JP4163451B2 - 物品用コンベア - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、物品用コンベアに関し、より詳しくは、シガレットの束（パケット）や該束の箱（容器、包み、パック）を搬送（運搬、移送）するためのコンベアに関する。
【０００２】
【従来の技術】
シガレットのパケット（束）は、シガレットパッキング装置から、各パケットの回りをポリプロピレン製のシートで包むセロファン装置に搬送される。ポリプロピレン製のシートで包まれた当該シガレットのパケットは、セロファン装置からカートン装置に搬送され、ここで、１０のシガレットパケットを含むパック（箱、容器、包み）が形成される。そして、このパックは、カートン装置から、多数のパックを単一のコンテナにパッキング（包装）するための装置に搬送される。
【０００３】
上記装置間の移動（搬送）は、隣接する装置間に移送用スペースを残して、装置上に位置するコンベアの手段によって行なわれる。
【０００４】
このコンベアは、上記パケットやパックをコラム状（柱状）に積み重ねて底部に位置するパケットやパックをコラム内で上方に押し上げるための垂直なコンベアを有する。
【０００５】
しかし、このコンベアは、コラムの底部に位置するパケットやパックを押し潰して該パケットやパックを永久的に変形させてしまうという欠点を有している。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明の目的は、種々のパケット若しくはパックの間で相互作用を生じないなような、簡易で低価格の物品用コンベアを提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段・作用・効果】
本願発明によれば、物品、特にシガレットの束や該束を収納する箱、を搬送するためのコンベアであって、該物品を所定の経路に沿って垂直方向に供給するためのコンベアが提供される。このコンベアは、上記方向に平行なガイドと、上記物品を上記経路に沿って供給するための供給手段と、上記供給手段を駆動するための駆動部材とを有し、上記ガイドは、上記経路に沿って一連の第１のシート（第１の座）をなす第１の支持部であって各第１のシートは夫々少なくとも１つの物品を収納する第１の支持部を有し、上記供給手段は、ガイドに対して移動自在であるスライダと、該スライダに設けられ該スライダに沿って第２のシート（第２の座）をなす第２の支持部であって各第２のシートは夫々少なくとも１つの物品を収納する第２の支持部とを有し、上記第２のシートの手段によって上記物品を上記方向における２つの上記第１のシート間で搬送するべく、上記駆動部材により、スライダは、上記第１のシート間で移動せしめられるようにしたことを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下に、本願発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
【０００９】
図１，２における参照符合１は、たとえば、シガレットの束（パケット）や該束の箱（容器、包み、パック）等の物品２を搬送（運搬、移送）するためのコンベアを示している。以下の記載において、物品２は、簡略化のために「シガレットのパケット」として言及する。しかしながら、これによって、本願発明の一般的なスコープは、決して損なわれることはない。
【００１０】
シガレットの各パケット２は、高さがＨ、巾がＬ１、そして長さがＬ２である平行６面体の形状を有している。この各パケット２は、２つの主面３と、２つの側面４と、２つの端面５とを有している。コンベア１は、そこからパケット２を受け取るコンベア６と、それに対してパケット２を開放する不図示のコンベアとの間に位置している。コンベア１は、垂直方向Ｄ１に延在すると共に、該垂直方向Ｄ１に平行な経路（パス）Ｐ１を有する。一方、コンベア６は、上記垂直方向Ｄ１に直角な方向Ｄ２に延在すると共に該方向Ｄ２に平行に箱２を搬送する経路（パス）Ｐ２を有する。
【００１１】
コンベア１は、上記方向Ｄ１に直角であるプラットフォーム７であってコンベア６からパケット２を受け取るためのプラットフォーム７と、経路Ｐ１に平行なガイド８と、パケット２を経路Ｐ１に沿って搬送するためのスライダ９と、該スライダ９に接続された駆動部材１０とを有する。
【００１２】
プラットフォーム７と、ガイド８と、駆動部材１０とは、フレーム１１によって支持されている。一方、スライダ９は、駆動部材１０に接続されており、該スライダ９は、経路Ｐ１に沿ってパケット２を供給するべくガイド８に対して移動自在である。ガイド８は、上記方向Ｄ１に平行である２つの対向（対面）するレール１２と、互いに対向（対面）すると共に互いに平行である２つのプレート１３，１４であってレール１２に固定されたプレート１３，１４とを有する。各プレート１３，１４は、レール１２に直角に固定されており、これにより、２つのレール１２が、パケット２の上記長さＬ２と実質的に等しい距離分隔てられるようになっている。
【００１３】
各レール１２は、中央部１５と、該中央部１５の反対側に設けられた２つの溝１６と、上記方向Ｄ１に沿って等間隔をおいて隔てられている一連の連続支持部１７とを有する。図４に示されるように、各支持部１７は、中央部１５に形成されたポケット１８内に設けられており、各支持部１７は、ポケット１８に対する第１端部にヒンジ結合されると共に第２端部にフック２０を備えたレバー１９と、レバー１９とポケット１８との間に設けられ図４において連続線で示す如くレバー１９を動作位置に維持するためのスプリング２１とを有している。この動作位置は、フック２０がポケット１８から突出するような位置である。
【００１４】
レバー１９は、上記動作位置と、破線で示す休止位置との間で移動自在である。この休止位置は、フック２０が、ポケット１８内に実質的に全体的に収納されるような位置である。このフック２０は、上記動作位置において上記方向Ｄ１に直角である平坦面２２と、上記方向Ｄ１に対して約２０°の角度をもって傾斜する傾斜面２３とを有する。フック２０は、レバー１９をポケット１８の壁部に対して上記動作位置でロック（係止）するための弾性部材２４であってポケット１８の壁部に対するフック２０の衝撃（インパクト）を吸収するための弾性部材２４に接続されている。
【００１５】
図３を参照して説明すると、面２２が各動作位置において上記方向Ｄ１に直角な支持面をなすように、１つのレール１２の各支持部１７は、対向するレール１２の支持部１７に対して整列した状態で対向する。すなわち、支持部１７は、上記方向Ｄ１において所定間隔ＳＴをもって等間置で隔てられる連続的なシート（第１の座）２５を形成している。各支持部１７は、１つのパケット２を収納するのに用いられる。
【００１６】
図１〜３を参照して説明すると、スライダ９は、上記方向Ｄ１に直角なプラットフォーム２６と、上記方向Ｄ１に平行な４つのバー２７とを有する。各バー２７は、プラットフォーム２６に固定されると共にレール１２の一方の溝１６に係合し、レール１２と実質的に同様に、一連の支持部１７ａを有する。
【００１７】
図４を参照して説明すると、各支持部１７ａは、バー２７に形成されたポケット１８ａ内に収納されている。各支持部１７ａは、ポケット１８ａに対する第１端部にヒンジ結合されたレバー１９ａを有すると共に、第２端部にフック２０ａを有する。レバー１９ａは、図中、連続線で示された動作位置であってフック２０ａがポケット１８ａから突出する動作位置と、図中、破線で示された休止位置であってレバー１９ａとフック２０ａとが実質的に全体的にポケット１８ａ内に収納される休止位置と、の間で移動自在である。各支持部１７ａは、ポケット１８ａ内に収納されるスプリング２１ａを有しており、これにより、レバー１９ａが動作位置に保持されるようになっている。フック２０ａは、上記動作位置において上記方向Ｄ１に直角である平坦面２２ａと、上記方向Ｄ１に対して約２０°の角度をもって傾斜する傾斜面２３ａとを有する。フック２０ａは、レバー１９ａをポケット１８ａの壁部に対して上記動作位置でロック（係止）するための弾性部材２４ａであってポケット１８ａの壁部に対するフック２０ａの衝撃（インパクト）を吸収するための弾性部材２４ａに接続されている。
【００１８】
図４を参照して説明すると、面２２ａがシガレットのパケット２を支持するための支持面１７ａをなすように、各バー２７の各支持部１７ａは、他の３つのバー２７の夫々の支持部１７ａと整列している。換言すれば、プラットフォーム２６と、支持部１７ａとは、スライダ９上であって上記方向Ｄ１において、シート２５と同一の間隔ＳＴをもって等間隔に隔てられた一連のシート（第２の座）２８をなしている。
【００１９】
駆動部材１０は、プラットフォーム２６に接続されたアクチュエータ２９を有しており、これにより、プラットフォーム２６とバー２７とが上記方向Ｄ１において両方向に移動せしめられるようになっている。すなわち、スライダ９の全体が、ガイド８に対して、上記両方向に移動せしめられる。この移動時における１つの移動ステップは、シート２５，２８の間隔ＳＴと等しいか、若しくは、該間隔ＳＴよりも僅かに大きい。
【００２０】
図２を参照して説明すると、コンベア１は、アクチュエータにより、図中、連続線によって示される上昇位置と、図中、破線によって示される下降位置との間で、上記方向Ｄ１にガイド３１沿いに移動せしめられるプレート３０を有している。
【００２１】
コンベア１の動作を、コンベア１が空であり、プラットフォーム２６がプラットフォーム７と整列しており、シート２５とシート２８とが実質的に一致している、つまり各シート２８の４つの支持部１７ａがシート２５の２つの支持部１７より僅かに下に位置している、開始状態（start configuration）にあるものとして記載する。
【００２２】
上記の如く開始状態にあるコンベア１に関して、パケット２は、コンベア６により、プラットフォーム７上で上記方向Ｄ２に供給される。パケット２は、各主面３において、プラットフォーム７上で休止する。該位置において、パケット２は、プラットフォーム２６上に搬送（移送）され、プレート３０によりプラットフォーム２６上の所定位置において捕捉される。経路Ｐ２沿いに設けられた不図示のセンサーがパケットに欠陥（欠点、flaw）を検知した場合には、プレート３０が降下せしめられ、パケット２は、プラットフォーム２６から自動的に開放（排出）され退けられるようになっている。逆に、もし、上記欠陥が検知されなかった場合には、パケット２は、プラットフォーム２６上に保持（維持）され、スライダ９は、パケット２を上記スペースＳＴに実質的に等しい１ステップ分上昇させるべく、駆動部材１０によって動作せしめられる。
【００２３】
スライダ９が上昇すると、プラットフォーム２６上に休止しているパケット２は、プラットフォーム２６上に直接的に位置しているところの対向（対面）している２つの支持部１７に干渉し、該パケット２は、レバー１９を各ポケット１８内に押圧する。つまり、フック２０がパケット２に当接したとき、パケット２が最終的にフック２０の上端に位置してレバー１９がスプリング２１により上記動作位置に復帰せしめられるまで、スプリング２１は、パケット２によって作用せしめられる圧力に屈することになる。各フック２０とパケット２との間の当接は、フック２０の傾斜面２３と、パケット２の端面とによって行なわれる。一旦、レバー１９が上記動作位置に復帰すると、フック２０は、ポケット１８の外側に突出し、これにより、箱２は、シート２５内に保持される。この点（ポイント）において、スライダ９は下降せしめられ、プラットフォーム２６は、再度、プラットフォーム７に対して整列せしめられる。スライダ９が下降すると、プラットフォーム２６上に直接位置している４つの支持部１７ａがパケット２に当接し、該４つの支持部１７ａは、４つのフック２０ａが最終的にパケット２の下に位置するまで、各ポケット１８ａ内に押圧される。
【００２４】
スライダ９の次のサイクルにおいて、パケット２がプラットフォーム２６から搬送されるシート２５内のパケット２は、上記４つの支持部１７ａによって持ち上げられる。そして、該パケット２は、プラットフォーム２６からシート２５へ搬送される時と同様に、上にある次のシート２５内に供給される。換言すれば、コンベア１によって運ばれる各パケット２は、隣接する２つのシート２５の間で往復運動装置（シャトル、shuttle）として機能するシート２８の手段によって、隣接する２つのシート２５の間に１ステップ搬送されることになる。
【００２５】
コンベア１は、単純にレール１２やバー２７間の距離を調整することにより、つまり、プレート１３，１４及びフレーム１１に対してレール１２を固定する調整可能な固定装置であってプラットフォーム２６に対してバー２７を固定するための調整可能な固定装置を提供することにより、異なった長さＬ２を有するパケットやパックに対して、容易に適合（適応）させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本願発明に係る物品用コンベアの斜視図であり、明瞭に示すためにパーツが取り除かれた状態の斜視図である。
【図２】図１に示した物品用コンベアのII−II線断面図である。
【図３】図１に示した物品用コンベアの正面図である。
【図４】図３に示した物品用コンベアの一部分を拡大して詳細に示す側面断面図である。
【符号の説明】
１ コンベア
２ 物品（シガレットのパケット）
３ 主面
４ 側面
５ 端面
６ コンベア
７ プラットフォーム
８ ガイド
９ スライダ
１０ 駆動部材
１１ フレーム
１２ レール
１３ プレート
１４ プレート
１５ 中央部
１６ 溝
１７ 支持部
１７ａ 支持部
１８ ポケット
１８ａ ポケット
１９ レバー
１９ａ レバー
２０ フック
２０ａ フック
２１ スプリング
２１ａ スプリング
２２ 平坦面
２２ａ 平坦面
２３ 傾斜面
２３ａ 傾斜面
２４ 弾性部材
２４ａ 弾性部材
２５ シート
２６ プラットフォーム
２７ バー
２８ シート
２９ アクチュエータ
３０ プレート
３１ ガイド
Ｄ１ 垂直方向
Ｄ２ 方向
Ｈ 高さ
Ｌ１ 幅
Ｌ２ 長さ
Ｐ１ 経路
Ｐ２ 経路
ＳＴ 間隔

Claims (12)

1. 物品、特にシガレットの束や該束を収納する箱、を搬送するためのコンベアであって、該物品（２）を所定の経路（Ｐ１）に沿って垂直方向（Ｄ１）に供給するためのコンベアにおいて、
   上記方向（Ｄ１）に平行なガイド（８）と、
   上記物品（２）を上記経路（Ｐ１）に沿って供給するための供給手段（９）と、
   上記供給手段（９）を駆動するための駆動部材（１０）とを有し、
   上記ガイド（８）は、上記経路（Ｐ１）に沿って一連の第１の座（２５）をなす第１の支持部（１７）であって各第１の座（２５）は夫々少なくとも１つの物品（２）を収納する第１の支持部（１７）を有し、
   上記供給手段は、ガイド（８）に対して移動自在であるスライダ（９）と、該スライダ（９）に設けられ該スライダ（９）に沿って第２の座（２８）をなす第２の支持部（１７ａ）であって各第２の座（２８）は夫々少なくとも１つの物品（２）を収納する第２の支持部（１７ａ）とを有し、
   上記第２の座（２８）によって上記物品（２）を上記方向（Ｄ１）における２つの上記第１の座（２５）間で搬送するべく、上記駆動部材（１０）により、スライダ（９）は、上記第１の座（２５）間で移動せしめられるようにしたことを特徴とするコンベア。
2. 上記第１の支持部（１７）は、上記ガイド（８）に沿って、所定の等間隔（ＳＴ）を置いて配置され、
   上記第２の支持部（１７ａ）は、上記スライダ（９）に沿って、上記第１の支持部（１７）と同一の上記所定の等間隔（ＳＴ）を置いて配置されたことを特徴とする請求項１記載のコンベア。
3. 上記駆動部材（１０）は、上記所定の間隔（ＳＴ）に実質的に等しい１ステップ分、上下に移動することを特徴とする請求項２記載のコンベア。
4. 上記第１の支持部（１７）は、上記ガイド（８）に対して、ガイド（８）から突出して上記物品（２）を上記第１の座（２５）内に保持する動作位置と、上記第１の座（２５）間において上記物品（２）の搬送を許容する休止位置と、の間で移動自在であることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載のコンベア。
5. 第２の支持部（１７ａ）は、上記スライダ（９）に対して、スライダ（９）から突出して上記物品（２）を上記第２の座（２８）内に保持する動作位置と、上記第２の座（２８）間において上記物品（２）の搬送を許容する休止位置と、の間で移動自在であることを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載のコンベア。
6. 上記第１の支持部（１７）は、夫々、第１の支持部（１７）を上記動作位置に保持するための第１のスプリング（２１）を有し、
   上記第２の支持部（１７ａ）は、夫々、第２の支持部（１７ａ）を上記動作位置に保持するための第２のスプリング（２１ａ）を有することを特徴とする請求項４又は５記載のコンベア。
7. 上記ガイド（８）は、上記方向（Ｄ１）に平行な一対の対向するレール（１２）を有し、
   各レール（１２）は、一連の上記第１の支持部（１７）を有し、
   上記第１の座（２５）は、夫々、上記方向（Ｄ１）における同一レベルの２つの第１の支持部（１７）によって形成されることを特徴とする請求項１〜６のいずれかに記載のコンベア。
8. 上記スライダ（９）は、上記レール（１２）に摺動自在に適合する１対のバー（２７）を有し、
   各バー（２７）は、一連の上記第２の支持部（１７ａ）を有し、
   該第２の支持部（１７ａ）は、上記方向（Ｄ１）の同一レベルにおいて、上記第２の座（２８）をなすことを特徴とする請求項７記載のコンベア。
9. 上記スライダ（９）は、上記レール（１２）内の各溝（１６）内に設けられた４つのバー（２７）を有し、
   上記第２の座（２８）は、夫々、上記各４つのバー（２７）の同一レベルにおける４つの上記第２の支持部（１７ａ）によって形成されることを特徴とする請求項７記載のコンベア。
10. 上記スライダ（９）は、上記方向（Ｄ１）に直角であり上記バー（２７）に固定されたプラットフォーム（２６）を有することを特徴とする請求項８又は９記載のコンベア。
11. 上記プラットフォーム（２６）は、上記第２の支持部（１７ａ）の下に配置されると共に、該プラットフォーム（２６）は、上記第２の座（２８）の１つをなし、
    該プラットフォーム（２６）は、上記物品（２）を供給コンベア（６）から受け取るようにしたことを特徴とする請求項１０記載のコンベア。
12. 上記プラットフォーム（２６）に隣接するストッパ（３０）を有し、
    該ストッパ（３０）は、上記物品（２）を所定位置において捕捉する第１の位置と、欠陥を有する物品（２）を排出する第２の位置との間で移動自在であることを特徴とする請求項１０記載のコンベア。

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