JP4164436B2 - 電着塗装装置および電着塗装方法 - Google Patents

電着塗装装置および電着塗装方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば自動車部品等の被塗装物を電着塗装する電着塗装装置および電着塗装方法に関するものである。
近年、自動車用アクスル装置等では、部品点数の削減や製品コストの低減等を図るべく、軸受の構成要素をアクスル装置の構成要素と一体化したいわゆる第3世代や第3.5世代のハブユニット軸受が提案されている(例えば、下記の特許文献1参照。)。
一般に、このような自動車部品(ハブ)等においては、油性あるいは水性の塗料を用いた塗装により防錆されるが、ホイールが当接するフランジ面やアクスルナット(ワッシャ)等が当接する内端面等に塗料が付着した場合、ホイールナットやアクスルナットの緩みが生じるおそれがある。そのため、パイロット筒部の塗装は、マスキングテープ等を用いて塗装部位以外を遮蔽した状態で、ディッピングや吹き付け等による塗装が行われている。
すなわち、自動車部品(ハブ)等の被塗装物には塗装しない部位があり、その被塗装物を塗装する際には、塗装しない部位をマスキングして塗装している。しかし、吹き付け等により塗装ムラや液ダレが生じたり、マスキングテープを剥がす際に、マスキングテープと塗装部位との境目で塗装(塗膜)が一緒に剥がれたりしやすいという問題がある。このような塗装ムラや剥がれが生じると、外観品質を低下させるだけでなく、耐食性を大幅に低下させることになってしまう。
そこで、自動車車体の水平部における塗膜の均一性、平滑性および鮮映性等の塗膜品質の良好な塗膜を形成し得る自動車車体の電着塗装装置が提案されている(例えば、下記の特許文献2参照。)。
一般に、電着塗装は、塗装工程の自動化が容易であり、塗料の被塗物への付き回り性が良く、均一な膜厚の塗膜が得られ、さらには水系塗料であるために環境に対する負荷が少なく、安全性が高い等の利点を有するので、従来から工業用塗装ライン等で広く用いられている。かかる電着塗装としては、電着塗料としてアニオン電着塗料を用いた上で導電材料からなる被塗物を陽極として電着を行なう陽極電着塗装と、電着塗料としてカチオン電着塗料を用いた上で導電材料からなる被塗物を陰極として電着を行なう陰極電着塗装とが行われている。
特開2000−142009号公報 特開2002−194594号公報
しかしながら、上記のような電着塗装装置は、自動車車体を、電着槽の長手方向の一端から入槽させ、電着槽内で長手方向に進行させ、電着槽の長手方向の他端から出槽させ、これを連続的に順次行なう。そして、電着槽に入槽されて電着塗料中に浸漬された自動車車体が一方の電極となり、かつ、電着槽内で自動車車体とは離間して配置された複数の電極部材が他方の電極となるように、自動車車体および電極部材間に直流電圧を印加して、電着塗料を自動車車体の表面に電着させるようになっている。
すなわち、上記のような電着塗装装置は、被塗装物である自動車車体を電着槽に入槽させて、その表面に電着塗料を電着させるようになっているため、被塗装物に塗装を必要としない部位があっても、被塗装物の全面が電着塗装されてしまう。このため、上述のように、ホイールが当接するフランジ面やアクスルナット(ワッシャ)が当接する自動車部品等の被塗装物の内端面等に塗料が付着した場合、これらの摩擦により塗装が剥がれ、ホイールナットやアクスルナットの緩みが生じるおそれがある。
これらのような事情から、上記装置で塗装しない部位を有する被塗装物には、電着塗装を施すことができず、依然としてマスキングを施しての吹き付けやディッピングが行われていたのが実情である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、被塗装物の任意の部分に電着塗装を施すことができる電着塗装装置および電着塗装方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電着塗装装置は、被塗装物を電着塗装する電着塗装装置であって、
電着塗装液を収容する電着槽と、
上記電着槽に上記電着塗装液を導入する導入手段と、
上記電着塗装液に浸漬された被塗装物と上記電着槽の電着塗装液との間に通電することにより、上記被塗装物の表面に上記電着塗装液中の塗料を電着させる通電手段と、
上記電着槽の電着塗装液中に浸漬された被塗装物の一部表面が電着塗装液と実質的に接触しないように密着するマスク部材と、
少なくとも上記通電手段通電している間は上記被塗装物の一部表面に対してマスク部材を密着させ、上記通電手段が通電を終了したとき上記被塗装物の一部表面に対するマスク部材の密着を解除する制御手段とを備え
上記マスク部材は、上記電着槽の電着塗装液中に上記被塗装物が浸漬された状態で上記被塗装物を支持する支持部材を兼ねているとともに、上記電着槽の電着塗装液の液面から上記被塗装物のマスク部以外の他の一部を突出させた状態で上記被塗装物を支持し、
上記電着槽の電着塗装液の液面の高さが略一定になるよう調節する液面調節手段は、上記電着槽の上部開口縁から電着塗装液を溢流させて液面の高さを調節することにより、塗装する部分と塗装しない部分とを設定するようになっていることを要旨とする。
また、本発明の電着塗装方法は、被塗装物を電着塗装する電着塗装方法であって、
電着塗装液を収容する電着槽に上記電着塗装液を導入し、
上記電着塗装液に浸漬された被塗装物と上記電着槽の電着塗装液との間に通電することにより、上記被塗装物の表面に上記電着塗装液中の塗料を電着させ、
上記電着槽の電着塗装液中に浸漬された被塗装物の一部表面が電着塗装液と実質的に接触しないように密着するマスク部材を準備し、
少なくとも上記通電手段通電している間は上記被塗装物の一部表面に対してマスク部材を密着させ、上記通電手段が通電を終了したとき上記被塗装物の一部表面に対するマスク部材の密着を解除し
上記マスク部材は、上記電着槽の電着塗装液中に上記被塗装物が浸漬された状態で上記被塗装物を支持する支持部材を兼ねているとともに、上記電着槽の電着塗装液の液面から上記被塗装物のマスク部以外の他の一部を突出させた状態で上記被塗装物を支持し、
上記電着槽の電着塗装液の液面の高さが略一定になるよう調節する液面調節手段は、上記電着槽の上部開口縁から電着塗装液を溢流させて液面の高さを調節することにより、塗装する部分と塗装しない部分とを設定することを要旨とする。
すなわち、本発明の電着塗装装置によれば、上記導入手段は、上記電着槽に上記電着塗装液を導入する。上記通電手段は、上記電着塗装液に浸漬された被塗装物と上記電着槽の電着塗装液との間に通電することにより、上記被塗装物の表面に上記電着塗装液中の塗料を電着させる。上記制御手段は、少なくとも上記通電手段の通電中に、上記被塗装物の一部表面に対してマスク部材を密着させ、上記通電手段が通電を解除する間、上記被塗装物の一部表面に対するマスク部材の密着を解除する。また、本発明の電着塗装方法によれば、電着塗装液を収容する電着槽に上記電着塗装液を導入し、上記電着塗装液に浸漬された被塗装物と上記電着槽の電着塗装液との間に通電することにより、上記被塗装物の表面に上記電着塗装液中の塗料を電着させ、上記電着槽の電着塗装液中に浸漬された被塗装物の一部表面が電着塗装液と実質的に接触しないように密着するマスク部材を準備し、少なくとも通電中に、上記被塗装物の一部表面に対してマスク部材を密着させ、通電を解除する間、上記被塗装物の一部表面に対するマスク部材の密着を解除する。
したがって、本発明によれば、上記被塗装物は、マスク部材によって電着槽の電着塗装液中に浸漬された被塗装物の一部を電着塗装液と実質的に接触しないよう密着された状態で通電され電着されるため、電着槽の電着塗装液中に浸漬された被塗装物のうちマスク部材によって密着されていない部分のみに電着塗装(部分塗装)を施すことができる。すなわち、電着槽の電着塗装液中に浸漬された被塗装物のうち電着塗装を施さない部分に対してマスク部材を密着させることでマスキングでき、使用者等にとって所望の部分に電着塗装を施すことができる。これにより、例えば、被塗装物のうち他の部品と嵌め合わされる部分に電着塗装が施されないようにすることができるため、これらの摩擦により電着塗装が剥がれて緩みが生じるということを防止することができる。
また、上記被塗装物のうちマスキングする位置によって同じ電着塗装装置で多様な被塗装物(例えば、電着塗装を施したい部位が異なる塗装物)に部分塗装を施すことができるため、コストメリットが大きい。
また、少なくとも通電している間は上記被塗装物の一部表面に対してマスク部材を密着させ、通電を終了したとき上記被塗装物の一部表面に対するマスク部材の密着を解除するため、人手を使わず、マスク部材の密着と解除を自動的に行なうことができる。すなわち、マスキングの自動化が可能となり、電着塗装作業の効率が向上する。すなわち、マスク部材と被塗装物の間にクリアランスがある状態で被塗装物を挿入し、マスク部材を密着させて電着塗装を行ない、再びマスク部材と被塗装物の間にクリアランスを設けて被塗装物を外せばよいので、マスキングを完全に自動化することが可能である。 また、上記マスク部材は、上記電着槽の電着塗装液中に上記被塗装物が浸漬された状態で上記被塗装物を支持する支持部材を兼ねているため、被塗装物を電着槽の電着塗装液中で支持することができるとともに、電着槽の電着塗装液中で被塗装物のうちマスク部材と密着した部分に電着塗装を施さないようにすることができる。また、支持部材とマスク部材を兼ねることにより装置の構造を大幅に簡素化でき、設備コストやメンテナンスコストを節減することができる。
また、上記マスク部材は、上記電着槽の電着塗装液の液面から上記被塗装物の他の一部を突出させた状態で上記被塗装物を支持するため、その突出させた他の一部に電着塗装を施さないようにすることができる。また、マスク部材と被塗装物の下端が密着することで、被塗装物の、例えば中央部のみに電着を施すことができる。例えば、被塗装物が長手方向の両端にスプラインが形成されている円柱状の被塗装物(例えば、後述の自動車用シャフト)である場合、そのスプラインに電着塗装を施さず、スプラインより内側の部分のみに電着塗装を施すことができる。これにより、スプラインと嵌め合わさる部品との間に電着塗装が施されないため、これらの摩擦により電着塗装が剥がれて緩みが生じるということを防止することができる。
また、上記電着槽の電着塗装液の液面の高さが略一定になるよう調節する液面調節手段を備えたため、液面調節手段によって電着塗装を施す範囲(塗装範囲)を設定することができる。例えば、被塗装物のうち所定の高さまで電着塗装を施す場合には、電着槽の電着塗装液の液面の高さが所定の高さになるように電着槽の電着塗装液の液面の高さを調節することにより実現することができる。また、被塗装物の大きさに対応させて上記電着槽に収容する電着塗装液の液量を調節することができるため、電着塗装液や設備費用、電力量等のコストを削減することができ、コストメリットが大きくなる。
また、上記電着槽の上部開口縁から電着塗装液を溢流させることにより液面の高さを調節するようになっているため、上記導入手段の電着塗装液の導入により電着槽の上部開口縁から電着塗装液が溢流するときの液面の盛り上がりを少なくし、液面を平らに近づけることができ、被塗装物のうち塗装部位と塗装しない部位との境界を略直線にすることができる。これにより、上記境界をはっきりさせることができ、被塗装物の表面に見た目のよい塗膜を形成することができる。
本発明において、上記マスク部材は中空部を有した弾性部材であり、上記制御手段は、上記マスク部材の内部圧力を上下させて弾性部材を膨張収縮させることにより、上記被塗装物の一部表面に対する弾性部材の密着と解除を制御する場合には、例えば空気圧制御のような簡単な機構で上記被塗装物の一部表面に対する弾性部材の密着と解除を確実に行なうことができる。したがって、極めて低コストでマスキングの自動化を実現することが可能となる。
本発明において、上記マスク部材は、全体として環状を呈し、上記制御手段は、上記環状のマスク部材の内側に被塗装物を配置した状態で、マスク部材の内部圧力を昇降させて上記被塗装物の外周表面に対するマスク部材の密着と解除を制御する場合には、被塗装物の外周表面に対して環状のマスキングを容易にすることができる。すなわち、被塗装物の外周表面に環状のマスキングを施そうとすると、従来はマスキングテープを巻回したり、キャップ状のマスキング部材を嵌め込んだり、あるいはマスキング部材を分割式にしたりする必要があった。しかしながら、マスキングテープを巻回する方法では、テープの巻回と除去が極めて煩雑であるうえテープ剥離の際に塗膜が損傷しやすい。キャップ状のマスキング部材では、ある程度きつめの部材を圧入しなければマスク部に液がまわって十分なマスキングができないことから、マスキング部材の取り付け取り外しが極めて煩雑で自動化できない。また、分割方式のマスキング部材では、マスキングの自動化はできるものの、分割個所に液がまわってマスキングが不十分になるという問題があった。これに対し本発明では、マスク部材と被塗装物の間にクリアランスがある状態で被塗装物を挿入し、空気圧等の作用によりマスク部材を密着させて電着塗装を行ない、再びマスク部材と被塗装物の間にクリアランスを設けて被塗装物を外せばよいので、マスキングを自動化し、しかも完全に被塗装物の外周に完全な環状のマスキングを施すことができるのである。
本発明において、上記マスク部材を構成する弾性部材は、1方向に開放部を有しその開放端部には係止部が形成され、上記開放部を密閉して中空部を形成するように上記係止部を係止する把持部材によって把持されている場合には、上記弾性部材は、把持部材に把持された状態で、把持部材から膨出する方向への膨張と、その反対方向への収縮とが行なわれる。このため、上記把持部材と被塗装物との位置関係を固定した状態で弾性部材を膨張させることにより、被塗装物の一部表面に対する弾性部材の確実な密着状態を確保することができる。しかも、上記把持部材と被塗装物との位置関係を固定した状態で弾性部材を膨張収縮させることにより、被塗装物に対する密着状態と、被塗装物から弾性部材が離れたときのクリアランスを一定に保つことができ、確実なマスキングが行なえると同時に、マスキングを自動化する際に極めて都合がよい。
本発明において、上記電着槽の上部開口縁から電着塗装液を溢流させることにより液面の高さを調節するようになっており、上記電着槽の上部開口縁は、その内側の高さより外側の高さが高い場合には、上記導入手段の電着塗装液の導入により電着槽の上部開口縁から電着塗装液が溢流するときの液面の盛り上がりを少なくし、液面を平らに近づけることができ、被塗装物のうち塗装部位と塗装しない部位との境界を略直線にすることができる。これにより、上記境界をはっきりさせることができ、被塗装物の表面に見た目のよい塗膜を形成することができる。
本発明において、上記電着槽には、上記導入手段から上記電着塗装液が導入される導入口の近傍に、導入された電着塗装液が上記被塗装物と上記電着塗装液との接触面に向かって直接流れるのを防止する直接流防止部材が設けられている場合には、電着塗装液が上記被塗装物と上記電着塗装液との接触面に向かって直接流れることによって、その水流により液面の高さや液流がふぞろいになることを防止することができる。これにより、塗装ムラが生じることを防止することができる。
本発明において、自動的に上記被塗装物を上記電着槽内にセットまたは上記電着槽から取り出すロボット装置を備え、上記制御手段は、上記ロボット装置により上記被塗装物がセットされると、マスク部材の内部圧力を上昇させて、上記被塗装物の一部表面に対してマスク部材を密着させた後に通電手段の通電を開始し、上記通電手段の通電が終了した後に、上記マスク部材の内部圧力を下降させて密着を解除し、上記ロボット装置は、上記制御手段によりマスク部材の密着が解除されると、上記被塗装物を上記電着槽から取り出す場合には、上記被塗装物の一部表面に対して効率よく電着塗装を施すことができる。例えば、複数の被塗装物に対して順次電着塗装を施す場合において、上記ロボット装置により自動的にセットされた最初の被塗装物の一部表面に対してマスク部材を密着させ、上記通電手段の通電が終了した後、その被塗装物の一部表面に対するマスク部材の密着を解除して、上記ロボット装置が自動的にその被塗装物を電着塗装液中から取り出し、上記ロボット装置により自動的にセットされた次の被塗装物の一部表面に対してマスク部材を密着させ、上記ロボット装置が自動的にその被塗装物を電着塗装液中から取り出すようにして、次々と効率よく電着塗装を行なうことができる。これにより、電着塗装装置の自動化が達成され、稼動回転率の良い状態で運転することができる。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施例の電着塗装装置の外観を示し、図2は、電着塗装装置の内部構造を示す。なお、図1は、電着塗装装置に被塗装物である等速ジョイント3をセットしていない状態を示し、図2は、電着塗装装置に等速ジョイント3をセットした状態を示す。
上記電着塗装装置は、被塗装物である等速ジョイント3(図2参照)を電着塗装する電着塗装装置1である。等速ジョイント3は、開口部3aを有する大略有天筒状のカップ部3bと、このカップ部3bの天井部に立設されて端部にスプライン3cを有する軸部3dとで構成される。等速ジョイント3は、カップ部3bの内部が開口部3aによって外部と連通する空間部3e(図3参照)になっている。
上記電着塗装装置1には、プラスの電荷を有するカチオン塗料粒子(塗粒)を含む電着塗装液7(図3,図8参照)を収容する略円筒形状の電着槽9と、その電着槽9を収容する略円筒形状の収容槽10と、その収容槽10を収容する四角形状のオーバーフロー槽11が設けられている。収容槽10の底面には、脚部10aが設けられている。これにより、収容槽10は、オーバーフロー槽11の底部から脚部10aの高さ分だけ持ち上がったところに位置するようになっている。
上記オーバーフロー槽11の外側面の下部には、電着槽9に電着塗装液7を導入するための導入管25が接続されている。導入管25は、導入手段である電着塗装液導入装置26(図3参照)と接続されている。電着塗装液導入装置26は、未使用の電着塗装液7を貯留し、その電着塗装液7を必要に応じて導入管25から電着槽9に導入する。電着槽9の底部の中央付近には、導入管25から導入される電着塗装液7を電着槽9内に導入するための導入口27が設けられている。電着塗装液導入装置26によって電着塗装液7を所定流量で電着槽9内に導入することにより、電着槽9の上部開口縁17から電着塗装液7が溢れ、上部開口縁17の高さより少し高いところで液面がほぼ一定に保たれるようになっている。
上記導入口27の上方には、導入された電着塗装液7が等速ジョイント3と電着塗装液7との接触面に向かって直接流れるのを防止する直接流防止部材31が設けられている。上記直接流防止部材31は、電着槽9の底部から所定のバッファ空間34を隔てて浮床状に設けられた盤状部材であり、等速ジョイント3の載置台を兼ねている。この直接流防止部材31には、電着槽9内に載置された等速ジョイント3を囲む周辺部分に、開口部31aが略一定間隔で複数個設けられている。電着塗装液導入装置26によって導入口27から導入された電着塗装液7は、一旦バッファ空間34に貯留されたのち上記開口部31aを通って電着槽9内を満たし、上部開口縁17から溢れ出るようになっている。
上記のように、等速ジョイント3を囲む周辺部分に開口部31aを設けることにより、電着槽9内で適度な液流が生じ、電着塗装液7に含まれる塗粒を撹拌することができ、塗装ムラを防止することができる。また、電着槽9内での液流が略均一になり、液面の高さをより一定に保つことができる。直接流防止部材31の略中央部には、後述の排管30を通すための開口が形成されている。
上記直接流防止部材31上には、等速ジョイント3の開口部3aから空間部3eに電着塗装液7が浸入しないように電着槽9の電着塗装液7中に等速ジョイント3を浸漬させた状態で等速ジョイント3を支持する支持手段である支持部材28が設けられている。
上記支持部材28は、上記電着槽9の電着塗装液7中に浸漬された等速ジョイント3の一部表面が電着塗装液7と実質的に接触しないように密着する後述のマスク部材(図4)を有し、開口部3aを下向きにして電着槽9の電着塗装液7中に浸漬された等速ジョイント3を支持するように形成されている。
また、上記支持部材28は、環状を呈し、その環状の中に等速ジョイント3の開口端部が嵌め込まれて把持されるように形成されている。なお、支持部材28は、電着槽9の底部に固着されていても、電着槽9の底部から脱着自在であってもよい。
上記支持部材28上には、電着槽9内の電着塗装液7に通電するための略円筒状の電極29が設置されている。電極29は、等速ジョイント3を囲むように略円筒状に形成されているため、等速ジョイント3にまんべんなく塗粒を電着させることができ、より一層塗膜品質の良好な塗膜を形成することができる。また、電着塗装液7を通過させる複数の孔が設けられているため、電着塗装液7が孔を通過することにより電着槽9内で適度な液流が生じ、電着塗装液7に含まれる塗粒を撹拌することができ、塗装ムラを防止することができる。
上記電着槽9の底部の略中央部には、電着槽9内の電着塗装液7をオーバーフロー槽11に排出する排管30が設けられている。排管30は、その一方の端(上端)が直接流防止部材31を貫通し、支持部材28の環の中を通って電着槽9の上方に向かって突出するように設けられている。排管30の突出した部分(突出部)の側面には開口30aが形成されている。電着槽9内の電着塗装液7は、この排管30の側面に形成された開口30aからオーバーフロー槽11に排出されるようになっている。支持部材28に等速ジョイント3の開口部3aが嵌め込まれ、等速ジョイント3が密閉されている場合には、等速ジョイント3の空間部3e内に溜まっている電着塗装液7がオーバーフロー槽11に排出される。
すなわち、上記排管30は、支持部材28に電着塗装液7を電着槽9の外部に排出する排出口としての機能を果たす。これにより、等速ジョイント3の空間部3eに電着塗装液7が浸入した場合、その空間部3e内に溜まる電着塗装液7を外部に排出することができるため、等速ジョイント3の内側が電着塗装されることを防止することができる。
上記排管30の上部には、等速ジョイント3に通電するための略円筒状の電極32aを有する電極部32が設けられている。電極部32の電極32aは、等速ジョイント3の開口部3aを下にして支持部材28にセットした状態で、等速ジョイント3の開口部3aから空間部3e内に入り込んで等速ジョイント3の内側上部と接触し、その接触による上方からの加圧により引っ込む程度の力で上向き付勢されている。これにより、電極32aは、サイズの異なる被塗装物であってもその被塗装物と接触して通電することができる。また、等速ジョイント3をセットするだけで電極32aを接触させることができるため、等速ジョイント3に電極32aを接触させる手間を省くことができ、好適である。なお、電極32aは、等速ジョイント3の内側上部と接触するように上記排管30の上部に設けられているが、これに限られるものではなく、等速ジョイント3と接触するように支持部材28に設けられていてもよい。
上記収容槽10には、その底部に電着槽9の上部開口縁17からオーバーフローした電着塗装液7をオーバーフロー槽11に排出する排出口33(図3参照)が設けられている。収容槽10の上部開口縁10bの高さは、電着槽9の上部開口縁17の高さより高くなるように形成されている。これにより、電着槽9の上部開口縁17から溢れ出る電着塗装液7が収容槽10へ流入することにともなう飛び散りを防止することができる。
上記オーバーフロー槽11は、電着塗装液導入装置26による電着塗装液7の導入により電着槽9からオーバーフローする電着塗装液7や排管30から排出される電着塗装液7を受けるようになっている。また、オーバーフロー槽11は排出管41と接続されている。排出管41は、オーバーフロー槽11の側面を貫通して後述の限外濾過装置61(図3参照)と連通している。これにより、オーバーフロー槽11内に溜まった電着塗装液7は、排出管41を通って限外濾過装置61に送られるようになっている。このように、オーバーフロー槽11を設けることで電着塗装液7の回収を容易に行なうことができるとともに、電着塗装液(その使用量を含む)を容易に管理(把握)することができる。
詳細は後述するが、本実施例の電着塗装装置1は、上記オーバーフロー槽11の電着塗装液7(具体的には塗粒)を電着槽9に供給するようになっている。これにより、電着塗装液7を再利用することができ、コストの削減や環境への負担を軽減することができる。
つぎに、図3を参照して、電着塗装装置1について詳しく説明する。
上記のように、本発明の電着塗装装置1は、電着塗装液7を収容する電着槽9と、電着槽9に電着塗装液7を導入する導入手段(電着塗装液導入装置26と、導入管25と、導入口27)と、上記電着塗装液7に浸漬された等速ジョイント3と電着槽9の電着塗装液7との間に通電することにより、等速ジョイント3の表面に電着塗装液7中の塗料を電着させる通電手段(電源51と、その電源51と電気的に接続され、等速ジョイント3と接触する電極32aと、電源51と電気的に接続され、電着塗装液7に通電するための電極29)と、上記電着槽9の電着塗装液7中に浸漬された等速ジョイント3の一部表面が電着塗装液7と実質的に接触しないように密着する後述のマスク部材95(図4)と、少なくとも上記通電手段の通電中に、等速ジョイント3の一部表面に対してマスク部材95を密着させ、上記通電手段が通電を解除する間、等速ジョイント3の一部表面に対するマスク部材95の密着を解除する制御手段としての空気圧調節装置35とを備えている。
すなわち、上記導入手段は、電着槽9に電着塗装液7を導入する。上記通電手段は、電着塗装液7に浸漬された等速ジョイント3と電着槽9の電着塗装液7との間に通電することにより、等速ジョイント3の表面に上記電着塗装液7中の塗料を電着させる。上記空気圧調節装置35は、少なくとも上記通電手段の通電中に、上記等速ジョイント3の一部表面に対してマスク部材95を密着させ、上記通電手段が通電を解除する間、上記等速ジョイント3の一部表面に対するマスク部材95の密着を解除するようになっている。
上記空気圧調節装置35は、支持部材28の中空部95c(図5)内の空気圧を調節するようになっている。具体的には、上記空気圧調節装置35は、後述の空気流通管99を通して上記支持部材28内の中空部95c(図5)内に空気を導入して中空部95c内の内部圧力を上げることができ、後述の空気流通管99を通して中空部95c(図5)内から空気を排出することにより中空部95c(図5)内の内部圧力を下げて空気圧を調節することができるようになっている。すなわち、上記空気圧調節装置35は、マスク部材95の内部圧力(中空部95c内の圧力)を上下させて弾性部材を膨張収縮させることにより、上記等速ジョイント3の外周表面に対する弾性部材の密着と解除を制御する。
また、上記電着塗装液導入装置26には、電着塗装液導入装置26から導入される電着塗装液7の流量を調節する流量調節手段である第1流量調節装置(いわゆるマスフローコントローラ)49が設けられている。したがって、電着槽9の上部開口縁17から盛り上がる電着塗装液7の盛り上がり度合いを調節することができる。これにより、等速ジョイント3等の被塗装物の大きさや形状に応じて適度な電着塗装を施すことができる。また、電着塗装液7の流量を調節することで、接触時間を調節することができる。例えば、電着塗装液導入装置26から導入される電着塗装液7の流量を多くすることで、塗粒の量が多くなり接触時間を短くし、流量を少なくすることで、塗粒の量が少なくなり接触時間を長くすることができる。これにより、電着塗装を安定させ、電着塗装の仕上がり品質を一層向上させることができる。
上記電着槽9内には、電着槽9の電着塗装液7に含まれる塗粒の濃度を計測する濃度計測手段である濃度計測装置53が設けられている。したがって、塗粒の濃度を管理(計測)することができる。例えば、塗粒の濃度が低い場合には塗粒の継ぎ足しを行なうことができ、等速ジョイント3に連続して電着する場合において、それぞれの等速ジョイント3の表面に電着した塗膜の品質、電着塗装を施す時間、電源51の電圧等を一定に保つことができる。これにより、等速ジョイント3に安定した電着塗装を施すことができる。濃度計測装置53は、後述の電源制御回路55と、後述の第2流量調節装置71に電気的に接続されている。
上記等速ジョイント3は電極32aによって電源51のマイナス側と接続され、マイナス側電極として機能し、電着槽9に収容された電着塗装液7内の電極29は電源51のプラス側と接続され、プラス側電極として機能するようになっている。電源51には、電源51を制御する電源制御手段である電源制御回路55が設けられている。電源制御回路55は、濃度計測装置53と接続され、濃度計測装置53によって計測された塗粒の濃度に基いて電源51を制御する。例えば、塗粒の濃度が低い場合には、電着塗装液7に接触させた等速ジョイント3と電着槽9の電着塗装液7との間に印加する電圧を上げるように電源51を制御し、塗粒の濃度が高い場合には、印加する電圧を下げるように電源51を制御することができる。したがって、等速ジョイント3に連続して電着する場合にそれぞれの電着塗装を施す時間等を一定に保つことができる。これにより、等速ジョイント3に安定した電着塗装を施すことができる。
上記電着塗装装置1には、オーバーフロー槽11の電着塗装液7を塗粒液と濾過液とに分離する限外濾過装置(半透膜装置)61が設けられている。限外濾過装置61は、分離した塗粒液を電着槽9に供給するようになっている。詳細には、限外濾過装置61は、半透膜を有し、オーバーフロー槽11からの電着塗装液7が半透膜を透過しない塗粒液(濃縮液)と透過する濾過液(透過液)とに分離する。限外濾過装置61によって分離された塗粒液は、第1ポンプ63によって吸引されて後述の第2流量調節装置71に送られ電着槽9に供給される。このように、限外濾過装置61によって分離された塗粒液は、電着槽9に供給されるようになっているため、塗粒液の無駄がなく、経済的である。さらに、使用済みの電着塗装液7がリサイクルされるため、環境への負担をなくすことができる。
上記第2流量調節装置71は、濃度計測装置53によって計測された塗粒の濃度に基いて限外濾過装置61によって分離された塗粒液の供給量を調節して該塗粒液を電着槽9に供給するようになっている。例えば、塗粒の濃度が低い場合には、塗粒液の流量を多くし、塗粒の濃度が高い場合には、塗粒液の流量を少なくすることができる。したがって、等速ジョイント3に連続して電着する場合にそれぞれの電着塗装を施す時間を一定に保つことができる。これにより、等速ジョイント3に安定した電着塗装を施すことができる。
一方、上記限外濾過装置61によって分離された濾過液は、第2ポンプ73によって吸引され、後述の水洗槽77の上方に設けられたシャワー77aから噴射されるようになっている。電着塗装装置1で電着塗装された等速ジョイント3は、このシャワー77aの噴射方向に移され、シャワー77aから噴射される濾過液によって所定時間洗浄されるようになっている。上記水洗槽77は、上記シャワー77aから噴射された濾過液とシャワー77aを浴びた等速ジョイント3から滴る濾過液を収容する。
上記シャワー77aから噴射される濾過液で等速ジョイント3を洗浄することにより、等速ジョイント3の表面に塗膜として形成されなかった塗粒を洗い流すことができる。このように、限外濾過装置61によって分離された濾過液は、洗浄に使用されるようになっているため、濾過液の無駄がなく、経済的である。また、使用済みの電着塗装液7がリサイクルされるため、環境への負担をなくすことができる。
上記水洗槽77に溜まったシャワー77aから噴射された濾過液とシャワー77aを浴びた等速ジョイント3から滴る濾過液は、上記水洗槽77から溢れ出て後述の回収槽79に貯留される。上記回収槽79は、水洗槽77から溢れ出た塗粒を含む濾過液を受けるようになっている。回収槽79に貯留された塗粒を含む濾過液は、第3ポンプ81によって吸引され、再び限外濾過装置61に送られる。
すなわち、上記電着塗装装置1には、電着塗装した等速ジョイント3を限外濾過装置61によって分離された濾過液で洗浄する洗浄手段(水洗槽77、シャワー77a)が設けられている。これにより、等速ジョイント3の表面に見た目のよい滑らかな塗膜を形成することができる。
つぎに、図4を参照して、上記支持部材28について詳しく説明する。
本実施例の支持部材28は全体として大略リング状を呈し、弾性変形可能で略断面コ字状のマスク部材95と、上記マスク部材95を上下から挟んで保持する上部支持体96および下部支持体98と、上記マスク部材95をコ字状の内側から保持する保持部97とを含んで構成されている。
上記マスク部材95は、大略リング状を呈し、天然ゴム、シリコーンゴム、弾性樹脂等の弾性部材から構成され、外周面に開放部を有する略断面コ字状に形成されている。また、上記コ字状の開放部端部の上下には、チューブレスタイヤのように、山状の突条であるビード部95a,95b(図5)が形成されている。
上記上部支持体96は、大略リング状を呈し、その下面に、マスク部材95の上側のビード部95aが嵌め込まれる環状溝部96a(図5)が形成されている。上記上部支持体96の内径は、マスク部材95よりもやや大きくなるように設定されている。
一方、下部支持体98は、大略リング状を呈し、その上面に、マスク部材95の下側のビード部95bが嵌め込まれる環状溝部98a(図5)が形成されている。上記下部支持体98の内径は、マスク部材95の内径よりもやや小さくなるように設定されている。さらに、上記下部支持体98の内側面の上部に傾斜部98bが形成されている。
上記保持部97は、大略リング状を呈し、マスク部材95のコ字状の開放部と略等しい厚みに形成され、マスク部材95のコ字状の開放部から嵌入されてマスク部材95の上下のビード部95a,95bを内側から支持するようになっている。また、上記保持部97の内径は、マスク部材95の内径よりも大きく、さらに上記上部支持体96の内径よりも大きくなるように設定されている。
上記支持部材28は、マスク部材95の開放部に保持部97が嵌入された状態で、上下から上部支持体96および下部支持体98によって挟まれねじ(図示せず)等によって固定されることにより構成される。この状態で、マスク部材95の上側のビード部95aが上部支持体96の環状溝部96aに嵌入され、下側のビード部95bが下部支持体98の環状溝部98aに嵌入される。そして、マスク部材95のコ字状の内側には保持部97が挟まれていることから、マスク部材95の上下のビード部95a,95bはそれぞれ、保持部97と上部支持体96の間、および保持部97と下部支持体98の間に挟まれて固定される。また、この状態で、断面コ字状のマスク部材95の内面と保持部97の内周面との間に中空部95cが形成される。
そして、上記保持部97には、中空部95cと上記空気圧調節装置35との間で空気を流通させる空気流通管99が設けられている。これにより、上記空気圧調節装置35は、中空部95c内に空気を導入して中空部95c内の内部圧力を上げることができ、中空部95cの空気を排出して中空部95c内の内部圧力を下げることができる。
このようにして中空部95cの内部圧力を上下させることにより、マスク部材95の内側に面した壁面部分を膨張収縮させて、マスク部材95の内径を挟めたり広げたりすることにより、マスク部材95の内側に挿入された等速ジョイント3の外周面を環状にマスキングしたり外したりすることが行なわれる。
また、上記下部支持体98には、その内側面の上部に傾斜部98bが形成されているため、なめらかに等速ジョイント3を底部(上記直接流防止部材31の上面)に案内することができるようになっている。
すなわち、本実施例では、上記マスク部材95を構成する弾性部材は、1方向に開放部を有しその開放端部には係止部(ビード部95a,95b)が形成され、上記開放部を密閉して中空部95cを形成するように上記ビード部95a,95bを係止する把持部材(上部支持体96、保持部97、下部支持体98)によって把持されている。
このようにすることにより、上記弾性部材は、把持部材に把持された状態で、把持部材から膨出する方向への膨張と、その反対方向への収縮とが行なわれる。このため、上記把持部材と等速ジョイント3との位置関係を固定した状態で弾性部材を膨張させることにより、等速ジョイント3の一部表面に対する弾性部材の確実な密着状態を確保することができる。しかも、上記把持部材と等速ジョイント3との位置関係を固定した状態で弾性部材を膨張収縮させることにより、等速ジョイント3に対する密着状態と、等速ジョイント3から弾性部材が離れたときのクリアランスを一定に保つことができ、確実なマスキングが行なえると同時に、マスキングを自動化する際に極めて都合がよい。
また、上記弾性部材は、導入される流体(実施例では、空気)の圧力により弾性変形して等速ジョイント3のカップ部3bの外周面に密着可能となるとともに、流体の圧力がビード部95a,95bにも加わり、この圧力によってビード部95a,95bが環状溝部96a,98aの内壁面に押しつけられて固定される。
また、上記マスク部材95は中空部95cを有した弾性部材であり、上記空気圧調節装置35は、上記マスク部材95の内部圧力を上下させて弾性部材を膨張収縮させることにより、上記等速ジョイント3の一部表面に対するマスク部材95の密着と解除を制御するようになっているため、例えば空気圧制御のような簡単な機構で上記等速ジョイント3の一部表面に対する弾性部材の密着と解除を確実に行なうことができる。したがって、極めて低コストでマスキングの自動化を実現することが可能となる。
なお、上記支持部材28は、等速ジョイント3の開口端が嵌合する凹部を有し、等速ジョイント3の開口部3aを下向きにして電着槽9の電着塗装液7中に浸漬される等速ジョイント3の開口部3aを隙間なく塞ぎながら支持することができるように形成されていてもよい。これにより、電着槽9中に電着塗装液7が満たされても下向きでかつ支持部材28で塞がれた開口部3aからは空間部3eに電着塗装液7が入らないようにすることができる。
すなわち、上記支持部材28は、電着槽9の電着塗装液7中に浸漬された等速ジョイント3の開口端および開口端から所定幅の部分を電着塗装液7と実質的に接触しないよう被覆する被覆手段としての機能を有する。支持部材28は、電着槽9の電着塗装液7中に等速ジョイント3が浸漬された状態で等速ジョイント3を支持する支持部材を兼ねているため、等速ジョイント3を電着槽9の電着塗装液7中で支持することができるとともに、電着槽9の電着塗装液7中で等速ジョイント3のうち被覆した部分に電着塗装を施さないようにすることができる。また、支持部材28が支持部材と被覆手段との機能を兼ねることにより装置の構造を大幅に簡素化でき、設備コストやメンテナンスコストを節減することができる。
また、上記支持部材28は、等速ジョイント3の開口端の形状に合った凹部を有し、その凹部に等速ジョイント3の開口端が嵌め込まれるように形成されている。支持部材28の凹部の中央部には、後述の排管30を通すための開口部28aが設けられている。なお、本実施例では、支持部材28は、凹部を有しているが、これに限られるものではなく、板状の支持部材であってもよい。また、支持部材28は、電着槽9の底部に固着されていても、電着槽9の底部から脱着自在であってもよい。
つぎに、図5を参照して、等速ジョイント3に対するマスク部材95の密着と解除について説明する。
図5(A)は、等速ジョイント3に対するマスク部材95の密着を解除した状態を示し、図5(B)は、等速ジョイント3に対してマスク部材95が密着した状態を示す。
まず、初期状態では、図5(A)に示すように、空気圧調節装置35によって中空部95cの内部圧力が下げられることによりマスク部材95が収縮し、上記等速ジョイント3との間にクリアランスが生じている。この状態で、上記環状のマスク部材95の内側に等速ジョイント3を配置する。
ついで、図5(B)に示すように、上記環状のマスク部材95の内側に等速ジョイント3を配置した状態で、空気圧調節装置35によって中空部95cの内部圧力が上げられることによりマスク部材95が膨張し、上記等速ジョイント3のカップ部3bの外周表面に対してマスク部材95が密着する。
すなわち、上記マスク部材95は、全体として環状を呈し、上記空気圧調節装置35は、上記環状のマスク部材95の内側に等速ジョイント3を配置した状態で、マスク部材95の内部圧力を昇降させて上記等速ジョイント3の外周表面に対するマスク部材95の密着と解除を制御する。
このようにすることにより、等速ジョイント3の外周表面に対して環状のマスキングを容易にすることができる。すなわち、等速ジョイント3の外周表面に環状のマスキングを施そうとすると、従来はマスキングテープを巻回したり、キャップ状のマスキング部材を嵌め込んだり、あるいはマスキング部材を分割式にしたりする必要があった。しかしながら、マスキングテープを巻回する方法では、テープの巻回と除去が極めて煩雑であるうえテープ剥離の際に塗膜が損傷しやすい。キャップ状のマスキング部材では、ある程度きつめの部材を圧入しなければマスク部に液がまわって十分なマスキングができないことから、マスキング部材の取り付け取り外しが極めて煩雑で自動化できない。また、分割方式のマスキング部材では、マスキングの自動化はできるものの、分割個所に液がまわってマスキングが不十分になるという問題があった。これに対し本発明では、マスク部材95と等速ジョイント3の間にクリアランスがある状態で等速ジョイント3を挿入し、空気圧等の作用によりマスク部材95を密着させて電着塗装を行ない、再びマスク部材95と等速ジョイント3の間にクリアランスを設けて等速ジョイント3を外せばよいので、マスキングを自動化し、しかも完全に等速ジョイント3の外周に完全な環状のマスキングを施すことができるのである。
この状態で電着塗装が施されたのち、マスク部材95の中空部95cの内部圧力を低下させることによりマスク部材95を収縮させてマスク部材95の密着を解除し、等速ジョイント3を支持部材28から取り外すことが行なわれる。
つぎに、図6、図7を参照して、電着塗装装置1の各装置の制御処理の一例について説明する。
まず、電源制御回路55は、等速ジョイント3が電極部32に設置され、通電可能な状態か否かを判別する(S1)。すなわち、図7(1)に示すように、機枠等の静止部材に固定され、等速ジョイント3を自動的に電着塗装装置1にセット、あるいは電着塗装装置1から取り出すロボット装置121により、等速ジョイント3がセットされ、通電可能な状態になると(S1で“YES”)、S2に進み、通電可能な状態でないと(S1で“NO”)、このまま通電可能な状態になるまで待機する。
通電可能な状態になると(S1で“YES”)、空気圧調節装置35は、図7(2)に示すように、中空部95cに空気を導入する(S2)。具体的には、空気圧調節装置35は、電源制御回路55から通電可能な状態であること示す通電可能信号を受信し、図5(B)に示すように、中空部95cに空気を導入し、マスク部材95を等速ジョイント3の一部表面に密着させる。
中空部95cに空気を導入すると(S2)、空気圧調節装置35は、中空部95c内の空気圧が所定の圧力か否かを判別する(S3)。ここで、所定の圧力になると(S3で“YES”)、S4に進み、所定の圧力でないと(S3で“NO”)、S2に戻り、所定の圧力になるまで空気を導入し続ける。上記所定の圧力は、マスク部材95を等速ジョイント3の一部表面にしっかりと密着させる圧力である。
中空部95c内の空気が所定の圧力になると(S3で“YES”)、電着塗装液導入装置26は、図7(3)に示すように、電着塗装液7を電着槽9に導入する(S4)。具体的には、電着塗装液導入装置26は、空気圧調節装置35から中空部95c内の空気が所定の圧力になったこと示す圧力信号を受信し、電着塗装液7を電着槽9に導入する。
電着塗装液7を電着槽9に導入すると(S4)、第1流量調節装置49は、電着槽9の上部開口縁17からオーバーフローする電着塗装液7のレベルが一定のレベルか否かを判別する(S5)。ここで、一定のレベルになると(S5で“YES”)、S6に進み、一定のレベルでないと(S5で“NO”)、S4に戻り、一定のレベルになるまで電着塗装液7を導入し続ける。
電着槽9の上部開口縁17からオーバーフローする電着塗装液7のレベルが一定のレベルになると(S5で“YES”)、電源制御回路55は、図7(4)に示すように、等速ジョイント3と電着塗装液7との間に通電する(S6)。具体的には、電源制御回路55は、第1流量調節装置49から一定のレベルになったこと示すオーバーフロー信号を受信し、等速ジョイント3と電着塗装液7との間に電圧を印加して通電させるよう電源51を制御する。
等速ジョイント3と電着塗装液7との間に通電すると(S6)、電源制御回路55は、所定時間経過したか否かを判別する(S7)。ここで、所定時間経過すると(S7で“YES”)、S8に進み、所定時間経過していないと(S7で“NO”)、S6に戻り、所定時間経過するまで通電させる。所定時間経過すると(S7で“YES”)、電源制御回路55は、電圧の印加を解除する(S8)。
電圧の印加が解除されると(S8)、空気圧調節装置35は、図7(5)に示すように、中空部95c内から空気を排出する(S9)。具体的には、空気圧調節装置35は、電源制御回路55から電圧の印加を解除したことを示す電圧印加解除信号を受信し、図5(A)に示すように、中空部95c内の空気を吸引し、中空部95c内から空気を排出する。
ついで、電源制御回路55は、図7(5)に示すように、ロボット装置121により等速ジョイント3が電極部32から取り外され、通電不可能な状態か否かを判別する(S10)。ここで、通電不可能な状態(すなわち等速ジョイント3がセットされていない状態)になると(S10で“YES”)、S1に戻り、通電不可能な状態でないと(S10で“NO”)、このまま等速ジョイント3が電極部32から取り外されるまで待機する。
すなわち、本発明の電着塗装方法は、上記電着塗装装置1を用いて、電着塗装液7を収容する電着槽9に上記電着塗装液7を導入し、電着塗装液7に浸漬された等速ジョイント3と電着槽9の電着塗装液7との間に通電することにより、等速ジョイント3の表面に電着塗装液7中の塗料を電着させ、電着槽9の電着塗装液7中に浸漬された等速ジョイント3の一部表面が電着塗装液7と実質的に接触しないように密着するマスク部材95を準備し、少なくとも通電中に、等速ジョイント3の一部表面に対してマスク部材95を密着させ、通電を解除する間、等速ジョイント3の一部表面に対するマスク部材95の密着を解除する。
したがって、等速ジョイント3は、マスク部材95によって電着槽9の電着塗装液7中に浸漬された等速ジョイント3の一部を電着塗装液7と実質的に接触しないよう密着された状態で通電され電着されるため、電着槽9の電着塗装液7中に浸漬された等速ジョイント3のうちマスク部材95によって密着されていない部分のみに電着塗装(部分塗装)を施すことができる。すなわち、電着槽9の電着塗装液7中に浸漬された等速ジョイント3のうち電着塗装を施さない部分に対してマスク部材95を密着させることでマスキングでき、使用者等にとって所望の部分に電着塗装を施すことができる。これにより、例えば、被塗装物のうち他の部品と嵌め合わされる部分に電着塗装が施されないようにすることができるため、これらの摩擦により電着塗装が剥がれて緩みが生じるということを防止することができる。
また、上記被塗装物のうちマスキングする位置によって同じ電着塗装装置1で多様な被塗装物(例えば、電着塗装を施したい部位が異なる塗装物)に部分塗装を施すことができるため、コストメリットが大きい。
また、少なくとも通電中に、等速ジョイント3の一部表面に対してマスク部材95を密着させ、通電を解除する間、等速ジョイント3の一部表面に対するマスク部材95の密着を解除するため、人手を使わず、マスク部材95の密着と解除を自動的に行なうことができる。すなわち、マスキングの自動化が可能となり、電着塗装作業の効率が向上する。すなわち、マスク部材95と等速ジョイント3の間にクリアランスがある状態で等速ジョイント3を挿入し、マスク部材95を密着させて電着塗装を行ない、再びマスク部材95と等速ジョイント3の間にクリアランスを設けて等速ジョイント3を外せばよいので、マスキングを完全に自動化することが可能である。
また、自動的に上記等速ジョイント3を上記電着槽9内にセットまたは上記電着槽9から取り出すロボット装置121を備え、上記空気圧調節装置35は、上記ロボット装置121により上記等速ジョイント3がセットされると、マスク部材95の内部圧力を上昇させて、上記等速ジョイント3の一部表面に対してマスク部材95を密着させた後に通電手段の通電を開始し、上記通電手段の通電が終了した後に、マスク部材95の内部圧力を下降させて密着を解除し、上記ロボット装置121は、上記空気圧調節装置35によりマスク部材95の密着が解除されると、上記等速ジョイント3を上記電着槽9から取り出すようになっている。
このようにすることにより、上記等速ジョイント3の一部表面に対して効率よく電着塗装を施すことができる。例えば、複数の等速ジョイント3に対して順次電着塗装を施す場合において、上記ロボット装置121により自動的にセットされた最初の等速ジョイント3の一部表面に対してマスク部材95を密着させ、上記通電手段の通電が終了した後、その等速ジョイント3の一部表面に対するマスク部材95の密着を解除して、上記ロボット装置121が自動的にその等速ジョイント3を電着塗装液7中から取り出し、上記ロボット装置121により自動的にセットされた次の等速ジョイント3の一部表面に対してマスク部材95を密着させ、上記ロボット装置121が自動的にその等速ジョイント3を電着塗装液7中から取り出すようにして、次々と効率よく電着塗装を行なうことができる。これにより、電着塗装装置1の自動化が達成され、稼動回転率の良い状態で運転することができる。
つぎに、図8を参照して、電着塗装について説明する。
図示では、直接流防止部材31の上に上記排管30を通すための開口部が設けられたスペーサ82が設置され、そのスペーサ82の上に支持部材28が設置されている。このようにスペーサ82を設置することで、スペーサ82の厚みに応じて電着槽9の電着塗装液7の液面から等速ジョイント3の一部を突出させ、スペーサ82によって等速ジョイント3をどの程度浸漬させるかを設定することができる。これにより、等速ジョイント3のうち塗装する部位と塗装しない部位との境界の高さを調節し、塗装範囲を決定することができる。
上記電着槽9の上部開口縁17の高さは略一定になっている。したがって、電着槽9の上部開口縁17から溢れ出る電着塗装液7の流量がどの縁でも同じになり、電着塗装液7の液面を水平にすることができる。これにより、電着塗装を施す範囲(塗装範囲)を安定させることができる。
より詳しく説明すると、上部開口縁17は、電着槽9の電着塗装液7の液面の高さが略一定になるよう調節する液面調節手段としての機能を果たす。これにより、上部開口縁17によって塗装範囲を設定することができる。例えば、等速ジョイント3のうち所定の高さ(図示のように、等速ジョイント3のカップ部3bと軸部3dとの境界)まで電着塗装を施す場合には、電着槽9の電着塗装液7の液面の高さがその所定の高さになるように上部開口縁17を形成することで電着槽9の電着塗装液7の液面の高さを調節することにより実現することができる。また、等速ジョイント3の大きさに対応させて電着槽9に収容する電着塗装液7の液量を調節することができるため、電着塗装液7や設備費用、電力量等のコストを削減することができ、コストメリットが大きくなる。
なお、本実施例では、上記液面調節手段として上部開口縁17を採用しているが、これに限られず、電着槽9の側面に電着槽9の電着塗装液を外部に排出するための開口部を設けてもよい。これにより、上部開口縁17から電着槽9の電着塗装液が溢れ出る前に電着槽9の側面の開口部から電着塗装液が外部(オーバーフロー槽11)に排出され、液面が一定の高さになるように調節することができる。
また、電着槽9の上部開口縁17から電着塗装液7を溢流させることにより液面の高さを調節するようになっており、電着槽9の上部開口縁17は、その内側の高さより外側の高さが高くなるように形成されている。このようにすることにより、電着塗装液導入装置26等の電着塗装液7の導入により電着槽9の上部開口縁17から電着塗装液7が溢流するときの液面の盛り上がりを少なくし、液面を平らに近づけることができ、等速ジョイント3のうち塗装部位と塗装しない部位との境界を略直線にすることができる。これにより、上記境界をはっきりさせることができ、等速ジョイント3の表面に見た目のよい塗膜を形成することができる。
具体的には、上記電着槽9の上部開口縁17には、電着槽9の内側面の上端から外側面の上端にかけて上がり傾斜した傾斜部が形成されている。これにより、溢れ出る電着塗装液7の液切れを良くし、液面を平らにすることができるため、塗装部の境界がはっきりした一層見た目のよい塗膜を形成することができる。なお、図示の例では、電着槽9の上部開口縁17を傾斜面としたが、これに限定するものではなく、例えば、上部開口縁17を内側が低く外側が高い段差を設けてもよい。このような場合も同様の作用効果を奏する。
図示のように、上記直接流防止部材31はこの例では板状であり、電着槽9の内部に、導入口27の上方に位置するように取り付けられている。導入された電着塗装液7は、直接流防止部材31に当たって横方向に流れたのち直接流防止部材31の開口部31aを通って電着槽9を満たしたのち上部開口縁17から溢れる。このとき、電着塗装液7が等速ジョイント3と電着塗装液7との接触面に向かって直接流れるのが防止される。このようにすることで、電着塗装液7が等速ジョイント3と電着塗装液7との接触面に向かって直接流れたときの水流により液面の高さや液流がふぞろいになることを防止することができる。これにより、塗装ムラが生じることを防止することができる。
つぎに、図9を参照して、本発明の第2の実施例について説明する。
上記第1の実施例では、等速ジョイント3を支持部材28から取り外すことで、排管30から電着槽9内の電着塗装液7がオーバーフロー槽11に排出されるようになっているが、本実施例では、等速ジョイント3を支持部材28から取り外しても電着槽9内の電着塗装液7が排管30から排出されないようになっている。
具体的には、図示のように、排管30に電着槽9内の電着塗装液7の排出を制御する排出制御手段である排出制御弁91が設けられている。排出制御弁91は、等速ジョイント3が支持部材28に嵌め込まれている間、電着塗装液7をオーバーフロー槽11に排出し、等速ジョイント3が支持部材28に嵌め込まれていない間、電着塗装液7をオーバーフロー槽11に排出しないように開閉する。等速ジョイント3が支持部材28に嵌め込まれているか否かの判別は、支持部材28に設けられた検知手段(図示しない)の検知により判別される。このようにすることで、電着塗装が終了し、電着槽9から等速ジョイント3が取り出されても電着槽9内の電着塗装液7が排出されないため、未塗装の等速ジョイント3に連続して電着塗装を施すことができる。なお、排出制御弁91は、等速ジョイント3が支持部材28に嵌め込まれているか否かにかかわらず、任意のタイミングで電着塗装液7の排出が制御されるようにしてもよい。
つぎに、図10を参照して、本発明の第3の実施例について説明する。
本実施例では、支持部材28は、等速ジョイント3の開口部3aから空間部3eに電着塗装液7が浸入しないように電着槽9の電着塗装液7中に等速ジョイント3を浸漬させた状態で等速ジョイント3を支持する。具体的には、支持部材28は、等速ジョイント3の軸部3dが嵌め込まれる凹部を有する。その凹部の開放端部に前述のように密着と解除を制御されるマスク部材95が設けられ、そのマスク部材95が等速ジョイント3の軸部3d上部と密着することで、軸部3dが被覆されるようになっている。そして、開口部3aを上にして開口端が液面よりも上に位置するように等速ジョイント3を支持する。このようにすることにより、等速ジョイント3の開口部3aから空間部3e内に電着塗装液7が入らないように等速ジョイント3を支持することができる。そして、等速ジョイント3の軸部3dを含む被覆された部分と、等速ジョイント3の開口端から所定幅の部分ならびに空間部3e内面部分以外の部分を塗装することができる。
すなわち、図10に示すように、本実施例の等速ジョイント3の軸部3dは、その支持部材28によって被覆され、等速ジョイント3の開口部3aは、電着槽9の電着塗装液7の液面よりも上に位置している。
上記のように、本実施例の支持部材28は、等速ジョイント3の開口部3aが電着槽9の電着塗装液7の液面よりも上に位置するように等速ジョイント3を支持する。これにより、等速ジョイント3の開口部3aから空間部3eに電着塗装液7が浸入せず、等速ジョイント3のカップ部3bの外側の表面のみに電着塗装を施すことができる。
また、図示していないが、上記電極部32を設ける代わりに等速ジョイント3のカップ部3bの内側と電源51のマイナス側とが電気的に接続される。それ以外は、上記第1の実施例と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。また、上記第1の実施例と同様の作用効果を奏する。なお、図示において電着塗装装置1の一部を省略している。
つぎに、図11を参照して、本発明の第4の実施例について説明する。
本実施例では、第1の実施例に示す被塗装物とは異なる被塗装物に電着塗装を施す場合について説明する。
図9に示すように、本実施例の被塗装物は、長手方向の両端にスプラインが形成されている円柱状の被塗装物である自動車用シャフト101である。なお、電着槽9の電着塗装液7の液面から突出する部分(自動車用シャフト101のスプライン)と電源51のマイナス側とが電気的に接続されている。
本実施例では、上記マスク部材95を有する支持部材28は、電着槽9の電着塗装液7の液面から自動車用シャフト101の他の一部(スプライン)を突出させた状態で自動車用シャフト101を支持している。このようにすることで、その突出させたスプラインに電着塗装を施されないようにすることができる。また、被覆手段である支持部材28によって自動車用シャフト101の下端が被覆されることで、自動車用シャフト101の中央部のみに電着を施すことができる。すなわち、スプラインに電着塗装を施さず、スプラインより内側の部分のみに電着塗装を施すことができる。これにより、スプラインと嵌め合わさる部品との間に電着塗装が施されないため、これらの摩擦により電着塗装が剥がれて緩みが生じるということを防止することができる。それ以外は、上記第1の実施例と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。また、上記第1の実施例と同様の作用効果を奏する。なお、図示において電着塗装装置1の一部を省略している。
つぎに、図12および図13を参照して、本発明の第5の実施例について説明する。
本実施例の支持部材28は、全体として環状を呈し、中空部111aを有した弾性変形可能なマスク部材111と、マスク部材111の上部を固定する上部支持体113と、上記マスク部材111の片方の側面を固定する中部支持体115と、マスク部材111の下部を固定する上部支持体113とで構成される。
すなわち、上記上部支持体113、中部支持体115、および下部支持体117により凹部が構成され、その凹部にマスク部材111が配置されている。
このようにすることにより、図13(B)に示すように、上記空気圧調節装置35が上記マスク部材111の内部圧力を上げることで、上記マスク部材111は上記凹部の開放部から引き離す方向に膨張し、上記等速ジョイント3のカップ部3bの外周表面に対してマスク部材95が密着する。図13(A)に示すように、上記空気圧調節装置35が上記マスク部材111の内部圧力を下げることで、マスク部材111は上記凹部方向に収縮し、上記等速ジョイント3の外周表面に対するマスク部材111の密着が解除する。また、上記マスク部材111を上記凹部の開放部から引き離す方向に膨張させることができるため、上記等速ジョイント3の一部表面に対して効率よく密着させることができるとともに、上記等速ジョイント3の一部表面に対してしっかりとマスキングすることができる。それ以外は、上記第1の実施例と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。また、上記第1の実施例と同様の作用効果を奏する。
つぎに、図14を参照して、本発明の第6の実施例について説明する。
本実施例の支持部材28のマスク部材130は、大略円形状を呈し、内周面に開放部を有する略断面コ字状に形成され、外側に膨張するように構成されている。そして、マスク部材130の内径を挟めたり広げたりすることにより、等速ジョイント3のカップ部3bの内壁面を環状にマスキングしたり外したりすることが行なわれる。
具体的には、本実施例の支持部材28は、全体として大略円形状を呈し、弾性変形可能で略断面コ字状のマスク部材130と、上記マスク部材130を上下から挟んで保持する上部支持体131および下部支持体135と、上記マスク部材130をコ字状の内側から保持する保持部133とを含んで構成されている。
上記マスク部材130は、大略円形状を呈し、天然ゴム、シリコーンゴム、弾性樹脂等の弾性部材から構成され、内周面に開放部を有する略断面コ字状に形成されている。また、上記コ字状の開放部端部の上下には、チューブレスタイヤのように、山状の突条であるビード部130a,130bが形成されている。
上記上部支持体131は、大略円形状を呈し、その下面に、マスク部材130の上側のビード部130aが嵌め込まれる環状溝部131aが形成されている。
一方、下部支持体135は、大略円形状を呈し、その上面に、マスク部材130の下側のビード部130bが嵌め込まれる環状溝部135aが形成されている。さらに、上記下部支持体135の外側面の上部に傾斜部135bが形成されている。
上記保持部133は、大略円形状を呈し、マスク部材130のコ字状の開放部と略等しい厚みに形成され、マスク部材130のコ字状の開放部から嵌入されてマスク部材130の上下のビード部130a,130bを内側から支持するようになっている。
上記支持部材28は、マスク部材130の開放部に保持部133が嵌入された状態で、上下から上部支持体131および下部支持体135によって挟まれねじ(図示せず)等によって固定されることにより構成される。この状態で、マスク部材130の上側のビード部130aが上部支持体131の環状溝部131aに嵌入され、下側のビード部130bが下部支持体135の環状溝部135aに嵌入される。そして、マスク部材130のコ字状の内側には保持部133が挟まれていることから、マスク部材130の上下のビード部130a,130bはそれぞれ、保持部133と上部支持体131の間、および保持部133と下部支持体135の間に挟まれて固定される。また、この状態で、断面コ字状のマスク部材130の内面と保持部133の外周面との間に中空部130cが形成される。
そして、上記保持部133には、中空部130cと上記空気圧調節装置35との間で空気を流通させる空気流通管99が設けられている。これにより、上記空気圧調節装置35は、中空部130c内に空気を導入して中空部130c内の内部圧力を上げることができ、中空部130cの空気を排出して中空部130c内の内部圧力を下げることができる。
このようにすることにより、図14(B)に示すように、空気圧調節装置35によって中空部95cの内部圧力が上げられることによりマスク部材95が膨張し、上記等速ジョイント3のカップ部3bの内周裏面に対してマスク部材130が密着する。図14(A)に示すように、空気圧調節装置35によって中空部95cの内部圧力が下げられることによりマスク部材95が収縮し、上記等速ジョイント3との間にクリアランスが生じている。この状態で、上記環状のマスク部材95の内側に等速ジョイント3を配置する。それ以外は、上記第1の実施例と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。また、上記第1の実施例と同様の作用効果を奏する。
このようにして中空部130cの内部圧力を上下させることにより、マスク部材130の外側に面した壁面部分を膨張収縮させて、マスク部材130の外径を挟めたり広げたりすることにより、マスク部材130を外側から覆うようにセットされた等速ジョイント3のカップ部3bの内壁面を環状にマスキングしたり外したりすることが行なわれる。すなわち、このような支持部材28を用いることで、開口部3aによって外部と連通する空間部3eを有する等速ジョイント3に対してその開口部3aから空間部3eに電着塗装液7が浸入しないようにして電着塗装を施す場合に好適である。
電着塗装液を収容する電着槽に電着塗装液を導入し、電着槽の電着塗装液中に浸漬された被塗装物の一部を電着塗装液と実質的に接触しないよう被覆し、電着塗装液に浸漬された被塗装物と電着槽の電着塗装液との間に電圧を印加することにより、その被塗装物の任意の部分に電着塗装を施す用途に適用できる。
本発明の第1の実施例の電着塗装装置を示す斜視図である。 収容槽を部分的に切り欠いて電着槽の内部構造を示す斜視図である。 電着塗装装置と電着塗装液の循環状態と電気回路等の概略構成を示す図である。 支持部材を部分的に切り欠いてその断面構造を示す斜視図である。 支持部材に対するマスク部材の密着と解放を示す断面図である。 電着塗装装置の制御処理を示すフローチャートである。 電着塗装を示す図である。 電着塗装装置を示す断面図である。 第2の実施例の電着塗装装置を示す断面図である。 第3の実施例の電着塗装装置を示す断面図である。 第4の実施例の電着塗装装置を示す断面図である。 第5の実施例の支持部材を部分的に切り欠いてその断面構造を示す斜視図である。 支持部材に対するマスク部材の密着と解放を示す断面図である。 第6の実施例の支持部材に対するマスク部材の密着と解放を示す断面図である。
符号の説明
1 電着塗装装置
3 等速ジョイント
3a 開口部
3b カップ部
3c スプライン
3d 軸部
3e 空間部
7 電着塗装液
9 電着槽
10 収容槽
10a 脚部
10b 上部開口縁
11 オーバーフロー槽
17 上部開口縁
25 導入管
26 電着塗装液導入装置
27 導入口
28 支持部材
28a 開口部
29 電極
30 排管
30a 開口
31 直接流防止部材
31a 開口部
32 電極部
32a 電極
33 排出口
34 バッファ空間
35 空気圧調節装置
41 排出管
49 第1流量調節装置
51 電源
53 濃度計測装置
55 電源制御回路
61 限外濾過装置
63 第1ポンプ
71 第2流量調節装置
73 第2ポンプ
77 水洗槽
77a シャワー
79 回収槽
81 第3ポンプ
82 スペーサ
91 排出制御弁
95 マスク部材
95a ビード部
95b ビード部
95c 中空部
96 上部支持体
96a 環状溝部
97 保持部
98 下部支持体
98a 環状溝部
98b 傾斜部
99 空気流通管
101 自動車用シャフト
111a 中空部
111 マスク部材
113 上部支持体
115 中部支持体
117 下部支持体
121 ロボット装置
130 マスク部材
130a ビード部
130b ビード部
130c 中空部
131 上部支持体
131a 環状溝部
133 保持部
135 下部支持体
135a 環状溝部
135b 傾斜部

Claims (7)

  1. 被塗装物を電着塗装する電着塗装装置であって、
    電着塗装液を収容する電着槽と、
    上記電着槽に上記電着塗装液を導入する導入手段と、
    上記電着塗装液に浸漬された被塗装物と上記電着槽の電着塗装液との間に通電することにより、上記被塗装物の表面に上記電着塗装液中の塗料を電着させる通電手段と、
    上記電着槽の電着塗装液中に浸漬された被塗装物の一部表面が電着塗装液と実質的に接触しないように密着するマスク部材と、
    少なくとも上記通電手段通電している間は上記被塗装物の一部表面に対してマスク部材を密着させ、上記通電手段が通電を終了したとき上記被塗装物の一部表面に対するマスク部材の密着を解除する制御手段とを備え
    上記マスク部材は、上記電着槽の電着塗装液中に上記被塗装物が浸漬された状態で上記被塗装物を支持する支持部材を兼ねているとともに、上記電着槽の電着塗装液の液面から上記被塗装物のマスク部以外の他の一部を突出させた状態で上記被塗装物を支持し、
    上記電着槽の電着塗装液の液面の高さが略一定になるよう調節する液面調節手段は、上記電着槽の上部開口縁から電着塗装液を溢流させて液面の高さを調節することにより、塗装する部分と塗装しない部分とを設定するようになっていることを特徴とする電着塗装装置。
  2. 上記マスク部材は中空部を有した弾性部材であり、上記制御手段は、上記マスク部材の内部圧力を上下させて弾性部材を膨張収縮させることにより、上記被塗装物の一部表面に対する弾性部材の密着と解除を制御する請求項1記載の電着塗装装置。
  3. 上記マスク部材は、全体として環状を呈し、上記制御手段は、上記環状のマスク部材の内側に被塗装物を配置した状態で、マスク部材の内部圧力を昇降させて上記被塗装物の外周表面に対するマスク部材の密着と解除を制御する請求項2記載の電着塗装装置。
  4. 上記マスク部材を構成する弾性部材は、1方向に開放部を有しその開放端部には係止部が形成され、上記開放部を密閉して中空部を形成するように上記係止部を係止する把持部材によって把持されている請求項2または3記載の電着塗装装置。
  5. 上記電着槽には、上記導入手段から上記電着塗装液が導入される導入口の近傍に、導入された電着塗装液が上記被塗装物と上記電着塗装液との接触面に向かって直接流れるのを防止する直接流防止部材が設けられている請求項1〜のいずれか一項に記載の電着塗装装置。
  6. 自動的に上記被塗装物を上記電着槽内にセットまたは上記電着槽から取り出すロボット装置を備え、
    上記制御手段は、上記ロボット装置により上記被塗装物がセットされると、マスク部材の内部圧力を上昇させて、上記被塗装物の一部表面に対してマスク部材を密着させた後に通電手段の通電を開始し、上記通電手段の通電が終了した後に、上記マスク部材の内部圧力を下降させて密着を解除し、
    上記ロボット装置は、上記制御手段によりマスク部材の密着が解除されると、上記被塗装物を上記電着槽から取り出す請求項2〜のいずれか一項に記載の電着塗装装置。
  7. 被塗装物を電着塗装する電着塗装方法であって、
    電着塗装液を収容する電着槽に上記電着塗装液を導入し、
    上記電着塗装液に浸漬された被塗装物と上記電着槽の電着塗装液との間に通電することにより、上記被塗装物の表面に上記電着塗装液中の塗料を電着させ、
    上記電着槽の電着塗装液中に浸漬された被塗装物の一部表面が電着塗装液と実質的に接触しないように密着するマスク部材を準備し、
    少なくとも上記通電手段通電している間は上記被塗装物の一部表面に対してマスク部材を密着させ、上記通電手段が通電を終了したとき上記被塗装物の一部表面に対するマスク部材の密着を解除し
    上記マスク部材は、上記電着槽の電着塗装液中に上記被塗装物が浸漬された状態で上記被塗装物を支持する支持部材を兼ねているとともに、上記電着槽の電着塗装液の液面から上記被塗装物のマスク部以外の他の一部を突出させた状態で上記被塗装物を支持し、
    上記電着槽の電着塗装液の液面の高さが略一定になるよう調節する液面調節手段は、上記電着槽の上部開口縁から電着塗装液を溢流させて液面の高さを調節することにより、塗装する部分と塗装しない部分とを設定することを特徴とする電着塗装方法。
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