JP4163955B2 - 構造的に異常な形のタウタンパク質およびそれに対する特異抗体 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明はアルツハイマー病および他のタウオパシー(tauopathy)に関連する。アルツハイマー病(AD)は、認識および行動機能の進行性および不可逆的損失を臨床的特徴とする最も一般的な慢性神経変性障害である。該疾患は、10年間以上続き、軽い症状から極めて重症な徴候へと進行し得る。65歳以上の人口の約10%および80歳以上の人口の20%がADに罹患する。西側社会が成長する結果、罹患者の数は増加しつつあり、すでに米国だけで500万人の患者がおり、2000年の終わりまでに世界で痴呆を伴うヒトはおよそ1800万人になるであろう。これらのうち、約2/3の症例、すなわち1200万人がアルツハイマー病であろうと考えられる。アルツハイマー病は、西側世界において心臓疾患、癌、および卒中に続く4番目の重大疾患(killer)である。痴呆を伴うヒトの数は急激に増加しつつある。2025年までに、先進国の痴呆のヒトの数は1980年の2倍になるであろう。罹患者の面倒を見るための社会にかかるコストは莫大である。例えば、ADを診断および管理するための米国社会にかかるコスト(主として養護ケアのため)は現在毎年800億ドルと見積られる。現在、ADに対する症状が起こる前の(presymptomatic)診断検査も治療法も利用可能ではない。したがって、該疾患は主として他の形の痴呆を除外することにより症状出現後に臨床的に診断される。バイエルンの精神科医Alois Alzheimerによって93年前の1907年に観察された、AD脳における古典的な顕著な特徴、老人斑、および神経繊維のもつれ(NFT)の累積が、依然としてADの神経病理学的特徴である。
細胞内の神経繊維構造の共通の特徴(神経繊維のもつれ、神経突起のジストロフィー、および神経網スレッド(thread))は対になったらせんフィラメント(PHF)である。PHTの主要タンパク質サブユニットは、異常に過剰リン酸化した形の微小管関連タンパク質タウである(Grundke-Iqbal et al.、1986; Wischik et al.、1988 a,b)。神経繊維の変化を伴うニューロンは変質し、この変質の程度は、罹患個体の痴呆の程度と直接関連する(Blessed et al.、1968)。
正常タウ(tau)は、主として軸索に分布する微小管関連タンパク質である。タウタンパク質はニューロンおよびおそらくグリア細胞体における微小管(MT)の構築(組み立て)、空間的機構、および挙動の調節に関与する(Drewes et al.、1998; Drubin and Kirschner、1986; Lo-Presti et al.、1995)。タウタンパク質は第17染色体に位置する単一遺伝子によりコードされるが、成人脳の組織抽出物中に多様なアイソフォームとして検出される(Goedert et al.、1989; Himmler A.、1989; Kosik et al.、1989)。タウタンパク質の異種性の一部は、成人脳において6アイソフォームを生じる選択的スプライシングによる。これら別個のアイソフォームは、微小管結合ドメインと呼ばれるタウのカルボキシル末端領域のタンデムリピート(3〜4回反復することができる)の付加または欠失、およびアミノ末端領域の29または58アミノ酸挿入物の存在の有無が異なる。この領域は31または32アミノ酸残基の不完全リピートからなる。ヒトでは、最小のタウアイソフォームは、MT結合ドメイン中に3つのタンデムリピートを有し、アミノ末端挿入物を持たない352アミノ酸残基を含むが、最大のアイソフォームは、4リピートと両アミノ末端挿入物を有する441残基を含む。簡単にするために、本特許出願中のすべての番号付けは、Goedertら(1989)のすべての挿入物を含む最も長いヒトタウタンパク質アイソフォーム、htau40(441アミノ酸長)を参照する。
多くの神経学的疾患、例えば、アルツハイマー病(AD)、進行性核上麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、ピック病(PiD)、および第17染色体に関連したパーキンソニズムを伴う、まとめて前頭側頭型痴呆と呼ばれる一群の関連障害(FTDP-17)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、ボクサー痴呆(DP)、Gerstmann-Straussler-Scheinker病(GSSD)、レビ小体病(Lewy body disease)、およびハンチントン病は、微小管関連タンパク質タウを含む繊維状細胞封入体を有することが知られている(Dickinson et al.、1998; DiFiglia et al.、1997; Forno、1986; Hirano and Zimmerman、1962; Nishimura et al.、1995; Prusiner 1996; Reed et al.、1998; Roberts、1998; Schmidt et al.、1996; Shankar et al.、1989; Spillantini et al.、1998)。これら疾患の封入体の病因論、臨床症状、病理学的所見、および生化学的組成は異なるが、種々の繊維状封入体を形成する正常細胞タンパク質の凝集に関連するメカニズムが類似していることを示唆する新たな証拠がある。繊維構築のための核またはシードの生成を開始する微小管関連タンパク質タウの初期変化が鍵となる特徴であると考えられる。このプロセスは、正常タンパク質の翻訳後修飾、ある遺伝子の突然変異または欠失、および正常タンパク質と結合しその構造(conformation)を変化させる因子により影響を受け得る。タウタンパク質は、非常に親水性である。タウタンパク質は脳組織または培養細胞から容易に抽出することができる。これに対し、アルツハイマー病の脳組織から抽出した繊維状タウは比較的不溶性である。リン酸化に加え、不溶性タウと正常な可溶性タウはグリコシル化、糖化、ユビキチン化、およびラセミ化を含む翻訳後修飾の程度が異なる(Kenessey et al.、1995; Ko et al.、1999; Mori et al.、1987; Wang et al.、1996; Yan et al.、1994)。
タウタンパク質が修飾されADにおける繊維形成に関与するメカニズムはわかっていない。タウは最も可溶性の既知タンパク質の1つであるため(Cleveland 1977 a、b; Lee et al. 1988)、ADにおけるその凝集は特に謎である。タウのリン酸化は、おそらくリン酸化部位に応じて刺激効果または阻害効果のいずれかをもたらすタウの凝集形成可能性に影響する(Crowther et al.、1994; Schneider et al.、1999)。多くのin vitro試験は、還元剤、ジチオスレイトール(DTT)、不飽和脂肪酸、RNAまたはグリコサミノグリカンの存在下で、正常タウが繊維に変換され得ることを示している(Goedert et al.、1996; Kampers et al.、1996; Perez et al.、1996; Wilson and Binder、1997)。さらに、繊維形成のプロセスは、Cys322の酸化により生じる架橋タウの存在により促進することもできる(Schweers et al.、1995)。種々の繊維構築試験で異なるパラメーターは、タウタンパク質濃度、pHを含み、インキュベーションのイオン強度は生理学的条件下で細胞質中に存在するより何倍も高い。走査透過型電子顕微鏡(STEM)によるin vitro形成タウ繊維の試験は、これら繊維が天然の対になったらせん状繊維と異なることを示した(Ksiezak-Reding、1998)。グリカンまたはRNAの非存在下で、PHF様繊維は非リン酸化またはリン酸化野生型タウ;正常タウを含む試料中には検出されない。化学的に架橋したヘパリン処理タウの試験は、ヘパリン処理がタウタンパク質の構造変化を生じることを示唆する(Paudel and Li、1999)。総合するとin vitroデータは、(a)微小管結合ドメインはタウ繊維の構築に重要であり、(b)タウ繊維の形成がタウの構造変化に必要であることを示唆する。同様に、これら試験は、説明したタウ修飾がいずれも単独ではアルツハイマー病の診療的発現と関連する繊維状タウ形成を誘導することができないことを示す。病気の状態における繊維形成をもたらすタウ変化の開始に重要な因子の同定および説明は、症状が生じる前の診断的マーカーおよびタウオパシーの進行に干渉する治療剤の開発に重要であろう。
したがって、本発明の目的は、アルツハイマー病および他のタウオパシーに早期に治療的に介入するための確実な薬剤標的を提供することである。さらに、この薬剤標的と相互作用し、特異的に検出することができる特異的モノクローナル抗体を提供することが望ましい。この抗体は、該分子の、症状が起こる前の検出のみならず、該分子の阻害および除去にも適するはずであるから、アルツハイマー病および他のタウオパシーの症状が起きる前の診断、治療、および予防に適している。
これら目的には、ある局面において、正常タウと構造的に異なる異常な形のタウタンパク質に特異的であり、正常タウタンパク質に非特異的な(non-specific)抗体に関する本発明で対応する。そのような異常型のタウタンパク質は、正常タウと構造的に異なる、ニューロン内および該に位置する可溶性および不溶性の、好ましくは異常なトランケートされた型のタウタンパク質を表す(Novak et al.、1991、1993)。本発明は、本明細書で「タウオン(tauon)」と呼ばれるこれら構造的に異なる形のタウタンパク質が、アルツハイマー病の臨床的発現に相関関係がある繊維状タウ形成の自己増殖プロセスにおけるシード、核生成中心であり、タウオンがアルツハイマー病の重要な治療的標的であることを示すかもしれない。本発明によればタウオンは、異常なトランケートされたタウタンパク質であってよい。タウオンの生物活性は、本発明の抗体によりin vitroおよびニューロン内部で阻害されうる。これら抗体は、ADの症状が起きる前のI、IIおよびIII期におけるタウオンの存在を染色する能力を有し、これによりこの疾患の症状が起きる前の診断に適したものになる。構造的に異なる形のタウタンパク質(すなわち、「タウオン」)のみがこの抗体により認識されるが、正常タウタンパク質は本発明の抗体と結合しないことが本発明の抗体に重要である。
本発明の過程の中で、ADのトランケートされた型の微小管関連タンパク質タウは、均質に精製され、アルツハイマー病のニューロンからの繊維状タウ単離物の主要な部分であることが示された。アミノ酸配列データは、タウオンの基本構造(backbone)はタンパク質タウと区別できないが、タウオンは本発明の構造特異的モノクローナル抗体により証明された異なる構造により、正常ヒトタウと免疫学的に区別されるかもしれないことを示した。そのような抗体の具体例には、European Collection of Cell Cultures(ECACC)に寄託したハイブリドーマ細胞株(寄託番号00082216)が産生するモノクローナル抗体DC-11、およびECACCに寄託したハイブリドーマ細胞株DC11/I(寄託番号00082215)が産生するモノクローナル抗体DC-11/Iがある。本発明が提供するこのモノクローナル抗体のファミリーは、タウオン特異的構造を認識し、正常ヒト可溶性タウを認識しないことにより定義される。正常ヒトタウに比べて異なる構造は、アルツハイマー病患者由来のこれまでに試験した試料中のタウ分子のN末端もしくはC末端、または両末端の異常なトランケーションの病因的(pathological)結果であると考えられた。興味深いことに、異なる構造はタウのアイソフォームやリン酸化レベルに関係がなかった。タウオンが典型的構造を達成するのに病因的に必要不可欠なものは、プロリンリッチおよび微小管結合ドメイン、およびトランケートされた隣接領域の存在である。さらに、タウオンは、その病因的活性により正常ヒトタウと区別されるかも知れない。すなわち、タウオンはタウ凝集を開始するシード、核生成中心を意味し、タウオンは正常タウおよびチューブリンから構築された微小管を分解する。本発明の抗体、特にDC-11ファミリーのモノクローナル抗体とプレインキュベーションしたタウオンは、正常タウおよびチューブリンから構築された微小管の分解能を示さなかった。さらに、タウオンを、分化したヒトニューロンにマイクロインジェクションすると、微小管結合タウ分画からの内因性タウの有意な置換、神経突起の収縮および該細胞の変性が生じる。タウオンを本発明のモノクローナル抗体と一緒にマイクロインジェクションすると、分化したニューロンに神経変性変化は観察されなかった。このことは、本発明の抗体、特にDC-11モノクローナル抗体がニューロン内でタウオン活性を阻害することにより細胞内薬として(例えば、治療的細胞内抗体、イントラボディ(intrabody)として)用いることができるかもしれないことを示す。免疫組織学的に(本発明の抗体を用いてみられるように)、タウオンは、症状が起きる前のI、IIおよびIII期にADのtransenthorinal(トランスエントリナル)およびenthorinal(エントリナル)領域のプレ-α-ニューロン中にすでに生じているので、トレーサーの適切なカップリング後、本発明抗体はADの症状が起きる前の生体内診断に用いることができるかもしれない。
好ましくは、本発明抗体は、抗体DC-11に比べて構造的に異なる形のタウ(「タウオン」)と少なくとも50%、好ましくは少なくとも90%の特異性を示す。特異性は、抗体の特異性を検出するのに利用可能なあらゆる標準的試験、例えばELISA試験、ラジオイムノアッセイ、カンチレバー(cantilever)が結合した結合パートナーを用いる原子間力顕微鏡などにより試験することができよう。
一般的に、構造的に異なるタウタンパク質、特にその異常にトランケートされた形と特異的に反応するが、正常な可溶性タウとは反応しないすべての抗体も本発明の範囲内に含まれる。
好ましくは、本発明抗体は、分子と結合して抗体と分子がカップリングすることができるとき、分子と「特異的な反応性がある」という。用語「エピトープ」は、抗体により認識され、それと結合することができる抗原の該部分をいう。抗原は1またはそれ以上のエピトープを有してよい。「抗原」は、該抗原のエピトープと結合することができる抗体を産生するように動物を誘導することができる。上記の特異的反応は、抗原が高い選択性でその対応する抗体と免疫反応するが、他の抗原により誘導される他の多くの抗体とは免疫反応しないことを示すことを意味する。
特に好ましい本発明の抗体は、寄託したハイブリドーマ細胞株DC-11(ECACC寄託番号00082216)およびDC-11/I(ECACC寄託番号00082215)から誘導され、高い特異性と選択性を有し、構造的に異なる形のタウ(「タウオン」)と反応し、正常な可溶性タウと反応しないであろう。特異性は、抗体の特異性を検出するのに利用可能なあらゆる標準的試験、例えばELISA試験、ラジオイムノアッセイなどにより試験することができよう。
本明細書で用いている「抗体」は、例えば、pIIIまたはpVIIIの繊維状ファージの表面、または他の表面タンパク質、または細菌の表面に発現するかまたは遊離の、抗原と結合することができる完全分子およびその断片、ならびにその合成および生物学的誘導体、例えばFab、F(ab')2、およびFv断片などを含むことを意味する。Fab、F(ab')2、およびFv断片は、完全抗体のFc断片を欠き、循環からより急速に除去され、抗体の組織への非特異結合が少ないかも知れない。さらに、Fv抗体(しばしば、ミニボディ(minibody)と呼ばれる)は、そのC末端に特異的なトレーサーを保持する様に容易に操作することができ、本発明の抗体により認識されるADのI、IIおよびIII期は知性の低下と関連しないためADの症状が起きる前の早期の生体内診断に用いることができる。
本発明の範囲内ではモノクローナル抗体またはモノクローナル抗体断片が好ましい。したがって、本発明の別の局面は本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株にも関する。
本出願で用いている用語「タウ」は、M. Goedert et al.、1989に記載のすべての選択的にスプライスされた挿入物を含むヒト微小管関連タンパク質タウの最長のアイソフォームを表す。
本発明の別の局面によれば、本発明は、本発明の抗体により特異的に認識可能な、構造的に異なる形のタウタンパク質である異常にトランケートされた形のタウタンパク質に関する。
したがって、本発明は、正常なタウと構造的に異なる「タウオン」と呼ばれる、ニューロン内およびニューロン外に位置する可溶性および不溶性の異常にトランケートされた形のタウタンパク質である新規分子ファミリーに関する。
したがって、「タウオン」は、本発明の抗体により特異的に認識される構造的に異なる形のタウタンパク質である。本発明において有用なタウオンは、配列番号1の配列を含み、さらにアミノ酸が隣接してよい(配列番号2、3参照)。タウオンは、好都合には約100〜400アミノ酸の範囲であり、この範囲でトランケートされた型のタウタンパク質を表す。本発明のタウオンは、NまたはC末端、または両末端が異常にトランケートされていてよい。(図2-13参照)。本明細書で用いている用語「異常にトランケートされた」は、本発明のタウオン特異的モノクローナル抗体を用いてADの罹患ニューロン中に同定されたタウペプチド(「タウオン」)を表す。
異常にトランケートされた形のヒトタウタンパク質-タウオン-は、あらゆる多くのよく知られた合成的組換え技術を用いて製造することができる。簡単には、細胞を形質転換し、ベクターを構築し、メッセンジャーRNAを抽出し、cDNAライブラリーを調製することなどに用いるほとんどの技術は当該分野で広く実施されており、ほとんどの当業者は特定の条件と方法を記載する標準的情報資料をよく知っている。しかしながら、便利なように、以下のパラグラフにガイドラインとして示す。
組換えタンパク質を製造するのに最も一般的に用いられる原核生物系は依然としてE.coliであるが、他の微生物株、例えばBacillus(バチルス)、例えばBacillus subtilis、Pseudomonas(シュードモナス)の種々の種、または他の細菌株を用いてもよい。そのような原核生物系では、宿主と適合する種由来の複製部位および制御配列を含むプラスミドベクターを用いる。一般的に用いる原核性制御配列には、リボソーム結合部位配列と共に、所望によりオペレーター配列を含む転写開始のためのプロモーターが含まれる。
種々の真核性宿主は、組換え異種タンパク質を製造するのに現在も利用可能である。細菌同様に、真核性宿主を所望のタンパク質を直接産生する発現系で形質転換してよいが、より一般的には、該タンパク質を分泌させるためにシグナル配列を用意する。真核生物系は、高等生物のタンパク質をコードするゲノム配列に生じるイントロンをプロセシングすることができるというさらなる利点がある。真核生物系は、例えばあるアミノ酸残基のグリコシル化、酸化、または誘導体化、構造制御などを生じる種々のプロセシングメカニズムも提供する。
一般的に用いる真核生物系には、酵母、昆虫細胞、哺乳類細胞、鳥類細胞、および高等植物細胞が含まれる。このリストは網羅的ではない。これら各宿主タイプに用いるのに互換性および機能性(operable)であり、また、終止配列およびエンハンサーである(例えばバクロウイルス・ポリへドロン・プロモーターとして)適切なプロモーターが利用可能である。上記のように、プロモーターは構成性または誘導性であり得る。例えば哺乳類系では、MTIIプロモーターを重金属イオンを付加することにより誘導することができる。
所望の宿主に適した発現系を構築するための詳細は、当業者に知られている。該タンパク質を組換えにより製造するには、それをコードするDNAを最適な発現系に適切に連結し、次いで該系を互換性の宿主細胞に形質転換し、次いでこれを培養し、異種遺伝子の発現が生じる条件下で維持する。このようにして製造した本発明のタウオンを、細胞溶解により培養から、または当業者に知られた適切な培養液から回収する。
プラスミドを構築するための正しい連結(ライゲーション)は、適切な宿主を連結混合物で最初に形質転換することにより確認することができる。成功した形質転換は、当該分野で理解されているようにプラスミドの構築方法に応じてアンピシリン、テトラサイクリン、または他の抗生物質耐性によるか、または他のマーカーを用いて選択する。
したがって、本発明は特に他のタンパク質、特に正常タウタンパク質を含まない、特にヒトまたは組換え供給源由来のタウオンの製造に関する。そのような調製物は、本発明の抗体を用いるイムノアフィニティ工程を含む方法により得ることができよう。好ましくは、本発明の調製物には、総タンパク質の80%以上のタウオン、特に95%以上のタウオンを含む。
さらに本発明は、本発明の抗体と試料を提供するための適切な容器を含む、アルツハイマー病脳組織の試料または体液試料中の、正常タウと構造的に異なる異常にトランケートされた形のタウタンパク質であるタウオンを検出するためのキットにも関する。タウオンを検出または単離するためのキットで抗体を提供することができる。本発明の抗体の助けにより、タウオンタンパク質をtransenthorinal、enthorinal領域および海馬のアルツハイマー病のニューロンを含む種々の供給源から検出および単離することができよう。このようにして単離したタウオンは、さらに、正常の完全長タウを認識しない、タウオンに対する特異的モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを構築するために例えばマウスに免疫するための免疫原として用いることができよう。この方法は、アルツハイマー病の脳組織のtransenthorinal、enthorinalおよび海馬領域由来のニューロンをタウオンの異常構造を保存する溶液中に放出させ、同定することを含む。
製造および精製後、タウオンを免疫原として用い、1月間隔でマウスに皮下注射する。この動物の脾臓をタウオンに対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの構築に用いる。これらはKoehlerおよびMilsteinが最初に導入したよく確立されたハイブリドーマ技術を用いて製造することができる(M. Koehler and C. Milstein、「Continuous Cultures of Fused Cells Secreting Antibody of Pre-Defined Specificity」、Nature、256、pp. 495-497、1975参照)。十分長期間免疫した後、抗体を産生するリンパ球を動物の脾臓、リンパ節、または末梢血から得る。好ましくは、リンパ球を脾臓から得る。次に、通常ポリエチレングリコール(PEG)のような融合剤の存在下で、脾臓リンパ球をミエローマ細胞株と融合する。多くのあらゆるミエローマ細胞株、例えば、P3-NS1/1-Ag4-1、P3-x63-Ag8.653ミエローマ株を、標準的技術に従って融合パートナーに用いてよい。次に、所望のハイブリドーマを含む得られた細胞を、融合していない親ミエローマまたはリンパ球細胞が最終的に死滅するHAT培地のような選択培地中で増殖させる。ハイブリドーマ細胞のみが限定条件下で生存し、成長し単離したクローンを得ることができる。例えば、免疫に用いた抗原を用いるイムノアッセイ技術により、ハイブリドーマ上清に所望の特異性を有する抗体が存在するかスクリーニングする。次に、陽性クローンを限界希釈条件下または軟寒天上でサブクローンし、産生されたモノクローナル抗体を単離することができる。該方法により製造したハイブリドーマは当該分野で知られた技術を用いてin vitroまたはin vivo(腹水中)で増殖させることができる。モノクローナル抗体を精製するのに一般的に用いる方法には、硫安沈殿、イオン交換、クロマトグラフィ、およびアフィニティクロマトグラフィが含まれる(例えば、H. Zola et al.、「Techniques for the Production and Characterization of Monoclonal Antibodies」、in Monoclonal Hybridoma Antibodies: Techniques and Applications、J. G. R. Hurell(ed.)、pp. 51-52(CRC Press 1982)参照)。
好ましくは、本発明のキットはさらに該構造的に異なるタウタンパク質と該抗体の結合を検出する手段を含む。二次抗体、特に標識される二次抗体が特に好ましい。また、本発明の範囲内において、磁気ビーズ技術および抗体を用いる他のタンパク質同定方法を用いることができよう。該方法は、ヒト由来の被検試料中の、異常にトランケートされたタウタンパク質であるタウオンを同定することが含まれる。本明細書で用いている「被検試料」は、タウオンを含む疑われるヒト由来の生物試料をいう。被検試料は、異常にトランケートされたタウタンパク質を有する脳組織、例えば海馬組織または前頭皮質組織を含むか、または脳脊髄液(CSF)を含み得る。好ましい態様において、被検試料はCSFを含み、同定されるタンパク質はCSF-タウオンである。好都合には、異常にトランケートされたタウタンパク質-タウオン-の同定には、被検試料中の、該配列(配列番号1)を含み、該タウオンが約100〜400アミノ酸長の範囲であり、正常な可溶性タンパク質タウと異なるタウオン特異的構造を特徴とするようにアミノ酸と隣接している異常にトランケートされたタウタンパク質-タウオン-と特異的に反応することができる抗体と結合することができる抗原、ならびに該配列(配列番号1)を含み、該タウオンが約100〜400アミノ酸長の範囲であり、正常な可溶性タンパク質タウと異なるタウオン特異的構造を特徴とするようにアミノ酸と隣接している異常にトランケートされたタウタンパク質-タウオン-と特異的に反応することができる抗体を同定することが含まれる。タウオンの存在はAD患者または他のタウオパシー罹患者におけるタウオンの蓄積に関連した疾患を示唆する。
本発明のさらなる局面は、患者の体液と本発明の抗体を混合し、該抗体と構造的に異なるタウタンパク質(タウオン)の結合事象の存在を検出し、所望により該抗体と結合している構造的に異なるタウタンパク質の量を測定することを含む、患者の体液中の正常なタウと構造的に異なる異常にトランケートされた形のタウタンパク質の検出方法に関する。タウオンの存在は、ADおよび他のタウオパシーを含むヒトへのタウオンの蓄積に関連する疾患を示唆する。患者の体液はタウオンを含むと疑われるヒトのあらゆる生物学的被検試料であってよい。この体液は、脳組織、例えば海馬組織や前頭もしくは皮質組織、または脳脊髄液(CSF)が含まれ得る。好ましい態様において、体液はCSFを含み、同定されたタンパク質はCSF-タウオンである。
このタウオンの同定は、好都合には生化学的もしくは細胞化学的方法、またはイムノアッセイ制作者の多くのマニュアルに記載の当該分野で理解されている酵素免疫測定法により達成することができる。生化学的手段を用いるときは、罹患タウタンパク質を含む組織を0.01〜10g、特に0.5〜1g用い、ゲルに流し、ウエスタンブロットにより同定するのが好ましい。そのような技術は、本発明の抗体と反応性を示さないことがわかっている年齢一致コントロール(age matched control)がなくても適切であると考えられる。細胞化学的手段の染色は正常組織との反応性を示さなかった。
AD患者および非AD神経学的疾患患者および正常対象由来のCSFをELISAで調査し、タウオンレベルを定量した。CSFタウオンレベルは、非AD神経学的疾患患者およびコントロールと比べてAD患者で有意に増加した。ADにおいて、発症年齢、アポリポタンパク質E遺伝子型および臨床病期にかかわらず有意な増加がみられた。AD CSFタンパク質のウエスタンブロットは、異常にトランケートされたタウタンパク質に一致したみかけの分子量が50〜15kDの数本の免疫反応性バンドを示した。これらの結果は、CSF-タウオンが、罹患タウの進行性の蓄積がADの進行によって生じることを反映していることを示唆する。
さらなる局面によれば、本発明の抗体は、アルツハイマー病患者を治療するための薬剤を製造するのに用いることができよう。該抗体は、バイオテクノロジーにより、それらをタウオンを発現する神経芽細胞腫細胞に送達することができるターゲッティング配列を備えた一本鎖分子に修飾することができよう。本AD細胞モデルの内部で、抗体はタウオンと結合し、その病因的作用(正常タウの隔離(sequestration))と干渉し、異常にトランケートされた形のタウタンパク質の分解を増加させる。異常にトランケートされたタウタンパク質を用いたin vitroアッセイ(タウタンパク質の隔離、繊維の組み立て、微小管の分解)およびそのアルツハイマー病の重症度との相関は、それらが重要な薬剤の目的物であることを示す。
本発明を以下の実施例と図によってより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
実施例1
タウオン特異的なDC11ファミリーのモノクローナル抗体の製造
免疫用抗原としての可溶性および不溶性タウオンの製造(図1)
ヒトAD脳からタウオンを単離するため、新しいアプローチをKopke et al.(1993)、およびGreenbergおよびDavies(1990)に記載の方法に一部基づいて開発した。死後遅延(PMD)が短いADのBraakのI-III期に特徴的な変化を示すヒト脳を選んだ。enthorinalおよびtransenthorinal領域、扁桃および海馬領域を含む側頭葉のブロックを選んだ。該組織を解剖し、速やかに最小必須培地(Gibco)に浸漬した。組織を細かくきざみ、150μmメッシュのワイヤースクリーンに通した。この段階で、脳試料を2つの部分標本:試料Aと試料Bに分けた。
試料Aをさらに20mM TRIS(トリス)、pH8、0.32Mショ糖、10mM β-メルカプト-エタノール、5mM EGTA、1mM EDTA、5mM MgSO4、5mMベンズアミジン、10mMグリセロールホスフェート、6mMフェニルメチルスルホニルクロリド、50mM塩化ナトリウム、5μg/mlロイペプチン、1.5μg/mlペプスタチンおよび2μg/mlアプロチニン中で処理し、4℃、25000xgで35分間遠心して、細胞デブリスを除去した。次に、上清を200000xgで40分間遠心してペレットにした。得られたペレットを室温で70分間8M尿素で抽出し、室温、300000xgで45分間遠心した。上清を10mM TRIS pH7.6で頻繁に交換しながら24時間透析し、次いで100mM MES、0.5mM MgCl2、1mM EDTA、2mM EGTA、1mMジチオスレイトール、0.75mM NaCl、0.1mMフェニルメチルスルホニルクロリド、および50mM NaF、pH2.7で24時間透析した。沈殿したタンパク質を200000xgで40分間遠心して除去した。200000xg上清を25mM MES、pH6.4、0.5mM MgCl2、0.1mM EDTA、および1mMジチオスレイトールで透析し、次いで同じ緩衝液で平衡化したセルロースホスフェートカラムで分画した。カラムに2mg/mlのタンパク質をロードし、平衡化緩衝液中のNaCl(0-1M)の直線勾配20mlで溶出した。0.1-0.8M NaClで溶出した該タンパク質をウエスタンブロッティングで評価し、急速真空装置で濃縮した。
試料Bをガラスホモゲナイザー中の10容量の冷緩衝液(10mM TRIS、1mM EGTA、0.8M NaCl、10%ショ糖、pH7.4)に入れた。4℃、27000xgで30分間遠心後、上清を保存し、ペレットを緩衝液でホモゲナイズし、次いで27000xgで30分間遠心した。両27000xg遠心上清を混合し、1%(wt/vol) N-ラウロイルサルコシンおよび1%(vol/vol)β-メルカプトエタノールに調整し、振盪させながら37℃で3時間インキュベーションした。35000rpmで30分間遠心後、ペレットを1%メルカプトエタノール添加したホモゲナイズ用緩衝液5ml中でホモゲナイズし、0.45μmフィルターで濾過した。濾液を35000rpmで1時間遠心した。ペレットを50mM Tris、pH6.8に再懸濁し、2.5%ギ酸で2分間抽出し、次いで10000xgで10分間遠心して不溶性物質のペレットとした。上清を4℃で10mM Tris、pH7.4で一夜透析し、先のごとく遠心した。得られた上清(分画II)を急速真空装置で濃縮し、SDS-PAGE、次いでウエスタンブロッティングで評価した。不溶性タウオン(分画III)を含む2.5%ギ酸で抽出後、試料Bから得たペレットを残し、免疫およびドットアッセイに用いた。分画から得たタウオン(I、IIおよびIII)をプールし、マウスの免疫用抗原として用いた(図1参照)。
DC-11モノクローナル抗体のファミリーを産生するハイブリドーマの製造
6週齢のBalb/cマウスを3群(A、B、C)に分けた。最初の2群(A、B)をFreundの完全アジュバント(Sigma)中の抗原50μgでプライムし、Freundの不完全アジュバント中の同じ抗原(Ag)50μgで3週間間隔で5回ブーストした。A群では、すべての用量をフットパッドに注射し、B群ではAgの用量を皮下投与した。第3群のマウスはPBSを用いて脾臓内に直接1用量のみ注射し(脾臓内免疫)、該プライミングの1週間後、脾臓を融合に用いた。融合の3日前に、AおよびB群のマウスをPBS中の免疫原50μgで静脈内注射した。免疫したマウスから得た脾臓細胞を、Kontsekova et al.、1988の方法に従ってNS/0ミエローマ細胞と融合させた。 108個の脾臓細胞を2x107個のNS/0ミエローマ細胞(比5:1)と混合し、10%ジメチルスルホキシドを添加した無血清Dulbecco変法Eagle培地(DMEM)中の50%PEG 1550(Serva)1ml中で1分間融合させた。融合細胞を20%ウマ血清、L-グルタミン(2mM)、ヒポキサンチン(0.1mM)、アミノプテリン(0.004mM)、チミジン(0.016mM)、およびゲンタシン(40U/ml)を含むDMEMに96ウェルプレートに脾臓細胞を2.5x105個/ウェルの濃度で再懸濁した。細胞を37℃で10日間インキュベーションし、増殖したハイブリドーマの抗タウオン特異的モノクローナル抗体の産生をELISAおよび免疫組織化学によりスクリーニングした。
ELISAによる抗タウオン抗体のスクリーニング
ELISAを用いて、ハイブリドーマ培養上清中の、タウオンに対するモノクローナル抗体を検出した。固相には上記のごとく製造(下記の修飾あり)したタウオンを用いた。急速真空濃縮した分画からのタウのプールをポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離し、トランケートされた形のタウタンパク質を、Donofrio et al.、(1986)の方法に従って電気溶出して回収し、SDS-PAGEにより評価した。マイクロタイタープレートを4℃でPBS中の異常にトランケートされたタウタンパク質(10μg/ml、50μl/ウェル)で一夜コートした。非特異結合を減らすため1%無脂肪乾燥ミルクでブロックした後、プレートをPBS-0.05% Tween20で洗浄し、培養上清50μl/ウェルと37℃で1時間インキュベーションした。結合したモノクローナル抗体をホースラディッシュパーオキシダーゼ結合ヒツジ抗マウスIg(DAKO)を用いて検出した。o-フェニレンジアミン溶液をパーオキシダーゼ基質に用いて反応を発現させ、50μl 2M H2SO4で反応を止めた。マルチスキャンMCC/340 ELISAリーダー(Labsystems)を用いて492nmの吸光度を測定した。陰性コントロールの少なくとも二倍の読み取り値を陽性とみなした。
陽性培養をさらにKontsekova et al、1991の方法に従って軟寒天中でサブクローンした。単離したサブクローンの特異的抗タウオンモノクローナル抗体の産生を再スクリーニングした。
抗タウオン抗体の免疫組織化学的スクリーニング
正常タウでは陰性で抗タウオンELISAで陽性と同定されたモノクローナル抗体の以下の特異性をAD脳組織を用いて再スクリーニングした。
死体解剖で取り出したAD患者の脳を1cm間隔で体長軸を通るプレートに切断し、-20℃で保存した。海馬、enthorinal、側頭、前頭、後頭、および頭頂皮質のブロックを4%緩衝パラホルムアルデヒドで4℃にて4日間以上固定した。一連の前頭部切片(50μm)をビブラトームで切り出し、4℃でPBS(pH7.0)に保存した。自由に浮遊させたビブラトーム切片を98%冷ギ酸で2-3分間前処理し、PBS/TritonX100中の免疫前血清とインキュベーションした。用いた血清は二次抗体と同じ動物種由来であった。切片のインキュベーションは(前記のごとく)ELISA陽性のモノクローナル抗体と37℃で60分間行った。
二次ビオチン化抗体(Vectastain Eliteキット、Vector)とのインキュベーションは室温で1時間行った。免疫反応物を、アビジン-ビオチン-パーオキシダーゼ複合体(Vectastain Eliteキット、Vector)、および100μl H2O2含有0.1M酢酸緩衝液(pH6)10ml中の、6mg 3-3-ジアミノベンジジン-4HCl(SIGMA)、250mg NiCl2(MERCK)を用いて可視化した。切片をPBS/Tritonで洗浄して反応を止めた(Kiss et al.、1988; Cuello et al.、1993、Thorpe and Kerr、1994)。
実施例2
DC-11モノクローナル抗体のファミリーを用いる異常にトランケートされたタウタンパク質(タウオン)の定量的測定
タウオンを上記のごとく単離した。モノクローナル抗体DC30(正常および病的タウの両方を認識する)とDC-11モノクローナル抗体のファミリー(異常にトランケートされたタウに特異的)の組み合わせは、AD脳から調製した被検試料中のタウオンの定量を可能にする。プロテインAカラムクロマトグラフィにより無血清培地から抗体を精製した。高結合マイクロタイタープレート(Nunc)のウェルを、4℃で、PBS中の濃度10μg/ml(50μl/ウェル)のDC-11モノクローナル抗体混合物で一夜コートした。ウェルの非特異結合をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の1%無脂肪乾燥ミルク200μlを加え、室温で60分間飽和させた。プレートをPBS-0.05% Tween20(v/v)で3回洗浄した。PBS中に100-1000pg/mlの範囲の濃度の組換えタウオンを含む連続希釈標準物、および50μlの量のAD-タウオンを含む被検試料を加えた。37℃で60分間インキュベーションした後、プレートを洗浄し、PBSで1/5000に希釈したホースラディッシュパーオキシダーゼ結合抗体DC-30を37℃60分間加えた(50μl/ウェル)。最終洗浄後、50μlのオルソフェニレンジアミン溶液および0.003% H2O2を加え、プレートを遮光して20分間インキュベーションした。50μlの2M H2SO4で反応を止めた。ELISAリーダーのマルチスキャンMC344(Labsystems、Finland)を用いて492nmの吸光度を読み取った。
組換えタウオンの標準曲線を得られた値から作製し、被検試料中のタウオンの対応する濃度を標準曲線から求めた。
実施例3
モノクローナル抗体DC-11を用いるウエスタンブロッティングによるタウオンの検出
精製組換え完全長ヒトタウおよび異常にトランケートされたタウタンパク質-タウオンを5-20%勾配SDS-ポリアクリルアミドゲルにロードし、Laemmli(1970)に従って変性条件下で泳動した。SDS-PAGE後、ポリビニルジフルオリド膜(Milipore)へのトランスファーを、冷却しながら350mAで1時間、10mM CAPS緩衝液(pH12)を用いて行った。ブロッティング後、膜をPBSで洗浄し、室温で1時間、PBS中の1%乾燥無脂肪ミルクでブロックした。トランスファーしたタンパク質を4℃で一夜、モノクローナル抗体DC-11とインキュベーションした。PBS-0.05% Tween 20(v/v)で洗浄した後、ホースラディッシュパーオキシダーゼ標識抗マウス免疫グロブリンを1/1000希釈で用い、室温で1時間インキュベーションした。次に、膜をPBS-Tween20で4回洗浄し、基質溶液(12mg 4-クロロ-1-ナフトール、4ml メタノール、16ml PB、0.03%v/v H2O2)で発現させ、H2Oで反応を止めた。結果は、抗体DC-11は異常にトランケートされたタウ-タウオンのみを認識するのに対し、モノクローナル抗体DC-30は、翻訳後修飾の状態に関わらず、多くの種(ヒト、サル、乳牛、ブタ、ラット、マウス)のすべての既知タウアイソフォームを広く認識する汎タウ抗体であることを示唆した。
実施例4
タウオンの免疫組織化学的同定
モノクローナル抗体DC-11ファミリーは、種々のタイプの免疫組織化学的方法におけるAD脳中のタウオンの可視化に適している。
光学顕微鏡標識
死体解剖で取り出したAD患者の脳を1cm間隔で体長軸を通るプレートに切断し、-20℃で保存した。海馬、enthorinal、側頭、前頭、後頭、および頭頂皮質のブロックを4%緩衝パラホルムアルデヒドで4℃にて4日間以上固定した。一連の前頭部切片(50μm)をビブラトームで切り出し、4℃でPBS(pH7.0)に保存した。自由に浮遊させたビブラトーム切片を98%冷ギ酸で2分間前処理し、PBS/TritonX100中の免疫前血清とインキュベーションした。用いた血清は二次抗体と同じ動物種由来であった。切片のインキュベーションはモノクローナル抗体DC-11と37℃で60分間行った。二次ビオチン化抗体(Vectastain Eliteキット、Vector)とのインキュベーションは室温で1時間行った。免疫反応物を、アビジン-ビオチン-パーオキシダーゼ複合体(Vectastain Eliteキット、Vector)、および100μl H2O2含有0.1M酢酸緩衝液(pH6)10ml中の、6mg 3-3-ジアミノベンジジン-4HCl(SIGMA)、250mg NiCl2(MERCK)を用いて可視化した。切片をPBS/Tritonで洗浄して反応を止めた(Kiss et al.、1988; Cuello et al.、1993、Thorpe and Kerr、1994)。
光学顕微鏡的二重標識
自由に浮遊させたビブラトーム切片を98%冷ギ酸で2-3分間前処理し、PBS/TritonX100中の免疫前血清とインキュベーションした。用いた血清は二次抗体と同じ動物種由来であった。切片をブロッキング溶液(5%ウマ血清、PBS、0.1%Triton)中の1:1000希釈の第一パーオキシダーゼ結合モノクローナル抗体DC-11と37℃で60分間インキュベーションし、PBS(pH7.2)中の0.06% DAB、0.01% H2O2で発現させた。PBS/Tritonで切片を洗浄して反応を止めた。該切片と第二モノクローナル抗体とのインキュベーションは、37℃で60分間行った。ビオチン化抗体(Vectastain Eliteキット、Vector)とのインキュベーションは、室温で1時間行った。反応をアビジン-ビオチン-パーオキシダーゼ複合体(Vectastain Eliteキット、Vector)および0.1 M酢酸緩衝液中の、0.06% 3-3-ジアミノベンジジン-4HCl(SIGMA)、0.01% H2O2、2.5% NiCl2(MERCK)で可視化し、切片を0.1M酢酸緩衝液で洗浄して反応を止めた(Kiss et al.、1988; Cuello、1993)。
ファストクレシルバイオレットによる対比染色
免疫組織化学染色終了後、切片をガラススライドに置き、56℃で60分間恒温槽中に置いた。インキュベーション後、スライドを5分間蒸留水に浸漬し、4℃で5-10分間ファストクレシルバイロレット溶液で染色し、水でリンスし、ほとんどの該クレシルバイオレット染色が除去されるまで96%エタノールに移し、キシレンで透徹し、Entellan(エンテラン)でマウントした。
免疫蛍光染色
自由に浮遊させたビブラトーム切片(30μm)を98%冷ギ酸で2分間前処理し、PBS/TritonX100中の免疫前血清とインキュベーションした。切片を最初の一次モノクローナル抗体DC-11と37℃で60分間インキュベーションし、次いで当該分野で用いられる標準的方法に従って室温でPBS/Tritonで1:500に希釈したFITC結合ヤギ抗マウス二次抗体(Immunotech)で30分間インキュベーションした。PBSで洗浄後、切片を37℃で60分間TRITC結合一次抗体とインキュベーションし、0.1%パラフェニレンジアミン/グリセロール溶液を用いてマウンドした。
実施例5
タウオンによる微小管構築および微小管結合アッセイ
チューブリンの精製
チューブリンを地元の屠殺場から得た新鮮なブタ脳から、微小管重合および解重合の温度依存性サイクル、次いでホスホセルロース(Watman P11ホスホセルロース)イオン交換クロマトグラフィ(Valee、1986)により単離した。
微小管構築アッセイ
精製タウオン(5mM)を、+4℃の構築用緩衝液(100mM PIPES pH6.9、2mM EGTA、1mM MgSO4)中の予め不純物を除去し精製したチューブリン(10mM)およびGTP(1mM)と混合した。このチューブリン濃度は、自発構築に重要な濃度以下である(Black、1987)。試料を予め37℃に加熱した水晶キュベットにピペットで入れた。濁度変化を、サーモスタットで制御した分光光度計(LKB)で分光光度法により測定し、30分間、10秒間間隔でOD350の変化を記録した。
微小管結合アッセイ
タウオンと微小管の結合曲線を先に記載のごとく測定した(Gustke、1992)。精製チューブリンを結合用緩衝液(100mM PIPES pH6.9、1mM EGTA、1mM MgSO4、1mM DTT)中のGTP(1mM)およびタキソール(20μM)の存在下で37℃、10分間インキュベーションした。微小管をそれぞれタウオンまたは正常タウタンパク質と他のMAPとの結合に干渉しないタキソールで安定化し(Valee、1986; Wallis、1993)、微小管構築の効果を排除した。タウオンをそれぞれ濃度2.5mM、5mM、7.5mM、10mM、15mM、20mMで加えた。37℃、43000xgで35分間遠心後、ペレットをP緩衝液(50mM PIPES pH6.9、1mM EGTA、0.2mM MgCl2、5mM DTT、500mM NaCl)に再懸濁した。上清およびペレットをSDS-PAGEゲルにて分析し(Laemmli、1970)、銀染色した(Bloom、1987)。ゲルをHPScanJet(Hewlett-Packard)スキャナーでスキャンし、公開されたドメインNIH Imageプログラム(U. S. National Institutes of Healthが開発、インターネットhttp://rsb. info. nih. gov/nih-image/で利用可能)を用いてMacintoshコンピューターで分析した。バンド強度を較正曲線と内部標準の方法を用いて濃度に変換した。
実施例6
組換えタウオンの調製
組換えトランケート型タウタンパク質を技術マニュアルに従って「Erase a Base System」(Promega)を用いて調製した。該システムは、5'オーバーハングから出発する挿入DNAのエクソヌクレアーゼIII特異的消化に基づく。消化速度は一定温度で同様であった。タウ遺伝子を、NdeI-EcoRI制限部位を介してpET17bベクターにクローンし、pET/T40を得た。遺伝子のC末端に、KpnI制限部位、およびKpnI部位の下流の3つすべてのリーディングフレームに3つの終止コドンを加えた。EcoRI酵素はexoIIIの基質である5'末端のオーバーハングを残す。KpnIはexoIII消化に抵抗性の3'末端オーバハングを残す。EcoRIで二重消化したpET/T40ベクター1μg、KpnI/NEB、およびエタノール沈殿物を20μl 1xExoIII緩衝剤で希釈し、37℃/dig.速度450塩基/分で80uのexoIIIで消化した。2.5μl試料を30秒間隔でExoIIIを添加した後、氷上で1試料につき、7.5μlのSl-ヌクレアーゼ混合物/1.5u S1-ヌクレアーゼ中に移した。回収試料を室温で30分間インキュベーションし、残っている一本鎖尾部を除去した。クレノーDNAポリメラーゼを用いて平滑末端を作製した。DH5alfaコンピテント細胞を試料のライゲーション混合物で直接形質転換した。サブクローンをPstI-XhoI制限でスクリーニングし、適切な構築物をpETベクター中のT7プライマーを用いてシーケンスした。
組換えタウオンの発現、精製、および定量
タウオンをE. coli BL21(DE3)を用いて発現した(Studier、1986)。単一細菌クローンを500mlのLB AMP(LB培地、100μg/mlアンピシリン)に接種した。細菌培養をOD600が0.6-0.8に達するまで37℃でロータリー振盪器を用いて増殖させ、次いでIPTG(0.4mM、最終濃度)を加えて誘導した。3時間後、細菌細胞を4℃、5000gで15分間遠心してペレットとし(Sigma 6K15、ローター12500)、細胞ペレットを液体窒素で急速凍結し、さらに用いるまで-70℃で保存した。細胞溶解物を調製するため、細胞ペレットを緩衝液A(20mM PIPES pH6.9、50mM NaCl、1mM EGTA、1mM MgSO4、2mM DTT、0.1mM PMSF)に再懸濁し、細胞を氷上で6分間超音波処理して崩壊させ、+2℃、45000rpmで15分間遠心して細胞デブリスを除去した(ローターTLA-120.2、Beckmann Optima TLX)。上清を0.22μmフィルター(Millipore)で濾過し、タウオンをホスホセルロース(セルロースホスフェートWhatman P11)カラムを用いるイオン交換クロマトグラフィにより速やかに精製した。試料をロードした後、カラムを10ベッド容量の緩衝液Aで洗浄した。タウオンを緩衝液A中のNaCl(50mM-0.5M)の直線勾配20mlで溶出した。1mlの分画を回収し、タンパク質を含むものをSDS-PAGEで確認した。タウオンを含む分画をプールし、PBSで4℃、3x60分間透析した。透析物の部分標本を真空乾燥し(SpeedVac)、-20℃で保存した。組換えタウオンを、連続希釈ウシ血清アルブミン(BSA)を質量標準マーカーにしてPAGEにより定量した。ゲルをクーマシーブルーで染色し、乾燥し、BSAおよびタウバンドの強度をScion Image(Beta 3b、Scion Corp.)を用いて計算した。BSAの較正曲線を構築し、タウオンの定量に用いた。
実施例7
ヒトAD脳からのタウオンの単離
ヒトAD脳からタウオンを単離するため、Kopkeら(1993)、およびGreenbergおよびDavies(1990)に記載の方法に一部基づく新しいアプローチを開発した。死後遅延(PMD)の短いADのBraakのI-III期に特徴的な変化を示すヒト脳を選んだ。enthorinalおよびtransenthorinal領域、扁桃、および海馬領域を含む側頭葉のブロックを選んだ。組織を解剖し、最小必須培地(Gibco)に速やかに浸漬した。組織を細切し、150μmメッシュのワイヤースクリーンに強引に通した。この段階で脳試料を2つの部分標本(試料Aおよび試料B)に分けた。
試料Aをさらに20mM TRIS(トリス)、pH8、0.32Mショ糖、10mM β-メルカプト-エタノール、5mM EGTA、1mM EDTA、5mM MgSO4、5mMベンズアミジン、10mMグリセロールホスフェート、6mMフェニルメチルスルホニルクロリド、50mM塩化ナトリウム、5μg/mlロイペプチン、1.5μg/mlペプスタチンおよび2μg/mlアプロチニン中で処理し、4℃、25000xgで35分間遠心して、細胞デブリスを除去した。次に、上清を200000xgで40分間遠心してペレットにした。得られたペレットを室温で70分間8M尿素で抽出し、室温、300000xgで45分間延伸した。上清を10mM TRIS pH7.6で頻繁に交換しながら24時間透析し、次いで100mM MES、0.5mM MgCl2、1mM EDTA、2mM EGTA、1mMジチオスレイトール、0.75mM NaCl、0.1mMフェニルメチルスルホニルクロリド、および50mM NaF、pH2.7で24時間透析した。沈殿したタンパク質を200000xgで40分間遠心して除去した。200000xg上清を25mM MES、pH6.4、0.5mM MgCl2、0.1mM EDTA、および1mMジチオスレイトールで透析し、次いで同じ緩衝液で平衡化したセルロースホスフェートカラムで分画した。カラムに2mg/mlのタンパク質をロードし、平衡化緩衝液中のNaCl(0-1M)の直線勾配で溶出した。0.1-0.8M NaClで溶出した該タンパク質をウエスタンブロッティングで評価し、急速真空装置で濃縮した。
試料Bをガラスホモゲナイザー中の10容量の冷緩衝液(10mM TRIS、1mM EGTA、0.8M NaCl、10%ショ糖、pH7.4)に入れた。4℃、27000xgで30分間遠心後、上清を保存し、ペレットを緩衝液でホモゲナイズし、次いで27000xgで30分間遠心した。両27000xg遠心上清を混合し、1%(wt/vol)N-ラウロイルサルコシンおよび1%(vol/vol)β-メルカプトエタノールに調整し、振盪器で振盪させながら37℃で3時間インキュベーションした。35000rpmで30分間遠心後、ペレットを1%メルカプトエタノール添加したホモゲナイズ用緩衝液5ml中でホモゲナイズし、0.45μmフィルターで濾過した。濾液を35000rpmで1時間遠心した。ペレットを50mM Tris、pH6.8に再懸濁し、2.5%ギ酸で2分間抽出し、次いで10000xgで10分間遠心して不溶性物質のペレットとした。上清を4℃で10mM Tris、pH7.4で一夜透析し、先のごとく遠心した。得られた上清を急速真空装置で濃縮し、SDS-PAGE、次いでウエスタンブロッティングで評価した。
実施例8
ヒト、ブタ、および乳牛脳組織からの正常タウの精製
Lindwall and Cole.、1984の方法の改良法によりタウを精製した。脳組織を0.1mM MES、0.5mM MgCl2、1mM EGTA、1M NaCl pH6.5中でホモゲナイズし(1mg/ml)、4℃、100000xgで90分間遠心した。上清に2-メルカプトエタノールを0.5%(v/v)加え、100℃で5分間加熱し、4℃、20000xgで30分間遠心した。この第二上清を(NH4)2SO4で45%飽和とし、上記のごとく20000xgで遠心し、得られたペレットをNaClを含まないMES緩衝液に細懸濁した。2.5%(v/v)過塩素酸で沈殿し、さらに20000xgで遠心した後、最終上清を5mM Tris、pH7.4で4℃、一夜透析した。
実施例9
タウオンによる繊維のもつれ中の正常タウの隔離および凝集
増加する量の正常タウ(5-100μg/100μl)を、分画1から単離した固定量のタウオン(10μg/100μl)と混合した。反応を、終量100mlの結合用緩衝液(2mM EGTA、2%ウシ血清アルブミン、0.5mM MgCl2、1μMアプロチニン、および20μMロイペプチン含有100mM MES pH7.6)中で行った。混合物を室温で45分間相互作用させ、次いで結合用緩衝液中の80%ショ糖150μlを重層し、100000xgで1時間遠心した。最上層の150μlを除去し、残りを超音波処理して、ラジオイムノ-ドット-ブロットアッセイによりタウオンと正常タウの相互作用を測定した。ショ糖層中のタウの存在はタウオンによる健康なタウの隔離を示唆する。
実施例10
DC-11モノクローナル抗体のファミリーによるニューロン変性の阻害
神経芽細胞腫(neuronal blastoma)細胞および成長因子をトリプリケートでペトリ皿上にプレートした。第一群はタウオンのみを与え、第二群にはタウオンとDC-11モノクローナル抗体混合物を与えた。
免疫蛍光によるトランスフェクションしたタウオンの検出
細胞に室温で5分間、80mM PIPES、1mM MgCl2、1mM EGTA、pH6.6を含む0.2% TritonX 100を浸透させた。細胞の固定は、氷上で同じ緩衝液中の2%パラホルムアルデヒドを用いて15分間行った。タウオンを間接免疫蛍光アビジンローダミン検出系(Sigma)により検出した。
神経分化の初期阻害の検出
細胞を分化誘導因子を用いて増殖させた。分化レベルを評価した。抗体処理せずにタウオンを与えた細胞では分化能が有意に低下した。しかしながら、タウオンと抗体の混合物で処理した群は無関係なタンパク質で処理したコントロール群に匹敵するレベルで分化した。
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タウオン調製物の概要を示す。 タウオンアミノ酸配列の概略図を示す。 最小タウオンを示す。 C末端がトランケートされたタウオンを示す。 N末端がトランケートされたタウオンを示す。 タウの略図を示す。 ヒトタウ37を示す。 ヒトタウ39を示す。 ヒトタウ40を示す。 ヒトタウ43を示す。 ヒトタウ44を示す。 ヒトタウ46を示す。 ラット大タウを示す。

Claims (13)

  1. 寄託されたハイブリドーマ細胞株 DC-11 または DC-11/I(ECACC の寄託番号 00082216 および 00082215) が産生する抗体と結合することにより正常ヒトタウと免疫学的に区別でき、441アミノ酸からなる最長ヒトタウアイソフォームの少なくともアミノ酸残基300〜アミノ酸残基400を含む、N末端 または両N および C末端がトランケートされている、トランケートされた形のヒトタウタンパク質との特異性を有する抗体であって、正常タウタンパク質と結合せず、該トランケートされた形のヒトタウタンパク質特異的である抗体。
  2. 該トランケートされた形のヒトタウタンパク質に対する該抗体の特異性がヒトタウタンパク質のリン酸化レベルと独立している請求項 1 記載の抗体。
  3. 寄託されたハイブリドーマ細胞株 DC-11 または DC-11/I(ECACC の寄託番号 00082216 および 00082215) により産生される抗体。
  4. 請求項1 3 のいずれかに記載の抗体を産生するハイブリドーマ細胞株。
  5. 寄託されたハイブリドーマ細胞株 DC-11 または DC-11/I(ECACC の寄託番号 00082216 および 00082215) が産生する抗体と結合することにより正常ヒトタウと免疫学的に区別できる、N末端 または両N および C末端がトランケートされている、トランケートされた形のヒトタウタンパク質。
  6. 該トランケートされた形のヒトタウタンパク質がさらにタウ凝集を開始するための核形成中心として作用する能力により正常ヒトタウと区別することができることを特徴とする、請求項 5 記載のトランケートされた形のヒトタウタンパク質。
  7. 該トランケートされた形のヒトタウタンパク質がさらに正常ヒトタウ由来の微小管を分解する能力により正常ヒトタウと区別することができることを特徴とする、請求項 5 または 6 記載のトランケートされた形のヒトタウタンパク質。
  8. 441アミノ酸からなる最長ヒトタウアイソフォームの少なくともアミノ酸残基300〜アミノ酸残基400を含むことを特徴とする、請求項 5 7 のいずれかに記載のトランケートされた形のヒトタウタンパク質。
  9. 請求項1 3 のいずれかに記載の抗体および試料を提供するための適切な容器を含む、脳組織または体液試料中の請求項5 8 のいずれかに記載のトランケートされた形のヒトタウタンパク質を検出または単離するためのキット。
  10. 該トランケートされた形のヒトタウタンパク質と結合する該抗体、好ましくは二次抗体、特に特異的に標識される二次抗体の結合事象を検出するための方法をさらに含むことを特徴とする請求項9記載のキット。
  11. 該トランケートされた形のヒトタウタンパク質、特に該トランケートされた形のヒトタウタンパク質の標準的調製物を定量するための方法をさらに含むことを特徴とする請求項9または10記載のキット。
  12. 患者の脳組織または体液試料中の請求項5 8 のいずれかに記載のトランケートされた形のヒトタウタンパク質のin vitro検出方法であって、該試料を請求項1 3 のいずれかに記載の抗体と混合し、該トランケートされた形のヒトタウタンパク質と該抗体の結合事象の存在を検出し、所望により該抗体と結合している該トランケートされた形のヒトタウタンパク質の量を測定することを含む方法。
  13. アルツハイマー病患者を治療するための薬物を製造するための請求項1 3 のいずれかに記載の抗体の使用。
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