JP4168157B1 - 製剤用球形核粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動状態で薬剤(または薬剤と賦形剤の混合物)を表面にコーティングして製剤にする際の割れ、粉化を防ぐことが可能で、かつ別途塩基性物質の被覆をせずに化学的(酸等)に不安定な薬剤(例えば、抗潰瘍剤オメプラゾール)を安定的にコーティングすることが可能で、さらに製剤として経口投与後の消化管内での高い崩壊性(溶解性)を有する製剤用球形核粒子を提供する。
【解決手段】100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm2以上の球形水酸化マグネシウム粒子からなる製剤用球形核粒子。
【選択図】なし

Description

本発明は、製剤用球形核粒子に関し、詳しくは薬剤、薬剤と賦形剤の混合物を表面にコーティングして製剤を作るための球形核粒子に係わる。
製剤技術の一つには、核粒子を流動状態にし、この流動する核粒子に薬剤または薬剤と賦形剤の混合物を投入し、核粒子表面に薬剤または薬剤と賦形剤の混合物をコーティングすることがよく知られている。
このような核粒子は、粒径が均一で球形であること、製剤製造時の流動状態において割れたり、粉化したりしない程度の機械的強度(粒子硬度)を有すること、経口投与後、消化管内で速やかに崩壊すること、化学的(酸等)に不安定な薬剤を安定的にコーティングできる性質を有すること、が望まれている。
特許文献1には、結晶セルロース単独の核粒子、特許文献2には糖単独の核粒子、特許文献3には糖と結晶セルロースからなる核粒子、特許文献4には糖と澱粉からなる核粒子、がそれぞれ開示されている。これらの核粒子は、いずれも酸に対して不安定な薬剤を安定化する性質、例えば塩基性の性質を持たないため、予め核粒子の表面に塩基性物質(例えば炭酸マグネシウム)および有機バインダを含む層をコーティングすることが行われている。
しかしながら、前記特許文献1のように結晶セルロース単独の核粒子は経口投与後の消化管(特に胃)内での崩壊性に長時間要するため、その核粒子表面への薬剤のコーティングが不適当であると、薬剤が完全に溶解せず、消化管での吸収阻害を生じる虞がある。特許文献2〜4の糖を含む核粒子では、糖尿病患者が使用する場合には負担になる。特許文献2の糖単独の核粒子および特許文献4の糖と澱粉からなる核粒子では、前記有機バインダを含む層をコーティングした後においても、粒子硬度が低いために、薬剤をコーティングするときの流動状態で割れたり、粉化したりする。
さらに、特許文献1〜4の核粒子はいずれも予め核粒子の表面に塩基性物質(例えば炭酸マグネシウム)および有機バインダを含む層が被覆されているため、薬剤をコーティングする過程で核粒子同士が凝集する虞がある。特に、薬剤を水溶液にして流動する層被覆核粒子に噴射してコーティングする場合には、被覆層の有機バインダが溶解して核粒子同士の凝集を助長する虞がある。
特開平7−173050号公報 特開平6−205959号公報 特許第321978号 特開平9−175999号公報
本発明は、流動状態で薬剤(または薬剤と賦形剤の混合物)を表面にコーティングして製剤にする際の割れ、粉化を防ぐことが可能で、別途塩基性物質の被覆をせずに化学的(酸等)に不安定な薬剤を安定的にコーティングすることが可能で、さらに製剤として経口投与後の消化管内での高い崩壊性(溶解性)を有する製剤用球形核粒子を提供することを目的とする。
本発明の第1態様によると、50〜300g/mm 2 の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子に水酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造で、100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm2以上で前記球状水酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子が提供される。
本発明の第2態様によると、50〜300g/mm 2 の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子とこの粗粒子より小さい粒径を持つ水酸化マグネシウム微粒子との集合物であって、100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で前記球状水酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子が提供される。
本発明の第3態様によると、50〜300g/mm 2 の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子とこの粗粒子より小さい粒径を持つ水酸化マグネシウム微粒子との集合物であって、45μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、45μm以上、150μm未満の粒子90%以上、150μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で前記球状水酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子が提供される。
本発明の第4態様によると、50〜300g/mm 2 の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子に水酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造で、45μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、45μm以上、150μm未満の粒子90%以上、150μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で前記球状水酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子が提供される。
本発明の第5態様によると、50〜200g/mm 2 の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子に酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造で、100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で前記球状酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子が提供される。
本発明の第6態様によると、50〜200g/mm 2 の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子とこの粗粒子より小さい粒径を持つ酸化マグネシウム微粒子との集合物であって、100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で前記球状酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子が提供される。
本発明の第7態様によると、50〜200g/mm 2 の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子とこの粗粒子より小さい粒径を持つ酸化マグネシウム微粒子との集合物であって、45μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、45μm以上、150μm未満の粒子90%以上、150μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で前記球状酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子が提供される。
本発明の第8態様によると、50〜200g/mm 2 の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子に酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造で、45μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、45μm以上、150μm未満の粒子90%以上、150μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で前記球状酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子が提供される。
本発明の第9態様によると、50〜200g/mm 2 の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子とこの粗粒子より小さい粒径を有する水酸化マグネシウム微粒子とが集合された球形複合粒子であって、100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で、前記酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子が提供される。
本発明の第9態様において、前記球形複合粒子は前記球状酸化マグネシウム粗粒子に前記水酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造を有し、かつ0.8g/mL以上の嵩密度を有することが好ましい。
本発明の第10態様によると、50〜200g/mm 2 の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子とこの粗粒子より小さい粒径を有する水酸化マグネシウム微粒子とが集合された球形複合粒子であって、45μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、45μm以上、150μm未満の粒子90%以上、150μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で、前記酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子が提供される。
本発明の第10態様において、前記球形複合粒子は前記球状酸化マグネシウム粗粒子に前記水酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造を有し、かつ0.8g/mL以上の嵩密度を有することが好ましい。
本発明の第11態様によると、50〜300g/mm 2 の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子とこの粗粒子より小さい粒径を有する酸化マグネシウム微粒子とが集合された球形複合粒子であって、100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で、前記水酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子が提供される。
本発明の第11態様において、前記球形複合粒子は前記球状水酸化マグネシウム粗粒子に前記酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造を有し、かつ0.8g/mL以上の嵩密度を有することが好ましい。
本発明の第12態様によると、50〜300g/mm 2 の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子とこの粗粒子より小さい粒径を有する酸化マグネシウム微粒子とが集合された球形複合粒子であって、45μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、45μm以上、150μm未満の粒子90%以上、150μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で、前記水酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子が提供される。
本発明の第12態様において、前記球形複合粒子は前記球状水酸化マグネシウム粗粒子に前記酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造を有し、かつ0.8g/mL以上の嵩密度を有することが好ましい。
本発明に係る製剤用球形核粒子によれば、流動状態で薬剤(または薬剤と賦形剤の混合物)を表面にコーティングして製剤にする際の割れ、粉化を防ぐことが可能で、かつ別途塩基性物質の被覆をせずに化学的(酸等)に不安定な薬剤を安定的にコーティングすることが可能で、さらに製剤として経口投与後の消化管内での高い崩壊性(溶解性)を有する製剤用球形核粒子を提供できる。したがって、このような製剤用球形核粒子を用いることによって安定性の高い製剤を量産的に製造することが可能になり、製剤の小型化も可能になる。
以下、本発明に実施形態に係る製剤用球形核粒子を詳細に説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る製剤用球形核粒子は、100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm2以上の球形水酸化マグネシウム粒子からなる。
前記「粒子硬度」は、粒子硬度測定装置(岡田精工社製:グラノ)を用い、1個の球形水酸化マグネシウム粒子の圧潰強度のピーク値(g)を測定し、粒子20個の平均値として求めた。
球形水酸化マグネシウム粒子(核粒子)の粒子硬度が200g/mm2未満になると、その核粒子を流動状態にし、この流動する核粒子に薬剤または薬剤と賦形剤の混合物を投入し、核粒子表面に薬剤(または薬剤と賦形剤の混合物)をコーティングして製剤を製造する際に、核粒子が割れたり、粉化したりする虞がある。球形水酸化マグネシウム粒子(核粒子)の粒子硬度の上限は、800g/mm2であることが好ましい。
好ましい球形水酸化マグネシウム粒子(核粒子)の形態は、50〜300g/mm2の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子と水酸化マグネシウム微粒子との集合物であって、0.8g/mL以上の嵩密度を有する。
より好ましい前記球形水酸化マグネシウム粒子(核粒子)の形態は、50〜300g/mm2の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子に水酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造で、0.8g/mL以上の嵩密度を有する。
ここで、「嵩密度」は後述する方法により測定される。
「粗粒子および微粒子」とは、前者の粗粒子の粒子径が後者の微粒子のそれより大きいことを意味する。水酸化マグネシウム微粒子は、具体的には0.1〜40μm、より好ましくは0.1〜20μmの平均粒径を有することが望ましい。球状水酸化マグネシウム粗粒子は、水酸化マグネシウム微粒子との集合物または水酸化マグネシウム微粒子の層が形成されたコアシェル構造において、球形水酸化マグネシウム粒子(核粒子)の粒度分布に見合った粒度分布にすればよい。
前記球状水酸化マグネシウム粗粒子の粒子硬度を50g/mm2未満にすると、粒子硬度が200g/mm2以上で、この粗粒子より粒子硬度の大きい集合物またはコアシェル構造からなる球形水酸化マグネシウム粒子(核粒子)を得ることが困難になる。なお、球状水酸化マグネシウム粗粒子は単一粒子の形態を取ることから、300g/mm2(上限)以下の粒子硬度になる。より好ましい球状水酸化マグネシウム粗粒子の粒子硬度は、100〜300g/mm2である。
前記球状水酸化マグネシウム粗粒子の比表面積は、40〜70m2/gであることが好ましい。
前記水酸化マグネシウム微粒子の粒子硬度は、特に限定されず、水酸化マグネシウム粗粒子より小さい(例えば20g/mm2)場合でも、粒子硬度が200g/mm2以上で、この粗粒子より粒子硬度の大きい集合物またはコアシェル構造からなる球形水酸化マグネシウム粒子(核粒子)を得ることが可能になる。ただし、水酸化マグネシウム微粒子はその粗粒子と同じ粒子硬度範囲を有することがより好ましい。このような粗粒子と微粒子の組合せにおいて、前記粒子硬度の範囲内であれば互いに同じ粒子硬度の粗粒子および微粒子を選択しても、互いに異なる粒子硬度の粗粒子および微粒子を選択しても、いずれでもよい。特に、より粒子硬度の高い球形核粒子を得るには互いに同じ粒子硬度の粗粒子および微粒子を選択することが好ましい。
コアシェル構造の球形水酸化マグネシウム粒子(核粒子)において、前記粗粒子の半径と前記微粒子の層の厚さとの比は、1:0.1〜1:4.0にすることが好ましい。ただし、コアシェル構造の球形水酸化マグネシウム粒子は前述したように粒度分布を持つことから、小さい粒子径の場合には層の厚さ比が大きくなり、大きい粒子径の場合には層の厚さ比が小さくなる傾向になる。前記厚さ比が、前記範囲を逸脱すると粒子硬度が200g/mm2以上で、球状水酸化マグネシウム粗粒子の粒子硬度より大きい粒子硬度を持つコアシェル構造の球形水酸化マグネシウム粒子を得ることが困難になる。より好ましい粗粒子の半径と前記微粒子からなる層の厚さとの比は、1:0.1〜1:2.0である。
ここで、前記粗粒子の半径(r1)および前記微粒子からなる層の厚さ(t)は次の方法で求めた。球形水酸化マグネシウム粒子のサンプルを顕微鏡で観察しながら、中心部を割り、その断面をデジタルマイクロスコープ(株式会社ナカデン製商品名:MX−1200E)を用いて倍率300倍にて観察し、同デジタルマイクロスコープに付随されたDV解析ソフト(Version 1)にて水酸化マグネシウム粗粒子の半径(r1)および球形水酸化マグネシウム粒子の半径(r2)を求める。この測定において、r1×2の値が平均粒径の±30%の範囲にあるものを採取し、n=10の平均値とした。前記微粒子からなる層の厚さ(t)はr2−r1から算出する。なお、球形水酸化マグネシウム粒子のサンプルは微粒子に活性炭を3体積%配合して着色したものを用いた。
後述する第3、第5、第7の実施形態での前記粗粒子の半径(r1)および前記微粒子からなる層の厚さ(t)は前記と同様な方法で算出する。
このようなコアシェル構造の球形水酸化マグネシウム粒子(製剤用球形核粒子)は、所定の粒子硬度を有する粗粒子をコア、所定の平均粒径を有する微粒子をシェルとして備えていることから、粒子硬度が200g/mm2以上で、前記球状水酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有する。また、前記コアシェル構造の球形水酸化マグネシウム粒子からなる球形核粒子は球状水酸化マグネシウム粗粒子(嵩密度が0.45〜0.65g/mL)より大きく、耐衝撃性の向上に寄与する0.8g/mL以上の嵩密度を有する。
第1実施形態に係る球形核粒子は、例えば以下のような方法により製造することができる。
まず、50〜350μmの粒度分布、50〜300g/mm2の粒子硬度および0.45〜0.65g/mLの嵩密度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子を用意する。この球状水酸化マグネシウム粗粒子は、例えば出願人(富田製薬株式会社)の開発コード:T−Mg−P1(平均粒径;155μm、粒子硬度;214g/mm2、嵩密度;0.60g/mL)、開発コード:T−Mg−P2(平均粒径;186μm、粒子硬度;146g/mm2、嵩密度;0.56g/mL)を用いることができる。出願人は、これらの球状水酸化マグネシウム粗粒子を第3者からの要望に応じて、いつでも提供することができる。
また、0.1〜40μm、より好ましくは0.1〜20μmの平均粒径を有する水酸化マグネシウム微粒子を用意する。この水酸化マグネシウム微粒子の粒子硬度は、前述したように特に限定されず、水酸化マグネシウム粗粒子より小さい粒子硬度を有しても、この粗粒子と同じ粒子硬度範囲を有しても、いずれでもよい。例えば水酸化マグネシウム微粒子は、前記粗粒子の粉砕粒子、または前記粗粒子の分級時に得られた分級粒子が用いられる。
次いで、湿式流動造粒機、例えば深江パウテック社製;LFS−GS−2Jのような湿式高速撹拌型造粒機のホッパー内に前記球状水酸化マグネシウム粗粒子および水酸化マグネシウム微粒子を目的とする配合割合で投入し、例えばエタノール−水の混合液のような溶媒をホッパー内に所望の速度で噴射しながら、ホッパー内に付設した攪拌機で高速撹拌して流動化することにより湿式造粒する。つづいて、ホッパー内で湿式造粒物を乾燥するか、またはホッパーから湿式造粒物を取り出して乾燥するか、いずれかにより湿式造粒物を乾燥した後、さらに目的とする粒度分布になるように篩で分級することにより、前述した集合物、好ましくはコアシェル構造の球形水酸化マグネシウム粒子(球形核粒子)を製造する。
水酸化マグネシウム微粒子は、前記球状水酸化マグネシウム粗粒子に対して外率で2〜50重量%、より好ましくは3〜30重量%配合することが望ましい。
前記ホッパー内での球状水酸化マグネシウム粗粒子および水酸化マグネシウム微粒子を溶媒の共存下で撹拌する際、ホッパー内に溶媒を予め目的とする全量を入れると、粒子の粗大化および凝集を生じる虞がある。このため、前述したようにホッパー内で球状水酸化マグネシウム粗粒子および水酸化マグネシウム微粒子を撹拌しながら、溶媒を徐々に噴射することによって、粗大化することなく目的とする粒度分布を持つ集合物、好ましくはコアシェル構造の球形水酸化マグネシウム粒子からなる球形核粒子を製造することが可能になる。
なお、前記粗粒子および微粒子の造粒にあたり、ホッパー内に粗粒子および微粒子を投入し、このホッパー内に溶媒を所望の速度で噴射する方法の他に、ホッパー内に粗粒子を予め投入し、このポッパー内に微粒子を含む溶媒(微粒子の懸濁溶媒)を所望の速度で噴射してもよい。
前記湿式流動造粒機は、湿式高速撹拌型造粒機に限らず、粗粒子および微粒子を流動化させる機能および溶媒の添加機能を有する造粒機であればいかなるものでもよい。
以上、第1実施形態によれば所定の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm2以上の球形水酸化マグネシウム粒子から構成することによって、流動状態で薬剤(または薬剤と賦形剤の混合物)を表面にコーティングして製剤を造る際の割れ、粉化を防ぐことが可能な製剤用球形核粒子を提供できる。
また、第1実施形態に係る製剤用球形核粒子はアルカリ性の球形水酸化マグネシウム粒子から構成されるため、化学的(例えば酸)に不安定な薬剤をその核粒子にコーティングする際、従来の結晶セルロースまたは糖類からなる核粒子の表面に塩基性物質(例えば炭酸マグネシウム)および有機バインダを含む層を被覆することなく、そのままの状態で前記薬剤を安定的にコーティングすることが可能になる。
さらに、第1実施形態に係る製剤用球形核粒子は製剤として経口投与後の消化管内での高い崩壊性(溶解性)を有する。
特に、50〜300g/mm2の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子と水酸化マグネシウム微粒子との集合物、より好ましくは50〜300g/mm2の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子に水酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造の形態を有する球形水酸化マグネシウム粒子からなる製剤用球形核粒子は、粒子硬度が200g/mm2以上で、前記球状水酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有し、かつ0.8g/mL以上の嵩密度を有るため、流動状態で薬剤(または薬剤と賦形剤の混合物)を表面にコーティングして製剤を造る際の割れ、粉化をより一層確実に防ぐことが可能になる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る製剤用球形核粒子は、45μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、45μm以上、150μm未満の粒子90%以上、150μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有する以外、実質的に前記第1実施形態の製剤用球形核粒子と同様な構成、すなわち粒子硬度が200g/mm2以上の球形水酸化マグネシウム粒子からなる。
このような粒度分布を有する球形水酸化マグネシウム粒子(核粒子)は、50〜300g/mm2の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子と水酸化マグネシウム微粒子との集合物であって、0.8g/mL以上の嵩密度を持つ形態であることが好ましい。より好ましい前記球形水酸化マグネシウム粒子(核粒子)の形態は、50〜300g/mm2の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子に水酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造で、0.8g/mL以上の嵩密度を有する。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様な特性を有する他に、より小さい粒度分布を有するため、小型の製剤の製造に適する製剤用球形核粒子を提供できる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る製剤用球形核粒子は、100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm2以上の球形酸化マグネシウム粒子からなる。
前記「粒子硬度」は、粒子硬度測定装置(岡田精工社製:グラノ)を用い、1個の球形酸化マグネシウム粒子の圧潰強度のピーク値(g)を測定し、粒子20個の平均値として求めた。
球形酸化マグネシウム粒子(核粒子)の粒子硬度を200g/mm2未満になると、その核粒子を流動状態にし、この流動する核粒子に薬剤または薬剤と賦形剤の混合物を投入し、核粒子表面に薬剤(または薬剤と賦形剤の混合物)をコーティングして製剤を製造する際に、核粒子が割れたり、粉化したりする虞がある。球形酸化マグネシウム粒子(核粒子)の粒子硬度の上限は、3000g/mm2であることが好ましい。
好ましい球形酸化マグネシウム粒子(核粒子)の形態は、50〜200g/mm2の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子と酸化マグネシウム微粒子との集合物であって、0.8g/mL以上の嵩密度を有する。
より好ましい前記球形酸化マグネシウム粒子(核粒子)の形態は、50〜200g/mm2の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子に酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造で、0.8g/mL以上の嵩密度を有する。
ここで、「嵩密度」は後述する方法により測定される。
「粗粒子および微粒子」とは、前者の粗粒子の粒子径が後者の微粒子のそれより大きいことを意味する。酸化マグネシウム微粒子は、具体的には0.1〜40μm、より好ましくは0.1〜20μmの平均粒径を有することが望ましい。球状酸化マグネシウム粗粒子は、酸化マグネシウム微粒子との集合物または酸化マグネシウム微粒子の層が形成されたコアシェル構造において、球形酸化マグネシウム粒子(核粒子)の粒度分布に見合った粒度分布にすればよい。
前記球状酸化マグネシウム粗粒子の粒子硬度を50g/mm2未満にすると、粒子硬度が200g/mm2以上で、この粗粒子より粒子硬度の大きいコアシェル構造の球形酸化マグネシウム粒子を得ることが困難になる。なお、球状酸化マグネシウム粗粒子は単一粒子の形態を取ることから200g/mm2(上限)以下の粒子硬度になる。より好ましい球状酸化マグネシウム粗粒子の粒子硬度は、100〜200g/mm2である。
前記球状酸化マグネシウム粗粒子の比表面積は、20〜80m2/gであることが好ましい。
コアシェル構造の球形酸化マグネシウム粒子において、前記粗粒子の半径と前記微粒子からなる層の厚さとの比は、1:0.1〜1:4.0にすることが好ましい。ただし、コアシェル構造の球形酸化マグネシウム粒子は前述したように粒度分布を持つことから、小さい粒子径の場合には層の厚さ比が大きくなり、大きい粒子径の場合には層の厚さ比が小さくなる傾向になる。前記厚さ比が前記範囲を逸脱すると、粒子硬度が200g/mm2以上で、球状酸化マグネシウム粗粒子の粒子硬度より大きい粒子硬度を持つコアシェル構造の球形酸化マグネシウム粒子を得ることが困難になる。より好ましい粗粒子の半径と前記微粒子からなる層の厚さとの比は、1:0.1〜1:2.0である。
前記酸化マグネシウム微粒子の粒子硬度は、特に限定されず、酸化マグネシウム粗粒子より小さい(例えば20g/mm2)場合でも、粒子硬度が200g/mm2以上で、この粗粒子より粒子硬度の大きい集合物またはコアシェル構造からなる球形酸化マグネシウム粒子を得ることが可能になる。ただし、酸化マグネシウム微粒子はこの粗粒子と同じ粒子硬度範囲を有することがより好ましい。このような粗粒子と微粒子の組合せにおいて、前記粒子硬度の範囲内であれば互いに同じ粒子硬度の粗粒子および微粒子を選択しても、互いに異なる粒子硬度の粗粒子および微粒子を選択しても、いずれでもよい。特に、より粒子硬度の高い球形核粒子を得るには互いに同じ粒子硬度の粗粒子および微粒子を選択することが好ましい。
このようコアシェル構造の球形酸化マグネシウム粒子(製剤用球形核粒子)は、所定の粒子硬度を有する粗粒子をコア、所定の平均粒径を有する微粒子をシェルとして備えていることから、粒子硬度が200g/mm2以上で、前記球状酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有する。また、前記コアシェル構造の球形酸化マグネシウム粒子からなる球形核粒子は球状酸化マグネシウム粗粒子(嵩密度が0.45〜0.65g/mL)より大きく、耐衝撃性の向上に寄与する0.8g/mL以上の嵩密度を有する。
第3実施形態に係る球形核粒子は、例えば以下のような方法により製造することができる。
まず、50〜350μmの粒度分布、50〜200g/mm2の粒子硬度および0.45〜0.65g/mLの嵩密度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子を用意する。この球状酸化マグネシウム粗粒子は、例えば出願人(富田製薬株式会社)の開発コード:T−Mg−P1(平均粒径;155μm、粒子硬度;214g/mm2、嵩密度;0.60g/mL)、開発コード:T−Mg−P2(平均粒径;186μm、粒子硬度;146g/mm2、嵩密度;0.56g/mL)をそれぞれ酸素含有雰囲気、例えば大気雰囲気にて400〜900℃、より好ましくは500〜800℃で焼成したものを用いることができる。出願人は、前記開発コードの球状水酸化マグネシウム粗粒子を第3者からの要望に応じて、いつでも提供することができる。
また、0.1〜40μm、より好ましくは0.1〜20μmの平均粒径を有する酸化マグネシウム微粒子を用意する。この酸化マグネシウム微粒子の粒子硬度は、前述したように特に限定されず、酸化マグネシウム粗粒子より小さい粒子硬度を有しても、この粗粒子と同じ粒子硬度範囲を有しても、いずれでもよい。例えば酸化マグネシウム微粒子は、前記粗粒子の粉砕粒子、または前記粗粒子の分級時に得られた分級粒子が用いられる。
次いで、湿式流動造粒機、例えば深江パウテック社製;LFS−GS−2Jのような湿式高速撹拌型造粒機のホッパー内に前記球状酸化マグネシウム粗粒子および酸化マグネシウム微粒子を目的とする配合割合で投入し、例えばエタノールのような溶媒をホッパー内に所望の速度で噴射しながら、ホッパー内に付設した攪拌機で高速撹拌して流動化することにより湿式造粒する。つづいて、ホッパー内で湿式造粒物を乾燥するか、またはホッパーから湿式造粒物を取り出して乾燥するか、いずれかにより湿式造粒物を乾燥した後、さらに目的とする粒度分布になるように篩で分級することにより、前述した集合物、好ましくはコアシェル構造の球形酸化マグネシウム粒子(球形核粒子)を製造する。
酸化マグネシウム微粒子は、前記球状酸化マグネシウム粗粒子に対して外率で2〜50重量%、より好ましくは3〜30重量%配合することが望ましい。
前記ホッパー内での球状酸化マグネシウム粗粒子および酸化マグネシウム微粒子をエタノールのような溶媒の共存下で撹拌する際、ホッパー内に溶媒を予め目的とする全量を入れると、粒子の粗大化および凝集を生じる虞がある。このため、前述したようにホッパー内で球状酸化マグネシウム粗粒子および酸化マグネシウム微粒子を撹拌しながら、溶媒を徐々に噴射することによって、粗大化することなく目的とする粒度分布を持つ集合物、好ましくはコアシェル構造の球形酸化マグネシウム粒子からなる球形核粒子を製造することが可能になる。
なお、前記粗粒子および微粒子の造粒にあたり、ホッパー内に粗粒子および微粒子を投入し、このホッパー内に溶媒を所望の速度で噴射する方法の他に、ホッパー内に粗粒子を予め投入し、このポッパー内に微粒子を含む溶媒(微粒子の懸濁溶媒)を所望の速度で噴射してもよい。
前記湿式流動造粒機は、湿式高速撹拌型造粒機に限らず、粗粒子および微粒子を流動化させる機能および溶媒の添加機能を有する造粒機であればいかなるものでもよい。
前記集合物、好ましくはコアシェル構造の球形酸化マグネシウム粒子からなる球形核粒子の製造において、この球形酸化マグネシウム粒子を400〜1200℃、より好ましくは500〜1000℃で再焼成することを許容する。このような再焼成の球形酸化マグネシウム粒子は、驚くべきことに再焼成前の球形酸化マグネシウム粒子に比べて粒子硬度が最小でも50%、最大で2.5程度まで増大する。
以上、第3実施形態によれば所定の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm2以上の球形酸化マグネシウム粒子から構成することによって、流動状態で薬剤(または薬剤と賦形剤の混合物)を表面にコーティングして製剤を造る際の割れ、粉化を防ぐことが可能な製剤用球形核粒子を提供できる。
また、第3実施形態に係る製剤用球形核粒子はアルカリ性の球形酸化マグネシウム粒子から構成されるため、化学的(例えば酸)に不安定な薬剤をその核粒子にコーティングする際、従来の結晶セルロースまたは糖類からなる核粒子の表面に塩基性物質(例えば炭酸マグネシウム)および有機バインダを含む層を被覆することなく、そのままの状態で前記薬剤を安定的にコーティングすることが可能になる。
さらに、第3実施形態に係る製剤用球形核粒子は製剤として経口投与後の消化管内での高い崩壊性(溶解性)を有する。
特に、50〜200g/mm2の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子と酸化マグネシウム微粒子との集合物、より好ましくは50〜200g/mm2の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子に酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造の形態を有する球形酸化マグネシウム粒子からなる製剤用球形核粒子は、粒子硬度が200g/mm2以上で、前記球状酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有し、かつ0.8g/mL以上の嵩密度を有るため、流動状態で薬剤(または薬剤と賦形剤の混合物)を表面にコーティングして製剤を造る際の割れ、粉化をより一層確実に防ぐことが可能になる。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る製剤用球形核粒子は、45μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、45μm以上、150μm未満の粒子90%以上、150μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有する以外、実質的に前記第3実施形態の製剤用球形核粒子と同様な構成、すなわち粒子硬度が200g/mm2以上の球形酸化マグネシウム粒子からなる。
このような粒度分布を有する球形酸化マグネシウム粒子(核粒子)は、50〜200g/mm2の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子と酸化マグネシウム微粒子との集合物であって、0.8g/mL以上の嵩密度を持つ形態であることが好ましい。より好ましい前記球形酸化マグネシウム粒子(核粒子)の形態は、50〜200g/mm2の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子に酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造で、0.8g/mL以上の嵩密度を有する。
第4実施形態によれば、第3実施形態と同様な特性を有する他に、より小さい粒度分布有するため、小型の製剤の製造に適する製剤用球形核粒子を提供できる。
(第5実施形態)
第5実施形態に係る製剤用球形核粒子は、50〜200g/mm2の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子と水酸化マグネシウム微粒子とが集合した球形複合粒子であって、100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm2以上で、前記酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有する。
前記球形複合粒子は、0.8g/mL以上の嵩密度を有することが好ましい。
より好ましい球形複合粒子(核粒子)の形態は、50〜200g/mm2の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子に水酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造で、球状酸化マグネシウム粗粒子の嵩密度(0.45〜0.65g/mL)より大きく、耐衝撃性の向上に寄与する0.8g/mL以上の嵩密度を有する。
前記「粒子硬度」は、粒子硬度測定装置(岡田精工社製:グラノ)を用い、1個の球形複合粒子の圧潰強度のピーク値(g)を測定し、粒子20個の平均値として求めた。
「嵩密度」は、後述する方法により測定される。
「粗粒子および微粒子」とは、前者の粗粒子の粒子径が後者の微粒子のそれより大きいことを意味する。水酸化マグネシウム微粒子は、具体的には0.1〜40μm、より好ましくは0.1〜20μmの平均粒径を有することが望ましい。球状酸化マグネシウム粗粒子は、水酸化マグネシウム微粒子との集合物または水酸化マグネシウム微粒子の層が形成されたコアシェル構造において、球形複合粒子(核粒子)の粒度分布に見合った粒度分布にすればよい。
前記球状酸化マグネシウム粗粒子の粒子硬度を50g/mm2未満にすると、粒子硬度が200g/mm2以上で、この粗粒子より粒子硬度の大きいコアシェル構造の球形複合粒子を得ることが困難になる。なお、球状酸化マグネシウム粗粒子は単一粒子の形態を取ることから200g/mm2(上限)以下の粒子硬度になる。より好ましい球状酸化マグネシウム粗粒子の粒子硬度は、100〜200g/mm2である。
前記球状酸化マグネシウム粗粒子の比表面積は、20〜80m2/gであることが好ましい。
前記水酸化マグネシウム微粒子の粒子硬度は、特に限定されず、酸化マグネシウム粗粒子より小さい場合でも、粒子硬度が200g/mm2以上で、この粗粒子より粒子硬度の大きい集合物、好ましくはコアシェル構造の球形複合粒子を得ることが可能になる。ただし、水酸化マグネシウム微粒子はこの粗粒子と同等またはそれ以上の50〜300g/mm2の粒子硬度範囲を有することがより好ましい。このような粗粒子と微粒子の組合せにおいて、前記粒子硬度の範囲内であれば互いに同じ粒子硬度の粗粒子および微粒子を選択しても、互いに異なる粒子硬度の粗粒子および微粒子を選択しても、いずれでもよい。特に、より粒子硬度の高い球形核粒子を得るには互いに同じ粒子硬度の粗粒子および微粒子を選択することが好ましい。
コアシェル構造の球形複合粒子において、前記粗粒子の半径と前記微粒子の層の厚さとの比は、1:0.1〜1:4.0にすることが好ましい。ただし、コアシェル構造の球形複合粒子は前述したように粒度分布を持つことから、小さい粒子径の場合には層の厚さ比が大きくなり、大きい粒子径の場合には層の厚さ比が小さくなる傾向になる。前記厚さ比が、前記範囲を逸脱すると粒子硬度が200g/mm2以上で、球状酸化マグネシウム粗粒子より粒子硬度の大きいコアシェル構造の球形複合粒子を得ることが困難になる。より好ましい粗粒子の半径と前記微粒子からなる層の厚さとの比は、1:0.1〜1:2.0である。
第5実施形態に係る球形核粒子は、例えば以下のような方法により製造することができる。
まず、50〜350μmの粒度分布、50〜200g/mm2の粒子硬度および0.45〜0.65g/mLの嵩密度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子を用意する。この球状酸化マグネシウム粗粒子は、例えば出願人(富田製薬株式会社)の開発コード:T−Mg−P1(平均粒径;155μm、粒子硬度;214g/mm2、嵩密度;0.60g/mL)、開発コード:T−Mg−P2(平均粒径;186μm、粒子硬度;146g/mm2、嵩密度;0.56g/mL)をそれぞれ酸素含有雰囲気、例えば大気雰囲気にて400〜900℃、より好ましくは500〜800℃で焼成したものを用いることができる。出願人は、前記開発コードの球状水酸化マグネシウム粗粒子を第3者からの要望に応じて、いつでも提供することができる。
また、0.1〜40μm、より好ましくは0.1〜20μmの平均粒径を有する水酸化マグネシウム微粒子を用意する。この水酸化マグネシウム微粒子の粒子硬度は、前述したように特に限定されず、酸化マグネシウム粗粒子より小さい粒子硬度を有しても、この粗粒子と同等またはそれ以上の粒子硬度を有しても、いずれでもよい。例えば水酸化マグネシウム微粒子は、出願人(富田製薬株式会社)の開発コード:T−Mg−P1(平均粒径;155μm、粒子硬度;214g/mm2、嵩密度;0.60g/mL)、開発コード:T−Mg−P2(平均粒径;186μm、粒子硬度;146g/mm2、嵩密度;0.56g/mL)の粉砕粒子または分級時に得られた分級粒子が用いられる。
次いで、湿式流動造粒機、例えば深江パウテック社製;LFS−GS−2Jのような湿式高速撹拌型造粒機のホッパー内に前記球状酸化マグネシウム粗粒子および水酸化マグネシウム微粒子を目的とする配合割合で投入し、例えばエタノールのような溶媒をホッパー内に所望の速度で噴射しながら、ホッパー内に付設した攪拌機で高速撹拌して流動化することにより湿式造粒する。つづいて、ホッパー内で湿式造粒物を乾燥するか、またはホッパーから湿式造粒物を取り出して乾燥するか、いずれかにより湿式造粒物を乾燥した後、さらに目的とする粒度分布になるように篩で分級することにより、前述した集合物、好ましくはコアシェル構造の球形複合粒子(球形核粒子)を製造する。
水酸化マグネシウム微粒子は、前記球状酸化マグネシウム粗粒子に対して外率で2〜50重量%、より好ましくは3〜30重量%配合することが望ましい。
前記ホッパー内での球状酸化マグネシウム粗粒子および水酸化マグネシウム微粒子をエタノールのような溶媒の共存下で撹拌する際、ホッパー内に溶媒を予め目的とする全量を入れると、粒子の粗大化および凝集を生じる虞がある。このため、前述したようにホッパー内で球状酸化マグネシウム粗粒子および水酸化マグネシウム微粒子を撹拌しながら、エタノールのような溶媒を徐々に噴射することによって、粗大化することなく目的とする粒度分布を持つ集合物、好ましくはコアシェル構造の球形複合粒子からなる球形核粒子を製造することが可能になる。
なお、前記粗粒子および微粒子の造粒にあたり、ホッパー内に粗粒子および微粒子を投入し、このホッパー内に溶媒を所望の速度で噴射する方法の他に、ホッパー内に粗粒子を予め投入し、このポッパー内に微粒子を含む溶媒(微粒子の懸濁溶媒)を所望の速度で噴射してもよい。
前記湿式流動造粒機は、湿式高速撹拌型造粒機に限らず、粗粒子および微粒子を流動化させる機能および溶媒の添加機能を有する造粒機であればいかなるものでもよい。
以上、第5実施形態によれば所定の粒度分布を持ち、所定の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子と水酸化マグネシウム微粒子との集合物、好ましくはコアシェル構造の球形複合粒子から構成され、粒子硬度が200g/mm2以上で、前記酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有するため、流動状態で薬剤(または薬剤と賦形剤の混合物)を表面にコーティングして製剤を造る際の割れ、粉化を防ぐことが可能な製剤用球形核粒子を提供できる。特に、0.8g/mL以上の高い嵩密度を有する集合物、好ましくはコアシェル構造の球形複合粒子からなる核粒子は、製剤の製造時の流動状態において、割れ、粉化をより確実に防ぐことができる。
また、第5実施形態に係る製剤用球形核粒子は球状酸化マグネシウム粗粒子と水酸化マグネシウム微粒子との集合物、好ましくは球状酸化マグネシウム粗粒子に水酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造からなる球形複合粒子から構成され、表面がアルカリ性を示すため、化学的(例えば酸)に不安定な薬剤をその核粒子にコーティングする際、従来の結晶セルロースまたは糖類からなる核粒子の表面に塩基性物質(例えば炭酸マグネシウム)および有機バインダを含む層を被覆することなく、そのままの状態で前記薬剤を安定的にコーティングすることが可能になる。
さらに、第5実施形態に係る製剤用球形核粒子は製剤として経口投与後の消化管内での高い崩壊性(溶解性)を有する。
(第6実施形態)
第6実施形態に係る製剤用球形核粒子は、45μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、45μm以上、150μm未満の粒子90%以上、150μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有する以外、実質的に前記第5実施形態の製剤用球形核粒子と同様な構成、すなわち50〜200g/mm2の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子と水酸化マグネシウム微粒子とが集合され、粒子硬度が200g/mm2以上で、前記酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有する球形複合粒子からなる。
前記球形複合粒子は、0.8g/mL以上の嵩密度を有することが好ましい。
より好ましい球形複合粒子(核粒子)の形態は、50〜200g/mm2の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子に水酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造で、0.8g/mL以上の嵩密度を有する。
以上、第6実施形態によれば第5実施形態と同様な特性を有する他に、より小さい粒度分布有するため、小型の製剤の製造に適する製剤用球形核粒子を提供できる。
(第7実施形態)
第7実施形態に係る製剤用球形核粒子は、50〜300g/mm2の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子と酸化マグネシウム微粒子とが集合した球形複合粒子であって、100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm2以上で、前記水酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有する。
前記球形複合粒子は、0.8g/mL以上の嵩密度を有することが好ましい。
より好ましい球形複合粒子(核粒子)の形態は、50〜300g/mm2の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子に酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造で、球状水酸化マグネシウム粗粒子の嵩密度(0.45〜0.65g/mL)より大きく、耐衝撃性の向上に寄与する0.8g/mL以上の嵩密度を有する。
前記「粒子硬度」は、粒子硬度測定装置(岡田精工社製:グラノ)を用い、1個の球形複合粒子の圧潰強度のピーク値(g)を測定し、粒子20個の平均値として求めた。
「嵩密度」は、後述する方法により測定される。
「粗粒子および微粒子」とは、前者の粗粒子の粒子径が後者の微粒子のそれより大きいことを意味する。酸化マグネシウム微粒子は、具体的には0.1〜40μm、より好ましくは0.1〜20μmの平均粒径を有することが望ましい。球状水酸化マグネシウム粗粒子は、酸化マグネシウム微粒子との集合物または水酸化マグネシウム微粒子の層が形成されたコアシェル構造において、球形複合粒子(核粒子)の粒度分布に見合った粒度分布にすればよい。
前記球状水酸化マグネシウム粗粒子の粒子硬度を50g/mm2未満にすると、粒子硬度が200g/mm2以上で、この粗粒子より粒子硬度の大きいコアシェル構造の球形複合粒子を得ることが困難になる。より好ましい球状水酸化マグネシウム粗粒子の粒子硬度は、100〜300g/mm2である。
前記球状水酸化マグネシウム粗粒子の比表面積は、20〜80m2/gであることが好ましい。
前記酸化マグネシウム微粒子の粒子硬度は、特に限定されず、水酸化マグネシウム粗粒子より小さい場合でも、粒子硬度が200g/mm2以上で、この粗粒子より粒子硬度の大きいコアシェル構造の球形水酸化マグネシウム粒子を得ることが可能になる。ただし、水酸化マグネシウム微粒子はこの粗粒子と同等またはそれ以上の50〜300g/mm2の粒子硬度範囲を有することがより好ましい。このような粗粒子と微粒子の組合せにおいて、前記粒子硬度の範囲内であれば互いに同じ粒子硬度の粗粒子および微粒子を選択しても、互いに異なる粒子硬度の粗粒子および微粒子を選択しても、いずれでもよい。特に、より粒子硬度の高い球形核粒子を得るには互いに同じ粒子硬度の粗粒子および微粒子を選択することが好ましい。
コアシェル構造の球形複合粒子において、前記粗粒子の半径と前記微粒子の層の厚さとの比は、1:0.1〜1:4.0にすることが好ましい。ただし、コアシェル構造の球形複合粒子は前述したように粒度分布を持つことから、小さい粒子径の場合には層の厚さ比が大きくなり、大きい粒子径の場合には層の厚さ比が小さくなる傾向になる。前記厚さ比が、前記範囲を逸脱すると粒子硬度が200g/mm2以上で、球状酸化マグネシウム粗粒子より粒子硬度の大きいコアシェル構造の球形複合粒子を得ることが困難になる。より好ましい粗粒子の半径と前記微粒子からなる層の厚さとの比は、1:0.1〜1:2.0である。
第7実施形態に係る球形核粒子は、例えば以下のような方法により製造することができる。
まず、50〜350μmの粒度分布、50〜300g/mm2の粒子硬度および0.45〜0.65g/mLの嵩密度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子を用意する。この球状水酸化マグネシウム粗粒子は、例えば出願人(富田製薬株式会社)の開発コード:T−Mg−P1(平均粒径;155μm、粒子硬度;214g/mm2、嵩密度;0.60g/mL)、開発コード:T−Mg−P2(平均粒径;186μm、粒子硬度;146g/mm2、嵩密度;0.56g/mL)を用いることができる。出願人は、前記開発コードの球状水酸化マグネシウム粗粒子を第3者からの要望に応じて、いつでも提供することができる。
また、0.1〜40μm、より好ましくは0.1〜20μmの平均粒径を有する酸化マグネシウム微粒子を用意する。この酸化マグネシウム微粒子の粒子硬度は、前述したように特に限定されず、水酸化マグネシウム粗粒子より小さい粒子硬度を有しても、この粗粒子と同等またはそれ以上の粒子硬度を有しても、いずれでもよい。例えば酸化マグネシウム微粒子は、出願人(富田製薬株式会社)の開発コード:T−Mg−P1(平均粒径;155μm、粒子硬度;214g/mm2、嵩密度;0.60g/mL)、開発コード:T−Mg−P2(平均粒径;186μm、粒子硬度;146g/mm2、嵩密度;0.56g/mL)をそれぞれ酸素含有雰囲気、例えば大気雰囲気にて400〜900℃、より好ましくは500〜800℃で焼成した焼成物の粉砕粒子または分級時に得られた分級粒子が用いられる。
次いで、湿式流動造粒機、例えば深江パウテック社製;LFS−GS−2Jのような湿式高速撹拌型造粒機のホッパー内に前記球状水酸化マグネシウム粗粒子および酸化マグネシウム微粒子を目的とする配合割合で投入し、例えばエタノールのような溶媒をホッパー内に所望の速度で噴射しながら、ホッパー内に付設した攪拌機で高速撹拌して流動化することにより湿式造粒する。つづいて、ホッパー内で湿式造粒物を乾燥するか、またはホッパーから湿式造粒物を取り出して乾燥するか、いずれかにより湿式造粒物を乾燥した後、さらに目的とする粒度分布になるように篩で分級することにより、前述した集合物、好ましくはコアシェル構造の球形複合粒子(球形核粒子)を製造する。
酸化マグネシウム微粒子は、前記球状水酸化マグネシウム粗粒子に対して外率で2〜50重量%、より好ましくは3〜30重量%配合することが望ましい。
前記ホッパー内での球状水酸化マグネシウム粗粒子および酸化マグネシウム微粒子をエタノールのような溶媒の共存下で撹拌する際、ホッパー内に溶媒を予め目的とする全量を入れると、粒子の粗大化および凝集を生じる虞がある。このため、前述したようにホッパー内で球状水酸化マグネシウム粗粒子および酸化マグネシウム微粒子を撹拌しながら、エタノールのような溶媒を徐々に噴射することによって、粗大化することなく目的とする粒度分布を持つ集合物、好ましくはコアシェル構造の球形複合粒子からなる球形核粒子を製造することが可能になる。
なお、前記粗粒子および微粒子の造粒にあたり、ホッパー内に粗粒子および微粒子を投入し、このホッパー内に溶媒を所望の速度で噴射する方法の他に、ホッパー内に粗粒子を予め投入し、このポッパー内に微粒子を含む溶媒(微粒子の懸濁溶媒)を所望の速度で噴射してもよい。
前記湿式流動造粒機は、湿式高速撹拌型造粒機に限らず、粗粒子および微粒子を流動化させる機能および溶媒の添加機能を有する造粒機であればいかなるものでもよい。
以上、第7実施形態によれば所定の粒度分布を持ち、所定の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子と酸化マグネシウム微粒子との集合物、好ましくはコアシェル構造の球形複合粒子から構成され、粒子硬度が200g/mm2以上で、前記酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有するため、流動状態で薬剤(または薬剤と賦形剤の混合物)を表面にコーティングして製剤を造る際の割れ、粉化を防ぐことが可能な製剤用球形核粒子を提供できる。特に、0.8g/mL以上の高い嵩密度を有する集合物、好ましくはコアシェル構造の球形複合粒子からなる核粒子は、製剤の製造時の流動状態において、割れ、粉化をより確実に防ぐことができる。
また、第7実施形態に係る製剤用球形核粒子は球状水酸化マグネシウム粗粒子と酸化マグネシウム微粒子との集合物、好ましくは球状水酸化マグネシウム粗粒子に酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造からなる球形複合粒子から構成され、表面がアルカリ性を示すため、化学的(例えば酸)に不安定な薬剤をその核粒子にコーティングする際、従来の結晶セルロースまたは糖類からなる核粒子の表面に塩基性物質(例えば炭酸マグネシウム)および有機バインダを含む層を被覆することなく、そのままの状態で前記薬剤を安定的にコーティングすることが可能になる。
さらに、第7実施形態に係る製剤用球形核粒子は製剤として経口投与後の消化管内での高い崩壊性(溶解性)を有する。
(第8実施形態)
第8実施形態に係る製剤用球形核粒子は、45μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、45μm以上、150μm未満の粒子90%以上、150μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有する以外、実質的に前記第7実施形態の製剤用球形核粒子と同様な構成、すなわち50〜300g/mm2の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子と酸化マグネシウム微粒子とが集合され、粒子硬度が200g/mm2以上で、前記水酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有する球形複合粒子からなる。
前記球形複合粒子は、0.8g/mL以上の嵩密度を有することが好ましい。
より好ましい球形複合粒子(核粒子)の形態は、50〜300g/mm2の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子に酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造で、0.8g/mL以上の嵩密度を有する。
以上、第8実施形態によれば第7実施形態と同様な特性を有する他に、より小さい粒度分布有するため、小型の製剤の製造に適する製剤用球形核粒子を提供できる。
なお、前述した第1〜第8の実施形態に係る製剤用球形核粒子において水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウムに代えて炭酸マグネシウムを用いてもよい。
次に、前述した第1〜第8の実施形態に係る製剤用球形核粒子から製剤を製造する方法を説明する。
まず、第1〜第8の実施形態に係る製剤用球形核粒子を流動状態にし、この流動する核粒子に薬剤を投入し、核粒子表面に薬剤をコーティングすることにより製剤を製造する。
薬剤のコーティングは、例えば薬剤をエタノールのような溶媒に溶解もしくは懸濁した液を核粒子に噴霧し、乾燥する方法を採用できる。
薬剤は、特に限定されないが、第1〜第8の実施形態に係る製剤用球形核粒子において酸に不安定な薬剤が好適である。このような酸に不安定な薬剤は、例えばランソプラゾール、オメプラゾール、ラペプラゾール、パントプラゾール、レミノプラゾールのようなベンズイミダゾール系化合物またはその塩;イミダゾピリジン系化合物またはその塩;セラペプターゼ、セミアルカリプロティナーゼのような消炎酵素剤;エリスロマイシンのようなマクロライド系抗生物質;α−トコフェノール、コハク酸トコフェノールカルシウム、コハク酸d1−α−トコフェノールカルシウム、コハク酸d−α−トコフェノールカルシウムのようなコハク酸トコフェノールまたはその塩;塩酸チアミン、硝酸チアミン、リン酸チアミンのようなチアミン無機酸またはその塩、プロスルチアミン、フルスルチアミン、チアミンジスルフィド、リン酸チアミンジスルフィド、ピスベンチアミン、ビスプチチアミン、ビスイブチアミンのような活性型ビタミンB1誘導体またはその塩などのビタミンB1またはその塩;アズレンスルホン酸ナトリウム、アズレンスルホン酸カリウムのようなアズレンスルホン酸塩;イブプロフェン、イブプロフェンリシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセンのような2−アリールプロピオン酸誘導体等が用いられる。
このような製剤の製造において、第1〜第8の実施形態に係る製剤用球形核粒子は粒子硬度が200g/mm2以上であるため、割れ、粉化を防ぐことができる。
第1〜第8の実施形態に係る製剤用球形核粒子は表面がアルカリ性を示すため、化学的(例えば酸)に不安定な薬剤を長期間に亘って安定的にコーティングでき、薬剤の変質がなく、その薬効を長期間に亘って維持することが可能な製剤を得ることができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
なお、実施例および比較例での原料(水酸化マグネシウムの粗粒子、微粒子、酸化マグネシウムの粗粒子、微粒子)および造粒品における外観、粒度分布、平均粒径、粒子硬度、嵩密度および安息角は以下の方法により測定した。
1)外観
走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。
2)粗粒子、造粒品の粒子の粒度分布
・分級装置:セイシン企業社製のロボットシフター(RPS−105)、
・使用篩:30メッシュ、42メッシュ、60メッシュ,83メッシュ,100メッシュ,142メッシュ,200メッシュ、
・分級条件:音波強度22、音波周波数50Hz,分級時間5分間、パルス間隔1秒間。
まず、試料10gを篩および受器を重ねた容器の上に入れ、上蓋を取り付けた後、前記粒度分布測定装置にセットした。つづいて、前記分級条件で分級した後、各篩および受器の残留物の重量を量って粒度分布を測定した。
3)粗粒子の平均粒径
前記2)の方法で測定した粒度分布の大きい粒子から積算し、50重量%の積算値の粒子の粒径を平均粒径とした。
4)粉砕物(微粒子)の平均粒径
試料をエタノールに分散させ、超音波ホモジナイザーで前処理した後、日機装社製のマイクロトラックにより粒度分布を測定した。この後、前記粒度分布の小さい粒子から積算し、50重量%の積算値の粒子の粒径を平均粒径とした。
5)粒子硬度
粒子硬度測定装置(岡田精工社製:グラノ)を用い、1個の粗粒子または造粒品の圧潰強度のピーク値(g)を測定し、粒子20個の平均値として求めた。
6)嵩密度
・測定装置:筒井理化学器機社製の粉体減少度測定器(TPM−7−P)、
・試験条件:タッピング回数100回、タッピング高さ4cm、タッピング速度36回/分間。
まず、試料20gを50mLメスシリンダーに入れ、このメスシリンダーを前記測定装置にセットした。前記条件で試験した後、容量F(mL)を目視で測定した。その後、20/Fにて嵩密度(g/mL)を算出した。
7)安息角
直径50mmの皿の上方の高さ100mmの位置にホッパーは配置し、このホッパーから試料(粒子)を少量ずつ皿に落下させて円錐状の試料の山を作り、その山の試料がずり落ちずに安定したときの高さ(h)を測定し、皿と山の斜面がなす角度[安息角:α=tan-1(h/25mm)]を算出した。
なお、下記表2、表3、表5、表6、表8および表9に記載された粒度分布の355〜500μm、180〜355μm、100〜180μmの表記において、例えば355〜500μm(500μmを含まず)のように上限側の数値を含まないことを意味する。
また、下記表10および表11に記載された粒度分布の45〜75μm、75〜100μm、100〜150μmの表記において、例えば45〜75μm(75μmを含まず)のように上限側の数値を含まないことを意味する。
(実施例1)
下記表1に示す外観、平均粒径、粒子硬度、嵩密度および安息角を有する水酸化マグネシウム粗粒子A[出願人(富田製薬株式会社)の開発コード:T−Mg−P1]を用意した。また、この水酸化マグネシウム粗粒子Aをハンマーミルで粉砕した下記表1に示す平均粒径および粒子硬度を有する微粒子を用意した。
次いで、前記水酸化マグネシウム粗粒子Aとその粉砕した微粒子とを下記表2に示す割合で混合し、混合粒子を調製した。つづいて、湿式高速撹拌型造粒機(深江パウテック社製;LFS−GS−2J)のホッパー(容量:2L)に前記混合粒子を投入し、エタノール水溶液(エタノール:水=1:3)130mLをホッパー内に15mL/分の速度で噴射しながら、ホッパー内に付設した攪拌機(アジテータおよびチョッパー)をそれぞれ下記表2に示す条件で高速撹拌して湿式造粒した。ホッパーから湿式造粒物を取り出し、80℃で乾燥し、さらに篩で42〜83メッシュの粒子を分級することにより水酸化マグネシウム粒子の造粒品を製造した。
得られた造粒品の各水酸化マグネシウム粒子は、SEM観察により球形であることが確認された。また、この球形水酸化マグネシウム粒子の構造を以下の試験より解析した。
すなわち、球形水酸化マグネシウム粒子のサンプルを顕微鏡で観察しながら、中心部を割り、その断面をデジタルマイクロスコープ(株式会社ナカデン製商品名:MX−1200E)を用いて倍率300倍にて観察した。その結果、水酸化マグネシウム粗粒子をコア、この粗粒子の表面に形成された水酸化マグネシウムの微粒子の層をシェルとするコアシェル構造を有することが確認された。なお、球形水酸化マグネシウム粒子のサンプルは活性炭を3体積%配合した着色水酸化マグネシウム微粒子を用いて実施例1と同様な方法で製造したものである。
(実施例2)
下記表1に示す外観、平均粒径、粒子硬度、嵩密度および安息角を有する水酸化マグネシウム粗粒子B[出願人(富田製薬株式会社)の開発コード:T−Mg−P2]を用意した。また、水酸化マグネシウム粗粒子Bをハンマーミルで粉砕した下記表1に示す平均粒径および粒子硬度を有する微粒子を用意した。
次いで、前記水酸化マグネシウム粗粒子Bとその粉砕した微粒子とを下記表2に示す割合で混合し、混合粒子を調製し、この混合粒子、湿式高速撹拌型造粒機(深江パウテック社製;LFS−GS−2J)を用い、ホッパーへのエタノール水溶液(エタノール:水=1:3)の添加量を132mLとした以外、実施例1と同様な方法により水酸化マグネシウム粒子の造粒品を製造した。
得られた造粒品の各水酸化マグネシウム粒子は、SEM観察により球形であり、かつ実施例1と同様な解析によりコアシェル構造を有することが確認された。
(比較例1)
下記表1に示す外観、平均粒径、粒子硬度、嵩密度および安息角を有する水酸化マグネシウム粗粒子Cを用意した。また、水酸化マグネシウム粗粒子Cをハンマーミルで粉砕した下記表1に示す平均粒径および粒子硬度を有する微粒子を用意した。
次いで、前記水酸化マグネシウム粗粒子Cとその粉砕した微粒子とを下記表2に示す割合で混合し、混合粒子を調製し、この混合粒子、湿式高速撹拌型造粒機(深江パウテック社製;LFS−GS−2J)を用い、ホッパーへ噴射するエタノール水溶液(エタノール:水=1:3)の添加量を140mLとした以外、実施例1と同様な方法により水酸化マグネシウム粒子の造粒品を製造した。
(比較例2)
水酸化マグネシウム粗粒子Aを粉砕した微粒子単独(220g)および湿式高速撹拌型造粒機(深江パウテック社製;LFS−GS−2J)を用い、ホッパーへ噴射するエタノール水溶液(エタノール:水=1:3)の添加量を140mLとした以外、実施例1と同様な方法により水酸化マグネシウム粒子の造粒品を製造した。
得られた実施例1,2および比較例1,2の水酸化マグネシウム粒子の造粒品について、粒度分布、粒子硬度、嵩密度および安息角を測定した。これらの結果を下記表2に示す。
Figure 0004168157
Figure 0004168157
前記表1および表2から明らかなように粒子硬度214g/mm2の水酸化マグネシウム粗粒子Aおよびこの粗粒子Aを粉砕した微粒子を湿式撹拌造粒して得た実施例1の水酸化マグネシウム粒子の造粒品は、粒子硬度が200g/mm2以上で、前記粗粒子Aの粒子硬度に比べて極めて大きい粒子硬度(327g/mm2)を有することがわかる。また、実施例1の水酸化マグネシウム粒子の造粒品は前記粗粒子Aの嵩密度(0.60g/mL)より大きい0.87g/mLと0.8g/mL以上の嵩密度を有することがわかる。
同様に粒子硬度146g/mm2の水酸化マグネシウム粗粒子Bおよびこの粗粒子Bを粉砕した微粒子を湿式撹拌造粒して得た実施例2の水酸化マグネシウム粒子の造粒品は、粒子硬度が200g/mm2以上で、前記粗粒子Bの粒子硬度に比べて極めて大きい粒子硬度(291g/mm2)を有することがわかる。また、実施例2の水酸化マグネシウム粒子の造粒品は前記粗粒子Bの嵩密度(0.56g/mL)より大きい0.87g/mLと0.8g/mL以上の嵩密度を有することがわかる。
これに対し、粒子硬度20g/mm2未満の水酸化マグネシウム粗粒子Cおよびこの粗粒子Cを粉砕した微粒子を湿式撹拌造粒して得た比較例1の水酸化マグネシウム粒子の造粒品は、粒子硬度が20g/mm2未満で、前記粗粒子Cの粒子硬度と変わらない低い粒子硬度を有することがわかる。また、比較例1の水酸化マグネシウム粒子の造粒品は前記粗粒子Cの嵩密度(0.60g/mL)に比べて若干大きくなるものの、0.80g/mLに到底及ばない0.69g/mLの低い嵩密度を有することがわかる。
また、粒子硬度214g/mm2の水酸化マグネシウム粗粒子Aを粉砕した微粒子のみを湿式撹拌造粒して得た比較例2の水酸化マグネシウム粒子の造粒品は、前記微粒子が214g/mm2の粒子硬度を有するにも拘わらず、その粒子硬度に比べて極めて低く、200g/mm2未満である78g/mm2の粒子硬度を有することがわかる。また、比較例2の水酸化マグネシウム粒子の造粒品は嵩密度0.60g/mLの粗粒子Aの微粒子を用いたにも拘わらず、0.80g/mLに到底及ばない0.51g/mLと低い嵩密度を有することがわかる。
(実施例3〜6および比較例3)
前記水酸化マグネシウム粗粒子Aおよびこの粗粒子Aをハンマーミルで粉砕した微粒子を下記表3に示す割合で混合し、調製した混合粒子を用い、湿式高速撹拌型造粒機のホッパーへ噴射するエタノール水溶液(エタノール:水=1:3)を下記表3に示す添加量にした以外、実施例1と同様な方法により5種の水酸化マグネシウム粒子の造粒品を製造した。
得られた実施例3〜6の造粒品の各水酸化マグネシウム粒子は、SEM観察により球形であり、かつ実施例1と同様な解析によりコアシェル構造を有することが確認された。
また、得られた実施例3〜6および比較例3の水酸化マグネシウム粒子の造粒品について、粒度分布、粒子硬度、嵩密度および安息角を測定した。これらの結果を下記表3に示す。なお、下記表3には前記実施例1の造粒品の評価結果も併記する。
Figure 0004168157
前記表3から明らかなように粒子硬度214g/mm2の水酸化マグネシウム粗粒子Aに対してこの粗粒子Aを粉砕した微粒子を外率で3〜50重量%配合した混合粒子を湿式撹拌造粒して得た実施例1、3〜6の水酸化マグネシウム粒子の造粒品は、粒子硬度が200g/mm2以上で、前記粗粒子Aの粒子硬度に比べて極めて大きい粒子硬度(292〜368g/mm2)を有することがわかる。また、実施例1、3〜6の水酸化マグネシウム粒子の造粒品は前記粗粒子Aの嵩密度(0.60g/mL)より大きい0.83〜0.91g/mLと0.8g/mL以上の嵩密度を有することがわかる。特に、水酸化マグネシウム粗粒子Aに対してこの粗粒子Aを粉砕した微粒子を外率で5重量%配合した実施例4の水酸化マグネシウム粒子の造粒品は極めて大きい粒子硬度(368g/mm2)および嵩密度(0.91g/mL)を有することがわかる。
これに対し、水酸化マグネシウム粗粒子Aに対してこの粗粒子Aを粉砕した微粒子を外率で100重量%配合した比較例3の水酸化マグネシウム粒子の造粒品は、前記粗粒子Aの粒子硬度(214g/mm2)より小さい200g/mm2未満の粒子硬度(70g/mm2)、および前記粗粒子Aの嵩密度(0.60g/mL)より小さい嵩密度(0.57g/mL)を有することがわかる。
以上、実施例1〜6の造粒品は各水酸化マグネシウム粒子が球形で、200g/mm2以上の粒子硬度、0.8g/mL以上の嵩密度を有することから、製剤用球形核粒子として流動状態で薬剤(または薬剤と賦形剤の混合物)を表面にコーティングして製剤を造る際、核粒子表面に均一な薬剤を形成することが可能で、かつ核粒子の割れ、粉化を防ぐことが可能である。
(実施例7)
実施例1で用いた水酸化マグネシウム粗粒子A[出願人(富田製薬株式会社)の開発コード:T−Mg−P1]を大気雰囲気、100℃/時間の速度で600℃まで昇温し、この温度を1時間保持して焼成することにより下記表4に示す外観、平均粒径、粒子硬度、嵩密度および安息角を有する酸化マグネシウム粗粒子Aを得た。また、この酸化マグネシウム粗粒子Aをハンマーミルで粉砕した下記表4に示す平均粒径および粒子硬度を有する微粒子を用意した。
次いで、前記酸化マグネシウム粗粒子Aとその粉砕した微粒子とを下記表5に示す割合で混合し、混合粒子を調製した。つづいて、湿式高速撹拌型造粒機(深江パウテック社製;LFS−GS−2J)のホッパー(容量:2L)に前記混合粒子を投入し、エタノール156mLをホッパー内に20mL/分の速度で噴射しながら、ホッパー内に付設した攪拌機(アジテータおよびチョッパー)をそれぞれ下記表5に示す条件で高速撹拌して湿式造粒した。ホッパーから湿式造粒物を取り出し、80℃で乾燥し、さらに篩で42〜83メッシュの粒子を分級することにより酸化マグネシウム粒子の造粒品を製造した。
得られた造粒品の各酸化マグネシウム粒子は、SEM観察により球形であることが確認された。また、この球形酸化マグネシウム粒子の構造を以下の試験より解析した。
すなわち、球形酸化マグネシウム粒子のサンプルを顕微鏡で観察しながら、中心部を割り、その断面をデジタルマイクロスコープ(株式会社ナカデン製商品名:MX−1200E)を用いて倍率300倍にて観察した。その結果、酸化マグネシウム粗粒子をコア、この粗粒子の表面に形成された酸化マグネシウムの微粒子の層をシェルとするコアシェル構造を有することが確認された。なお、球形酸化マグネシウム粒子のサンプルは活性炭を3体積%配合した着色酸化マグネシウム微粒子を用いて実施例7と同様な方法で製造したものである。
(実施例8)
実施例2で用いた水酸化マグネシウム粗粒子B[出願人(富田製薬株式会社)の開発コード:T−Mg−P2]を大気雰囲気、100℃/時間の速度で800℃まで昇温し、この温度を1時間保持して焼成することにより下記表4に示す外観、平均粒径、粒子硬度、嵩密度および安息角を有する酸化マグネシウム粗粒子Bを得た。また、この酸化マグネシウム粗粒子Bをハンマーミルで粉砕した下記表4に示す平均粒径および粒子硬度を有する微粒子を用意した。
次いで、前記酸化マグネシウム粗粒子Bとその粉砕した微粒子とを下記表5に示す割合で混合し、混合粒子を調製し、この混合粒子、湿式高速撹拌型造粒機(深江パウテック社製;LFS−GS−2J)を用い、ホッパーへのエタノールの添加量を136mLとした以外、実施例7と同様な方法により酸化マグネシウム粒子の造粒品を製造した。
得られた造粒品の各酸化マグネシウム粒子は、SEM観察により球形であり、かつ実施例7と同様な解析によりコアシェル構造を有することが確認された。
(比較例4)
比較例1で用いた水酸化マグネシウム粗粒子Cを大気雰囲気、100℃/時間の速度で1000℃まで昇温し、この温度を1時間保持して焼成することにより下記表4に示す外観、平均粒径、粒子硬度、嵩密度および安息角を有する酸化マグネシウム粗粒子Cを得た。また、この酸化マグネシウム粗粒子Cをハンマーミルで粉砕した下記表4に示す平均粒径および粒子硬度を有する微粒子を用意した。
次いで、前記酸化マグネシウム粗粒子Cとその粉砕した微粒子とを下記表5に示す割合で混合し、混合粒子を調製し、この混合粒子、湿式高速撹拌型造粒機(深江パウテック社製;LFS−GS−2J)を用い、ホッパーへのエタノールの添加量を140mLとした以外、実施例7と同様な方法により酸化マグネシウム粒子の造粒品を製造した。
(比較例5)
下記表4に示す酸化マグネシウム粗粒子Aを粉砕した微粒子単独(220g)および湿式高速撹拌型造粒機(深江パウテック社製;LFS−GS−2J)を用い、ホッパーへ噴射するエタノールの添加量を144mLとした以外、実施例7と同様な方法により酸化マグネシウム粒子の造粒品を製造した。
(比較例6)
下記表4に示す酸化マグネシウム粗粒子Cを粉砕した微粒子単独(220g)および湿式高速撹拌型造粒機(深江パウテック社製;LFS−GS−2J)を用い、ホッパーへ噴射するエタノールの添加量を142mLとした以外、実施例7と同様な方法により酸化マグネシウム粒子の造粒品を製造した。
得られた実施例7,8および比較例4〜6の酸化マグネシウム粒子の造粒品について、粒度分布、粒子硬度、嵩密度および安息角を測定した。これらの結果を下記表5に示す。
Figure 0004168157
Figure 0004168157
前記表4および表5から明らかなように粒子硬度126g/mm2の酸化マグネシウム粗粒子Aおよびこの粗粒子Aを粉砕した微粒子を湿式撹拌造粒して得た実施例7の酸化マグネシウム粒子の造粒品は、粒子硬度が200g/mm2以上で、前記粗粒子Aの粒子硬度に比べて約5倍の粒子硬度(698g/mm2)を有することがわかる。また、実施例7の酸化マグネシウム粒子の造粒品は前記粗粒子Aの嵩密度(0.55g/mL)より大きい1.00g/mLと0.8g/mL以上の嵩密度を有することがわかる。
同様に粒子硬度106g/mm2の酸化マグネシウム粗粒子Bおよびこの粗粒子Bを粉砕した微粒子を湿式撹拌造粒して得た実施例8の酸化マグネシウム粒子の造粒品は、粒子硬度が200g/mm2以上で、前記粗粒子Bの粒子硬度に比べて約5倍の粒子硬度(511g/mm2)を有することがわかる。また、実施例8の酸化マグネシウム粒子の造粒品は前記粗粒子Bの嵩密度(0.50g/mL)より大きい0.95g/mLと0.8g/mL以上の嵩密度を有することがわかる。
これに対し、粒子硬度20g/mm2未満の酸化マグネシウム粗粒子Cおよびこの粗粒子Cを粉砕した微粒子を湿式撹拌造粒して得た比較例4の酸化マグネシウム粒子の造粒品は、粒子硬度が20g/mm2未満で、前記粗粒子Cの粒子硬度と変わらない低い粒子硬度を有することがわかる。また、比較例4の酸化マグネシウム粒子の造粒品は前記粗粒子Cの嵩密度(0.47g/mL)に比べて大きくなるものの、0.80g/mLに到底及ばない0.69g/mLの低い嵩密度を有することがわかる。
また、粒子硬度126g/mm2の酸化マグネシウム粗粒子Aを粉砕した微粒子のみを湿式撹拌造粒して得た比較例5の酸化マグネシウム粒子の造粒品は、前記微粒子が126g/mm2の粒子硬度を有するにも拘らず、それに比べて粒子硬度が極めて低い、200g/mm2未満である68g/mm2の粒子硬度を有することがわかる。また、比較例5の酸化マグネシウム粒子の造粒品は前記粗粒子Aの嵩密度(0.55g/mL)に比べて大きくなるものの、0.80g/mLに及ばない0.74g/mLの低い嵩密度を有することがわかる。
さらに、粒子硬度20g/mm2未満の酸化マグネシウム粗粒子Cを粉砕した微粒子のみを湿式撹拌造粒して得た比較例6の酸化マグネシウム粒子の造粒品は、粒子硬度が20g/mm2未満で、前記粗粒子Cの粒子硬度と変わらない低い粒子硬度を有することがわかる。また、比較例6の酸化マグネシウム粒子の造粒品は前記粗粒子Cの嵩密度(0.47g/mL)に比べて大きくなるものの、0.80g/mLに到底及ばない0.51g/mLの低い嵩密度を有することがわかる。
(実施例9〜12および比較例7)
前記酸化マグネシウム粗粒子Aおよびこの粗粒子Aをハンマーミルで粉砕した微粒子を下記表6に示す割合で混合し、調製した混合粒子を用い、湿式高速撹拌型造粒機のホッパーへ噴射するエタノールを下記表6に示す添加量にした以外、実施例7と同様な方法により5種の酸化マグネシウム粒子の造粒品を製造した。
得られた実施例9〜12の造粒品の各酸化マグネシウム粒子は、SEM観察により球形であり、かつ実施例7と同様な解析によりコアシェル構造を有することが確認された。
また、得られた実施例9〜12および比較例7の酸化マグネシウム粒子の造粒品について、粒度分布、粒子硬度、嵩密度および安息角を測定した。これらの結果を下記表6に示す。なお、下記表6には前記実施例7の造粒品の評価結果も併記する。
Figure 0004168157
前記表6から明らかなように粒子硬度126g/mm2の酸化マグネシウム粗粒子Aに対してこの粗粒子Aを粉砕した微粒子を外率で3〜50重量%配合した混合粒子を湿式撹拌造粒して得た実施例7、9〜12の酸化マグネシウム粒子の造粒品は、粒子硬度が200g/mm2以上で、前記粗粒子Aの粒子硬度に比べて約3倍以上大きい粒子硬度(298〜733g/mm2)を有することがわかる。また、実施例7、9〜12の酸化マグネシウム粒子の造粒品は前記粗粒子Aの嵩密度(0.55g/mL)より大きい0.83〜1.00g/mLと0.8g/mL以上の嵩密度を有することがわかる。特に、酸化マグネシウム粗粒子Aに対してこの粗粒子Aを粉砕した微粒子を外率で5重量%配合した実施例10の酸化マグネシウム粒子の造粒品は極めて大きい粒子硬度(733g/mm2)および嵩密度(1.00g/mL)を有することがわかる。
これに対し、酸化マグネシウム粗粒子Aに対してこの粗粒子Aを粉砕した微粒子を外率で100重量%配合した比較例7の酸化マグネシウム粒子の造粒品は、前記粗粒子Aの粒子硬度(126g/mm2)より小さい200g/mm2未満の粒子硬度(84g/mm2)、および0.80g/mL未満で前記粗粒子Aの嵩密度(0.55g/mL)に近似した小さい嵩密度(0.57g/mL)を有することがわかる。
(実施例13)
前記実施例7の酸化マグネシウム粒子の造粒品を大気雰囲気、100℃/時間の速度で600℃まで昇温し、この温度を1時間保持して焼成した。
(実施例14)
前記実施例8の酸化マグネシウム粒子の造粒品を大気雰囲気、100℃/時間の速度で1000℃まで昇温し、この温度を1時間保持して焼成した。
(比較例8)
前記比較例4の酸化マグネシウム粒子の造粒品を大気雰囲気、100℃/時間の速度で600℃まで昇温し、この温度を1時間保持して焼成した。
得られた実施例13,14および比較例8の酸化マグネシウム粒子造粒品の焼成粒子について、粒度分布、粒子硬度、嵩密度および安息角を測定した。これらの結果を下記表7に示す。
Figure 0004168157
前記表7から明らかなように実施例7の酸化マグネシウム粒子造粒品を焼成した実施例13の焼成粒子は、その酸化マグネシウム粒子造粒品の粒子硬度(698g/mm2)の約2.3倍の粒子硬度(1610g/mm2)を有し、かつその造粒品の嵩密度(1.00g/mL)より大きい1.05g/mLの嵩密度を有することがわかる。
同様に実施例8の酸化マグネシウム粒子造粒品を焼成した実施例14の焼成粒子は、その酸化マグネシウム粒子造粒品の粒子硬度(511g/mm2)の約2倍の粒子硬度(1050g/mm2)を有し、かつその造粒品の嵩密度(0.95g/mL)より大きい1.00g/mLの嵩密度を有することがわかる。
これに対し、比較例4の酸化マグネシウム粒子造粒品を焼成した比較例8の焼成粒子は、その酸化マグネシウム粒子造粒品の粒子硬度(20g/mm2未満)と変わらない低い粒子硬度を有し、かつ造粒品の嵩密度(0.69g/mL)に比べて大きくなるものの、0.71g/mLと0.80g/mL未満の低い嵩密度を有することがわかる。
以上、実施例7〜12の造粒品は各酸化マグネシウム粒子が球形で、200g/mm2以上の粒子硬度、0.8g/mL以上の嵩密度を有することから、製剤用球形核粒子として流動状態で薬剤(または薬剤と賦形剤の混合物)を表面にコーティングして製剤を造る際、核粒子表面に均一な薬剤を形成することが可能で、かつ核粒子の割れ、粉化を防ぐことが可能である。特に、酸化マグネシウム粒子の造粒品を焼成した焼成粒子は、1000g/mm2以上と驚異的な粒子硬度および1.00g/mL以上の極めて高い嵩密度を有することから、製剤用球形核粒子として流動状態で薬剤(または薬剤と賦形剤の混合物)を表面にコーティングして製剤を造る際の割れ、粉化をより一層確実に防ぐことが可能である。
(実施例15)
実施例7で用いた酸化マグネシウム粗粒子Aおよび実施例1で用いた水酸化マグネシウム粗粒子Aを粉砕した微粒子を下記表8に示す割合で混合し、混合粒子を調製した。つづいて、湿式高速撹拌型造粒機(深江パウテック社製;LFS−GS−2J)のホッパー(容量:2L)に前記混合粒子を投入し、エタノール146mLをホッパー内に20mL/分の速度で噴射しながら、ホッパー内に付設した攪拌機(アジテータおよびチョッパー)をそれぞれ下記表8に示す条件で高速撹拌して湿式造粒した。ホッパーから湿式造粒物を取り出し、80℃で乾燥し、さらに篩で42〜83メッシュの粒子を分級することにより酸化マグネシウム−水酸化マグネシウムの造粒品を製造した。
得られた造粒品の各粒子は、SEM観察により球形であることが確認された。また、この球形粒子(球形複合粒子)の構造を以下の試験より解析した。
すなわち、球形複合粒子のサンプルを顕微鏡で観察しながら、中心部を割り、その断面をデジタルマイクロスコープ(株式会社ナカデン製商品名:MX−1200E)を用いて倍率300倍にて観察した。その結果、酸化マグネシウム粗粒子をコア、この粗粒子の表面に形成された水酸化マグネシウムの微粒子の層をシェルとするコアシェル構造を有することが確認された。なお、球形複合粒子のサンプルは活性炭を3体積%配合した着色水酸化マグネシウム微粒子を用いて実施例15と同様な方法で製造したものである。
得られた実施例15の造粒品について、粒度分布、粒子硬度、嵩密度および安息角を測定した。これらの結果を下記表8に示す。
Figure 0004168157
前記表8から明らかなように粒子硬度126g/mm2の酸化マグネシウム粗粒子Aおよび粒子硬度214g/mm2の水酸化マグネシウム粗粒子Aを粉砕した微粒子を湿式撹拌造粒して得た実施例15の酸化マグネシウム−水酸化マグネシウムの造粒品は、粒子硬度が200g/mm2以上で、前記粗粒子Aの粒子硬度に比べて大きい粒子硬度(222g/mm2)を有することがわかる。また、実施例15の造粒品は前記粗粒子Aの嵩密度(0.55g/mL)より大きい0.8g/mLの嵩密度を有することがわかる。
このような酸化マグネシウム−水酸化マグネシウムの造粒品は、各粒子が球形で、200g/mm2以上の粒子硬度、0.8g/mL以上の嵩密度を有することから、製剤用球形核粒子として流動状態で薬剤(または薬剤と賦形剤の混合物)を表面にコーティングして製剤を造る際、核粒子表面に均一な薬剤を形成することが可能で、かつ核粒子の割れ、粉化を防ぐことが可能である。
(実施例16)
実施例1で用いた水酸化マグネシウム粗粒子Aおよび実施例7で用いた酸化マグネシウム粗粒子Aを粉砕した微粒子を下記表9に示す割合で混合し、混合粒子を調製した。つづいて、湿式高速撹拌型造粒機(深江パウテック社製;LFS−GS−2J)のホッパー(容量:2L)に前記混合粒子を投入し、エタノール140mLをホッパー内に10mL/分の速度で噴射しながら、ホッパー内に付設した攪拌機(アジテータおよびチョッパー)をそれぞれ下記表8に示す条件で高速撹拌して湿式造粒した。ホッパーから湿式造粒物を取り出し、80℃で乾燥し、さらに篩で42〜83メッシュの粒子を分級することにより水酸化マグネシウム−酸化マグネシウムの造粒品を製造した。
得られた造粒品の各粒子は、SEM観察により球形であることが確認された。また、この球形粒子(球形複合粒子)の構造を実施例15と同様な試験より解析した。
すなわち、球形複合粒子のサンプルを顕微鏡で観察しながら、中心部を割り、その断面をデジタルマイクロスコープ(株式会社ナカデン製商品名:MX−1200E)を用いて倍率300倍にて観察した。その結果、酸化マグネシウム粗粒子をコア、この粗粒子の表面に形成された水酸化マグネシウムの微粒子の層をシェルとするコアシェル構造を有することが確認された。なお、球形複合粒子のサンプルは活性炭を3体積%配合した着色酸化マグネシウム微粒子を用いて実施例16と同様な方法で製造したものである。
得られた実施例16の造粒品について、粒度分布、粒子硬度、嵩密度および安息角を測定した。これらの結果を下記表9に示す。
Figure 0004168157
前記表9から明らかなように粒子硬度214g/mm2の水酸化マグネシウム粗粒子Aおよび粒子硬度126g/mm2の酸化マグネシウム粗粒子Aを粉砕した微粒子を湿式撹拌造粒して得た実施例16の水酸化マグネシウム−酸化マグネシウムの造粒品は、粒子硬度が200g/mm2以上で、前記粗粒子Aの粒子硬度に比べて大きい粒子硬度(265g/mm2)を有することがわかる。また、実施例16の造粒品は前記粗粒子Aの嵩密度(0.60g/mL)より大きい0.87g/mLの嵩密度を有することがわかる。
このような水酸化マグネシウム−酸化マグネシウムの造粒品は、各粒子が球形で、200g/mm2以上の粒子硬度、0.8g/mL以上の嵩密度を有することから、製剤用球形核粒子として流動状態で薬剤を表面にコーティングして製剤を造る際、核粒子表面に均一な薬剤を形成することが可能で、かつ核粒子の割れ、粉化を防ぐことが可能である。
(実施例17〜20)
実施例1,7,15および16の分級条件をそれぞれ140〜235メッシュに変更して水酸化マグネシウム造粒品、酸化マグネシウム造粒品、酸化マグネシウム−水酸化マグネシウム造粒品および水酸化マグネシウム−酸化マグネシウム造粒品を製造した。
得られた実施例17の水酸化マグネシウム造粒品、実施例18の酸化マグネシウム造粒品の粒度分布、粒子硬度、嵩密度および安息角を測定した。これらの結果を下記表10に示す。
また、得られた実施例19の酸化マグネシウム−水酸化マグネシウム造粒品および実施例20水酸化マグネシウム−酸化マグネシウム造粒品の粒度分布、粒子硬度、嵩密度および安息角を測定した。これらの結果を下記表11に示す。
Figure 0004168157
Figure 0004168157
前記表10、表11から明らかなように実施例17〜20の造粒品は、200g/mm2以上の粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することがわかる。
これらの造粒品は、それぞれ各粒子が球形で、200g/mm2以上の粒子硬度、0.8g/mL以上の嵩密度を有することから、製剤用球形核粒子として流動状態で薬剤を表面にコーティングして製剤を造る際、核粒子表面に均一な薬剤を安定的に形成することが可能で、かつ核粒子の割れ、粉化を防ぐことが可能である。
(実施例21〜24)
実施例1、7,15,16の核粒子100gに酸に不安定な薬剤であるオメプラゾール10gをエタノール40mLに懸濁した液をそれぞれ噴霧し、40℃で24時間乾燥して4つの製剤を製造した。
得られた各製剤の一部をポリエチレン/アルミニウム箔/ポリプロピレンのアルミニウムラミネート袋に入れて密封し、冷蔵保存し、標準サンプルとした。
各製剤の残りをそのまま恒温恒湿槽に入れ、40℃、75RT%の条件で3日間および7日間放置して評価サンプルとした。
得られた標準サンプルおよび2種の評価サンプルの色度を色差計(日本電色工業社製;Z−300A)により計測し、標準サンプルの色度(E0)に対する評価サンプルの色度(E1)の差(色差ΔE;E1−E0)を求めた。これらの結果を下記表12に示す。
(比較例9)
乳酸およびセルロースからなるノンパレル105(フロイント産業株式会社商標名)を180〜355メッシュの篩で分級したものを核粒子とし、実施例21〜24と同様な方法により製剤を製造した。
得られた比較例9の製剤について、実施例21〜24と同様な方法により色差(3日後および7日後の色差ΔE)を求めた。その結果を下記表12に示す。
Figure 0004168157
前記表12から明らかなように実施例1、7,15,16の核粒子を用いて製造した実施例21〜24の製剤は、従来の乳酸およびセルロースからなるノンパレル105を核粒子として製造した比較例9の製剤に比べて色差ΔEが小さく、恒温恒湿での加速試験下での薬剤の劣化を低減できることがわかる。
(実施例25〜28)
実施例17〜20の核粒子100gに酸に不安定な薬剤であるオメプラゾール10gをエタノール40mLに懸濁した液をそれぞれ噴霧し、40℃で24時間乾燥して4つの製剤を製造した。
得られた各製剤について、実施例21〜24と同様な方法により色差(3日後および7日後の色差ΔE)を求めた。その結果を下記表13に示す。
(比較例10)
乳酸およびセルロースからなるノンパレル105(フロイント産業株式会社商標名)を180〜355メッシュの篩で分級したものを核粒子とし、実施例25〜28と同様な方法により製剤を製造した。
得られた比較例10の製剤について、実施例21〜24と同様な方法により色差(3日後および7日後の色差ΔE)を求めた。その結果を下記表13に示す。
Figure 0004168157
前記表13から明らかなように実施例17〜20の核粒子を用いて製造した実施例25〜28の製剤は、従来の乳酸およびセルロースからなるノンパレル105を核粒子として製造した比較例10の製剤に比べて色差ΔEが小さく、恒温恒湿での加速試験下での薬剤の劣化を低減できることがわかる。

Claims (21)

  1. 50〜300g/mm 2 の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子に水酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造で、100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm2以上で前記球状水酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子。
  2. 前記球状水酸化マグネシウム粗粒子の半径と前記水酸化マグネシウム微粒子の層の厚さとの比は、1:0.1〜1:4.0であることを特徴とする請求項1記載の製剤用球形核粒子。
  3. 50〜300g/mm 2 の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子とこの粗粒子より小さい粒径を持つ水酸化マグネシウム微粒子との集合物であって、100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で前記球状水酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子。
  4. 50〜300g/mm 2 の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子とこの粗粒子より小さい粒径を持つ水酸化マグネシウム微粒子との集合物であって、45μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、45μm以上、150μm未満の粒子90%以上、150μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で前記球状水酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子。
  5. 50〜300g/mm 2 の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子に水酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造で、45μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、45μm以上、150μm未満の粒子90%以上、150μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で前記球状水酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子。
  6. 50〜200g/mm 2 の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子に酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造で、100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で前記球状酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子。
  7. 前記球状酸化マグネシウム粗粒子の半径と前記酸化マグネシウム微粒子の層の厚さとの比は、1:0.1〜1:4.0であることを特徴とする請求項6記載の製剤用球形核粒子。
  8. 前記コアシェル構造の球形酸化マグネシウム粒子は、さらに400〜1200℃の温度で焼成したものであることを特徴とする請求項6または7記載の製剤用球形核粒子。
  9. 50〜200g/mm 2 の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子とこの粗粒子より小さい粒径を持つ酸化マグネシウム微粒子との集合物であって、100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で前記球状酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子。
  10. 50〜200g/mm 2 の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子とこの粗粒子より小さい粒径を持つ酸化マグネシウム微粒子との集合物であって、45μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、45μm以上、150μm未満の粒子90%以上、150μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で前記球状酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子。
  11. 50〜200g/mm 2 の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子に酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造で、45μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、45μm以上、150μm未満の粒子90%以上、150μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で前記球状酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度および0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子。
  12. 50〜200g/mm 2 の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子とこの粗粒子より小さい粒径を有する水酸化マグネシウム微粒子とが集合された球形複合粒子であって、100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で、前記酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子。
  13. 前記球形複合粒子は、前記球状酸化マグネシウム粗粒子に前記水酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造を有し、かつ0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする請求項12記載の製剤用球形核粒子。
  14. 前記球状酸化マグネシウム粗粒子の半径と前記水酸化マグネシウム微粒子の層の厚さとの比は、1:0.1〜1:4.0であることを特徴とする請求項13記載の製剤用球形核粒子。
  15. 50〜200g/mm 2 の粒子硬度を有する球状酸化マグネシウム粗粒子とこの粗粒子より小さい粒径を有する水酸化マグネシウム微粒子とが集合された球形複合粒子であって、45μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、45μm以上、150μm未満の粒子90%以上、150μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で、前記酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子。
  16. 前記球形複合粒子は、前記球状酸化マグネシウム粗粒子に前記水酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造を有し、かつ0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする請求項15記載の製剤用球形核粒子。
  17. 50〜300g/mm 2 の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子とこの粗粒子より小さい粒径を有する酸化マグネシウム微粒子とが集合された球形複合粒子であって、100μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、100μm以上、500μm未満の粒子90%以上、500μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で、前記水酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子。
  18. 前記球形複合粒子は、前記球状水酸化マグネシウム粗粒子に前記酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造を有し、かつ0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする請求項17記載の製剤用球形核粒子。
  19. 前記球状水酸化マグネシウム粗粒子の半径と前記酸化マグネシウム微粒子の層の厚さとの比は、1:0.1〜1:4.0であることを特徴とする請求項18記載の製剤用球形核粒子。
  20. 50〜300g/mm 2 の粒子硬度を有する球状水酸化マグネシウム粗粒子とこの粗粒子より小さい粒径を有する酸化マグネシウム微粒子とが集合された球形複合粒子であって、45μm未満の粒子5%以下(0%を含む)、45μm以上、150μm未満の粒子90%以上、150μm以上の粒子5%以下(0%を含む)の粒度分布を有し、かつ粒子硬度が200g/mm 2 以上で、前記水酸化マグネシウム粗粒子より大きい粒子硬度を有することを特徴とする製剤用球形核粒子。
  21. 前記球形複合粒子は、前記球状水酸化マグネシウム粗粒子に前記酸化マグネシウム微粒子の層を形成したコアシェル構造を有し、かつ0.8g/mL以上の嵩密度を有することを特徴とする請求項20記載の製剤用球形核粒子。
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