去されることが示された。2回目の抽出では残りの酸の62%が除去され、全2工程の抽出で84%の除去となった。
実施例5
本実施例では、ジブチルスズオキシド(DBTO)と1当量未満の酢酸との反応によって酸抽出スズ種を得た。この酸抽出スズ種を使用して、実施例4と同様に炭水化物を含有しないDMFから酢酸を抽出した。
1. シクロヘキサン(234.50g)及び氷酢酸(19.30g、0.321mol)を初めに60℃で20分間混合し、続いてDBTO(100.00g、0.402mol)を添加した。したがって、酢酸とDBTOとのモル比は0.80であった。混合物を2時間撹拌した。その後、25mlの水を添加し、混合物を15分間かき混ぜた。次いで、混合物を30分間沈降させ、2層を分離させた。次いで、最上層の有機層を採取し、最下層の水層をラグ層(rag layer)とともに捨てた。
2. 最上層の有機層(酸抽出スズ化合物及びDSDAを含有する)を、およそ12%のDSDA濃度まで希釈した後、酢酸抽出を行った。
3. 15%水、83%DMF及び2%酢酸の水溶液を調製した。次いで、酢酸抽出を実施例4の手順に従って行った。
4. 1回目の抽出については、195gの上記工程2の希釈有機層を、100gの上記工程3の水溶液と60℃で15分間混合した。2層をしばらく沈降させた。次いで、92gの最下層の水層を2回目の抽出用に採取し、最上層の有機層を捨てた。
5. 2回目の抽出については、195gの上記工程2の希釈有機層を、上記工程2の1回目の抽出で採取した86gの最下層の水層と60℃で15分間混合した。2層をしばらく沈降させた。次いで、74gの最下層の水層を採取し、最上層の有機層を捨てた。
1回目及び2回目の抽出の両方の後の水層、並びに上記工程3の最初の水溶液を酢酸の%について分析した。結果を下記表に示す。
Figure 0006033284
上記の表に酢酸の残存量及び各水層間の抽出効率を示す。水層中の酢酸の量は各抽出で減少することが示される。また、各抽出後に抽出効率はより高くなった。1回目の抽出では、最初の酢酸量の約29.59%を除去することが可能であり、2回目の抽出では残りの酢酸の約43.53%が除去された。全体として、2回の抽出を行うと約60.24%の酢酸が除去された。
本明細書中で具体的な実施形態を参照して本発明を説明及び記載しているが、示される詳細な記載に本発明が限定されることを意図するものではない。むしろ、特許請求の範囲の均等物の範囲内で、本発明を逸脱することなく、様々な修正を詳細に行うことができる。

Claims (29)

  1. 第三級アミド溶媒を含む液体からカルボン酸を除去する方法であって、
    除去される前記カルボン酸は、ギ酸、酢酸及びC 〜C モノカルボン酸の群から選ばれる1種以上であり、
    A)酸抽出スズ種と、前記第三級アミド溶媒に非混和性の抽出溶媒とを含む抽出媒体を形成する工程と、
    B)引き続き前記第三級アミド溶媒を含む前記液体を前記抽出媒体に接触させ、それにより脱酸された第三級アミド溶媒を含む相及び前記抽出溶媒を含む相を形成する工程と、
    C)前記抽出溶媒を含む前記相を除去し、脱酸された前記第三級アミド溶媒を含む液体を得る工程と、
    を含み、前記酸抽出スズ種が、ジ(ヒドロカルビル)スズオキシドと1当量未満のカルボン酸との反応によって得られるスズ種、1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタノキサンと塩基水溶液との反応によって得られるスズ種及びそれらの組合せからなる群から選択される、方法。
  2. 前記抽出媒体を形成する工程が、前記抽出溶媒中に前記1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタノキサンを含む溶液を塩基水溶液に接触させ、それにより水相及び前記抽出媒体の分離相を形成するとともに、該水相を除去することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記抽出溶媒中に1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタノキサンを含む前記溶液が、工程Cで除去される前記抽出溶媒を含む前記相を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタノキサンを含む前記溶液を前記塩基水溶液に接触させる工程の前に、該1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタノキサンを含む該溶液を水洗する工程を更に含む、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記第三級アミド溶媒を含む前記液体を前記抽出媒体に接触させる工程の前に、該抽出媒体を水洗する工程を更に含む、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記酸抽出スズ種が、1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタノキサンと塩基水溶液との反応によって得られる前記種であり、該ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタノキサン上のアシルオキシ基1つにつき1当量未満の塩基水溶液を使用する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記酸抽出スズ種がジ(ヒドロカルビル)スズオキシドである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記酸抽出スズ種が、ジ(ヒドロカルビル)スズオキシドと1当量未満のカルボン酸との反応によって得られる前記種である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサンである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,3−ジベンゾイルオキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサンである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記第三級アミド溶媒がジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド及びジブチルホルムアミドからなる群から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記第三級アミド溶媒を蒸留又は蒸発凝縮する工程を更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 工程Bの前に、前記第三級アミド溶媒を含む液体を追加分の前記抽出溶媒で洗浄する工程を更に含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 工程Cにより得られる脱酸された前記第三級アミド溶媒を追加分の前記抽出溶媒で洗浄して、残留スズ化合物を除去する工程を更に含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記抽出溶媒がシクロヘキサン、n−ヘプタン、トルエン及びイソオクタン(2,2,4−トリメチルペンタン)からなる群から選択される1つ又は複数の溶媒を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 除去される前記カルボン酸が酢酸を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記第三級アミド溶媒が、第三級アミド溶媒を含む前記液体の30wt%〜100wt%を占める、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 初めに存在する前記カルボン酸の50%超が除去される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 工程B及び工程Cを繰り返す、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  20. 初めに存在する前記カルボン酸の85%超が除去される、請求項19に記載の方法。
  21. 得られる第三級アミド溶媒中のスクロースの溶液を形成し、引き続き該スクロースをスクラロースへと変換することを更に含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記変換が、前記スクロースをスクロース−6−アシレートへと変換し、引き続き該スクロース−6−アシレートをスクラロースへと変換することを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記スクロース−6−アシレートがスクロース−6−アセテートである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記第三級アミド溶媒を含む前記液体及び脱酸された第三級アミド溶媒を含む前記液体の両方が、スクロース−6−アシレートを更に含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記スクロース−6−アシレートをスクラロースへと変換することを更に含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記スクロース−6−アシレートがスクロース−6−アセテートである、請求項24又は25に記載の方法。
  27. スクロース−6−アシレートを調製する方法であって、
    (i)スクロースと、第三級アミド溶媒と、有機スズベースのアシル化促進剤とを含む第1の反応混合物を準備する工程と、
    (ii)前記第1の反応混合物から水を除去し、実質的に水を含まない第2の反応混合物を得る工程と、
    (iii)無水カルボン酸を前記第2の反応混合物に添加して、第3の反応混合物を得ることにより、スクロース−6−アシレートを生じさせる工程と、
    (iv)請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法によって前記第3の反応混合物からカルボン酸を除去する工程と、
    を順に含み、
    除去される前記カルボン酸は、ギ酸、酢酸及びC 〜C モノカルボン酸の群から選ばれる1種以上である、方法。
  28. 前記スクロース−6−アシレートをスクラロースへと変換することを更に含む、請求項27に記載の方法。
  29. 前記スクロース−6−アシレートがスクロース−6−アセテートである、請求項27又は28に記載の方法。
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