JP5261949B2 - スポット溶接部の超音波検査方法及びスポット溶接部の超音波検査装置 - Google Patents

スポット溶接部の超音波検査方法及びスポット溶接部の超音波検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、スポット溶接部の超音波検査方法及びスポット溶接部の超音波検査装置に関するものである。
従来から、鋼材の突合せ溶接部の欠陥識別を行う超音波探傷方法が知られている。
特許文献1のものでは、アレイ型超音波探触子の送信用振動子群から超音波を溶接部に発振し、受信用振動子群でその超音波のエコーを受信し、この超音波エコーを信号処理してその特性値を求め、この特性値に基づいて、亀裂の欠陥からの欠陥信号と溶接部組織からの反射信号とを識別するようになっている。
特開2005−351660号公報
ところで、現在、鋼板などの金属板のスポット溶接部の検査の際には、破壊検査を採用している。この破壊検査は、その製品をハンマーやたがねを用いて実際に破壊することにより行っている。このように破壊検査では、製品を破壊するので、製品が無駄となり、また、作業者の負担も大きい。
そこで、本発明者たちは、スポット溶接部の検査に、上記特許文献1に示すような超音波を用いることを考え付いた。すなわち、超音波を発振する振動子を有する超音波トランスデューサを備えた検査プローブを準備し、その振動子から超音波を発振させてスポット溶接部に入射させ、振動子でその超音波のエコーを受信し、この超音波エコーに基づいて、後述する中間エコーを検出し、その中間エコーの検出状態に基づいて、スポット溶接部の良否を判定する。
以下、図13及び図14を参照しながら、上記超音波エコーの特徴について説明する。
スポット溶接部Wbのナゲット径が基準ナゲット径以上である場合、つまり、スポット溶接部Wbが良である場合、図13に示すように、検査プローブ211からの超音波は下板の底面まで伝播し、この底面で反射した底面エコーが検査プローブ211で受信される。
スポット溶接部Wbのナゲット径が基準ナゲット径よりも小さい場合、つまり、スポット溶接部Wbが不良である場合、図14に示すように、検査プローブ211からの超音波のうちスポット溶接部Wbに対応するものは、下板の底面まで伝播し、この底面におけるスポット溶接部Wbに対応する部分で反射した底面エコーが検査プローブ211で受信される。一方、検査プローブ211からの超音波のうちスポット溶接部Wbに対応するもの以外のものは、上板の底面までしか伝播せず、この底面(上板及び下板の境界面)におけるスポット溶接部Wbの外周部分で反射した中間エコーが検査プローブ211で受信される。
以上のような超音波エコーの特徴を利用して、上述のように、中間エコーの検出具合(例えば、中間エコーの有無)に基づいて、スポット溶接部Wbの良否を判定する。
しかしながら、本発明者たちは、以下のような場合、中間エコーの検出状態に基づいて、スポット溶接部Wbの良否を正確に判定できないことを見出した。すなわち、例えば、図15に示すように、下板の厚さが上板よりも厚く、下板の方が上板よりも溶融しやすい場合、上板と下板とをスポット溶接すると、上板と下板とは密着するものの、スポット溶接部Wbが下板側に片寄って発生してしまうことがある。このような場合、検査プローブ211からの超音波をスポット溶接部Wbに入射すると、上述のように、上板と下板とが密着しているので、そのスポット溶接部Wbのナゲット径の大小に拘わらず、その超音波は下板の底面まで伝播してしまい、検査プローブ211では、底面エコーは受信されるが、中間エコーは受信されない。したがって、上記のような場合、中間エコーの検出状態に基づいて、スポット溶接部Wbの良否を正確に判定できない。これと同じことは、スポット溶接部Wbが上板側に片寄って発生した場合についても言える。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、検査対象物のスポット溶接部の良否を正確に判定することにある。
第1の発明は、検査対象物のスポット溶接部を検査するスポット溶接部の超音波検査方法であって、超音波を発振する振動子を有する超音波トランスデューサを備えた検査プローブを準備し、上記振動子から超音波を発振させて上記スポット溶接部に入射させ、上記振動子で受信した上記超音波のエコーに基づいて、上記検査対象物の互いに接触している2枚の金属板の接触面における上記スポット溶接部の外周部分で反射した中間エコーを検出し、上記中間エコーの検出状態が所定の異常状態であるか否かを判定し、上記中間エコーの検出状態が上記所定の異常状態であると判定されたときに、上記スポット溶接部を不良と判定する一方、上記中間エコーの検出状態が上記所定の異常状態でないと判定されたときに、上記超音波エコーに対し周波数解析処理を行ってその周波数分布を求め、互いに隣り合う2つの底面エコーの発生時の間の時間領域において、周波数強度が基準値以上である周波数分布が存在するか否かに応じて、上記スポット溶接部の良否を判定し、互いに隣り合う2つの底面エコーの発生時の間の時間領域において、周波数強度が基準値以上である周波数分布が存在するときに、上記スポット溶接部を不良と判定することを特徴とするものである。
これにより、中間エコーの検出状態が所定の異常状態であると判定されたときに、検査対象物のスポット溶接部を不良と判定する一方、中間エコーの検出状態が所定の異常状態でないと判定されたときに、超音波エコーに対し周波数解析処理を行ってその周波数分布を求め、互いに隣り合う2つの底面エコーの発生時の間の時間領域において、周波数強度が基準値以上である周波数分布が存在するか否かに応じて、検査対象物のスポット溶接部の良否を判定するので、中間エコーの検出状態に基づいて、検査対象物のスポット溶接部の良否を判定する場合と比較して、検査対象物のスポット溶接部の良否を正確に判定できる。
第2の発明は、検査対象物のスポット溶接部を検査するスポット溶接部の超音波検査装置であって、超音波を発振する振動子を有する超音波トランスデューサを備えた検査プローブと、上記振動子から超音波を発振させて上記スポット溶接部に入射させる発振手段と、上記振動子で受信した上記超音波のエコーに基づいて、上記検査対象物の互いに接触している2枚の金属板の接触面における上記スポット溶接部の外周部分で反射した中間エコーを検出する中間エコー検出手段と、上記中間エコー検出手段による上記中間エコーの検出状態が所定の異常状態であるか否かを判定する異常判定手段と、上記異常判定手段により上記中間エコーの検出状態が上記所定の異常状態であると判定されたときに、上記スポット溶接部を不良と判定する不良判定手段と、上記異常判定手段により上記中間エコーの検出状態が上記所定の異常状態でないと判定されたときに、上記超音波エコーに対し周波数解析処理を行ってその周波数分布を求め、互いに隣り合う2つの底面エコーの発生時の間の時間領域において、周波数強度が基準値以上である周波数分布が存在するか否かに応じて、上記スポット溶接部の良否を判定し、互いに隣り合う2つの底面エコーの発生時の間の時間領域において、周波数強度が基準値以上である周波数分布が存在するときに、上記スポット溶接部を不良と判定する良否判定手段とを備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、中間エコーの検出状態が所定の異常状態であると判定されたときに、検査対象物のスポット溶接部を不良と判定する一方、中間エコーの検出状態が所定の異常状態でないと判定されたときに、超音波エコーに対し周波数解析処理を行ってその周波数分布を求め、互いに隣り合う2つの底面エコーの発生時の間の時間領域において、周波数強度が基準値以上である周波数分布が存在するか否かに応じて、検査対象物のスポット溶接部の良否を判定するので、検査対象物のスポット溶接部の良否を正確に判定できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るスポット溶接部の超音波検査装置10のブロック図であり、図2は、検査プローブ11の一部を破断した破断図である。この超音波検査装置10は、検査対象物Wのスポット溶接部Wa(図4等参照)を検査するためのものである。本実施形態では、検査対象物Wは、2枚の鋼板W1,W2を重ねた状態でスポット溶接したものである。これらの鋼板W1,W2は互いに接触している。超音波検査装置10は、図1及び図2に示すように、検査プローブ11、発振回路12(発振手段)及びコントローラ13を備えている。
上記検査プローブ11は、有蓋有底円筒状の筐体11aと、半球状のメンブレン11bとを備えている。この筐体11aには超音波トランスデューサ11c及び水(音響伝播媒体)11dが収容されている。この超音波トランスデューサ11cは、超音波を発振する振動子11eを有している。メンブレン11bは、スポット溶接部Waの検査時において、検査対象物Wの表面におけるスポット溶接部Waに対応(対向)する部分に当接させる。また、メンブレン11bは、検査対象物Wの表面との密着性などを考慮して、ゴムなどの弾性材料でできている。そして、スポット溶接部Waの検査時には、振動子11eからの超音波が水11d及びメンブレン11bを介してスポット溶接部Waに入射され、その超音波のエコー100(図6等参照。以下、超音波エコーという)がメンブレン11b及び水11dを介して振動子11eで受信されるようになっている。この振動子11eで受信した超音波エコー100は、サーキュレータ14を介してコントローラ13に送信される。なお、検査プローブ11の径は、スポット溶接部Waの基準ナゲット径に基づいて決定される。
上記発振回路12は、作業者の所定操作に応じたコントローラ13からの信号を受信すると、サーキュレータ14を介して振動子11eに信号を送信し、振動子11eから超音波を発振させてスポット溶接部Waに送信させる。
以下、図3〜図5を参照しながら、上記超音波エコー100の特徴について詳細に説明する。なお、図4及び図5では、上板W1及び下板W2の厚さがほぼ同じで、スポット溶接部Waが上板W1及び下板W2に跨って形成されている。このことは、一般的なスポット溶接について当てはまる。
まず、参考として、上板W1と下板W2とがスポット溶接されていない場合について説明する。この場合、図3に示すように、上板W1と下板W2とが離れており、両板W1,W2の間に隙間(空気層)があるので、検査プローブ11からの超音波(図3では矢印で示す。これは、 図4、図5及び図9でも同様である)は上板W1の底面までしか伝播せず、この底面で反射した底面エコーが検査プローブ11で受信される。このため、上板W1と下板W2とがスポット溶接されていない場合における超音波エコー100の波形は、図6に示すようなものになる。なお、図6では、縦軸を振幅、横軸を時間としており、符号101が底面エコーである。また、超音波エコー100の最初の波の山は底面エコー101ではなく、上板W1の表面で反射した表面エコー103である。これらのことは、以下に示す図7、図8、図10(a)及び図11(b)でも同様である。
次に、スポット溶接部Waのナゲット径が基準ナゲット径以上である場合、つまり、スポット溶接部Waが良である場合、図4に示すように、検査プローブ11からの超音波は下板W2の底面まで伝播し、この底面で反射した底面エコー101が検査プローブ11で受信される。このため、スポット溶接部Waのナゲット径が基準ナゲット径以上である場合における超音波エコー100の波形は、図7に示すようなものになる。
そして、スポット溶接部Waのナゲット径が基準ナゲット径よりも小さい場合、つまり、スポット溶接部Waが不良である場合、図5に示すように、検査プローブ11からの超音波のうちスポット溶接部Waに対応するもの(検査プローブ11におけるスポット溶接部Waに対向する部分からの超音波)は、下板W2の底面まで伝播し、この底面におけるスポット溶接部Waに対応する部分で反射した底面エコー101が検査プローブ11で受信される。一方、検査プローブ11からの超音波のうちスポット溶接部Waに対応するもの以外のもの(検査プローブ11におけるスポット溶接部Waに対向する部分以外の部分からの超音波)は、上板W1の底面までしか伝播せず、この底面(上板W1及び下板W2の接触面)におけるスポット溶接部Waの外周部分(スポット溶接部Waよりも径方向外側の部分)で反射した中間エコーが検査プローブ11で受信される。以上により、スポット溶接部Waのナゲット径が基準ナゲット径よりも小さい場合における超音波エコー100の波形は、図8に示すようなものになる。図8では、符号102が中間エコーである。この中間エコー102は、底面エコー101と交互に発生していて、振幅が隣り合う底面エコー101よりも小さい。
ここで、図6と図7及び図8とを比較すると、図6の方が図7及び図8よりも底面エコー101の数が多いが、これは、図7及び図8では、超音波がスポット溶接部Waを通って減衰したからである。
以上のように、基本的には、中間エコー102の検出状態(例えば、中間エコーの有無)に基づいて、スポット溶接部Waの良否を判定できる。
しかしながら、以下のような場合、中間エコー102の検出具合に基づいて、スポット溶接部Waの良否を正確に判定できない。すなわち、例えば、図9に示すように、下板W2の厚さが上板W1よりも厚く、下板W2の方が上板W1よりも溶融しやすい場合、上板W1と下板W2とをスポット溶接すると、上板W1と下板W2とは密着するものの、スポット溶接部Waが下板W2側に片寄って発生してしまうことがある。このような場合、検査プローブ11からの超音波をスポット溶接部Waに入射すると、上述のように、上板W1と下板W2とが密着しているので、そのスポット溶接部Waのナゲット径の大小に拘わらず、その超音波は下板W2の底面まで伝播してしまい、検査プローブ11では、底面エコー101は受信されるが、中間エコー102は受信されない。したがって、上記のような場合、中間エコー102の検出状態に基づいて、スポット溶接部Waの良否を正確に判定できない。これと同じことは、スポット溶接部Waが上板W1側に片寄って発生した場合についても言える。
そこで、本実施形態では、以下のようにして、スポット溶接部Waの良否を判定する。すなわち、上記コントローラ13は、図1に示すように、底面エコー検出手段13a、中間エコー検出手段13b、減衰率算出手段13c、底面エコー異常判定手段13d、中間エコー異常判定手段13e、減衰率異常判定手段13f、不良判定手段13g及び良否判定手段13hを有している。
上記底面エコー検出手段13aは、振動子11eで受信した超音波エコー100に基づいて、底面エコー101を検出する。上記中間エコー検出手段13bは、その超音波エコー100に基づいて、中間エコー102を検出する。なお、中間エコー検出手段13bは、互いに隣り合う2つの底面エコー101,101の間で発生したエコーの振幅が所定値よりも小さいときには、そのエコーはノイズの可能性があるとして中間エコー102でないと判断するようになっている。この所定値は、例えば、予め行った試験の結果に基づいて決定される。上記減衰率算出手段13cは、その超音波エコー100に基づいて、底面エコー101の減衰率を算出する。
上記底面エコー異常判定手段13dは、底面エコー検出手段13aにより検出された底面エコー101の数が所定の許容範囲外であるか否かを判定する。この底面エコー101の数は、スポット溶接部Waのナゲット厚などに応じて変化する。また、所定の許容範囲は、例えば、予め行った試験の結果に基づいて決定される。
上記中間エコー異常判定手段13eは、中間エコー検出手段13bにより検出された中間エコー102の数が所定の許容範囲外であるか否かを判定する。このようにして、中間エコー異常判定手段13eは、中間エコー検出手段13bによる中間エコー102の検出状態が所定の異常状態であるか否かを判定するようになっている。具体的には、中間エコー異常判定手段13eは、中間エコー102の数が所定値以上であるか否かを判定する。この所定値は、例えば、予め行った試験の結果に基づいて決定される。例えば、所定値が1である場合、中間エコー異常判定手段13eでは、中間エコー102の有無を判断する。
上記減衰率異常判定手段13fは、減衰率算出手段13cにより算出された底面エコー101の減衰率が所定の許容範囲外であるか否かを判定する。この底面エコー101の減衰率は、検査対象物Wの組織などに応じて変化する。また、所定の許容範囲は、例えば、予め行った試験の結果に基づいて決定される。
上記不良判定手段13gは、底面エコー異常判定手段13dにより底面エコー101の数が所定の許容範囲外であると判定されたとき、又は減衰率異常判定手段13fにより底面エコー101の減衰率が所定の許容範囲外であると判定されたときには、スポット溶接部Waはスポット溶接部として不十分なものであるとして、スポット溶接部Waを不良と判定する。また、不良判定手段13gは、中間エコー異常判定手段13eにより中間エコー102の数が所定の許容範囲外である(所定値以上である)と判定されたときには、スポット溶接部Waのナゲット径は基準ナゲット径よりも小さいとして、スポット溶接部Waを不良と判定する。
上記良否判定手段13hは、底面エコー異常判定手段13dにより底面エコー101の数が所定の許容範囲内であると判定され、中間エコー異常判定手段13eにより中間エコー102の数が所定の許容範囲内である(所定値よりも小さい)と判定され、かつ減衰率異常判定手段13fにより底面エコー101の減衰率が所定の許容範囲内であると判定されたときには、超音波エコー100に対しウェーブレット変換を用いて周波数解析処理を行ってその周波数分布を求め、その周波数分布に基づいて、スポット溶接部Waの良否を判定する。ウェーブレット変換を用いた周波数解析処理は既知のものなので、その説明を省略する。
具体的には、良否判定手段13hは、互いに隣り合う2つの底面エコー101,101の発生時の間の時間領域において、周波数強度が基準値以上である周波数分布が存在するか否かに応じて、スポット溶接部Waの品質の合否判定を行う。そして、良否判定手段13hは、そのような分布が存在するときには、スポット溶接部Waのナゲット径は基準ナゲット径よりも小さいとして、スポット溶接部Waを不良と判定する一方、そのような分布が存在しないときには、スポット溶接部Waのナゲット径は基準ナゲット径以上であるとして、スポット溶接部Waを良と判定するようになっている。基準値は、周波数分布の周波数強度の最大値に基づいて決定される。また、周波数強度は、エコーの振幅に比例する。
図10は、スポット溶接部Waが下板W2側に片寄って生成した場合であって、スポット溶接部Waのナゲット径が基準ナゲット径よりも小さいときにおける超音波エコー100を示す図であり、(a)は、その超音波エコー100の波形を示す図であり、(b)は、その超音波エコー100の周波数分布を示す図である。図11は、スポット溶接部Waが上板W1及び下板W2に跨って生成した場合、又はスポット溶接部Waが下板W2側に片寄って生成した場合であって、スポット溶接部Waのナゲット径が基準ナゲット径以上のときにおける超音波エコー100を示す図であり、(a)は、その超音波エコー100の波形を示す図であり、(b)は、その超音波エコー100の周波数分布を示す図である。図10(b)及び図11(b)では、縦軸を周波数、横軸を時間としており、同じ色の部分が、周波数強度が同じ所定の数値範囲内である周波数分布であり、灰色っぽい部分が底面エコー101の周波数分布111や表面エコー103の周波数分布113である。
図10(a)と図11(a)とを比較すると、両者に大きな差はない。しかしながら、図10(b)と図11(b)とを比較すると、両者は、図10(b)では、互いに隣り合う2つの底面エコー101,101の発生時の間の時間領域において、周波数強度が基準値以上である周波数分布114があるのに対し、図11(b)では、そのような分布がない点で相違する。これと同じことは、スポット溶接部Waが上板W1側に片寄って発生した場合についても言える。このように、スポット溶接部Waのナゲット径が基準ナゲット径以上であるか、あるいは、これよりも小さいかで、超音波エコー100の周波数分布に差が生じる。このような周波数分布の特徴を利用して、良否判定手段13hは、上述のように、スポット溶接部Waの良否を判定する。
また、上記コントローラ13は、図1に示すように、表示手段15に、超音波エコー100の波形や超音波エコー100の周波数分布、スポット溶接部Waの良否判定結果などを送信し、それらを表示手段15に表示させる。
−コントローラによるスポット溶接部良否判定−
以下、図12のフローチャートを参照しながら、コントローラ13によるスポット溶接部良否判定の工程について説明する。
まず、ステップS1では、検査プローブ11から超音波を検査対象物Wのスポット溶接部Waに入射させる。ステップS2では、検査プローブ11で受信した超音波エコー100を受信する。
次に、ステップS3では、その受信された超音波エコー100に基づいて、底面エコー101や中間エコー102を検出する。ステップS4では、その検出された底面エコー101に基づいて、底面エコー101の減衰率を算出する。
そして、ステップS5では、その検出された底面エコー101の数が所定の許容範囲外であるか否かを判定する。ステップS5の判定結果がYESの場合(つまり、許容範囲外の場合)はステップS6に進み、NOの場合(つまり、許容範囲内の場合)はステップS11に進む。
ステップS6では、その検出された中間エコー102の数が所定の許容範囲外であるか否かを判定する。ステップS6の判定結果がYESの場合(つまり、許容範囲外の場合)はステップS7に進み、NOの場合(つまり、許容範囲内の場合)はステップS11に進む。
ステップS7では、その算出された底面エコー101の減衰率が所定の許容範囲外であるか否かを判定する。ステップS7の判定結果がYESの場合(つまり、許容範囲外の場合)はステップS8に進み、NOの場合(つまり、許容範囲内の場合)はステップS11に進む。
ステップS8では、ステップS2で受信された超音波エコー100に基づいて、その周波数分布を求める。ステップS9では、その求められた周波数分布に基づいて、互いに隣り合う2つの底面エコー101,101の発生時の間の時間領域において、基準値以上の周波数強度分布が存在するか否かを判定する。ステップS9の判定結果がYESの場合(存在する場合)はステップS11に進み、NOの場合(存在しない場合)はステップS10に進む。
ステップS10では、スポット溶接部Waの品質をOKと判定する。その後、エンドする。一方、ステップS11では、スポット溶接部Waの品質をNGと判定する。その後、エンドする。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、中間エコー102の検出状態が所定の異常状態であると判定されたときに、検査対象物Wのスポット溶接部Waを不良と判定する一方、中間エコー102の検出状態が所定の異常状態でないと判定されたときに、超音波エコー100に対し周波数解析処理を行ってその周波数分布を求め、この周波数分布に基づいて、検査対象物Wのスポット溶接部Waの良否を判定するので、中間エコー102の検出状態に基づいて、検査対象物Wのスポット溶接部Waの良否を判定する場合と比較して、検査対象物Wのスポット溶接部Waの良否を正確に判定できる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、検査対象物Wを2枚の鋼板W1,W2を重ねた状態でスポット溶接したもので構成しているが、3枚以上の鋼板を重ねた状態でスポット溶接したもので構成しても良い。
また、上記実施形態では、金属板W1,W2を鋼板で構成しているが、スポット溶接できる限り、鋼板以外の他の金属板で構成しても良い。
また、上記実施形態では、検査プローブ11の音響伝播媒体を水11dで構成しているが、これに限らず、例えば、オイル、アクリル樹脂で構成しても良い。
また、上記実施形態では、スポット溶接部Waの良否を判定するのに、底面エコー101の数や底面エコー101の減衰率を用いているが、これらを用いなくても良い。但し、用いた方が、その良否を正確に判定できる。
また、上記実施形態では、超音波エコー100に対しウェーブレット変換を用いて周波数解析処理を行っているが、これに限らず、例えば、窓関数を用いて周波数解析処理を行っても良い。但し、ウェーブレット変換を用いて周波数解析処理を行う方が、その精度が高い。
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明は、検査対象物のスポット溶接部の良否を正確に判定するための用途等について適用できる。
本発明の実施形態に係るスポット溶接部の超音波検査装置のブロック図である。 検査プローブの一部を破断した破断図である。 上板と下板とがスポット溶接されていない場合における超音波の伝播状態を示す図である。 スポット溶接部のナゲット径が基準ナゲット径以上である場合における超音波の伝播状態を示す図である。 スポット溶接部のナゲット径が基準ナゲット径よりも小さい場合における超音波の伝播状態を示す図である。 上板と下板とがスポット溶接されていない場合における超音波エコーの波形を示す図である。 スポット溶接部のナゲット径が基準ナゲット径以上である場合における超音波エコーの波形を示す図である。 スポット溶接部のナゲット径が基準ナゲット径よりも小さい場合における超音波エコーの波形を示す図である。 スポット溶接部が下板側に片寄って発生した場合における超音波の伝播状態を示す図である。 スポット溶接部が下板側に片寄って生成した場合であって、そのスポット溶接部のナゲット径が基準ナゲット径よりも小さいときにおける超音波エコーを示す図であり、(a)は、その超音波エコーの波形を示す図であり、(b)は、その超音波エコーの周波数分布を示す図である。 スポット溶接部が上板及び下板に跨って生成した場合、又は検査対象物のスポット溶接部が下板側に片寄って生成した場合であって、そのスポット溶接部のナゲット径が基準ナゲット径以上のときにおける超音波エコーを示す図であり、(a)は、その超音波エコーの波形を示す図であり、(b)は、その超音波エコーの周波数分布を示す図である。 コントローラによるスポット溶接部良否判定の工程を示すフローチャートである。 スポット溶接部のナゲット径が基準ナゲット径以上である場合における超音波の伝播状態を示す図である。 スポット溶接部のナゲット径が基準ナゲット径よりも小さい場合における超音波の伝播状態を示す図である。 スポット溶接部が下板側に片寄って発生した場合における超音波の伝播状態を示す図である。
10 スポット溶接部の超音波検知装置
11 検査プローブ
11c 超音波トランスデューサ
11e 振動子
12 発振回路(発振手段)
13 コントローラ
13a 中間エコー検出手段
13e 中間エコー異常判定手段
13g 不良判定手段
13h 良否判定手段
100 超音波エコー
102 中間エコー
114 周波数強度が基準値以上である周波数分布
W 検査対象物
Wa スポット溶接部

Claims (2)

  1. 検査対象物のスポット溶接部を検査するスポット溶接部の超音波検査方法であって、
    超音波を発振する振動子を有する超音波トランスデューサを備えた検査プローブを準備し、
    上記振動子から超音波を発振させて上記スポット溶接部に入射させ、
    上記振動子で受信した上記超音波のエコーに基づいて、上記検査対象物の互いに接触している2枚の金属板の接触面における上記スポット溶接部の外周部分で反射した中間エコーを検出し、
    上記中間エコーの検出状態が所定の異常状態であるか否かを判定し、
    上記中間エコーの検出状態が上記所定の異常状態であると判定されたときに、上記スポット溶接部を不良と判定する一方、
    上記中間エコーの検出状態が上記所定の異常状態でないと判定されたときに、上記超音波エコーに対し周波数解析処理を行ってその周波数分布を求め、互いに隣り合う2つの底面エコーの発生時の間の時間領域において、周波数強度が基準値以上である周波数分布が存在するか否かに応じて、上記スポット溶接部の良否を判定し、互いに隣り合う2つの底面エコーの発生時の間の時間領域において、周波数強度が基準値以上である周波数分布が存在するときに、上記スポット溶接部を不良と判定することを特徴とするスポット溶接部の超音波検査方法。
  2. 検査対象物のスポット溶接部を検査するスポット溶接部の超音波検査装置であって、
    超音波を発振する振動子を有する超音波トランスデューサを備えた検査プローブと、
    上記振動子から超音波を発振させて上記スポット溶接部に入射させる発振手段と、
    上記振動子で受信した上記超音波のエコーに基づいて、上記検査対象物の互いに接触している2枚の金属板の接触面における上記スポット溶接部の外周部分で反射した中間エコーを検出する中間エコー検出手段と、
    上記中間エコー検出手段による上記中間エコーの検出状態が所定の異常状態であるか否かを判定する異常判定手段と、
    上記異常判定手段により上記中間エコーの検出状態が上記所定の異常状態であると判定されたときに、上記スポット溶接部を不良と判定する不良判定手段と、
    上記異常判定手段により上記中間エコーの検出状態が上記所定の異常状態でないと判定されたときに、上記超音波エコーに対し周波数解析処理を行ってその周波数分布を求め、互いに隣り合う2つの底面エコーの発生時の間の時間領域において、周波数強度が基準値以上である周波数分布が存在するか否かに応じて、上記スポット溶接部の良否を判定し、互いに隣り合う2つの底面エコーの発生時の間の時間領域において、周波数強度が基準値以上である周波数分布が存在するときに、上記スポット溶接部を不良と判定する良否判定手段とを備えたことを特徴とするスポット溶接部の超音波検査装置。
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