JP4164933B2 - 自動変速機付車両のエンジン始動時制御装置 - Google Patents

自動変速機付車両のエンジン始動時制御装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機付車両のエンジン始動時制御装置に関し、特にアイドリング時にエンジンを自動停止させるアイドルストップ装置を搭載した自動変速機付車両用に好適なエンジン始動時制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動変速機付車両用のアイドルストップ装置として、例えば、実公平2−24655号公報に記載された技術が知られている。この従来技術は、エンジン始動後に車速がゼロになったことを検出すると、自動的にエンジンを停止させると共に変速レバーをアクチュエータによりニュートラル位置に移動させてエンジンの再始動に備え、エンジン停止後に変速レバーがドライブ位置に操作され且つアクセルペダルが踏み込まれていないことを検出するとエンジンを再始動させることにより、急発進を防止する技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動変速機の変速は、自動変速機内に設けられる複数の摩擦係合要素の係合状態の切換を行って達成させ、この切換を摩擦係合要素への供給油圧を制御することにより実現させるのが一般的である。また、油圧供給源となる自動変速機用の油圧ポンプはエンジン出力により駆動するのが一般的で、エンジン停止状態からエンジンを始動した直後はポンプからの吐出量が十分に確保できない。
【0004】
このため、上記従来技術のように、変速レバーがドライブ位置に操作され且つアクセルペダルが踏み込まれていないことを検出してエンジンを再始動させた場合、変速レバーがドライブ位置に操作された直後はポンプからの吐出量が十分でないことから、すぐには自動変速機内部で発進用走行段を達成することができず、エンジン始動から発進用の走行段が達成されるまでにタイムラグが生じることが問題になる。すなわち、運転者は変速レバーがドライブ位置にあってエンジンが始動していれば発進可能と認識するのが一般的であるが、実際には上記のタイムラグが存在するため、すぐに車両を発進させることはできず、もたつきを感じてしまう問題がある。そして、上述のタイムラグ期間にアクセルペダルを踏み込むと、車両は停止したままでエンジンの回転数だけが上昇してエンジントルクが過大な状況で発進用走行段を達成させることになってしまい、ショックが発生したり、変速終了までの時間がより長くなったり、摩擦係合要素の耐久性が低下する等の問題が生じる。
【0005】
また、通常の自動変速機搭載車両であっても、エンジン始動直後に変速レバーをドライブ位置に操作した場合は、上記従来例のようにタイムラグが生じることになり、同様の問題が生じる。
本発明は、このような課題に鑑みて創案されたもので、車両発進時のショックの発生を抑制しながら、運転者が発進可能と認識する時点から車両が実際に発進可能となる時点までのタイムラグを小さくして感覚的な発進応答性を向上させた自動変速機付車両のエンジン始動時制御装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、自動変速機のセレクタレバーの走行位置への切換を禁止するレバー位置切換禁止手段及びアクセルペダルの踏み込み操作を禁止することによりエンジンの出力を制限するエンジン出力制限手段の少なくとも1つを有する規制手段を設け、エンジン始動スイッチが操作されたことが検出されるとエンジンを始動させると共に、エンジン始動後の所定期間は上記規制手段を作動させるものとしている。
【0007】
そして、規制手段としてレバー位置切換禁止手段を用いた場合は、エンジン始動後の所定期間は自動変速機のセレクタレバーの走行位置への切換が禁止されるため、自動変速機用の油圧ポンプの吐出量が十分に確保されるまでの間は、セレクタレバーが走行位置に切り換えられことがなく、運転者は切り換えが許容された時点で発進可能と認識することになるため、発進可能と認識する時点から発進用走行段達成までタイムラグを短くできる。
【0008】
また、規制手段としてエンジン出力制限手段を用いた場合は、エンジン始動後の所定期間はエンジンの出力が制限されるため、自動変速機用の油圧ポンプの吐出量が十分に確保されるまでの間は、エンジン出力が過度に上昇することがなく、運転者は、エンジン出力の制限が許容された時点で発進可能と認識することになるため、発進可能と認識する時点から発進用走行段達成までのタイムラグを短くできる。
なお、上記自動変速機が油圧式である場合、上記所定期間を、上記自動変速機内の発進走行段達成用クラッチに作用する油圧が所定圧以上になるまでの期間とすることができる。
あるいは、上記所定期間を、上記エンジン始動後の経過時間とすることができる。
【0009】
本発明の好ましい実施形態として、自動変速機のセレクタレバーが中立位置で且つエンジンがアイドリング状態にあることが検出された時はエンジンを自動停止させるアイドルストップ装置を更に設けると良い。このようなアイドルストップ装置の場合、エンジン再始動時は迅速な発進性が求められるが、運転者が発進可能と認識する時点から走行段達成までのタイムラグを短くでき、発進時にもたつきを感じることを防止できる。更に好ましくは、キースイッチとは別にエンジン始動スイッチを設け、このエンジン始動スイッチが操作されたことが検出されるとエンジンを始動させるようにすると良い。この場合、エンジン始動スイッチを運転者が即座に操作できる場所やセレクタレバー操作に連動する場所に配置することができ、エンジンの始動を頻繁に行う場合でも始動操作が煩わしいものにならない、
また、別の好ましい実施形態として、規制手段の作動期間が終了したこと、あるいは規制手段が作動中であることを、報知する報知手段を設けると良い。この場合、車両が発進可能になった時点を運転者が的確に認識することができ、より迅速な発進が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。
図1は、本発明の第1実施形態としてのアイドルストップ装置のシステム構成図を示す。なお、本発明はアイドルストップ装置付の車両以外にも適用可能であり、発明の範囲を当該装置付きの車両に限定するものではない。
【0011】
図1において、1はエンジン、2は自動変速機で、エンジン1の出力軸3に自動変速機2の入力軸4がトルクコンバータ5を介して接続されている。エンジン1の出力軸3の後端部にはエンジン始動用のスタータ7のピニオンギヤ8と噛み合うリングギヤ9が設けられている。ピニオンギヤ8とリングギヤ9とは常時噛み合う構成となっており、スタータ7からの駆動出力はエンジン1側には伝達させるが、エンジンの駆動出力はスタータ7側には伝達させないようリングギヤ9は前述の出力軸3に対して図示しないワンウェイクラッチを介して連結されている。
【0012】
スタータ7には、上述のピニオンギヤ8の他、ピニオンギヤ8を駆動するモータ10、モータ10とバッテリ11との間に設けられた内蔵スイッチ12、内蔵スイッチ12の作動を制御する励磁コイル13が設けられており、励磁コイル13は運転者のキー操作に連動するキースイッチ14を介してバッテリ11に接続されている。キースイッチ14がST(スタート)位置にある時には、スタータ7内の励磁コイル13が通電されて内蔵スイッチ12を閉成させることにより、モータ10への給電が行われピニオンギヤ8を回転駆動させてエンジン1をクランキングするものとなっている。
【0013】
また、キースイッチ14のON位置は再始動用の内蔵スイッチ15を介して励磁コイル13に接続されており、キースイッチ14がON位置にある状態では、内蔵スイッチ15を閉成させるための励磁コイル16が通電された時に、内蔵スイッチ15が閉成されて励磁コイル13が通電されるものとなっており、励磁コイル13が通電されれば上述のST位置の場合と同様にモータ10が作動する。再始動用の励磁コイル16への通電は、制御手段としてのエンジン制御装置(ENG−ECU)17により制御される。
【0014】
ENG−ECU17は、アクセルペダルの操作開度を検出するアクセル開度センサ19、車速を検出する車速センサ20、エンジン1の回転数を検出する回転数センサ21等からの検出信号が入力されている。また、自動変速機2のセレクタレバー22には、レバー位置を検出するインビタスイッチ23が設けられており、インビタスイッチ23の検出信号は自動変速機2用の制御装置(AT−ECU)24を介してENG−ECU17に入力されるようになっている。また、AT−ECU24からは自動変速機2内のライン油圧を検出するライン油圧センサ18からの検出信号も入力される。なお、ここではAT−ECU24のその他の機能等については説明を省略する。更に、エンジン始動スイッチとしてのエンジン再始動用の始動スイッチ25がセレクタレバー22に設けられて運転者により任意操作可能となっており、始動スイッチ25の検出信号はENG−ECU17に入力される。なお、始動スイッチ25の設置場所は例えばステアリングハンドルでも良く、運転者が操作し易い場所ならどこに設置しても良い。ブレーキスイッチ26は図示しないブレーキペダルが踏み込まれているか否かを検出するスイッチで、その検出信号もENG−ECU17に入力される。
【0015】
ENG−ECU17は、これらのセンサやスイッチからの検出信号に基づいて、エンジン1に燃料を供給する燃料噴射装置27、エンジン1に設けられる点火栓を駆動する点火装置28、セレクタレバー22のN(中立)位置からD(前進)位置またはR(後進)位置への切換を禁止するレバー位置切換禁止手段(規制手段)としてのレバーロック装置29、アクセルペダルの踏み込み操作を禁止するエンジン出力制限手段(規制手段)としてのアクセルロック装置30、報知手段としての表示ランプ31等の作動を制御する。
【0016】
ここで、レバーロック装置29及びアクセルロック装置30について説明を加えると、レバーロック装置29は図示しない電磁ソレノイドを有し、電磁ソレノイドがロック作動するとセレクタレバー22をN位置からD位置またはR位置へ切り換えることを機械的に阻止するよう構成されている。また、アクセルロック装置30は、図示しない電磁ソレノイドがロック作動するとアクセルペダルをアクセルオフ位置に保持しアクセルペダルが踏み込まれて変位することを機械的に阻止するよう構成されている。
【0017】
図2にENG−ECU17の内部で行われるアイドルストップ及びエンジン再始動に関する制御処理の概要を示す。なお、図示の制御処理はキースイッチ14がON位置にある場合に行われる処理で、キースイッチ14をST位置にした場合は図示の制御処理とは別にスタータ7が作動することは前述した通りである。図2について詳細に説明すると、先ず、ステップS1では、回転数センサ21からの検出出力に基づいてエンジン1が運転中か否かの判別が行われ、エンジン1が運転中の場合は、ステップS2に進んでエンジンを自動停止させる条件が成立したか否かが判別される。具体的には、車速センサ20から検出される車速がゼロで且つインヒビタスイッチ23により検出されるレバー位置がN(中立)で且つ回転数センサ21から検出されるエンジン回転数がアイドル回転数相当の所定値以下であるか否かが判別され、これら全ての条件が満たされていなければステップS1以降の処理を繰り返すが、これら全ての条件が満たされていればエンジン停止条件が成立したと判断されてステップS3に進む。そして、ステップS3では、燃料噴射装置27及び点火装置28の作動を中止させてエンジンを停止させ、その後はステップS1以降の処理を繰り返す。
【0018】
また、ステップS1でエンジンが運転中でないと判別された場合は、ステップS4に進んでエンジンを再始動させる条件が成立したか否かが判別される。具体的には、インヒビタスイッチ23により検出されるレバー位置がNで且つアクセルペダル開度センサ19から検出されるアクセルペダルの操作状態がオフ状態(アクセルペダルが踏み込まれていない状態)で且つブレーキスイッチ26により検出されるブレーキペダルの操作状態がオン状態(ブレーキペダルが踏み込まれている状態)であり且つセレクタレバー22に設けたエンジン再始動用の始動スイッチ25がオン操作されているか否かが判別され、これら全ての条件が満たされていなければステップS1以降の処理を繰り返すが、これら全ての条件が満たされていればエンジン始動条件が成立したと判断されてステップS5に進む。
【0019】
ステップS5では、レバーロック装置29及びアクセルロック装置30の電磁ソレノイドをロック作動させ、セレクタレバー22をN位置からD位置またはR位置へ切り換えることを機械的に阻止すると共に、アクセルペダルのアクセルオフ位置からの踏込変位を機械的に阻止する。その後はステップS6に進み、励磁コイル16を通電させる。これにより、前述したようにスタータ7が駆動されてエンジン1がクランキングされる。これと共に燃料噴射装置27及び点火装置28を作動させてエンジン1が始動される。ステップS6の処理によりエンジンを始動させた後は、ステップS7に進んで、レバーロック装置29及びアクセルロック装置30のロック解除条件が成立したか否かが判別される。具体的にはAT−ECU24を介して入力されるライン圧センサ18の検出出力に基づき自動変速機2内のライン油圧が所定圧以上になったか否か、即ち中立状態から発進用変速段への切換を迅速に行うに十分なライン油圧が確保されているか否かが判別され、条件を満たすまでは、ステップS7の処理を繰り返す。ロック解除条件としては、上述のライン油圧に替えて、上述の始動条件が成立してからの経過時間、あるいはエンジン始動後の経過時間が所定時間(例えば1秒程度)以上であるか否かとしても良いし、エンジン1の回転数がアイドル回転数相当の所定回転数以上であるか否かとしても良い。
【0020】
ステップS7でロック解除条件が成立したと判別されると、ステップS8に進んでレバーロック装置29及びアクセルロック装置30の電磁ソレノイドを解除作動させ、セレクタレバー22及びアクセルペダルに対するロックを解除する。その後は、ステップS9に進み、ロックが解除され発進操作が可能になったことを運転者に報知するための表示ランプ31を点滅させ、更にステップS10に進むとランプ消灯条件が成立したか否かを判別する。ステップS10では、アクセル開度センサ19からアクセルペダルの踏み込み操作が検出されるか、インヒビタスイッチ23からセレクタレバー22が走行位置(DまたはR)に切り換えられたことが検出されるかの何れかが検出されるとランプ消灯条件が成立したと判別され、成立したと判別されない場合はステップS9に戻るが、成立したと判別されれば、ステップS11に進んでランプを消灯させ、その後はステップS1に戻って以降の処理を繰り返す。
【0021】
上記構成を有する本第1実施形態によれば、エンジン運転中において、車速がゼロでレバー位置がNであり更にエンジン回転数が所定回転数以下であるとの条件が成立すると、自動的にエンジンが停止され、無駄な燃料消費を抑制できると共に排気ガスの放出も抑制される。
また、エンジン停止中において、レバー位置がNでアクセルペダルがオフ状態であり更にブレーキペダルが踏み込み操作されている状況下で、セレクタレバー22に設けられた始動スイッチ25を操作するとエンジンが始動する。そして、始動スイッチ25をセレクタレバー22に設置しているので始動スイッチ25を迅速に操作できるし、頻繁に再始動操作をする場合でも始動操作が煩わしいものにならない。
【0022】
また、エンジン1を始動させた後の所定期間はレバーロック装置29及びアクセルロック装置30が作動して、セレクタレバー22及びアクセルペダルの操作が機械的に阻止されるため、この期間はエンジンは始動していても発進操作を行うことはできない。これは、この期間に発進操作を許容しても自動変速機2内では十分な油圧が確保できず、走行段の達成を迅速に行えないためで、これにより、このような状況下でアクセルが踏み込まれエンジンの出力上昇に遅れて発進用走行段が達成されることによるショックの発生や摩擦係合要素の耐久性低下が防止される。
【0023】
また、レバーロック装置29及びアクセルロック装置30のロック作動が解除されれば運転者は発進可能と認識するが、このときには自動変速機2内では十分な油圧が確保できるため、セレクタレバー22及びアクセルの操作に対して車両を迅速に発進させることができ、車両発進時にタイムラグやもたつき感を与えることがなく、体感的な発進応答性を向上できる。
【0024】
さらに、表示ランプ31でロック作動が解除されたことを報知するものとなっているので、車両が発進操作可能となったことを運転者に早期に認識させることができる。なお、表示ランプ31はロック作動中に点灯させロック解除時に消灯させるようにしても良く、この場合はロック作動状態か解除状態かを表示ランプ31により容易に識別できる。
【0025】
図3は上記第1実施形態の変形例を示すもので、始動スイッチ25をセレクタレバー22に設けられたレバーボタン40(特定のレバー位置への切換の際に押込操作するボタン)に連動させるようにしている。この場合、運転者が極めて操作し易い位置に始動スイッチ25を配置することができ、利便性を向上できる。図4は上記第1実施形態のその他の変形例を示すもので、P、R、N、D、2、1の各セレクト位置が配置された主移動経路に対してN位置から横方向に延びる位置にS位置を設けると共に、セレクタレバー22をN位置から横方向に変位可能に構成して、S位置に始動スイッチ25を設けている。これによりセレクタレバー22を横に倒してS位置に操作した時に、他の条件を満たしていればエンジンを再始動させることができ、操作性および利便性を向上できる。なお、この場合、セレクタレバー22をS位置にした時でもインヒビタスイッチ23はN位置を検出するものとなっており、前述のステップS4で触れた始動条件を満足させることはできるようになっている。
【0026】
次に、図5に基づいて本発明の第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。第2実施形態ではセレクタレバー22の移動経路のN位置とD位置との間にS(スタート)位置を設け、S位置に始動スイッチ25を設けている。これによりセレクタレバー22N位置からS位置に操作し、他の条件を満たしていればればエンジンを再始動することができる。なお、この場合、始動スイッチ25はインヒビタスイッチ23に内蔵されAT−ECU24を介してENG−ECU17に検出信号が供給される。
【0027】
また、第2実施形態では第1実施形態におけるレバーロック装置29に代えて報知手段としてのレバーアクチュエータ50が使用されている。レバーアクチュエータ50は、セレクタレバー22をS位置から前進走行位置(D)に自動的に切換作動させる電動アクチュエータである。
更に、第1実施形態のライン油圧センサ18に代えて、発進走行段達成用の油圧クラッチの油圧を検出するクラッチ油圧センサ51の出力が、AT−ECU24を介してENG−ECU17に供給されるようになっている。
【0028】
図6は第2実施形態においてENG−ECU17の内部で行われるアイドルストップ及びエンジン再始動に関する制御処理の概要を示すものである。なお、図6において、ステップS1〜S3の制御は、図2と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
ステップS1でエンジンが運転中でないと判別された場合は、ステップS64に進んでエンジンを再始動させる条件が成立した否かが判別される。具体的には、インヒビタスイッチ23(始動スイッチ25)により検出されるレバー位置がスタート位置(S)で且つアクセルペダル開度センサ19から検出されるアクセルペダルの操作状態がオフ状態で且つブレーキスイッチ26により検出されるブレーキペダルの操作状態がオン状態であるか否かが判別され、これら全ての条件が満たされていなければステップS1以降の処理を繰り返すが、これら全ての条件が満たされていればエンジン始動条件が成立したと判断されてステップS65に進む。
【0029】
ステップS65では、アクセルロック装置30の電磁ソレノイドをロック作動させ、アクセルペダルのアクセルオフ位置からの踏込変位を機械的に阻止する。その後はステップS66に進み、励磁コイル16を通電させる。これにより、前述したようにスタータ7が駆動されてエンジン1がクランキングされる。これと共に燃料噴射装置27及び点火装置28を作動させてエンジン1が始動される。
【0030】
ステップS66の処理によりエンジンを始動させた後は、ステップS67に進んで、AT−ECU24に対して自動変速機2内部の変速機構の状態を中立位状態から発進用走行段に変速(N−D変速)するよう指令信号を出力する。これに対応してAT−ECU24は自動変速機2の作動を制御する。その後、ステップS67ではロック解除条件が成立したか否かが判別される。ここでは、上述のN−D変速が完了したか否かが判別される。具体的にはAT−ECU24を介して入力されるクラッチ油圧センサ51の検出出力に基づき自動変速機2内の発進走行段達成用クラッチに作用する油圧が所定圧以上になったか否か、即ち中立状態から発進走行段への切換が完了したか否かが判別され、条件を満たすまでは、ステップS68の処理を繰り返す。ロック解除条件としては、上述のクラッチ油圧に代えて、上述の始動条件が成立してからの経過時間、あるいはエンジン始動後の経過時間が所定時間(例えば1秒程度)以上であるか否かとしても良いし、エンジン1の回転数がアイドル回転数相当の所定回転数以上であるか否かとしても良い。
【0031】
ステップS68でロック解除条件が成立したと判別されると、ステップS69に進んでシフトアクチュエータ50を作動させレバー位置をD位置に移動させレバー位置と自動変速機の内部状態のアンマッチを解消させると共にアクセルロック装置30の電磁ソレノイドを解除作動させる。そしてこの状態で運転者がアクセルペダルを踏み込めば、即座に車両を発進させることができる。なお、ステップS69の処理を終了した後は、ステップS1に戻って以降の処理を繰り返す。
【0032】
上記構成を有する本第2実施形態によれば、第1実施形態の場合と同様に、エンジン運転中において、車速がゼロでレバー位置がNであり更にエンジン回転数が所定回転数以下であるとの条件が成立すると、自動的にエンジンが停止され、無駄な燃料消費を抑制できると共に排気ガスの放出も抑制される。
また、エンジン停止中において、アクセルペダルがオフ状態であり更にブレーキペダルが踏み込み操作されている状況下で、セレクタレバー22をN位置からS位置に移動させるとエンジン1が始動する。そして、セレクタレバー22をN位置から離脱させる操作により再始動操作が行えるので操作が簡単で使い易いし、頻繁に再始動操作をする場合でも始動操作が煩わしいものにならない。
【0033】
また、エンジン1を始動させた後は自動的にN−D変速を行いN−D変速期間中はアクセルロック装置30が作動してアクセルペダルの操作が機械的に阻止されるため、この期間はエンジンが始動していてもアクセルペダル操作を行うことはできない。これにより、N−D変速が終了する前にアクセルが踏み込まれることによるショックの発生や摩擦係合要素の耐久性低下が防止される。
【0034】
また、N−D変速が完了すればレバーアクチュエータ50によりセレクタレバー22の位置が自動変速機の内部状態に対応したD位置に自動的に移動するので、発進可能になったことを運転者に確実に報知して認識させることができる。加えて、運転者はアクセルロック装置30のロック作動解除によっても発進可能になったことを認識できる。そして、このときには自動変速機内部では既に走行段が達成されているので、アクセルペダルを操作すれば車両を極めて迅速に発進させることができ、車両発進時にタイムラグやもたつき感を与えることがなく、運転者が発進可能と認識してからの体感的な発進応答性を向上できる。
【0035】
図7は上記第2実施形態の変形例であり、セレクタレバー22をゲート式にする場合は、N位置とD位置との間を直線状として、N位置とD位置との間にS位置を配置することが、使い勝手の面から好ましい。
また、上記第2実施形態のその他の変形例として、第2実施形態におけるS位置を廃止してD位置に始動スイッチ25を配置するものとしても良く、この場合はレバーアクチュエータ50が不要になるが、発進可能になった時点を運転者に認識させる必要から、第1実施形態で用いた表示ランプ等の報知手段を使用するのが好ましい。
【0036】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、規制手段としては第1実施形態ではレバー位置切換禁止手段とエンジン出力制限手段の両方を、第2実施形態ではエンジン出力制限手段だけを、それぞれ使用した例を示したが、勿論、レバー位置切換禁止手段だけを使用しても良い。
また、上記各実施形態ではエンジン出力制限手段としてアクセルペダルをロックする装置を開示したが、これはアクセルペダル操作に対してスロットル弁の開度を規制したり燃料噴射量の制限したりするような手段であっても適用可能である。
【0037】
更に、上記各実施形態では、アイドルストップ装置付の車両に本発明を適用したが、通常の車両にも適用可能であるし、上記各実施形態においてキーによるエンジン始動時にも本発明が適用されるようにしても良い。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、車両発進時のショックの発生を抑制しながら運転者が発進可能と認識する時点から車両が実際に発進可能となる時点までのタイムラグを小さくして感覚的な発進応答性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すシステム構成図である。
【図2】図1中のENG−ECU17の作用を示すフローチャート図である。
【図3】本発明の第1実施形態の変形例を示すセレクタレバー周辺の構造図である。
【図4】本発明の第1実施形態のその他の変形例を示すセレクタレバー周辺の構造図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示すシステム構成図である。
【図6】図5中のENG−ECU17の作用を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の第2実施形態の変形例を示すセレクタレバー周辺の構造図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 自動変速機
17 エンジン制御装置
22 セレクタレバー
25 始動スイッチ
29 レバーロック装置
30 アクセルロック装置

Claims (3)

  1. 自動変速機のセレクタレバーの走行位置への切換を禁止するレバー位置切換禁止手段及びアクセルペダルの踏み込み操作を禁止することによりエンジンの出力を制限するエンジン出力制限手段の少なくとも1つを有する規制手段と、
    エンジン始動用のエンジン始動スイッチと、
    上記エンジン始動スイッチが操作されたことが検出されると上記エンジンを始動させると共に、エンジン始動後の所定期間は上記規制手段を作動させる制御手段とを備えた
    ことを特徴とする、自動変速機付車両のエンジン始動時制御装置。
  2. 上記自動変速機は、油圧式であって、
    上記所定期間は、上記自動変速機内の発進走行段達成用クラッチに作用する油圧が所定圧以上になるまでの期間である
    ことを特徴とする、請求項1記載の自動変速機付車両のエンジン始動時制御装置。
  3. 上記所定期間は、上記エンジン始動後の経過時間である
    ことを特徴とする、請求項1記載の自動変速機付車両のエンジン始動時制御装置。
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