JP4163070B2 - 籠体および杭の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、籠体および杭の施工方法に関するものである。
既存構造物に近接する場所や既存構造物の直下にあらたに鉄筋コンクリート構造物を建設する場合などは、施工のための資機材の搬入や組立てに使用できる空間が制限される。従来、構造物を建設しようとする場所の上方の空間に制限がある場合、以下のような方法で鉄筋籠を設置していた。
(1)地盤に設けた掘削孔に短いピースに分割した鉄筋籠を順次挿入し、軸筋を機械継手、重ね継手等の継手を用いて接合していく。(2)地盤に設けた掘削孔の直上に、軸筋として使用するストランドを巻きつけたドラムを設置する。そして、ストランドをドラムから掘削孔内に供給しつつ、孔の直上で帯筋を設置する(例えば、特許文献1参照)。(3)軸筋として湾曲性を有するPC鋼線等の線材を使用し、掘削孔の周囲の地盤上にPC鋼線を配置した状態で帯筋を設置して鉄筋籠を組み立てる。そして、鉄筋籠を、掘削孔の入り口付近で曲げつつ、掘削孔内に降下させる(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−36294号公報 特開平11−293668号公報
しかしながら、(1)の方法は、継手を頻繁に入れるため、作業効率が悪い。また、継手の数量増加や施工期間の延長に伴い、コストが増大する。さらに、ベントナイトなどの安定液中に浸される時間が長いため、鉄筋にベントナイトが付着し、鉄筋の付着性能が劣る。
(2)の方法は、孔の直上に、ストランドの本数と同じ数量のドラムを含む設置用機材を配置する必要があるため、広い作業領域が必要となるうえ、頻繁に継手を入れる(1)の方法に比べて作業効率がさほど向上しない。また、ストランドをドラムから供給するため、鉄筋籠に使用しない余長が必要となる。さらに、ストランドにベントナイトが付着するため、コンクリートとの付着強度が小さくなり、ひび割れが集中したり、大きな変形が生じることがある。(3)の方法で、組み立てた鉄筋籠を限られた空頭内で曲げるのは困難である。
第1の発明は、軸筋であるストランドと、前記ストランドの周囲に設けられた帯筋と、前記ストランドと前記帯筋とを、交差角が変化可能なように結束する結束治具とを具備し、所定の位置に配置する前に、前記ストランドを円弧状に曲げつつ前記帯筋の配筋間隔を縮め、配置した後に、前記ストランドを直線状に伸ばして前記帯筋の配筋間隔を元に戻すことを特徴とする籠体である。
ストランドは、帯筋の直径と同程度以上に曲げても強度等に問題が生じないような、可撓性を有する材料とする。ストランドには、例えば、PC鋼より線、ワイヤロープ、炭素繊維、グラスファイバー、アラミド繊維等をより合わせたもの等が用いられる。帯筋は、鉄筋等とする。
結束治具は、ストランドを保持する第1の保持部材と、帯筋を保持する第2の保持部材とを、第2の保持部材に対して第1の保持部材が回転するように一体化したものである。結束治具には、例えば、第1の保持部材である第1の筒状部材に固定されたアングル材と、第2の保持部材である第2の筒状部材に固定されたアングル材を、ボルトおよびナットで結合したものが用いられる。
第1の発明では、結束治具を用いて、軸筋であるストランドと帯筋とを交差角が変化可能なように結束し、籠体を形成する。籠体は、所定の位置に配置する前に、結束治具の部分でストランドと帯筋との交差角を小さくしながらストランド円弧状に曲げ、帯筋の配筋間隔を縮めることで、長さを縮めておく。そして、長さを縮めた籠体を所定の位置に配置した後、ストランドと帯筋との交差角を大きくしながらストランドを直線状にし、帯筋の配筋間隔を広げることで、籠体の長さを元に戻す。
第2の発明は、地盤に孔を掘削する工程(a)と、請求項1記載の籠体を、前記ストランドを押し縮めた状態で前記孔上に設置する工程(b)と、前記ストランドを直線状に伸ばしつつ前記籠体を前記孔内に設置する工程(c)と、前記孔内にコンクリートを打設する工程(d)とを具備することを特徴とする杭の施工方法である。
第2の発明の杭の施工方法では、地盤に掘削した孔の上方に、第1の発明の籠体を、長さを縮めた状態で設置する。そして、ストランドを伸ばしつつ帯筋の配筋間隔を広げて籠体を孔内に設置し、孔内にコンクリートを打設する。
本発明の籠体および杭の施工方法は、鉄筋コンクリート構造物を建設しようとする場所の上空の空間に制限がある場合の施工性を向上させ、鉄筋コンクリートとしての品質を大幅に改善できる。
以下、図面に基づいて、本発明の第1の実施の形態について詳細に説明する。図1は、籠体1の立面図である。図1の(a)に示すように、籠体1は、軸筋であるストランド5、複数のストランド5を囲むように配置された帯筋3等からなる。
ストランド5は、帯筋3の直径と同程度以上に曲げても強度等に問題が生じないような、可撓性を有する材料とする。ストランド5には、例えば、PC鋼より線、ワイヤロープの他、炭素繊維、グラスファイバー、アラミド繊維等の繊維をより合わせたもの等が用いられる。特に、アラミド繊維を薄い帯状に樹脂で固めたものは、断面積に比べて曲げ剛性が小さいので、ストランド5に適している。帯筋3は、鉄筋等とする。帯筋3は、溶接閉鎖型せん断補強筋等を用いるのが望ましい。
図2は、帯筋3とストランド5との結束部分の斜視図である。図2は、籠体1の内側から帯筋3とストランド5との結束部分を見た図である。図3は、帯筋3を軸方向に垂直な面で切断し、図2の矢印X1に示す方向から見た図である。図4は、平行になったストランド5と帯筋3を軸方向に垂直な面で切断し、図2の矢印X1に示す方向から見た図である。
図2から図4に示すように、帯筋3とストランド5とは、交差する点において、結束治具7を用いて結束される。結束治具7は、第1の保持部材であるスリーブ9、第2の保持部材であるスリーブ11、アングル材13、アングル材15、ボルト17、ナット19等からなる。
スリーブ9、スリーブ11は、円筒形の鋼材等である。ストランド5は、樹脂23(図4)により、スリーブ9に固定される。帯筋3は、樹脂21(図3、図4)により、スリーブ11に固定される。
アングル材13は、互いに直交する部材13aと部材13bからなる、断面がL字型の鋼製の部材である。アングル材15は、互いに直交する部材15aと部材15bからなる、断面がL字型の鋼製の部材である。アングル材13の部材13b、アングル材15の部材15bは、それぞれ、溶接等によって、スリーブ11、スリーブ9に固定される。アングル材13の部材13aとアングル材15の部材15aは、部材13bと部材15bが反対方向に突き出すように重ねられる。部材13aと部材15aは、双方を貫通するボルト17およびナット19によって結合される。
アングル材15およびスリーブ9は、ボルト17およびナット19を中心として回転する。アングル材15およびスリーブ9は、少なくとも、図2に示す矢印Bの方向に90度程度回転可能とする。図2、図3に示す結束治具7のスリーブ9を、スリーブ11に対して90度回転させると、図4に示すように、アングル材13の部材13bとアングル材15の部材15bとが平行となり、ストランド5と帯筋3とが平行に配置される。
籠体1を組み立てるには、例えば、まず、工場にて、長材のまま穴開けしたアングルとパイプを溶接して一体化したものを、所定の長さに切断し、アングル材13が溶接されたスリーブ11、アングル材15が溶接されたスリーブ9を製作する。そして、帯筋3をスリーブ11に通し、溶接により環状にした後、スリーブ11内に樹脂21を充填して帯筋3にスリーブ11を固定する。
スリーブ11の帯筋3への固定と前後して、ボルト17およびナット19を用いて、アングル材13の部材13aにアングル材15の部材15aを結合し、結束治具7を完成しておく。次に、現場の作業ヤードにて、結束治具7のスリーブ9にストランド5を通し、スリーブ9内に樹脂23を充填してストランド5にスリーブ9を固定する。
または、スリーブ11の帯筋3への固定と前後して、別の工場等で、アングル材15が溶接されたスリーブ9にストランド5を通し、スリーブ9内に樹脂23を充填してストランド5にスリーブ9を固定しておく。次に、現場の作業ヤードにて、帯筋3が固定されたスリーブ11に溶接されたアングル材13の部材13aと、ストランド5が固定されたスリーブ9に溶接されたアングル材15の部材15aとを、ボルト17およびナット19を用いて結合する。
組立てた籠体1が図1の(a)に示す状態のとき、結束治具7は図2および図3に示す状態である。すなわち、ストランド5は直線状であり、ストランド5と帯筋3との交差角は90度である。
図1の(a)に示す状態の籠体1の複数のストランド5を矢印Aに示す方向に円弧状に曲げると、図2の矢印Bに示すように、結束治具7のスリーブ9がスリーブ11に対して回転し、ストランド5と帯筋3との交差角が小さくなる。これにより、図1の(b)、(c)に示すように、ストランド5がそれぞれ螺旋状になると同時に、帯筋3の配筋間隔が徐々に縮まり、籠体1の長さ4が短くなる。籠体1を所定の長さまで押し縮めた後、固定治具等(図示せず)を用いて、帯筋3やストランド5を仮固定する。
図5は、杭31を構築する各工程を示す図である。以下に、籠体1を用いて、上方に既設構造物33が存在する地盤27に杭31を構築する方法について説明する。
図5の(a)は、孔29に籠体1を設置する工程を示す。杭31を構築するには、まず、図5の(a)に示すように、地盤27に孔29を掘削する。孔29の孔壁は、安定液(図示せず)により保護される。次に、地盤27と既設構造物33との間の空間25を使用して、押し縮めた籠体1を孔29の上方に設置する。そして、籠体1の下端から順に、固定治具等(図示せず)を用いた帯筋3やストランド5の仮固定を解き、ストランド5を直線状に伸ばして、孔29内に下ろしていく。
ストランド5を円弧状に曲げていたことにより、籠体1の伸長時にストランド5が直線状に戻らない場合は、必要に応じて、錘となるものをストランド4の下端に付ける。または、ストランド5と帯筋3の交差角を変化させることができる結束治具7を用いることを利用し、ストランド5や帯筋3の仮固定を下端から順次解除して籠体1を伸長する際に、その都度逆方向にねじりを与えて矯正する。籠体1全体を復元した後、籠体1全体にねじりを与えて矯正する方法もある。
図5の(b)は、孔29に籠体1を設置し終えた状態を示す。図5の(b)に示すように、籠体1は、帯筋3やストランド5の仮固定を全て解除し、ストランド5を全長にわたって直線状に伸ばした状態で、孔29内に設置される。
図5の(c)は、杭31が完成した状態を示す。籠体1を孔29内に設置した後、図5の(c)に示すように、孔29内にコンクリートを打設し、杭31を完成させる。
このように、本実施の形態では、図2から図4に示すように、ストランド5と帯筋3との交差角を変化させることができる結束治具7を用いる。ストランド5として使用可能なPC鋼より線は、可撓性があるがねじり剛性が比較的大きく、通常の加工では捩ることができないが、結束治具7を用いることで、PC鋼より線を捩ることなく曲げて円弧状にし、籠体1の長さ4を縮めることができる。
一般的な7本よりのPC鋼より線を無理なく円弧状に曲げることができる半径は、PC鋼より線の径が12.7mmの場合は710〜800mm、PC鋼より線の径が15.2mmの場合は710〜1000mmである。PC鋼より線は、この程度の半径で曲げても品質上の問題は生じない。
籠体1の長さ4の縮小率は、帯筋3やストランド5の配筋間隔、結束治具7の寸法(帯筋3を保持するスリーブの太さやストランド5を保持するスリーブの太さ等)などによって決まる。例えば、帯筋3の配筋間隔と帯筋3を保持するスリーブの太さによって縮小率が決まるとき、帯筋3をD25、スリーブの太さを30mmとして籠体1の長さ4の縮小率を算出すると、帯筋3の配筋間隔が150mmの場合は縮小率が1/5、300mmの場合は1/10となる。
但し、籠体1の上端や下端に帯筋3が配筋されない部分があること、縮めた籠体1の帯筋3やストランド5を仮固定するための固定治具を設置する必要があること等を考慮すると、実際には、縮小率は元の長さ4の1/5〜1/7程度となると想定される。
現状では、空間25に低空頭用の掘削機械を設置するには、空間25(図5)の高さは4m程度必要となる。高さ4mの空間25に、押し縮めた長さが4m程度の籠体1を配置すれば、長さ20〜30m程度の杭31を継手なしに施工できる。さらに、図5に示す孔29の縁39を削っておき、孔29の入口の斜め上方に、押し縮めた籠体1を孔29と所定の角度をなすように配置すれば、押し縮めた状態での長さが空間25の高さを上回る籠体1を用いることができる。これにより、空間25の高さが同じ場合に、より長い杭を施工することができる。
本実施の形態では、長さ4を縮小できる籠体1を用いることにより、地盤27と既設構造物33との間の空間25が狭い場合でも、短時間で籠体1を孔29内に設置できる。籠体1は、工場または作業ヤードで製作されるため、組み立て精度が向上する。
籠体1は、頻繁に現場継手を用いて施工される鉄筋籠と比べて、重量あたりの体積が格段に小さくなるために運搬コストを大幅に削減できるうえ、機械式継手の施工やそのための施工機械が不要となる。また、ドラムから孔内にPC鋼より線を供給して鉄筋籠を形成する場合と比べて、ドラム置き場が不要となるために作業エリアを縮小でき、施工機械を簡素化できる。
籠体1では、軸方向鋼材であるストランド5と帯筋3の交差部分が結束治具7によって機械的に結束されるため、ストランド5の軸力が結束治具7を介して帯筋3に伝達される。そのため、杭31等の構造物に埋設した際に、ストランド5とコンクリートとの付着強度が増大し、ひび割れの分散性が向上すると同時に、変形が小さくなり、曲げ体力が向上する。また、施工速度の上昇により、安定液に浸される時間が短縮され、ストランド5や帯筋3の付着劣化を軽減できるため、付着劣化によるひび割れの分散性が向上する。
なお、図2から図4に示す結束治具7では、ストランド5や帯筋3を固定するために、スリーブ9、スリーブ11の内部にそれぞれ樹脂23、樹脂21を充填したが、圧着や溶接によってストランドや帯筋を固定してもよい。但し、ストランド5としてPC鋼より線を用いる場合、溶接は一般に好ましくない。設計計算によってストランド5の断面の必要本数が決まっている場合、溶接は行えない。
また、結束治具7や籠体1の組み立て順序は、上述したものに限らない。
さらに、ストランド5と帯筋3を結束する治具は、図2から図4に示す結束治具7でなくてもよい。
図6は、他の結束治具7aを用いた結束部分を示す図である。図6に示すように、結束治具7aは、結束治具7のスリーブ11に相当するスリーブ41、スリーブ9に相当するスリーブ43、ハトメあるいはリベット(図示せず)等からなる。スリーブ43、スリーブ41は、円筒形の鋼材等である。スリーブ41、スリーブ43には、それぞれ、帯筋3、ストランド5が通される。スリーブ41、スリーブ43は、圧着、溶接あるいは樹脂充填などにより、帯筋3、ストランド5に固定される。
ハトメあるいはリベット(図示せず)は、スリーブ43とスリーブ41が交差して接する部分に設けられ、スリーブ43とスリーブ41を一体化する。スリーブ43は、ハトメあるいはリベット(図示せず)を中心として、少なくとも図6に示す矢印Cの方向に、90度程度回転可能とする。
図7は、他の結束治具7bを構成する部材を示す図である。図7に示すように、結束治具7bは、結束治具7のスリーブ9に相当するスリーブ45、スリーブ11に相当するスリーブ47、スプリング55、ボール53等からなる。
スリーブ45、スリーブ47は、円筒形の鋼材等である。スリーブ45は、スリーブ47と交差して接する部分に穴51aを、穴51aと対向する部分に穴49aを有する。スリーブ47は、スリーブ45と交差して接する部分に穴51bを、穴51bと対向する部分に穴49bを有する。スリーブ45、スリーブ47は、圧着、溶接あるいは樹脂充填などにより、ストランド5、帯筋3に固定される。
ボール53は、スリーブ45の穴51aとスリーブ47の穴51bに組み込まれる。スプリング55は、端部をそれぞれ、スリーブ45の穴49aとスリーブ47の穴49bに嵌め込むことにより、スリーブ45とスリーブ47とを外側から固定する。スリーブ45は、ボール53を中心として、少なくとも90度程度回転可能とする。
図8は、他の結束治具7cを用いた結束部分を示す図である。図9は、平行になったストランド5と帯筋3を軸方向に垂直な面で切断し、図8の矢印X2に示す方向から見た図である。図8、図9に示すように、結束治具7cは、第1の保持部材59、第2の保持部材57、ボルト65、ナット67等からなる。
保持部材59は、長方形板状の鋼板の端部63同士を重ねたものである。保持部材59には、ストランド5が通される。保持部材59は、内部に樹脂71を充填することにより、ストランド5に固定される。保持部材57は、長方形板状の鋼板の端部61同士を重ねたものである。保持部材57には、帯筋3が通される。保持部材57は、内部に樹脂69を充填することにより、帯筋3に固定される。
図8、図9に示すように、保持部材59と保持部材57とは、端部63および端部61を貫通するボルト65とナット67とを用いて一体化される。保持部材59は、ボルト65およびナット67を中心として、少なくとも図8に示す矢印Dの方向に90度程度回転可能とする。
結束治具7cでは、ボルト65およびナット67のかわりに、リベットや割ピンを用いて保持部材59と保持部材57とを一体化してもよい。また、帯筋3やストランド5を結束治具7cに固定する際に、樹脂69、樹脂71を充填するかわりに、圧着や溶接等の方法を用いてもよい。
なお、籠体1を組立てる際には、例えば、工場で長方形板状の鋼板をプレス加工して結束治具7cを製作した後、帯筋3を保持部材57に通して樹脂69で固定する。そして、現場の作業ヤードで、ストランド5を保持部材59に通して樹脂71で固定し、籠体1を組立てる。または、工場や現場で帯筋3およびストランド5に長方形板状の鋼板を巻きつけることにより保持部材57、保持部材59を図8に示す形状にし、結束治具7fを組立てつつ籠体1を組立ててもよい。
図10は、他の結束治具7d、結束治具7eを示す図である。図10の(a)に示す結束治具7dでは、図9に示す結束治具7cの保持部材57、保持部材59に相当する部材として、保持部材57a、保持部材59aが用いられる。保持部材59aは、ボルト65およびナット67を中心として回転する。
結束治具7dを用いて籠体1を組立てるには、例えば、長方形板状の鋼板をプレス加工して保持部材57a、保持部材59aを形成した後、保持部材57aの一方の端部61aと保持部材59aの一方の端部63aとをボルト65およびナット67を用いて結合する。そして、保持部材57aに帯筋3を、保持部材59aにストランド5を挟み込んで、樹脂69a、樹脂71aによって固定する。
図10の(b)に示す結束治具7eでは、図9に示す結束治具7cの保持部材57、保持部材59に相当する部材として、保持部材57b、保持部材59bが用いられる。保持部材59bは、ボルト65およびナット67を中心として回転する。
結束治具7を用いて籠体1を組立てるには、例えば、長方形板状の鋼板を帯筋3やストランド5に巻きつけ、スポット溶接して、保持部材57b、保持部材59bを形成する。そして、保持部材57bの一方の端部61bと保持部材59bの一方の端部63bとを、ボルト65およびナット67を用いて結合する。帯筋3、ストランド5は、それぞれ適切な時期に、樹脂69b、樹脂71bによって、保持部材57b、保持部材59bに固定される。
図11は、他の結束治具7fを用いた結束部分を示す図である。図11に示すように、結束治具7fは、第1の保持部材であるアイボルト75、第2の保持部材であるスリーブ73等からなる。
スリーブ73は、円筒形の鋼材等である。スリーブ73は、アイボルト75と接する部分に雌ネジ孔79を有する。アイボルト75のネジ77は、雌ネジ孔79にねじ込まれる。アイボルト75はネジ77を中心として、少なくとも図11の矢印Eに示す方向に90度程度回転可能とする。
帯筋3は、スリーブ37に通され、樹脂充填などにより固定される。ストランド5は、アイボルト75に通され、樹脂81を用いて固定される。帯筋3とスリーブ73との固定、ストランド5とアイボルト81との固定には、圧着や溶接を用いてもよい。
図12は、他の結束治具7g、結束治具7hを用いた結束部分を示す図である。図12の(a)に示す結束治具7gは、図11に示す結束治具7fとほぼ同様の構成であるが、スリーブ73に、雌ネジ孔79を加工するかわりに、ナット83を溶接または樹脂接着する。そして、ナット83にアイボルト75のネジ77をねじ込む。アイボルト75はネジ77を中心として、少なくとも矢印Fに示す方向に90度程度回転可能とする。
図12の(b)に示す結束治具7hは、結束治具7gにおいて、アイボルト75とストランド5との固定に樹脂81を用いず、アイボルト75の両側にスリーブ85を設置したものである。スリーブ85は円筒形の鋼材等であり、圧着、溶接、あるいは樹脂充填などによりストランド5に固定される。アイボルト75はネジ77を中心として、少なくとも矢印Gに示す方向に90度程度回転可能とする。
図11、図12に示す各結束治具を用いて籠体1を組立てる際には、例えば、工場で結束治具を製作した後、帯筋3をスリーブ73に通し、樹脂等で固定する。そして、現場の作業ヤードで、ストランド5をアイボルト75に通し、樹脂81やスリーブ85等を用いて固定する。
図11に示す結束治具7f、図12の(a)に示す結束治具7g、図12の(b)に示す結束治具7hでは、スリーブでストランド5を保持し、アイボルトで帯筋3を保持してもよい。この場合、籠体1を押し縮める際には、アイボルトに対して、スリーブを90度程度回転させる。
以上、添付図面を参照しながら本発明にかかる籠体および杭の施工方法の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、ストランドが複数段に配筋されている籠体においても、ストランドを円弧状に曲げて籠体の長さを縮めることができる。また、籠体は、鉄筋コンクリート杭の補強材として用いられるだけではなく、断面が円形や環状の鉄筋コンクリート構造物であれば補強材として適用可能である。さらに、円形断面の構造物を連続して施工して壁状の構造部材とする際にも適用できる。
籠体1の立面図 帯筋3とストランド5との結束部分の斜視図 帯筋3を軸方向に垂直な面で切断し、図2の矢印X1に示す方向から見た図 平行になったストランド5と帯筋3を軸方向に垂直な面で切断し、図2の矢印X1に示す方向から見た図 杭31を構築する各工程を示す図 他の結束治具7aを用いた結束部分を示す図 他の結束治具7bを構成する部材を示す図 他の結束治具7cを用いた結束部分を示す図 平行になったストランド5と帯筋3を軸方向に垂直な面で切断し、図8の矢印X2に示す方向から見た図 他の結束治具7d、結束治具7eを示す図 他の結束治具7fを用いた結束部分を示す図 他の結束治具7g、結束治具7hを用いた結束部分を示す図
符号の説明
1………籠体
3………帯筋
4………籠体1の長さ
5………ストランド
7、7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g、7h………結束治具
9、11、41、43、45、47、73………スリーブ
27………地盤
29………孔
31………杭
33………既設構造物
57、59、57a、59a、57b、59b………保持部材
75………アイボルト

Claims (4)

  1. 軸筋であるストランドと、
    前記ストランドの周囲に設けられた帯筋と、
    前記ストランドと前記帯筋とを、交差角が変化可能なように結束する結束治具と、
    を具備し、
    所定の位置に配置する前に、前記ストランドを円弧状に曲げつつ前記帯筋の配筋間隔を縮め、配置した後に、前記ストランドを直線状に伸ばして前記帯筋の配筋間隔を元に戻すことを特徴とする籠体。
  2. 前記結束治具は、前記ストランドを保持する第1の保持部材と、前記帯筋を保持する第2の保持部材とを、前記第2の保持部材に対して前記第1の保持部材が回転するように一体化したものであることを特徴とする請求項1記載の籠体。
  3. 前記結束治具は、前記第1の保持部材である第1の筒状部材に固定されたアングル材と、前記第2の保持部材である第2の筒状部材に固定されたアングル材を、ボルトおよびナットで結合したものであることを特徴とする請求項2記載の籠体。
  4. 地盤に孔を掘削する工程(a)と、
    請求項1記載の籠体を、前記ストランドを押し縮めた状態で前記孔上に設置する工程(b)と、
    前記ストランドを直線状に伸ばしつつ前記籠体を前記孔内に設置する工程(c)と、
    前記孔内にコンクリートを打設する工程(d)と、
    を具備することを特徴とする杭の施工方法。
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