JP4164929B2 - 吸収式冷凍装置及び該吸収式冷凍装置を備えた冷凍システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、低温排熱を熱源として駆動される吸収式冷凍装置及び該吸収式冷凍装置を備えた冷凍システムに関するものである。
【従来の技術】
【0003】
近年、エネルギーの有効利用を図る観点から、従来熱源として利用されていなかった低温排熱(例えば、燃料電池から排出される70℃以下の排熱)を有効に利用する技術の開発が進められており、これに応える一つの手段として吸収式冷凍サイクルが注目されている(例えば、平成4年度日本冷凍協会学術講演会講演論文集「18 未利用エネルギーを活用した複合エネルギーシステムに用いる二段吸収サイクルの研究」参照)。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、吸収式冷凍サイクルにおいては、低温排熱を駆動熱源として利用できるといっても、例えば蒸発温度が5℃程度、凝縮温度が45℃程度の場合、70℃以下の非常に低温の排熱(例えば、燃料電池から排出される排熱)を利用してシステムを駆動することは困難であり、低温排熱の有効利用が十分に図れているとは言い難いものであった。また、蒸気圧縮式冷凍システムでは、そのシステム構成上、排熱を熱源として利用することはできなかった。
【0005】
そこで本願発明では、従来利用価値のなかった70℃以下の非常に低温の排熱を有効に利用でき、且つ高い成績係数(以下、「COP」と略記する)の実現を可能とした吸収式冷凍装置及び該吸収式冷凍装置を備えた冷凍システムを提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0007】
本願の第1の発明にかかる吸収式冷凍装置では、再生器1と凝縮器2と蒸発器3と吸収器4とを備え、最も低い温度の排熱で駆動され上記蒸発器3からの蒸気を昇圧させる第1の単効用サイクルAと、吸収器6と低温再生器7とを備え且つ上記第1の単効用サイクルAにおける上記再生器1と上記凝縮器2の間に配置されて該第1の単効用サイクルAにおいて昇圧された蒸気を吸収して中程度の温度の排熱で駆動される第2の単効用サイクルBと、吸収器9と低温再生器10と高温再生器11とを備え且つ上記第1の単効用サイクルAにおける上記再生器1と上記凝縮器2の間に配置されて該第1の単効用サイクルAにおいて昇圧された蒸気を吸収して最も高い温度の排熱で駆動される二重効用サイクルCとを備えて構成された吸収式冷凍装置Zに、圧縮機31と凝縮器32と蒸発器33と冷水循環路を介して上記蒸発器33に接続された利用側熱交換器とからなる蒸気圧縮式冷凍装置Dを付設し、上記利用側熱交換器から帰還する冷水を上記吸収式冷凍装置Zにおける上記蒸発器3で冷却した後、さらに上記蒸発器33においてこれを冷却して上記利用側熱交換器に供給するように構成したことを特徴としている。
【0008】
本願の第2の発明にかかる冷凍システムは、再生器1と凝縮器2と蒸発器3と吸収器4とを備え、最も低い温度の排熱で駆動され上記蒸発器3からの蒸気を昇圧させる第1の単効用サイクルAと、吸収器6と低温再生器7とを備え且つ上記第1の単効用サイクルAにおける上記再生器1と上記凝縮器2の間に配置されて該第1の単効用サイクルAにおいて昇圧された蒸気を吸収して中程度の温度の排熱で駆動される第2の単効用サイクルBと、吸収器9と低温再生器10と高温再生器11とを備え且つ上記第1の単効用サイクルAにおける上記再生器1と上記凝縮器2の間に配置されて該第1の単効用サイクルAにおいて昇圧された蒸気を吸収して最も高い温度の排熱で駆動される二重効用サイクルCとを備えて構成された吸収式冷凍装置Zに、圧縮機31と凝縮器32と蒸発器33とからなる蒸気圧縮式冷凍装置Dを付設し、上記吸収式冷凍装置Zの上記蒸発器3により上記蒸気圧縮式冷凍装置Dにおける上記凝縮器32を冷却するように構成したことを特徴としている。
【0009】
本願の第3の発明にかかる冷凍システムでは、再生器1と凝縮器2と蒸発器3と吸収器4とを備え、最も低い温度の排熱で駆動され上記蒸発器3からの蒸気を昇圧させる第1の単効用サイクルAと、吸収器6と低温再生器7とを備え且つ上記第1の単効用サイクルAにおける上記再生器1と上記凝縮器2の間に配置されて該第1の単効用サイクルAにおいて昇圧された蒸気を吸収して中程度の温度の排熱で駆動される第2の単効用サイクルBと、吸収器9と低温再生器10と高温再生器11とを備え且つ上記第1の単効用サイクルAにおける上記再生器1と上記凝縮器2の間に配置されて該第1の単効用サイクルAにおいて昇圧された蒸気を吸収して最も高い温度の排熱で駆動される二重効用サイクルCとを備えて構成された吸収式冷凍装置Zに、圧縮機31と凝縮器32と蒸発器33とからなる蒸気圧縮式冷凍装置Dを付設し、上記吸収式冷凍装置Zの上記蒸発器3により、該蒸気圧縮式冷凍装置Dにおける上記凝縮器32からの液冷媒を過冷却するように構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0011】
(イ) 本願の第1の発明にかかる吸収式冷凍装置によれば、最も低い温度の排熱で第1の単効用サイクルAを駆動して蒸発器3からの蒸気を昇圧させ、この昇圧された蒸気を、中程度の温度の排熱で駆動される第2の単効用サイクルBと、最も高い温度の排熱で駆動される二重効用サイクルCとにそれぞれ吸収させるようにしているので、比較的高い温度の排熱で駆動される上記第2の単効用サイクルBにおいては吸収蒸気の昇圧分だけ吸収溶液の濃度幅が拡大しそれだけサイクル全体としてのCOPが向上し、また上記二重効用サイクルCにおいては吸収蒸気の昇圧によってサイクルそのものの構成が可能となり且つ吸収蒸気の昇圧により吸収溶液の濃度幅がより大きくなりサイクル全体として高いCOPが実現され、これらの相乗効果として、吸収式冷凍装置全体として非常に高いCOPが実現され、結果的に、低温排熱の有効利用がより一層促進されるものである。
【0012】
また、この発明にかかる吸収式冷凍装置によれば、上記吸収式冷凍装置Zに、圧縮機31と凝縮器32と蒸発器33と冷水循環路を介して上記蒸発器33に接続された利用側熱交換器とからなる蒸気圧縮式冷凍装置Dを付設し、上記利用側熱交換器から帰還する冷水を上記吸収式冷凍装置Zにおける上記蒸発器3で冷却した後、さらに上記蒸発器33においてこれを冷却して上記利用側熱交換器に供給するように構成しているので、上記蒸発器3の入口の冷水温度を一定とすれば上記蒸気圧縮式冷凍装置D側の上記蒸発器33での冷却分だけ上記蒸発器3の出口での冷水温度を高めに設定することができ、その結果、上記蒸発器3における冷媒の蒸発温度を高く設定してより低温の排熱で吸収式サイクルを駆動し、吸収式冷凍装置ZのCOPの向上を図ることができる。
【0013】
(ロ) 本願の第2の発明にかかる冷凍システムによれば、最も低い温度の排熱で第1の単効用サイクルAを駆動して蒸発器3からの蒸気を昇圧させ、この昇圧された蒸気を、中程度の温度の排熱で駆動される第2の単効用サイクルBと、最も高い温度の排熱で駆動される二重効用サイクルCとにそれぞれ吸収させるようにしているので、比較的高い温度の排熱で駆動される上記第2の単効用サイクルBにおいては吸収蒸気の昇圧分だけ吸収溶液の濃度幅が拡大しそれだけサイクル全体としてのCOPが向上し、また上記二重効用サイクルCにおいては吸収蒸気の昇圧によってサイクルそのものの構成が可能となり且つ吸収蒸気の昇圧により吸収溶液の濃度幅がより大きくなりサイクル全体として高いCOPが実現され、これらの相乗効果として、吸収式冷凍装置全体として非常に高いCOPが実現され、結果的に、低温排熱の有効利用がより一層促進されるものである。
【0014】
また、この発明にかかる吸収式冷凍装置によれば、上記吸収式冷凍装置Zに、圧縮機31と凝縮器32と蒸発器33とからなる蒸気圧縮式冷凍装置Dを付設し、上記吸収式冷凍装置Zの上記蒸発器3により上記蒸気圧縮式冷凍装置Dにおける上記凝縮器32を冷却するように構成しているので、該吸収式冷凍装置Zの上記蒸発器3による冷却により上記凝縮器32の冷媒温度が低下し、それだけ上記蒸気圧縮式冷凍装置Dにおける上記圧縮機31の駆動動力が低減され、結果的に上記蒸気圧縮式冷凍装置DのCOPが向上し、延いては上記吸収式冷凍装置Zを含めた冷凍システム全体としてのCOPの向上が期待できるものである。
【0015】
(ハ) 本願の第3の発明にかかる冷凍システムによれば、最も低い温度の排熱で第1の単効用サイクルAを駆動して蒸発器3からの蒸気を昇圧させ、この昇圧された蒸気を、中程度の温度の排熱で駆動される第2の単効用サイクルBと、最も高い温度の排熱で駆動される二重効用サイクルCとにそれぞれ吸収させるようにしているので、比較的高い温度の排熱で駆動される上記第2の単効用サイクルBにおいては吸収蒸気の昇圧分だけ吸収溶液の濃度幅が拡大しそれだけサイクル全体としてのCOPが向上し、また上記二重効用サイクルCにおいては吸収蒸気の昇圧によってサイクルそのものの構成が可能となり且つ吸収蒸気の昇圧により吸収溶液の濃度幅がより大きくなりサイクル全体として高いCOPが実現され、これらの相乗効果として、吸収式冷凍装置全体として非常に高いCOPが実現され、結果的に、低温排熱の有効利用がより一層促進されるものである。
【0016】
また、この発明にかかる吸収式冷凍装置によれば、上記吸収式冷凍装置Zに、圧縮機31と凝縮器32と蒸発器33とからなる蒸気圧縮式冷凍装置Dを付設し、上記吸収式冷凍装置Zの上記蒸発器3により、該蒸気圧縮式冷凍装置Dにおける上記凝縮器32からの液冷媒を過冷却することで、冷却顕熱分だけ上記蒸発器33での蒸発能力が増加し、延いては上記蒸気圧縮式冷凍装置Dの冷凍能力が向上することになる。
【発明の実施の形態】
【0017】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
第1の実施形態
図1には、第1の実施形態に係る吸収式冷凍装置Zのシステム構成を示している。この吸収式冷凍装置Zは、従来、有効に利用されることなく捨てられていた非常に低温(例えば、70℃以下)の排熱を有効に利用するものであって、温度レベルの異なる複数の排熱が存在する場合に好適な吸収式冷凍装置である。
【0018】
即ち、図2のデューリング線図に示すように、65℃程度の排熱を熱源として駆動されて蒸発器3(図1参照)からの蒸気を昇圧させる第1の単効用サイクルAと、該第1の単効用サイクルAにおいて昇圧された蒸気を吸収して70℃程度の中温の排熱を熱源として駆動される第2の単効用サイクルBと、同じく上記第1の単効用サイクルAにおいて昇圧された蒸気を吸収して110℃程度の高温の排熱を熱源として駆動される二重効用サイクルCとを備え、これら第2の単効用サイクルBと二重効用サイクルCからの蒸気を凝縮器2(図1参照)に導入し、これを凝縮して上記蒸発器3に供給することで吸収式サイクルを構成したものであり、かかる構成により、65℃程度の非常に低温の排熱を有効に利用するものである。
【0019】
上記吸収式冷凍装置Zは、図1に示すように、次述の第1の単効用サイクルAと第2の単効用サイクルBと二重効用サイクルCとを組み合わせて構成されている。
【0020】
上記第1の単効用サイクルAは、65℃程度の低温排熱を熱源とする再生器1と、凝縮器2と蒸発器3と吸収器4、及び上記再生器1と吸収器4との間に配置された溶液熱交換器5とを備えたものを基本構成とするものであり、該基本構成における上記再生器1と凝縮器2の間には、次述の第2の単効用サイクルBと二重効用サイクルCを並列配置されている。
【0021】
上記第2の単効用サイクルBは、上記第1の単効用サイクルAの再生器1からの蒸気を吸収する吸収器6と、70℃程度の中温の排熱を熱源とする低温再生器7と、これら両者間に配置された溶液熱交換器8とを備えて構成されている。
【0022】
上記二重効用サイクルCは、上記第1の単効用サイクルAの再生器1からの蒸気を吸収する吸収器9と、70℃程度の中温の排熱を熱源とする低温再生器10と、110℃程度の高温の排熱を熱源とする高温再生器11と、上記吸収器9と低温再生器10の間に配置された溶液熱交換器12と、上記低温再生器10と高温再生器11との間に配置された溶液熱交換器13とを備えて構成されている。
【0023】
尚、図1において、符号21〜23は溶液ポンプ、符号24〜26は制御弁である。
【0024】
このように構成された吸収式冷凍装置Zは、次のように作動する。即ち、上記蒸発器3において発生した蒸気は、上記第1の単効用サイクルAの吸収器4において濃溶液に吸収される。蒸気を吸収して希釈された希溶液は、溶液ポンプ21によって再生器1に供給されるが、その途中で上記溶液熱交換器5において上記再生器1から上記吸収器4側に還流する濃溶液と熱交換して昇温及び昇圧される。上記再生器1に供給された希溶液は、低温排熱によって加熱され、冷媒を蒸発させて濃溶液とされ上記吸収器4側に還流される。一方、上記再生器1において希溶液から蒸発した冷媒蒸気は、次述の第2の単効用サイクルBと二重効用サイクルCにそれぞれ供給される。即ち、上記第1の単効用サイクルAは、上記蒸発器3からの蒸気の昇温・昇圧作用のみを発揮するものであるが、この第1の単効用サイクルAを上述のように65℃程度の低温排熱で駆動することで低温排熱の有効利用が図れるものである。
【0025】
上記第2の単効用サイクルBでは、先ず、上記吸収器6において、上記第1の単効用サイクルAの上記再生器1から供給される昇温・昇圧した蒸気が濃溶液に吸収される。蒸気を吸収して希釈された希溶液は、溶液ポンプ22によって低温再生器7に導入されるが、その途中において、上記溶液熱交換器8で上記低温再生器7から還流する濃溶液との間で熱交換されて昇温・昇圧される。上記低温再生器7においては、70℃程度の排熱を熱源として希溶液が加熱され、ここで発生した蒸気は上記凝縮器2に導入される。尚、上記低温再生器7からの濃溶液は、上記溶液熱交換器8を介して上記吸収器6に還流される。
【0026】
一方、上記二重効用サイクルCでは、先ず、上記吸収器9において、上記第1の単効用サイクルAの再生器1から供給される昇温・昇圧した蒸気が濃溶液に吸収される。蒸気の吸収によって希釈された希溶液は、溶液ポンプ23により溶液熱交換器12及び溶液熱交換器13を介して上記高温再生器11に導入される。尚、この場合、希溶液は上記各溶液熱交換器12,13において濃溶液と熱交換して昇温される。
【0027】
上記高温再生器11においては、110℃程度の高温排熱を熱源として溶液の高温再生が行われ、該高温再生器11において発生した蒸気は、さらに低温再生器10に送られ、再生熱源として利用された後、上記凝縮器2に導入される。また、上記低温再生器10では、上記高温再生器11からの蒸気を熱源とする溶液再生が行われ、ここで発生した蒸気も上記凝縮器2に導入される。一方、上記高温再生器11と低温再生器10とにおいてそれぞれ再生された濃溶液は、上記吸収器9に還流される。
【0028】
上記凝縮器2では、上記第2の単効用サイクルBの低温再生器7、及び上記二重効用サイクルCの低温再生器10からそれぞれ導入される蒸気が凝縮され、液冷媒隣って上記蒸発器3に導入される。
【0029】
以上の作動において、上記凝縮器2又は蒸発器3、又は吸収器4,6,9を利用側熱交換器とすることで、暖房又は冷房を行うこと、あるいは二次側冷媒を用いることでこれらを二次側温熱源又は二次側冷熱源として利用することができるものである。
【0030】
このように、この実施形態の吸収式冷凍装置Zにおいては、最も低温の排熱で上記第1の単効用サイクルAを駆動して蒸発器3からの蒸気を昇圧させ、この昇圧された蒸気を、中温の排熱で駆動される上記第2の単効用サイクルBと、最も高温の排熱で駆動される上記二重効用サイクルCとにそれぞれ吸収させるようにしているので、上記第2の単効用サイクルBにおいては吸収蒸気の昇圧分だけ吸収溶液の濃度幅が拡大しそれだけサイクル全体としてのCOPが向上し、また上記二重効用サイクルCにおいては吸収蒸気の昇圧によってサイクルそのものの構成が可能となるとともに、吸収蒸気の昇圧により吸収溶液の濃度幅がより大きくなりサイクル全体として高いCOPが実現される。これらの相乗効果として、吸収式冷凍装置Z全体として非常に高いCOPが実現され、結果的に、従来未利用の非常に低温の排熱を有効に利用することが可能となるものである。
【0031】
第2の実施形態
図3には、第2の実施形態に係る冷凍システムX1のシステム図を示している。この冷凍システムX1は、上記第1の実施形態にかかる吸収式冷凍装置Zと次述の蒸気圧縮式冷凍装置Dとを組み合わせて構成されるものであって、その目的とするところは、上記吸収式冷凍装置Zにおける冷媒の蒸発温度を高めることでCOPの向上を図ること、及び上記蒸気圧縮式冷凍装置Dにおける駆動動力を低減することにある。
【0032】
上記冷凍システムX1は、上述のように、上記第1の実施形態において説明した上記吸収式冷凍装置Zに次述の蒸気圧縮式冷凍装置Dを組み合わせて構成されるものであって、該吸収式冷凍装置Zの構成そのものは、上記蒸発器3を液冷式とし、ここに蒸気圧縮式冷凍装置D側の冷水循環路35を配置したことを除いて上記第1の実施形態の場合と同様であるので、その構成及び作動等については上記第1の実施形態における該当部分を援用し且つ図3の各構成部材に図1の各構成部材と対応させて同一符号を付することでその説明を省略する。
【0033】
上記蒸気圧縮式冷凍装置Dは、モーター駆動の圧縮機31と凝縮器32と制御弁34及び蒸発器33を冷媒管路で順次接続するとともに、上記蒸発器33には冷水循環路35を介して利用側熱交換器(例えば、室内機。図示省略)を接続して構成される。そして、上記冷水循環路35の上記蒸発器33よりも上流側位置を上記蒸発器3に通したものである。
【0034】
かかる構成とすると、上記利用側熱交換器側から上記冷水循環路35を通って上記蒸発器33側に還流される冷水は、上記吸収式冷凍装置Zの上記蒸発器3において一次冷却された後、上記蒸気圧縮式冷凍装置D側の上記蒸発器33において二次冷却されることになる。
【0035】
このように、上記冷水循環路35を循環する冷水を上記吸収式冷凍装置Z側の上記蒸発器3と上記蒸気圧縮式冷凍装置D側の上記蒸発器33とで二段階に冷却する構成によれば、例えば上記蒸発器3の入口の冷水温度を所定温度(例えば、12℃程度)に保持すると、上記蒸気圧縮式冷凍装置D側の上記蒸発器33での冷却分だけ上記吸収式冷凍装置Z側の上記蒸発器3の出口での冷水温度を高め(例えば、9℃程度)に設定することができる。この結果、上記蒸発器3における冷媒の蒸発温度を高く設定でき、より低温の排熱で上記吸収式冷凍装置Zを駆動して吸収式冷凍装置のCOPのより一層の向上を図ることができるものである。
【0036】
第3の実施形態
図4には、第3の実施形態に係る冷凍システムX2のシステム図を示している。この冷凍システムX2は、上記第1の実施形態にかかる吸収式冷凍装置Zと次述の蒸気圧縮式冷凍装置Dとを組み合わせて構成されるものであって、その目的とするところは、上記吸収式冷凍装置Zによって上記蒸気圧縮式冷凍装置Dの凝縮器32における冷媒温度を下げて該蒸気圧縮式冷凍装置DのCOPの向上を図る点にある。
【0037】
上記冷凍システムX2は、上述のように、上記第1の実施形態において説明した上記吸収式冷凍装置Zに次述の蒸気圧縮式冷凍装置Dを組み合わせて構成されるものであるが、該吸収式冷凍装置Zの構成及び作動等は上記第1の実施形態の場合と同様であるので、該第1の実施形態における該当部分を援用し且つ図4の各構成部材に図1の各構成部材と対応させて同一符号を付することでその説明を省略する。
【0038】
上記蒸気圧縮式冷凍装置Dは、モーター駆動の圧縮機31と凝縮器32と制御弁34及び蒸発器33を冷媒管路で順次接続して構成するとともに、上記蒸発器33には冷水循環路35を介して利用側熱交換器(例えば、室内機。図示省略)を接続して構成される。そして、上記凝縮器32を上記吸収式冷凍装置Z側の上記蒸発器3と一体化し、これら両者間において熱交換可能としている。
【0039】
かかる構成によれば、上記吸収式冷凍装置Zの上記蒸発器3による冷却により上記蒸気圧縮式冷凍装置Dの上記凝縮器32が冷却されこれを循環する冷媒の温度が低下する。この結果、上記蒸気圧縮式冷凍装置Dにおける上記圧縮機31の駆動動力が低減され、それだけ上記蒸気圧縮式冷凍装置DのCOPが向上し、延いては上記吸収式冷凍装置Zを含めた冷凍システムX2全体としてのCOPの向上が期待できるものである。
【0040】
第4の実施形態
図5には、第4の実施形態に係る冷凍システムX3のシステム図を示している。この冷凍システムX3は、上記第1の実施形態にかかる吸収式冷凍装置Zと次述の蒸気圧縮式冷凍装置Dとを組み合わせて構成されるものであって、その目的とするところは、上記吸収式冷凍装置Zの上記蒸発器3により、該蒸気圧縮式冷凍装置Dにおける上記凝縮器32からの液冷媒を過冷却することで該蒸気圧縮式冷凍装置Dの冷凍能力の向上を図る点にある。
【0041】
上記冷凍システムX3は、上述のように、上記第1の実施形態において説明した上記吸収式冷凍装置Zに次述の蒸気圧縮式冷凍装置Dを組み合わせて構成されるものであるが、該吸収式冷凍装置Zの構成及び作動等は上記第1の実施形態の場合と同様であるので、該第1の実施形態における該当部分を援用し且つ図5の各構成部材に図1の各構成部材と対応させて同一符号を付することでその説明を省略する。
【0042】
上記蒸気圧縮式冷凍装置Dは、モーター駆動の圧縮機31と凝縮器32と制御弁34及び蒸発器33を冷媒管路で順次接続して構成するとともに、上記蒸発器33には冷水循環路35を介して利用側熱交換器(例えば、室内機。図示省略)を接続して構成される。そして、上記凝縮器32と上記蒸発器33との間の冷媒管路に、上記吸収式冷凍装置Zの蒸発器33を介設し、上記凝縮器32からの液冷媒を上記吸収式冷凍装置Z側の蒸発器3によって過冷却するようにしている。
【0043】
このように、上記吸収式冷凍装置Zの上記蒸発器3により上記該蒸気圧縮式冷凍装置Dにおける上記凝縮器32からの液冷媒を過冷却することで、冷却顕熱分だけ上記蒸発器33での蒸発能力が増加し、延いては上記蒸気圧縮式冷凍装置Dの冷凍能力が向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の第1の実施形態にかかる吸収式冷凍装置のシステム図である。
【図2】 図1に示した吸収式冷凍装置におけるデューリング線図である。
【図3】 本願発明の第2の実施形態にかかる吸収式冷凍装置のシステム図である。
【図4】 本願発明の第3の実施形態にかかる吸収式冷凍装置のシステム図である。
【図5】 本願発明の第4の実施形態にかかる吸収式冷凍装置のシステム図である。
【符号の説明】
1は再生器、2は凝縮器、3は蒸発器、4は吸収器、5は溶液熱交換器、6は吸収器、7は低温再生器、8は溶液熱交換器、9は吸収器、10は低温再生器、11は高温再生器、12は溶液熱交換器、13は溶液熱交換器、21〜23は溶液ポンプ、24〜26は制御弁、31は圧縮機、32は凝縮器、33は蒸発器、34は制御弁、35は冷水循環路、Aは第1の単効用サイクル、Bは第2の単効用サイクル、Cは二重効用サイクル、Dは蒸気圧縮式冷凍装置、Zは吸収式冷凍装置である。
Claims (3)
- 再生器(1)と凝縮器(2)と蒸発器(3)と吸収器(4)とを備え、最も低い温度の排熱で駆動され上記蒸発器(3)からの蒸気を昇圧させる第1の単効用サイクル(A)と、吸収器(6)と低温再生器(7)とを備え且つ上記第1の単効用サイクル(A)における上記再生器(1)と上記凝縮器(2)の間に配置されて該第1の単効用サイクル(A)において昇圧された蒸気を吸収して中程度の温度の排熱で駆動される第2の単効用サイクル(B)と、吸収器(9)と低温再生器(10)と高温再生器(11)とを備え且つ上記第1の単効用サイクル(A)における上記再生器(1)と上記凝縮器(2)の間に配置されて該第1の単効用サイクル(A)において昇圧された蒸気を吸収して最も高い温度の排熱で駆動される二重効用サイクル(C)とを備えて構成された吸収式冷凍装置(Z)に、圧縮機(31)と凝縮器(32)と蒸発器(33)と冷水循環路を介して上記蒸発器(33)に接続された利用側熱交換器とからなる蒸気圧縮式冷凍装置(D)を付設し、上記利用側熱交換器から帰還する冷水を上記吸収式冷凍装置(Z)における上記蒸発器(3)で冷却した後、さらに上記蒸発器(33)においてこれを冷却して上記利用側熱交換器に供給するように構成したことを特徴とする冷凍システム。
- 再生器(1)と凝縮器(2)と蒸発器(3)と吸収器(4)とを備え、最も低い温度の排熱で駆動され上記蒸発器(3)からの蒸気を昇圧させる第1の単効用サイクル(A)と、吸収器(6)と低温再生器(7)とを備え且つ上記第1の単効用サイクル(A)における上記再生器(1)と上記凝縮器(2)の間に配置されて該第1の単効用サイクル(A)において昇圧された蒸気を吸収して中程度の温度の排熱で駆動される第2の単効用サイクル(B)と、吸収器(9)と低温再生器(10)と高温再生器(11)とを備え且つ上記第1の単効用サイクル(A)における上記再生器(1)と上記凝縮器(2)の間に配置されて該第1の単効用サイクル(A)において昇圧された蒸気を吸収して最も高い温度の排熱で駆動される二重効用サイクル(C)とを備えて構成された吸収式冷凍装置(Z)に、圧縮機(31)と凝縮器(32)と蒸発器(33)とからなる蒸気圧縮式冷凍装置(D)を付設し、上記吸収式冷凍装置(Z)の上記蒸発器(3)により上記蒸気圧縮式冷凍装置(D)における上記凝縮器(32)を冷却するように構成したことを特徴とする冷凍システム。
- 再生器(1)と凝縮器(2)と蒸発器(3)と吸収器(4)とを備え、最も低い温度の排熱で駆動され上記蒸発器(3)からの蒸気を昇圧させる第1の単効用サイクル(A)と、吸収器(6)と低温再生器(7)とを備え且つ上記第1の単効用サイクル(A)における上記再生器(1)と上記凝縮器(2)の間に配置されて該第1の単効用サイクル(A)において昇圧された蒸気を吸収して中程度の温度の排熱で駆動される第2の単効用サイクル(B)と、吸収器(9)と低温再生器(10)と高温再生器(11)とを備え且つ上記第1の単効用サイクル(A)における上記再生器(1)と上記凝縮器(2)の間に配置されて該第1の単効用サイクル(A)において昇圧された蒸気を吸収して最も高い温度の排熱で駆動される二重効用サイクル(C)とを備えて構成された吸収式冷凍装置(Z)に、圧縮機(31)と凝縮器(32)と蒸発器(33)とからなる蒸気圧縮式冷凍装置(D)を付設し、上記吸収式冷凍装置(Z)の上記蒸発器(3)により、該蒸気圧縮式冷凍装置(D)における上記凝縮器(32)からの液冷媒を過冷却するように構成したことを特徴とする冷凍システム。
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