JP4167062B2 - 自己析出皮膜の後処理方法 - Google Patents

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Description

関連出願への言及
本願は2000年11月22日に提出された仮出願である米国特許願第60/252,799の優先権を主張する出願であり、該仮出願の開示をここに言及によってその全体において加入する。
本発明は金属基体上の自己析出皮膜の耐食性を、該基体の表面に改質された(modified)リン酸塩になると思われるものを形成するために水性後処理液(aqueous
rinse solution)を用いる後浴処理(post-bath rinse)によって向上させる方法に関する。より特定的には、本発明は金属基体上の自己析出皮膜の耐食性を第II族A及び/又は第II族Bの金属カチオン、及びリン酸アニオンを含有する水性後処理液を用いて向上させる方法に関する。
最近20〜30年に亘って、この分野で通常自己析出塗料と称せられる種々の金属表面用水性塗料が開発されてきた。これらの塗料は硬化したときに保護皮膜を形成することができる樹脂のエマルジョン(ラテックス)もしくは分散液を使用する。該皮膜は通常該金属表面を該樹脂エマルジョンもしくは分散液、酸、及び酸化剤を含有する浴中に浸漬して最初は湿った粘着性の皮膜を形成させることによって適用される。該皮膜の厚さは、例えば、全固体、pH及び酸化剤濃度等の因子によって影響を受ける。皮膜厚さは浸漬時間の関数でもある。最初の湿った皮膜は金属表面に付着して残るのに十分なほど粘着性であり、通常の重力の影響に逆らって該金属表面上に形成され、また、必要とあれば、加熱によって硬化して該湿潤皮膜を乾燥した固体のむしろより粘着性の皮膜に変換する前にすすぐ(rinse)ことができる。しかしながら、このようにして形成された皮膜は金属基体に対して、例えば、標準的な循環腐食試験(standard
cyclic corrosion testing)によって測定した場合に、腐食に対する十分な耐性を必ずしも提供しない。これらの皮膜は必ずしも安定ではなく、加熱蒸気、沸騰水又は塩水噴霧にさらした場合に層状に剥離する(delaminate)可能性がある。
ある種の自己析出皮膜の耐食性は、粘着した皮膜を、硬化前に、クロムイオンを含有する水溶液中で後処理する(rinse)ことによってかなり向上させることができる。しかし、満足できる皮膜を得るにはかなりのクロムイオン濃度を必要とする。クロム化合物は一般に高価でかつ毒性が高いので、クロム後処理工程は経済的及び環境的観点から望ましくない。
上述の自己析出塗料組成物及び後処理液手順の例は特許文献1〜11により十分に記載されており、それらの各々をここに言及によってその全体において加入する。
これらの先行方法及び組成物は意図された目的のために適度に有効であるが、改良された塗装方法に対する業界の要望は常にある。
米国特許第3,063,877号明細書 米国特許第3,585,084号明細書 米国特許第3,592,699号明細書 米国特許第3,647,567号明細書 米国特許第3,791,431号明細書 米国特許第4,030,945号明細書 米国特許第4,186,226号明細書 米国特許第3,795,546号明細書 米国特許第4,636,265号明細書 米国特許第4,636,264号明細書 米国特許第4,800,006号明細書
本発明は自己析出皮膜の耐食性を向上させる方法に関する。より特定的には、本発明は金属表面で改質された金属リン酸塩になると考えられるものを形成させる後処理液を用いることによって、自己析出皮膜の耐食性を向上させる方法に関する。
本発明は、1つの態様において、密着した硬化自己析出皮膜を有する金属表面の耐食性を向上させる方法に関する。該方法は金属表面上に存在する未硬化自己析出皮膜を、有効な量の、少なくとも1つの第II族A又は第II族Bの金属カチオン、及び少なくとも1つのリン酸イオン供給源(phosphate source)を含有する水性後処理液と接触させることを特徴とする。
かくして、本発明は、その1つの面において、自己析出皮膜の耐食性を、硝酸カルシウム及びリン酸イオン供給源を含有する後処理液を用いて向上させる方法を提供する。
本発明は、別の面において、自己析出皮膜の耐食性を、アルカリ土類金属カチオン及びリン酸を含有する後処理液を用いて向上させる方法を提供する。
本発明は、別の面において、自己析出皮膜の耐食性を、亜鉛カチオン及びリン酸イオン供給源を含有する後処理液を用いて向上させる方法を提供する。
本発明は、さらなる面において、自己析出皮膜の耐食性を、アルカリ土類金属化合物、リン酸、及びヒドロキシルアミン等の促進剤を含有する後処理液を用いて向上させる方法を提供する。
本発明は、さらに別の面において、樹脂がエポキシ樹脂、アクリル樹脂、又はエポキシ樹脂とアクリル樹脂との組合せよりなる上述の方法を提供する。
本発明は、別の面において、該後処理工程を該未硬化自己析出皮膜と接触中約20℃〜約100℃の温度に維持する上述の方法を提供する。
本発明は、さらなる面において、該後処理液が約2〜約300mM/Lの第II族A及び第II族Bの金属カチオン濃度、及びリン酸イオン供給源を含有し、かつ約3.5〜約4.0のpHを有する上述の方法を提供する。
本発明は、別の面において、該後処理液が約10〜約1000mM/Lのリン酸イオン濃度を有する上述の方法を提供する。
本発明は、別の態様において、金属基体上に自己析出した樹脂(好ましくはエポキシ樹脂、アクリル樹脂又はエポキシ−アクリルブレンド樹脂)の耐食性を向上させる方法であって、
(a)該金属基体を、エマルジョン形態の樹脂及び自己析出促進剤を含有する自己析出浴と目的とする厚さ(一般に、約5〜約40μm)の樹脂層が該金属基体上に自己析出するまで接触させ、
(b)自己析出した樹脂層を有する該金属基体を、約0.05〜約5質量%(より好ましくは約0.1〜約1質量%)の硝酸カルシウム、約0.1〜約5質量%(より好ましくは約0.3〜約1質量%)のリン酸、及び約0.05〜約5質量%(より好ましくは約0.1〜約1.0質量%)のヒドロキシルアミンを用いて調製した、クロムイオンを含有しない水溶液(後処理液)を用いて、約20〜約100℃の温度及び約3.5〜約4.0のpHで、該樹脂の耐食性を向上させるのに有効な時間後処理し、ついで
(c)後処理工程(b)の後の該金属基体上の自己析出皮膜の層を硬化させる
ことを特徴とする方法を提供する。
ここに記述した方法はいかなるタイプであれクロム化合物の使用を必要としないにも拘らず、驚くべきことに、腐食から金属基体を保護するのに非常に有効な皮膜を、非常に厳しい環境条件下でも与える。さらに、本発明方法を用いることによって非常に高い品質の皮膜を容易に得ることができる(すなわち、硬化自己析出皮膜の外観は該後処理によって悪影響を受けない)。本発明方法の別の利点は該基体と該後処理液との接触は、該基体表面に該皮膜が析出した後に行うので、自己析出工程を通常行う方法と同様にして行うことができることである。すなわち、理論的には、自己析出前に、該金属基体表面上にリン酸塩化成皮膜を形成させるために、該基体の表面をリン酸塩処理溶液で処理することが可能であるが、かかるリン酸塩化成皮膜は該基体表面への該樹脂の目的とする析出を妨害しその結果該自己析出条件のかなりの再調整を余儀なくさせる恐れがある。かかるリン酸塩処理工程を、該基体表面に自己析出皮膜を形成させた後に、有効に行うことができることは予期せざることであった。なぜなら、該金属表面を被覆する自己析出皮膜を有する該金属表面の反応が進行するかどうか、及び仮に進行したとしても、自己析出樹脂の硬化後に、硬化した皮膜の外観及び他の性質に悪影響を及ぼさないかどうかはまったく未知であったからである。
本発明の上述した面及び他の目立った特徴は本発明の以下の詳細な説明の下に当業者に明らかになるであろう。
本発明は新規な後処理液を用いて自己析出皮膜の耐食性を向上させる方法に関する。該後処理液は該被覆金属基体と、該皮膜を硬化させる前に、接触させて、該金属基体表面上で、第II族A又は第II族B金属で改質した金属リン酸塩化合物になると思われるものを形成させる。
本発明の後処理液は腐食を抑制する量の第II族A及び/又は第II族B金属カチオン供給源、及び処理される基体金属との錯体を形成することができるリン酸イオン供給源を含有する酸性水溶液である。一般に、第II族A又は第II族B金属カチオン供給源は水溶性化合物である。リン酸イオン供給源は該水性後処理液に、目的とする金属リン酸塩層を酸性媒体中で該基体金属上に形成するのに十分な量のリン酸アニオンを供給できる化合物である。完全に判明しているわけではないが、該新規後処理液は該金属基体の表面に第II族A又は第II族B金属で改質したリン酸塩を形成すると考えられる。得られるリン酸塩化合物は自己析出皮膜の腐食抑制作用を著しく向上させることが見出された。
本発明方法の適用によって腐食からより良く保護され得る金属基体は、鉄、スズ、ニッケル、鉛、クロム、亜鉛、アルミニウム、又はそれらの合金、特に鋼(例えば、冷間圧延鋼、、亜鉛めっき鋼)、並びにこれらの金属もしくは合金の1つで被覆した表面を包含する。
該金属基体の表面に自己析出させるのに適した有機樹脂は、多数の刊行物から公知である、エマルジョン(ラテックス)もしくは分散液形態の種々の樹脂物質を包含する。多価フェノール(例えばビスフェノールA)のグリシジルエーテル等のエポキシ樹脂をベースにした樹脂は本発明での使用に特に適している。エポキシ樹脂エマルジョンは、1以上のエポキシ樹脂に加え、架橋剤、硬化剤(curatives)、乳化剤、凝集溶媒(coalescing solvents)、促進剤成分(accelerator
components)、活性化剤等を含有できる。適当なエポキシ樹脂ベース自己析出塗料系は、例えば、米国特許第4,233,197号明細書、米国特許第4,180,603号明細書、米国特許第4,289,826号明細書、米国特許第4,859,721号明細書、米国特許第5,500,460号明細書、米国特許第6,096,806号明細書、及び米国特許願第09/578,935号明細書(出願日:2000年5月25日)及び米国特許願第09/964,181号明細書(出願日:2001年9月25日)に記載されており、それらの各々をここに言及によってその全体において加入する。他の適当な樹脂はポリエチレン、ポリアクリレート(アクリル重合体)、スチレン−ブタジエン共重合体、フェノール系及びノボラック樹脂(phenolic
and novolac resins)、ウレタン類、ポリエステル、塩ビニル単独及び共重合体、塩化ビニリデン単独及び共重合体等を包含する。
アクリル樹脂(重合体)も本発明の塗料中の成分として用い得る。成分として用いられるアクリル樹脂は、一般に、安定な(例えば非凝集性の)自己析出浴を提供するが、自己析出促進剤の存在下に金属表面と接触させたときに、活性金属の表面にアクリル樹脂よりなる粘着性の自己析出皮膜を形成し得る、場合によって1以上の非アクリル系単量体と組み合わせた、1以上のアクリル系単量体の重合によって得られる高分子物質として定義し得る。適当なアクリル系単量体の非排他的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸及びメタクリル酸のエステル(特にC−Cアルキルエステル)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。かかるアクリル系単量体と共重合させることができる非アクリル系単量体の非排他的な例として、スチレン等のビニル芳香族単量体、重合性エチレン性モノ不飽和単量体、重合性ビニレン性多不飽和単量体(polymerizable vinylenically polyunsaturated monomers)、酢酸ビニル等のカルボン酸のビニルエステル、等が挙げられる。本発明での使用のために選ばれるアクリル樹脂は、分散もしくはラテックス形態(すなわち、水性媒体中に安定に分散させた微粒子)にあるのが好ましい。適当なアクリル樹脂ベース自己析出塗料系は、例えば、米国特許第3,585,084号明細書、米国特許第4,313,861号明細書、米国特許第3,709,743号明細書及び米国特許第4,874,673号明細書、及び米国特許願第09/787,987号明細書(出願日:2001年3月23日)に記載されている。異なる樹脂の組合せ、例えば、エポキシ樹脂とアクリル樹脂の物理的ブレンド(混合物)、及びアクリル−ウレタン組合せ等の化学的に結合させた物質も適当である。
これからさらに詳細に述べるように、第II族A又は第II族Bの金属カチオン、第II族A又は第II族B金属カチオン供給源の濃度、リン酸イオン供給源の濃度、及び後処理温度は、実施例においてそれらについて記載したものから、得られる皮膜の耐食性を実際に向上させるように、変化させ得る。
該樹脂の自己析出のための実際の塗装手順は既知の方法に拠ればよい。該塗装工程に先立って、金属基体を通常の方法で化学的に及び/又は機械的に清浄化するのが好ましい。この種の方法は米国特許第3,791,431号明細書、米国特許第4,186,219号明細書、米国特許第4,414,350号明細書に記載されており、それらのすべてをここに言及によってその全体において加入する。適当な塗装方法を開示する他の多くの特許が当業者に知られている。必要とあれば、該未硬化の皮膜を、実際の塗装工程の直後でかつ本発明の後処理液での後処理の前に、水単独ですすいでもよい。
該後処理液中に存在する第II族A及び第II族B金属カチオン供給源は水溶性の第II族A又は第II族B金属化合物によって供給し得る。異なる第II族A及び/又は第II族B化合物の混合物を用い得る。好ましい態様においては、第II族A又は第II族B化合物はカルシウム又は亜鉛化合物であるのが好ましい。第II族A化合物を用いる場合には、アニオン部分は硝酸イオンである。理由は十分に解明されてはいないが、硝酸カルシウムが、特に酸性環境下でのリン酸イオン供給源の存在下で、自己析出皮膜の耐食性を向上させるのに特に有効であることが判明した。他の好適なアルカリ土類金属化合物の例として、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、硝酸バリウム、酢酸バリウム及び安息香酸マグネシウムが挙げられる。さらなる態様において、アルカリ土類金属化合物の混合物を用い得る。アルカリ土類金属化合物は高純度である必要はなく、存在する不純物が硬化皮膜の目的とする耐食性の発達を妨害しないならば、実用もしくは工業等級(technical or industrial grade)の物質をしばしば用いることができる。例えば、Norsk HydroによってNorsk
Hydro CNなる名称の下に販売されている、約80%の硝酸カルシウム、10%の硝酸アンモニウム、1%の硝酸ストロンチウム及び15%の水を含有する硝酸カルシウム顆粒は、水に溶解したときに、ここに記述した後処理方法において非常に有効であることが判明した。
あるいは、該後処理液中の第II族A及び第II族B金属カチオンを、酸等での処理によって可溶性にする水不溶性第II族A及び第II族B金属化合物の使用によって供給することができる。かかる化合物の例として、リン酸カルシウム、酸化カルシウム(石灰)、水酸化カルシウム(消石灰)、炭酸カルシウム、リン酸亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛及び炭酸亜鉛が挙げられる。
該後処理液中の第II族A及び第II族B金属カチオンの濃度は特に臨界的(critical)であるとは思われないが、該表面上に改質した金属リン酸塩を形成させ、かつ得られる基体の耐食性を向上させるのに十分な量を存在させる必要がある。この最少量はリン酸イオン供給源、使用する樹脂組成(the
resin composition used)、選んだ金属カチオン供給源、後処理温度、後処理の継続時間等によって変化するが、最少限度の実験によって容易に決定することができる。通常、約0.05〜約5質量%(より好ましくは約0.1〜約1質量%)の第II族A及び/又は第II族B金属化合物の合計濃度であれば十分である。表現を変えると、該後処理中の第II族A及び/又は第II族B金属カチオン濃度は、通常、約2〜約300mM/L(より好ましくは約5〜約100mM/L)に亘る。一般に、該後処理液中のアルカリ土類金属カチオン濃度及び/又はリン酸イオン濃度か増すにつれてより良好な耐食性が得られる。しかし、高いアルカリ土類金属レベルでは、流体や溶媒に対する耐性及び皮膜の外観が悪影響を受ける恐れがある。本発明の水性後処理液は硝酸イオンを約0.01〜約2.0質量%(より好ましくは約0.03〜約1.5質量%)の濃度で含有するのが好ましい。
該リン酸イオン供給源は、改質された、金属基体との金属リン酸塩を形成させるのに十分な量で該後処理液中に存在させる。本発明の好ましい態様においては、基体金属は鉄又は鋼であり、その結果後処理液は、該鉄又は鋼基体上に第II族A又は第II族B金属で改質したリン酸鉄であると考えられるものを形成する。
リン酸アニオンは+5価の状態にあるリンのオキシ酸、又はそれらの水溶性塩によって該後処理液に供給できる。米国特許第4,636,265号明細書の教示に反して、耐食性の満足すべき向上を達成するために、該後処理液中で金属ホスフィン酸塩を使用することは必要とされない。かくして、本発明の好ましい態様においては、該後処理液は金属ホスフィン酸塩を含有しない。好ましい態様においては、リン酸イオン供給源はリン酸(例えば、メタ及び/又はオルトリン酸)又はポリリン酸等の縮合リン酸である。その理由は、かかる物質(species)は商業上容易に入手でき、水性後処理液に容易に溶解し、安定な溶液を形成するのに十分なpHを与えるからである。通常、リンのオキシ酸は、pHを約2.5〜約4.2、好ましくは約3.5〜約4.0(第II族A又は第II族B金属がカルシウムの場合)及び好ましくは約2.8〜約3.8(第II族A又は第II族B金属が亜鉛の場合)に維持する量で後処理液に加える。有効なpHの上限は後処理液中に存在する種々の物質(species)の溶解度によって決定される。例えば、リン酸カルシウム又はリン酸亜鉛はpHが高すぎると溶液から沈殿し始める恐れがある。後処理液の最終pHは、目的とするpHを得るのに必要な程度に、酸又は塩基を添加することによって調整できる。水酸化アンモニウム及びアンモニアはpHを上げるための好ましい塩基である。
別の態様においては、リン酸イオン供給源は水に可溶性であるか酸性溶液中で可溶性化し得る金属リン酸塩もしくはアルカリ土類金属リン酸塩であることができる。ある態様においては、該リン酸イオン供給源はアルミニウム、亜鉛、カルシウム、鉄及びそれらの混合物等の金属もしくはアルカリ土類金属のリン酸塩であることができる。かくして、かかる金属リン酸塩は第II族A又は第II族B金属カチオン、及びリン酸アニオンの供給源として機能し得る。ただし、リン酸イオン供給源は後処理液中で不溶性沈殿を生じるべきではなく、また金属基体の皮膜形成を妨害すべきではない。
本発明の通常の態様においては、水性後処理液中のPOとして計算したリン酸イオン濃度は約10〜約1000mM/L(より好ましくは、約40〜約250mM/L)である。別の言い方をすると、水性後処理液中のリン酸イオン濃度は約0.05〜約5質量%(より好ましくは、約0.5〜約2.5質量%)である。
後処理液に添加する酸の量は後処理液中のリン酸イオン供給源及び目的とするリン酸イオン濃度に幾分依存する。後処理液中のある成分の沈殿を避けるため、後処理液は酸性pH域に、好ましくは約4.2以下のpHに維持するのが好ましい。さらに、本発明の範囲内の少なくともある態様のために、後処理液は、約3.5以上のpHに維持するのが好ましいことが見出された。その理由は少なくとも3.5のpHはより良い品質の硬化自己析出皮膜の生産を促進させるからである。かかる条件下で、例えば、約3.5より低いpHの後処理液の使用は、特定のエポキシ樹脂を用いて製造した自己析出皮膜における膨れ(blisters)、ピンホール及び他の欠陥を生じさせる傾向がある。
リン酸イオン供給源が金属リン酸塩である場合には、該後処理液のpHを目的とする酸性領域に維持するのに使用する酸成分は、金属基体表面上での第II族A又は第II族B金属で改質したリン酸塩の生成を妨害せず、該基体表面上に析出した自己析出皮膜に悪影響を与えない限り、いかなる酸であってもよい。適当な酸の例として、塩酸、硝酸及び硫酸が挙げられる。必要なpHを維持できるカルボン酸等の種々の有機酸も使用し得る。
該後処理液を調製するのに使用する酸成分の濃度は、種々の因子中、特定の酸の強度、及び他の成分の濃度及び酸−塩基性によって変化し得る。通常、酸成分は約100〜約5000meq/L、好ましくは約400〜約2000meq/Lの濃度で存在させる。ある態様においては、後処理液は約0.4〜約2.0質量%のリン酸を用いて3.5〜4.0のpHを与えることにより調製する。
ある好ましい態様においては、基体金属は鋼であって、これを0.1〜1質量%の硝酸カルシウム、0.4〜2質量%のリン酸、及び0.1〜1.0質量%のヒドロキシルアミンを用いて調製され、3.5〜4.0のpHを有する水性後処理液を用いて後処理する。かかる後処理液中のリン酸イオンは、該基体表面上のカルシウム改質リン酸鉄の皮膜を析出させるリン酸二水素カルシウムの形態で主として存在していると思われる。
他の好ましい態様においては、基体金属は鋼であって、これを0.1〜1.0質量%の酸化亜鉛、0.5〜2.5質量%のリン酸、及び0.1〜1.0質量%の硝酸ナトリウムを用いて調製され、2.8〜3.8のpHを有する水溶液を用いて後処理する。
好ましい態様においては、ヒドロキシルアミン、又はヒドロキシルアンモニウム塩、ヒドロキシルアミン前駆体等のヒドロキシルアミン供給源などの促進剤を、後処理液の性能を向上させるために含有させる。促進剤は該溶液中で酸化剤として機能し、該金属の溶解及び金属リン酸塩の生成を助ける。促進剤は、例えば、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアンモニウム塩、亜硝酸塩、モリブデン酸塩、塩素酸塩、オキシム類、過酸化物、過硫酸塩、ニトロ芳香族化合物(例えば、ニトロベンゼンスルホン酸塩)、又はそれらの混合物よりなる群から選ぶことができる。具体的例としては、ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン、亜硝酸ナトリウム、及びメタニトロベンゼンスルホン酸が挙げられる。
促進剤は任意成分であるが、一般に後処理液中に入れるのが好ましい。しかし、塩素酸ナトリウム等のナトリウム含有促進剤は他の促進剤と比して好ましさの程度が低い。その理由はそれらが幾分水に対して敏感になる恐れがあるからである。促進剤としては金属リン酸塩皮膜の生成に非常に協力的である(amenable)ものが好ましい。
使用する場合、促進剤は、通常、約0.05〜約5質量%、好ましくは約0.1〜約1質量%の濃度で存在させる。別の表現をすると、促進剤濃度は、通常、約10〜約3000mM/L、より好ましくは約20〜約600mM/Lである。
耐食性の著しい向上(significant improvement)を得るのに必要ではないが、第II族A又は第II族B金属供給源、リン酸イオン供給源、及び任意的な促進剤以外の他の物質を水性後処理液中に存在させることができる。例えば、水性後処理液は、マンガン、ニッケル、コバルト、銅等の2価金属カチオンを含有し得る。ある好ましい態様においては、水性後処理液は、ニッケル及びマンガンカチオンを含有する。この態様においては、Niは約500〜約1500ppmの濃度で存在させるのが好ましく、Mnは約100〜約1000ppmの濃度で存在させるのが好ましい。フッ素イオン(遊離及び/又は錯化形態)も存在させ得る(通常、全フッ素イオン濃度:100〜5000ppm)。本発明の主たる利点は該後処理液中にクロム化合物を存在させる必要がないことである。好ましい態様においては、後処理液はクロムを含有しない。
本発明方法においては、上述した、未硬化樹脂で自己析出被覆した金属基体を、第II族A及び/又は第II族B金属カチオン供給源、リン酸イオン供給源、及び任意的な促進剤を含有する後処理液と、既知の方法にしたがって接触させる。例えば、金属基体を後処理液中に浸漬(immerse)もしくはどぶづけ(dip)したり、該金属基体に該溶液を噴霧処理したり、該金属基体に該溶液をロール塗装したり、又は該金属基体を噴霧/どぶづけ手順を組み合わせて処理したりすることができる。望まれる場合には、多段階後処理(multiple
rinse)も行うことができる。処理の持続時間は、通常、数秒から数分であって、約30秒〜約5分が好ましく、約60秒〜約120秒が特に好ましい。該処理中、該溶液は、一般に、約20〜約100℃の温度に維持する。未硬化樹脂がエポキシ樹脂からなる場合には、該溶液の温度は約48〜約55℃であるのがより好ましい。後処理液のpHは満足な品質(例えば、最少の、膨れ、ピンホールもしくは他の欠陥の生成)の硬化皮膜を提供し、後処理液のいかなる成分の沈殿も避けるのに有効な範囲に維持する。後処理液を、例えば、連続的な工業的操作において使用しているうちに、後処理液を周期的に補給して、消費されている後処理液成分を補給することが必要もしくは好ましくなるかもしれない。
該後処理工程の後、被覆金属基体を特定の塗料組成物のための適当な方法によって硬化処理に付す。一般にさらに水単独ですすぐことは望ましくない。その理由はかかるすすぎによって、本発明の後処理によって得られる耐食性の向上が低下する(degrade)傾向があるからである。硬化は公知の方法によって、例えば高められた温度(例えば、約50〜約300℃)で加熱する(好ましくは焼き付ける)ことによって行うことができる。特定の最適硬化温度は、種々の因子中、該皮膜のために用いられる樹脂、架橋剤、凝集剤(coalescent)のタイプに依存するが、標準的実験手法によって容易に決定し得る。
自己析出被覆した基体を、硬化処理に付す前に、該新規後処理液と接触させることによってより安定な皮膜が得られることが判明した。得られる被覆基体は過熱蒸気や沸騰水を初めとする高度に腐食性の/高温の環境に対して向上した耐性を有している。例えば、鋼基体上のエポキシ樹脂ベース自己析出皮膜は、硝酸カルシウム、リン酸及びヒドロキシルアミンを含有する後処理液で後処理したとき、166℃の過熱蒸気に30分さらしたときの耐性において向上していることが判明した。また、沸騰水に3〜6時間さらしたときに密着性の低下(loss)は起こらなかった。対照的に、リン酸イオン供給源を含有しない硝酸カルシウム水溶液で後処理した皮膜についての同様な試験においては、酷い膨れ及び層剥離が生じた。特定の理論に縛られることを望む訳ではないが、本発明方法で使用する後処理はアルカリ土類金属カチオン、基体金属、及びリン酸イオンから形成される保護析出皮膜を生じさせると考えられる。該後処理は第II族A又は第II族B金属で改質した、基体金属のリン酸塩を形成すると考えられる。ある態様において、該後処理液は該基体の表面でカルシウム改質リン酸鉄であると考えられるものを形成する。他の態様においては、該後処理液は該基体の表面で亜鉛改質リン酸鉄であると考えられるものを形成する。
実施例1
エポキシ樹脂、架橋剤、凝集溶媒(coalescing solvent)及び界面活性剤を含有し、100〜300nmの粒径を有するエポキシ分散液を米国特許第6,096,806号明細書に記載された手順に従って調製できる。
(ACT Laboratories, Inc.によって供給される)CRS(冷間圧延鋼)試験板(panel)
を通常のアルカリ性清浄化剤を用いて清浄化し、上述のエポキシ分散液の浴を用いて塗装する前に、水ですすぐことができる。清浄化した試験板を塗装浴中に周囲温度で約90秒間浸漬する。該塗装浴は15質量%の該エポキシ分散液(浴固形分:約6%)、0.18質量%のフッ化第二鉄、0.23質量%のフッ化水素酸、0.52質量%のカーボンブラック(AQUABLACK
255A)、及び84.07質量%の脱イオン水を含有することができる。
未硬化皮膜はまず水道水浴中ですすぎ、ついで0.3質量%の硝酸カルシウム、1.2質量%のリン酸、及び0.4質量%のヒドロキシルアミンを含有し、約3.5〜約4.0のpHを有する水性後処理液中に60〜120秒間浸漬する。後処理温度は約48〜約55℃に維持する。塗装され、後処理した試験板はついで185℃で40分間硬化させる。
硬化皮膜試験板は、過熱蒸気に華氏330度(約166℃)で30分さらし、ついで沸騰水に3〜6時間さらした後に、クロスハッチ(斜交/直交平行線模様)密着性試験(cross-hatch adhesion test)(ASTM D3359)に付した場合に、密着性の低下又は硬化皮膜の膨れを示さないことが期待される。
実施例2
ACT CRS試験板を実施例1に記述したようにして、エポキシ分散液で塗装した。未硬化自己析出皮膜を有する試験板を水道水ですすぎ、ついで0.41質量%の酸化亜鉛、1.09質量%のリン酸、及び0.3〜0.55質量%の亜硝酸ナトリウムを用いて調製し、約64〜68℃に維持した水性後処理液中に150〜200秒間浸漬した。該後処理液は25(±1)ポイントの全酸及び4(±1)ポイントの遊離酸を含有していた。
後処理後、塗装試験板を185℃で40分間硬化させた。塗装し、硬化させた試験板を中性塩水噴霧試験(ASTM B117)に504時間付した。5〜6のASTM評価(rating)が得られた。
実施例2A(対照)
未硬化自己析出皮膜を有する試験板を、実施例2で用いた水性後処理液の代わりに、50〜55℃に維持した脱イオン水中に浸漬したことを除いて、実施例2を繰り返した。このようにして調製した、塗装し、硬化させた試験板のASTM評価はわずかに1〜2であった。このことはかかる試験板が、本発明に従って調製した試験板(実施例2)に比し、はるかに劣った耐食性しか有さないことを示している。
実施例3
ACT CRS試験板を(米国特許第6,096,806号明細書に従って調製した)エポキシ分散液とアクリルエマルジョンとの混合物(ブレンド)よりなる自己析出組成物で塗装した。未硬化自己析出皮膜を有する試験板を水道水ですすぎ、ついで1.2質量%のリン酸、0.3質量%の硝酸カルシウム、及び0.4質量%のヒドロキシルアミンを用いて調製し、約48〜52℃に維持した水性後処理液(pH3.5〜4.0)中に60〜90秒間浸漬した。このようにして後処理した硬化試験板についての中性塩水噴霧試験評価(ASTM B117)は7であった。
実施例3A(対照)
未硬化自己析出皮膜を有する試験板を、実施例3で用いた水性後処理液の代わりに、50〜55℃に維持した脱イオン水中に浸漬したことを除いて、実施例3を繰り返した。得られた硬化した、塗装試験板のASTM評価はわずかに1〜2であった。このことは本発明に従う溶液(実施例3)を用いた場合に、耐食性が大幅に向上したことを示している。
実施例4
ACT CRS試験板を、NEOCRYL XY 64アクリル−スチレン共重合体エマルジョン(NeoResins
division of Aveciaの製品)をベースにした自己析出組成物で塗装した。未硬化自己析出皮膜を有する試験板を水道水ですすぎ、ついで0.41質量%の酸化亜鉛、1.09質量%のリン酸、及び0.3〜0.55質量%の亜硝酸ナトリウムを用いて調製し、約64〜68℃に維持した水性後処理液中に150〜200秒間浸漬した。該後処理液は25(±1)ポイントの全酸及び4(±1)ポイントの遊離酸を含有していた。
後処理後、塗装試験板を125℃で30分間硬化させた。塗装し、硬化させた試験板を中性塩水噴霧試験(ASTM B117)に504時間付した。ASTM評価は5〜6であった。
実施例4A(対照)
未硬化自己析出皮膜を有する試験板を、実施例4で用いた水性後処理液の代わりに、50〜55℃に維持した脱イオン水中に浸漬したことを除いて、実施例4を繰り返した。このようにして調製した、塗装し、硬化させた試験板のASTM評価はわずかに1〜2であった。このことはかかる試験板が、本発明に従って調製した試験板(実施例4)に比し、はるかに劣った耐食性しか有さないことを示している。
実施例5
ACT CRS試験板を、NEOCRYL XY 64アクリル−スチレン共重合体エマルジョンをベースにした自己析出組成物で塗装した。未硬化自己析出皮膜を有する試験板を水道水ですすぎ、ついで1500〜2000ppmのZn、800〜1200ppmのNi、300〜500ppmのMn、1.4〜1.7質量%のリン酸イオン、0.9〜1.1質量%の硝酸イオン、及び500〜1500ppmの全フッ素イオンを含有し、約35〜40℃に維持した水性後処理液中に150〜300秒間浸漬した。該後処理液は22(±2)ポイントの全酸及び0.3〜0.7ポイントの遊離酸を含有していた。
後処理後、塗装試験板を125℃で40分間硬化させた。塗装し、硬化させた試験板を中性塩水噴霧試験(ASTM B117)に504時間付した。ASTM評価は5〜6であった。
実施例5A(対照)
未硬化自己析出皮膜を有する試験板を、実施例5で用いた水性後処理液の代わりに、50〜55℃に維持した脱イオン水中に浸漬したことを除いて、実施例5を繰り返した。このようにして調製した、塗装し、硬化させた試験板のASTM評価はわずかに1〜2であった。このことはかかる試験板が、本発明に従って調製した試験板(実施例5)に比し、はるかに劣った耐食性しか有さないことを示している。
本発明を実証するために種々の態様を選んだが、特許請求の範囲に記載した発明の範囲を逸脱することなしに種々の変更が可能であることは当業者にとって容易に理解されるであろう。

Claims (23)

  1. 密着した硬化自己析出皮膜を有する金属表面の耐食性を向上させる方法であって、該金属表面上に存在する未硬化自己析出皮膜を、第II族A又は第II族Bよりなる群から選ばれる金属カチオン2〜300mM/L、リン酸イオン10〜1000mM/L及び硝酸アニオン0.01〜2質量%を含有する酸性の水性後処理液と接触させることを特徴とする方法。
  2. 該水性後処理液がカルシウムカチオンを含有する請求項1記載の方法。
  3. 該水性後処理液が亜鉛カチオンを含有する請求項1又は2記載の方法。
  4. 該水性後処理液がさらに少なくとも1つの促進剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 該促進剤がヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアンモニウム塩及び亜硝酸塩よりなる群から選ばれる請求項記載の方法。
  6. 該促進剤の濃度が10〜3000mM/Lである請求項4又は5記載の方法。
  7. 該未硬化自己析出皮膜がエポキシ樹脂、アクリル樹脂及びそれらの組合せよりなる群から選ばれる少なくとも1つの樹脂を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 該水性後処理液がクロムイオン及びホスフィン酸イオンを含有しない請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 該水性後処理液が3.5以上のpHを有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 該接触工程の後で、該自己析出皮膜を硬化させる請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 鋼表面の耐食性を向上させる方法であって、
    a)該鋼表面を未硬化エマルジョンもしくは未硬化分散液形態の樹脂及び自己析出促進剤を含有する自己析出浴と目的とする厚さの樹脂層が該鋼表面上に自己析出するまで接触させ、
    b)自己析出した樹脂層を有する該鋼表面を、クロムイオン及びホスフィン酸イオンを含有せず、耐食性を付与するのに有効な量の少なくとも1つの第II族A又は第II族B金属カチオン供給源及び少なくとも1つのリン酸イオン供給源を含有する酸性水溶液(水性後処理液)で後処理し、及び
    c)該鋼表面上に自己析出した樹脂層を硬化させる
    ことを特徴とする方法。
  12. 第II族A又は第II族B金属カチオン供給源の少なくとも一部として硝酸カルシウムを用いる請求項11記載の方法。
  13. 該水性後処理液がさらにヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアンモニウム塩、亜硝酸塩、モリブデン酸塩、過酸化物、過硫酸塩、塩素酸塩、ニトロ芳香族化合物及びそれらの混合物よりなる群から選ばれる促進剤を含有する請求項11又は12記載の方法。
  14. 該促進剤がヒドロキシルアミン又はヒドロキシルアンモニウム塩である請求項13記載の方法。
  15. 該樹脂がエポキシ樹脂、アクリル樹脂及びそれらの組合せよりなる群から選ばれる少なくとも1つの樹脂よりなる請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 該水性後処理液が0.01〜2質量%の硝酸イオンを含有する請求項11〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 該水性後処理液が3.5以上のpHを有する請求項11〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 第II族A又は第II族B金属カチオンの濃度が2〜300mM/Lである請求項11〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 該水性後処理液を硝酸カルシウム及びリン酸を用いて調製し、該水性後処理液が3.5以上のpHを有する請求項11〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 密着した硬化自己析出皮膜を有する金属表面の耐食性を向上させる方法であって、
    1)該金属表面上に存在する未硬化自己析出皮膜を、
    a)水、
    b)第II族A金属カチオン及び第II族B金属カチオンよりなる群から選ばれる1以上の金属カチオン2〜300mM/L、
    c)リン酸イオン10〜1000mM/L、及び
    d)少なくとも1つの促進剤10〜3000mM/L
    を含有する水性後処理液であって、酸性を呈し、クロムイオン及びホスフィン酸イオンを含有せず、接触中20〜100℃の温度に維持した水性後処理液と接触させ、ついで
    2)該未硬化自己析出皮膜を水単独ですすぐことなく硬化させる
    ことを特徴とする方法。
  21. 該水性後処理液がさらに0.01〜2質量%の硝酸イオンを含有する請求項20記載の方法。
  22. 該金属カチオンがカルシウムカチオン、亜鉛カチオン及びそれらの混合物よりなる群から選ばれる請求項20又は21記載の方法。
  23. 該水性後処理液がさらにニッケル、マンガン及びそれらの混合物よりなる群から選ばれるカチオンを含有する請求項20〜22のいずれか1項に記載の方法。
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