JP3026863B2 - 触媒を使用するスクロース−6−エステル化方法 - Google Patents

触媒を使用するスクロース−6−エステル化方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はジスタノキサンジエステルを触媒
として用いるスクロースの位置選択的エステル化法に関
する。本発明の重要な観点において、本エステル化反応
は3級アミンによッて促進される。
【0002】スクロース分子は3つの1級ヒドロキシル
基と5つの2級ヒドロキシル基を含む。それ故にヒドロ
キシル基の反応を含むスクロース誘導体を製造したい場
合には、反応を所望のヒドロキシル基に向わせることが
主たる合成上の問題となる。例えば人工甘味料の4,
1′,6′−トリクロロ−4,1′,6′−トリデオキシ
ガラクトスクロース[「スクラロース(sucralos
e)」]は4,1′、及び6′位のヒドロキシルを塩素で
置換することによりスクロースから誘導される。(該甘
味料の製造工程において、4位の立体配置は反転し、従
って化合物はガラクトスクロースとなる。)この化合物
及びその製造法は、米国特許第4,343,934号、第
4,362,869号、第4,380,476号、及び第
4,435,440号に開示されている。特に異なる反応
性のヒドロキシル基を置換させるから、塩素原子を所望
の位置だけに向わせることは主な合成上の問題である
(置換させる2つは1級、1つは2級であり;6位の1
級ヒドロキシルが最終生成物において未置換であるとい
う事実によって合成は更に複雑となる)。甘味料スクラ
ロースには多くの異なった合成経路が開発されてきた。
先ずは4,1′、及び6′位のヒドロキシル基を塩素化
する前にエステル基による如くして反応性の6位を保護
する方法である。本発明はエステル化をスクロース分子
の所望の6位に向わせるための触媒としてジスタノキサ
ンジエステルを利用するスクロースの6位をエステル化
する1つの方法に関する。
【0003】スクロース−6−エステルのジスタノキサ
ンによる製造法は、本特許願と同一の譲受人に譲渡され
た1988年7月18日付けのナビア(Navia)による
米国特許願第220,641号の「位置選択的反応によ
るスクロース誘導体の合成法」に最初に記述された。ナ
ビアは、適当なジ(ヒドロカルビル)スズに基づく種、
例えばジブチルスズオキシド、ジオクチルスズオキシ
ド、ジブチルスズジメトキシドなどを、ヒドロキシル基
含有化合物、例えば1価のアルコール又は簡単なフエノ
ールと組合せて反応性ジスタノキサン中間体[即ち1,
3−ジ(ヒドロカルビロキシ)−1,1,3,3−テトラ
(ヒドロカルビス)ジスタノキサン]を製造し、次いで
これをスクロースと反応させて1,3−ジ−(6−O−
スクロース)−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビ
ル)ジスタノキサンを得るということを開示した。
【0004】またナビアはこれらの有機スズ−スクロー
ス付加物を適当なアシル化剤例えば酢酸又は安息香酸無
水物により適当な溶媒又は溶媒混合物中で処理すること
によるスクロース−6−エステルの製造法も記述してい
る。
【0005】ナビアのスクロース−6−エステル(S−
6−E)の製造法は、例示のためにジブチルスズオキシ
ド半水和物(DMTO・1/22O)をジ(ヒドロカルビ
ル)スズオキシドとして、n−ブタノールを1価のアル
コールとして、無水酢酸をアシル化剤として、またN,
N−ジメチルホルムアミド(DMF)をアシル化溶媒と
して用いて示す次の一連の方程式によって示されるよう
に、3つの明白な工程からなる。第1工程では、DBT
O・1/22Oを量論的過剰量のn−ブタノールと共に還
流させて縮合水を共沸により除去し且つ1,3−ジブト
キシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノン・1水和
物(DBDS・H2O)を製造する。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】
【化3】
【0009】スクロース−6−アセテート(S−6−
A)の製造の第2段階では、DBDS・H2OをDMF
中で凡そ化学量論量のスクロース(SUCOHと表示)
と反応させ、水とn−ブタノールを除去しつつ1,3−
ジ−(6−O−スクロース)−1,1,3,3−テトラブ
チルジスタノキサン又はジブチルジスタノキシルスクロ
ース(DBSS)を製造する。この方法の第3段階は、
ヒドロキシル溶媒を含まないDBSS溶液を僅かに化学
量論的過剰量の無水酢酸で処理することを含む。S−6
−Aは典型的には良好な収率で得られ、少量の夾雑物は
残存スクロース、スクロースジアセテート、及び他のス
クロースモノアセテートである。ナビアの特許願の開示
は本明細書に参考文献として引用される。
【0010】特にバッチ法で用いるのに適当であるスク
ロース−6−エステルの、より簡単な製造法は、本特許
願と同一の譲受人に譲渡された1990年4月23日付
けのニーデイツチ(Neiditch)らによる米国特許願第5
12,692号の「スクロース−6−エステルの製造
法」に開示されている。ニーディッチらの方法は、極性
の中性溶媒(例えば3級アミド)中及びDHTOの溶解
を促進し且つ系で生成するすべての水の共蒸留的除去に
影響しうる炭化水素様共溶媒の存在下において、スクロ
ースを直接昇温度でジ(ヒドロカルビル)スズオキシド
(DHTO)と反応させることにより有機スズ−スクロ
ース付加物を製造することを含む。これらの付加物はナ
ビア法で製造されるものと同一の構造のジスタノキサン
である[即ちそれは1,3−ジ−(6−O−スクロー
ス)−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタ
ノキサンである]。ニーディッチらの方法で製造される
スクロース置換ジスタノキサンはその場で容易にアシル
化できて、S−6−Eを良好な収率で与える。この改良
された2段階法を、BDTO・1/22O、無水酢酸、及
びDMFに関して以下に記述する。
【0011】
【化4】
【0012】
【化5】
【0013】本明細書を通して、種々のジ(ヒドロカル
ビル)スズに基づく種例えばジブチルスズオキシド及び
1,3−ジブトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタ
ノキサンはプロセス水和水として示される。これらの水
和水はいくつかの方法で定量化した。その最も有用なも
のは氷酢酸に溶解した基質のカール・フィッシャー水分
析法であった。水和水は本明細書に図示される方程式の
反応のいろいろなところで遊離され、そしてすべてのそ
のような場合に、方程式で示される化学量論量が実験室
において確証された。
【0014】ナビア及びニーディッチらの方法の経済的
且つ商業的な実施は、双方においてジスタノキサンジエ
ステル(DSDE)である有機スズ最終生成物が、効果
的に回収され且つ循環されるということを必要とする。
これに関しては、本特許願と同一の譲受人に譲渡された
1990年4月23日付けのバーノン(Vernon)らの米
国特許願第512,690号の「有機スズエステルの、
これを含む反応混合物からの回収と回収した有機スズ化
合物の再使用法」に示されている。バーノンらは、主に
S−6−E、DSDE、及び極性の中性溶媒からなる無
水のアシル化反応生成物混合物を比較的少量の水(モル
濃度基準)で処理し、次いでDSDEを、適当な炭化水
素様の混和しない溶媒により驚くべき効率で1水和物と
して殆んど独占的に抽出するということを開示した。更
にバーノンらは、回収されたDSDE・H2Oが(a)
ナビアの方法で再使用するために、ハイドロカーボノー
ルのアルカリ金属塩と反応させて、1,3−ジ−(ハイ
ドロカルビロキシ)−1,1,3,3−テトラヒドロカル
ビル)ジスタノキサンを再生すること、或いは(b)ニ
ーディッチらの方法で再使用するために、アルカリ金属
水酸化物と反応させて、ジ(ヒドロカルビル)スズオキ
シドを再生すること、のいずれかにより再循環しうるこ
とを開示した。これらの2つの再循環法を、(a)ジス
タノキサンジアセテート・1水和物(DSDA・H
2O)、カリウムブトキシド(KOBu)、及びDBD
S・H2O(ナビア)、及び(b)DSDA・H2O、水
酸化ナトリウム、及びDBTO・1/22O(ニーデイツ
チら)、の例に関してそれぞれ下に示す:
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】工業化学に秀でる者が理解するように、回
収されたDSDE・H2Oを、反応性の有機スズ中間
体、例えばジ(ヒドロカルビル)スズオキシド又はジ
(ヒドロカルビロキシ)ジスタノキサンを再生する必要
なしに再循環しうることは経済的に有利であろう。
【0018】全く驚くべき且つ予期できぬことに、本発
明者はスクロースを極性の中性媒体中においてDSDE
・H2Oで処理して、(多分)スクロース−ジスタノキ
サンジエステル配位錯体を生成せしめ、これをその場
で、3級アミン促進剤の有無下に位置選択的にアシル化
してS−6−Eを製造しうることを発見した。更に本発
明者は、DSDE・H2Oがバーノンらの言う主張に従
ってアシル化媒体から回収できること、及びそれが本発
明の教示に従ってS−6−Eの製造に直接再使用しうる
ということを確立した。
【0019】更に本発明者は、本方法のDSDE・H2
O成分がアシル化を受けるスクロースの対応する当量よ
りも実質的に少い化学量論的割合で使用しうることを発
見した。更に本発明者は、DSDE・H2O及びスクロ
ースの反応混合物をアシル化剤で処理する前にジスタノ
キサン誘導体に付随する水和水を除去することが(収率
の観点からは有利であるけれど)必ずしも必要ないとい
うことを確立した。更に本発明者は、スクロースのベン
ゾイル化がスクロース−6−アセテート又は関連するア
セテートエステルの検知しうる量での生成なしにDSD
A・H2Oにより接触され、この結果反応混合物中に遊
離のアセテートイオンの存在しないことが推論できると
いうことを確立した。
【0020】更に本発明者は、3級アミン促進剤を使用
して、また使用しないで、スクロース、DSDA−d6
(即ちジブチルスズオキシド及びパー重水素化酢酸から
製造されるジスタノキサンジアセテート)、及び標識し
てない無水酢酸を用いることによってアセチル化反応を
行った。DSDA−d6はS−6−A反応混合物から未
変化のまま回収され、ジスタノキサンとアセテートの結
合が反応の過程で切れないということを示した。これら
の4つの理由のために、また1,3−ジ−(6−O−ス
クロース)−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)
ジスタノキサンのカルボン酸に対する良く知られた敏感
性(即ちスクロースと1,3−ジアシロキシ−1,1,3,
3−(テトラヒドロカルビル)−ジスタノキサンへの即
座の転化が起る)の故に、本発明者は本発明の方法がナ
ビア及びニーディッチらの記述する方法に含まれるもの
と同一の性質の1,3−ジ−(6−O−スクロース)−
置換ジスタノキサンを含まないと考えている。
【0021】更に本発明者は、本方法がDSDE・H2
O(又はDSDE)成分に関して接触される、そして
(アシル化に対する)反応性中間体がスクロース及びジ
スタノキサンジエステル触媒の金属原子間で生成する配
位共有結合付加物(即ち供与体−受容体又は配位錯体)
であると考えている。[配位錯体は1つ又はそれ以上の
配位共有結合を含む化合物として定義され、また配位共
有結合は2つの原子の1つが両方の電子を供給する2つ
の原子間の結合として定義される。4価のスズ化合物は
配位性の基、例えばヒドロキシルが存在するならば5及
び6配位種を形成する良く知られた性質を有する。参考
文献として、S.デービット(David)及びS.ハネシア
ン(Hanessian)、テトラヘドロン(Tetrahedron)、
、643(1985)及びA.デービス(Davies)
ら、J.ケム・ソク、ダルトン・トランス(Chem.So
c.,Dalton Trans.)、297(1986)を参照。5
及び6配位双方のスズ原子を固体状態で含む有機スズ−
マンノース誘導体の例としては、C.ホルツァフェル(H
olzapfel)ら、S.アフル(Afr.)J.ケム(Chem.)、
25、81(1982)を参照。]本発明の方法は、極
性で中性の反応媒体中及び触媒量の1,3−ジアシロキ
シ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノ
キサンの存在下において、スクロースを、スクロース−
6−エステルの製造に十分な期間及び温度でアシル化剤
と反応させることを含んでなる。本発明の好適な観点で
は、反応が3級アミン促進剤の不存在下に行われる。
【0022】有機スズ中介の位置選択的なスクロースの
6位でのアシル化によるスクロース−6−エステルの製
造は上述したナビア及びニーディッチらの特許願に記述
されている。人工甘味料4,1′,6′−トリクロル−
4,1′,6′−トリデオキシガラクトスクロースの製造
におけるスクロース−6−エステルの有用性は例えば上
述したナビア及びニーディッチらの特許願に、並びに本
発明と同一の譲受人に譲渡された1989年7月18日
付けのウォーカップ(Walkup)らの米国特許願第38
2,147号の「改良されたスクロース−6−エステル
の塩素化」に記述されている。このウォーカップらの特
許願の許可された開示は本明細書において参考文献とし
て引用される。
【0023】デービットらは、テトラヘドロン、41
643〜663(1985)の総説「有機スズ誘導体を
経るヒドロキシル基の位置選択的反応法」において、ス
ズ化合物の、ヒドロキシル基含有化合物との反応による
スタノキシル化合物の製造、次くこのアルキル化又はア
シル化によるエステル又はエステルの製造を開示してい
る。ビス(トリブチルスズ)オキシドの(スクロースを
含む)種々の炭水化物との反応、続くアシル化による様
々な置換度のエステル混合物の製造が開示されている。
炭水化物との反応におけるジブチルスズオキシドの使用
もその総説に記述されている。著者は、2つのジアルキ
ルスタニレン炭水化物誘導体、メチル4,6−O−ベン
ジリデン−α−D−グルコピラノシドの2,3−O−ジ
ブチルスタニレン誘導体及び4,6−O−ベンジリデン
−2,3−O−ジブチルスタニレン−α−D−マンノピ
ラノシドの製造を開示している。これらの2つのスタニ
レン誘導体の提案された分子構造は総説645頁の図3
及び4に示されている。
【0024】ワグナ−(Wagner)らは、J.オルグ・ケ
ム(Org.Chem.)、39、24(1974)において、
ジブチルスズオキシドの、還流メタノール中でのヌクレ
オシドとの反応によるヌクレオシドのジブチルスタニレ
ン誘導体の製造を開示している。メタノールを留去した
後、このスタニレン誘導体を、等モル量の酸クロライド
及びトリエチルアミンとの反応でアシル化した。
【0025】ホルツァフェル(Holzapfel)らは、S.ア
フル・チドスクル・ケム(Afr.Tydskr.Chem.)、
、57〜61(1984)の「スクロース誘導体及び
6,1′,6′−トリ−O−トリチルスクロースの2級ヒ
ドロキシル基の選択的ベンゾイル化」において、ジブチ
ルスズオキシドの6,1′,6′−トリ−O−トリチルス
クロースとの反応、続くベンゾイルクロライドとの反応
による収率72%での3′−O−ベンゾイル−6,1′,
6′−トリ−O−トリチルスクロース及び9%での2−
O−ベンゾエート誘導体、及び少量の2,3′−ジベン
ゾエート誘導体の製造を開示している。
【0026】1,3−ジイソチオシアナト−1,1,3,3
−テトラブチルスタノキサン触媒の、ベンジルアルコー
ル及びメチルブチレートのような物質を含むエステル交
換反応は公知である。例えば次の参考文献を参照のこ
と。
【0027】1) J.オテラ、S.イオカ、及びH.ノ
ザキ、J.オルグ・ケム、54、4013(198
9)。
【0028】2) クロル及びヒドロキシル置換のジス
タノキサンエステル交換触媒について、J.オテラ、T.
ヤノ、A.カワバタ、及びH.ノザキ、テトラヘドロン・
レット(Tetrahedron Lett.)、2383(198
6)。
【0029】3) 天然物への合成応用について、S.
シュライバー(Schreiber)及びH.メイヤーズ(Meyer
s)、J.アム・ケム・ソク(Am.Chem.Soc.)、11
、5198(1988);及びS.シュライバー、D.
デスメーレ(Desmaele)、及びJ.ポルコ(Porco)、テ
トラヘドロン・レット、6089(1988)。
【0030】本発明のDSDE触媒法は、例示のために
DSDA・H2Oを1,3−ジアシロキシ−1,1,3,3
−テトラ−(ヒドロカルビス)ジスタノキサン・1水和
物として、無水酢酸をアシル化剤として、及びDMFを
アシル化溶媒として用いる次の方程式で示される。方程
式(1)はDSDA・H2Oを触媒とした時本方法がい
かに進むかを、また一方で方程式(2)は無水DSDA
を用いた時本方法がいかに進むかを推定的に示す。次の
BR>方程式において、「DSDA・X」はDSDA及び
「X」間で形成された配位共有結合付加物又は配位錯体
を表わすものとする。
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】無水アミンで促進された方法は、例示のた
めにDSDA・H2Oを1,3−ジアシロキシ−1,1,
3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサン・1
水和物として、トリエチルアミンを3級アミンとして、
無水酢酸をアシル化剤として、及びDMFをアシル化溶
媒として用いる次の一連の方程式で詳述される。
【0034】
【化10】 (3) DSDA・H2O + SUCOH → H2O↑ + DSDA・SUCOH
【0035】
【化11】(4) Ac2O + Et3N ⇔ Et3N+-Ac + AcO-
【0036】
【化12】 (5) DSDA・SUCOH + Et3N+-Ac → DSDA・DMF + S6A + Et3NH+
【0037】
【化13】 (6) DSDA・DMF + SUCOH → DSDA・SUCOH + DMF 方程式(3)はDSDA・H2Oのスクロースとの反応
による反応性(アシル化に対して)ジスタノキサン−ス
クロース配位錯体の製造を示す。方程式(4)は無水酢
酸のトリエチルアミンとの反応による、本方法での実際
のアシル化剤として機能する高反応活性化錯合体(即ち
アシルトリアルキルアンモニウム塩)の製造を示す。方
程式(5)はスクロース配位錯体(方程式3で製造)
の、アシルアンモニウム錯合体(方程式4で製造)との
反応によるスクロース−6−アセテート及び使用済みの
(即ちスクロースに最早や錯化しない)ジスタノキサン
ジアセテートの生成を示す。方程式(6)は遊離の(及
び未だに反応していない)スクロースの使用済みDSD
Aとの反応による新しいジスタノキサン−スクロース配
位錯体の製造を示す。
【0038】上述の2組の方程式は種々の反応成分間に
存在する相互関係を高度に単純化して表示しているにす
ぎない。しかしながらこれらの方程式は、それが反応の
化学量論量を規定し且つジスタノキサンジエステル成分
の触媒の性質を示すという点で教示的である。また全く
重要なことに、方程式(3)〜(6)は、高度に反応活
性化されたアンモニウムアシル化錯合体の一般化及び有
用性も示す。異常に速いアシル化速度を与え、またアミ
ン促進のアシル化反応を連続法で実施することを適当な
らしめるのはこの種の存在による。
【0039】本発明はいくつかの異なった、但し極く関
連した手法のいずれかで実施することができる。第一
に、有機スズ触媒をアミン促進剤の有無下に使用する本
発明の実施に関して、最初の方法は単にスクロース及び
必要量のDSDE・H2O触媒を(普通必要ならば穏や
かに加熱して)極性の中性溶媒に溶解し、次いでこの溶
液を室温又はそれより僅かに高温でカルボン酸無水物で
処理することを含む。アシル化の完結後、溶液を少量の
水で処理し、DSDE・H2Oを再使用のために抽出に
よって回収する。この時点で主にS−6−E及びそれよ
り少い量の他のスクロースモノエステル、スクロースジ
エステル、及び残存スクロースを、極性中性溶媒、カル
ボン酸、及び水からなる反応媒体中に含むアシル化生成
物混合物から(例えば真空蒸留によって)カルボン酸を
除去し且つ乾燥し、そして上述したウォーカップらの特
設の教示に従って塩素化に供し、スクロース−6−エス
テル(TGS−6−E)を製造することができる。
【0040】本発明のこの実施法は実施例1〜12に例
示される。例えば実施例5においては、スクロース1.
00モル当量とDSDA・H2Oの0.50モル当量をD
MFに75℃で溶解し、このように調製した溶液を大気
温度まで冷却し、そして無水酢酸1.10モル当量で処
理する。大気温度で約18時間撹拌した後、反応溶液を
水で処理し、シクロヘキサンで抽出する(DSDA・H
2Oの回収)。次いでDMF溶液の部分的蒸発により、
HPLC分析でS−6−Aを65%の収率で含むシロッ
プを得る。
【0041】(スクロース基準で)0.10〜1.00モ
ル当量の範囲のジエステル触媒の化学量論量比は実験的
に示され、約35〜約70%の範囲のS−6−E収率を
与える。実験データは、S−6−Eの収率は触媒の化学
量論量が増加するにつれて上昇する。DSDA・H2
及びジスタノキサン・ジベンゾエート・モノハイドレー
ト(DSDB・H2O)の双方は、有効な触媒であり、
DSDA・H2Oの方が僅かに良好な性能を有すること
が示された。
【0042】実験で用いた極性の中性溶媒はDMF及び
N−メチル−2−ピロリジオン(NMP)である。他の
適当な溶媒はジメチルスルホキシド(DMSO)、N,
N−ジメチルアセトアミド(DMA)、及びヘキサメチ
ルホスホルアミド(HMPA)を含む。反応混合物中に
おけるDSDE・H2Oの濃度が高い場合、これを溶解
して保つために少量(5〜20容量%)の炭化水素様共
溶媒を添加することが有利である。この目的に対しては
トルエンが挙げられる。他の有用な共溶媒はベンゼン、
混合キシレン、シクロヘキサン、メチルtert−ブチ
ルエーテル、クロロホルムなどを含む。
【0043】(スクロース基準で)約1.00〜約4.0
0モル当量の範囲のカルボン酸無水物の化学量論量比は
実験的に有用であった。好適な化学量論量比は約1.1
0〜約1.80モル当量の範囲である。約1.10モル当
量以下の化学量論量比は最終生成物中に望ましくない量
の未反応のスクロースをもたらし、一方約1.80以上
の比は望ましくないスクロースモノ及びジエステルの生
成を誘導することがある。
【0044】約0〜約60℃の範囲のアシル化反応温度
は実験的に有用であった。アシル化反応温度はアシル化
速度に影響し且つ過度な高温は望ましくないスクロース
エステルの生成を増加させるけれど、温度は本発明の特
に厳密な一面であるとは考えられない。好適なアシル化
温度は約20〜約45℃の範囲である。
【0045】無水酢酸及び無水安息香酸の双方は、効果
的なアシル化剤であることが示された。無水酢酸は僅か
に優れているように見える。これは立体因子又は固有の
反応性、或いは多分これらのある組合せの結果であると
考えられる。種々の他のカルボン酸無水物も本発明の実
施において有効に機能すると予期されよう。
【0046】DSDE・H2O触媒のアシル化は、1,3
−ジ−(6−O−スクロース)置換ジスタノキサンを含
むものよりも一般に実質的に遅い。これは多分スクロー
スの6−酸素及びスズ原子間の(正常の共有結合以外
の)配位共有結合の存在、並びにスズ原子の周囲の配位
点に対するスクロース及び他の種例えば水、溶媒、及び
カルボン酸間の競争の結果であろう。DSDE・H2
触媒のアシル化は、完結までに約2〜約48時間を必要
とする。このアシル化速度は、触媒の化学量論量(スク
ロースに対して触媒濃度の増加はアシル化速度を速め
る)、触媒の活性(例えばDSDA・H2OはDSDB
・H2Oよりも活性な触媒であるように見える)、無水
カルボン酸の反応性(例えば無水酢酸は無水安息香酸よ
り反応性である)、そして反応温度及び反応種の相対濃
度(これはアシル化が高次反応であるから)を含む多数
の変数に依存する。
【0047】DSDE・H2Oは上述したバーノンらの
教示に従って再使用のために回収することができる。ア
シル化混合物を少量の水で処理し、そして混合物を炭化
水素例えばトルエン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、
2,2,4−トリメチルペンタン、又はこれらの混合物、
或いはエーテル例えばジエチルエーテル、ジ(n−プロ
ピル)エーテル、メチルtert−ブチルエーテル、な
どと接触させることによってDSDE・H2Oを本質的
に定量的に抽出する。揮発性の抽出溶媒を例えば真空蒸
発によって除去してDSDE・H2Oを(典型的には)
粘稠な油として得、次いでこれをスクロースと一緒に極
性の中性溶媒に再溶解し、アシル化工程を繰返してもよ
い。
【0048】本発明の第2の実施法は、実施例13〜1
8で例示されるように、DSDE・H2O触媒を脱水又
は部分的に脱水した反応系で使用することを含む。本発
明のこの方法の実施は、スクロース及びジスタノキサン
ジエステルモノハイドレートを、(上述の如き)極性の
中性溶媒及びジスタノキサンジエステルの水和水(及び
湿った反応物又は溶媒の使用で存在するいずれかの水)
のすべて又は一部を共蒸留で除去しうる炭化水素様共溶
媒からなる混合溶媒系にスラリーとすることから始ま
る。水の除去後、普通2相の(但し固体を含まない)反
応混合物を、室温又は僅かに室温以上でカルボン酸無水
物で処理する。アシル化の完了後、混合物を少量の水で
処理し、DSDEを再使用のために抽出によって回収す
る。次いでアシル化生成物混合物を更に処理し(即ち
水、カルボン酸、及び残存抽出溶媒を除去し)、そして
TGS−6−E製造のための塩素化に供する。
【0049】例えば実施例16では、1.00モル当量
のスクロース及び1.05モル当量のDSDA・H2
を、DMF及びシクロヘキサンの8:3(容量比)混合
物中にスラリーとし、混合物を、還流的に水の除去しう
る装置を備えた反応容器中で激しく60分間還流させ
た。これは元のDSDA・H2Oの水和水を除去した。
次いで固体を含まない反応混合物を大気温度まで冷却
し、1.10モル当量の無水酢酸で処理し、約18時間
撹拌した。この後、反応混合物を水で処理し、シクロヘ
キサンで抽出し(DSDA・H2Oを回収し)、そして
部分的に蒸発させて、HPLC分析で収率82%のS−
6−Aを含むDMFに基づくシロップを得た。(スクロ
ース基準で)0.25〜1.50モル当量の範囲の触媒の
化学量論量比は実験的に示され、約50%〜約80%以
上のS−6−E収率を与える。実験的データは、S−6
−Eの収率が触媒の化学量論量の増加と共に上昇するこ
とを示す。(これは少くとも一部であるが、増量したD
SDE触媒が多分配位錯体の生成の結果として、スクロ
ースの2相反応媒体への溶解性を高めるという事実によ
ると思われる。)完全に及び部分的に脱水されたDSP
A・H2O及びDSDB・H2O触媒は有効であることが
判明したが、他のジスタノキサンジエステルも有用であ
ると予期される。
【0050】水和水を共蒸留的に除去しうる共溶媒は、
飽和炭化水素、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、ケト
ン、及びエーテルを含む。本発明の共溶媒としては広範
な溶媒が使用に適しているようである。共溶媒に対する
主な基準は、それが極性の中性溶媒、DSDE・H
2O、及びスクロースと、約75〜約125℃の範囲の
内部反応温度で還流する混合物を生成すること、それが
DSDE・H2Oの水和水と共蒸留すること、及びそれ
が主要な反応生成物(例えばスクロース)を不溶性にし
ないことである。
【0051】水と混和しない且つ水と一定の組成の最小
沸点の共沸物を形成する溶媒は好適であるが、共溶媒が
本発明の実施における有効な共溶媒であるためには、水
と一定組成で一定沸点の共沸物を生成することを必ずし
も必要としない。共溶媒が水と混和しないということも
必ずしも必要でない。共溶媒は反応媒体から水和水を共
蒸留しうることだけが必要である。
【0052】化学的な安定性、水の除去効率、価格、及
び沸点の理由から好適な共溶媒は、シクロヘキサン、n
−ヘプタン、及びイソオクタン(2,2,4−トリメチル
ペンタン)を含む。好適な脱水温度は約85〜約105
℃の温度である。約85℃以下の温度は不必要に遅い脱
水となり、一方約105℃以上の温度は分解をもたらす
ことがある。
【0053】反応温度は典型的には極性の中性溶媒とそ
れより低沸点の共溶媒の比を調節することによって実験
的に制御される。本発明に対しては約1:1〜約10:
1の溶媒と共溶媒の比(容量による)が有用であると思
われ、約8:5〜約8:1の比が好適である。
【0054】溶媒と共溶媒の比は実際上の問題で制限さ
れる。共溶媒が多すぎると、スクロースの溶解を妨害す
るであろうし、また合理的な脱水時間に対しては低すぎ
る沸点の混合物を生成しよう。共溶媒が少すぎると、水
が反応混合物から共蒸留する速度を制限し、また炭水化
物種の熱分解を誘導するほど高い脱水温度となろう。本
発明の実施に対しては、広い範囲の固体(DSDE・H
2O及びスクロース)と溶媒(極性の中性溶媒及びスク
ロース)の比が有用である。これは、スクロースの部分
的溶解を保証する十分な極性の中性溶媒が存在し及び水
の除去を保証し且つ所望の反応温度を与えるのに十分な
共溶媒が存在するならば本発明の特に厳密な一面とは思
われない。実験では、約1:2〜約1:6の固体/溶媒
比(重量/容量比)が有用であった。より高濃度の系は
経済性及び実施性の理由から好適である。
【0055】DSDE・H2O及びスクロースの混合物
の完全な又は部分的な脱水に必要とされる還流時間は、
厳密には系からの共蒸留による水の除去効率の関数であ
る。反応系からの水の除去効率は多くのからみ合う変数
の関数である。大程度まで実験的に制御しうるこれらの
変数は、(a)内部反応温度、(b)共溶媒の沸点、
(c)共蒸留物の含水量、(d)系への熱供給速度、
(e)撹拌効率、及び(f)用いる反応器の形、を含
む。
【0056】約0.5〜約8.0時間の完全な又は部分的
な反応混合物の脱水時間は実験的に有用であることがわ
かった。還流期間は、所望の量の水が系から共蒸留され
た時に終了する。これは普通カール・フィッシャー法を
用いる留出物の水分析により決定される。水の除去は普
通存在する全量の約50〜約120%であり、スクロー
スとDSDE・H2O触媒の化学量論比の関数であるよ
うに見える。
【0057】存在する触媒の相対量が増大するにつれ
て、反応混合物を完全に脱水するのはますます難しくな
る。例えばスクロース及び0.50モル当量のDSDA
・H2Oの、DMF−シクロヘキサン溶媒系中混合物か
らは水の全量の96%が共蒸留によつて除去できるが、
DSDA・H2Oを1.05モル当量含有する本質的に同
一の系からは存在する水の全量の62%が除去できるに
すぎない。(この挙動は多分ヒドロキシル基に必要なス
ズに基づく配位点と関係する。DSDE・H2O 1モル
当りスクロース約2モルの比が、完全な脱水を達成しう
る前に達成されねばならない。)部分的に脱水された反
応系例えば後者の例は、スクロースの過度な分解を引き
起こすことなしに更に脱水することは困難である。前節
に記述した変数を適切に調節することにより、典型的に
は1〜2時間の全体で必要とされる脱水時間が実験的に
達成しうる。
【0058】水の除去の完了後、通常2相の(但し固体
を含まない)反応混合物を凡そ室温まで冷却し、本発明
の実施の第1法に対して上述した如くアシル化を行う。
DSDE・H2O触媒の回収及び再使用、並びにS−6
−EのTGS−6−Eへの転化も上述したように容易に
行うことができる。
【0059】第3の実施法は、ナビア及びニーディッチ
らの基本的な化学を、ナビアの方法に対する1,3−ジ
(ヒドロカルビロキシ)−1,1,3,3−テトラ(ヒド
ロカルビス)ジスタノキサン及びニーディッチらの方法
に対するジ(ヒドロカルビル)スズオキシドである関連
する反応性有機スズ中間体の(スクロースに対して)化
学量論的に不十分な量と組合せて利用することを含む。
両方法の場合、本発明の教示によれば、(アシル化に対
して)反応性の1,3−ジ−(6−O−スクロース)−
1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサ
ンを、実質的に無水の極性で中性環境中において、遊離
の(即ちスズに共有結合してない)スクロースの存在下
に生じさせる。僅かに化学量論的過剰量(スクロース基
準)のアシル化剤との反応により、最初に共有結合した
有機スズ−スクロース付加物を反応させてS−6−E及
びDSDEを生成せしめ、次いで存在する遊離のスクロ
ースをDSDE触媒でアシル化する。ここにニーディッ
チらの方法の実施の場合には、さもなければ化学量論的
に十分な量のDHTOであるものから必要とされる1モ
ル以下の水(DHTO基準)を(共蒸留によつて)除去
することにより反応性DHTOの化学量論的な不十分さ
を作ることができる。
【0060】本発明のこの実施法は実施例19〜24で
例示される。例示のために実施例22では1.0モル当
量のスクロースを、還流するヘプタン−DMF混合物中
において4時間、0.50モル当量のジオクチルスズオ
キシド(DOTO・1/22O)で処理した。この時点で
0.50モル当量の遊離のスクロース及び0.25モル当
量の1,3−ジ−(6−O−スクロース)−1,1,3,3
−テトラオクチルジスタノキサンを含む無水の反応混合
物を、約5℃まで冷却し、1.10モル当量の無水酢酸
で処理し、次いで1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−
テトラオクチルジスタノキサン・1水和物(ODSDA
・H2O)の抽出後にS−6−Aを81%の収率で得
た。
【0061】本発明の第3法の実施法は、前述したアシ
ル化反応時間及び遊離のスクロースの溶解性に関する記
述を除いて、ナビア及びニーディッチらの示した記述に
従う。ニーディッチらの方法の概略はその実施例に従つ
て本明細書に包含される。
【0062】次の表は、DSDE触媒をアミン促進剤な
しに用いる本発明の一面を例示する最初の24の実施例
に対する実験的な詳細及び収率を要約する。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】1 実施例、2 用いた有機スズ試剤、DSD
Aは1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチル
ジスタノキサンを示す。DSDBは1,3−ジベンゾイ
ロキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサンを
示す。ODSDAは1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3
−テトラオクチルジスタノキサンを示す。DBTOはジ
ブチルスズオキシドを示す。DOTOはジオクチルスズ
オキシドを示す。3 スクロース基準で用いたオクチルス
ズ試剤の当量。4 DMFはN,N−ジメチルホルムアミ
ドである。NMPはN−メチル−2−ピロリドンであ
る。578はトルエンである。C612はシクロヘキ
サンである。C716はn−ヘプタンである。C818
イソオクタンである。6 製造されたスクロース−6−エ
ステル。Aはアセテートであり、Bはベンゾエートであ
る。7 反応混合物の脱水に用いた時間(時)。8 反応混
合物の脱水に用いた温度(℃)。9 反応混合物の脱水中
に生成する全水%(カールフィッシャー法)。10 精製
したシロップのHPLC分析により決定した収率モル%
及び回収率%。11 スクロース−6−エステルの収率
%。12 他のスクロースモノエステルの収率%。13 スク
ロースジエステルの収率%。14 未反応のスクロースの
回収%。
【0066】
【実施例】実施例1 0.25当量のジスタノキサンアセテートを用いるスク
ロース−6−アセテートの製造 機械的撹拌機、温度計、及びアルゴン導入口を上部にも
つ60mlの滴下濾斗を備えた1000mlの3ツ口丸
底フラスコに、スクロース68.5g(200ミリモ
ル)、DSDA・H2O 30.6g(50.0ミリモ
ル)、及びDMF500mlを仕込んだ。懸濁液を75
℃(内部温度)に10分間加熱し、得られた透明な溶液
を室温まで冷却し、そしてDMF50mlに溶解した無
水酢酸22.5g(220ミリモル)で15分間にわた
って滴々に処理した。この無水物の添加は穏やかな(5
℃以下の)発熱をもたらした。
【0067】S−6−A(Rf0.4)の生成及びスクロ
ース(Rf0.2)の消失をシリカゲルのTLC(CHC
3−CH3OH−H2O、15:10:2;5%エタノ
ール性H2SO4噴霧で炭化)により追跡した。アルゴン
下、室温で終夜撹拌した後、反応混合物を水(50m
l)で処理し、シクロヘキサン(2×500ml)で抽
出してDSDA・H2Oを除去し、そしてDMFを蒸発
(回転蒸発機、機械ポンプでの真空、30℃の水浴)さ
せて淡黄色のシロップを得た。これはHPLC分析によ
るとスクロース−6−アセテート42.7g(111ミ
リモル、収率55.6%)を含んだ。
【0068】実施例2 0.25当量のジスタノキサンジアセテートを用いるス
クロース−6−ベンゾエートの製造 アシル化のために無水安息香酸49.8g(220ミリ
モル)を用いて実施例1の実験を繰返した。スクロース
−6−ベンゾエート(S−6−B、Rf0.5)の生成は
同一のTLC系を用いて監視した。3日間撹拌後、反応
物を処理し、TLC分析によるとスクロース−6−ベン
ゾエートを40.6g(90.9ミリモル、収率45.4
%)含有する粘稠な油を得た。
【0069】実施例3 0.25当量のジスタノキサンジベンゾエートを用いる
スクロース−6−ベンゾエートの製造 DSDB・H2O 37.1g(50.0ミリモル)を触媒
として用いて、実施例2の実験を繰返した。アルゴン下
に室温で3日間撹拌した後、反応物を処理し、HPLC
分析によるとスクロース−6−ベンゾエート36.8g
(82.5ミリモル、収率41.3%)を含むシロップを
得た。
【0070】実施例4 0.25当量のジスタノキサンジベンゾエートを用いる
スクロース−6−アセテートの製造 スクロース34.2g(100ミリモル)、DSDB・
2O 18.6g(25.0ミリモル)、DMF250m
l、及び無水酢酸11.2g(110ミリモル)を用い
て実施例1の実験を繰返し、HPLC分析によるとスク
ロース−6−アセテート21.0g(54.6ミリモル、
収率54.6%)を含有する粘稠な油を得た。
【0071】実施例5 0.50当量のジスタノキサンジアセテートを用いるス
クロース−6−アセテートの製造 DSDA・H2O 61.2g(100ミリモル)を用い
て実施例1の実験を繰返した。アルゴン下に室温で20
時間撹拌した後、反応物を処理し、HPLC分析による
とスクロース−6−アセテート49.8g(130ミリ
モル、収率64.8%)を含むシロップを得た。
【0072】実施例6 0.50当量のジスタノキサンジアセテートを用いるス
クロース−6−ベンゾエートの製造 無水安息香酸49.8g(220ミリモル)をアシル化
に用いて実施例5の実験を繰返した。アルゴン下に室温
で2日間撹拌した後、反応物を処理し、HPLC分析に
よるとスクロース−6−ベンゾエート56.3g(12
6ミリモル、収率63.0%)を含む粘稠な油を得た。
【0073】実施例7 0.75当量のジスタノキサンジアセテートを用いるス
クロース−6−アセテートの製造 DSDA・H2O 91.8g(150ミリモル)を用い
て実施例1の実験を繰返した。アルゴン下に室温で終夜
撹拌した後、反応物を処理し、HPLC分析によるとス
クロース−6−アセテート53.6g(140ミリモ
ル、収率69.8%)を含むシロップを得た。
【0074】実施例8 0.75当量のジスタノキサンジアセテートを用いるス
クロース−6−ベンゾエートの製造 無水安息香酸49.8g(220ミリモル)をアシル化
に用いて実施例7の実験を繰返した。アルゴン下に室温
で2日間撹拌した後、反応物を処理し、HPLC分析に
よるとスクロース−6−ベンゾエート58.9g(13
2ミリモル、収率66.0%)を含む粘稠な油を得た。
【0075】実施例9 1.00当量のジスタノキサンアセテートを用いるスク
ロース−6−アセテートの製造 機械的撹拌機、温度計、及びアルゴン導入口を上部にも
つ60mlの滴下濾斗を備えた1000mlの3ツ口丸
底フラスコに、スクロース68.5g(200ミリモ
ル)、DSDA・H2O 122g(200ミリモル)、
及びDMF500mlを仕込んだ。懸濁液を85℃(内
部温度)に10分間加熱し、得られた透明な溶液を室温
まで冷却し、そしてトルエン50ml及びDMF50m
lに溶解した無水酢酸22.5g(220ミリモル)で
連続的に処理した。この無水物の添加は反応温度を26
から30℃まで上昇させた。アルゴン下に室温で21時
間撹拌した後、反応物を実施例1に記述したように処理
し、HPLC分析によるとスクロース−6−アセテート
52.7g(137ミリモル、収率68.6%)を含むシ
ロップを得た。
【0076】実施例10 1.00当量のジスタノキサンジアセテートを用いるス
クロース−6−ベンゾエートの製造 無水安息香酸49.8g(220ミリモル)をアシル化
に用いて実施例9の実験を繰返した。アルゴン下に室温
で2日間撹拌した後、反応物を処理し、HPLC分析に
よるとスクロース−6−ベンゾエート53.0g(11
9ミリモル、収率59.4%)を含む粘稠な油を得た。
【0077】実施例11 0.50当量の1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テ
トラオクチルジスタノンを用いるスクロース−6−アセ
テートの製造 DOTO・1/22O 37.9g(100ミリモル)を氷
酢酸400mlに溶解することによりテトラオクチルジ
スタノキサンジアセテート・1水和物を調製した(約1
5分必要)。ロータリーエバポレータで処理(水流アス
ピレーターでの真空水浴65℃)することにより、生成
物を淡黄色で粘稠な油として得た。この油をDMF50
0mlに溶解し、溶液を一部蒸発させ(ロータリーエバ
ポレータ、機械ポンプの真空、水浴30℃)で残存する
酢酸を除去した(最終容量300ml)。収量は定量的
であると推定された(43.0g、50.0ミリモル)。
【0078】このテトラオクチル誘導体、スクロース3
4.2g(100ミリモル)、及び無水酢酸11.2g
(110ミリモル)の上述したDMF溶液を用いて実施
例1の実験を繰返した。アルゴン下に室温で終夜撹拌し
た後、反応混合物を処理し、HPLC分析によるとスク
ロース−6−アセテート25.4g(66.1ミリモル、
収率66.1%)を含むシロップを得た。
【0079】実施例12 0.50当量のジスタノキサンジアセテートを用いるス
クロース−6−アセテートの、N−メチル−2−ピロリ
ドン中での製造 DBTO・1/22O 51.6g(200ミリモル)を室
温で氷酢酸400mlに溶解することによってDSDA
・H2Oを製造した(約5分必要)。ロータリーエバポ
レータで処理(水流アスピレーターでの真空、水浴50
℃)することにより、生成物を淡黄色で粘稠な油として
得た。この油をNMP 750mlに溶解し、溶液を一
部蒸発させ(ロータリーエバポレータ、機械ポンプの真
空、水浴50℃)て残存する酢酸を除去した(最終容量
500ml)。収量は定量的であると推定された(6
1.2g、100ミリモル)。
【0080】上述したNMP溶液を用いて実施例5の実
験を繰返した。室温で終夜撹拌した後、反応混合物を処
理し、HPLC分析によるとスクロース−6−アセテー
ト40.1g(104ミリモル、収率52.2%)を含む
シロツプを得た。
【0081】実施例13 0.25当量のジスタノキサンジアセテートを脱水と共
に用いるスクロース−6−アセテートの製造 機械的撹拌機、温度計、及び還流凝縮器が上部についた
ディーン−スターク水分離器を備えた1000mlの3
ツ口丸底フラスコに、スクロース68.5g(200ミ
リモル)、DSDA・H2O 30.6g(50.0ミリモ
ル)、DMF350ml、及びシクロヘキサン150m
lを仕込んだ。このスラリーを還流(反応温度89℃)
下に2時間加熱した。水分離器の内容物を除去し、無水
イソプロパノールに溶解し、そしてカールフィッシャー
法により水の分析をした(1.11g、61.6ミリモ
ル)。
【0082】スラリーを約5℃まで冷却し、無水酢酸2
2.5g(220ミリモル)で約10分間滴々に処理
し、そして更に60分間約5℃で撹拌した。無水物の添
加は穏やかな(5℃以下の)発熱をもたらした。アルゴ
ン下に室温で終夜撹拌した後、反応混合物を水(50m
l)で処理し、シクロヘキサン(2×500ml)で抽
出してDSDA・H2Oを除去し、そしてDMFを蒸発
(ロータリーエバポレータ、機械ポンプの真空、水浴3
0℃)させて、HPLC分析によるとスクロース−6−
アセテート39.0g(102ミリモル、収率50.8
%)を含む暗褐色の粘稠な油を得た。
【0083】実施例14 0.50当量のジスタノキサンジアセテートを脱水と共
に用いるスクロース−6−アセテートの製造 DSDA・H2O 61.2g(100ミリモル)を触媒
として用いる以外実施例13の実験を繰返した。脱水温
度は92℃であった(還流2時間)。処理により、スク
ロース−6−アセテート50.9g(132ミリモル、
収率66.3%)を含むシロップを得た。
【0084】実施例15 0.75当量のジスタノキサンジアセテートを脱水と共
に用いるスクロース−6−アセテートの製造 DSDA・H2O 91.8g(150ミリモル)を触媒
として用いる以外実施例13の実験を繰返した。脱水温
度は92℃であった(還流1.5時間)。処理により、
スクロース−6−アセテート51.9g(135ミリモ
ル、収率67.6%)を含むシロップを得た。
【0085】実施例16 1.05当量のジスタノキサンジアセテートを脱水と共
に用いるスクロース−6−アセテートの製造 機械的撹拌機、温度計、及び還流凝縮器が上部についた
デイーン−スターク水分離器を備えた1000mlの3
ツ口丸底フラスコに、スクロース68.5g(200ミ
リモル)、DSDA・H2O 129g(210ミリモ
ル)、DMF400ml、及びシクロヘキサン150m
lを仕込んだ。このスラリーを還流(反応温度95℃)
下に加熱し、そして得られる固体を含まない混合物を6
0分間還流させた。水分離器の内容物を除去し、無水イ
ソプロパノールに溶解し、そしてカールフィッシャー法
により水を分析した(2.32g、1.29ミリモル)。
【0086】固体を含まない混合物を約20℃まで冷却
し、無水酢酸22.5g(220ミリモル)で約3分間
にわたり滴々に処理した。無水物の添加中、必要に応じ
て氷浴で冷却して反応温度を25℃以下に保った。終夜
室温で撹拌した後、反応混合物を実施例11に記述した
ように処理して、HPLC分析によるとスクロース−6
−アセテート62.9g(164ミリモル、収率82.0
%)を含むシロップを得た。
【0087】実施例17 1.05当量のジスタノキサンジアセテートを脱水と共
に用いるスクロース−6−ベンゾエートの製造 無水安息香酸49.8g(210ミリモル)をアシル化
に用いて実施例16の実験を繰返した。脱水温度は95
℃であった(還流60分)。処理により、スクロース−
6−ベンゾエート65.9g(148ミリモル、収率7
3.8%)を含むシロップを得た。
【0088】実施例18 1.50当量のジスタノキサンジアセテートを脱水と共
に用いるスクロース−6−アセテートの製造 スクロース34.2g(100ミリモル)、DSDA・
2O 91.8g(150ミリモル)、DMF 400m
l、イソオクタン150ml、及び無水酢酸11.2g
(110ミリモル)を用いて実施例16の実験を繰返し
た。反応温度は107℃であった(還流45分間)。処
理により、スクロース−6−アセテート31.2g(8
1.1ミリモル、収率81.1%)を含むシロップを得
た。
【0089】実施例19 0.25当量のジブチルスズオキシドを脱水と共に用い
るスクロース−6−ベンゾエートの製造 機械的撹拌機、温度計、及び還流凝縮器が上部についた
ディーン−スターク水分離器を備えた1000mlの3
ツ口丸底フラスコに、スクロース68.5g(200ミ
リモル)、DBTO・1/22O 12.9g(50.0ミ
リモル)、DMF 400ml、及びn−ヘプタン20
0mlを仕込んだ。このスラリーを還流(反応温度98
℃)下に6時間加熱した。水分離器の内容物を除去し、
無水イソプロパノールに溶解し、そしてカールフィッシ
ャー法により水の分析をした(1.36g、75.8ミリ
モル)。
【0090】スラリーを約5℃まで冷却し、氷冷したD
MF 50mlに溶解した無水安息香酸49.8g(22
0ミリモル)で10分間にわたって滴々に処理し、更に
6分間約5℃で撹拌した。アルゴン下に室温で終夜撹拌
した後、反応混合物を濾過して未溶解のスクロースを除
去し、水(50ml)で処理し、シクロヘキサン(2×
500ml)で抽出してDSDB・H2Oを除去し、D
MFを蒸発(ロータリーエバポレータ、機械ポンプの真
空、水浴30℃)させて、HPLCによるとスクロース
−6−ベンゾエート39.2g(87.8ミリモル、収率
43.9%)を含むシロップを得た。
【0091】実施例20 0.50当量のジブチルスズオキシドを脱水と共に用い
るスクロース−6−ベンゾエートの製造 DBTO・1/22O 25.8g(100ミリモル)を用
いて実施例19の実験を繰返した。反応温度は99℃で
あった(還流6時間)。直ぐ前の実験に比べて、この反
応混合物は還流及びベンゾイル化期間中固体がなかつ
た。処理により、スクロース−6−ベンゾエート75.
5g(169ミリモル、収率84.7%)を含むシロッ
プを得た。
【0092】実施例21 0.50当量のジブチルスズオキシドを脱水と共に用い
るスクロース−6−アセテートの製造 スクロース68.5g(200ミリモル)、DBTO・1
/22O 25.8g(100ミリモル)、DMF 400
ml、シクロヘキサン100ml、及び無水酢酸22.
5g(220ミリモル)を用いて実施例19の実験を繰
返した。脱水温度は99℃であった。反応は還流及びア
シル化中固体を含まなかった。処理により、スクロース
−6−アセテート61.0g(159ミリモル、収率7
9.4%)を含むシロップを得た。
【0093】実施例22 0.50当量のジオクチルスズオキシドを脱水と共に用
いるスクロース−6−アセテートの製造 DOTO・1/22O 37.9g(100ミリモル)及び
無水酢酸22.5g(220ミリモル)を用いて実施例
19の実験を繰返した。脱水温度は99℃であった(還
流は4時間)。この反応は還流及びアセチル化を通して
固体が存在しなかった。処理により、HPLC分析でス
クロース−6−アセテート62.0g(161ミリモ
ル、収率80.7%)を含むシロップを得た。
【0094】実施例23 0.50当量のジブチルスズオキシドを脱水なしに用い
るスクロース−6−ベンゾエートの製造 磁気撹拌棒及びアルゴン導入口を備えた500mlの1
つ口丸底フラスコに、スクロース17.1g(50.0ミ
リモル)、DBTO・1/22O 6.45g(25.0ミ
リモル)、無水安息香酸18.1g(80.1ミリモ
ル)、DMF 200ml、及びシクロヘキサン100
mlを仕込んだ。この混合物を室温で9日間撹拌し、水
(25ml)で処理し、シクロヘキサン(2×150m
l)で抽出してDSDB・H2Oを除去した。蒸発(ロ
ータリーエバポレータ、機械ポンプ、水浴30℃)によ
り、HPLC分析でスクロース−6−ベンゾエート1
1.4g(25.7ミリモル、収率51.3%)を含むシ
ロップを得た。
【0095】実施例24 1.00当量のジブチルスズオキシドを脱水なしに用い
るスクロース−6−ベンゾエートの製造 DBTO・1/22O 12.9g(50.0ミリモル)を
用いて実施例23の実験を繰返した。9日間撹拌した後
処理することにより、スクロース−6−ベンゾエート1
6.3g(36.5ミリモル、収率73.0%)を含むシ
ロップを得た。
【0096】実施例25 1.00当量の再循環されたジスタノキサンジアセテー
トを脱水なしに用いるスクロース−6−アセテートの製
造 実施例16で製造したシクロヘキサン抽出物を一緒に
し、50%飽和水性食塩水で洗浄し、そしてロータリー
エバポレータ(水流ポンプの真空下、水浴30℃;次い
で機械ポンプの真空下、水浴40℃)に供してDSDA
・H2O122.6g(200ミリモル)を回収した。こ
の粘稠な薄茶色の油をシクロヘキサン150mlで処理
し、得られた溶液を実施例16の反復で使用した。反応
温度は93℃であった(還流60分)、処理によりスク
ロース−6−アセテート60.5g(158ミリモル、
収率78.8%)を含むシロップを得た。
【0097】実施例26 ジスタノキサンジエステルの一般的な製造法 DBTO・1/22O(103g、0.40モル)を、ト
ルエン又はシクロヘキサン(200〜400ml)中に
おいて酢酸又は安息香酸(24.1g又は49.1g、
0.40モル)と共に還流させ、反応水をディーン−ス
ターク捕集器で分離した。DSDE・H2Oは溶液で使
用することができ、或いは溶媒の除去及び5%水性アセ
トニトリル(DSDB・H2O)200ml又は5%水
性DMF(DSDA・H2O)100mlのいずれかの
溶解によって結晶化できた。DSDA・H2Oは57〜
8℃の融点を示し、満足しうる元素分析値を与えた(C
20425Sn2・H2Oに対する計算値:C、39.3
9;H、6.83。実験値:C、38.87;H、6.8
3)。DSDB・H2Oは94〜6℃の融点を示し、そ
して満足しうる元素分析値を与えた(C30465Sn2
・H2Oに対する計算値:C、48.55;H、6.5
2。実験値、C、47.26;H、6.24)。文献値の
融点58〜60℃[D.アレトソン(Alletson)ら、J.
ケム・ソク、5469(1963)]。
【0098】アシル化反応を促進させるために3級アミ
ンを用いる場合、本発明は種々の異なつた様式で行うこ
とができる。これらの方法は、部分的に、(a)有機ス
ズとして用いるDSDE・H2Oの脱水の程度、(b)
用いる3級アミンの求核性、(c)S−6−E生成物に
対して用いる回収法、(d)3級アミン成分に対して用
いる回収及び循環法、及び(e)DSDE・H2O成分
に対して用いる回収及び循環法、によって異なる。連続
法を含む実施法は好適である。
【0099】3級アミン促進剤を用いる5つの様式をい
くらか詳細に議論する。これらの5つの実施法は代表例
であり、開示された種々の観点を改変することにより多
くの他の本発明の実施法が開発しうる。これらの2つの
最初の2つは回分法を含み、後者の3つは連続法を含
む。第1の方法は単にスクロース及び必要量のDSDE
・H2O触媒を極性の中性溶媒に(普通穏やかに加熱し
て)溶解し、次いでこのように得た溶液を低沸点(極性
の中性溶媒に対して)の3級アミン及び無水カルボン酸
で室温下に又は僅かに室温以下で連続的に処理すること
を含む。アシル化が完了した後、溶液を少量の水で処理
し、DSDE・H2Oを再使用のために抽出によって回
収する。この時点で極性の中性溶媒、水、3級アミン、
及びカルボン酸中S−6−E(及び少量の他のスクロー
スエステル及び残存スクロース)より主になるアシル化
生成物混合物から、(例えば真空蒸発又はカチオン交換
樹脂での処理により)低沸点3級アミン、(例えば真空
蒸発又はアニオン交換樹脂での処理により)カルボン
酸、及び(例えば真空蒸発又は脱水剤での処理により)
水を除去して、S−6−Eが結晶化又は沈殿法によって
単離しうるシロップを製造することができる。他に精製
且つ乾燥したDMFに基づくシロップを塩素化に供し
て、上述のウォーカップらの技術に従ってスクラロース
−6−エステルを製造してもよい。
【0100】本発明のこの実施法は実施例27及び28
で例示される。実施例27においては、例示すると1.
00モル当量のスクロース及び0.50モル当量のDS
DA・H2Oを75℃下にDMFに溶解し、このように
調製した溶液を室温まで冷却し、そしてトルエン、トリ
エチルアミン(1.10モル当量)、及び無水酢酸(1.
10モル当量)で処理した。大気温度で30分間撹拌し
た後、反応溶液を水で処理し、シクロヘキサンで抽出し
た(DSDA・H2Oの回収)。真空蒸発を用いてトリ
エチルアミン、酢酸、水、及びDMFの一部分を除去し
て、S−6−Aを64%の収率で含むシロップを得た。
【0101】DSDE触媒の化学量論量、アシル化剤の
性質及び割合、並びに(3級アミン促進剤を用いない本
発明の観点と関連して)上述した極性の中性反応媒体の
性質及び割合は、本発明のアミンで促進された観点にも
当てはまる。DSDA・H2O及びDSDB・H2Oの両
方が有効な触媒であることが示され、DSDB・H2
は本発明のアミンで促進された観点において僅かに良好
な性能を示す。この性能の相違は、より立体障害された
DSDB・H2Oが3級アミンによって誘導される副反
応に含まれるようになる傾向の減少の結果であるかも知
れない。
【0102】反応混合物中のDSDE・H2Oの濃度が
高い場合、少量(5〜20容量%)の炭化水素様共溶媒
を添加して、それを溶液に保つことは有利である。トル
エンはこの目的に対して有用であることがわかった。他
の有用な共溶媒はベンゼン、混合キシレン、シクロヘキ
サン、メチルtert−ブチルエーテル、クロロホルム
などを含む。
【0103】約1.00〜約1.25モル当量(スクロー
ス基準)の範囲の化学量論量比の低沸点3級アミンが用
いられる。好適な化学量論量比は約1.05〜約1.10
モル当量の範囲にあり、その特別な方法で使用される無
水カルボン酸のモル当量に等しい。酸無水物よりも(モ
ル基準で)少い量の3級アミンはアシル化速度をかなり
減少させるであろう。3級アミンを化学量論的過剰量で
用いると、3級アミンによって開始される有機スズ触媒
との副反応が起こる場合収率の低下をもたらしうる。
【0104】アシル化反応温度は、アミン促進剤を使用
しないDSDE触媒でのアシル化に関して上述したもの
と同様の温度が使用できる。
【0105】無水酢酸及び無水安息香酸の双方は効果的
なアシル化剤であることがわかつた。無水安息香酸は本
発明のアミン促進の観点において優れた収率を与えるよ
うである。これは、無水安息香酸の固有の低い反応性が
副反応を少ししか起こさないからであると思われる。本
発明においては広範な他のカルボン酸無水物が使用でき
る。
【0106】本発明のこの実施法では、多種類の低沸点
3級アミンが使用するのに適当である。この成分に対す
る重要な基準は、それが過度な量でDSDE・H2O触
媒と副反応しないこと(いくつかの3級アミン例えばイ
ミダゾール及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデク−7−エンはかなり迅速にこれらの触媒の有用性
を損う)、それが無水カルボン酸と反応してアシルアン
モニウムで活性化された錯体を生成するのに十分な求核
性を有すること、及びそれが容易に(例えば真空蒸発に
より)除去されて固体又は精製されたシロップとしての
S−6−Eが容易に単離できることである。成功裏に使
用された3級アミンはトリアルキルアミン例えばトリメ
チルアミン(TMA)、トリエチルアミン(TEA)、
及びジイソプロピルエチルアミン(DEA)、及び芳香
族複素環族アミン例えばピリジン及び2,6−ルチジン
(2,6−ジメチルピリジン)を含む。他の適当なアミ
ンはジエチルメチルアミン、ジメチルエチルアミン、及
びピユリン(メチルピリジン)を含む。好適な3級アミ
ンは、価格及び真空蒸発による除去の容易さの理由でT
MA及びTEAを含む。
【0107】これらのアミンで促進されたアシル比は
1,3−ジ−(6−O−スクロース)置換ジスタノキサ
ンを含むものよりも一般に実質的に速い。これは多分事
実上のアシル化剤であるアシルアンモニウム塩の大きい
反応性の結果である。アミンで促進されたアシル化は完
了するまでに約3〜約60分間を必要とする。位置選択
的なアシル化の速度は、触媒の化学量論量(スクロース
に対して触媒濃度を増すと、速度が増大する)、触媒の
活性(例えばDSDA・H2OはDSDB・H2Oよりも
活性な触媒であるように見える)、用いる3級アミンの
求核性(例えばトリエチルアミンはピリジンよりも求核
性であり、従つてアシルアンモニウム塩をより高濃度で
与え、この結果反応速度が速くなる)、無水カルボン酸
の反応性(例えば無水酢酸は無水安息香酸より反応性で
ある)、並びに反応温度及び反応性種の相対濃度(アシ
ル化が高次過程であるから)を含む多くの変数に依存す
る。DSDE・H2Oは上述したバーノンらの教示に従
つて再使用のために回収することができる。低沸点の3
級アミンは、DSDE・H2Oの抽出後の分留法によつ
て回収しうる。例えばDSDEを含まないDMFに基づ
くS−6−E溶液から、低沸点3級アミン(例えばトリ
エチルアミン、沸点3℃)、水(沸点100℃)、及び
DMF(沸点153℃)の一部を(例えば薄膜蒸発機を
用いて)留去して留出物を得、これから3級アミンを精
留によって回収する。他にDSDEを含まないDMFに
基づくS−6−E溶液を注意深く精留して3級アミンを
回収してもよい。存在するカルボン酸が3級アミンの回
収を妨害する場合には、酸をDSDE・H2Oの抽出後
に適当なアニオン交換樹脂を用いて除去することができ
る。同様に存在する水が無水の3級アミンの回収を妨害
する場合には、DSDE・H2Oの抽出後に水を脱水剤
(例えばモレキュラーシーブ)で除去するとよい。
【0108】本発明のアミンで促進された観点の第2の
実施法は、実施例29〜45で例示するように、脱水さ
れた又は部分的に脱水された反応系でDSDE・H2
を使用することを含む。この実施法は、脱水された又は
部分的に脱水された反応条件下に、但しアミン促進剤を
含まないで行われる本発明の実施法に対して前述したも
のと同様にして行われる。アシル化が完了した後、溶液
を少量の水で処理し、DSDE・H2Oを再使用のため
に抽出によって回収する。次いでアシル化生成物混合物
を更に処理し(即ち水、3級アミン、カルボン酸、及び
残存する抽出溶媒を除去し、)そしてS−6−Eを(例
えば結晶化又は沈殿により)固体として単離し、或いは
DMFに基づくシロップの場合にはこれをスクラロース
−6−エステルの製造のための塩素化に供する。
【0109】実施例36では、例えば1.00モル当量
のスクロース及び1.00モル当量のDSDB・H2
を、DMF及びシクロヘキサンの4:1(容量比)混合
物中にスラリーとし、そして混合物を、還流式水分離器
を備えた反応容器中で30分間激しく還流させた。これ
は元のDSDB・H2Oの水和水の40%を除去した。
次いで固体を含まない反応混合物を大気温度まで冷却
し、そして1.10モル当量のトリエチルアミン及び1.
10モル当量の無水酢酸で連続的に処理した。約30分
間撹拌した後、反応混合物を水で処理し、シクロヘキサ
ンで抽出し(DSDB・H2Oを回収し)、そして(ト
リエチルアミン、水、酢酸、及びDMFの一部を除去す
るために)一部分を蒸発させて、HPLC分析によると
スクロース−6−アセテートを収率84%で含むシロッ
プを得た。
【0110】DSDE触媒の化学量論量比、共溶媒の性
質及び割合、反応温度、脱水工程の反応時間、及びアシ
ル化剤の性質及び割合は、本発明のアミンで促進されて
ない場合の第2の実施法で上述した通りである。
【0111】水の除去の終了後、通常2相の(但し固体
を含まない)反応混合物を室温又はそれ以下まで冷却
し、低沸点3級アミンで処理し、次いで本発明のアミン
で促進された観点の第1法に対して上述したようにアシ
ル化する。DSDE・H2O触媒及び低沸点3級アミン
の両方の回収及び再使用、S−6−Eの、固体又は精製
シロップ形での単離、及びS−6−EのTGS−6−E
への転化は上述の如く行うことができる。第2法は一般
に第1法で議論した3級アミン及び無水物の化学量論
量、極性の中性溶媒の構造、及びアシル化温度に従う。
【0112】第3の実施法は図1として示されるスキー
ムIに図示される。これは連続法であつて、極性で中性
のアシル化溶媒、DSDE・H2O有機スズ剤の循環抽
出及び脱水の双方のための炭化水素様共溶媒、アシル化
に対する活性化錯体を生じさせるための非揮発性(即ち
極性の中性溶媒よりも実質的に高沸点の)3級アミン、
固体S−6−Eの結晶化(又は沈殿)による単離、DS
DE・H2O触媒及び非揮発性アミンの双方の回収及び
(単一工程流での)循環、並びにカルボン酸副生物の、
正確な化学量論量の水性水酸化ナトリウムでの抽出によ
る工程流からの除去を含む。この方法で製造される固体
のS−6−Eはスクラロース−6−エステルへの塩素化
に対して適当である。
【0113】本発明のこの実施法は実施例46によつて
示される。この実施例は、DMFを極性で中性の溶媒と
して、トルエンを抽出−脱水共溶媒として、DSDB・
2Oを有機スズ触媒として、N,N−ジメチルオクチル
アミン(DMOA、沸点195℃)を非揮発性3級アミ
ンとして、無水安息香酸をアシル化剤として使用し且つ
S−6−Bをアセトンから結晶化させる方法の3つの反
復サイクルを詳述する。この方法はスクロース(1.0
0モル当量)及びDSDB・H2O(0.60モル当量)
を約80℃でDMFに溶解することで始められる。この
溶液を、約90℃で減圧下にトルエンと共蒸留すること
によって脱水した。次いで混合物を約20℃まで冷却
し、続いて約20℃の反応温度を維持するために冷却し
続けながらDMOA(1.10モル当量)及び無水安息
香酸(1.10モル当量)で処理した。
【0114】短時間撹拌した後、DMFを(直接の再循
環のために)真空蒸発によつて除去して(DSDB、S
−6−B、安息香酸、及びDMCAを含む)粘稠な油を
得、これをアセトンで処理することによりS−6−Bが
結晶化する溶液を得た。この炭水化物を濾別し、真空乾
燥した。一方濾液を真空蒸発させて(循環のために)ア
セトンを除去し、(DSDB、安息香酸、及びDMOA
を含む)粘稠な油を得、これをトルエン及び1.10モ
ル当量の水酸化ナトリウムを含む水と接触させた。安息
香酸はナトリウム塩として水性相に定量的に抽出され、
一方DSDB・H2O及びDMOAは炭水化物相に残っ
た。(実施例では、水性安息香酸ナトリウム溶液を捨て
た。商業的運転においては、この塩を回収し、無水安息
香酸へ再転化するであろう。)次いでトルエンを(循環
のために)真空蒸発によって除去し、それぞれ原子吸光
分光法及びガスクロマトグラフィーで定量化されるDS
DB及びDMOAからなる比較的無水の粘稠な油を得
た。分析した油のトルエン溶液を、続いてスクロース、
DMF、及び補充DSDB・H2Oで処理し、そして補
充DMOAを工程の適当な部分で添加しつつ工程を繰返
した。実施例46はこの方法の3回の連続的なサイクル
を示し、単離されたS−6−Bの収率は平均71.5%
及び平均純度は(HPLC分析で)92.7%であっ
た。DSDB・H2Oの回収率は96.7%であり、また
DMOAの回収率は平均90.9%であった。
【0115】スキームIの方法は、本発明のアミンで促
進された観点の第1法の議論で示した有機スズ試剤、3
級アミン、及び無水物の化学量論量、触媒及び極性で中
性の溶媒の構造、並びに反応温度に対する基準に一般に
従う。またスキームIの方法は、本発明のアミンで促進
された観点の第2法の議論で示した脱水共溶媒の使用に
関する基準に従う。ここにスキームIの方法は、適当な
S−6−E結晶化溶媒が使用されるならば無水安息香酸
以外の無水物を用いても行いうることを付記する。
【0116】DMOA、2,4,6−コリジン(2,4,6
−トリメチルピリジン、沸点171℃)、及びN,N−
ジメチルドデシルアミン(DMDA、沸点110℃/3
mmHg)はスキームIの方法を実施するのに有効であ
ることがわかった。多くの種類の他の高沸点3級アミン
例えばトリ−n−ブチルアミン(沸点216℃)、トリ
−n−オクチルアミン(沸点365℃)、及びN−メチ
ルジ−n−オクチルアミン(沸点162℃/15mmH
g)も本方法の非揮発性3級アミンとして使用しうる。
【0117】本発明の第4の実施法は図2に示されるス
キームIIで図示される。これは極性で中性のアシル化
溶媒、DSDE・H2O有機スズ剤の循環抽出及び脱水
の双方に対する炭化水素様共溶媒、アシル化に対する活
性化錯体を生じさせるための揮発性(即ち極性の中性溶
媒よりも実質的に低沸点の)3級アミン、固体S−6−
Eの結晶化(又は沈殿)による単離、DSDE・H2
触媒の回収及び循環、並びにカルボン酸副生物の、正確
な化学量論量の水性水酸化ナトリウムでの抽出による工
程流からの除去を含む。この方法で製造される固体のS
−6−Eはスクラロース−6−エステルへの塩素化に対
して適当である。
【0118】本発明のこの実施法は実施例47によって
示される。この実施例は、DMFを極性で中性の溶媒と
して、トルエンを抽出−脱水共溶媒として、DSDB・
2Oを有機スズ触媒として、トリエチルアミンを揮発
性3級アミンとして、無水安息香酸をアシル化剤として
使用し且つS−6−Bをアセトンから結晶化させる方法
の5回の反復サイクルを詳述する。この方法はスクロー
ス(1.00モル当量)及びDSDB・H2O(0.60
モル当量)を約80℃でDMFに溶解することで始めら
れる。この溶液を、約90℃で減圧下にトルエンと共蒸
留することによつて脱水した。次いで混合物を約20℃
まで冷却し、続いて約20℃の反応温度を維持するため
に冷却し続けながらTEA(1.10モル当量)及び無
水安息香酸(1.10モル当量)で処理した。
【0119】短時間撹拌した後、揮発性アミン及びDM
Fを真空蒸発によって除去して(これらの2つの反応成
分を分離及び循環することに関しては先の議論を参照の
こと)(DSDB、S−6−B、及び安息香酸を含む)
粘稠な油を得、これをアセトンで処理することによりS
−6−Bが結晶化する溶液を得た。この炭水化物を濾別
し、真空乾燥した。一方濾液を真空蒸発させて(循環の
ために)アセトンを除去し、(DSDB、及び安息香酸
を含む)粘稠な油を得、これをトルエン及び1.10モ
ル当量の水酸化ナトリウムを含む水と接触させた。安息
香酸はナトリウム塩として水性相に定量的に抽出され、
一方DSDB・H2Oは炭水化物相に残つた。(実施例
では、水性安息香酸ナトリウム溶液を捨てた。商業的運
転においては、この塩を回収し、無水安息香酸へ再転化
するであろう。)次いでトルエンを(循環のために)真
空蒸発によつて除去し、(原子吸光分光法で定量化され
る)DSDBからなる比較的無水の粘稠な油を得た。分
析した油のトルエン溶液を、続いてスクロース、DM
F、及び補充DSDB・H2Oで処理し、工程を繰返し
た。実施例47はこの方法の5回の連続的なサイクルを
示し、単離されたS−6−Bの収率は平均71.9%及
び平均純度は(HPLC分析で)92.4%であった。
DSDB・H2Oの回収率は97.1%であった。
【0120】スキームIIの方法は、本発明のアミンで
促進された観点の第1法の議論で示した有機スズ触媒、
3級アミン、及び無水物の化学量論量、有機スズ触媒、
3級アミン及び極性で中性の溶媒の構造、並びに反応温
度に対する基準に一般に従う。またスキームIIの方法
は、本発明のアミンで促進された観点の第2法の議論で
示した脱水共溶媒の使用に関する基準に従う。ここにス
キームIIの方法は、適当なS−6−E結晶化溶媒が使
用されるならば無水安息香酸以外の無水物を用いても行
いうることを付記する。
【0121】第5の実施法は図3として示されるスキー
ムIIIに図示される。これは連続法であって、極性で
中性のアシル化溶媒、DSDE・H2O有機スズ剤の循
環抽出及び脱水の双方に対する炭化水素様共溶媒、アシ
ル化に対する活性化錯体を生じさせるための揮発性(即
ち極性の中性溶媒よりも実質的に低沸点の)3級アミ
ン、S−6−Eの精製シロップとしての精製、DSDE
・H2O成分の回収及び循環、並びに揮発性3級アミン
及びカルボン酸副生物の双方の、蒸留法による工程流か
らの除去を含む。この方法で製造されるS−6−Eシロ
ップはスクラロース−6−エステルへの塩素化に対して
適当である。
【0122】本発明のこの実施法は実施例48によって
示される。この実施例は、DMFを極性で中性の溶媒と
して、シクロヘキサンを抽出−脱水共溶媒として、DS
DB・H2Oを有機スズ触媒として、トリエチルアミン
を揮発性アミンとして、及び無水酢酸をアシル化剤とし
て用いる方法の5回の反復サイクルを記述する。この方
法はスクロース(1.00モル当量)及びDSDA・H2
O(1.00モル当量)を約80℃でDMFに溶解する
ことによって始められる。この溶液をシクロヘキサンで
処理し、約90℃で共蒸留することにより脱水した。次
いで混合物を約20℃まで冷却し、続いて約20℃の反
応温度を維持するために冷却し続けながらTEA(1.
10モル当量)及び無水酢酸(1.10モル当量)で処
理した。
【0123】短時間撹拌した後、反応混合物を水で処理
し、DSDA・H2Oをシクロヘキサンでの抽出により
回収した。次いで(S−6−A、酢酸、水、及びTEA
を含む)DMFに基づく溶液を減圧下に蒸発させ、揮発
性アミン、水、酢酸、及びDMFの一部分を除去して
(これらの反応成分の分離及び循環に関しては先の議論
を参照のこと)、シロップを得、これをそれぞれHPL
C及びガスクロマトグラフィーによりS−6−A及びD
MF含量を分析した。次いでシクロヘキサンを(循環の
ために)一緒にした抽出物から除去し、DSDA(原子
吸光分光法で分析)からなる比較的無水の粘稠な油を得
た。分析した油のシクロヘキサン溶液を続いてスクロー
ス、DMF、及び補充DSDB・H2Oで処理し、そし
て工程を繰返した。実施例22はこの方法の5つの連続
的なサイクルを示し、シロップS−6−Aは平均79.
0%の収率であった。DSDA・H2Oの回収率は平均
98.8%であった。
【0124】スキームIIIの方法は、上述した有機ス
ズ試剤、3級アミン、及び無水物の化学量論量、有機ス
ズ試剤、3級アミン及び極性で中性の溶媒の構造、並び
にアシル化温度に対する基準に一般に従う。またスキー
ムIIIの方法は、本発明のアミンで促進された観点の
第2法の議論で示した脱水共溶媒の使用に関する基準に
従う。更にスキームIIIの方法は、上述したバーノン
らの記述するDSDE・H2Oの抽出及び循環に関する
基準に一般に従う。ここに式IIIの方法は、工程流か
ら副生物を除去するために適当な方法(例えば抽出、続
く中和、或いはアニオン交換樹脂の使用)を利用するな
らば非揮発性のカルボン酸副生物を与える無水物を用い
ても行いうることを付記する。
【0125】下表は実施例27〜45に対する実験の詳
細と収率を要約する。
【0126】
【表3】
【0127】
【表4】
【0128】1 実施例、2 用いた有機スズ試剤、DSD
Aは1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチル
ジスタノキサンを示す。DSDBは1,3−ジベンゾイ
ロキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサンを
示す。ODSDAは1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3
−テトラオクチルジスタノキサンを示す。3 スクロース
基準で用いたオクチルスズ試剤の当量。4 DMFはN,
N−ジメチルホルムアミドである。NMPはN−メチル
−2−ピロリドンである。578はトルエンである。
612はシクロヘキサンである。C716はn−ヘプタ
ンである。6 製造されたスクロース−6−エステル。A
はアセテートであり、Bはベンゾエートである。7 反応
混合物の脱水に用いた時間(分)。8 反応混合物の脱水
中に生成する存在する全水の%(カールフィシャー
法)。9 用いた3級アミン。TEAはトリエチルアミン
である。PYRはピリジンである。DEAはジイソプロ
ピルエチルアミンである。LUTは2,6−ルチジンで
ある。TMAはトリメチルアミンである。DMDAは
N,N−ジメチルドデシルアミンである。DMOAはN,
N−ジメチルオクチルアミンである。COLLは2,4,
6−コリジンである。10 生成したシロップ(実施例2
7〜40)又は単離した固体(実施例41〜45)のH
PLC分析により決定した収率モル%及び回収率%。11
スクロース−6−エステルの収率%。12 他のスクロー
スモノエステルの収率%。13 スクロースジエステルの
収率%。14 未反応のスクロースの回収%。
【0129】実施例27 トリエチルアミン及び0.50当量のジスタノキサンジ
アセテートを脱水なしに用いるスクロース−6−アセテ
ートの製造 機械的撹拌機、温度計、及びアルゴン導入口を上部にも
つ60mlの滴下濾斗を備えた1000mlの3ツ口丸
底フラスコに、スクロース68.5g(200ミリモ
ル)、DSDA・H2O 61.2g(100ミリモ
ル)、及びDMF 450mlを仕込んだ。このスラリ
ーを10分間75℃(内部温度)まで加熱し、このよう
にして得た透明な溶液を室温まで冷却し、そしてトルエ
ン50ml及びトリエチルアミン22.3g(220ミ
リモル)で連続的に処理した。次いでこの溶液を、DM
F50mlに溶解した無水酢酸22.5g(220ミリ
モル)で10分間にわたり滴々に処理した。
【0130】S−6−Aの生成及びスクロースの消失を
シリカゲルのTLCで追跡した。転化は約30分後に完
結したように見えた。反応混合物を水(50ml)で処
理し、シクロヘキサン(2×500ml)で抽出してD
SDA・H2Oを除去し、そしてDMFに基づく溶液を
一部蒸発させて(ロータリーエバポレータ、機械ポンプ
の真空下、水浴30℃)、HPLC分析によるとスクロ
ース−6−アセテート49.1g(128ミリモル、収
率64.0%)を含む薄茶色のシロップを得た。 実施例28 トリエチルアミン及び0.50当量のジスタノキサンジ
ベンゾエートを脱水なしに用いるスクロース−6−ベン
ゾエートの製造 DSDB・H2O 74.2g(100ミリモル)を有機
スズ試剤として及びDMF 50mlに溶解した無水安
息香酸49.8g(220ミリモル)をアシル化に対し
て用いて実施例27の実験を繰返した。このベンゾイル
化は完結までに約60分間を要した(TLC分析)。処
理により、スクロース−6−ベンゾエート64.7g
(145ミリモル、収率72.5%)を含むシロップを
得た。
【0131】実施例29 トリエチルアミン及び0.50当量のジスタノキサンジ
アセテートを脱水と共に用いるスクロース−6−アセテ
ートの製造 機械的撹拌機、温度計、及び還流凝縮器が上部についた
ディーン−スターク水分離器を備えた1000mlの3
ツ口丸底フラスコに、スクロース68.5g(200ミ
リモル)、DSDA・H2O 61.2g(100ミリモ
ル)、DMF 400ml、及びシクロヘキサン100
mlを仕込んだ。このスラリーを還流(反応温度97
℃)下に加熱し、得られた固体を含まない混合物を45
分間還流させた。水分離器の内容物を除去し、無水イソ
プロパノールに溶解し、そしてカールフィッシャ法によ
って水の分析をした(1.30g、72.2ミリモル、存
在する全量の72.2%)。
【0132】固体を含まない混合物を約20℃まで冷却
し、そしてトリエチルアミン22.3g(220ミリモ
ル)で一部ずつ処理した。このアミンの添加は穏やかな
(約2℃の)発熱をもたらした。次いで反応温度を25
℃以下に保つために必要に応じて氷浴を用いながら無水
酢酸(22.5g、220ミリモル)を10分間にわた
って滴下した。反応はTLCによると約15分間室温で
撹拌した後に完結したようであった。この混合物を実施
例27に記述したように処理して、HPLC分析による
とスクロース−6−アセテートを57.7g(150ミ
リモル、収率75.1%)を含むシロップを得た。
【0133】実施例30 トリエチルアミン及び0.25当量のジスタノキサンジ
アセテートを脱水と共に用いるスクロース−6−アセテ
ートの製造 DSDA・H2O 30.6g(50.0ミリモル)を有機
スズ試剤として用いて実施例29の実験を繰返した。脱
水温度は92℃であり、生ずる水は存在する全量の11
6%であった(還流60分間)。アセチル化及び処理に
よりスクロース−6−アセテート47.6g(124ミ
リモル、収率62.0%)を含むシロップを得た。
【0134】実施例31 ピリジン及び0.50当量のジスタノキサンジアセテー
トを脱水と共に用いるスクロース−6−アセテートの製
造 ピリジン17.4g(220ミリモル)を3級アミンと
して用いて実施例29の実験を繰返した。脱水温度は9
9℃であり、生じた水は存在する全量の66.4%であ
った(還流45分間)。アセチル化は完結までに約60
分間を要した(TLC分析)。処理によりスクロース−
6−アセテート46.8g(122ミリモル、収率60.
9%)を含むシロップを得た。
【0135】実施例32 ジイソプロピルエチルアミン及び0.50当量のジスタ
ノキサンジアセテートを脱水と共に用いるスクロース−
6−アセテートの製造 ジイソプロピルエチルアミン28.4g(220ミリモ
ル)を3級アミンとして用いて実施例29の実験を繰返
した。脱水温度は100℃であり、生じた水は存在する
全量の76.5%であった(還流45分間)。処理によ
りスクロース−6−アセテート55.7g(145ミリ
モル、収率72.6%)を含むシロップを得た。
【0136】実施例33 トリエチルアミン及び0.50当量のジスタノキサンジ
ベンゾエートを脱水と共に用いるスクロース−6−アセ
テートの製造 DSDB・H2O 74.2g(100ミリモル)を有機
スズ試剤として用いて実施例29の実験を繰返した。脱
水温度は102℃であり、生ずる水は存在する全量の6
0.5%であった(還流30分間)。アセチル化は約1
5分後に完結した(TLC分析)。処理によりスクロー
ス−6−アセテート58.5g(152ミリモル、収率
76.2%)を含むシロップを得た。TLC分析による
とシロップ中にはスクロース−6−ベンゾエートは検知
できなかつた。
【0137】実施例34 2,6−ルチジン及び0.50当量のジスタノキサンジア
セテートを脱水と共に用いるスクロース−6−アセテー
トの製造 2,6−ルチジン23.6g(220ミリモル)を3級ア
ミンとして用いて実施例29の実験を繰返した。脱水温
度は99℃であり、生じた水は存在する全量の78.2
%であった(還流45分間)。アセチル化は完結までに
約60分間を要した(TLC分析)。処理によりスクロ
ース−6−アセテート56.0g(146ミリモル、収
率72.9%)を含むシロップを得た。
【0138】実施例35 トリエチルアミン及び0.50当量のジスタノキサンジ
アセテートを脱水と共に用いるスクロース−6−ベンゾ
エートの製造 アセチル化のために無水安息香酸49.8g(220ミ
リモル)をDMF50mlに溶解して用いて実施例29
の実験を繰返した。脱水温度は99℃であり、生じた水
は存在する全量の56.8%であった(還流45分
間)。ベンゾイル化は完結までに約60分間を要した
(TLC分析)。処理によりスクロース−6−ベンゾエ
ート72.9g(163ミリモル、収率81.6%)を含
むシロップを得た。
【0139】実施例36 トリエチルアミン及び1.00当量のジスタノキサンジ
ベンゾエートを脱水と共に用いるスクロース−6−アセ
テートの製造 DSDB・H2O 148g(200ミリモル)を有機ス
ズ試剤として用いて実施例29の実験を繰返した。脱水
温度は99℃であり、生ずる水は存在する全量の116
%であった(還流30分間)。アセチル化及び処理によ
りスクロース−6−アセテート64.2g(167ミリ
モル、収率83.5%)を含むシロップを得た。
【0140】実施例37 トリエチルアミン及び1.00当量のジスタノキサンジ
ベンゾエートを脱水と共に用いるスクロース−6−ベン
ゾエートの製造 DSDB・H2O 148g(200ミリモル)を有機ス
ズ試剤として、シクロヘキサン150mlを脱水共溶媒
として、及びDMF 50mlに溶解した無水安息香酸
49.8g(220ミリモル)をアシル化に用いて実施
例29の実験を繰返した。脱水温度は95℃であり、生
じた水は存在する全量の45.6%であった(還流45
分間)。ベンゾイル化及び処理により、スクロース−6
−ベンゾエート77.0g(171ミリモル、収率86.
2%)を含むシロップを得た。実施例38 トリエチルアミン及び0.75当量のジスタノキサンジ
ベンゾエートを脱水と共に用いるスクロース−6−アセ
テートの製造 DSDB・H2O 111g(150ミリモル)を有機ス
ズ試剤として用いて実施例29の実験を繰返した。脱水
温度は104℃であり、生ずる水は存在する全量の4
6.8%であった(還流30分間)。アセチル化及び処
理によりスクロース−6−アセテート63.8g(16
6ミリモル、収率83.0%)を含むシロップを得た。
【0141】実施例39 トリエチルアミン及びN−メチル−2−ピロリドン中
0.50当量の1.3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テ
トラオクチル−ジスタノキサンを脱水と共に用いるスク
ロース−6−アセテートの製造 DOTO・1/22O 75.8g(200ミリモル)を室
温で氷酢酸500mlに溶解することによってテトラオ
クチルジスタノキサンジアセテートモノハイドレートを
製造した(約60分間必要)。ロータリーエバポレータ
(水流ポンプの真空、浴40℃)で処理することによ
り、生成物を淡黄色の粘稠の油として得た。この油をN
MP 500mlに溶解し、溶液を蒸発(ロータリーエ
バポレータ、機械ポンプの真空、水浴65℃)させて残
存する酢酸を除去した。収量は定量的であると推定され
る(86.0g、100ミリモル)。
【0142】この油をNMP 400ml及びシクロヘ
キサン150mlで処理し、実験29の実験を繰返し
た。脱水を100℃で45分間行つた。アセチル化及び
処理により、スクロース−6−アセテート43.0g
(112ミリモル、収率56.0%)を含むシロップを
得た。
【0143】実施例40 ジイソプロピルエチルアミン及び1.00当量のジスタ
ノキサンジベンゾエートを脱水と共に用いるスクロース
−6−ベンゾエートの製造 DSDB・H2O 148g(200ミリモル)を有機ス
ズ試剤として、n−ヘプタン150mlを脱水共溶媒と
して、ジイソプロピルエチルアミン28.4g(220
ミリモル)を3級アミンとして、及びDMF 50ml
に溶解した無水安息香酸49.8g(220ミリモル)
をアシル化に用いて実施例29の実験を繰返した。脱水
温度は104℃であり、生じた水は存在する全量の4
0.8%であった(還流30分間)。ベンゾイル化は完
結するまで約60分間を要した(TLC分析)。処理に
より、スクロース−6−ベンゾエート77.9g(17
5ミリモル、収率87.3%)を含むシロップを得た。
【0144】実施例41 トリメチルアミン及び0.55当量のジスタノキサンジ
ベンゾエートを脱水と共に用いる固体のスクロース−6
−ベンゾエートの製造 機械的撹拌機、温度計、及び真空蒸留組立具を備えた1
000mlの3ツ口丸底フラスコに、スクロース50.
0g(146ミリモル)、DSDB・H2O 59.6g
(80.3ミリモル)、及びDMF 250mlを仕込ん
だ。スラリーを80℃(内部温度)まで10分間加熱
し、このようにして得た透明な溶液をトルエン(100
ml)で処理し、存在する水を約100mmHg及び内
部温度90℃での共蒸留により除去した。次いで溶液を
室温まで冷却し、そしてトリメチルアミン(9.49
g、161ミリモル、無水の気体として導入)及び無水
安息香酸(36.4g、161ミリモル)で連続的に処
理した。必要に応じて氷浴での冷却を用いて、無水物の
添加中約20℃の反応温度を維持した。
【0145】室温で約2時間撹拌した後、DMF及びT
MAをロータリーエバポレータ(機械ポンプの真空下、
水浴30℃)で除去することにより粘稠な油を得た。こ
れをロータリーエバポレータのフラスコ中において50
℃下にアセトン250mlで処理した。このようにして
得た透明な溶液を室温まで冷却し、S−6−Bの種を入
れ、約60分間撹拌した。生成物を濾過し、アセトン
(3×50ml)で洗浄し、真空乾燥(50℃/0.5
mmHg/16時間)して、HPLC分析によると9
7.8%スクロース−6−ベンゾエート(46.9g、1
05ミリモル、収率72.0%)からなる灰色がかった
固体48.0gを得た。
【0146】実施例42 トリエチルアミン及び0.60当量のジスタノキサンジ
ベンゾエートを脱水と共に用いる固体のスクロース−6
−ベンゾエートの製造 DSDB・H2O 65.0g(87.6ミリモル)を有機
スズ試剤として及びトリエチルアミン16.3g(16
1ミリモル)を3級アミンとして用いて実施例41の実
験を繰返した。ベンゾイル化及び処理により、HPLC
分析によると92.0%スクロース−6−ベンゾエート
(50.2g、113ミリモル、収率77.1%)からな
る固体54.6gを得た。
【0147】実施例43 N,N−ジメチルドデシルアミン及び0.60当量のジス
タノキサンジベンゾエートを脱水と共に用いる固体スク
ロース−6−ベンゾエートの製造 DSDB・H2O 65.0g(87.6ミリモル)を有機
スズ試剤として及びN,N−ジメチルドデシルアミン3
4.4g(161ミリモル)を3級アミンとして用いて
実施例41の実験を繰返した。ベンゾイル化及び処理に
より(S−6−B、DSDB、及びDMDAを含む)シ
ロップを得た。これは普通の方法によりアセトンで処理
した後、HPLC分析によると83.4%スクロース−
6−ベンゾエート(39.1g、87.6ミリモル、収率
60.0%)からなる固体46.9gを得た。
【0148】実施例44 N,N−ジメチルオクチルアミン及び0.62当量のジス
タノキサンジベンゾエートを脱水と共に用いる固体スク
ロース−6−ベンゾエートの製造 DSDB・H2O 67.2g(90.5ミリモル)を有機
スズ試剤として及びN,N−ジメチルオクチルアミン2
5.3g(161ミリモル)を3級アミンとして用いて
実施例41の実験を繰返した。ベンゾイル化及び処理に
より(S−6−B、DSDB、及びDMOAを含む)シ
ロップを得た。これは普通の方法によりアセトンで処理
した後、HPLC分析によると96.6%スクロース−
6−ベンゾエート(45.7g、102ミリモル、収率
70.1%)からなる固体47.3gを得た。
【0149】実施例45 2,4,6−コリジン及び0.62当量のジスタノキサン
ジベンゾエートを脱水と共に用いる固体スクロース−6
−ベンゾエートの製造 DSDB・H2O 67.2g(90.5ミリモル)を有機
スズ試剤として及び2,4,6−コリジン19.5g(1
61ミリモル)を3級アミンとして用いて実施例41の
実験を繰返した。ベンゾイル化及び処理により(S−6
−B、DSDB、及び2,4,6−コリジンを含む)シロ
ップを得た。これは普通の方法によりアセトンで処理し
た後、HPLC分析によると90.6%スクロース−6
−ベンゾエート(48.6g、109ミリモル、収率7
4.5%)からなる固体53.6gを得た。
【0150】実施例46 ジスタノキサンジベンゾエート及びN,N−ジメチルオ
クチルアミンを、有機スズ及びアミンの循環を伴つて用
いる固体のスクロース−6−ベンゾエートの製造 直ぐ下の表に詳述する固体のスクロース−6−ベンゾエ
ートの3つの連続的な製造を、スクロース(50.0
g、146ミリモル)及びDSDB・H2O(65.0
g、87.6ミリモル)を約80℃でDMF(250m
l)中に溶解する方法(ここに記述する最初のサイク
ル)に従つて行つた。この反応混合物をトルエン(10
0ml)で処理し、存在する水を約100mmHg及び
内部温度90℃での共蒸留によつて除去した。次いで溶
液を室温まで冷却し、そしてDMOA 25.3g(16
3ミリモル)及び無水安息香酸36.3g(161ミリ
モル)で連続的に処理した。無水物の添加中約20℃の
反応温度を保つために氷冷浴を使用した。
【0151】室温で約15分間撹拌した後、DMFをロ
ータリーエバポレータ(機械ポンプの真空、水浴30
℃)で除去して粘稠な油を得、これをロータリーエバポ
レータのフラスコ内において約50℃下にアセトン25
0mlで処理した。このようにして得た透明な溶液を室
温まで冷却し、S−6−Bの種を植え、2.5時間撹拌
した。固体の生成物を濾過し、アセトン(3×50m
l)で洗浄し、真空乾燥(50℃/0.5mmHg/1
6時間)して、HPLCによりスクロース−6−ベンゾ
エート含量(純度96.6%、45.7g、102ミリモ
ル、収率70.1%)に関して分析した灰色がかつた固
体(47.3g)を得た。
【0152】一緒にした洗浄液及び結晶化母液を蒸発さ
せ(ロータリーエバポレータ、水流ポンプの真空下、水
浴50℃)、トルエン(200ml)及び水酸化ナトリ
ウム(6.44g、161ミリモル)を含む水(100
ml)間に分配させた。層を分離し、(安息香酸ナトリ
ウムを含む)水性部分を捨てた。有機層を蒸発させて
(ロータリーエバポレータ、水流ポンプの真空下、水浴
40℃)粘稠な油を得、これをトルエン(100ml)
に溶解し、そしてDSDB・H2O(63.0g、84.
9ミリモル、回収率96.9%)を原子吸光分光法で、
またDMOA(23.0g、146ミリモル、回収率9
0.7%)をガスクロマトグラフィーで分析した。次い
で上述した工程を、トルエン溶液及びDMF 250m
lに溶解したスクロース50gを用いて繰返した。
【0153】
【表5】 最初の 1回目の 2回目の 実験 サイクル サイクル サイクル スクロース(当量)1 1.00 1.00 1.00 新しい DSDB・H2O(当量)1,2 0.60 0.02 0.02 循環 DSDB・H2O(当量)1,2 0.00 0.58 0.58 全 DSDB・H2O(当量)1,2 0.60 0.60 0.60 新しい DMOA(当量)1,3 1.10 0.10 0.10 循環 DMOA(当量)1,3 0.00 1.00 1.00 全 DMOA(当量)1,3 1.10 1.10 1.10 無水物(当量)1,4 1.10 1.10 1.10 % 収率(単離)5 70.1 71.4 72.9 HPLC 純度(%)6 96.6 91.1 90.3 1 モル当量基準のスクロース。2 DSDB・H2Oは
1,3−ジベンジロキシ−1,1,3,3−テトラブチルジ
スタノキサン・1水和物。3 DMOAはN,N−ジメチ
ルオクチルアミン。4 無水物は無水安息香酸。5 HPL
Cの純度で補正した単離固体生成物の収率。6 HPLC
で決定した単離固体生成物の純度。
【0154】実施例47 ジスタノキサンジベンゾエート及びトリエチルアミンを
有機スズ循環物と共に用いる固体のスクロース−6−ベ
ンゾエートの製造 直ぐ下の表に詳述する固体のスクロース−6−ベンゾエ
ートの5回の連続的な製造を、スクロース(50.0
g、146ミリモル)及びDSDB・H2O(65.0
g、87.6ミリモル)を約80℃でDMF(250m
l)中に溶解する方法(ここに記述する最初のサイク
ル)に従って行った。この反応混合物をトルエン(10
0ml)で処理し、存在する水を約100mmHg及び
内部温度90℃での共蒸留によって除去した。次いで溶
液を室温まで冷却し、そしてトリエチルアミン(16.
3g、161ミリモル)及び無水安息香酸(36.3
g、161ミリモル)で連続的に処理した。無水物の添
加中約20℃の反応温度を維持するために必要に応じて
氷浴での冷却を用いた。
【0155】室温で約15分間撹拌した後、DMF及び
TEAをロータリーエバポレータ(機械ポンプの真空、
水浴30℃)で除去して粘稠な油を得、これをロータリ
ーエバポレータのフラスコ内において約50℃下にアセ
トン250mlで処理した。このようにして得た透明な
溶液を室温まで冷却し、S−6−Bの種を植え、3.0
時間撹拌した。固体の生成物を濾過し、アセトン(3×
50ml)で洗浄し、真空乾燥(50℃/0.5mmH
g/16時間)して、HPLCによりスクロース−6−
ベンゾエート含量(純度95.3%、49.4g、111
ミリモル、収率75.7%)に関して分析した灰色がか
つた固体(51.8g)を得た。
【0156】一緒にした洗浄液及び結晶化母液を蒸発さ
せ(ロータリーエバポレータ、水流ポンプの真空下、水
浴30℃)、トルエン(200ml)及び水酸化ナトリ
ウム(6.44g、161ミリモル)を含む水(100
ml)間に分配させた。層を分離し、(安息香酸ナトリ
ウムを含む)水性部分を捨てた。有機層を蒸発させて
(ロータリーエバポレータ、水流ポンプの真空下、水浴
40℃;続いて機械ポンプの真空下、水浴50℃)、粘
稠な油を得、これをトルエン(100ml)に溶解し、
そしてDSDB・H2O(65.0g、87.6ミリモ
ル、回収率100%)を原子吸光分光法で分析した。次
いで上述した工程を、トルエン溶液及びDMF 250
mlに溶解したスクロース50gを用いて繰返した。
【0157】
【表6】 最初の 1回目の 2回目の 3回目の 4回目の 実験 サイクル サイクル サイクル サイクル サイクル スクロース(当量)1 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 新しい DSDB・H2O(当量)1,2 0.60 0.00 0.00 0.06 0.01 循環 DSDB・H2O(当量)1,2 0.00 0.60 0.60 0.54 0.59 全 DSDB・H2O(当量)1,2 0.60 0.60 0.60 0.60 0.60 TEA(当量)1,3 1.10 1.10 1.10 1.10 1.10 無水物(当量)1,4 1.10 1.10 1.10 1.10 1.10 % 収率(単離)5 75.7 71.7 71.3 67.5 73.1 HPLC 純度(%)6 95.3 89.8 93.7 90.4 92.6 1 モル当量基準のスクロース。2 DSDB・H2Oは
1,3−ジベンジロキシ−1,1,3,3−テトラブチルジ
スタノキサン・1水和物。3 TEAはトリメチルアミ
ン。4 無水物は無水安息香酸。5 HPLCの純度で補正
した単離固体生成物の収率。6 HPLCで決定した単離
固体生成物の純度。
【0158】実施例48 ジスタノキサンジアセテート及びトリエチルアミンを有
機スズの循環と共に用いるスクロース−6−アセテート
のシロップの製造 直ぐ下の表に詳述するスクロース−6−アセテートのシ
ロツプの5回の連続的製造を、スクロース(68.5
g、200ミリモル)及びDSDA・H2O(122
g、200ミリモル)をDMF(400ml)及びシク
ロヘキサン(150ml)の混合物中において、共蒸留
的に水を除去(脱水温度93℃、存在する全水の62.
5%を除去)しつつ60分間還流させる方法(ここでは
元のサイクルと記述)に従って行った。次いで2相の、
但し固体を含まない混合物を20℃まで冷却し、そして
トリエチルアミン(22.3g、220ミリモル)及び
無水酢酸(22.5g、220ミリモル)で連続的に処
理した。無水物の添加中約20℃の反応温度を維持する
ために必要に応じて氷浴で冷却した。
【0159】室温で約15分間撹拌した後、反応混合物
を水(50ml)で処理し、シクロヘキサン(3×50
0ml)で抽出してDSDA・H2Oを除去した。次い
で炭水化物含有の溶液を蒸発させて(ロータリーエバポ
レータ、機械ポンプの真空下、水浴45℃)、HPLC
分析によるとスクロース−6−アセテート60.2g
(157ミリモル、収率78.4%)を含む薄茶色のシ
ロップを得た。
【0160】一緒にしたシクロヘキサン抽出物を蒸発さ
せ(ロータリーエバポレータ、水流ポンプの真空下、水
浴30℃)、このようにして得た粘稠な油をシクロヘキ
サン150mlに溶解し、そしてDSDA・H2Oを原
子吸光分光法で分析した(119g、194ミリモル、
回収率97.2%)。次いでシクロヘキサン溶液及びD
MF 400mlに溶解したスクロース68.5gを用い
て上述した工程を繰返した。
【0161】
【表7】 最初の 1回目の 2回目の 3回目の 4回目の 実験 サイクル サイクル サイクル サイクル サイクル スクロース(当量)1 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 新しい DSDA・H2O(当量)1,2 1.00 0.03 0.01 0.00 0.01 循環 DSDA・H2O(当量)1,2 0.00 0.97 0.99 1.00 0.99 全 DSDA・H2O(当量)1,2 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 TEA(当量)1,3 1.10 1.10 1.10 1.10 1.10 無水物(当量)1,4 1.10 1.10 1.10 1.10 1.10 % 収率(HPLC)5 78.4 79.1 77.9 79.3 80.11 モル当量基準のスクロース。2 DSDA・H2Oは1,
3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタ
ノキサン・1水和物。3 TEAはトリエチルアミン。4
無水物は無水酢酸。5 HPLC分析による生成物シロッ
プ中のS−6−Aの収率。
【0162】ニーディッチらの方法を以下に概述する。
【0163】この方法は、スクロースを不活性な有機媒
体中においてジ(ヒドロカルビル)スズオキシド例えば
ジブチルスズオキシドと反応させることによって行われ
る。DBTOの代りに、スズに結合したヒドロカルビル
基がそれぞれアルキル、シクロアルキル、アリール、又
はアリールアルキル、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、オクチル、ベンジル、フエネチル、フェニ
ル、ナフチル、シクロヘキシル、及び置換フェニルであ
ってよい他のジ(ヒドロカルビル)スズオキシドを用い
ることもできる。好適なヒドロカルビル基は炭素数8ま
でのアルキルである。スズオキシドの代りに、それがそ
の場でジ(ヒドロカルビロキシ)ジスタノキサンを生成
する限りにおいて、ジ(ヒドロカルビル)スズジアルコ
キシド、ジハライド、ジアシレート、又は他の有機スズ
化合物も使用できる。
【0164】DHTO及びスクロースは広い範囲の化学
量論量比で使用しうる。しかしながら約1:1の化学量
論量比は好適である。これは、過剰なスクロースの使用
がS−6−Eの、スクロース及び望ましくないスクロー
スエステルでの汚れをもたらし、一方過剰なDHTOの
使用がS−6−E生成物のスクロースジエステルでの汚
れを誘導するからである。最も好適な化学量論量比は、
生成物中にスクロースを殆んどなくさせるためにDHT
Oを(スクロース基準で)非常に僅かに(1〜3%)モ
ル過剰量で使用することである。
【0165】ニーディッチらの方法は不活性な有機反応
媒体中で行われる。ここに「不活性な」とは、反応媒体
がスクロース又はDHTOのいずれかと反応するいずれ
の有機官能基を含まないということを意味する。多くの
場合に、発明の目的を達成するための不活性な有機反応
媒体は、極性の中性溶媒及び共溶媒を含んでなる混合溶
媒系であろう。この極性の中性溶媒はスクロースを溶解
させる目的で使用され、また共溶媒はスクロースとDH
TOの反応で生ずるすべての水を共蒸留的に除去し且つ
更にDHTOの溶解を促進する目的で使用される。使用
しうる極性の中性溶媒はアシル化工程に関して後述する
ものを含む。DMFは好適な極性の中性溶媒である。
【0166】縮合水を共蒸留的に除去しうる共溶媒は、
塩素化炭化水素例えばクロロホルム、種々の飽和及び芳
香族炭化水素例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、シ
クロヘキサン、ベンゼン、及びトルエン、ケトン例えば
メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン、非環
式及び環式エーテル例えばテトラヒドロフラン、及び記
述する、基準に合う他の不活性な有機液体を含む。この
発明における共溶媒としては非常に広い範囲の有機液体
が適当である。共溶媒に対する主な基準は、(1) 極
性の中性溶媒、DHTO、及びスクロースと混合物を作
り、大気圧下に約75℃〜約125℃の範囲内の内部反
応温度で還流すること、(2) DHTOとスクロース
の縮合によって生ずる水を共蒸留し、これによって反応
中の水の除去を容易にすること、そして(3) DHT
Oの反応混合物への溶解を促進し(DHTOは普通極性
の中性溶媒中へかなりの程度まで溶解しない)、これに
よってDHTOとスクロースの反応速度を高めること、
である。
【0167】水と混和しない且つ水と一定組成で最小沸
点の共沸物を形成する共溶媒は好適であるが、実験で決
定されるようにそのような共溶媒を用いる反応系は典型
的には水との共沸物の沸点又は純溶媒の沸点よりもかな
り高い温度で還流する。またこれらの系から生ずる留出
物の水−共溶媒組成物がDHTO−スクロース縮合期間
を通して一定でないことを示すデータもある。
【0168】化学的安定性、水の除去効率、価格、及び
沸点の理由のために好適な共溶媒はシクロヘキサン、n
−ヘプタン、及びイソオクタンを示す。
【0169】スクロース及びDHTO間の反応は約75
〜約125℃の範囲内の温度で行われる。75℃以下で
は、反応は不経済的に遅く、また125℃以上では、炭
水化物の分解する傾向がある。好適な反応温度は約80
〜約100℃、好ましくは約85〜約90℃の範囲内で
ある。
【0170】スクロースとDHTOの反応生成物は、下
記の如くアシル化しうる1,3−ジ−(6−O−スクロ
ース)−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジス
タノキサンである。
【0171】(スクロース基準で)アシル化剤は1モル
当量よりも僅かに(1〜5%)過剰に用いることが好適
である。アシル化反応において使用しうる特別なアシル
化剤の選択は、一部アシル化生成物に意図する用途で決
つてくる。例えばアシル基を、本明細書の最初に議論し
たような人工甘味料の製造の場合のように保護基として
用いるならば、それが安価であり、アシル基が合成の適
当な段階で容易に除去でき、且つアシル化された化合物
がアシル化の除去に先立って受けねばならない反応に対
して安定であるが故に、無水安息香酸又は無水酢酸のよ
うなアシル化剤が使用されよう。S−6−Eが合成の最
終生成物であるならば、用いるアシル化剤はエステル生
成物に対して所望のアシル基を与えるものである。
【0172】これらの本質に留意するならば、使用しう
るアシル化剤には、安息香酸及び置換安息香酸(例えば
4−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸な
ど)、例えば炭素数28までのアルカン酸例えば酢酸、
プロピオン酸、酪酸、シクロヘキサンカルボン酸、長鎖
脂肪酸、即ち飽和及び不飽和酸、例えばステアリン酸、
オレイン酸、リノール酸など、更に不飽和酸、例えばア
クリル酸及びメタクリル酸、置換酸例えばクロル酢酸、
シアノ酢酸、フエノキシ酢酸など、及び飽和及び不飽和
ジカルボン酸例えばフタル酸、ヌレイン酸、グルタル酸
などである。
【0173】アシル化反応は不活性な反応媒体例えばD
MF又は他の極性の中性溶媒例えばDMSO、NMP、
DMA、HMPA、及びスクロースが溶解する他の極性
の中性溶媒中で行われる。DMFは、安価、比較的低沸
点、及びスクラロースを製造する方法の更なる工程に対
する溶媒としての適合性の理由から、好適な極性の中性
溶媒である。アシル化反応はS−6−E生成物を製造す
るのに十分な温度及び期間において行われる。
【0174】無水物が液体ならば、それはスクロース−
有機スズ付加物にそのまま添加でき、或いは不活性な共
溶媒で希釈してもよい。無水物が固体ならば、それは固
体形で添加しても、適当な不活性な溶媒中溶液として添
加してもよい。無水物はすべて一度に添加してもよく、
又はある期間にわたってゆっくり添加してもよい。
【0175】無水物の化学量論量はこの発明を成功裏に
行う重要な観点である。あまりに少い無水物を用いる
と、残存スクロースで汚れたS−6−E生成物をもたら
す。多すぎる無水物の使用はスクロースジエステル汚染
物を誘導しよう。最も好適な化学量論比は、生成物にス
クロースが殆んど存在しないことを保証するために無水
物を(スクロース基準で)僅かに(5〜10%)モル過
剰量で使用する。
【0176】0℃以下〜約30℃のアシル化温度は経験
的に使用される。許容しうるアシル化温度の上限は、望
ましくないスクロースモノエステル及びジエステルの生
成に帰結する熱的に活性化された非位置選択的なアシル
化の開始によって支配される。実際的な立場から、この
温度の制限は酸無水物の反応性の関数である。例えば無
水酢酸が比較的反応性の種であるから、これを用いるア
シル化は普通約20℃以下で行われる。一方それよりい
くらか反応性の低い無水安息香酸は室温で又は僅かにそ
れ以上でアシル化が行われる。
【0177】アシル化反応は穏やかに発熱する。最初の
反応温度及び無水物のジ(ヒドロカルビル)スズ−スク
ロース付加物への付加速度に依存して、熱的に活性化さ
れた非位置選択的アシル化を最小にするために、アシル
化工程を外部から冷却することが必要である。
【0178】スクロース付加物のアシル化が完結するの
に要する時間は、反応物の濃度(アシル化は高次反応で
あるから)、アシル化剤の反応性、及び反応混合物の温
度に依存する。実験室では1時間〜数日間が用いられる
けれど、アシル化剤の消費に必要な時間よりも長い反応
時間に延長しても利益はない。これは一般に典型的な条
件下に約1〜約5時間内で完了する。
【0179】アシル化反応の生成物はスクロース−6−
エステル及びジスタノキサンジエステルである。
【0180】本発明の特徴及び態様は以下の通りであ
る: 1.極性で中性の反応媒体中及び触媒量の1,3−ジア
シロキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジ
スタノキサンの存在下において、スクロースを、スクロ
ース−6−エステルの製造に十分な期間及び温度でアシ
ル化剤と反応させることを含んでなる方法。
【0181】2.1,3−ジアシロキシ−1,1,3,3−
テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,3−ジ
アセトキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビル)
ジスタノキサンである上記1の方法。
【0182】3.1,3−ジアシロキシ−1,1,3,3−
テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,3−ジ
ベンゾイロキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビ
ル)ジスタノキサンである上記1の方法。
【0183】4.1,3−ジアシロキシ−1,1,3,3−
テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,3−ジ
アシロキシ−1,1,3,3−テトラ(アルキル)ジスタ
ノキサンである上記1の方法。
【0184】5.1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−
テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,3−ジ
アセトキシ−1,1,3,3−テトラ(アルキル)ジスタ
ノキサンである上記2の方法。
【0185】6.1,3−ジベンゾイロキシ−1,1,3,
3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,3
−ジベンゾイロキシ−1,1,3,3−テトラ(アルキ
ル)ジスタノキサンである上記3の方法。
【0186】7.アルキルがブチル又はオクチルである
上記4、5、又は6の方法。
【0187】8.極性の中性媒体がN,N−ジメチルホ
ルムアミドである上記1の方法。
【0188】9.アシル化剤が無水カルボン酸である上
記1の方法。
【0189】10.無水カルボン酸が無水酢酸である上
記9の方法。
【0190】11.無水カルボン酸が無水安息香酸であ
る上記9の方法。
【0191】12.1,3−ジアシロキシ−1,1,3,3
−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,3−
ジアシロキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビ
ル)ジスタノキサン・1水和物である上記1の方法。
【0192】13.反応媒体が更に共蒸留によつて水を
除去しうる共溶媒を含み、そして本方法が反応混合物か
ら水を除去するための共蒸留の工程を含む上記12の方
法。14.共溶媒が炭化水素、塩素化炭化水素、ケト
ン、又はエーテルである上記13の方法。
【0193】15.共溶媒がトルエン、シクロヘキサ
ン、n−ヘプタン、又はイソオクタンである上記13の
方法。
【0194】16.1,3−ジアシロキシ−1,1,3,3
−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,3−
ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキ
サン、1,3−ジベンゾイロキシ−1,1,3,3−テトラ
ブチルジスタノキサン、1,3−ジアセトキシ−1,1,
3,3−テトラオクチルスタノキサン、又は1,3−ジベ
ンゾイロキシ−1,1,3,3−テトラオクチルジスタノ
キサンであり、反応媒体がN,N−ジメチルホルムアミ
ドであり、そしてアシル化剤が無水酢酸又は無水安息香
酸である上記1の方法。
【0195】17.反応媒体が更にトルエン、シクロヘ
キサン、n−ヘプタン、又はイソオクタンを含有する上
記16の方法。
【0196】18.極性で中性の反応媒体中及び触媒量
の1,3−ジアシロキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロ
カルビル)ジスタノキサン及び3級アミンの存在下にお
いて、スクロースを、スクロース−6−エステルの製造
に十分な期間及び温度でアシル化剤と反応させることを
含んでなる方法。
【0197】19.1,3−ジアシロキシ−1,1,3,3
−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,3−
ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビ
ル)ジスタノキサンである上記18の方法。
【0198】20.1,3−ジアシロキシ−1,1,3,3
−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,3−
ジベンゾイロキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカル
ビル)ジスタノキサンである上記18の方法。
【0199】21.1,3−ジアシロキシ−1,1,3,3
−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,3−
ジアシロキシ−1,1,3,3−テトラ(アルキル)ジス
タノキサンである上記18の方法。
【0200】22.1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3
−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,3−
ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラ(アルキル)ジス
タノキサンである上記19の方法。
【0201】23.1,3−ジベンゾイロキシ−1,1,
3,3−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,
3−ジベンゾイロキシ−1,1,3,3−テトラ(アルキ
ル)ジスタノキサンである上記20の方法。
【0202】24.アルキルがブチル又はオクチルであ
る上記21、22、又は23の方法。
【0203】25.極性の中性媒体がN,N−ジメチル
ホルムアミドである上記18の方法。
【0204】26.アシル化剤が無水カルボン酸である
上記18の方法。
【0205】27.無水カルボン酸が無水酢酸である上
記26の方法。
【0206】28.無水カルボン酸が無水安息香酸であ
る上記26の方法。
【0207】29.1,3−ジアシロキシ−1,1,3,3
−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,3−
ジアシロキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカルビ
ル)ジスタノキサン・1水和物である上記29の方法。
【0208】30.反応媒体が更に共蒸留によつて水を
除去しうる共溶媒を含み、そして本方法が反応混合物か
ら水を除去するための共蒸留の工程を含む上記18の方
法。31.共溶媒が炭化水素、塩素化炭化水素、ケト
ン、又はエーテルである上記30の方法。
【0209】32.共溶媒がトルエン、シクロヘキサ
ン、n−ヘプタン、又はイソオクタンである上記30の
方法。
【0210】33.1,3−ジアシロキシ−1,1,3,3
−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,3−
ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキ
サン、1,3−ジベンゾイロキシ−1,1,3,3−テトラ
ブチルジスタノキサン、1,3−ジアセトキシ−1,1,
3,3−テトラオクチルスタノキサン、又は1,3−ジベ
ンゾイロキシ−1,1,3,3−テトラオクチルジスタノ
キサンであり、反応媒体がN,N−ジメチルホルムアミ
ドであり、そしてアシル化剤が無水酢酸又は無水安息香
酸である上記18の方法。
【0211】34.反応媒体が更にトルエン、シクロヘ
キサン、n−ヘプタン、又はイソオクタンを含有する上
記33の方法。
【0212】35.3級アミンが極性の中性反応媒体よ
りも高揮発性である上記18の方法。
【0213】36.3級アミンがトリメチルアミンであ
り、そして極性の中性反応媒体がN,N−ジメチルホル
ムアミドである上記35の方法。
【0214】37.3級アミンがトリエチルアミンであ
り、そして極性の中性反応媒体がN,N−ジメチルホル
ムアミドである上記35の方法。
【0215】38.3級アミンが極性の中性反応媒体よ
りも低揮発性である上記18の方法。
【0216】39.3級アミンがN,N−ジメチルオク
チルアミンであり、そして極性の中性反応媒体がN,N
−ジメチルホルムアミドである上記38の方法。
【0217】40.3級アミンがN,N−ジメチルドデ
シルアミンであり、そして極性の中性反応媒体がN,N
−ジメチルホルムアミドである上記38の方法。
【0218】41.1,3−ジアシロキシ−1,1,3,3
−テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが1,3−
ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキ
サン、1,3−ジベンゾイロキシ−1,1,3,3−テトラ
ブチルジスタノキサン、1,3−ジアセトキシ−1,1,
3,3−テトラオクチルスタノキサン、又は1,3−ジベ
ンゾイロキシ−1,1,3,3−テトラオクチルジスタノ
キサンであり、反応媒体がN,N−ジメチルホルムアミ
ドであり、3級アミンがトリメチルアミン、トリエチル
アミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、又はN,N−
ジメチルドデシルアミンであり、そしてアシル化剤が無
水酢酸又は無水安息香酸である上記1の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の方法をアミンで促進された連続
法で行う場合の工程図を示す。
【図2】図2は本発明の方法をアミンで促進された連続
法で行う場合の工程図を示す。
【図3】図3は本発明の方法をアミンで促進された連続
法で行う場合の工程図を示す。
フロントページの続き (72)発明者 ロバート・イー・ウインガード・ジユニ ア アメリカ合衆国ジヨージア州30607・ア センス・ウツドサイドロード187 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 13/04,13/06 B01J 31/12 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極性で中性の反応媒体中及び触媒量の
    1,3−ジアシロキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカ
    ルビル)ジスタノキサンの存在下において、スクロース
    を、スクロース−6−エステルの製造に十分な期間及び
    温度でアシル化剤と反応させることを含んでなる方法。
  2. 【請求項2】 極性で中性の反応媒体中及び触媒量の
    1,3−ジアシロキシ−1,1,3,3−テトラ(ヒドロカ
    ルビル)ジスタノキサン及び3級アミンの存在下におい
    て、スクロースを、スクロース−6−エステルの製造に
    十分な期間及び温度でアシル化剤と反応させることを含
    んでなる方法。
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