JP4166610B2 - 超音波探傷方法および超音波探傷装置 - Google Patents

超音波探傷方法および超音波探傷装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、固体と固体とを接合材を介して接合した接合部材の接合状態を非破壊で検査する超音波探傷方法およびその方法を使用する超音波探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の超音波探傷方法は、超音波ビームを絞った水浸型探傷子を用い、この探傷子を2次元的に走査しながら接合部からの超音波エコーの強さを濃淡に置き換え探傷像を作成し、この像から接合面積を求めることによって接合部を評価するというものである(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
しかし、探傷子を2次元に走査する方法では、検査に時間が掛かり、短時間での評価が要求される場合には適用が困難である。
そこで短時間に評価する超音波探傷方法は、金属製薄板が接合された被検体の表面に遅延材を介して超音波探傷子を配設して、この探傷子から被検体に超音波ビームを入射し、被検体内の欠陥による欠陥エコーを超音波探傷子が受信してその反射回数をカウントし、この反射回数が所定回数以上の場合に剥離状欠陥と判定している(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、一定の厚さを有する一対の部材どうしの境界面での接合部の欠陥の有無を判別する方法であって、一方の部材の表面から接合部に向けて超音波を発射したうえで反射エコーを検出できるようにして、表面エコーの発生から一定時間を経過した後に第1の所定時間だけ第1のゲートを開くとともに、その後に第2の所定時間だけ第2のゲートを開いて、第1のゲートが開いているときの反射エコーのピーク値が第2のゲートが開いているときの反射エコーのピーク値よりも大きく、かつ第1のゲートが開いているときの反射エコーのピーク値が一定の閾値よりも大きいときに欠陥が存在すると判別している(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【非特許文献1】
山本光男、他1名、「超音波画像によるろう付け評価」、愛知工業センター報告、1991年、第27号、p.85〜88
【特許文献1】
特開平8−327610号公報
【特許文献2】
特開平9−210971号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した超音波探傷方法では、超音波ビームを集束せず、接合部全体に照射するので、接合部の一部分が接合状態不良であり、他の部分は良好であるような接合部材を詳細に検査する場合には適用できない。
【0007】
この発明の目的は、接合部の一部分が接合状態不良であり、他の部分は良好であるような接合部材を短時間で評価する超音波探傷方法およびこの方法を利用した超音波探傷装置を得ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる超音波探傷方法は、相対した母材と被接合材との隙間にこれらの対向面より小さな面積の接合材を介在させて接合させた接合部材を探傷する超音波探傷方法にあって、接合前に母材と被接合材の隙間のうち接合材を介在させていない空乏領域の位置を検知するステップと、接合後検知された位置に基づく空乏領域に対して超音波ビームの照射時に限って、接合材と被接合材との界面で反射されたエコーの強度が予め設定された閾値より大きいとき、接合部材を不良であると判定するステップとを有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明に係る超音波探傷装置の構成図である。図2は、接合前後の接合部材の断面図である。図3は、図1で探傷した接合部材からのエコーの波形図である。図4は、この発明の実施の形態1に係る超音波探傷方法のフローチャートである。図5は、図4に基づいて良品不良品を探傷した接合部材からのエコーの波形図である。
【0010】
超音波探傷装置は、探傷する接合部材1を水中に配置する水槽2、水中に送信面が配置されている探傷子3、探傷子3を操作する探傷器4を備えている。
探傷器4は、探傷子3に高周波電流を流して超音波振動させる超音波発振手段5、接合部材1で反射したエコーを受信する超音波受信手段6、受信されたエコーの強度と閾値とを比較して接合部材1の接合の良不良を判定する良不良判定手段7、母材8と被接合材9の隙間のうち接合材10が介在していない空乏領域11を検知する空乏検知手段12、探傷子3の照射方向を、空乏検知手段12で検知された空乏領域11に向けて位置合わせする探傷子位置決め手段13を備えている。図1では、超音波ビームを点集束させた様子を示しているが、超音波ビームが十分細くて空乏領域11を検査可能な程度であれば、必ずしも超音波ビームを集束させる必要はない。探傷子3は、図示しない直交した2本のレール上に支持され、それぞれのレールには図示しない電子マイクロメータおよび探傷子3を位置合わせするステッピングモータが備えられている。また、探傷子3は、図示しない実体顕微鏡が備えられている。
【0011】
接合部材1は、図2に示すように接合作業前にあっては、接合される母材8、母材8に接合する被接合材9及び母材8と被接合材9とを接合する接合材10を有している。接合前の直方体の接合材10の形状は、母材8と被接合材9との対向面の面積より小さい面積と数十〜数百μmの厚みである。母材8、被接合材9および接合材10は、接合作業にあたって、図2(a)に示すように、母材8へ接合する被接合材9の一端9cに接合材10の一端10aが重なるように、接合材10が位置合わせされ、介在されている。このとき母材8と被接合材9との隙間のうち、接合材10が介在していない領域を空乏領域11と称する。
【0012】
次に、接合作業後の接合部材1の状態について説明する。接合作業により、接合材10は溶融し、母材8と被接合材9との隙間を埋める。図2(b)のように、空乏領域11に接合材10が溶けて込んでいるため、母材8と被接合材9は全面接合の状態となり、接合材10が隙間をすべて埋めた接合部材1は良品であり、図2(c)のように、隙間の一部が接合材10で埋められていない接合部材1は不良品である。なお、接合材10が溶け過ぎて母材8の周囲に流れ出す場合もあるが、この場合の接合状態は良品と変わらないと考えられる。このため、ここでは接合材10が溶け切らない製品だけを不良品とする。
【0013】
次に、空乏領域11へ超音波ビームを照射し、接合部材1で反射されたエコーについて説明する。超音波の反射は、音響インピーダンスの異なった2つの物質間の界面で発生する。空気と金属である被接合材9の間には大きな音響インピーダンスの差が見られ、一方、ともに金属である被接合材9および接合材10と接合材10および母材8の間では音響インピーダンスの差は小さい。反射は、音響インピーダンスの差が大きいほど強くなる。
【0014】
超音波ビームは、探傷子3から空乏領域11の被接合材9の表面9aに向けて照射される。超音波ビームは、水中を伝搬し、まず被接合材9の表面9aで一部反射されて表面エコー14が探傷子3に戻って来る。さらに、一部被接合材9内へ侵入した超音波は、被接合材9中を伝搬し、次に、被接合材9の裏面9bで一部反射されて、裏面エコー15が探傷子3に戻って来る。この裏面9bでの反射に関し、裏面9bに接合材10が固着していると、金属同士の固着であるので反射は小さい。一方、接合材10が固着していない裏面9bでは、隙間に水が侵入したとしても、固体である被接合材9と液体である水との音響インピーダンスの差は大きいので、裏面エコー15の強度はやはり大きい。裏面9bに接合材10が固着しているときは、接合材10および母材8中を超音波が伝搬し、母材8の底面8aで大きな反射が観察される。図3(a)に示すように、良品の接合部材1の場合のエコーの強度の時間的経過は、最初に被接合材9の表面9aで反射した表面エコー14が見られ、次に、被接合材9の裏面9bと接合材10との界面で反射した裏面エコー15が観察される。他方、図3(b)に示すように、不良品の接合部材1の場合、良品と同様に表面エコー14が観察されたのち、裏面エコー15は良品の場合と比較すると大きい。
【0015】
次に、この発明の実施の形態1に係わる超音波探傷方法について説明する。なお、この説明における被接合材9の形状は、説明を簡単にするために直方体とする。被接合材9の形状は如何なる形状であっても同様に超音波探傷することはできる。また、接合材10の形状も直方体とする。
ステップ(以下、Sと称す。)101で、母材8の上面8bに被接合材9を接合する位置に合わせて接合材10を載せる。その際、被接合材9の一側面9cと接合材10の一側面10aとは一致するように載せられている。一方、被接合材9の面積に対して接合材10の面積は上述のように小さいので、被接合材9の他側面9dから所定の領域に渡って接合材10が当接していない空乏領域11が存在する。S102で、空乏検知手段12は、母材8と被接合材9との対向面の外形を画かれた母材8とその母材8の上に載せられた接合材10との位置を計測し、空乏領域11の位置を検知する。S103で、母材8と被接合材9の間に電流を流して接合材10を溶融して、母材8と被接合材9とを接合する。S104で、水槽中に接合部材1を被接合材9が表になるように配置し、探傷子位置決め手段13は、探傷子3を被接合材9の空乏領域11の真上にくるように位置合わせする。S105で、超音波発振手段5は、探傷子3を介して超音波ビームを接合部材1へ照射する。このとき、超音波ビームは空乏領域11の全体を覆うように集束されている。S106で、超音波受信手段6は、接合部材1から反射したエコーを受信し、その信号を良不良判定手段7へ送信する。S107で、良不良判定手段7は、得られたエコーのうち裏面エコー15の強度と予め設定した閾値とを比較し、接合部材1の良不良を判定する。
なお、空乏領域11の検知は、実体顕微鏡と電子マイクロメータを用いて位置を計測しているが、接合材10を母材8の上に配置した際に、画像として記憶するなど、どのような検知の方法であってもよい。
【0016】
次に、この超音波探傷方法の有効の確認するための実験結果について説明する。接合材10を被接合材9と母材8が接する面積よりも小さくし、かつ片側に寄せて置き、接合条件を変えて良品および不良品の接合部材1を試作した。水槽2に接合部材1を入れてエコーを測定した。探傷子3は、周波数10MHzで広帯域の点集束型のものを用いた。空乏領域11に超音波ビームを集束させたとき、受信されたエコーを図5に示す。図5では、エコーを交流波形で表示している。図5(a)が良品の場合であり、図5(b)が不良品の場合である。図から分かるように、不良品の場合の方が裏面エコー15の強さが明らかに強い。このため、裏面エコー15だけを検知するように超音波受信手段6の検知可能時間帯域を設ければ、良品と不良品との判定を容易に行うことができる。なお、図5(a)において、裏面エコー15よりも時間的に遅れたところに強いエコーが受信されているが、これは母材8の底面8aで反射され、受信された母材底面エコーである。
【0017】
このような超音波探傷方法では、空乏領域11を接合前に検知し、その空乏領域11だけに超音波ビームを照射することにより、探傷子3または接合部材1を走査することなく良品と不良品との識別が可能となるので、短時間に接合部材1の接合状態を評価できる。
【0018】
なお、接合材10を片側に寄せて置いた場合の実験を説明したが、空乏領域11が明確に得られるならば接合材10を片側に寄せて置かなくても良い。
【0019】
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2の探傷子3の集束状態を示す斜視図である。図1の探傷子3は超音波ビームを点集束しているが、図6の探傷子3は超音波ビームを線集束している点か異なっている。その他は同様であるので同様な箇所の説明は省略する。
空乏領域11が細長い場合には、図6に示すように空乏領域11に沿った線形の超音波照射領域16が必要になる。そこで、探傷子3は、細長く、かつ線状に超音波が集束されるような形状を有している。
【0020】
このような超音波探傷方法では、空乏領域が細長い場合でも探傷子または接合部材を走査せずに接合部材の接合に関する評価を行うことができる。
【0021】
実施の形態3.
図7は、この発明の実施の形態3に係わる超音波探傷装置の構成図である。図8は、この発明の実施の形態3に係る超音波探傷方法のフローチャートである。図9は、図7で探傷した接合部材からのエコーの波形図である。図10及び図11は、図7で探傷した良品及び不良品からのエコーの波形図である。
超音波探傷装置は、図1の探傷器4にさらにゲート設定手段17を含んでいることであり、その他は図1と同じであるので、同様な部分の説明は省略する。図8のS203からS211までは図4のS101からS109までと同様な処理であり、同様な処理の説明は省略する。
【0022】
ゲート設定手段17は、厚みの異なる被接合材9を用いて、表面および裏面エコーを計測し、被接合材9の音速c(m/sec)を求める。さらに、被接合材の音速c、探傷子3から被接合材9の表面9aまでの距離X1(m)、被接合材9の厚みX2(m)として、ゲート開時間t1(sec)を式1で求める。
【0023】
t1=2{X1/1.5×10+X2/c}−a ・・・(1)
【0024】
ここでaは所要時間から少し短くするために設定してある定数である。また、t2(sec)は予め設定しておく。
【0025】
次に、超音波探傷の手順を説明する。S201で、ゲート設定手段17は、超音波送信手段5および超音波受信手段6とを用いて厚みの異なる3つの被接合材9のエコーを計測し、その計測されたエコーの時間変化分と厚み変化分とから被接合材9の単位厚み当たりの音速cを求める。S202で、ゲート設定手段17は、求めた音速c、探傷子3から被接合材9の表面9aまでの距離X1、被接合材の厚みX2からゲート開時間t1を式1で求める。さらに予め設定されたt2とを用いてゲート18の条件を設定する。S203からS208までは図4のS101からS106までと同様にエコーを受信する。S209で、良不良判定手段7は、受信されたエコーのうち開時間t1、閉時間t2のゲート18の間の信号をピックアップし、このピックアップされた信号と予め設定された閾値とを比較し、信号の強度が閾値より大きいとき接合部材1を不良品として判定する。
【0026】
ここで、良品および不良品のエコーの時間経過を図9に示す。接合作業前後での裏面エコー15の所要時間は、以下のように接合前に比べて変化する。
良品の空乏領域以外の場所 … 所要時間が早まる
良品の空乏領域 … 所要時間が早まる
不良品の空乏領域以外の場所 … 所要時間が早まる
不良品の空乏領域 … 所要時間に変化なし
すなわち、良品不良品に係わらず空乏領域以外の場所は接合を行うと音速が速くなり、良品の空乏領域でも音速が速くなる。しかし、不良品の空乏領域では音速は殆ど変化しない。実験では、所要時間は0.1〜0.2μsec短くなる。ただし、接合材、被接合材、接合方法などにより、所要時間の変化は変動する。
【0027】
そこで、所要時間の早まった裏面エコー15は検出せずに、所要時間の変わらない裏面エコー15だけ検出できるように所要時間から始まって予め設定された時限の間だけ裏面エコー15を検出するゲート18を設ける。接合前の被接合材9の裏面9bからの所要時間は、被接合材9の音速cを予め求めることによって式1から求まることができる。このようにゲート18の開始時間t1を設定すると、接合後に音速が速くなった領域を検査した場合には、裏面エコー15はゲート18の外で受信される。すなわち、良品の全領域および不良品の空乏領域以外の場所では、裏面エコー15はゲート18の外で受信される。一方、不良品の空乏領域11では音速が不変であるため、裏面エコー15はゲート18内で受信される。
【0028】
次に、この超音波探傷方法の有効の確認するための実験結果について説明する。図10は、良品を検査した場合に受信されるエコーの波形図である。図5(a)と同様の実験結果であるが、比較のため空乏領域以外の場所に超音波ビームを点集束させた場合に受信されたエコーも併せて示している。また、裏面エコー15の受信時間差を分かりやすくするため、垂直の補助線19を引いてある。図10に示すように、裏面エコー15が受信される時間は、場所によらず殆ど変わらない。
【0029】
図11は、不良品を検査した場合に受信されるエコーの波形図である。図5(b)と同様の実験結果であるが、空乏領域以外の場所に超音波ビームを点集束させた場合に受信されるエコーも併せて示している。図11に示すように、被接合材中の音速が場所により異なるので、裏面エコー15が受信される時間も場所により異なる。具体的には、空乏領域11に超音波ビームを点集束させた場合だけ、裏面エコー15は時間的に少し遅れて受信される。
【0030】
このような超音波探傷方法は、ゲート内でエコーが受信されるかどうかで良不良の識別を行うので、閾値を小さくすることができるので確実に識別できる。
【0031】
さらに、接合材10を片側に寄せて置いた例について説明したが、空乏領域が明確に得られるならば接合材10を片側に寄せて置かなくても良い。
【0032】
【発明の効果】
この発明に係わる超音波探傷方法の効果は、相対した母材と被接合材との隙間にこれらの対向面より小さな面積の接合材を介在させて接合させた接合部材を探傷する超音波探傷方法にあって、接合前に母材と被接合材の隙間のうち接合材を介在させていない空乏領域の位置を検知するステップと、接合後検知された位置に基づき空乏領域に対する超音波ビームの照射時に限って、接合材と被接合材との界面で反射されたエコーの強度が予め設定された閾値より大きいとき、接合部材を不良であると判定するステップとを有するので、探傷子または接合部材を走査することなく良品と不良品との識別が可能となり、短時間に接合部材を評価できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係わる超音波探傷装置の構成図である。
【図2】 接合前後の接合部材の断面図である。
【図3】 図1で探傷した接合部材からのエコーの波形図である。
【図4】 この発明の実施の形態1の超音波探傷方法のフローチャートである。
【図5】 図4に基づいて探傷した良品不良品のエコーの波形図である。
【図6】 この発明の実施の形態2の探傷子の集束状態を示す斜視図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に係わる超音波探傷装置の構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態3に係る超音波探傷方法のフローチャートである。
【図9】 図7で探傷した接合部材からのエコーの波形図である。
【図10】 図7で探傷した良品からのエコーの波形図である。
【図11】 図7で探傷した不良品からのエコーの波形図である。
【符号の説明】
1 接合部材、2 水槽、3 探傷子、4 探傷器、5 超音波発振手段、6超音波受信手段、7 良不良判定手段、8 母材、9 被接合材、10 接合材、11 空乏領域、12 空乏検知手段、13 探傷子位置決め手段、14 表面エコー、15 裏面エコー、16 照射領域、17 ゲート設定手段、18ゲート、19 補助線。

Claims (8)

  1. 相対した母材と被接合材との隙間にこれらの対向面より小さな面積の接合材を介在させて接合させた接合部材を探傷する超音波探傷方法にあって、
    接合前に上記母材と上記被接合材の隙間のうち上記接合材を介在させていない空乏領域の位置を検知するステップと、
    接合後上記検知された位置に基づく上記空乏領域に対して超音波ビームの照射時に限って、上記接合材と上記被接合材との界面で反射されたエコーの強度が予め設定された閾値より大きいとき、上記接合部材を不良であると判定するステップとを有することを特徴とする超音波探傷方法。
  2. 上記被接合材中の音速を求めるステップと、
    上記超音波ビームの照射から上記エコーの受信までに掛かる所要時間を上記音速から予測するステップと
    上記所要時間に対して少し短い時間から始まって上記所要時間を含むゲートを設定するステップと、を有し、
    上記判定するステップにおいて、上記ゲートの間に受信された上記エコーの強度と予め設定された閾値とを比較することを特徴とする請求項1に記載の超音波探傷方法。
  3. 上記超音波ビームを点集束することを特徴とする請求項1または2に記載の超音波探傷方法。
  4. 上記超音波ビームを線集束することを特徴とする請求項1または2に記載の超音波探傷方法。
  5. 接合材を用いて母材へ接合された被接合材に向けて超音波ビームを照射するとともに、上記被接合材と上記接合材との界面から反射された上記超音波ビームのエコーを受信する探傷子と、
    上記エコーに基づいて上記母材と上記被接合材との接合の良不良を判定する探傷器とを備えた超音波探傷装置であって、
    上記探傷器は、
    予め検知された上記母材と上記被接合材との隙間のうち上記接合材を介在させていない空乏領域に限って上記探傷子の送受信方向を位置合わせする探傷子位置決め手段と、
    上記空乏領域に含まれる上記被接合材と上記接合材との界面から反射されたエコーの強度を予め設定された閾値と比較し、上記比較されたエコーの強度が上記閾値を越えたとき、上記接合を不良であると判定する良不良判定手段とを有したことを特徴とする超音波探傷装置。
  6. 上記探傷器は、
    予め求められた上記被接合材中の音速に基づき上記超音波ビームの照射から上記エコーの受信までに掛かる所要時間を予測し、上記所要時間に対して少し短い時間から始まって上記所要時間を含み上記エコーの受信を可能とするゲートを設定するゲート設定手段を含み、
    上記良不良判定手段は、
    上記ゲート内で受信された上記エコーの強度が予め設定された閾値を超えたとき、上記接合を不良であると判定することを特徴とする請求項5に記載の超音波探傷装置。
  7. 上記探傷子は、超音波ビームを点集束させることを特徴とする請求項5または6に記載の超音波探傷装置。
  8. 上記探傷子は、超音波ビームを線集束させることを特徴とする請求項5または6に記載の超音波探傷装置。
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