JP5572227B2 - ヒンジ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、回転付勢手段としての捩りコイルばねを備えたヒンジ装置に関する。
一般に、ヒンジ装置は、筐体に取り付けられる筐体側取付部材と、扉に取り付けられる扉側取付部材とを備えており、筐体側取付部材と扉側取付部材とは、第1及び第2リンクによって回転可能に連結されている。この結果、扉が筐体にヒンジ装置を介して回転可能に支持されている。
また、ヒンジ装置は、下記特許文献1に記載されているように、捩りコイルばねを有している。捩りコイルばねは、線材を巻回してなるコイル部と、このコイル部の両端部に設けられた第1及び第2突出部とを有している。第1突出部は、第1リンクに突き当たって回転付勢している。一方、第2突出部は、筐体側取付部材に突き当たるか、第2リンクに突き当たってこれを回転付勢している。いずれにしても、第1突出部によって第1リンクが回転付勢され、ひいては扉側取付部材及び扉が回転付勢されている。
特開平6−323055号公報
第1突出部は、通常、コイル部の接線方向に向かって直線状に延びている。直線状の第1突出部によって第1リンクを回転付勢した場合には、第1リンクに対する回転付勢態様、つまり第1リンクの回転位置と第1リンクに対する回転付勢力との関係を所望の態様にすることが難しいという問題があった。
この発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、筐体側取付部材と、この筐体側取付部材に一端部が回転可能に連結された第1及び第2リンクと、この第1及び第2リンクの他端部に回転可能に連結された扉側取付部材と、上記第1リンクを回転付勢し、それによって上記扉側取付部材を上記筐体側取付部材に対して回転させる捩りばねとを備え、上記捩りばねの一端部に径方向外側へ突出する突出部が設けられ、上記突出部が上記第1リンクに突き当たることによって上記第1リンクを回転付勢するヒンジ装置において、上記突出部には、これと別体に形成されたカム部材が上記捩りばねの軸線を中心として上記突出部と一体に回転するように装着され、上記突出部が上記第1リンクに上記カム部材を介して突き当たるよう、上記カム部材には上記第1リンクに突き当たるカム面が形成されていることを特徴としている。
この場合、上記捩りばねの他端部に径方向外側へ突出する第2突出部が形成されており、上記第2突出部が上記第2リンクに突き当たることにより、上記第2リンクが上記扉側取付部材を上記第1リンクと同一方向へ回動させるように、上記第2突出部が上記第2リンクを回動付勢することが望ましい。
上記捩りばねが金属製の線材からなる捩りコイルばねであり、上記捩りコイルばねが、上記線材を巻回してなるコイル部と、このコイル部の両端部からコイル部の径方向外側へそれぞれ突出する上記突出部及び第2突出部を有し、上記突出部及び第2突出部が上記線材の両端部によって構成されていることが望ましい。
上記筐体側取付部材には、上記捩りコイルばねのコイル部に挿通される支持軸が設けられ、上記カム部材には、上記支持軸の一端部が挿通される筒部が設けられ、この筒部が上記コイル部の一端部に隙間をもって相対回転可能に嵌合されていることが望ましい。
上記捩りコイルばねのコイル部の他端側には、上記支持軸の他端部が挿通された被挿通部材が設けられ、この被挿通部材には、上記支持軸の他端部が挿通される第2筒部が設けられ、この第2筒部が上記コイル部の他端部に隙間をもって相対回転可能に嵌合されていることが望ましい。
上記被挿通部材が、上記コイル部の軸線を中心として上記第2突出部と一体に回転するよう、上記第2突出部に係合されていることが望ましい。
上記特徴構成を有するこの発明によれば、第1リンクに突き当たるカム部材のカム面を適宜の形状に形成することにより、捩りコイルばねによる第1リンクに対する回転付勢態様、つまり第1リンクの回転位置と捩りコイルばねによる第1リンクに対する回転付勢力との関係を所望の関係にすることができる。
図1は、この発明の第1実施の形態を、扉側取付部材を開位置に回転させた状態で示す平面図である。 図2は、図1のX矢視図である。 図3は、図1のY矢視図である。 図4は、図1のZ矢視図である。 図5は、同実施の形態を、扉側取付部材を開位置に回転させた状態で示す斜視図である。 図6は、同実施の形態の基部及び筐体側取付部材を示す分解斜視図である。 図7は、同実施の形態の筐体側取付部材、扉側取付部材及びそれらの間に設けられる各部材を示す分解斜視図である。 図8は、図1のA−A線に沿う拡大断面図である。 図9は、扉側取付部材を閉位置と開位置との間の中間位置に回転させた状態で示す図8と同様の図である。 図10は、扉側取付部材を閉位置に回転させた状態で示す図8と同様の図である。 図11は、図1のB−B線に沿う一部省略断面図である。 図12は、扉側取付部材を中間位置に回転させた状態で示す図11と同様の断面図である。 図13は、扉側取付部材を閉位置に回転させた状態で示す図11と同様の断面図である。 図14は、図1のC−C線に沿う一部省略断面図である。 図15は、扉側取付部材を中間位置に回転させた状態で示す図14と同様の断面図である。 図16は、扉側取付部材を閉位置に回転させた状態で示す図14と同様の断面図である。 図17は、図2のA−A線に沿う断面図である。 図18は、図17の要部の拡大図である。 図19は、同実施の形態において用いられている回転ダンパの側面図である。 図20は、同回転ダンパの右側面図である。 図21は、同回転ダンパの斜視図である。 図22は、同回転ダンパをロータが閉回転しているときの状態で示す図19のX−X線に沿う断面図である。 図23は、同回転ダンパをロータが開回転しているときの状態で示す図22と同様の断面図である。 図24は、ダンパ本体が第1位置に位置しているときの状態で示す図22のX−X線に沿う断面図である。 図25は、ダンパ本体が第1位置に位置しているときの状態で示す図23のX−X線に沿う断面図である。 図26は、ダンパ本体が第2位置に位置しているときの状態で示す図22のX−X線に沿う断面図である。 図27は、ダンパ本体が第1位置に位置しているときの状態で示す図22のY−Y線に沿う断面図である。 図28は、ダンパ本体が第2位置に位置しているときの状態で示す図22のYーY線に沿う断面図である。 図29は、図2の要部の拡大図である。 図30は、この発明に係るダンパ付きヒンジ装置の第2実施の形態を、扉側取付部材が閉位置に位置しているときの状態で示す図8と同様の断面図である。 図31は、同第2の実施の形態を、扉側取付部材が所定の第1中間位置に位置しているときの状態で示す図8と同様の断面図である。 図32は、同第2の実施の形態を、扉側取付部材が所定の第2中間位置に位置しているときの状態で示す図8と同様の断面図である。 図33は、同第2の実施の形態を、扉側取付部材が開位置に位置しているときの状態で示す図8と同様の断面図である。 図34は、この発明において用いられる捩りばねの他の一例を示す斜視図である。 図35は、この発明の第3実施の形態を示す分解斜視図である。 図36は、同第3実施の形態を図35と異なる方向から見た分解斜視図である。 図37は、同実施の形態の要部を示す図18と同様の断面図である。 図38は、同実施の形態において用いられている外側リンクを示す斜視図である。 図39は、この発明の第4実施の形態を示す分解斜視図である。 図40は、同第4実施の形態において用いられているヒンジ本体の平面図である。 図41は、図40のX−X断面図である。 図42は、同ヒンジ本体の斜視図である。 図43は、同ヒンジ本体を、捩りコイルばねを取り付けた状態で示す平面図である。 図44は、図43のX−X断面図である。 図45は、図43のY−Y断面図である。 図46は、ヒンジ本体に内側及び外側リンクを取り付けた状態で示す図44と同様の断面図である。 図47は、ヒンジ本体に内側及び外側リンクを取り付けた状態で示す図45と同様の断面図である。
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1〜図29は、この発明の第1実施の形態を示す。この実施の形態のヒンジ装置1は、図1〜図8に示すように、基部2、ヒンジ本体(筐体側取付部材)3、内側リンク(第1リンク)4、外側リンク(第2リンク)5、カップ部材(扉側取付部材)6、捩りコイルばね(捩りばね)7並びに回転ダンパ8を主な構成要素としている。
基部2は、ヒンジ本体3を前面が開口した筐体(図示せず)の側壁部内面に着脱可能に取り付けるためのものであり、ベースプレート21及び可動プレート22を有している。ベースプレート21は、筐体の左側壁部の内面の前端部、つまり開口部側の端部に取り付けられている。ベースプレート21は、筐体の右側壁部の内面の前端部に取り付けてもよい。なお、以下においては、説明の便宜上、筐体の前後左右及び上下を用いてヒンジ装置1の構成を説明するものとする。筐体の前後左右及び上下は、図6及び図7に示すとおりである。勿論、ヒンジ装置1は、そのような前後左右及び上下に限定されるものではない。
可動プレート22は、ベースプレート21に対し前後方向及び上下方向へ位置調節可能に取り付けられている。そして、調節軸23を回転させると、可動プレート22が前後方向へ位置調節され、調節軸24を回転させると、可動プレート22が上下方向へ位置調節される。また、調節ボルト25を回転させると、可動プレート22の前端部が左右方向へ位置調節される。
可動プレート22の前端部には、係合凹部22aが形成されている。係合凹部22aは、前方に向かって開放されている。可動プレート22の後端部には、係合軸22bがその長手方向を上下方向に向けて固定されている。
ヒンジ本体3は、図6〜図8に示すように、一対の側板部31,32及び連結板部33を有している。一対の側板部31,32は、その長手方向を前後方向に向け、かつ上下方向に対向して配置されている。連結板部33は、一対の側板部31,32の長辺部の右側部(図6において上側の側部)に一体に設けられている。これにより、ヒンジ本体3が断面「コ」字状に形成されている。ヒンジ本体3は、その開放部を基部2側に向けて配置されている。
ヒンジ本体3の内部には、可動プレート22が挿入されている。図7及び図8に示すように、ヒンジ本体3の側板部31,32の前端部には、長手方向を上下方向に向けた係合軸34の両端部がそれぞれ固定されている。この係合軸34は、可動プレート22の係合凹部22aに係脱可能に挿入されている。一方、ヒンジ本体3の側板部31,32の後端部には、図8に示すように、長手方向を上下方向に向けた支持軸35の両端部が固定されている。支持軸35には、係合部材36が回転可能に設けられている、この係合部材36は、コイルばね37によって図8の時計方向へ回転付勢されている。係合部材36には、係合凹部36aが形成されており、この係合凹部36aには、可動プレート22の後端部に設けられた係合軸22bが係脱可能に挿入されている。係合軸34が係合凹部22aに係脱可能に挿入されるとともに、係合部材36の係合凹部36aに係合軸22bが係脱可能に挿入されることにより、ヒンジ本体3が基部2に着脱可能に取り付けられ、ひいては筐体に着脱可能に取り付けられている。ヒンジ本体3の筐体への取付構造は、上記の構造に限定されるものでなく、公知の他の構造を採用することができる。また、ヒンジ本体3は、筐体に直接固定してもよい。これは、例えば側板部31,32に上方又は下方に延びる垂直板部を形成し、この垂直板部を筐体の左右いずれかの側壁部内面に固定することによって行うことができる。
ヒンジ本体3の側板部31,32の前端部には、内側及び外側リンク4,5の一端部が回転可能に連結されている。すなわち、側板部31,32の前端部には、長手方向を上下方向に向けた枢軸J1,J2の両端部がそれぞれ固定されている。一方、内側リンク4は、上下方向に対向した一対の側板部41,42と、この一対の側板部41,42の長辺部どうしを連結する連結板部43とによって構成されている。側板部41,42の一端部は、側板部31,32間に挿入されており、側板部31,32に枢軸J1を中心として水平方向へ回転可能に連結されている。これにより、内側リンク4の一端部がヒンジ本体3の前端部に水平方向へ回転可能に連結されている。
外側リンク5は、上下に対向した一対の側板部51,52と、この一対の側板部51,52の長辺部どうしを連結する連結板部53とによって構成されている。側板部51,52の一端部は、側板部31,32間に挿入されており、側板部31,32に枢軸J2を中心として水平方向へ回転可能に連結されている。これにより、外側リンク5の一端部がヒンジ本体3の前端部に水平方向へ回転可能に連結されている。
カップ部材6は、扉(図示せず)の背面、つまり扉が閉位置に位置したときに筐体の前面と対向する面に固定されている。カップ部材6には、略「U」字状をなす連結部材61が固定されている。連結部材61は、互いに平行な一対の軸部62,63を有している。一対の軸部62,63は、長手方向を上下方向に向けた状態で配置されている。つまり、軸部62,63は、枢軸J1,J2と平行に配置されている。
内側リンク4の側板部41,42の他端部は、カップ部材6に軸部62を中心として水平方向へ回転可能に連結されている。外側リンク5の側板部51,52の他端部は、カップ部材6に軸部63を中心として水平方向へ回転可能に連結されている。これにより、カップ部材6がヒンジ本体3に内側及び外側リンク4,5を介して水平方向へ回転可能に連結され、ひいては扉が筐体にヒンジ装置1を介して水平方向へ回転可能に連結されている。
カップ部材6は、ヒンジ本体3に図10及び図13に示す閉位置と、図8及び図11に示す開位置との間を回転可能である。カップ部材6の閉位置は、図10に示すように、外側リンク5の連結板部53がカップ部材6の底部6aに突き当たることによって定められている。ただし、カップ部材6は、ヒンジ装置1が筐体に取り付けられた状態では閉位置に達することがない。これは、外側リンク5がカップ部材6に突き当たる前に、扉が筐体の前面に突き当たるからである。そこで、以下においては、扉が筐体の前面に突き当たったときのカップ部材6及び扉の位置を閉位置と称するものとする。カップ部材6の開位置は、内側リンク4の側板部41,42がカップ部材6に突き当たることによって定められている。
図7及び図8に示すように、ヒンジ本体3の側板部31,32には、長手方向を上下方向に向けた支持軸J3の両端部が支持されている。支持軸J3は、枢軸J1、J2より若干後方、かつ右側に配置されている。支持軸J3には、断面四角形の線材を巻回することによって構成された捩りコイルばね7のコイル部71が外挿されている。
捩りコイルばね7のコイル部71の両端部には、突出部72,73が設けられている。突出部72,73は、コイル部71を構成する線材の一端部と他端部とであり、コイル部71から径方向外側へ突出させられている。
捩りコイルばね7の一方の突出部(一端部)72は、図11〜図13に示すように、カム部材91を介して内側リンク4の一方の側板部41に突き当たっている。カム部材91は、平板状をなしており、ヒンジ本体3の側板部31とコイルばね7のコイル部71との間に配置されている。カム部材91には、支持軸J3が回転可能に挿通されている。つまり、カム部材91は、支持軸J3に回転可能に支持されている。カム部材91の突出部72との対向面には、一対の突出部91c,91dが互いに離間して配置されている。この一対の突出部91c,91d間には、捩りコイルばね7の突出部72がコイル部71の周方向へ移動不能に挿入されている。この結果、カム部材91は、捩りコイルばね7によりその軸線(支持軸J3の軸線)を中心として回転付勢されている。
カム部材91の前端部のうちの側板部41と対向する部位には、カム面91aが形成されている。このカム面91aと対向する側板部41には、カム面41aが形成されている。カム面91a,41aは、捩りコイルばね7によって互いに突き当てられている。したがって、ねじりコイルばね7の回転付勢力は、カム面91a,41aを介して内側リンク4に作用する。この場合、内側リンク4に作用するコイルばね7の回転付勢力は、カップ部材6が開位置に位置しているときには作用せず(回転付勢力が零)、カップ部材6が開位置から閉位置側へ離間すると、カップ部材6を閉位置側へ回転させるように作用する。しかも、内側リンク4に対する回転付勢力は、カップ部材が閉位置に接近するにしたがって増大する。内側リンク4にこのような回転付勢力が作用するように、カム面91a,41aが形成されている。勿論、カム面91a,41aは、内側リンク4に作用する回転付勢力の作用態様が上記と異なる態様になるように形成することも可能である。また、カム面41aに代えて、カム面91aに突き当たる突出部を側板部41に形成してもよい。
上記のように、捩りコイルばね7は、カップ部材6が開位置に位置しているときを除き、内側リンク4を枢軸J1を中心として図11〜図13の反時計方向へ回転付勢し、ひいてはカップ部材6を開位置から閉位置へ向かう方向(以下、閉方向という。)に回転付勢している。したがって、カップ部材6を開位置から閉位置側へ若干の角度、例えば5〜10°だけ回転させると、その後はカップ部材6が捩りコイルばね7によって閉位置まで回転させられるとともに、閉位置に維持される。なお、カップ部材6が開位置に位置しているときには、カム面91a,41aの接触部に立てた法線(捩りコイルバネ7の回転付勢力の内側リンク4に対する作用線)が枢軸J1の軸線と直交する。したがって、捩りコイルばね7の回転付勢力によって内側リンク4が回転付勢されることがないのである。捩りコイルばね7の内側リンク4に対する付勢態様は、必ずしもこのようにする必要がない。例えば、カップ部材6が開位置と閉位置との間のほぼ中央の位置と閉位置との間に位置しているときのみ捩りコイルばね7の回転付勢力が内側リンク4に作用し、カップ部材6が中央の位置と開位置との間に位置しているときには捩りコイルばね7の回転付勢力が内側リンク4に作用しないようにしてもよい。また、周知のヒンジ装置のように、カップ部材6が閉位置と所定の中立位置(思案位置)との間に位置しているときには、捩りコイルばね7がカップ部材6を閉方向へ回転するように内側リンク4を回転付勢し、カップ部材6が中立位置と開位置との間に位置しているときには、捩りコイルばね7がカップ部材6を閉位置から開位置へ向かう方向(以下、開方向という。)へ回転するように内側リンク4を回転付勢してもよい。
捩りコイルばね7の他方の突出部(第2突出部)73は、図14〜図16に示すように、外側リンク5に直接突き当たっている。これにより、捩りコイルばね7は、カップ部材6が開位置に位置しているときを除き、外側リンク5を枢軸J2を中心として図14〜図16の反時計方向へ回転付勢し、ひいてはカップ部材6を閉方向へ回転付勢している。カップ部材6が開位置に位置しているときには、突出部73と外側リンク5との接触部に立てた法線(捩りコイルバネ7の回転付勢力の外側リンク5に対する作用線)が枢軸J2の軸線と直交するので、捩りコイルばね7の回転付勢力によって外側リンク5が回転付勢されることはない。
ここで、一方の突出部72がカム部材91を介して内側リンク4を付勢する付勢力の大きさと他方の突出部73が外側リンク5を付勢する付勢力の大きさとは、互いに同一である。しかし、内側リンク4に作用する回転付勢力(回転モーメント)の大きさと外側リンク5に作用する回転付勢力の大きさとは、各リンク4,5の回転位置によっては同一になることもあるが、ほとんどの回転位置において互いに異なる大きさである。そして、各リンク4,5に作用する回転付勢力によってカップ部材6が回転付勢される。したがって、カップ部材6に作用する回転付勢力をその回転位置に応じて所望の大きさにするためには、各リンク4,5に作用する回転付勢力を適宜に調整する必要がある。しかしながら、各突出部72,73がいずれも直線状に形成されている場合には、各リンク4,5に作用する回転付勢力を適宜に調整して、カップ部材6に作用する回転付勢力を所望の大きさにすることが困難である。この点、このヒンジ装置1では、突出部72を内側リンク4にカム部材91を介して接触させているので、外側リンク5に作用する回転付勢力を考慮してカム部材91のカム面91aの形状を設計することにより、カップ部材6に作用する回転付勢力をその回転位置に応じて所望の大きさにすることができる。
なお、捩りコイルばね7の一方の突出部72をカム部材91を介して内側リンク4の側板部41に突き当てているが、突出部72は、側板部41に直接突き当ててもよい。その場合には、他方の突出部73が外側リンク5の側板部52にカム部材を介して突き当てられる。また、突出部72は、連結板部43の側板部41に隣接する箇所にカム部材を介して突き当ててもよい。これは、他方の突出部73を外側リンク5に突き当てる場合も同様である。さらに、突出部73は、ヒンジ本体3の連結板部33に突き当ててもよい。
カム部材91のコイル部71との対向面には、図7及び図11〜図13に示すように、筒部91bが形成されている。この筒部91bには、支持軸J3が回転可能に挿通されている。筒部91bの外径は、コイル部71の内径より若干小径に設定されており、筒部91bは、コイル部71の一端部に若干の隙間をもって相対回転可能に嵌合されている。この結果、コイル部71の一端部は、捩りコイルばね7の捩りに伴う拡縮径が阻害されることなく、筒部91bによって安定して支持されている。
ヒンジ本体3の側板部32と捩りコイルばね7との間には、図7及び図14〜図16に示すように、スペーサ(被挿通部材)92が配置されている。スペーサ92は、支持軸J3によって回転可能に貫通されている。スペーサ92の突出部73との対向面には、一対の突出部92a,92aが互いに離間して配置形成されている。一対の突出部92a,92a間には、突出部73がコイル部71の周方向へ移動不能に挿入されている。したがって、スペーサ92は、捩りコイルばね7の軸線を中心として突出部73と一緒に回転する。また、スペーサ92のコイル部71との対向面には、筒部(第2筒部)92bが形成されている。この筒部92bには、支持軸J3が回転可能に挿通されている。筒部92bの外径は、コイル部71の内径より若干大径であり、筒部92bはコイル部71の他端部に若干の隙間をもって相対回転可能に嵌合されている。この結果、コイル部71の他端部は、捩りコイルばね7の捩りに伴う拡縮径が阻害されることなく、筒部92bによって安定して支持されている。
捩りコイルばね7の一方の突出部72は、内側リンク4に対しその一方の側板部41においてのみ接触し、他方の突出部73は、外側リンク5に対しその一方の側板部52においてのみ接触している。つまり、内側リンク4は、捩りコイルばね7により一方の側板部41だけが付勢され、外側リンク5は、他方の側板部52だけが付勢されている。したがって、内側及び外側リンク4,5は、一定の姿勢に維持される。よって、扉(カップ部材6)の開閉回転時に内側及び外側リンク4,5がガタつくことを防止することができる。
すなわち、捩りコイルばね7の突出部72,73を内側リンク4の側板部41,42にそれぞれ接触させて内側リンク4だけを回転付勢し、あるいは外側リンク5の側板部51,52にそれぞれ接触させて外側リンク5だけを回転付勢し、それによってカップ部材6を回転付勢することも可能である。また、周知のヒンジ装置(特開平6−323055号公報参照)のように、二つの捩りコイルばねをその軸線方向に並べて配置し、両捩りコイルばねの長手方向へ互いに離間した各一端部を、一方のリンクの両側部にそれぞれ接触させるとともに、両捩りコイルばねの互いに隣接する各他端部を他方のリンクの中央部に接触させることにより、各リンクをそれぞれ回転付勢することも可能である。
しかしながら、このような従来の付勢態様を採用すると、捩りコイルばねの各リンクに対する付勢力が各リンクの一側部と他側部(各リンクの回転軸線方向における一側部と他側部)とで均衡するため、カップ部材に対する負荷の作用状況によっては、各リンクの一側部と他側部とが、ヒンジ本体の両側板部と枢軸との間の寸法誤差に基づく隙間、及び各リンクの両側板部と枢軸との間の寸法誤差に基づく隙間の分だけ移動し、各リンクが揺動するようにガタつく。その結果、扉の開閉回転時に騒音が発生するおそれがある。
この点、このヒンジ装置1においては、内側リンク4が捩りコイルばね7によって回転付勢されるのは、枢軸J1の軸線方向における一側部たる側板部41だけであり、他方の側板部42が回転付勢されることがない。したがって、内側リンク4は、一定の姿勢に維持され、揺動するようにガタつくことがない。同様に、外側リンク5は、枢軸J2の軸線方向における他側部たる側板部52が捩りコイルばね7によって回転付勢されるだけであり、側板部51が回転付勢されていない。したがって、外側リンク5も、一定の姿勢に維持され、揺動するようにガタつくことがない。よって、扉の開閉回転時に騒音が発生することを防止することができる。
図17及び図18に示すように、内側リンク4の側板部41,42間には、回転ダンパ8が配置されている。回転ダンパ8は、扉及びカップ部材6の閉方向への回転時に、内側リンク4及び外側リンク5の回転速度を低速に抑え、ひいては扉及びカップ部材6の回転速度を低速に抑えるためのものであり、図7及び図17〜図28に示すように、ダンパ本体81及びロータ82を有している。
ダンパ本体81は、図24〜28に示すように、一端が開口し、他端部が底部81aによって閉じられた有底円筒状をなしており、その内部が収容部81Aとされている。ダンパ本体81は、その開口部を内側リンク4の側板部41と対向させた状態で側板部41,42間に配置されている。しかも、ダンパ本体81は、その軸線を枢軸J1の軸線と一致させて配置されている。底部81aの中央部には、貫通孔81bが形成されている。貫通孔81bは、その軸線を枢軸J1の軸線と一致させて配置されている。
ロータ82は、互いの軸線を一致させて形成された大径部82aと小径部82bとを有している。大径部82aは、ダンパ本体81の内周面の開口部側の端部に回転可能に嵌合されている。一方、小径部82bは、貫通孔81bに回転可能に嵌合されている。これにより、ダンパ本体81とロータ82とがそれらの軸線(枢軸J1の軸線)を中心として相互に回転可能になっている。
ロータ82の中央部には、その軸線上をロータ82の一端面から他端面まで貫通する支持孔82dが形成されている。この支持孔82dには、枢軸J1が回転可能に挿通されている。これにより、ロータ82がヒンジ本体3に枢軸J1を介して回転可能に支持され、ひいては回転ダンパ8がヒンジ本体3に回転可能に支持されている。なお、回転ダンパ8は、枢軸J2に回転可能に支持させてもよい。その場合には、回転ダンパ8が外側リンク5の側板部51,52間に配置される。回転ダンパ8は、枢軸J1,J2と平行でそれと異なる軸に回転可能に支持させてもよい。その場合には、回転ダンパ8が内側リンク4及び外側リンク5に対してその外側に配置される。
図7、図8及び図19〜図23に示すように、ダンパ本体81の外周面には、二つの歯(外歯車部)81c,81dが周方向へ互いに離間して配置形成されている。この二つの歯81c,81dは、ダンパ本体81の軸線を中心とする歯車の一部を構成するものである。
枢軸J2には、図7〜図10に示すように、歯車部材93が回転可能に外挿されている。歯車部材93は、外側リンク5の側板部51,51の間に配置されており、外側リンク5に回転不能に連結されている。したがって、歯車部材93は、枢軸J2を中心として外側リンク5と一緒に回転する。
歯車部材93には、一つの歯93aが形成されている。この歯93aは、ダンパ本体81に形成された歯81c,81dと噛み合い可能であり、カップ部材6が閉位置と、閉位置から開位置側へ向かって所定角度だけ離間した噛み合い開始位置との間の噛み合い範囲内に位置しているときには、図10に示すように、歯81c,81d間に入り込んでいる。したがって、カップ部材6が噛み合い範囲内に位置しているときには、歯93aが歯81c,81dと噛み合い、ダンパ本体81を外側リンク5の回転に伴って回転させる。この場合、カップ部材6が開方向へ回転するときには、歯93aが歯81cと噛み合い、ダンパ本体81を図10において反時計方向へ回転させる。一方、カップ部材6が閉方向へ回転するときには、歯93aが歯81dと噛み合い、ダンパ本体81を図10において時計方向へ回転させる。これから明らかなように、歯車部材93及びその歯93aと噛み合う歯81c,81dにより、外側リンク5の回転をダンパ本体81に伝達するための第2回転伝達機構が構成されている。なお、回転ダンパ8が枢軸J2に設けられる場合には、歯車部材93が枢軸J1に設けられ、内側リンク4と一体に回転させられる。
歯車部材93の歯93aは、カップ部材6が噛み合い開始位置と開位置との間に位置しているとき、つまり噛み合い範囲外に位置しているときには、歯81c,81d間から抜け出ており、それらと噛み合うことがない。したがって、そのときには、ダンパ本体81が歯車部材93ひいては外側リンク5に対して自由に回転することができる。ただし、その場合においてもダンパ本体81は、単独で自由に回転することはなく、後述するように、ロータ82と一体に回転する。
図19〜図21に示すように、ロータ82の大径部82aの側板部41と対向する端面には、複数(この実施の形態では3つ)の突起82cが形成されている。この複数の突起82cは、ロータ82の軸線を中心とする一つの円周上に配置されている。各突起82cは、直径が異なる円周上に配置してもよい。また、突起82cは、一つだけ形成してもよい。
図7に示すように、内側リンク4の側板部41の大径部82aと対向する部分には、突起82cと同数の孔41bが形成されている。各41bには、突起82cがそれぞれ挿入されている。これにより、ロータ82が内側リンク4と一体に回転するようになっている。したがって、ロータ82は、カップ部材6が閉方向へ回転するときには、図22及び図23において反時計方向へ回転し、カップ部材6が開方向へ回転するときには、図22及び図23において時計方向へ回転する。これから明らかなように、孔41bと突起82cとにより、ロータ82を枢軸J1を中心として内側リンク4の一端部と一体に回転させるための係止機構(第1回転伝達機構)が構成されている。
ここで、カップ部材6が噛み合い範囲内に位置しているときには、内側リンク4の一端部の枢軸J1を中心とする回転方向と、外側リンク5の一端部の枢軸J2を中心とする回転方向とは同一方向であるが、外側リンク5の回転がダンパ本体81に歯車部材93を介して伝達されるため、ダンパ本体81とロータ82との回転方向は互いに逆方向になる。したがって、ダンパ本体81とロータ82と間の相対回転速度は、例えばそれらのいずれか一方をヒンジ本体3に回転不能に設け、他方だけを回転させた場合に比して高速になる。
なお、ダンパ本体81及びロータ82と内側及び外側リンク4,5との各間の回転伝達機構は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、各種に変更することができる。例えば、ダンパ本体81の底部81aの外側の端面、つまり側板部42と対向する端面に上記突起82cに相当する突起を形成するとともに、側板部42に孔41bに相当する孔を形成する。そして、孔に突起を挿入することにより、ダンパ本体81を内側リンク4と一体に回転させてもよい。この場合には、ロータ82のダンパ本体81から外部に突出した部分の外周面に歯81c,81dに対応する歯を形成し、その歯に歯車部材93の歯93aを噛み合わせる。このような変形は、回転ダンパ8を枢軸J2に設ける場合も可能である。
上記のように、ダンパ本体81の内周面の開口部側の端部にロータ82の大径部82aが嵌合し、底部81aの貫通孔81bに小径部82bが嵌合しているので、図18に示すように、ダンパ本体81の内周面と小径部82bの外周面との間には、ダンパ本体81の底部81aとロータ82の大径部82aとによって両端部が閉じられた環状の空間83が形成されている。この空間83は、ダンパ本体81の内周面と大径部82aの外周面との間がOリング等のシール部材84によって封止されるとともに、貫通孔81bの内周面と小径部82bの外周面との間がOリング等のシール部材85によって封止されることにより、外部に対して密封されている。空間83には、流体が充填されている。この流体としては、粘性流体等の周知の回転ダンパにおいて用いられる各種の流体を採用することができる。
ロータ82の大径部82a及び小径部82bは、それぞれダンパ本体81の内周面及び貫通孔81bの内周面にダンパ本体81の軸線方向へ移動可能に嵌合させられている。したがって、ダンパ本体81とロータ82とは、それらの軸線方向へ互いに移動可能である。この実施の形態では、ロータ82が位置固定され、ダンパ本体81がロータ82に対して移動するようになっている。勿論、ダンパ本体82を位置固定し、ロータ82をダンパ本体81に対して移動させてもよく、両者を互いに移動させてもよい。ダンパ本体81は、図24図25及び図27に示す第1位置と図26及び図28に示す第2位置との間を移動可能である。ただし、第1位置と第2位置との間の距離(以下、離間距離という。)は、微小であり、例えば0.1〜0.2mm程度に設定される。
図22及び図23に示すように、ダンパ本体81の内周面の空間83に臨む部分には、一対の隔壁部81e,81fが形成されている。隔壁部81e,81fは、ダンパ本体81の周方向へ互いに180°離れて配置されている。隔壁部81e,81fは、ダンパ本体81の軸線方向に延びている。隔壁部81e,81fの一端部は、底部81aに一体に形成されている。つまり、隔壁部81e,81fは、底部81aから開口部側へ向かって延びている。隔壁部81e,81fの長さは、図27に示すように、ダンパ本体81が第1の位置に位置しているときの底部81aと大径部82aとの間の距離と等しくなっている。したがって、ダンパ本体81が第1位置に位置しているときには、隔壁部81e,81fの開口部側の端面(以下、先端面という。)が大径部82aに接触する。しかし、ダンパ本体81が第2位置に位置すると、図28に示すように、隔壁部81e,81fの先端面が大径部82aから離間距離の分だけ離間する。
図22〜図26に示すように、ロータ82の小径部82bの空間83に臨む部分には、一対の突条82e,82fが形成されている。突条82e,82fは、ロータ82の周方向(ダンパ本体81の周方向)へ互いに180°離れて配置されている。しかも、突条82e,82fは、それぞれ隔壁部81e,81fの間に位置するように配置されている。突条82e,82fは、ロータ82の軸線方向(ダンパ本体81の軸線)方向へ延びている。突条82e,82fの一端部は、大径部82aに一体に形成されている。つまり、突条82e,82fは、大径部82aから底部81a側へ向かって延びている。突条82e,82fの長さは、隔壁部81e,81fの長さと同一に設定されている。したがって、ダンパ本体81が第1位置に位置しているときには、図24及び図25に示すように、突条82e,82fの底部81a側の端面(以下、先端面という。)が、底部81aに接触する。しかし、ダンパ本体81が第2位置に位置すると、図26に示すように、突条82e,82fの先端面が底部81aから離間距離だけ離間する。
図22、図24、図27及び図28に示すように、隔壁部81e,81fの内側の端面、つまりダンパ本体81の径方向において内側に位置する隔壁部81e,81fの端面は、小径部82bの外周面に回転可能に接触させられている。一方、突条82e,82fの外側の端面、つまりロータ82の径方向において最も外側に位置する突条82e,82fの端面は、図24〜図26に示すように、ダンパ本体81の内周面に回転可能に接触させられている。この結果、空間83が、隔壁部81e,81f及び突条82e,82fにより周方向に順次並んだ4つの空間に区分されている。4つの空間のうち、隔壁部81eと突条82eとによって区分される空間、及び隔壁部81fと突条82fとによって区分される空間を高圧室83Aと称し、隔壁部81eと突条82fとによって区分される空間、及び隔壁部81fと突条82eとによって区分される空間を低圧室83Bと称する。
図22〜図26に示すように、突条82e,82fには、凹部82g,82hがそれぞれ形成されている。図22及び図23に示すように、一方の高圧室83Aと低圧室83Bとは、凹部82gを介して連通させられ、他方の高圧室83Aと低圧室83Bとは、凹部82hを介して連通させられている。各凹部82g,82hは、弁体85A,85Bによって開閉される。
すなわち、図22及び図23に示すように、空間83に臨むダンパ本体81の内周面には、ダンパ本体81の径方向における弁体85A,85Bの外側部分が所定の押圧力をもって摺動可能に、かつ封止状態で接触させられている。弁体85A,85Bの内側部分には、ロータ82の突条82e,82fがそれぞれ周方向へ所定範囲移動可能に設けられている。図22及び図24に示すように、カップ部材6が閉方向へ回転し、それに伴ってダンパ本体81が矢印A方向へ回転するとともに、ロータ82が矢印B方向へ回転するときには、凹部82g,82hが弁体85A,85Bによってそれぞれ閉じられる。この結果、高圧室83A内の流体は、凹部82g,82hを通ることができず、底部81aと突条82e,82fの先端面との間の僅かの隙間S1(図26参照)、及び大径部82aと隔壁部81e,81fの先端面との間の僅かの隙間S2(図28参照)を通って低圧室83Bに流入する。このとき、突条82e,82fの先端面との間の隙間S1、及び大径部82aと隔壁部81e,81fの先端面との間の隙間S2は、流体の流通に対して抵抗する一種のオリフィスとして作用する。したがって、ダンパ本体81の矢印A方向への回転及びロータ82の矢印B方向への回転が低速に抑えられ、ひいてはカップ部材6の閉方向への回転が低速に抑えられる。
なお、カップ部材6が噛み合い範囲外において閉方向へ回転するときには、ダンパ本体81が外側リンク5の回転に追随して回転することがない。そのときには、ダンパ本体81が、隔壁部81e,81fと小径部82bとの間の摩擦抵抗、突条82e,82fとダンパ本体81の内周面との間の摩擦抵抗、及び弁体85A,85Bとダンパ本体81の内周面との間の摩擦抵抗により、ロータ82と一緒に回転する。したがって、回転ダンパ81は、ダンパとしての機能を果たすことがない。
カップ部材6が開方向へ回転するときには、ダンパ本体81が図22及び図23の矢印図B方向へ回転し、ロータ82が矢印A方向へ回転する。このときには、図23及び図25に示すように、弁体85A,85Bが凹部82g,82h全体を閉じることがなく、凹部82g,82hの一部を開放する。したがって、各低圧室83B,83B内の流体は、それぞれ開放された凹部82g,82hの一部を通って高圧室83A,83Aに流入する。ここで、開放された凹部82g,82hの一部は、低圧室83B内の流体を高圧室83A側へほとんど抵抗なく流すのに十分な流通面積を有している。したがって、ダンパ本体81及びロータ82はほとんど抵抗なく回転することができ、カップ部材6は開方向へ高速で回転することができる。
なお、この発明のヒンジ装置に用いられる回転ダンパとしては、上記構成の回転ダンパ8に限定されるものでなく、内側リンク4及び/又は外側リンク5の閉方向への回転を低速に抑えることができるものであれば、周知の他の構造を有する回転ダンパを採用してもよい。
回転ダンパ8のダンパ効果の大きさ、つまりカップ部材6が噛み合い範囲内において閉方向へ回転するときに、ダンパ本体81及びロータ82の回転を低速に抑えるダンパ効果の大きさは、ダンパ本体81をロータ82に対して第1位置と第2位置との間において適宜の位置に位置調節することによって調節することができる。そのために内側リンク4の側板部42とダンパ本体81の底部81aとの間には、次の構成からなる位置調節機構が設けられている。
すなわち、図7及び図14〜図18に示すように、内側リンク4の側板部42とダンパ本体81の底部81aとの間には、回転カム板95及び可動カム板96が側板部42側からダンパ本体81側へ向かって順次配置されている。
回転カム板95は、特に図18に示すように、側板部41と対向する側板部42の内面に回転可能に接触しており、枢軸J1によって回転可能に挿通されている。回転カム板95の外周部には、アーム部95aが形成されている。このアーム部95aは、枢軸J1の径方向外側へ向かって延びている。アーム部95aの先端部には、側板部42側に向かって突出する操作片部95bが形成されている。この操作片部95bは、側板部42を通過し、さらにヒンジ本体3の側板部32に形成された操作窓孔32a(図2参照)を貫通して外部に突出している。したがって、操作片部95bは、ヒンジ装置1の外部から操作可能である。
図29に示すように、操作窓孔32aは、枢軸J1を中心として円弧状に延びる長孔として形成されている。したがって、操作片部95bを操作窓孔32aに沿って移動させることにより、回転カム板95を回転させることができる。
操作片部95bは、アーム部95aの弾性により、操作窓孔32aの内周面のうちの大径側の内周面に押圧接触させられている。操作窓孔32aの大径側の内周面には、複数の係合凹部32bが形成されている。一方、操作窓孔32aの内周面に接触する操作片部95bの外面には、係合凹部32bに係脱可能に係合する係合凸部95cが形成されている。この係合凸部95cが、アーム部95aの弾性力によって係合凹部32bに係合させられることにより、操作片部95bが所定の大きさの力で位置決めされ、ひいては回転カム板95の回転位置が定められている。勿論、操作片部95bをアーム部95aの弾性力に抗して操作窓孔32aの小径側へ移動させることにより、係合凸部95cの係合凹部32bに対する係合を解除することができる。そして、その状態を維持しつつ操作片部95bを操作窓孔32aの長手方向へ移動させることにより、回転カム板95を回転させることができる。その後、操作片部95bを自由に移動することができる状態にすると、操作片部95bがアーム部95aの弾性力によって操作窓孔32bの大径側の内周面に押し付けられ、係合凸部95cが係合凹部32bに係合する。これによって、回転カム板95がその回転位置に維持される。
可動カム板96は、図18に示すように、その一方の面が回転カム板95と対向し、他方の面がダンパ本体81の底部81aに回転可能に接触させられている。可動カム板96には、枢軸J1が回転可能に挿通されている。ただし、可動カム板96は、係合軸34に係合させられている。これにより、可動カム板96は、枢軸J1を中心とする回転が阻止されている。可動カム板96は、枢軸J1及び係合軸34に対してそれらの長手方向へ移動可能になっている。したがって、可動カム板96は、回転カム板95に対して接近離間移動可能である。
図7に示すように、回転カム板95の可動カム板96との対向面には、周方向に延びる複数のカム面95dが形成されている。一方、可動カム板96の回転カム板95との対向面には、カム面95dと同数のカム面96aが形成されている。各カム面95dと各カム面96aとは互いに接触しており、回転カム板95と可動カム板96とは、カム面95d及びカム面96a以外の箇所において接触することがない。
互いに接触するカム面95d,96aは、回転カム板95が一方向へ回転させられると、可動カム板96を回転カム板95から離間するように移動させ、ダンパ本体81を第2位置側から第1位置側へ移動させる。すると、底部81aと突条82e,82fとの間の隙間S1及び大径部82aと隔壁部81e,81fとの間の隙間S2が小さくなり、それらの隙間S1,S2を流れる流体に対する抵抗が大きくなる。したがって、回転ダンパ8のダンパ効果が大きくなる。
逆に、回転カム面95が他方向へ回転させられると、カム面95d,96aは、可動カム板96が回転カム板95に接近移動することを許容する。すると、ダンパ本体81が空間83内の流体の圧力により、可動カム板96が第1の位置側から第2の位置側へ移動させられる。この結果、底部81aと突条82e,82fとの間の隙間S1、及び大径部82aと隔壁部81e,81fとの間の隙間S2が大きくなり、それらの隙間S1,S2を流れる流体に対する抵抗が小さくなる。したがって、回転ダンパ8のダンパ効果が小さくなる。
上記の内容から明らかなように、このヒンジ装置1においては、回転カム板95、可動カム板96及び空間83内に充填された流体によってヒンジ本体81をロータ82に対して移動させて位置調節するための位置調節機構が構成されている。位置調節機構は、上記の構成に限定されるものでなく、各種の変形例を採用することができる。例えば、回転カム板95と可動カム板96との間に、確動カム機構を設け、回転カム板95の回転によって可動カム板96を回転カム板95に対して接近離間移動させるようにしてもよい。その場合には、可動カム96を移動させるためのものとしては、空間83内の流体が不要である。
回転ダンパ8、回転カム板95及び可動カム板96は、次のようにしてダンパ本体3に組み込むことができる。まず、ダンパ本体3の側板部31,32間に内側リンク4の側板部41,42を挿入する。次に、側板部41,42間に回転ダンパ8を挿入する。そして、回転ダンパ8を側板部42側から側板部41側へ移動させ、突起82cを孔41bに挿入する。次に、回転ダンパ8のダンパ本体81と側板部42との間に回転カム板95を挿入し、回転カム板95の操作片部95bを操作窓孔32aに挿入する。その後、回転カム板95とダンパ本体81との間に可動カム板96を挿入する。最後に、側板部31、側板部41、支持孔82d、可動カム板96、回転カム板95、側板部42、及び側板部32に枢軸J1を挿通する。
上記構成のヒンジ装置1においては、突出部72をカム部材91のカム面91aを介して接触させている。そのようにした場合には、突出部72を内側リンク4に直接接触させる場合に比して、カム面91aの形状を適宜の形状に形成することにより、内側リンク4に作用する回転付勢力の作用態様の自由度を大幅に広げることができる。その分だけ内側リンク4に対する回転付勢力の態様を所望の態様することができる。
特に、この実施の形態においては、捩りコイルばね7の他方の突出部73によって外側リンク5を回転付勢しているので、捩りコイルばね7による内側リンク4に対する付勢態様と外側リンク5に対する付勢態様とは同一になっており、その場合の付勢態様は、仮にカム部材91が設けられていなものとすると、突出部72と内側リンク4との関係と、突出部73と外側リンク5との関係との両者によって付勢態様が決定される。このため、内側及び外側リンク4,5に対する付勢態様を所望の付勢態様することはほとんど不可能である。しかるに、このヒンジ装置1では、一方の突出部(第1突出部)72を内側リンク4に対しカム部材91のカム面91aを介して接触させているから、突出部73と外側リンク5との関係を考慮してカム面91aの形状を決定することにより、内側及び外側リンク4,5に対する捩りコイルばね7の回転付勢態様を容易に所望の態様することができる。
図30〜図33は、この発明の第2実施の形態を示す。この実施の形態のヒンジ装置1´においては、外側リンク5の回転をダンパ本体81に伝達するための第2回転伝達機構として上記の実施の形態と異なるものが採用されている。すなわち、ダンパ本体81の外周面には、その径方向外側に向かって突出する突出部81gが形成されている。この突出部81gには、その長手方向に延びるガイド孔(ガイド溝)81hが形成されている。突出部81gには、ガイド孔81hに代えて、それと同方向に延びるガイド溝を形成してもよい。一方、外側リンク5の一端部には、軸部54が形成されている。軸部54は、その長手方向を枢軸J2の軸線方向に向けて形成されており、枢軸J2の軸線から離間した箇所に配置されている。軸部54は、ガイド孔81hにその長手方向へ移動可能に、かつ回転可能に挿入されている。したがって、外側リンク5が枢軸J2を中心として回転すると、ダンパ本体81が枢軸J1を中心として回転する。ダンパ本体81は、ロータ82と逆方向へ回転するようになっており、そのようにガイド孔81h及び軸部54が配置されている。なお、ガイド孔81hは、外側リンク5の回転をダンパ本体81に軸部54と協働して伝達することができるものである限り、必ずしもその長手方向を突出部81gの長手方向、つまりダンパ本体81の中心を通る径方向と一致させる必要はなく、径方向と平行な方向に向けて、あるいは径方向と交差する方向に向けて形成してもよい。ヒンジ装置1´の他の構成は、上記第1実施の形態と同様であるので、同様な部分には同一符号を付してその説明を省略する。
ガイド孔81hと軸部54とによって外側リンク5の回転をダンパ本体81に伝達する伝達方式は、ロータ82と外側リンク5との間にも採用可能である。その場合には、ロータ82のダンパ本体81から外部に突出した部分に突出部81gに対応する突出部が形成される。また、ダンパ本体81と内側リンク4の側板部42との間には、内側リンク4の回転をダンパ本体81に伝達するために、突起と孔との嵌合による回転伝達機構が設けられる。また、回転ダンパが枢軸J1,J2と異なる軸に設けられる場合には、ガイド孔81hと軸部54とによる回転伝達機構が、内側リンク4とダンパ本体81及びロータ82の一方との間、並びに外側リンク5とダンパ本体81及びロータ82の他方との間にそれぞれ設けてもよい。
図34は、この発明に係るヒンジ装置において、上記捩りコイルばね7に代えて用いられる捩りばね7Aを示す。捩りばね7Aは、金属製の板材からなるものであり、当該板材を断面略C字状に巻回してなる筒部74と、この筒部74の軸線方向の一端部に設けられた突出部(一端部)75と、筒部74の他端部に設けられた突出部(他端部)76とによって構成されている。勿論、突出部75は、内側リンク4の側板部41に突き当てられ、突出部76は、外側リンク5の側板部52に突き当てられている。
図35〜図38は、この発明の第3実施の形態を示す。この実施の形態においては、係止機構(第1回転伝達機構)、第2回転伝達機構及び位置調節機構として上記の実施の形態と異なるものが採用されている。まず、係止機構について説明すると、内側リンク4の側板部41の後端部には、枢軸J1の径方向に突出する突起41cが形成されている。一方、ロータ82の側板部41と対向する端面には、二つの突起82i,82iが枢軸J1を中心とする周方向へ所定距離だけ離れて設けられている。そして、二つの突起82i,82i間に突起41cが枢軸J1の周方向へ移動不能に挿入されている。これにより、内側リンク4とロータ82とが相対回転不能に連結され、内側リンク4の回転がロータ82に伝達されるようになっている。
次に、第2回転伝達機構について説明すると、外側リンク5の後端部には、係合軸(軸部)55が設けられている。係合軸55は、枢軸J2と平行に配置されており、その両端部が外側リンク5に支持されている。一方、ダンパ本体81の外周面には、二つの突出部81g,81gがダンパ本体81の周方向へ所定距離だけ離れて設けられている。そして、二つの突出部81g,81g間にガイド溝81iが形成されている。このガイド溝81iには、係合軸55の中央部がダンパ本体81の径方向へは移動可能に、周方向へはほとんど移動不能に挿入されている。したがって、外側リンク5が回転すると、その回転方向に応じて係合軸55が二つの突出部81g,81gの一方又は他方に突き当たる。これにより、外側リンク5の回転がダンパ本体81に伝達される。
位置調節機構は、回転カム板95及び可動カム板96の配置が上記実施の形態と異なっている。すなわち、回転カム板95は、内側リンク4の側板部42の外側に配置されている。つまり、側板部42とヒンジ本体3の側板部32との間に配置されている。一方、可動カム板96は、側板部42とダンパ本体81の底部81aとの間に配置されている。したがって、回転カム板95と可動カム板96との間には、側板部42が介在している。回転カム板95及び可動カム板96の各一部は、側板部42から枢軸J1の径方向外側へ突出させられている。側板部42から突出した各一部には、カム面95d,96aに相当するカム面(図示せず)がそれぞれ形成されている。勿論、両カム面どうしは互いに接触させられている。したがって、回転カム板95が回転操作されると、可動カム板96が枢軸J1の軸線方向へ移動し、ダンパ本体81が同方向へ移動する。
このような位置調節機構を有するヒンジ装置の内側リンク4、外側リンク5、回転ダンパ8、回転カム板95及び可動カム板96は、ヒンジ本体3の側板部31,32間に次のようにして組み込むことができる。まず、ヒンジ本体3の側板部31,32間に回転カム板95を挿入する。そして、回転カム板95を枢軸J1の軸線方向へ移動させ、側板部32に接触させるとともに、操作片部95bを操作窓孔32aに挿入する。次に、側板部31と回転カム板95との間に内側リンク4の側板部41,42の一端部を挿入する。その後、側板部41,42間に回転ダンパ8を挿入し、突起82i,82i間に突起41cを挿入する。この場合、突起82i,82iの間の間隙が、枢軸J1の径方向外側に向かって開放されているので、突起41cは、突起82i,82i間に枢軸J1の径方向外側から挿入することができる、よって、回転ダンパ8は、枢軸J1の径方向へ移動させるだけで、側板部41,42間に挿入することができる。その後、回転ダンパ8と側板部42との間に可動カム板96を挿入する。可動カム板96は、回転ダンパ8の側板部41,42間への挿入前に、あるいは回転ダンパ8と同時に側板部41,42間に挿入してもよい。また、回転ダンパ8及び可動カム板96は、側板部41,42を側板部31,32(回転カム板95)間に挿入前に、側板部41,42間に予め挿入しておいてもよい。その後、側板部31,32、側板部41,42、回転ダンパ8、回転カム板95及び可動カム板96に枢軸J1を挿通する。これによって、組み込みを完了する。なお、その後、外側リンク5を側板部31,32間に挿入し、係合軸55を突出部81g,81g間のガイド溝82iに挿入し、側板部31,32、及び外側リンク5に枢軸J2を挿通する。外側リンク5は、内側リンク4の側板部31,32間への挿入前に側板部31,32間に挿入しておいてもよい。その場合には、回転ダンパ8を側板部41,42間に挿入するときに、係合軸55を突出部81g,81g間のガイド溝82iに相対的に挿入する。
また、この実施の形態においては、カム部材91の二つの突出部91c,91dの一端部どうしが互いに連結され、二つの突出部91c、91dが全体として略「U」字状に形成されている。突出部91c,91dの間隔は、捩りコイルばね7の突出部72より若干広くなっており、突出部72は、突出部91c,91d間にコイル部71の周方向へ若干の距離だけ移動可能になっている。勿論、突出部72は、突出部91c,91d間にコイル部71の周方向へ移動不能に挿入してもよい。
さらに、この実施の形態においては、可動カム板96が係合軸34に代えてスペーサ92によって回り止めされている。そのために可動カム板96の外周面には、係合凹部96bが形成されている。この係合凹部96bの底面は、支持軸J3の軸線を中心とする円弧面によって構成されている。一方、スペーサ92の外周面は、支持軸J3の軸線を中心とする円弧面であり、その曲率半径は係合凹部96bを構成する円弧面の曲率半径と同一に設定されている。そして、スペーサ92の外周面の一部が係合凹部96bに挿入されている。これにより、可動カム板96の回転が阻止されている。しかも、スペーサ92は、可動カム板96によって回転が阻止されることがない。
図39〜図47は、この発明の第4実施の形態を示す。この実施の形態は、ヒンジ本体3に対し内側リンク4を容易に取り付けることができるように改良したものである。すなわち、内側リンク4及び外側リンク5をヒンジ本体3に取り付ける場合には、図44及び図45に示すように、それらの取付前に捩りコイルばね7がヒンジ本体3に支持軸J3を介して取り付けられ、捩りコイルばね7の突出部72,73にはカム部材91及びスペーサ92がそれぞれ取り付けられる。
捩りコイルばね7の突出部73は、図45及び図47に示すように、ヒンジ本体3の連結板部33にスペーサ92を介して押し付けられる。この状態では、捩りコイルばね7が外力の作用しない自然状態になっているものとすると、突出部72が、図44及び図46において想像線で示すように、内側リンク4の回転中心たる枢軸J1より後方(図44及び図46において左方)に位置する。その状態でヒンジ本体3に内側リンク4を取り付けてしまうと、捩りコイルばね7は、内側リンク4を回転付勢することができない。そこで、内側リンク4をヒンジ本体3に取り付ける場合には、捩りコイルばね7の突出部72を図44及び図46において反時計方向へ適宜の角度(90°程度)だけ回転させる。そして、その状態を維持しつつ内側リンク4の一端部を所定の位置に位置させ、当該一端部に枢軸J1を挿通する。その後、突出部72を自由に回転できるようにすると、突出部72が内側リンク4にカム部材91を介して突き当たり、捩りコイルばね7が内側リンク4をカム部材91を介して回転付勢する。このように、内側リンク4の取付作業は、コイルばね7の付勢力に抗して突出部72を回転させておかなければならないため、非常に困難な作業である。なお、図47に示すように、捩りコイルばね7の突出部73とヒンジ本体3の連結板部33との間には、外側リンク5の一端部が入り込む隙間があるので、外側リンク5は、ヒンジ本体3に容易に取り付けることができる。
このような問題を解決するために、この実施の形態においては、次の構成が採用されている。すなわち、図39に示すように、カム部材91には、係合突起91eが形成されている。係合突起91eは、ヒンジ本体3の側板部31と対向する面に形成されており、側板部31側に向かって突出させられている。しかも、係合突起91eは、カム部材91の回転中心たる支持軸J3からその径方向へ離間した箇所に配置されている。
一方、ヒンジ本体3の側板部31の内側の面には、凹部31aが形成されている。この凹部31aは、カップ部材6が閉位置と開位置との間に位置しているときに係合突起91eが入り込むように配置されている。しかも、カップ部材6の回転に伴って捩りコイルばね7の突出部72及びカム部材91が回転するとき、係合突起91aが凹部31a内を自由に移動することができるように配置形成されている。
凹部31aの周側面のうちの左側(図41において下側)に位置する端部は、カップ部材6が開位置から閉位置へ向かう方向へ閉位置を所定角度だけ越えた位置まで回転すると、係合突起91eが突き当たるように配置されている。ここで、所定角度とは、内側リンク4をヒンジ本体3に支持軸J3を介して取り付けるときに、内側リンク4の一端部がカム部材91に突き当たることがないように突出部72が位置するときの角度であり、例えば5〜10°程度の角度である。
この実施の形態において、ヒンジ本体3にコイルばね7、カム部材91、スペーサ92、内側リンク4及び外側リンク5を組み込む場合には、捩りコイルばね7の突出部72,73にカム部材91及びスペーサ92をそれぞれ取り付けておく。そして、捩りコイルばね7をヒンジ本体3の側板部31,32間に挿入する。このとき、係合突起91eが側板部31に突き当たらないようにするために、捩りコイルばね7のコイル部71をその軸線方向に若干圧縮させる。その状態で捩りコイルばね7をヒンジ本体3に対して所定の位置に位置させる。その後、捩りコイルばね7のコイル部71に支持軸J1を挿通する。これによって、捩りコイルばね7、カム部材91及びスペーサ92をヒンジ本体3に取り付ける。
次に、カム部材91を支持軸J3を中心として図46の反時計方向へ回転させる。カム部材91を所定角度だけ回転させる、係合突起91eが凹部31aと対向すると、コイル部71が伸張し、係合突起91aが凹部31a内に入り込む。その状態でカム部材91を自由に回転することができる状態にすると、カム部材91が捩りコイルばね7の回転付勢力によって時計方向へ回転させられ、係合突起91eが凹部31aの端部に突き当たる。この状態では、内側リンク4及び外側リンク5の各一端部をヒンジ本体3に取り付けるときに、各一端部が突出部72,73に直接にも間接的にも突き当たることがない。したがって、内側リンク4及び外側リンク5をヒンジ本体3に容易に取り付けることができる。
なお、この実施の形態においては、回転ダンパが用いられていないが、上記各実施の形態と同様に回転ダンパを設けてもよい。
また、この実施の形態においては、軸部62,63に当接部材64が取り付けられている。この当接部材64は、カップ部材6が開位置に回転しときに、外側リンク5の連結板部53に突き当たるようになっている。換言すれば、当接部材64が連結板部53に突き当たることにより、カップ部材6の開位置が定められている。
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において各種の変形例を採用することができる。
例えば、上記の実施の形態においては、カップ部材6がヒンジ本体3に内側及び外側の二つのリンク4,5によって回転可能に連結されているが、周知の他のヒンジ装置のように、カップ部材6とヒンジ本体3との間にさらに他のリンクを用いてもよい。
また、上記の実施の形態においては、内側リンク4を第1リンクとし、外側リンク5を第2リンクとしているが、内側リンク4を第2リンクとし、外側リンク5を第1リンクとしてもよいは等業者ならずとも容易に想到し得るところである。その場合、例えば回転ダンパ8が外側リンク5内に配置され、ロータ82が外側リンク5に回転不能に連結され、ダンパ本体81が内側リンク4の回転に伴って回転するように内側リンク4に連結される。また、突出部73がカム部材91を介して外側リンク5に接触させられる。
さらに、上記の実施の形態においては、回転ダンパとして、ダンパ本体81の収容部81Aの内周面とロータ82の外周面との間に環状の空間83が形成された回転ダンパ8が採用されているが、回転ダンパ8に代えて、例えば特開2006−242253号公報や特表2010−528938号公報に記載されているように、ダンパ本体の収容部の内周面とロータの外周面との間に扇状ないしは略半円状の空間が形成された回転ダンパを用いてもよい。
J3 支持軸
1 ヒンジ装置
3 ヒンジ本体(筐体側取付部材)
4 内側リンク(第1リンク)
5 外側リンク(第2リンク)
6 カップ部材(扉側取付部材)
7 捩りコイルばね
71 コイル部
72 突出部(突出部)
73 突出部(第2突出部)
91 カム部材
91a カム面
91b 筒部
92 スペーサ(被挿通部材)
92b 筒部(第2筒部)

Claims (6)

  1. 筐体側取付部材(3)と、この筐体側取付部材(3)に一端部が回転可能に連結された第1及び第2リンク(4,5)と、この第1及び第2リンク(4,5)の他端部に回転可能に連結された扉側取付部材(6)と、上記第1リンク(4)を回転付勢し、それによって上記扉側取付部材(6)を上記筐体側取付部材(3)に対して回転させる捩りばね(7;7A)とを備え、上記捩りばね(7;7A)の一端部に径方向外側へ突出する突出部(72;75)が設けられ、上記突出部(72,75)が上記第1リンク(4)に突き当たることによって上記第1リンク(4)を回転付勢するヒンジ装置において、
    上記突出部(72;75)には、これと別体に形成されたカム部材(91)が上記捩りばね(7;7A)の軸線を中心として上記突出部(72;75)と一体に回転するように装着され、上記突出部(72;75)が上記第1リンク(4)に上記カム部材(91)を介して突き当たるよう、上記カム部材(91)には上記第1リンク(4)に突き当たるカム面(91a)が形成されていることを特徴とするヒンジ装置。
  2. 上記捩りばね(7;7A)の他端部に径方向外側へ突出する第2突出部(73;76)が形成されており、上記第2突出部(73:76)が上記第2リンク(5)に突き当たることにより、上記第2リンク(5)が上記扉側取付部材(6)を上記第1リンク(4)と同一方向へ回動させるように、上記第2突出部(73;76)が上記第2リンク(5)を回動付勢することを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
  3. 上記捩りばね(7)が金属製の線材からなる捩りコイルばねであり、上記捩りコイルばね(7)が、上記線材を巻回してなるコイル部(71)と、このコイル部の両端部からコイル部の径方向外側へそれぞれ突出する上記突出部(72)及び第2突出部(73)を有し、上記突出部(72)及び第2突出部(73)が上記線材の両端部によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載のヒンジ装置。
  4. 上記筐体側取付部材(3)には、上記捩りコイルばね(7)のコイル部(71)に挿通される支持軸(J3)が設けられ、上記カム部材(91)には、上記支持軸(J3)の一端部が挿通される筒部(91b)が設けられ、この筒部(91b)が上記コイル部(71)の一端部に隙間をもって相対回転可能に嵌合されていることを特徴とする請求項3に記載のヒンジ装置。
  5. 上記捩りコイルばね(7)のコイル部(71)の他端側には、上記支持軸(J3)の他端部が挿通された被挿通部材(92)が設けられ、この被挿通部材(92)には、上記支持軸(J3)の他端部が挿通される第2筒部(92b)が設けられ、この第2筒部(92b)が上記コイル部(71)の他端部に隙間をもって相対回転可能に嵌合されていることを特徴とする請求項4に記載のヒンジ装置。
  6. 上記被挿通部材(92)が、上記コイル部(71)の軸線を中心として上記第2突出部(73)と一体に回転するよう、上記第2突出部(73)に係合されていることを特徴とする請求項5に記載のヒンジ装置。
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