JP4164312B2 - ヒンジ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ヒンジ装置、特に自立機能を有するヒンジ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば便座又は便蓋(以下、便座という。)を便器本体に回動可能に連結するヒンジ装置は、自立機能を備えている。自立機能とは、便座を閉位置から開位置側へ向かって所定の角度以上回動させると、それ以降は便座を開位置まで自動的に回動させて当該開位置に維持する機能であり、例えばトーションスプリングを用いることによって達成されている。トーションスプリングは、便座を閉位置側から開位置側へ向かって常時回動付勢している。この場合、トーションスプリングの回動付勢力は、便座が閉位置に位置してしているときに最大になっているが、そのときの便座の自重による閉方向への回動トルクより小さい。したがって、便座は便器本体から浮き上がることなく、閉状態を維持する。その一方、トーションスプリングの回動付勢力は、便座が開位置側へ回動するのにしたがって小さくなるが、便座の自重による閉方向への回動トルクは、トーションスプリングの回動付勢力が小さくなる以上に小さくなる。そして、便座が所定の半開位置(例えば60°)を越えると、トーションスプリングの開方向への回動付勢力が、便座の自重による回動トルクより相対的に大きくなる。この結果、便座が回動付勢力と自重による回動トルクとの差により、開位置まで回動させられるとともに、開位置に維持される。
【0003】
ところで、便座を確実に自立させるためには、所定の回動位置から開位置までの間におけるトーションスプリングの回動付勢力と便座の自重による回動トルクとの差を大きくする必要があり、そのためにはトーションスプリングの回動付勢力を大きくすればよい。ところが、トーションスプリングの開方向への回動付勢力は、便座の閉位置側で大きくなるため、自立のためのトーションスプリングの回動付勢力を大きくすると、便座が閉位置に位置しているときのトーションスプリングの回動付勢力が大きくなり過ぎ、自重による回動トルクとの差が過度に小さくなったり、あるいは逆転してしまう。この結果、便座が閉位置から浮き上がってしまうおそれがある。
【0004】
このような問題を解決するために、特開昭63−105722号公報に記載のヒンジ装置においては、トーションスプリングに加えてコンプレッションスプリングが用いられている。トーションスプリングは、便座を開方向へ常時回動付勢しているが、その回動付勢力は、便座の回動位置に拘わらず自重によるトルクより小さく設定されている。一方、コンプレッションスプリングの回動付勢力は、便座の回動角度が閉位置から所定の回動角度(例えば15°)に達するまでは、開位置側から閉位置側へ向かって作用するが、所定の角度を越えると開位置側へ向かって作用する。しかも、コンプレッションスプリングの回動付勢力は、便座の回動角度が所定の角度(例えば60°)を越えると、トーションスプリングとの合成回動付勢力が、便座の自重による回動トルクより大きくなるように設定されている。これにより、トーションスプリングの回動付勢力を大きくすることなく、自立のための回動付勢力を大きくし、閉位置での便座の浮き上がりを防止するとともに、便座を確実に自立させることができるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載のヒンジ装置においては、少なくともコンプレッションスプリングの分だけ部品点数が増えるため、製造費が嵩むとともに、装置が大型してしまうという問題がある。しかも、トーションスプリングがヒンジ軸の軸線方向に配置されているのに対し、コンプレッションスプリングがヒンジ軸と直交する方向に向けて配置されているため、大型化という問題が顕著であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、内部に一端が開口し、他端に底部を有する収容孔が形成されたヒンジ本体と、上記収容孔の開口側端部に回動可能に、かつ脱出不能に設けられたヒンジ軸と、このヒンジ軸と上記底部との間の上記収容孔内にその軸線方向へ移動可能に設けられた可動部材と、上記ヒンジ軸が一方向へ回動するときには、上記可動部材を上記ヒンジ軸と上記底部とのいずれか一方に接近する方向へ移動させ、上記ヒンジ軸が他方向へ回動するときには、上記可動部材を上記ヒンジ軸と上記底部とのいずれか他方に接近する方向へ移動させる移動手段と、上記可動部材を上記ヒンジ軸の一方向への回動方向と同方向へ回動付勢する回動付勢手段とを備え、上記収容孔の内周面と上記可動部材との間に、上記可動部材が上記移動手段により所定の初期位置と解除位置との間に位置させられているときには上記可動部材の回動を阻止し、上記可動部材が上記移動手段により上記初期位置側から上記解除位置側へ向かって移動させられて上記解除位置に達しているときには上記可動部材の回動を許容する係止手段が設けられていること特徴としている。
この場合、上記係止手段が、上記収容孔の内周面に設けられた内係止面と、上記可動部材の外周面に設けられ、上記内係止面に突き当たることにより、上記可動部材の回動を阻止する外係止面とを有していることが望ましい。上記内係止面及び上記外係止面が上記収容孔の軸線と平行な平面として形成されていることが望ましい。
上記内係止面の解除位置側の端部と上記外係止面の初期位置側の端部とのいずれか一方には、上記可動部材が上記解除位置に達しているときには上記回動付勢手段によって上記可動部材が所定の大きさの自立角度だけ上記一方向へ回動させられるのを許容し、かつ上記可動部材が上記自立角度だけ回動すると上記内係止面の解除位置側の端部と上記外係止面の初期位置側の端部とのいずれか他方に突き当たることによって上記可動部材の上記自立角度を越える回動を阻止する回動規制面が形成されていることが望ましい。
上記回動付勢手段がコイルばねからなり、このコイルばねが上記底部と上記可動部材との間の上記収容孔内に収容されていることが望ましい。上記コイルばねが上記可動部材を上記収容孔の軸線に沿って上記初期位置側から上記解除位置側へ付勢して上記ヒンジ軸に押圧接触させており、上記移動手段が、上記コイルばねと、上記ヒンジ軸と上記可動部材との接触面間に設けられ、上記可動部材が上記初期位置と上記解除位置との間に位置しているときにおいて、上記ヒンジ軸が上記一方向へ回動するときには、上記コイルばねの付勢力によって上記可動部材が上記ヒンジ軸側へ移動するのを許容し、上記ヒンジ軸が上記他方向へ回動するときには上記可動部材を上記コイルばねの付勢力に抗して移動させるカム機構とを有していることが望ましい。
上記回動規制面が上記外係止面に設けられており、上記収容孔の内周面には、上記初期位置側から上記解除位置側へ向かう方向を向く第1段差面が上記内係止面の上記解除位置側における端部に続いて形成され、上記外係止面と上記回動規制面との間には、上記解除位置側から上記初期位置側へ向かう方向を向く第2段差面が形成され、上記第1及び第2段差面は、上記可動部材が上記自立角度範囲内に位置しているときに互いに突き当たることによって上記可動部材が解除位置から上記初期位置側へ移動するのを阻止することが望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を、便器本体に便座又は便蓋を回動可能に連結するヒンジ装置に適用した一実施の形態について図1〜図13を参照して説明する。勿論、この発明に係るヒンジ装置は、他の機器本体と回動体とを回動可能に連結するためのヒンジとして用いることも可能である。
【0008】
図1及び図2に示すように、この実施の形態のヒンジ装置1は、ヒンジ本体2、ヒンジ軸3、カム部材4、ピストン(可動部材)5及びコイルばね(回動付勢手段)6を主な構成要素としている。
【0009】
図1〜図3に示すように、ヒンジ本体2は、金属製の円筒状をなしており、便器の便器本体(図示せず)に回動不能に取り付けられる。ヒンジ本体2は、便器の便座又は便蓋(図示せず)に回動不能に取り付けてもよい。ヒンジ本体2の内部は、ストレートに延びる断面円形の収容孔21になっている。この収容孔21の一端部は開口しており、他端部は底部22によって閉じられている。収容孔21の開口側端部には、大径孔部21aが形成されている。これにより、ヒンジ本体2の開口部側端部に環状の薄肉部23が形成されている。一方、底部22の内面、つまり収容孔21に望む面の中央部には、断面円形の支持突起22aが形成されている。
【0010】
ヒンジ本体2には、一対の平板部24,24が形成されている。この平板部24,24は、ヒンジ本体2の外周面の両側部をヒンジ本体2の径方向外側から内側へ向かって平面状にプレスすることによって形成されており、ヒンジ本体2の軸線方向の略中央部から底部22までの他端部に配置されている。しかも、平板部24,24は、ヒンジ本体2の軸線を中心として点対称に位置する一側部と他側部とに配置されている。一対の平板部24,24は、互いに平行に、かつヒンジ本体2の軸線(収容孔21の軸線)と平行になっている。平板部24の収容孔21に臨む内面が、内係止面25になっている。したがって、このヒンジ装置1では、内係止面25が2つ形成されており、二つの内係止面25,25は、互いに平行に、かつ収容孔21の軸線と平行になっている。内係止面25は、一つだけ形成してもよい。その場合には、平板部24も一つだけ形成することになる。
【0011】
収容孔21の開口部側における内係止面25の端部と、それより開口部側の収容孔21の内周面との間、つまり収容孔21の内周面のうち、内係止面25の開口部側(解除位置側)の端部に続く箇所には、開口部側を向く段差面(第1段差面)26が形成されている。段差面26は、各内係止面25に対応して二つ形成されているが、内係止面25が一つだけ形成される場合には段差面26も一つだけ形成される。段差面26は、内係止面25側から開口部側へ向かうにしたがって収容孔21の径方向外側へ向かうように傾斜しているが、収容孔21の軸線とのなす角が直角である平面としてもよい。
【0012】
上記ヒンジ軸3は、図1、図2及び図4に示すように、嵌合軸部31と、この嵌合軸部31と一体に形成された連結軸部32とを有している。嵌合軸部31は、収容孔21の開口部側端部に回動可能にかつ軸線方向へ移動可能に嵌合されている。ただし、ヒンジ軸3は、ヒンジ本体2の薄肉部23を径方向内側へ向かって加締めることによって形成された環状突出部23′にリング状をなすストッパ7を介して突き当たることにより、収容孔21から脱出不能になっている。嵌合軸部31の外周面と収容孔21の内周面との間は、Oリング等のシール部材8によって封止されている。一方、連結軸部32は、嵌合軸部31と軸線を一致させて形成されており、ストッパ7を回動可能に貫通してヒンジ本体2の外部に突出している。連結軸部32は、例えば便座又は便蓋(以下、便座という。)に回動不能に連結される。勿論、連結部材32は、ヒンジ本体2が便座に回動不能に連結される場合には、便器本体に回動不能に連結される。
【0013】
ヒンジ軸3は、便座に回動不能に連結されているので、便座が回動するとそれと一体に回動する。ここで、便座が便器本体の上面に接触した閉位置から全開位置まで回動すると、ヒンジ軸3が図1の矢印X方向(一方向)へ初期回動位置から自立位置まで回動する。この実施の形態では、初期回動位置と自立位置との間の角度が110°に設定されており、ヒンジ軸3が初期回動位置から90°回動すると、ヒンジ装置1の後述する自立機能によって便座が開位置まで自動的に回動させられるようになっている。なお、図1及び図2は、ヒンジ軸3が自立位置に回動したときの状態を示している。
【0014】
嵌合軸部31の内側の端面(底部22側を向く端面)には、一対の突出部33,33が嵌合軸部31の軸線(=収容孔21の軸線)を中心として点対称に配置形成されている。各突出部33,33の周方向を向く一方の側面には、カム面33a,33aがそれぞれ形成され、他方の側面には収容孔21の軸線と平行に延びる当接面33b、33bがそれぞれ形成されている。各突出部33の先端面33cは、収容孔21の軸線とのなす角が直角である平面になっている。
【0015】
上記カム部材4は、図1、図2及び図5に示すように、互いの軸線を一致させて一体に形成された大径軸部41と小径軸部42とを有している。そして、ヒンジ軸4は、その軸線を収容孔21の軸線と一致させ、かつ大径軸部41を底部22と対向させた状態で収容孔21に収容されている。大径軸部41は、内係止面25,25の間隔より小さい外径を有しており、その底部22と対向する端面の中央部には軸受孔41aが形成されている。この軸受孔41に支持突起22aが回動可能に嵌合されることにより、カム部材4の一端部がヒンジ本体2に回動可能に支持されている。大径軸部41の小径軸部42側の端面には、一対の突出部43,43が収容孔21の軸線を中心として点対称に配置されている。一対の突出部43,43の周方向を向く一側面には、カム面43a,43aがそれぞれ形成され、他側面には収容孔21の軸線と平行に延びる当接面43b,43bがそれぞれ形成されている。各突出部43の先端面43cは、収容孔21の軸線とのなす角が直角である平面になっている。小径軸部42の先端部は、後述するピストン5を貫通してヒンジ軸3側に向かって延び、嵌合軸部31の底部22側を向く端面の中央部に形成された係合孔31aに回動不能に嵌合されている。これにより、カム部材4の他端部がヒンジ軸3を介してヒンジ本体2に回動可能に支持されるとともに、カム部材4がヒンジ軸3にこれと一体に回動するように連結されている。
【0016】
上記ピストン5は、図1、図2及び図6に示すように、互いの軸線を一致させて一体に形成された大径部51及び小径部52を有しており、大径部51をヒンジ軸3と対向させ、かつ小径部52をカム部材4の大径軸部41と対向させた状態で収容孔21に収容されている。ピストン5の中央部には、その軸線上を一端面から他端面まで貫通する貫通孔53が形成されている。この貫通孔53には、カム部材4の小径軸部42が回動可能に、かつ摺動可能に挿通されている。
【0017】
大径部51は、収容孔21の内周面のうち、一対の外係止面54,54が形成された部分とほぼ同一の断面形状を有している。すなわち、大径部51は、収容孔21の内径とほぼ同一の外径を有しており、大径部41の外周面には、その一端から他端まで延びる一対の外係止面54,54がピストン5の軸線を中心として点対称に配置形成されている。一対の外係止面54,54の間隔は、一対の内係止面25,25の間隔とほぼ同一になっている。そして、外係止面54,54を内係止面25,25に接触させた状態で、大径部51が収容孔21に挿入されている。したがって、ピストン5は、収容孔21の軸線方向へは摺動可能であるが、回動不能になっている。
【0018】
ただし、ピストン5は、後述するように、後述する所定の解除位置に達すると所定の自立角度範囲だけ矢印X方向へ回動可能になる。すなわち、外係止面54を、これと直交し、かつピストン5の軸線を含む平面により、図10において矢印X方向を向く一側部(図10において上側の側部)54aと、矢印X方向と逆方向とを向く他側部(図10において下側の側部)54bとに二分したものとすると、ピストン5を矢印X方向へ回動させようとしたとき、内係止面25に突き当たっているのは、実質的には外係止面54のうちの一側部54aだけである。この一側部54aの底部22側の端部(初期位置側の端部)には、回動規制面57が形成されている。この回動規制面57は、一側部54aと他側部54bとの境界から一側部54a側へ離れるのにしたがって矢印X方向と逆方向へ向かうように傾斜する傾斜面になっている。しかも、回動規制面57は、ピストン5がヒンジ本体2の底部22側から開口部側へ移動して、所定の解除位置に達すると、回動規制面57のヒンジ本体2の開口部側(解除位置側)における端縁が内係止面25の解除位置側の端縁と一致するように配置されている。したがって、ピストン5が解除位置に達すると、一側部54aのうちの回動規制面57より解除位置側の部分が、内係止面25から解除位置側へ向かって外れ、回動規制面57だけが内係止面25と対向する。この結果、ピストン5が矢印X方向へ所定角度だけ回動可能になる。この回動角度は、回動規制面57と一側部54aとのなす角度であり、この角度が自立角度になっている。この実施の形態では、20°に設定されている。
【0019】
回動規制面57と外係止面54とのピストン5の軸線方向において隣接する端部間には、初期位置側を向く段差面(第2段差面)58が形成されている。この段差面58は、ピストン5が収容孔21の軸線方向においては解除位置に位置し、周方向においては内係止面25と外係止面54とによって回動が阻止された位置とこの位置から矢印X方向へ自立角度だけ離れた位置との間に位置しているときに、段差面26に接触するように配置されている。したがって、ピストン5は、自立角度範囲内に位置しているときには、段差面56が段差面26に突き当たることにより、底部22側へ移動できなくなっている。
【0020】
大径部51のヒンジ軸3と対向する端面には、一対の突出部55,55が大径部51の軸線(収容孔21の軸線)を中心として点対称に配置形成されている。一対の突出部55,55の周方向の一側面には、カム面55a,55aが形成され、他側面には大径部51の軸線と平行に延びる当接面55b,55bが形成されている。各突出部55の先端面55cは、大径部51の軸線とのなす角が直角である平面になっている。
【0021】
カム面55a,55aは、ヒンジ軸3のカム面33a,33aにそれぞれ接触している。カム面33a,55aは、ピストン5が内係止面25によって回動を阻止された状態において、ヒンジ軸3が矢印X方向へ回動したときにはピストン5がカム軸3側へ移動するのを許容し、ヒンジ軸3が矢印X方向と逆方向へ回動するときには、カム面33aがカム面55aを押すことによりピストン5をヒンジ軸3から離間する方向へ移動させるように構成されている。
【0022】
小径部52は、カム部材4の大径軸部41とほぼ同一の外径を有しており、小径部52の大径軸部41と対向する端面には、一対の突出部56,56がピストン5の軸線を中心として点対称に配置形成されている。一対の突出部56,56の周方向における一側面には、カム面56a,56aがそれぞれ形成され、他側面にはピストン5の軸線と平行に延びる当接面56b,56bがそれぞれ形成されている。突出部56のカム面56aと当接面56bとの間に位置する先端面56cは、ピストン5の軸線とのなす角が直角である平面に形成されている。カム面56aは、カム部材4のカム面43aに接触しており、ヒンジ軸3が矢印X方向へ回動すると、ピストン5をヒンジ軸3側へ移動させる一方、ヒンジ軸3が矢印X方向と逆方向へ回動すると、ピストン5がヒンジ軸3から離間する方向へ移動するのを許容するように構成されている。しかも、ヒンジ軸3の一定の回動量に対するカム面43a,56aによるピストン5の移動距離は、カム面33a,55aによるピストン5の移動距離と同一に設定されている。したがって、カム面56a,43aとカム面33a,55aとによって一種の確動カム機構が構成されており、ヒンジ軸3が回動すると、それに追随してピストン5が収容孔21の軸線方向へ必ず移動する。これから明かなように、カム面33a,55a及びカム面43a,56aによって移動手段が構成されている。なお、後述するように、このヒンジ装置では、カム面33a,55a(カム機構)とコイルばね6とによっても移動手段が構成されている。
【0023】
ここで、ヒンジ軸3が初期回動位置に位置しているときのピストン5の位置(収容孔21の軸線方向における位置)を初期位置とし、ヒンジ軸3が初期回動位置から90°回動したときのピストン5の位置を解除位置とすると、ピストン5が初期位置と解除位置との間に位置しているときには、内係止面25と外係止面54の一側部とが互いに接触し、それによってピストン5の回動が阻止されている。しかし、ピストン5が解除位置に達すると、外係止面54の一側部54aが内係止面25から解除位置側へ外れ、回動規制面57だけが内係止面25と対向した状態を維持する。したがって、ピストン5は所定の大きさの自立角度だけ矢印X方向へ回動可能になる。しかも、ピストン5が解除位置に達すると、カム面55aがヒンジ軸3のカム面33aに接触するのみならず、当接面55bがヒンジ軸3の当接面33bに接触する。したがって、ピストン5が矢印X方向へ回動すると、それに追随してヒンジ軸3が矢印X方向へ回動する。
【0024】
ピストン5が解除位置に達すると、先端面55cが嵌合軸部31の端面に接触するとともに、ヒンジ軸3の突出部33の先端面33cが大径部51の端面に接触する。したがって、ピストン5は、初期位置側から解除位置に達するとそれ以上は初期位置側から解除位置側へ向かう方向へ移動することができなくなっている。しかも、ピストン5が自立角度範において回動した状態では、段差面26,58が互いに当接しているので、ピストン5は解除位置側から初期位置側へ向かう方向へ移動不能になる。その結果、ピストン5は、ヒンジ本体2の軸線方向へ移動不能なっている。
【0025】
ピストン5と底部22との間の収容孔21内には、コイルばね(回動付勢手段)6が設けられている。このコイルばね6は、ピストン5をヒンジ軸3側へ向かって付勢しており、ピストン5のカム面55aをヒンジ軸3のカム面33aに押圧接触させている。したがって、ヒンジ軸3が初期回動位置から90°回動すると、ピストン5がコイルばね6によって初期位置から解除位置まで移動させられる。逆に、ヒンジ軸3が90°の位置から初期回動位置まで回動すると、ピストン5がカム面33a,55aによりコイルばね6の軸線方向を向く付勢力に抗して解除位置から初期位置まで回動させられる。これから明かなように、コイルばね6及びカム面33a,55aによってもう一つの移動手段が構成されている。移動手段は、一つでも十分であるから、コイルばね6を用いるときには、カム軸4のカム面43a及びピストン5のカム面56aは形成しなくてもよい。逆に、カム面43a,56aを形成する場合には、コイルばね6によってピストン5をヒンジ軸5側へ向かって付勢させなくてもよい。ただし、コイルばね6は、ピストン5を矢印X方向へ回動付勢する回動付勢手段として必要であるので、コイルばね6を省くことはない。
【0026】
ピストン5をヒンジ軸3側へ付勢するコイルばね6の付勢力(コイルばね6の後述する回動付勢力と区別するために、以下、直線付勢力という。)は、ヒンジ軸3が初期回動位置から90°回動するまでの間、換言すればピストン5が初期位置から解除位置に達するまでの間、カム面33a,55aによりヒンジ軸3を矢印X方向(便座を開く方向)へ回動させる回動付勢力に変換される。したがって、この回動付勢力の分だけ便座を軽く開回動させることができる。この実施の形態の場合、カム面33a,55aによって変換されたコイルばね6の回動付勢力(回動トルク)は、図13に示すように、便座の自重による回動トルクより大幅に小さく設定されている。しかし、カム面33a,55aによって変換された回動付勢力は、同図において想像線で示すように、自重による回動トルクより小さい範囲においてそれに近い大きさにしてもよい。前述したように、ヒンジ軸3が初期位置から90°回動すると、ヒンジ軸3の先端面33cがピストン5に、ピストン5の先端面55cがヒンジ軸3にそれぞれ接触する結果、ピストン5がカム軸3側へ移動することができなくなる。このため、ヒンジ軸3が90°以上回動すると、直線付勢力は回動付勢力に変換されなくなり、直線付勢力に基づく回動付勢力は零になる。
【0027】
ヒンジ軸3と底部22との間の収容孔21内にピストン5が収容されることにより、収容孔21の内部空間がピストン5と底部22との間の高圧室27と、ヒンジ軸3とピストン5との間の低圧室28とに区画されている。各室27,28には、粘性流体(図示せず)が充填されている。この粘性流体は、ピストン5がヒンジ軸3側へ向かって移動するときには、低圧室27からピストン5の大径部51の外周面に形成された通路溝51aを通って高圧室28に流入する。逆に、ピストン5が底部22側へ向かって移動するときには、高圧室28から通路溝51aを通って低圧室27に流入する。
【0028】
大径部51の小径部52側の端面と小径部52の外周面に形成されたストッパ部52aとの間の小径部52の外周面には、弁体9がピストン5の軸線方向へ移動可能に設けられている。この弁体9は、長円のリング状をなしており、その外周面は、ヒンジ本体2の平板部24が形成された箇所における収容孔21の内周面とほぼ同一の断面形状を有しており、収容孔21に摺動可能に、かつ回動不能に接している。弁体9は、ヒンジ軸3の矢印X方向(便座の開回動方向)への回動に伴ってピストン5がヒンジ軸3側へ移動するときには、低圧室28から高圧室27に向かって流れる粘性流体により、高圧室28側へ押圧移動させられ、ストッパ部52aに突き当たって停止する。この状態では、通路溝51aが開かれるので、低圧室28内の粘性流体は、通路溝51a内並びに弁体9の内周面と小径部52及びストッパ部52の外周面との間の隙間を通ってほとんど抵抗なく高圧室27内に流入する。したがって、ピストン5は初期位置側から解除位置側へほとんど抵抗なく移動することができる。よって、ヒンジ軸3は矢印X方向へ高速で回動することができる。逆に、ヒンジ軸3が矢印X方向と逆方向(閉方向)へ回動するときには、ピストン5が解除位置側から初期位置側へ向かって移動するので、高圧室27内の粘性流体が低圧室28に向かって流れる。この粘性流体により、弁体9が低圧室28側へ押圧移動させられ、大径部51の端面に突き当てられる。この状態では、通路溝51aが弁体9によって閉じられる。したがって、高圧室28内の粘性流体は、弁体9の外周面と収容孔21の内周面との僅かな隙間を通って低圧室27側へ流れることになり、その結果大きな流通抵抗が発生する。この流通抵抗により、ピストン5の解除位置側から初期位置側への移動が低速に抑えられ、ひいてはヒンジ軸3の矢印X方向と逆方向への回動速度が低速に抑えられる
【0029】
ヒンジ軸3は、初期回動位置から矢印X方向へ90°回動すると、ヒンジ装置1に設けられた自立機能により、所定の大きさの自立角度(この実施の形態では20°)だけ矢印X方向へ自動的に回動させられて自立位置に維持される。これにより、ヒンジ軸3に連結された便座が開位置に維持されるようになっている。
【0030】
すなわち、コイルばね6は、その一端がヒンジ本体2に、他端がピストン5にそれぞれ係止されており、捩られた状態で収容孔21に収容され、ピストン5を矢印X方向へ回動付勢している。ところが、ピストン5は、初期位置から解除位置に達するまでの間は外係止面54の一側部54aが内係止面25に突き当たることによって回動が阻止されている。このため、コイルばね6の回動付勢力がピストン5を介してヒンジ軸3に伝達されることはない。ただし、ヒンジ軸3は、前述したように、ピストン5が初期位置と解除位置との間に位置しているときにおいても、カム面33a,55aによって回動付勢力に変換されたコイルばね6の直線付勢力によって矢印X方向へ回動付勢されている。ピストン5が解除位置に達すると、前述したように、外係止面54の一側部54aが内係止面25から解除位置側へ外れる。この結果、ピストン5が矢印X方向へ回動可能になる。この結果、ヒンジ軸3がコイルばね6によりピストン5を介して矢印Xヒンジ方向へ回動させられる。
【0031】
ここで、コイルばね6の回動付勢力は、図13に示すように、ヒンジ軸3が初期回動位置から90°以上回動しているときには便座の自重による回動トルクより大きく設定されている。しかも、前述したように、ヒンジ軸3が初期位置から90°回動し、それに伴ってピストン5が解除位置に達したときには、ピストン5の矢印X方向を向く当接面55bがヒンジ軸3の当接面33bに突き当たっているので、ヒンジ軸3はピストン5と一体的に矢印X方向へ回動する。したがって、ヒンジ軸3は、初期回動位置から90°回動すると、その後はコイルばね6の回動付勢力によって矢印X方向へ自動的に回動させられる。ピストン5及びヒンジ軸3がコイルばね6により所定の自立角度だけ回動させられると、回動規制面57が内係止面25に突き当たる。したがって、それ以上はピストン5及びヒンジ軸3が矢印X方向へ回動することができなくなり、ヒンジ軸3が自立位置において停止する。これにより、便座が開位置に停止させられるとともに、コイルばね6の回動付勢力によって開位置に維持される。
【0032】
前述したように、ピストン5は、自立角度範囲内に位置しているときには、ヒンジ軸3側へ移動することができないのみならず、底部22側へも移動できなくなっている。つまり、ピストン5は、自立角度範囲内に位置しているときには、収容孔21の軸線方向へ移動不能になっている。したがって、ヒンジ軸3を自立位置から初期回動位置側へ向かう方向(矢印X方向と逆方向)へ回動させると、ヒンジ軸3のカム面33aがピストン5のカム面55aを収容孔21の周方向及び軸線方向へ押圧するが、ピストン5が収容孔21の軸線方向へ移動不能になっているので、ピストン5はヒンジ軸3と一体に矢印X方向と逆方向へ回動する。
【0033】
次に、上記構成のヒンジの作用を図7〜図13に基づいて説明する。なお、図7〜図9及び図11においては、ヒンジ装置の作用をより理解し易いようにするために、ヒンジ軸3及びピストン5を実際のものと点対称に描いている。この結果、図7〜図9及び図11の矢印X方向が図1の矢印X方向と逆になっているが、両矢印X方向は実際には同一方向である。
【0034】
いまヒンジ軸3が初期回動位置に位置し、ヒンジ軸3に連結された便座が閉位置に位置しているものとする。このような状態では、図7及び図11に示すように外係止面54の一側部54aが内係止面25に突き当たっているので、コイルばね6の回動付勢力がピストン5を介してヒンジ軸3に伝達されることがない。したがって、コイルばね6の回動付勢力を大きくしたとしても、便座が閉位置から浮き上がってしまう(便器本体から浮き上がってしまう)ような事態を招来することない。したがって、コイルばね6の回動付勢力を大きくすることができる。
【0035】
閉位置に位置している便座を開く場合には、便座を手で持ち上げて開回動(矢印X方向へ回動)させる。このとき、コイルばね6の直線付勢力がカム面33a,55aによって開方向への回動付勢力に変換されているので、その回動付勢力の分だけ便座を軽く回動させることができる。また、粘性流体に対する流通抵抗が発生しない。したがって、便座を図7に示す閉位置から図8に示す45°回動位置を経て図9に示す90°離れた位置(実際には90°離れた位置より僅かに手前の位置)まで回動させる間は、便座を高速で開回動させることができる。
【0036】
便座閉位置から90°回動し、それに伴ってピストン5が解除位置に達すると、ピストン5が矢印X方向へ回動可能になるので、コイルばね6がヒンジ軸3及び便座をピストン5を介して矢印X方向へ回動付勢する。このとき、コイルばね6の回動付勢力を大きくすることができるので、便座を確実に自立させることができる。便座が開位置まで回動すると(ヒンジ軸3が自立位置まで回動すると)、回動規制面57が内係止面25に突き当たる。その結果、便座が開位置に停止し、コイルばね6の回動付勢力によって開位置に維持される。
【0037】
開位置に位置している便座を閉位置まで回動させる場合には、まず便座をコイルばね6の回動付勢力に抗して開位置から90°の位置まで閉回動させる。すると、ピストン5がヒンジ軸3を介して同方向(矢印X方向と逆方向)へ回動させられる。このとき、段差面26,58が突き当たっているので、ピストン5は回動するだけであり、収容孔21の軸線方向へ移動することがない。したがって、粘性流体が流れることがなく、流通抵抗も発生しない。よって、開位置から90°の位置までは便座を高速で閉回動させることができる。
【0038】
便座が90°の位置に達すると、外係止面54の他側部54bが内係止面25に突き当たるため、ピスト5が回動不能になる。したがって、便座を90°の位置からさらに閉位置側へ回動させると、ピストン5がカム面33a,55aによりってコイルばね6の直線付勢力に抗して解除位置から初期位置側へ移動させられる。その結果、一側部54aも内係止面25に突き当たるようになる。この状態では、コイルばね6の回動付勢力がピストン5を介してヒンジ軸3及び便座に作用しなくなる。しかも、便座が開位置から閉位置側へ向かって90°を越えた位置では、便座の自重による閉位置側への回動トルクがコイルばね6の直線付勢力に基づく開方向への回動付勢力より大きくなっている。したがって、便座から手を離すと、便座はその自重によって閉位置まで回動し、便器本体に突き当たって停止する。そして、閉状態を維持する。便座が90°の位置を越えて閉位置側へ回動するときには、その回動に伴ってピストン5が解除位置側から初期位置側へ移動するので、粘性流体が高圧室27から低圧室28に向かって流れることになり、粘性流体に大きな流通抵抗が作用する。したがって、便座の開回動速度は低速に抑えられる。
【0039】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、コイルばね6を底部22とピストン5との間に設け、ピストン5をヒンジ軸3側へ付勢させているが、コイルばね6をヒンジ軸3とピストン5との間に設け、ピストン5を底部22側へ向かって付勢させてもよい。その場合には、ヒンジ軸3が矢印X方向へ回動するときには、ピストン5をコイルばね6によって底部22側へ移動させ、ヒンジ軸3が矢印X方向と逆方向へ移動するときには、カム部材4のカム面43a及びピストン5のカム面56とによりピストン5をコイルばね6の付勢力に抗してヒンジ軸3側へ移動させるようにする。そのようにした場合には、初期位置と解除位置との位置関係が上記の実施の形態とは逆になる。そこで、このような変形例では、回動規制面57を、上記の実施の形態における外係止面54の初期位置側の端部でなく、解除位置側の端部に形成することになる。なお、コイルばね5をヒンジ軸3とピストン5との間に配置する場合には、ヒンジ軸3のカム面33a及びピストン5のカム面55aは形成されなくなる。
また、回動規制面57については、外係止面54に形成することなく、内係止面25に形成してもよい。この場合においても、回動規制面57は、内係止面25の初期位置側の端部と解除位置側の端部とのいずれかに、ヒンジ軸3の回動方向とピストン5の移動方回との関係に応じて決定される。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、回動付勢手段を一つ用いているだけであるので、ヒンジ装置の製造費を低減することができるとともに小型化を達成することができ、さらに回動付勢手段の回動付勢力を大きくして便座等の回動部材を確実に自立させることができ、しかも便座等が便器から浮き上がってしまうような事態を未然に防止することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を、ヒンジ軸が開位置に位置した状態で示す図であって、図1(A)はその縦断面図、図1(B)は図1(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図2】同実施の形態の分解斜視図である。
【図3】同実施の形態において用いられているヒンジ本体を示す図であって、図3(A)はその正面図、図3(B)はその右側面図、図3(C)は図3(A)のC−C線に沿う断面図である。
【図4】同実施の形態において用いられているヒンジ軸を示す図であって、図4(A)はその正面図、図4(B)はその左側面図、図4(C)はその右側面図、図4(D)は図4(A)のD−D線に沿う断面図である。
【図5】同実施の形態において用いられているカム部材を示す図であって、図5(A)はその正面図、図5(B)はその左側面図、図5(C)はその右側面図、図5(D)はその平面図である。
【図6】同実施の形態において用いられているピストンを示す図であって、図6(A)はその正面図、図6(B)はその左側面図、図6(C)はその右側面図、図6(D)はその平面図である。
【図7】同実施の形態のヒンジ軸が初期回動位置に位置しているときの状態を、ヒンジ本体を透過して示す一部省略斜視図である。
【図8】同実施の形態のヒンジ軸が初期回動位置から45°だけ回動したときの状態を、ヒンジ本体を透過して示す一部省略斜視図である。
【図9】同実施の形態のヒンジ軸が初期回動位置から90°だけ回動したときの状態を、ヒンジ本体を透過して示す一部省略斜視図である。
【図10】同実施の形態のヒンジ軸が初期回動位置とそこから90°だけ離れた位置との間に位置しているときの状態を示す図1(A)のX−X線に沿う断面図である。
【図11】同実施の形態のヒンジ軸が開位置に位置しているときの状態を、ヒンジ本体を透過して示す一部省略斜視図である。
【図12】同実施の形態のヒンジ軸が開位置に位置しているときの状態を示す図10と同様の断面図である。
【図13】ヒンジ軸(便座)の回動角度とヒンジ軸に作用する各トルクとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ヒンジ装置
2 ヒンジ本体
3 ヒンジ軸
5 ピストン(可動部材)
6 コイルばね(回動付勢手段;移動手段)
21 収容孔
22 底部
25 内係止面(係止手段)
26 段差面(第1段差面)
33a カム面(移動手段)
43a カム面(移動手段)
54 外係止面(係止手段)
55a カム面(移動手段)
56a カム面(移動手段)
57 回動規制面
58 段差面(第2段差面)

Claims (7)

  1. 内部に一端が開口し、他端に底部を有する収容孔が形成されたヒンジ本体と、上記収容孔の開口側端部に回動可能に、かつ脱出不能に設けられたヒンジ軸と、このヒンジ軸と上記底部との間の上記収容孔内にその軸線方向へ移動可能に設けられた可動部材と、上記ヒンジ軸が一方向へ回動するときには、上記可動部材を上記ヒンジ軸と上記底部とのいずれか一方に接近する方向へ移動させ、上記ヒンジ軸が他方向へ回動するときには、上記可動部材を上記ヒンジ軸と上記底部とのいずれか他方に接近する方向へ移動させる移動手段と、上記可動部材を上記ヒンジ軸の一方向への回動方向と同方向へ回動付勢する回動付勢手段とを備え、
    上記収容孔の内周面と上記可動部材との間に、上記可動部材が上記移動手段により所定の初期位置と解除位置との間に位置させられているときには上記可動部材の回動を阻止し、上記可動部材が上記移動手段により上記初期位置側から上記解除位置側へ向かって移動させられて上記解除位置に達しているときには上記可動部材の回動を許容する係止手段が設けられていること特徴とするヒンジ装置。
  2. 上記係止手段が、上記収容孔の内周面に設けられた内係止面と、上記可動部材の外周面に設けられ、上記内係止面に突き当たることにより、上記可動部材の回動を阻止する外係止面とを有していることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
  3. 上記内係止面及び上記外係止面が上記収容孔の軸線と平行な平面として形成されていることを特徴とする請求項2に記載のヒンジ装置。
  4. 上記内係止面の解除位置側の端部と上記外係止面の初期位置側の端部とのいずれか一方には、上記可動部材が上記解除位置に達しているときには上記回動付勢手段によって上記可動部材が所定の大きさの自立角度だけ上記一方向へ回動させられるのを許容し、かつ上記可動部材が上記自立角度だけ回動すると上記内係止面の解除位置側の端部と上記外係止面の初期位置側の端部とのいずれか他方に突き当たることによって上記可動部材の上記自立角度を越える回動を阻止する回動規制面が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のヒンジ装置。
  5. 上記回動付勢手段がコイルばねからなり、このコイルばねが上記底部と上記可動部材との間の上記収容孔内に収容されていることを特徴とする請求項4に記載のヒンジ装置。
  6. 上記コイルばねが上記可動部材を上記収容孔の軸線に沿って上記初期位置側から上記解除位置側へ付勢して上記ヒンジ軸に押圧接触させており、上記移動手段が、上記コイルばねと、上記ヒンジ軸と上記可動部材との接触面間に設けられ、上記可動部材が上記初期位置と上記解除位置との間に位置しているときにおいて、上記ヒンジ軸が上記一方向へ回動するときには、上記コイルばねの付勢力によって上記可動部材が上記ヒンジ軸側へ移動するのを許容し、上記ヒンジ軸が上記他方向へ回動するときには上記可動部材を上記コイルばねの付勢力に抗して移動させるカム機構とを有していることを特徴とする請求項5に記載のヒンジ装置。
  7. 上記回動規制面が上記外係止面に設けられており、上記収容孔の内周面には、上記初期位置側から上記解除位置側へ向かう方向を向く第1段差面が上記内係止面の上記解除位置側における端部に続いて形成され、上記外係止面と上記回動規制面との間には、上記解除位置側から上記初期位置側へ向かう方向を向く第2段差面が形成され、上記第1及び第2段差面は、上記可動部材が上記自立角度範囲内に位置しているときに互いに突き当たることによって上記可動部材が解除位置から上記初期位置側へ移動するのを阻止することを特徴とする請求項6に記載のヒンジ装置。
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