JP4163033B2 - 難燃性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性、耐衝撃性、成形品表面外観性に優れた難燃性樹脂組成物並びに、この難燃性樹脂組成物からなる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ABS樹脂、HIPSで代表されるゴム変性スチレン系樹脂、更にこれらにポリカーボネート樹脂を配合した組成物を難燃化した難燃性樹脂組成物は、電気・電子分野、OA・家電分野、車輌分野、サニタリー分野等で幅広く使用されている。
これらの樹脂の難燃化には、ハロゲン系難燃剤(例えば、特許文献1参照)、有機リン系難燃剤(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)等で代表される難燃剤が使用されている。
これらの難燃性樹脂組成物において、ハロゲン系難燃剤を用いた場合、加工機(押出機、射出成形機等)、金型等が金属腐食を起こす等の問題がある。
又、フォスフェート化合物等のリン系難燃剤を用いた場合は、難燃剤が樹脂成分の可塑剤として作用すること等から、機械的強度、耐熱性等が劣る等の問題があり、難燃性樹脂組成物を得るにあたり、より少量の難燃剤量で目的とする難燃性を得る難燃化処方の開発が望まれている。
【特許文献1】
特許第3198485号公報
【特許文献2】
特開平9−87337号公報
【特許文献3】
特開平10−120853号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、難燃性、耐衝撃性、成形品表面性に優れた難燃性樹脂組成物、更に本難燃性樹脂組成物からなる成形品を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば下記構成の難燃性樹脂組成物及び成形品が提供されて、本発明の上記目的が達成される。
1.(A)ゴム質重合体の存在下に下記a1成分又は下記a2成分を重合して得られるゴム強化スチレン系樹脂(以下、「(A)成分」という)0〜99重量%、
a1成分;芳香族ビニル化合物である。
a2成分;芳香族ビニル化合物と、ビニルシアン化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びマレイミド化合物から選ばれた少なくとも1種からなる単量体である。
(B)上記a1成分又は上記a2成分を重合して得られるスチレン系樹脂(以下、「(B)成分」という)0〜99重量%、
(C)ゴム質重合体の存在下または非存在下に上記a1成分と下記a3成分、又は上記a2成分と下記a3成分を重合して得られる変性(ゴム強化)スチレン系樹脂(以下、「
(C)成分」という)1〜100重量%、
a3成分;エポキシ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物及び酸無水物基含有不飽和化合物から選ばれた少なくとも1種の単量体である。
(D)芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種の樹脂(以下、「D成分」という)0〜99重量%、
上記(A)+(B)+(C)+(D)の合計100重量部(但し、(A)+(B)+(C)+(D)の合計100重量%である)に対して
(E)分子中に水酸基を有する有機リン化合物(以下、「E成分」という)0.1〜30重量部
を含有してなり、
(A)成分及び/又は(B)成分からなる成分の一部または全部がラテックス状である成分(L1)であり、(C)成分の一部または全部がラテックス状である成分(L2)であり、そして成分(L1)5〜95重量%(固形分)と成分(L2)5〜95重量%(固形分)[但し、成分(L1)と成分(L2)の合計は100重量%である。]とをラテックスブレンドした後に回収されたものを使用することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
2.上記(A)+(B)+(C)+(D)成分の合計100重量部に、分子中に水酸基を有しない燐酸エステル化合物(以下、「F成分」という)を0.1〜30重量部含有してなることを特徴とする上記1に記載の難燃性樹脂組成物。
3.上記(A)+(B)+(C)+(D)成分の合計100重量部に、シリコーン化合物(以下、「G成分」という)を0.1〜30重量部含有してなることを特徴とする上記1、2いずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
4.上記1〜3いずれかに記載の難燃性樹脂組成物からなる成形品。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳しく説明する。尚、本明細書において、「変性(ゴム強化)スチレン系樹脂」は、変性スチレン系樹脂または変性ゴム強化スチレン系樹脂を意味し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
本発明の(A)成分、(C)成分で使用されるゴム質重合体としては、ポリブタジエン、ブタジエンースチレン共重合体、ブタジエンーアクリロニトリル共重合体、ブタジエンーアクリル共重合体、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体、スチレンーブタジエンブロック共重合体、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、スチレンーイソプレンブロック共重合体、イソブチレンーイソプレン共重合体等のジエン系(共)重合体、及びこれらのジエン系(共)重合体の水素添加物、エチレンープロピレンー(非共役ジエン)共重合体、エチレンーブテンー1―(非共役ジエン)共重合体、ポリウレタンゴム、アクリル系ゴム、シリコーン系ゴム等が挙げられる。
これらのうち、ポリブタジエン、ブタジエンースチレン共重合体、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体及びこれらのブタジエン部分の水素添化物、部分水素添加物、エチレンープロピレンー(非共役ジエン)共重合体、アクリル系ゴム、及びシリコーン系ゴムが好ましく、これらは、1種単独で、又は2種以上組合わせて使用出来る。
本発明の(A)成分、(B)成分、(C)成分で使用されるa1成分である芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α―メチルスチレン、o―メチルスチレン、p―メチルスチレン、ビニルトルエン、メチルーα―メチルスチレン、臭素化スチレン、ヒドロキシスチレン等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上組合わせて使用出来る。これらのうち、スチレン、α―メチルスチレンが好ましい。
本発明の(A)成分、(B)成分、(C)成分で使用されるa2成分は、芳香族ビニル化合物と、ビニルシアン化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びマレイミド化合物から選ばれた少なくとも1種からなる単量体である。
芳香族ビニル化合物としては、上記記載の通りである。
ビニルシアン化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等があり、これらは1種単独で、又2種以上組み合わせて使用出来る。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等があり、これらは単独で、また2種以上組合わせて使用出来る。
マレイミド化合物としては、マレイミド、N―メチルマレイミド、N―フェニルマレイミド、N―シクロヘキシルマレイミド等があり、これらは単独で、また2種以上組み合わせて使用出来る。又、このマレイミド化合物共重合体は、無水マレイン酸を共重合させ、後イミド化する方法で導入しても良い。
本発明のC成分で使用されるa3成分は、エポキシ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物及び酸無水物基含有不飽和化合物から選ばれた少なくとも1種の単量体である。
エポキシ基含有不飽和化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル等の不飽和有機酸のグリシジルエステル類、アリルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、2−メチルグリシジルメタクリレート等があり、これらは、単独で、または2種以上併用して用いることが出来る。好ましいものはアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルである。
不飽和酸としては、α、β―不飽和カルボン酸等が挙げられる。具体例として、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上併用して用いることが出来る。好ましいものは、アクリル酸、メタクリル酸である。
酸無水物基含有不飽和化合物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等があり、これらは単独で、または2種以上併用して用いることが出来る。
上記エポキシ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、及び無水マレイン酸含有不飽和化合物は、単独で、または2種以上併用して用いることが出来る(以下、これらの単量体を「官能基含有ビニル単量体」という)。好ましくは、エポキシ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物であり、より好ましいものは、エポキシ基含有不飽和化合物である。この化合物を使用すると本発明の目的効果が1段と優れる。
本発明の(A)成分は、ゴム質重合体の存在下に下記a1成分又は下記a2成分を重合して得られるゴム強化スチレン系樹脂である。
本発明の(A)成分中の上記ゴム質重合体使用量は、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは3〜75重量%、さらに好ましくは5〜65重量%、特に好ましくは10〜50重量%である。
一方、(A)成分中のa1成分またはa2成分等の単量体成分使用量は、好ましくは20〜99重量%、より好ましくは25〜97重量%、さらに好ましくは35〜95重量%、特に好ましくは、50〜90重量%である。(但し、ゴム質重合体使用量と単量体成分使用量の合計は100重量%である)
ゴム質重合体使用量が少ないと耐衝撃性が劣り、一方多くなると、成形品の表面光沢、剛性等が劣る。
本発明の(A)成分のa1成分またはa2成分からなる単量体成分中の芳香族ビニル化合物の使用量は、好ましくは5〜100重量%、より好ましくは30〜95重量%、さらに好ましくは40〜90重量%、特に好ましくは45〜85重量%である。一方、ビニルシアン化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びマレイミド化合物から選ばれた少なくとも1種からなる単量体の使用量は、好ましくは0〜95重量%、より好ましくは5〜70重量%、さらにに好ましくは10〜60重量%、特に好ましくは15〜55重量%である。(前者の使用量と後者の使用量の合計は100重量%である)
好ましい単量体の組み合わせは、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸メチル、スチレン/メタクリル酸メチル、スチレン/N−フェニルマレイミド、スチレン/アクリロニトリル/N―フェニルマレイミドである。
(A)成分は、公知の重合法である乳化重合、塊状重合、溶液重合、懸濁重合及びこれらを組み合わせた重合法で重合することが出来る。
各単量体成分の添加方法としては、ゴム質重合体の全量の存在下に単量体を一括添加し重合してもよく、分割もしくは連続添加して重合してもよい。またこれらを組合わせて方法で重合してもよい。更に、ゴム質重合体の全量または一部を重合途中で添加して重合してもよい。
乳化重合で使用される、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤、水等は、公知のものが使用出来る。
重合開始剤としは、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、過硫酸カリウム、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t―ブチルパーオキシラウレート、t―ブチルパーオキシモノカーボネート等が挙げられる。又重合開始助剤として、含糖ピロリン酸・鉄処方、スルホキシレート処方等のレドックス系を用いることが出来る。
連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、n―ドデシルメルカプタン、t―ドデシルメルカプタン、n―ヘキシルメルカプタン、テトラエチルチウラムスルフィド、アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコール等が挙げられる。
乳化剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸金属塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族スルホン酸塩、高級脂肪族カルボン酸塩、ロジン酸塩、燐酸円等のアニオン系界面活性剤、さらには、公知のノニオン系界面活性剤等がある。乳化重合では、通常、凝固剤により凝固して粉末を水洗後、乾燥することによって、目的の重合体粉末が得られる。この際の凝固剤としては、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等の無機塩、または硫酸、塩酸、酢酸、クエン酸等の酸を用いることが出来る。
(A)成分のゴム質重合体として、乳化重合で得たゴム質重合体を使用する場合、ゴム質重合体中のゲル含率は、通常、98重量%以下であり、30〜98重量%であることが好ましく、より好ましくは40〜95重量%、さらに好ましくは50〜90重量%である。ゲル含率が30〜98重量%において、特に優れた難燃性、耐衝撃性、及び成形品表面外観を有する成形品を与える難燃性樹脂組成物を得ことが出来る。
尚、上記ゲル含率は、トルエン100mlにゴム質重合体1gを投入し、室温で48時間静置したのち、100メッシュ金網(重量W1)で濾過してトルエン不溶分と金網を80℃で6時間真空乾燥して秤量(重量W2)し、次式により算出される値である。
ゲル含率(%)=[{W2(g)―W1(g)}/1(g)]×100
ゲル含率は、ゴム質重合体の製造時に、分子量調整剤の種類、量、重合時間、重合温度、重合転化率などを適宜設定することにより調整することが出来る。
溶液重合において用いられる溶媒は、通常のラジカル重合で使用される不活性重合溶媒であり、例えば、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、ジクロルメチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N―メチルピロリドン等が挙げられる。
重合温度は、80℃〜140℃の範囲が好ましい。
溶液重合に際し、重合開始剤を使用せずに熱重合で重合することも、又重合開始剤を用いて重合してもよい。ここで使用される重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ハイドロパーポキサイド等の有機過酸化物が好ましく用いられる。連鎖移動剤としては、例えば、メルカプタン類、α―メチルスチレンダイマー、ターピノーレン類等が用いられる。
溶液重合で使用される上記の重合開始剤、連鎖移動剤等は、塊状重合、懸濁重合でも好ましく用いられる。
本発明の(A)成分中に分散するゴム質重合体の平均粒子径は、500〜30000Åの範囲にあることが好ましく。よりに好ましくは1000〜20000Å、さらに好ましくは1500〜8000Åである。
本発明の(A)成分のグラフト率は、好ましくは20〜200重量%、よりに好ましくは30〜150重量%、さらに好ましくは40〜120重量%である。このグラフト率(%)は、次式により求められる。
グラフト率(重量%)={(T−S)/S}×100
上記式中、Tはアセトン20mlに(A)成分1gを投入し、振とう機により2時間振とうした後、遠心分離機(回転数;23000rpm)で60分遠心分離し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分の重量(g)であり、Sは(A)成分1(g)に含まれるゴム質重合体の重量(g)である。
本発明の(B)成分は、上記a1成分又は上記a2成分を重合して得られるスチレン系樹脂である。B成分は、公知の重合法である乳化重合、溶液重合、塊状重合、懸濁重合で製造することが出来る。この重合法で用いられ試薬等については、(A)成分で記載したものが全て使用出来る。
本発明の(A)成分、(B)成分のアセトン可溶分の極限粘度[η](溶媒としてメチルエチルケトンを使用し、30℃で測定)は、0.2〜1.2dl/gが好ましく、更に好ましくは0.3〜0.8dl/gである。
本発明の(A)成分は、本発明の(A)+(B)+(C)+(D)成分の合計100重量%中、0〜99重量%、好ましくは5〜95重量%、 より好ましくは10〜85重量%、さらに好ましくは10〜55重量%である。99重量%を超えると難燃性及び成形品表面外観が劣る。
本発明の(B)成分は、本発明の(A)+(B)+(C)+(D)成分の合計100重量%中、0〜99重量%、好ましくは5〜95重量%、 より好ましくは10〜85重量%、さらに好ましくは10〜55重量%である。99重量%を超えると難燃性及び成形品表面外観が劣る。
本発明の(C)成分は、ゴム質重合体の存在下または非存在下に上記a1成分と上記a3成分、又は上記a2成分と上記a3成分を重合して得られる変性(ゴム強化)スチレン系樹脂である。本発明の(C)成分において、ゴム質重合体を使用する場合、(C)成分中のゴム質重合体使用量は、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは10〜75重量%である。 一方、(C)成分中のa1成分とa3成分またはa2成分とa3成分等の単量体成分の使用量は、好ましくは20〜99重量%、より好ましくは25〜90重量%である。(但し、ゴム質重合体使用量と単量体成分使用量の合計は100重量%である)
ゴム質重合体使用量が少ないと耐衝撃性が劣り、一方多くなると、成形品の表面光沢、剛性等が劣る。
本発明の(C)成分におけるa1成分とa3成分またはa2成分とa3成分等の単量体成分として好ましくは、芳香族ビニル化合物/ビニルシアン化合物/(メタ)アクリル酸アルキルエステル/官能基含有不飽和化合物=35〜94.9/5〜39.9/0〜59.9/0.1〜25重量%であり、より好ましくは50〜89/10〜30/0〜39/1〜20重量%である。
本発明の難燃性樹脂組成物を溶融混練りすることで、(C)成分に(共)重合されている官能基含有不飽和化合物の官能基と(D)成分の水酸基が反応(1部または全部)することにより、(A)、(B)、(C)成分中への(D)成分の分散性を向上させ、更に(F)成分の分散性を向上させる。このことで、本発明の難燃性樹脂組成物の難燃性、耐衝撃性及び成形品表面外観が改善される。
本発明の(C)成分は、公知の重合法である乳化重合、溶液重合、塊状重合、懸濁重合等で重合することが出来る。ここで使用される各種試薬は、前記したものが全て使用出来る。
更に、本発明の(C)成分の使用において、好ましくは、(A)成分及び/又は(B)成分からなる成分の一部または全部がラテックス状である成分(L1)であり、(C)成分の一部または全部がラテックス状である成分(L2)であり、そして成分(L1)と成分(L2)とをラテックスブレンドした後に回収されたものを使用することである。ラテックス状態で混合することにより、共重合した特定の官能基含有不飽和化合物がより均一に分散されことにより、本発明の難燃性樹脂組成物の難燃性、耐衝撃性及び成形品表面外観がより優れたものになる。
その混合比率は、成分(L2)の固形分/成分(L1)の固形分=5〜95/5〜95重量%であることが好ましく、より好ましくは15〜70/30〜85重量%、さらにに好ましくは20〜60/40〜80重量%である。[但し、成分(L1)と成分(L2)の合計は100重量%である]
成分(L2)の混合比率が5重量%未満で成分(L1)の混合比率が95重量%を超えると耐衝撃性及び難燃性が劣り、成分(L2)成分の混合比率が95重量%を超え、成分(L2)の混合比率が5重量%未満では、成形品表面外観及び難燃性が劣る。上記重合体の混合ラテックスから混合物成分を回収する方法は、前記した凝固剤を用いて回収する方法が好ましい。成分(L1)量は、(A)成分または(B)成分の70重量%(固形分)以下が好ましい。成分(L2)量は、(C)成分の70重量%(固形分)以上が好ましい。
本発明の上記(C)成分に使用されるゴム質重合体のゲル含率、グラフト率、及びアセトン可溶分の固有粘度等は、(A)成分と同じ範囲のものが好ましく用いられる。
本発明の(C)成分は、発明の(A)+(B)+(C)+(D)成分の合計100重量%中、1〜100重量%、好ましくは3〜100重量%、より好ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは5〜30重量%であり、1重量%未満では、耐衝撃性、難燃性及び成形品表面外観が劣る。
本発明の上記(A)成分、(B)成分、(C)成分の各成分中に最終的に残留する未反応の単量体量は、好ましくは10000ppm以下、より好ましくは5000ppm以下である。
本発明の(D)成分は、芳香族ポリカーボネート、ポリアリーレンスルフィド、フェノール樹脂、及びエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種である。
ここで使用される芳香族ポリカーボネート樹脂としては、種々のヒドロキシアリール化合物とホスゲンとの界面重縮合によって得られたもの、またはジヒドロキシアリール化合物とジフェニルカーボネート等のカーボネート化合物とのエステル交換反応(溶融重縮合)によって得られるもの等、公知の重合法によって得られたものが全て使用出来る。芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるジヒドロキシアリール化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1―ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシー3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシー3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシー3,5―ジクロロフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1.1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4′―ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4′―ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4′―ジヒドロキシー3,3′―ジメチルジフェニルエーテル、4,4′―ジヒドロキシフェニルスルフィド、4,4′―ジヒドロキシー3,3′―ジメチルフェニルスルホキシド、4,4′―ジヒドロキシフェニルスルホン、4,4′―ジヒドロキシー3,3′―ジメチルジフェニルスルホン、ヒドロキノン、レゾルシン等、更に、ヒドロキシアリールオキシ末端化されたポリジオルガノシロキサン(例えば、米国特許第3,419,6345号参照)等があり、これらは1種単独で、または2種以上組合わせて使用される。好ましいものは、2,2−ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)である。
上記芳香族ポリカーボネート樹脂は、上記原料より得られた各種ポリカーボネートを1種単独で、または2種以上組合わせた用いることが出来る。
本発明で使用される上記芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、10000〜40000が好ましく、より好ましくは17000〜31000、さらに好ましくは18000〜30000である。又、粘度平均分子量の異なる芳香族ポリカーボネート樹脂を併用することも出来る。尚、芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、通常、塩化メチレンを溶媒とし、20℃、濃度[0.7g/100ml(塩化メチレン)]で測定した比粘度(ηsp)を次式に挿入して算出することができる。
粘度平均分子量=([η]×8130)1.205
(式中、[η]=〔(ηsp×1.12+1)1/2―1〕/0.56Cである。尚、Cは濃度を示す。)
本発明で使用される芳香族ポリカーボネート樹脂において、界面重縮合で得られたものは、各種塩素化合物を含む場合がある。この塩素化合物は、本発明の難燃性樹脂組成物の熱安定性に悪影響する場合があるため、芳香族ポリカーボネート樹脂の塩素化合物含有量は、塩素原子として300ppm以下でありことが好ましく、よりに好ましくは、100ppm以下である。
本発明で使用されるポリアリーレンスルフィドは、本質的にスルフィド基により相互に結合されたアリーレン基からなる重合体であり、下記一般式で表される。
(―Ar―S―)n
(式中、Arは置換または末端基のアリーレン基、好ましくはフェニル基であり、nは50より大きい数であることが好ましい。)
本発明で使用されるポリアリーレンスルフィドは、直鎖状、分岐鎖状または交叉結合されているものであってもよい。
ポリアリーレンスルフィドの好ましい出発化合物及び製造方法は、例えば、米国特許第3,354,129号明細書、及び同第3,919,177号明細書に記載されている。その製造において、ポリハロゲン化された芳香族化合物を極性溶媒中で触媒存在下にて含硫黄化合物と反応させて得られる。
好適なポリハロゲン化芳香族化合物には、例えば、1,2−ジクロロベンゼン、1,3―ジクロロベンゼン、1,4―ジクロロベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、1,4−ジブロモベンゼン、2、5−ジブロモアニリン及びその混合物である。分岐鎖状のポリアリーレンスルフィドを製造する場合、ポリハロゲン化芳香族化合物の少なくとも0.05モル%は、芳香族トリハロゲンまたはテトラハロゲン化合物、例えば、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼンまたは1,2,4,5―テトラクロロベンゼンであることが好ましい。
好適な含硫黄化合物は、アルカリ金属硫化物、例えば硫化ナトリウム、及びカリウムがある。これらのアルカリ金属硫化物の水和物が特に好ましい。また、
アルカリ金属硫化物は、アルカリ水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウムを用いて硫化水素から生成出来る。
好適な極性溶媒には、例えば、N―メチルピロリドン、N―エチルピロリドン、N―メチルカプロラクタム、N―エチルカプロラクタム及び1,3−ジメチルイミダゾリンがある。又適当な触媒として、例えばアルカリフッ化物、アルカリリン酸塩またはアルカリカルボン酸塩の如き物質が挙げられ、アルカリ金属硫化物1モル当たり0.02〜1.0モルの量で用いることが好ましい。
本発明のフェノール系樹脂は、フェノール性水酸基を複数有する重合体であれば任意であり、例えばノボラック型、レゾール型及び熱反応型の樹脂、あるいはこれらを変性した樹脂が挙げられる。
上記フェノール系樹脂は特に限定するものではなく、市販されているもの等が用いられる。例えば、ノボラック型フェノール樹脂の場合、フェノール類とアルデヒド類のモル比を1:0.7〜1:0.9となるような比率で反応槽に仕込み、更にシュウ酸、塩酸、硫酸、トルエンスルホン酸等の触媒を加えた後、加熱し、所定の時間環流反応を行う。生成した水を除去するため真空脱水あるいは静置脱水し、更に残っている水と未反応のフェノール類を除去する方法により得ることが出来る。
またレゾール型フェノール樹脂の場合、フェノール類とアルデヒド類のモル比を1:1〜1:2となるような比率で反応槽に仕込み、水酸化ナトリウム、アンモニア水、その他の塩基性物質などの触媒を加えたのち、ノボラック型フェノール樹脂と同様の反応および処理をして得ることが出来る。
ここで、フェノール類とは、フェノール、o―クレゾール、m―クレゾール、p―クレゾール、チモール、p―tert―ブチルフェノール、tert―ブチルカテコール、カテコール、イソオイゲノール、o―メトキシフェノール、4,4′―ジヒドロキシフェニルー2,2−プロパン、サルチル酸イソアミル、サルチル酸ベンジル、サルチル酸メチル、2,6−ジーtert―ブチルーp―クレゾール等が挙げられる。これらのフェノール類は、一種または二種以上用いることが出来る。一方、アルデヒド類とはホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ポリオキシメチレン、トリオキサン等が挙げられる。これらのアルデヒド類は必要に応じて一種または二種以上用いることが出来る。
また、本発明に用いるフェノール系樹脂は、フェノール類以外の化合物により一部反応あるいは架橋していても良い。このような化合物としては、エポキシ化合物、メラミン類、尿素類、ベンゾグアナミン類、アセトグアナミン類、キシレン、フラン類等が挙げられ、これらの混合物であっても良い。
フェノール系樹脂の分子量は特に限定されないが、好ましくは数平均で300〜20000であり、より好ましくは500〜5000、さらに好ましくは500〜2000の範囲のものであり、軟化点が60℃以上のものが好ましく、より好ましくは80℃〜200℃、さらに好ましくは100℃〜150℃のものである。尚、フェノール系樹脂は、テトラヒドロフラン溶液、フェノール樹脂分子量標準試料を使用し、ゲルパーミエーション法で測定出来る。
本発明で使用されるエポキシ樹脂としては、エポキシ基を分子内に少なくとの1個以上、好ましくは2個以上含むものであり、例えばビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、レゾルシノール、ジヒドロナフタレン、ジシクロペンタジエンジフェノール等のジグリシジルエーテル、エポキシ化フェノールノボラック、エポキシ化クレゾールノボラック、エポキシ化トリスフェニロールメタン、エポキシ化テトラフェニロールエタン等の脂環式エポキシ樹脂、あるいはビスフェノール型エポキシ樹脂あるいはノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。又エポキシ樹脂の使用にあたり、公知の硬化剤、例えば
3,3′5,5′―テトラメチルー4,4′―ジアミノジフェニルメタン、4,4′―ジアミノジフェニルスルホン等を使用することが出来る。又硬化剤の使用に際し、公知の硬化促進剤、例えば三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体等を用いることも出来る。
本発明の(D)成分は、1種単独で、又2種以上併用して用いることが出来る。
本発明の(D)成分の使用量は、本発明の(A)成分+(B)成分+(C)成分+(D)成分の合計100重量%中、0〜99重量%、好ましくは2〜92重量%、より好ましくは10〜85重量%、さらに好ましくは40〜85重量%である。その使用量が99重量%を超えると難燃性、耐衝撃性及び成形品表面外観が劣る。
本発明の(E)成分は、分子中に少なくとも1個の水酸基を有する有機リン化合物であり、好ましくは芳香族に置換した水酸基を有する化合物である。
好ましい化合物は、下記一般式(1)で表されるものである。
【化1】
(R1及びR2は置換されていてもよい直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、該アルキル基中の1つあるいは2つ以上のメチレン基はーCH=CH―によって置き換えられていてもよく、R1とR2は同一な基であっても異なる基であってもよく、またR1とR2はPを含んであるいはPを含まないで環状物を形成していてもよい。Xは酸素原子または硫黄原子を示す。Y、Zは水素原子、水酸基、直鎖状または分岐状のアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリル基、アリール基またはシアノ基を示し、該アルキル基中の1つあるいは2つ以上のメチレン基はーCH=CH=によって置き換えられていてもよく、YとZは同一な基であっても異なる基であってもよく、YとZは環状物を形成していても良い。nは1または2である。)
好ましい具体例は、1,4−シクロオクチレンホスホニルー1,4―ハイドロキノン、1,4―シクロオクチレンホスホニルーヒドロキシフェニル、1,5−シクロオクチレンホスホニルー1,4−ハイドロキノン、1,5−シクロオクチレンホスホニルーヒドロキシフェニル等がある。
他の好ましい化合物は、下記一般式(2)、(3)で示されるものである。
【化2】
(式中R3,R4は有機基であり、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、シクロアルキル基等の炭化水素基、またはハロゲン原子である。m及びm′は0〜4の整数を示し、m又はm′が2〜4の整数の場合にはR3及びR4はそれぞれ同一または異なってもよい。又n′は1又は2である。)
好ましい具体例としては、10−(2,5―ジヒドロキシフェニル)―10H―9―オキサー10―ホスファフェナントレンー10―オキシド、10−ヒドロキシフェニル―10H―9−オキサー10―ホスファフェナントレンー10−オキシド
【化3】
(式中、Z、Z′は0〜4の整数、R5、R6は有機基であり、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、シクロアルキル基等の炭化水素基、またはハロゲン原子である。n“は、1又は2である。)
好ましい具体例としては、2−(ジフェニルホスフィニル)ハイドロキノン、ジフェニルホスフィニルーヒドロフェニル等がある。
上記本発明の(E)成分は、難燃性の面から上記一般式(1)で示したものが好ましい。
本発明の(E)成分は、本発明の(A)+(B)+(C)+(D)成分の合計100重量部に対して0.1〜30重量部含有される。好ましくは、0.5〜25重量部、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは3〜20重量部である。0.1重量部未満では難燃性が劣り、30重量部を超えると耐衝撃性及び成形品表面外観が劣る。
本発明の(F)成分であるリン酸エステル化合物としては、下記一般式(4)で表されるものが使用出来る。(F)成分は、分子中に水酸基を有しない点で(E)成分とはとは異なる。
【化4】
(式中、R7、R8、R9、R10は、アルキル基、フェニル基またはキシリル基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。Xは2価のレゾルシノール残基、ハイドロキノン残基またはビスフェノールA残基である。yは平均置で0〜5の数である。)
本発明の(F)成分は、(A)+(B)+(C)+(D)成分の合計100重量部に対して、0〜30重量部、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは0.5〜25重量部、更に好ましくは1〜20重量部、特に好ましくは3〜20重量部の範囲で含有することができる。その使用量が0.1重量部以上であると難燃性を向上させる効果が得られ、30重量部を超えると耐衝撃性及び成形品表面外観が劣る。
本発明の(G)成分のシリコーン化合物としては、一般式(5)で示される構造単位、及び一般式(6)で示される繰り返し構造単位を必須成分とし、一般式(7)で示される繰り返し構造単位、一般式(8)で示される繰り返し構造単位を80モル%以下含有するものであり、形状はオイル状、ガム状、ワニス状、粉体状、及びペレット状のものが使用出来る。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
(式中R10〜15は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数1〜14の置換アルキル基、炭素数1〜14のアルコキシ基、アリール基、アルキル置換及び/またはアルキレン置換アリール基、水素、(メタ)アクリル基から選ばれた少なくとも1種である。好ましくは、R10〜15のうち5モル%以上がフェニル基等のアリール基であることが好ましく、更に好ましくは10モル%以上、80モル%未満、特に好ましくは30モル%以上、80モル%未満である。又(メタ)アクリル基を含有していることが、難燃性から好ましい。
本発明で使用されるシリコーン化合物は、前記一般式(5)、(6)及び(7)からなる分岐状のものが好ましい。
又、シリコーン化合物の側鎖、両末端、片末端、側鎖末端がアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、フェノール基等で変性されたものを用いることも出来る。
尚、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることが出来、置換アルキル基としては、トリフルオロプロピル基等を挙げることが出来る。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることが出来る。
これらのシリコーン化合物は、1種単独で、または2種以上併用して用いることが出来る。
本発明で使用されるシリコーン化合物の重量平均分子量は、特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定したポリスチレン換算置で300〜1000000の範囲のものが通常使用される。
本発明のシリコーン化合物は、一般的な製造方法により製造されるが、製造方法を例示すると、上記一般式(6)を構成する単位、または一般式(6)を構成する単位と一般式(7)及び/または一般式(8)構成する単位の割合に応じた割合でオルガノハロシロキサンを水中で共加水分解し、得られた加水分解生成物を縮合反応させた後、アルカリ金属水酸化物触媒により平衡化反応させることにより脱水し製造することが出来る。例えば、特開平5−247212号公報等に記載されている方法等で製造することが出来る。
本発明の(G)成分は、本発明の(A)+(B)+(C)+(D)成分の合計100重量部に対して、0〜30重量部の範囲で含有することが出来る。好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは0.1〜20重量部、更に好ましくは1〜15重量部、特に好ましくは3〜10重量部である。0.1重量部以上であると、難燃性を向上させる効果が得られ、30重量超えると耐衝撃性及び成形品表面外観が劣る。
本発明の難燃性樹脂組成物には、難燃性を向上させる目的からフッ素樹脂粉末、金属酸化物、有機酸または有機酸エステルまたはこれらの金属塩化合物を配合することが出来る。
ここで使用されるフッ素樹脂粉末は、フッ化エチレン(エチレンの水素原子が1個以上のフッ素原子で置換された単量体の重合体)であり、具体例として、ポリモノフルオロエチレン、ポリジフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン/フルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニルデン等があり、好ましい重量平均分子量は、通常50万以上、より好ましくは100万以上であり、好ましい平均粒子径は、10〜600μmであり、ポリエチレンワックス、有機酸、有機酸金属塩等で分散性を向上したものを使用することも出来る。、本発明の難燃性樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは0.01〜2重量部の範囲で使用することが出来る。
金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化銅等があり、本発明の難燃性樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部の範囲で使用することが出来る。
有機酸または有機酸エステルまたはこれらの金属塩化合物において、有機酸としては、有機スルホン酸、有機カルボン酸等があり、有機酸エステルとしては有機リン酸エステル等がある。又金属塩化合物に使用される金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、亜鉛、バリウム、鉛等がある。これらの化合物は、本発明の難燃性樹脂組成物100重量部に対して好ましくは0.001〜5重量部の範囲で使用することが出来る。
本発明の難燃性樹脂組成物には、公知の無機充填材を配合することが出来る。ここで使用される無機充填材としては、ガラス繊維、カラスパウダー、ガラスビーズ、中空ガラス、炭素繊維、炭素繊維パウダー、タルク、ワラストナイト、マイカ、カオリン、モンモリロナイト、ヘクトライト、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、板状アルミナ及び有機処理されたスメクタイト等があり、これらは2種単独で、また2種以上併用して用いることが出来る。又上記無機充填材の分散性を向上させる目的から、公知のカップリング剤で表面処理したものを用いることが出来る。公知のカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等がある。上記無機充填材は、本発明の難燃性樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは1〜150重量部の範囲で使用することが出来る。
又本発明の難燃性樹脂組成物には、公知の耐候(光)剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤、染料、抗菌剤、カップリング剤等を配合することが出来る。
又他の公知の重合体を配合することが出来、これらには、ポリアミド樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンエーテル、POM、液晶ポリマー、熱可塑性ポリウレタン等がある。
本発明の難燃性樹脂組成物は、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、フィーダールーダー、連続ニーダー等により、各成分を混練することにより調製することが出来る。好ましい製造法は、押出機(好ましくは二軸押出機)またはバンバリーミキサーを用いる方法である。
更に、各々の成分を混練するに際して、それらの成分を一括して混練してもよく、多段、分割配合して混練してもよい。又バンバリーミキサー、ニーダー等で混練したあと、押出機等により更に分割添加、混練、脱気等を行いペレット化することも出来る。
このようにして調製された本発明の難燃性樹脂組成物は、射出成形、プレス成形、シート押出成形、真空成形、異形押出成形、発泡成形等の公知の成形法により、成形品を得ることが出来る。これらの成形法で得られた成形品としては、下記のものが例示される。
各種ギア、各種ケース、センサー、LEPランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリン配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシー、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、
コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品。
VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、などに代表される家庭・事務電気製品部品。
オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリー関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具関連部品。
便座、タンクカバー、ケーシング、台所回りの部品、洗面台関連部品、浴室関連パーツ等のサニタリー関連部品。
窓枠、家具、床材、壁材等の住宅、住設関連部品。
顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機器関連部品。
オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気各種バルブ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウオーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、ディストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイパーハーネス、ウインドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローラー、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース。 パソコン、プリンター、ディスプレイ、CRTディスプレイ、ノートパソコン、携帯電話、PHS、DVDドライブ、PDドライブ、フロッピーディスクドライブなどの記憶装置のハウジング、シャーシー、リレー、スイッチ、ケース部材、トランス部材、コイルボビンなどの電気・電子機器部品、自動車部品、その他各種用途。
【0006】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら制約されるものではない。尚、実施例中、部及び%は、特に断らない限り重量基準である。又、実施例中の各種評価は、次のようにして測定したものである。
(1)評価方法
(1−1) 難燃性
UL94V試験に準拠して、試験片厚み1.4mmで試験した。尚、表中BNは、バーニングを示す。
(1−2)耐衝撃性
ISO試験法179に準拠して、ノッチ付きシャルピー衝撃強さ(KJ/m2)を測定した。
(1−3)成形品表面外観
平板を成形し、成形品表面外観を下記評価基準で目視評価した。
○;外観良好
×;外観が劣る
(1−4)ゴム質重合体の平均粒径
ゴム質重合体分散粒子の平均粒子径は、予め乳化重合で合成したラテックス粒子径がそのまま樹脂中の分散粒子の粒子径を示すことを電子顕微鏡で 確認している。
ラテックス中の分散粒子の粒子径を光散乱法で測定した。測定機器は、大塚電子社製LPA―3100を使用し、70回積算でキュムラント法を用 いて、粒子径を測定した。
(1−5)(A)成分及び(C)成分のグラフト率
本文記載の方法で行った。
(1−6)(A)成分、(B)成分及び(C)成分のアセトン可溶部の極限粘度〕
本文記載の方法で測定した。
(2)難燃性樹脂組成物の成分
(2−1)ゴム変性スチレン系樹脂A1
製造例A1
攪拌機を備えた内容積80Lのオートクレーブに、窒素気流中で、イオン交換水140部、ロジン酸カリウム0.5部、t―ドデシルメルカプタン0.1部、ポリブタジエンラテックス(平均粒子径;3500Å、ゲル含率85%)40部(固形分)、スチレン15部、アクリロニトリル5部を加え、攪拌しながら昇温した。内温が45℃に達した時点で、ピロリン酸ナトリウム0.2部、硫酸第一鉄7水和物0.01部及びブドウ糖0.2部をイオン交換水20部に溶解した溶液を加えた。その後、クメンハイドロパーオキサイド0.07部を加え重合反応を開始した。1時間後、更にイオン交換水50部、ロジン酸カリウム0.7部、スチレン30部、アクリロニトリル10部、t―ドデシルメルカプタン0.05部及びクメンハイドロパーオキサイド0.01部を3時間かけて連続的に添加し、更に1時間重合を継続させた。2,2′―メチレンービス(4−エチレンー6−t―ブチルフェノール)0.2部を添加し重合を完結した。反応生成物のラテックスを硫酸水溶液で凝固、水洗した後、乾燥してゴム変性スチレン系樹脂A1を得た。このもののグラフト率は69%、アセトン可溶部の極限粘度〔η〕は、0.45dl/gであった。
(2−2)アクリロニトリル/スチレン共重合体B1
製造例B1
内容積30Lのリボン翼を備え付けたジャケット付き重合反応容器を2基連結し、窒素置換した後、1基目の反応容器にスチレン75部、アクリロニトリル25部、トルエン20部を連続的に添加した。t―ドデシルメルカプタン0.1部及びトルエン5部からなる溶液を、又重合開始剤として1,1′―アゾビス(シクロヘキサンー1−カーボニトリル)0.1部及びトルエン5部からなる溶液を連続的に供給した。1基目の重合温度は110℃にコントロールし、平均滞留時間2.0時間、重合転化率60%であった。得られた重合体溶液は、1基目の反応容器の外部に設けられたポンプにより、供給量と同量を連続的に取り出し、2基目の反応容器に供給した。2基目の反応容器の重合温度は130℃、平均滞留時間2.0時間、重合転化率80%であった。2基目の反応容器で得られた共重合体溶液は、2軸3段ベント付き押出機を用いて、直接未反応単量体と溶剤を脱揮し、アクリロニトリル/スチレン共重合体B1を得た。
このものの極限粘度〔η〕は0.48dl/gであった。
(2−3)アクリロニトリル/スチレン共重合体ラテックスLB2
製造例LB2
下記の製造例C1と同じ反応容器を用い、イオン交換水163部、ロジン酸カリウム0.3部を添加し攪拌を開始するとともに昇温した。内温が65℃になった時点で、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.01部、硫酸第一鉄7水和物0.0025部、ソディウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.28部、イオン交換水10部からなる水溶液を添加した。t―ドデシルメルカプタン0.35部、クメンハイドロパーオキサイド0.12部、及びスチレン75部、アクリロニトリル25部からなる混合単量体を6時間かけて連続的に添加し内温を65℃に保ちながら重合反応を行った。単量体添加開始から1時間後にロシン酸カリウム0.4部を添加し、3時間後にエチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.025部、硫酸第一鉄7水和物0.006部、ソディウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.07部、イオン交換水2.5部からなる水溶液を添加した。6時間後、上記3時間後に添加した重合開始助剤とクメンハイドロパーオキサイド0.05部を添加し、更に2時間攪拌を続けて重合反応を完結した。得られた共重合体ラテックスLB2の重合体含率は35%、極限粘度〔η〕は0.36dl/gであった。
(2−4)エポキシ変性スチレン系樹脂ラテックスLC1
製造例LC1
攪拌機を備えた内容積7Lのガラス製フラスコに、窒素気流中で、イオン交換水155部、ポリブタジエンラテックス(平均粒子径2700Å、ゲル含率92%)70部(固形分)を添加し、攪拌を開始した。内温が65℃になるまで昇温し、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.008部、硫酸第一鉄7水和物0.002部、ソディウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.2部、イオン交換水15部からなる水容液を添加したのち、クメンハイドロパーオキサイド0.05部及びスチレン20部、アクリロニトリル6部、グリシジルメタクリレート4部、ロジン酸カリウム0.1部、イオン交換水30部からなる乳濁液を4時間かけて連続的に添加し重合反応を行った。その間内温は、65℃に保った。更に2時間攪拌を続けた後冷却し、2,2′―メチレンービス(4−エチレンー6−t―ブチルフェノール)0.2部を添加し重合を完結し、樹脂ラテックスC1を得た。樹脂ラテックスの樹脂含率は33%、グラフト率32%及びアセトン可溶部の極限粘度〔η〕0.35dl/gであった。
(2−5)エポキシ変性スチレン系樹脂ラテックスLC2
製造例LC2
製造例C1の重合条件で、ポリブタジエンラテックス40部(固形分)、スチレン40部、アクリロニトリル12部、グリシジルメタクリレート8部に変えた以外は、製造例LC1の条件で重合し、樹脂含率32%、グラフト率64%、極限粘度〔η〕0.41dl/gの樹脂ラテックスLC2を得た。
(2−6)カルボン酸変性スチレン系樹脂ラテックスLC3
製造例LC3
製造例LC1の重合条件で、乳化剤のドデシルベンゼンスルホン酸ソーダに変え、グリシジルメタクリレートをメタクリル酸に変えて重合を行い、樹脂含率33%、グラフト率31%、極限粘度〔η〕0.33dl/gの樹脂ラテックスLC3を得た。
(2−7) ラテックスブレンド品の調製
樹脂ラテックスLC1/共重合体ラテックスLB2、樹脂ラテックスLC2/共重合体ラテックスLB2、及び樹脂ラテックスLC3/共重合体ラテックスB2を表1の配合割合でラテックスブレンドし、塩化カルシウムを用いて凝固、酸洗浄、水洗、脱水、乾燥し、C成分のC4〜C6を得た。
又樹脂ラテックスLC1〜LC3単独品は、上記同様に処理し、C成分のC1〜C3を得た。
【0007】
【表1】
(2−8)(D)成分;樹脂D1
芳香族ポリカーボネート樹脂として、三菱エンジニアリングプラスチックス社製ノバレックス7022PJ(粘度平均分子量22000)を用いた。
(2−9)(D)成分;樹脂D2
ポリフェニレンスルフィドとして、ディーアイシー・イーピー社製AGT―7Gを用いた。
(2−10)(D)成分;樹脂D3
ノボラック型フェノール樹脂として住友ベークライト社製PR−5319(軟化点110℃)を用いた。
(2−11)(E)成分;E1
1,4−シクロオクチレンホスホニルー1,4−ベンゼンジオールと1,5―シクロオクチレンホスホニルー1,4−ベンゼンジオールの混合物として、日本化学工業社製CPHO―HQを用いた。
(2−12)E成分:E2
10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)―10H―9―オキサー10―ホスファフェナントレンー10−オキシドとして、三光社製HCA―HQを用いた。(2−13)(F)成分;F1
縮合りん酸エステル化合物として、旭電化工業社製アデカスタブFP−500を用いた。
(2−14)(G)成分;G1〜G3
シリコーン化合物として、信越化学工業社製の下記のものを用いた。
G1;X−40−9805(メチルフェニル系シリコーンレジン)
G2;KF96H―30万CST(ポリジメチルシロキサン)
G3;KR−511(メチルフェニル系シリコーンオリゴマー)
(3)その他の成分
H1;ポリテトラフルオロエチレンとして、住友スリーエム社製ホスタフロンTF1620を用いた。
H2;酸化チタンとして、石原産業社製微粒子酸化チタンTTO―51(C)を用いた。
(4)実施例1〜15 、比較例1〜3
表2記載の各成分を表2記載の配合割合でヘンシエルミキサーにより混合した後、二軸押出機で溶融混練した(各例の押出温度は、表2に記載した。)。得られたペレットを十分に乾燥した後、射出成形機(成形温度は、表2に記載した。)で評価用試験片を成形した。
上記各成形品を用い、前記方法で、難燃性、耐衝撃性、及び成形品表面外観を評価した。評価結果を表2に記載した。
比較例1は、本発明の(C)成分の使用量が発明の範囲外で少ないものであり、燃焼性、耐衝撃性及び成形品表面外観が劣る。
比較例2は、本発明の(E)成分の使用量が発明の範囲外で少ない例であり、燃焼性が劣る。
比較例3は、本発明の(E)成分が発明の範囲外で多いものであり、耐衝撃性及び成形品表面外観が劣る。
【表2】
【発明の効果】
本発明によれば、特定の官能基で変性されたスチレン系樹脂と水酸基を有する有機リン系化合物を適量配合することで、難燃性、耐種撃性、及び成形品表面外観にすぐれた難燃性樹脂組成物が得られる。
Claims (4)
- (A)ゴム質重合体の存在下に下記a1成分又は下記a2成分を重合して得られるゴム強化スチレン系樹脂0〜99重量%、
a1成分;芳香族ビニル化合物である。
a2成分;芳香族ビニル化合物と、ビニルシアン化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びマレイミド化合物から選ばれた少なくとも1種からなる単量体である。
(B)上記a1成分又は上記a2成分を重合して得られるスチレン系樹脂0〜99重量%、
(C)ゴム質重合体の存在下または非存在下に上記a1成分と下記a3成分、又は上記a2成分と下記a3成分を重合して得られる変性(ゴム強化)スチレン系樹脂1〜100重量%、
a3成分;エポキシ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物及び酸無水物基含有不飽和化合物から選ばれた少なくとも1種の単量体である。
(D)芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種の樹脂0〜99重量%、
上記(A)+(B)+(C)+(D)の合計100重量部(但し、(A)+(B)+(C)+(D)の合計100重量%である)に対して
(E)分子中に水酸基を有する有機リン化合物0.1〜30重量部
を含有してなり、
(A)成分及び/又は(B)成分からなる成分の一部または全部がラテックス状である成分(L1)であり、(C)成分の一部または全部がラテックス状である成分(L2)であり、そして成分(L1)5〜95重量%(固形分)と成分(L2)5〜95重量%(固形分)[但し、成分(L1)と成分(L2)の合計は100重量%である。]とをラテックスブレンドした後に回収されたものを使用することを特徴とする難燃性樹脂組成物。 - 上記(A)+(B)+(C)+(D)成分の合計100重量部に、分子中に水酸基を有しない燐酸エステル化合物(F)を0.1〜30重量部含有してなることを特徴とする請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
- 上記(A)+(B)+(C)+(D)成分の合計100重量部に、シリコーン化合物(G)を0.1〜30重量部含有してなることを特徴とする請求項1、2いずれか1項記載の難燃性樹脂組成物。
- 請求項1〜3いずれか1項記載の難燃性樹脂組成物からなる成形品。
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