JP4167908B2 - バンパー構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体に取り付けられるバンパー構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動車のバンパー構造として、バンパー本体と、該バンパー本体の裏面に固定され、車体構成部材に形成された係止孔に係止する係止片が車体側へ向けて突設されたバンパーセット部材とを備え、前記係止片を前記係止孔に係止させてバンパー本体が車体構成部材に取り付けられるように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この特許文献1のバンパー構造では、係止孔が車体構成部材の略鉛直に延びる縦面部に形成されており、バンパー本体を車体構成部材に取り付ける際には、バンパー本体を車体側へ移動させてバンパーセット部材の係止片を係止孔に挿入係止させるようにしている。
【0004】
また、前記のようにバンパーに設けた係止片を車体構成部材の係止孔に挿入係止させてバンパー本体を車体構成部材に取り付けるようにしたバンパー構造として、係止片をバンパー本体の上縁部から車体側へ向けて突設し、該係止片を車体構成部材の略水平に延びる上面部に形成した係止孔に挿入係止させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002―220014号公報(第3頁、第4頁、図1、図2)
【特許文献2】
特許第3264111号公報(第3頁、図2〜図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1のバンパー構造では、係止孔が車体構成部材の縦面部に形成されているので、係止片を挿入する際、該係止片と係止孔とがずれていると係止片が車体構成部材の縦面部に接触して該係止片が折れる虞れがある。また、前記特許文献2のバンパー構造では、係止孔が形成された車体構成部材の上面部から下側へ延びる縦面部が形成されており、バンパー本体を取り付ける際に、前記特許文献1と同様に係止片が縦面部に接触して該係止片が折れる虞れがある。このように係止片が折れると、係止孔に確実に係止させることができなくなる。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バンパーセット部材の係止片を車体構成部材の略水平な上面部に形成された係止孔に係止させてバンパー本体を車体構成部材に取り付ける場合に、バンパーの部品点数の増加を抑えながら、係止片を係止孔に正確に導くことができるようにして、バンパーの製造コストの高騰を招くことなく、係止片の折損を未然に防止して該係止片を係止孔に確実に係止させるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明では、係止片を係止孔に導くガイド部を該係止片と共にバンパーセット部材に一体に形成するようにした。
【0009】
具体的には、請求項1の発明では、バンパー本体と、該バンパー本体の裏面に固定され、車体構成部材の略水平な上面部に形成された係止孔に係止する係止片が車体側へ向けて突設されたバンパーセット部材とを備え、前記係止片を前記係止孔に係止させてバンパー本体が車体構成部材に取り付けられるように構成されたバンパー構造を対象とする。
【0010】
そして、前記係止片は、基端が前記バンパーセット部材に一体に形成されて該基端を支点として上下方向に揺動する本体部と、該本体部の先端から下方へ突出して係止孔に挿入係止する爪部とからなり、前記バンパーセット部材には、前記係止片の車幅方向に隣接して前記爪部よりも車体側へ向けて突設され前記バンパー本体を車体構成部材に取り付ける際に前記爪部を係止孔に導くガイド部を形成し、該ガイド部の下面には車体側へ向けて上向きに傾斜する傾斜部を形成し、前記バンパーセット部材を前記車体構成部材とバンパー本体の上端部との間に位置付ける構成とする。
【0011】
この構成によれば、バンパー本体を車体構成部材に取り付ける際、バンパー本体の車体側への移動において、バンパーセット部材の係止片が車体構成部材の係止孔よりも下側にずれていても、ガイド部の先端は爪部よりも車体側に位置しているので、爪部が車体構成部材に接触することはなく、爪部の折損を防止することができるとともに、ガイド部下面の傾斜部によりバンパーセット部材の下面を車体構成部材の上面部に案内することができるので、係止片の爪部が係止孔に導かれて係止孔に確実に係止する。
【0012】
また、バンパーセット部材に係止片とガイド部とが突設されてこれらが一体物とされているので、係止片とガイド部との相対位置の精度が高く確保され、爪部が正確に導かれるようになる。
【0013】
さらに、前記の如くガイド部が係止片と共にバンパーセット部材に突設されているので、ガイド部を設けたことによってバンパーの部品点数が増加することはなく、さらに、バンパーセット部材をバンパー本体に取り付けるだけで、係止片とガイド部とが正確な位置に同時に組み付けられるので、製造工数が増加することもなく、これにより、バンパーの製造コストが高騰することはない。
【0014】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、バンパーセット部材には、バンパー本体を車体構成部材に取り付けるに際し、仮置き部材に形成された嵌合部着脱自在に嵌合してバンパー本体を仮置きした状態で位置決めする仮置き位置決め用被嵌合部を車体側に向けて一体に突設する構成とする。
【0015】
この構成によれば、例えば、車体組み立てラインでバンパー本体をロボットにより自動搭載するようにした場合、予めバンパー本体が仮置き部材に位置決めされているため、ロボットによるバンパー本体の支持位置がずれず、該バンパー本体が車体の所定位置に正確に移動され、よって、係止片の爪部を車体構成部材の係止孔に確実に係止させることができる。
【0016】
また、仮置き位置決め用被嵌合部が、係止片を一体に有するバンパーセット部材に一体に突設されているので、仮置き位置決め用被嵌合部をバンパーセット部材と別体にした場合に比べて、前記係止片に対する仮置き位置決め用被嵌合部の取付位置が高精度となり、係止片の爪部の係止孔への挿入がさらに確実となり、かつ、仮置き位置決め用被嵌合部を設けたことによって部品点数は増えずバンパーの製造コストが高騰することはない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図2は、本発明に係るバンパー構造を自動車のフロントバンパー1に適用した実施形態を示す。このフロントバンパー1は、樹脂材料からなるフロントバンパー本体3と、樹脂材料からなりフロントバンパー本体3の裏面に固定されたバンパーセット部材5とを備えている。前記フロントバンパー本体3は、図示しないが、自動車の組み立てラインにおいて、自動搭載用ロボットにより前記バンパーセット部材5を介してバンパーレインフォースメント7に取り付けられるようになっている。
【0019】
前記バンパーレインフォースメント7は、図3に仮想線で示すように、鋼板、アルミ製板等を折り曲げ成形して閉断面状に構成されるとともに、前記フロントバンパー本体3の車体側で車幅方向に延びており、その両端が車体のフロントサイドフレーム(図示せず)にそれぞれ固定されるようになっている。このバンパーレインフォースメント7の上面部7aは略水平に延びており、該上面部7aの前記バンパーセット部材5対応箇所には、該バンパーセット部材5の係止片11が係止する係止孔7bが形成されている。該各係止孔7bは、前記上面部7aの車体前後方向略中央部に位置している。
【0020】
また、前記バンパーレインフォースメント7の上面部7aの車体前縁には、略鉛直下側に延びる前面部7cが連なっていて、該前面部7cには、発泡材で構成されたエネルギ吸収部材13が取り付けられている。該エネルギ吸収部材13の上面部13aは、前記バンパーレインフォースメント7の上面部7aと同等高さに位置して略水平に延びており、この上面部13aの車体前縁には下側に延びる前面部13bが連なっている。この実施形態では、前記バンパーレインフォースメント7とエネルギ吸収部材13とによって車体構成部材が構成されている。
【0021】
前記フロントバンパー本体3上端部の車幅方向中央部は、フロントグリル(図示せず)の下縁に対応する形状に形成され、該フロントバンパー本体3上端部には、図4に示すように、車体側へ略水平に延びるフランジ3aが形成されている。前記バンパーセット部材5は、前記バンパーレインフォースメント7とフロントバンパー本体3の上端部との間に位置付けられるように、前記フランジ3aにそれぞれ固定されている。尚、前記バンパーセット部材5は、図2のようにフロントバンパー本体3の車幅方向右側に固定したものを示したが、車幅方向について対称形状とされ、フロントバンパー本体3の車幅方向左側にも同様に固定されているので、車体前方に向かって車幅方向右側のバンパーセット部材5及びその固定構造について説明する。
【0022】
前記フロントバンパー本体3のフランジ3a上面には、図1及び図4に示すように、前記バンパーセット部材5を位置決めするための位置決めピン3bと、該位置決めピン3bの車幅方向両側にそれぞれ位置してバンパーセット部材5をビス(図示せず)により締結固定するためのボス3c,3cとが形成されている。前記位置決めピン3bは、フランジ3aの車体側の縁部よりも車体側へ向けて突設された円柱状とされ、その先端は球面状とされている。一方、前記ボス3c,3cは、車体前後方向に延びる円筒状に形成され、その内方に前記ビスが螺合するビス孔3d,3dがそれぞれ形成されている。
【0023】
前記バンパーセット部材5は、図5に示すように、その下端側で略水平に延びる下側水平面部19と、該バンパーセット部材5の車幅方向の車体内側で前記下側水平面部19から上方へ離れて該下側水平面部19と略平行に延びる第1上側水平面部21と、該第1上側水平面部21から車幅方向外側へ離れて該第1上側水平面部21と同様に延びる第2上側水平面部23とを備えている。図6〜図8にも示すように、前記第1及び第2上側水平面部21,23の車体前後方向の寸法は、前記下側水平面部19の同方向の寸法よりも短くされ、これら第1及び第2上側水平面部21,23の車体側の縁部は下側水平面部19の車体側の縁部よりも反車体側(車体前側)に位置付けられている。
【0024】
前記下側水平面部19の車幅方向の車体内側には、図5に示すように、該下側水平面部19に対して略垂直上側かつ車体前後方向に延びて、前記第1上側水平面部21とともに門型を形成する第1及び第2内側縦面部25,27が車幅方向に並設されている。第1内側縦面部25は、第2内側縦面部27よりも車体側まで延びる一方、第2内側縦面部27は、前記下側水平面部19の車体前後方向略中央部まで延びている。前記第1上側水平面部21の車体側の縁部には、図6にも示すように、そこから垂直上側へ延びて前記フロントバンパー本体3に固定される第1板状固定部29が形成されており、該第1板状固定部29の上下方向略中央には、前記フロントバンパー本体3のボス3cに対応するビス挿通孔29aが車幅方向に長い長円形に形成されている。
【0025】
また、前記下側水平面部19の車幅方向の車体外側には、前記第1及び第2内側縦面部25,27と同様に延びて、前記第2上側水平面部23とともに門型を形成する第1及び第2外側縦面部33,35が車幅方向に並設されており、該第1及び第2外側縦面部33,35は、前記下側水平面部19の車体前後方向略中央部まで延びている。前記第1及び第2外側縦面部33,35の間には、前記下側水平面部19から垂直上側へ延びる中間縦面部37が形成されており、該中間縦面部37は、第1外側縦面部33よりも車体側まで延びている。また、下側水平面部19の車体前縁部には、前記第2内側縦面部27と第1外側縦面部33とを連結するリブ39が形成されている。
【0026】
前記第2上側水平面部23の車体側の縁部には前記第1板状固定部29と同様の第2板状固定部41が形成されており、該第2板状固定部41の上下方向略中央部には、図7及び図8にも示すように、前記フロントバンパー本体3の位置決めピン3b及びボス3cにそれぞれ対応する位置決めピン挿通孔41a及びビス挿通孔41bが並設されている。また、第2外側縦面部35の車体側の縁部には、そこから車幅方向外側へ略鉛直に延びる鉛直面部43が形成されている。
【0027】
前記水平面部19の第2内側縦面部27と第1外側縦面部33との間には、図5に示すように、車体側に開放する略コ字状の切欠19aが形成されており、該切欠19aには、前記係止片11がその車幅方向両側と切欠19aの車幅方向両側との間に隙間19b,19bを有するように車体側へ向けて突設されている。該係止片11は、図3にも示すように、基端がバンパーセット部材5に一体に形成されて該基端を支点として上下に揺動する本体部11aと、該本体部11aの先端から下方へ突出して前記係止孔7bに挿入係止する爪部11bとからなる。該爪部11bの基端は、水平面部19の車体側の縁部と略同一直線上に位置しており、この爪部11bは下側へ向けて車体前側に傾斜している。また、前記係止片11の本体部11a下面の先端側には、前記爪部11bの基端側に連なるコーナリブ11cが形成されている。さらに、前記本体部11aの上面には、車体前後方向に延びる上側リブ11dが突設されている。
【0028】
前記第1内側縦面部25及び中間縦面部37の車体側には、本発明の特徴として、前記係止片11の爪部11bよりも車体側へ向けて突設され前記フロントバンパー本体3をバンパーレインフォースメント7に取り付ける際に前記爪部11bを前記係止孔7bに導くガイド部25a,37aがそれぞれ形成されている。該ガイド部25a,37aの下面には、車体側へ向けて上向きに傾斜する平坦な傾斜面からなる傾斜部25b,37bが形成されている。一方、ガイド部25a,37aの上面は、車体側へ向けて下向きに傾斜しており、よって、これらガイド部25a,37aは車体側へ行くほど上下方向の寸法が短くなっている。
【0029】
前記バンパーセット部材5の鉛直面部43には、フロントバンパー本体3をバンパーレインフォースメント7に取り付けるに際し、該フロントバンパー本体3を組み立てライン側方のパレット(仮置き部材)51に仮置きした状態(図9に示す)で位置決めするための仮置き位置決め用被嵌合部としての仮置き位置決め用ピン53が車体側へ向けて一体に突設されている。該仮置き位置決め用ピン53は、その縦断面が十字状とされ、先端が尖っている。また、図10に示すように、前記鉛直面部43の車体前面には、その下縁及び前記仮置き位置決め用ピン53の対応箇所からそれぞれ車体前側へ突出するリブ55,55が形成されている。
【0030】
一方、前記パレット51は、バンパー支持面51aが略鉛直に延びており、該バンパー支持面51aに前記仮置き位置決め用ピン53を着脱自在に嵌合するための嵌合部としての挿入孔57aを有する一対の筒部材57,57が固定されている。
【0031】
このように構成されたフロントバンパー1を車体に取り付けるには、まず、図1に示すように、フロントパンバー本体3にバンパーセット部材5を固定する。すなわち、フロントパンバー本体3の位置決めピン3bをバンパーセット部材5の位置決めピン挿通孔41aに挿通させた後、バンパーセット部材5の車幅方向両側のビス挿通孔29a,41bにビスを挿通させ、該ビスをボス3c,3cのビス孔3d,3dに螺合させる。
【0032】
次いで、図9に示すように、前記各バンパーセット部材5の仮置き位置決め用ピン53をパレット51の挿入孔57aに着脱自在に嵌合させて仮置き状態で位置決めする。その後、フロントバンパー本体3をロボットにより支持してパレット51から離脱させて組み立てライン上に移動させる。尚、このロボットには、フロントバンパー本体3の表面を負圧により吸引支持する吸盤が設けられ、この吸盤によりフロントバンパー本体3が支持されるようになっている。
【0033】
しかる後、前記フロントバンパー本体3をバンパーレインフォースメント7の車体前側から車体側へ移動させると、バンパーセット部材5の傾斜部25b,37bがエネルギ吸収部材13の上面部13a及びバンパーレインフォースメント7の上面部7aに順に摺接して係止片11の爪部11bが係止孔7bに導かれる。
【0034】
そして、前記爪部11bが係止孔7bに挿入係止してフロントバンパー本体3がバンパーレインフォースメント7に仮止め状態で取り付けられる。この際、フロントバンパー本体3をバンパーレインフォースメント7に仮止めするようにしたので、前記爪部11bが係止する係止孔をエネルギ吸収部材13に形成しなくてもよく、よって、該エネルギ吸収部材13のエネルギ吸収効果が低減することはない。この仮止め後、図示しないが、フロントバンパー本体3の所定箇所を車体に締結することにより、該フロントバンパー本体3が強固に固定される。
【0035】
前記のように、フロントバンパー本体3をロボットに支持させる際には、フロントバンパー本体3が仮置き状態で位置決めされているので、このロボットによるフロントバンパー本体3の支持位置がずれず、フロントバンパー本体3が車体の取付位置に正確に移動され、よって、バンパーセット部材5の爪部11bを係止孔7bに確実に係止させることができる。
【0036】
また、フロントバンパー本体3を車体側へ移動させる際には、ガイド部25a,37aが形成されたバンパーセット部材5がフロントバンパー本体3の車幅方向両側にそれぞれ固定されているので、各爪部11bが係止孔7bに導かれるときにフロントバンパー本体3を安定させることができる。
【0037】
このフロントバンパー本体3の車体側への移動において、バンパーセット部材5の係止片11がバンパーレインフォースメント7の係止孔7bよりも下側にずれていても、ガイド部25a,37aの先端は爪部11bよりも車体側に位置しているので、該爪部11bがエネルギ吸収部材13の前面部13bに接触することはなく、爪部11bの折損を防止することができる。さらに、ガイド部25a,37a下面の傾斜部25b,37bによりバンパーセット部材5の下面をバンパーレインフォースメント7の上面部7aに案内することができるので、係止片11の爪部11bが係止孔7bに導かれて該係止孔7bに確実に係止する。
【0038】
また、前記係止片11が係止孔7bよりも下側にずれている状態でフロントバンパー本体3を車体側へ移動させると、係止片11がガイド部25a,37aにより導かれるときに、フロントバンパー本体3はその上側が下側よりも車体前側に位置するように傾くことになるが、前記フロントバンパー本体3は、前記吸盤により吸引支持されているので、そのフロントバンパー本体3の傾きが吸盤の変形により許容される。これにより、フロントバンパー1を仮置きする際のロボットの動きを車体前後方向の一方向のみとしながら組み付け作業をスムースに行うことができ、よって、フロントバンパー1の組み付け作業性が良好になる。
【0039】
また、係止片11とガイド部25a,37aとがバンパーセット部材5に一体に突設されているので、係止片11とガイド部25a,37aとの相対位置の精度を容易に高めることができて、爪部11bを係止孔7bへより正確に導くことができる。
【0040】
さらに、前記の如く係止片11及び仮置き位置決め用ピン53をバンパーセット部材5に一体に形成するようにしたので、係止片11に対する仮置き位置決め用ピン53の取付位置が高精度となり、係止片11の爪部11bの係止孔7bへの挿入がさらに確実となり、かつ、仮置き位置決め用ピン53を設けたことによって部品点数が増加することはない。さらに、バンパーセット部材5をフロントバンパー本体3に取り付けるだけで、係止片11、ガイド部25a,37a及び仮置き位置決め用ピン53を正確な位置に同時に組み付けることができる。これにより、フロントバンパー1の製造コストが高騰するのを防ぐことができる。
【0041】
尚、この実施形態では、係止片11の車幅方向両側に隣接させてガイド部25a,37aをそれぞれ形成しているが、これに限らず、いずれか一方にのみ形成するようにしてもよい。
【0042】
また、この実施形態では、エネルギ吸収部材13をバンパーレインフォースメント7に取り付けるようにしているが、これに限らず、フロントバンパー本体3の車体側(裏面)に取り付けるようにしてもよいし、エネルギ吸収部材13を省略してもよい。これらの場合、本発明における車体構成部材はバンパーレインフォースメント7のみとなる。
【0043】
また、仮置き用位置決めピン53は、バンパーセット部材5の車幅方向の車体内側に一体に突設するようにしてもよく、バンパーセット部材5の鉛直面部43に前記仮置き位置決め用ピン53に替えて嵌入孔を有する被嵌合部としての筒体を前記ピン53のように突設するとともに、パレット51のバンパー支持面51aに前記筒部材57に替えて、前記嵌入孔に着脱自在に嵌合する嵌合部としての嵌合ピンを突設するようにしてもよい(すなわち、前記実施形態と逆の構造にしてもよい。)。
【0044】
また、この実施形態では、バンパーセット部材5をフロントバンパー本体3の上端部に固定するようにしているが、これに限らず、フロントバンパー本体3の上端部と車体構成部材との間のフロントバンパー本体3の上下方向中間部に固定するようにしてもよい。加えて、バンパーセット部材5はフロントバンパー本体3の車体側に振動溶着等の熱融着により固定するようにしてもよい。
【0045】
さらに、本発明は、車両のリヤバンパーにも適用可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係るバンパー構造によると、バンパーセット部材に、係止片の爪部よりも車体側へ向けて突設され係止片の爪部を係止孔に導くガイド部を形成し、該ガイド部の下面に車体側へ向けて上向きに傾斜する傾斜部を形成したので、バンパー本体を車体構成部材に取り付ける際、係止片が係止孔よりも下側にずれていても、爪部を車体構成部材に接触させることなく係止孔へ正確に導くことができ、よって、爪部の折損を未然に防止して係止孔に確実に係止させることができる。この際、ガイド部を係止片と共にバンパーセット部材に一体に形成したので、バンパーの部品点数が増加することはなく、さらに、係止片とガイド部とを正確な位置に同時に組み付けることができるので、バンパーの製造コストが高騰するのを防ぐことができる。
【0047】
請求項2記載の発明によると、バンパー本体を車体構成部材に取り付けるに際し、仮置き部材の嵌合部に着脱自在に嵌合されてバンパー本体を位置決めする仮置き位置決め用被嵌合部をバンパーセット部材に車体側へ向けて一体に突設したので、例えば、車体組み立てラインでバンパー本体をロボットにより自動搭載する場合、ロボットによるバンパー本体の支持位置がずれず該バンパー本体を所定位置に正確に移動させて係止孔に確実に係止させることができる。また、前記仮置き位置決め用被嵌合部をバンパーセット部材に一体に突設したので、バンパーの製造コストが高騰するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車幅方向右側のバンパーセット部材をフロントバンパー本体に固定した状態を車体側から見た斜視図である。
【図2】フロントバンパーの車幅方向右側の正面図である。
【図3】図1におけるA−A線断面図である。
【図4】フロントバンパー本体のフランジの車幅方向右側を車体側から見た斜視図である。
【図5】車幅方向右側のバンパーセット部材を車体側から見た斜視図である。
【図6】図1におけるB−B線断面図である。
【図7】図1におけるC−C線断面図である。
【図8】図1におけるD−D線断面図である。
【図9】フロントバンパーをパレットに仮置きした状態の平面図である。
【図10】図1におけるE−E線断面図である。
【符号の説明】
1 バンパー
3 フロントバンパー本体
5 バンパーセット部材
7 バンパーレインフォースメント(車体構成部材)
7a 上面部
7b 係止孔
11 係止片
11a 本体部
11b 爪部
13 エネルギ吸収部材(車体構成部材)
25a ガイド部
25b 傾斜部
37a ガイド部
37b 傾斜部
51 パレット(仮置き部材)
53 仮置き位置決め用ピン(仮置き位置決め用被嵌合部)
57a 挿入孔(嵌合部)
Claims (2)
- バンパー本体と、該バンパー本体の裏面に固定され、車体構成部材の略水平な上面部に形成された係止孔に係止する係止片が車体側へ向けて突設されたバンパーセット部材とを備え、前記係止片を前記係止孔に係止させてバンパー本体が車体構成部材に取り付けられるように構成されたバンパー構造であって、
前記係止片は、基端が前記バンパーセット部材に一体に形成されて該基端を支点として上下方向に揺動する本体部と、該本体部の先端から下方へ突出して係止孔に挿入係止する爪部とからなり、
前記バンパーセット部材には、前記係止片の車幅方向に隣接して前記爪部よりも車体側へ向けて突設され前記バンパー本体を車体構成部材に取り付ける際に前記爪部を係止孔に導くガイド部が形成され、該ガイド部の下面には車体側へ向けて上向きに傾斜する傾斜部が形成され、
前記バンパーセット部材は、前記車体構成部材とバンパー本体の上端部との間に位置付けられていることを特徴とするバンパー構造。 - 請求項1において、
バンパーセット部材には、バンパー本体を車体構成部材に取り付けるに際し、仮置き部材に形成された嵌合部に着脱自在に嵌合してバンパー本体を仮置きした状態で位置決めする仮置き位置決め用被嵌合部が車体側に向けて一体に突設されていることを特徴とするバンパー構造。
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