JP2004002896A - ハウジング用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Hiroyuki Ito
伊藤 博幸
Takashi Kurata
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Abstract

【課題】難燃性、剛性、成形加工性およびメッキ密着性が共に優れた成形品を与えるハウジング用熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂(A)1〜97重量%、ポリカーボネート(B)1〜97重量%、難燃剤(C)1〜30重量%および無機充填剤(D)1〜30重量%から成り、前記熱可塑性樹脂(A)は、ゴム状重合体(a)0〜90重量%の存在下に、芳香族ビニル、シアン化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、酸無水物およびマレイミドの群から選択される少なくとも1種の単量体(b)100〜10重量%を重合して得られ、前記無機充填剤(D)は、(D1)平均粒径が0.5〜20μmである無機充填剤、(D2)繊維状無機充填剤および(D3)シランカップリング剤で表面処理された無機充填剤から選択される少なくとも1種であることを特徴とするハウジング用熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】    なし

Description

 本発明は、ハウジング用熱可塑性樹脂組成物に関し、詳しくは、難燃性、剛性、メッキ密着性に優れた成形品を与えるハウジング用熱可塑性樹脂組成物に関する。
 ABS樹脂とポリカーボネートとのアロイ材料は、耐熱性、耐衝撃性、成形加工性の優れた材料として知られており、近年、パソコンのハウジング材料、DVD、CD−ROMを搭載するOA機器や家電製品のハウジング材料として使用されている。ハウジングの軽量化および小型化に伴い、薄肉で高剛性のハウジングを形成できる樹脂材料が求められているが、ABS樹脂とポリカーボネートとのアロイだけでは剛性が不十分であるため、ガラス繊維などの無機充填剤がさらに配合される。
 OA機器や家電製品のハウジングに於て、トレーの全面または一部に電磁波シールド性を付与するためのメッキを行うことがある。しかしながら、無機充填剤を配合して剛性を高めたABS樹脂とポリカーボネートとのアロイから成るハウジングに対して、電磁波シールド性を付与するためのメッキを行った場合、テープ剥離によってメッキ層が剥離し易いという問題が生じる。
 また、一般に、メッキ前処理工程におけるエッチング液による処理時間や処理温度にメッキ特性が依存するため、良好なメッキ特性を有する成形品を得るためのエッチング処理条件が限定される。そのため、メッキ製品の不良率の低減および生産性の向上の観点から、エッチング処理時間や処理温度に依存せず、優れたメッキ特性を有し、ハウジングとして好適に使用できるような成形品を与える熱可塑性樹脂組成物の提供が望まれている。
 ウエルド強度、ウエルド外観性、熱安定性、耐薬品性、メッキ性等に優れたABS樹脂とポリカーボネートとのアロイに難燃剤を配合して成り、各種充填剤を添加できる熱可塑性樹脂組成物が知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、この熱可塑性樹脂組成物において、メッキ前処理工程におけるエッチング液による処理時間や処理温度にメッキ特性が依存する問題点については解決されていない。
 また、ABS樹脂とポリカーボネートとのアロイに無機充填剤を配合して成る樹脂組成物から成る成形品において、メッキ特性(耐剥離性)を高めるために、ABS樹脂とポリカーボネートとのアロイに対して、ハロゲン化合物、酸化アンチモンリン酸エステル及びアスペクト比2以上、平均粒子径1〜100μmの鱗片状充填剤を含有させる方法が知られている(例えば特許文献2参照)。この方法では、成形品のメッキ特性は向上するが、上記の熱可塑性樹脂組成物と同様に、メッキ前処理工程におけるエッチング液による処理時間や処理温度にメッキ特性が依存する問題点については解決されていない。
特開平7−173362号公報 特開平8−193157号公報
 本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、上記問題点を解決し、難燃性、剛性、成形加工性およびメッキ密着性が共に優れ、そのメッキ密着性がメッキ前処理工程におけるエッチング処理条件に依存しない成形品を与えるハウジング用熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
 すなわち、本発明の第一の要旨は、熱可塑性樹脂(A)1〜97重量%、ポリカーボネート(B)1〜97重量%、難燃剤(C)1〜30重量%および無機充填剤(D)1〜30重量%を含有し(但し、(A)+(B)+(C)+(D)=100重量%)、前記熱可塑性樹脂(A)は、ゴム状重合体(a)0〜90重量%の存在下に、芳香族ビニル、シアン化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、酸無水物およびマレイミドの群から選ばれた少なくとも1種の単量体(b)100〜10重量%(但し、(a)+(b)=100重量%)を重合して得られたものであり、前記無機充填剤(D)は、下記無機充填剤(D1)〜(D3)から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とするハウジング用熱可塑性樹脂組成物に存する。
(D1):平均粒径が0.5〜20μmである無機充填剤
(D2):繊維状無機充填剤
(D3):シランカップリング剤で表面処理された無機充填剤
 そして、本発明の第二の要旨は、熱可塑性樹脂(A)1〜97重量%、ポリカーボネート(B)1〜97重量%、難燃剤(C)1〜30重量%、無機充填剤(D′)1〜30重量%から成る樹脂組成物100重量部(但し、(A)+(B)+(C)+(D′)=100重量%)に対して重合体(E)を0.5〜20重量部含有し、前記熱可塑性樹脂(A)は、ゴム状重合体(a)0〜90重量%の存在下に、芳香族ビニル、シアン化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、酸無水物およびマレイミドの群から選ばれた少なくとも1種の単量体(b)100〜10重量%(但し、(a)+(b)=100重量%)を重合して得られたものであり、前記重合体(E)は、下記重合体(E1)〜重合体(E3)から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とするハウジング用熱可塑性樹脂組成物に存する。
(E1):変性ポリオルガノシロキサン(e)の存在下に芳香族ビニル、シアン
 化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、酸無水物およびマレイミドの群から
 選ばれた少なくとも1種の単量体(b)を重合して得られる重合体
(E2):平均粒径が0.1〜80μmであるポリテトラフルオロエチレン
(E3):非極性のα−オレフィン(共)重合体とビニル(共)重合体とを含有     する重合体
 以下、本発明を詳細に説明する。前記第一の要旨に係る本発明(以下、第1発明と言う)は、熱可塑性樹脂(A)、ポリカーボネート(B)、難燃剤(C)及び無機充填剤(D)から成り、第二の要旨に係る発明(以下、第2発明と言う)は、熱可塑性樹脂(A)、ポリカーボネート(B)、難燃剤(C)、無機充填剤(D′)及び重合体(E)から成る。従って、本願各発明のハウジング用組成物は、使用成分の大部分において重複または類似するため、説明の便宜上、各発明の使用成分について先ず説明する。
 第1発明および第2の発明における熱可塑性樹脂(A)は、ゴム状重合体(a)0〜90重量%の存在下に、芳香族ビニル、シアン化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、酸無水物およびマレイミドの群から選ばれた少なくとも1種の単量体(b)100〜10重量%(但し、(a)+(b)=100重量%)を重合して得られる。
 ゴム状重合体(a)としては、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、エチレン−プロピレン−(非共役ジエン)共重合体、エチレン−ブテン−1−(非共役ジエン)共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリルゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブテン−スチレン共重合体(SEBS)等の水素添加ジエン系(ブロック、ランダム及びホモ)重量体、ポリウレタンゴム等が挙げられるが、これらの中では、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−(非共役ジエン)共重合体、水素添加ジエン系重合体が好ましい。
 この場合、ゴム状重合体(a)は、組成が異なる2種以上および/または粒径が異なる2種以上のゴム状重合体から成っていてもよい。ゴム状重合体(a)として、その異なる粒径のゴム状重合体を混合して使用することにより、耐衝撃性および物性バランスが更に優れた本発明の熱可塑性樹脂組成物を得ることが出来る。上記のゴム状重合体としては、800〜1800Åのゴム状重合体と1800〜4800Åのゴム状重合体の組み合わせが好ましい。
 前記の芳香族ビニルとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、メチル−α−メチルスチレン、臭素化スチレン等が挙げられるが、これらの中では、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンが好ましい。
 前記のシアン化ビニルとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられるが、これらの中では、アクリロニトリルが好ましい。
 前記の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルが挙げられるが、これらの中では、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルが好ましい。
 前記の酸無水物としては、無水マレイン酸が好ましい。
 前記のマイレミドとしては、例えば、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドが挙げられるが、これらの中では、N−フェニルマレイミドが好ましい。マレイミドは、特に、本発明の熱可塑性樹脂組成物の耐熱性を向上する作用を有し、その使用量は、通常、単量体(b)中の20〜80重量%の範囲が好ましい。
 ゴム状重合体(a)の存在下または不存在下に少くとも1種の単量体(b)を重合して熱可塑性樹脂(A)を製造する際、(a)と(b)の合計量を100重量%とした場合、ゴム状重合体(a)の使用割合は、通常0〜90重量%、好ましくは15〜80重量%、より好ましくは20〜70重量%である。ゴム状重合体(a)が90重量%を超える場合は、外観不良や成形加工性の低下が生じる。
 熱可塑性樹脂(A)は、公知の乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法などによって製造することが出来る。そして、ゴム状重合体(a)の存在下の重合は、通常、ゴム状重合体(a)を幹ポリマーとするグラフト重合となる。なお、乳化重合法による場合、通常、凝固剤により凝固して得られる粉末は、水洗した後、乾燥することによって精製される。
 重合時のラジカル開始剤としては、公知のものが使用出来るが、具体的には、例えば、クメンハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、過硫酸カリウム、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシラウレイト、t−ブチルパーオキシモノカーボネート等が挙げられる。
 熱可塑性樹脂(A)がゴム状重合体を使用して製造される場合、ゴム状重合体に対するグラフト率は、グラフト成分の種類によっても異なるが、通常10〜150重量%、好ましくは30〜130重量%、より好ましくは40〜120重量%である。熱可塑性樹脂(A)のグラフト率が10重量%未満の場合は、外観不良、衝撃強度の低下が生じる。また、150重量%を超える場合は成形加工性が劣る。
 なお、上記グラフト率は、熱可塑性樹脂(A)1g中のゴム成分をXg、熱可塑性樹脂(A)のメチルエチルケトン不溶分をYgとしたとき、下記の計算式により求められる。
Figure 2004002896
 また、熱可塑性樹脂(A)におけるマトリックス樹脂の極限粘度(η)(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、通常0.1〜1.5dl/g、好ましくは0.3〜1.0dl/gである。極限粘度〔η〕が上記範囲の場合は、耐衝撃性、成形加工性(流動性)に優れた本発明の樹脂組成物が得られる。
 熱可塑性樹脂(A)の代表的な例としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル・EPDM・スチレン共重合体(AES樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が挙げられる。これらの中では、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂が好ましい。
 熱可塑性樹脂(A)がABS樹脂またはAES樹脂の場合、ゴム状重合体の含有率は、通常5〜65重量%、好ましくは15〜55重量%であり、また、グラフト率は、通常40〜150重量%、好ましくは50〜120重量%であり、マトリックス樹脂(ABS樹脂またはAES樹脂)の極限粘度〔η〕は、通常0.1〜1.5dl/gである。
 熱可塑性樹脂(A)がAS樹脂の場合、その共重合モノマーの内、アクリロニトリルの共重合割合は、通常10〜45重量%、好ましくは15〜35重量%、より好ましくは20〜32重量%であり、また、AS樹脂の極限粘度(η)は、通常0.3〜0.8dl/g、好ましくは0.4〜0.7dl/gである。
 また、熱可塑性樹脂(A)の製造においては、前記単量体(b)、すなわち、芳香族ビニル、シアン化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、酸無水物およびマレイミドの他に、官能基含有ビニル単量体を共重合してもよい。斯かる官能基としては、エポキシ基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、アミド基およびオキサゾリン基などが挙げられ、官能基含有ビニル単量体の具体的な例としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルオキサゾリン等が挙げられる。
 上記の官能基含有ビニル単量体を共重合することにより、本発明の熱可塑性樹脂組成物中のポリカーボネート(B)又は他の熱可塑性樹脂との界面密着(相溶性)を高めることが出来る。官能基含有ビニル単量体の共重合量は、通常0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜12重量%である。
 熱可塑性樹脂(A)は、単独であってもよいし、2種以上のブレンドであってもよい。特に好ましい熱可塑性樹脂(A)は、次の表1に示す通りである。
Figure 2004002896
 第1発明および第2発明におけるポリカーボネート(B)は、種々のジヒドロキシアリールとホスゲンとの反応(ホスゲン法)、ジヒドロキシアリールとジフェニルカーボネートとのエステル交換反応(エステル交換法)等の方法によって得られる。代表的なポリカーボネート(B)としては、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとホスゲンとの反応により得られる芳香族ポリカーボネートが挙げられる。本発明のハウジング用熱可塑性樹脂組成物は、OA製品、家電製品のハウジング材料、特にパソコンのハウジング材料、DVD、CD−ROMを搭載するハウジング材料に使用する。そのため、ハウジング材料から揮発する塩素イオンが電気部材、電子機器部材などを汚染し、OA製品、家電製品の誤作動の原因となる可能性があるり、ポリカーボネートが塩素をできるだけ含有しないことが望ましく、エステル交換法によって製造されたポリカーボネートを使用することが好ましい。
 上記のジヒドロキシアリールとしては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホン、ヒドロキノン、レゾルシン等が挙げられる。また、斯かるジヒドロキシアリールは、その芳香環がハロゲン(好ましくは臭素)やメチル基、エチル基などの有機置換基で置換されていてもよい。
 ポリカーボネート(B)の粘度平均分子量は、通常15,000〜40,000、好ましくは17,000〜30,000、より好ましくは18,000〜28,000である。ポリカーボネート(B)の粘度平均分子量が上記の範囲の場合は、成形加工性の特に優れる本発明の熱可塑性樹脂組成物が得られる。
 第1発明および第2発明における難燃剤(C)としては、例えば、ハロゲン系化合物、有機りん系化合物、窒素系化合物、金属水酸化物、アンチモン化合物などが挙げられ、これらは2種以上を併用することが出来る。中でも、含ハロゲン化合物や重金属による環境問題の観点から、有機りん系化合物、窒素系化合物、金属水酸化物が好ましく、特に有機りん系化合物が好ましい。
 上記のハロゲン系化合物としては、例えば、テトラブロモビスフェノール−Aとエピクロルヒドリン等とのオリゴマー(両末端または片側の末端をエポキシ基、トリブロモフェノール等により封止されていてもよい)、臭素化スチレンの重合体、ポリスチレンの臭素化物、臭素化ポリカーボネートのオリゴマー、テトラブロモビスフェノール−A、デカブロモジフェニルエーテル、脂肪族塩素化合物などが挙げられる。
 ハロゲン系化合物の中では、テトラブロモビスフェノール−Aとエピクロルヒドリン等とのオリゴマーが好ましい。当該オリゴマーの分子量は、通常800〜6,000であり、好ましくは1,200〜3,500程度である。また、上記の臭素化化合物の臭素含有量は、通常30〜65重量%、好ましくは45〜60重量%である。また、上記のハロゲン系化合物の軟化点(融点)は、通常70〜280℃であり、好ましくは80〜200℃である。
 上記の有機りん系化合物としては、例えば、トリフェニルフォスフェート、トリフェニルチオフォスフェート、トリキシレニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、トリキシレニルチオフォスフェート、ハイドロキノンビス(ジフェニルフォスフェート)、レゾルシノールビス(ジフェニルフォスフェート)、レゾルシノールビス(ジキシレニルフォスフェート)、トリフェニルフォスフェートのオリゴマー等が挙げられる。
 有機りん系化合物の中では、トリフェニルフォスフェート、トリキシレニルフォスフェート、レゾルシノールビス(ジキシレニルフェスフェート)が好ましい。有機りん系化合物のりん含有量は、通常4〜30重量%、好ましくは6〜25重量%である。また、有機リン系化合物の融点は、通常40〜150℃、好ましくは45〜145℃である。
 上記の窒素系化合物としては、例えば、メラミン、イソシアネートの環化物などが挙げられる。メラミンの水素が炭素数1〜18のアルキル基または芳香族基で置換された化合物も使用できる。
 上記の金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等を挙げることが出来る。
 上記のアンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。
 第1発明における無機充填剤(D)は、下記の無機充填剤(D1)〜(D3)の条件に適合したワラストナイト、タルク、マイカ、酸化亜鉛ウィスカー、チタン酸カルシウムウィスカー等から選ばれる1種単独または2種以上でなければならない。第1発明においては、上記の選択条件に適合する充填剤を使用することにより、メッキ密着性を損なうこと無く、剛性を付与することが出来る。無機充填剤(D)としては、タルク又はマイカが好ましく、タルクがより好ましい。
 無機充填剤(D1)は、特定範囲の平均粒径を持つ無機充填剤である。すなわち、平均粒径が0.5〜20μm、好ましくは1〜15μm、より好ましくは1.3〜13μmの無機充填剤である。平均粒径が0.5μm未満である場合は、混練り時に凝集を起こし、成型品の外観およびメッキ密着性が劣り、20μmを超える場合は、耐衝撃性などの物性および外観を損なう。
 無機充填剤(D2)は、繊維状無機充填剤であり、その長さは、通常0.5μm以上、好ましくは1.0μm以上である。斯かる充填剤としては、例えば、三波川変性層から得られる蛇紋岩から得られる繊維状タルクが挙げられる。この繊維状タルクは、薄い緑色の繊維状である。繊維状無機充填剤を使用する場合は、メッキの剥離が防止され、密着性が改善出来る。なお、マイカは鱗片状であるため、本発明における無機充填剤(D2)に該当しない。
 無機充填剤(D3)は、シランカップリング剤で表面処理された無機充填剤である。無機充填剤に対するシランカップリング剤の被覆量は、通常0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%の範囲である。シランカップリング剤としては、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、ヒドロキシル基などの官能基を有するものが使用出来る。官能基としては、エポキシ基またはアミノ基が好ましい。
 第2発明における無機充填剤(D′)は、後述の重合体(E)と共に配合されるため、特に限定されない。しかも、メッキ密着性を損なうこと無く、剛性を付与することが出来る。無機充填剤(D′)の具体例としては、例えば、ワラストナイト、タルク、マイカ、酸化亜鉛ウィスカー、チタン酸カルシウムウィスカー、ガラスフレーク等が挙げられる。しかしながら、無機充填剤(D′)は、前述の無機充填剤(D)から選択するのが好ましい。
 第2発明における重合体(E)は、以下に記載した重合体(E1)〜(E3)から選ばれる重合体であり、2種類以上を併用することが出来る。
 重合体(E1)は、変性ポリオルガノシロキサン(e)の存在下に芳香族ビニル、シアン化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、酸無水物およびマレイミドの群から選ばれた少なくとも1種の単量体(b)を重合して得られる重合体である。
 変性ポリオルガノシロキサン(e)としては、通常、オルガノシロキサンとグラフト交叉剤とを共縮合して得られる変性オルガノシロキサン(e)が使用される。オルガノシロキサンとしては、例えば、一般式R SiO(4−n)/2(式中、Rは、置換または非置換の1価炭化水素基であり、nは、1〜3の整数を示す)で表される構造単位を有するものが挙げられる。斯かるオルガノシロキサンは、直鎖状、分岐状または環状構造を有していてもよいが、環状構造を有するオルガノシロキサンが好ましい。
 上記のオルガノシロキサンの具体例としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン等の環状化合物の他に、直鎖状または分岐状のオルガノシロキサンを挙げることが出来る。
 前記のグラフト交叉剤の具体例としては、p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、1−(p−ビニルフェニル)メチルジメチルイソプロポキシシラン、2−(p−ビニルフェニル)エチレンメチルジメトキシシラン、3−(p−ビニルフェノキシ)プロピルメチルジエトキシシラン、1−(o−ビニルフェニル)−1,1,2−トリメチル−2,2−ジメトキシジシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、テトラビニルテトラメチルシクロシロキサン、アリルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらの中では、p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、2−(p−ビニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラン及び2−(p−ビニルフェニル)エチレンメチルジメトキシシランが好ましい。
 変性ポリオルガノシロキサン(e)を製造する際のグラフト交叉剤の使用割合は、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%、より好ましくは0.4〜3重量%である。グラフト交叉剤の使用量が0.1重量%未満である場合は、得られる重合体(E1)のグラフト率が低いため、変性ポリオルガノシロキサン(e)とこれにグラフトされる重合体部分との界面接着力が低下し、界面剥離が生じ易い。
 変性ポリオルガノシロキサン(e)のポリスチレン換算の好ましい重量平均分子量は、通常30,000〜1,000,000、好ましくは50,000〜300,000である。斯かる変性ポリオルガノシロキサン(e)に単量体(b)をグラフト重合して製造した重合体(E1)使用することにより、耐衝撃性と流動性とのバランスに優れる本発明の熱可塑性樹脂組成物を得ることが出来る。
 変性ポリオルガノシロキサン(e)に単量体(b)をグラフト重合する際、(e)と(b)の合計量を100重量%とした場合、変性ポリオルガノシロキサン(e)の使用割合は、通常5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは10〜70重量%である。変性ポリオルガノシロキサン(e)が5重量%未満では十分な衝撃強度が得られず、変性ポリオルガノシロキサン(e)が90重量%を超える場合は外観不良や衝撃強度の低下が生じる。
 重合体(E1)のグラフト率は、通常10重量%以上、好ましくは20重量%以上、更に好ましくは30重量%以上である。重合体(E1)のグラフト率が10重量%未満の場合は、外観不良や衝撃強度の低下が生じる。
 重合体(E1)のマトリックス樹脂の極限粘度(η)(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、通常0.1〜1.3dl/g、好ましくは0.3〜0.9dl/gである。極限粘度(η)が上記の範囲の場合は、耐衝撃性、成形加工性(流動性)に特に優れた本発明の樹脂組成物が得られる。
 前記の重合体(E2)は、平均粒径が0.1〜80μmのポリテトラフルオロエチレンであり、懸濁重合法、乳化重合法などで製造することが出来る。重合体(E2)の平均粒径が0.1μm未満の場合は、メッキ密着性の改良効果が十分でなく、80μmを超える場合は外観不良を生じやすい。なお、上記の平均粒径は、光透過法による50重量%平均粒径の値である。
 重合体(E2)の嵩密度は、通常0.2〜0.8g/mlであり、好ましくは0.3〜0.7g/mlである。重合体(E2)の融点は、通常280〜380℃、好ましくは300〜330℃である。重合体(E2)の比重は、通常2.0〜2.4、好ましくは2.1〜2.3である。重合体(E2)の具体例としては、いわゆる摺動用ポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。
 前記重合体(E3)は、非極性α−オレフィン(共)重合体とビニル系(共)重合体とを含有する。非極性α−オレフィン(共)重合体としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレン−プロピレン)共重合体などが挙げられ、ビニル系(共)重合体としては、特に制限されないが、例えば、ポリスチレンの他、熱可塑性樹脂(A)の代表例として説明した前述のAS樹脂などが挙げられる。
 ビニル系(共)重合体の数平均重合度は、通常5〜10,000、好ましくは10〜5,000の範囲である。重合体(E3)中のオレフィン系重合体の含有量は、通常5〜95重量%、好ましくは20〜90重量%である。非極性α−オレフィン(共)重合体とビニル系(共)重合体とはグラフト重合体を形成し、斯かるグラフト重合体の具体例としては、ポリエチレンにAS樹脂をグラフトした重合体、ポリプロピレンにAS樹脂をグラフトした重合体などが挙げられる。
 重合体(E3)は、通常、その一方の(共)重合体が他方の(共)重合体中に分散している多相構造を有している。斯かる多相構造の重合体(E3)としては、オレフィン重合体またはビニル系(共)重合体マトリックス中に、それとは異なる成分の(共)重合体が球状に分散しているものが挙げられる。上記の球状の重合体の粒子径は、通常0.001〜10μm、好ましくは0.005〜7μm、より好ましくは0.01〜5μmである。粒子径が0.001μm未満の場合または10μmを超える場合は、機械的強度が低下する。
 第2発明における前記重合体(E)は、如何なる種類の無機充填剤を使用した場合においてもメッキ密着性を向上する作用を有する。メッキ密着性の向上は、重合体(E)による耐薬品性の向上が寄与していると推定される。すなわち、エッチング工程において適度なエッチングが行なわれ、メッキ密着性が向上する。
 第1発明の熱可塑性樹脂組成物において、各成分の配合割合は、次の通りである。すなわち、熱可塑性樹脂(A)は、1〜97重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは15〜40重量%、ポリカーボネート(B)は、1〜97重量%、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは20〜60重量%、難燃剤(C)は、1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは8〜15重量%、無機充填剤(D)は、1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは8〜15重量%でなければならない。ただし、(A)+(B)+(C)+(D)=100重量%とする。
 熱可塑性樹脂(A)の配合割合が1重量%未満の場合は、成形加工性が劣り、97重量%を超える場合は、耐熱性が劣る。ポリカーボネート(B)の配合割合が1重量%未満の場合は、耐熱性が劣り、97重量%を超える場合は、流動性、成形加工性が劣る。難燃剤(C)の配合割合が1重量%未満の場合は、難燃性が不十分であり、30重量%を超える場合は、機械的強度が劣る。無機充填剤(D)の配合量が1重量%未満の場合は、剛性が不十分であり、30重量%を超える場合は、耐衝撃性、メッキ密着性が劣る。
 また、第2発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)、ポリカーボネート(B)、難燃剤(C)及び無機充填剤(D′)から成る予備組成物(但し、(A′)+(B)+(C)+(D′)=100重量%とする)と重合体(E)から構成されるが、予備組成物と重合体(E)との配合割合は、次の通りである。すなわち、予備組成物において、熱可塑性樹脂(A)は、1〜97重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは15〜40重量%、ポリカーボネート(B)は、1〜97重量%、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは20〜60重量%、難燃剤(C)は、1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは8〜15重量%、無機充填剤(D′)は、1〜30重量%(好ましくは5〜20重量%、より好ましくは8〜15重量%でなければならない。一方、重合体(E)は、予備組成物100重量部に対し、0.5〜20重量部、好ましくは、0.7〜10重量部、より好ましくは1〜8重量部でなければならない。
 上記熱可塑性樹脂(A)、ポリカーボネート(B)、難燃剤(C)、無機充填剤(D′)の各配合を限定する理由は、第1発明の熱可塑性樹脂組成物について記載した理由と同一である。そして、重合体(E)の配合量が0.5重量部未満の場合はメッキ密着性の改良効果が十分でなく、20重量部を超える場合は剛性が劣る。
 以上説明した本発明(第1発明および第2発明)の熱可塑性樹脂組成物(以下、基本組成物と略記する)には、さらに、公知のポリテトラフルオロエチレン(PTFE);無機りん化合物;公知の耐候剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、帯電防止剤、シリコーンオイル等の添加剤;その他の重合体を配合することが出来る。
 前記の公知のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の配合により、燃焼時のドリッピング(溶融液だれ)を防止することが出来、より高い難燃レベルを達成することが出来る。PTFEとしては、水などの溶媒に分散させたディスパージョン型のPTFEも使用出来る。
 上記のPTFEの分子量は、通常50万以上、好ましくは100万以上であり、平均粒径は、通常90〜600μm、好ましくは100〜500μm、より好ましくは120〜400μmであり、比重は、通常1.5〜2.5、好ましくは2.1〜2.3であり、嵩密度は、通常0.5〜1.0g/ml、好ましくは0.6〜0.9g/mlである。
 上記のPTFEの配合量は、本発明の基本組成物100重量部に対して、通常0.01〜2.0重量部、好ましくは0.1〜1.0重量部である。PTFEの配合量が0.01重量部未満である場合は、ドリッピング防止効果が小さく、また、2.0重量部を超える場合は、組成物のペレット化時にホッパーでの食い込み不良などの問題が生じる。
 前記の無機りん化合物は、本発明の熱可塑性樹脂組成物に配合されるポリカーボネートの分解反応を抑制し、上記の物性の低下を抑制することが出来る。すなわち、ABS中の残存乳化剤、凝固剤などは、通常、ポリカーボネートの分解反応を引き起こし、分子量を低下させるため、本発明において熱可塑性樹脂(A)として乳化重合法を使用して重合した樹脂を使用する場合は、組成物であるアロイ材料の物性低下の原因となる。ポリカーボネートの斯かる分解反応は、特に高温時(成形時など)に顕著に進行する。この様な場合、基本組成物に無機りん化合物を配合することにより、ポリカーボネートの分解反応が高温時においても抑制出来、上記組成物の物性低下を抑制することが出来る。
 上の無機リン化合物としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム及びこれらの水和物が挙げられる。その配合量は、基本組成物100重量部に対し、通常0.01〜2重量部、好ましくは0.1〜1重量部である。
 上記のリン化合物の配合の時期は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を溶融混練りする際に配合してもよいし、または、本発明に使用する熱可塑性樹脂(A)またはポリカーボネート(B)を合成する際に配合してもよい。
 また、前記の公知の耐候剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、帯電防止剤、シリコーンオイル等の添加剤の内、耐候剤としては、リン系、硫黄系の有機化合物、水酸基、ビニル基を含有する有機化合物が好ましい。帯電防止剤としては、ポリエーテル、アルキル基を有するスルホン酸塩が挙げられる。これらの添加剤の好ましい配合量は、本発明の基本組成物100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。酸化防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、帯電防止剤、シリコーンオイル等は、公知のものを使用することが出来る。
 前記の他の重合体としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられ、本発明の熱可塑性樹脂組成物に要求される特性に応じて配合することが出来る。上記の他の重合体としては、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリフッ化ビニリデン、スチレン−酢酸ビニリデン共重合体、ポリアミドエラストマー、ポリアミドイミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリエーテルエステルアミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、レゾール樹脂などを適時ブレンドすることが出来る。これらの他の重合体の配合量は、基本組成物100重量部に対して、通常1〜150重量部、好ましくは5〜100重量部である。
 上記の他の重合体の内、ポリアミドエラストマー、ポリエーテルエステルアミド等を配合することにより永久帯電防止性の付与が可能である。好ましい配合量は、基本組成物100重量部に対して、通常1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部である。
 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記基本組成物を構成する各成分および必要に応じて配合される添加剤を、混練押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等の各種混練装置を使用して混練りすることにより製造することが出来る。特に好ましい製造方法は、二軸混練押出機を使用する方法である。各成分の混練順序は、特に限定されず、全成分を一度に投入して混練りしてもよいし、多段添加式で成分を逐次添加し、混練りしてもよい。
 以上の様にして製造された本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、シート押出、真空成形、異形押出、発泡成形などの成形法によって各種成形品に成形することが出来る。上記成形法によって得られる各種成形品は、その優れた性質を利用して、OA製品、家電製品などのハウジング、特にパソコンのハウジング、DVD、CD−ROMを搭載するOA機器のハウジングに使用することが出来る。さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物にレーザーマーキング方法を使用して、印字、マーキングすることも可能である。
 以上、説明した本発明によれば、難燃性、剛性およびメッキ密着性が同時に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することが出来、これらの樹脂組成物を利用することにより、OA製品、家電製品などのハウジング、特にパソコンのハウジング、DVD、CD−ROMを搭載するOA機器のハウジングを製造することが出来る。従って、本発明の工業的価値は大きい。
 以下、本発明を、実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例中の各種の測定項目は下記に従った。
(1)平均粒子径:
 分散粒子の平均粒子径は、添加前のラテックス中の分散粒子の粒子径を光散乱方法であるキュムラント法(測定機器は大塚電子(株)製「LPA−3100」を使用)により、70回積算で測定した。なお、組成物中の粒子径は、添加したラテックスの粒子径がそのまま樹脂中の分散粒子の粒子径を示すことを電子顕微鏡で確認した。
(2)グラフト率:
 熱可塑性樹脂(A)1g中のゴム成分をXg、熱可塑性樹脂(A)のメチルエチルケトン不溶分をYgとしたとき、下記の計算式により求めた。
Figure 2004002896
(3)極限粘度(η):
 溶媒であるメチルエチルケトンにサンプルを溶解し、30℃の温度条件下でウベローデ型粘度計で測定した。
(4)アイゾット衝撃強度:
 ASTM D256に準じて測定した。ノッチ付きで測定した。
(5)流動性(メルトフローレイト):
 ASTM D1238に準じて測定した。測定温度は240℃、荷重は10kgとした。
(6)熱変形温度:
 ASTM D648に準じて測定した。
(7)曲げモジュラス:
 ASTM D790に準じて測定した。 
(8)燃焼試験:
 UL−94 Vテストに準拠した。厚みは1.6mmとした。
(9)メッキ密着性試験:
 樹脂表面に、先ず、無電解銅メッキを行い、その上に無電解ニッケルメッキを施した後、形成されたメッキ層表面に粘着性セロハンテープ(NITTO社製)を貼り付けた後、そのテープを剥離したときのメッキ層の剥離状態により、以下の基準により密着性を評価した。エッチングの条件は、表4および表6に記載した様に温度および時間を種々変更した。
Figure 2004002896
 熱可塑性樹脂(A)の調製:
(A−1):<ABS樹脂の調製>:
 撹拌機を具備した内容積7Lのガラス製フラスコに、イオン交換水100重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5重量部、t−ドデシルメルカプタン0.1重量部、ポリブタジエン40重量部、スチレン15重量部およびアクリロニトリル5重量部を加え、撹拌しつつ昇温した。
 温度が45℃に達した時点で、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム0.1重量部、硫酸第1鉄0.003重量部、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート・2水和物0.2重量部およびイオン交換水15重量部より成る活性剤水溶液、並びにジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド0.1重量部を添加し、撹拌しながら1時間反応を続けた。
 その後、イオン交換水50重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部、t−ドデシルメルカプタン0.1重量部、ジイソプロピルヒドロパーオキサイド0.2重量部、スチレン30重量部およびアクリロニトリル10重量部を3時間に亘って連続的に添加し、重合反応を続けた。
 添加終了後、さらに、撹拌を1時間続けた後、2,2−メチレン−ビス−(4−エチレン−6−t−ブチルフェノール)0.2重量部を添加し、反応生成物をフラスコより取り出し、塩化カルシウム2重量部で凝固し、反応生成物を良く水洗した後、75℃で24時間乾燥し、白色粉末を得た。重合転化率は97.2%、グラフト率は750%、極限粘度は0.44dl/gであった。
(A−2):<AS樹脂>:
 組成:スチレン/アクリロニトリル=73/27(重量%)、極限粘度:0.50dl/g。 製造方法:溶液重合製品。
(A−3):<N−フェニルマレイミド含有樹脂>:
 組成:スチレン/N−フェニルマレイミド/アクリロニトリル=35/45/20(重量%)。 製造方法:乳化重合製品。
 ポリカーボネート(B)成分の調製:
(B−1):ポリカーボネート(帝人化成製:パンライトL1125、ホスゲン法により製造)
(B−2):ポリカーボネート(粘度平均分子量:22000、エステル交換法により製造、塩素含有量:300ppm以下)
 難燃剤(C)成分の調製:
(C−1):テトラブロモビスフェノール−Aのオリゴマー。
 末端は、トリブロモフェノールで封止。臭素濃度は56重量%。分子量は約2,000。
(C−2):三酸化アンチモン。
(C−3):トリフェニルフォスフェート(TPP)。
(C−4):レゾルシノールビス(ジキシレニルフェオスフェート)。
 無機充填剤(D)成分(D′成分にも該当)の調製:
(D−1):平均粒径が約3μmのタルク(富士タルク製:LMR)。
(D−2):繊維状タルク(富士タルク製:RFタルク)。
(D−3):平均粒径が約2μm(日本タルク:マイクロエースP−3)をNUCシリコーン製エポキシシラン(A−187)0.1重量%で表面処理したタルク。
(D−4):平均粒径が0.05μmのタルク。
 重合体(E)成分の調製:
(E−1)に使用する変性ポリオルガノシロキサン(e)の調製:
 p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン1.5重量部とオクタメチルシクロテトラシロキサン98.5重量部を混合し、これをドデシルベンゼンスルホン酸2.0重量部を溶解した蒸留水300重量部中に入れ、ホモミキサーにより3分間撹拌して乳化分散させた。この混合液をコンデンサー、窒素導入口および撹拌機を備えたセパラブルフラスコに移し、撹拌混合しつつ90℃で6時間加熱した後、5℃に冷却して24時間放置し、縮合反応を完了させた。
 得られた変性ポリオルガノシロキサンの縮合率は92.8%であった。この変性ポリオルガノシロキサンのラテックスを炭酸ナトリウム水溶液でpH7に中和した。得られた変性ポリオルガノシロキサンラテックスの平均粒径は2,800Åであった。
(E−1)シリコーンゴム変性樹脂合成:
 撹拌機を具備した内容積7Lのガラス製フラスコに、イオン交換水100重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5重量部、t−ドデシルメルカプタン0.1重量部、変性ポリオルガノシロキサン(e)40重量部、スチレン15重量部およびアクリロニトリル5重量部を加え、撹拌しつつ昇温し、温度が45℃に達した時点で、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム0.1重量部、硫酸第1鉄0.003重量部、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート・2水和物0.2重量部およびイオン交換水15重量部より成る活性剤水溶液、および、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド0.1重量部を添加し、1時間反応を続けた。
 その後、イオン交換水50重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部、t−ドデシルメルカプタン0.1重量部、ジイソプロピルヒドロパーオキサイド0.2重量部、スチレン30重量部およびアクリロニトリル10重量部を3時間に亘って連続的に添加し、重合反応を続けた。添加終了後、更に撹拌を1時間続けた後、2,2−メチレン−ビス−(4−エチレン−6−t−ブチルフェノール)0.2重量部を添加し、反応生成物をフラスコより取り出した。
 反応生成物であるラテックスに塩化カルシウム2重量部を添加してラテックスを凝固し、反応生成物をよく水洗した後、75℃で24時間乾燥し、シリコーン変性樹脂の白色粉末を得た。この樹脂の重合転化率は97.2%、グラフト率は90%、極限粘度は0.47dl/gであった。
(E−2):旭フルオLシリーズ(L150J)。
 平均粒径 9μm、嵩密度 0.38g/dl、融点 325℃。
(E−3):日本油脂製 モディパーA1400(LDPE−gr−AS)。
(無機りん化合物):りん酸2水素ナトリウム・2水和物を使用した。
(他の成分:PTFE):ヘキスト製 TF1620。
 平均粒径 220μm、嵩密度 0.85g/dl、比重 2.15。
 熱可塑性樹脂組成物の調製:
 試験例1〜7及び試験例8〜11として、熱可塑性樹脂(A)〜重合体(E)、その他の重合体および添加剤を表3又は表5に掲げる割合で配合し、220〜250℃の温度条件下で押出機を使用して溶融混練し、射出成形により各試験例の評価用の熱可塑性樹脂組成物を得た。
 前記の試験例の評価用の熱可塑性樹脂組成物について、前記の測定方法により測定および評価し、それらの結果を表4又は表6に示した。これらの結果によれば、試験例1〜7の熱可塑性樹脂組成物は、何れも、優れた剛性、メッキ密着性を示した。特にメッキ条件が低温から高温、短時間から長めの時間の何れにおいても良好なメッキ密着性が得られた。
 一方、試験例8〜11の様に、本発明以外の無機充填剤が配合される場合は、密着性が優れたメッキを行うことが出来る条件幅が狭かった。また、試験例9に示した様に、無機充填剤(D)成分の配合量が本発明の範囲を超える場合は、剛性は得られるが、耐衝撃性、成形加工性が劣っていた。また、試験例10に示した様に、無機充填剤(D)成分の配合量が本発明の範囲未満である場合は剛性が得られなかった。また、試験例11に示した様に、重合体(E)成分の配合量が本発明の範囲を超える場合は、良好なメッキ密着性は得られたが、剛性が劣っていた。したがって、試験例8〜11の熱可塑性樹脂組成物は、ハウジング用としては不適格であった。
 試験例3で調製した熱可塑性樹脂組成物のペレットを80℃で3時間乾燥した後、型締め力350トンの射出成形機で、A4サイズのノートブック型パソコンのトップベースの形状で、肉厚が1.6mmのハウジング形状の成形品を射出成形した。成形は、シリンダーセット温度が250℃、金型セット温度が50℃の条件で行なった。
 得られたハウジング形状の成形品の一部を切取り試験片とし、その試験片について前記の測定方法により測定および評価し、それらの結果を表7に示した。これらの結果によれば、実施例で得られたハウジング形状の成形品は、優れた剛性、メッキ密着性を示した。特にメッキ前処理工程におけるエッチング液による処理温度が低温から高温、処理時間が短時間から長めの時間の何れにおいても良好なメッキ密着性が得られた。
Figure 2004002896
Figure 2004002896
Figure 2004002896
Figure 2004002896
Figure 2004002896

Claims (6)

  1.  熱可塑性樹脂(A)1〜97重量%、ポリカーボネート(B)1〜97重量%、難燃剤(C)1〜30重量%および無機充填剤(D)1〜30重量%を含有し(但し、(A)+(B)+(C)+(D)=100重量%)、前記熱可塑性樹脂(A)は、ゴム状重合体(a)0〜90重量%の存在下に、芳香族ビニル、シアン化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、酸無水物およびマレイミドの群から選ばれた少なくとも1種の単量体(b)100〜10重量%(但し、(a)+(b)=100重量%)を重合して得られたものであり、前記無機充填剤(D)は、下記無機充填剤(D1)〜(D3)から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とするハウジング用熱可塑性樹脂組成物。
    (D1):平均粒径が0.5〜20μmである無機充填剤
    (D2):繊維状無機充填剤
    (D3):シランカップリング剤で表面処理された無機充填剤
  2.  熱可塑性樹脂(A)1〜97重量%、ポリカーボネート(B)1〜97重量%、難燃剤(C)1〜30重量%、無機充填剤(D′)1〜30重量%から成る樹脂組成物100重量部(但し、(A)+(B)+(C)+(D′)=100重量%)に対して重合体(E)を0.5〜20重量部含有し、前記熱可塑性樹脂(A)は、ゴム状重合体(a)0〜90重量%の存在下に、芳香族ビニル、シアン化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、酸無水物およびマレイミドの群から選ばれた少なくとも1種の単量体(b)100〜10重量%(但し、(a)+(b)=100重量%)を重合して得られたものであり、前記重合体(E)は、下記重合体(E1)〜重合体(E3)から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とするハウジング用熱可塑性樹脂組成物。
    (E1):変性ポリオルガノシロキサン(e)の存在下に芳香族ビニル、シアン
     化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、酸無水物およびマレイミドの群から
     選ばれた少なくとも1種の単量体(b)を重合して得られる重合体
    (E2):平均粒径が0.1〜80μmであるポリテトラフルオロエチレン
    (E3):非極性のα−オレフィン(共)重合体とビニル(共)重合体とを含有     する重合体
  3. 無機充填剤(D1)及び/又は(D2)がタルクである請求項1に記載のハウジング用熱可塑性樹脂組成物。
  4. ポリカーボネート(B)がジヒドロキシアリールとジフェニルカーボネートとのエステル交換反応によって得られる請求項1〜3の何れかに記載のハウジング用熱可塑性樹脂組成物。
  5. 難燃剤(C)が有機りん系化合物である請求項1〜4の何れかに記載のハウジング用熱可塑性樹脂組成物。
  6. ハウジングがOA製品または家電製品のハウジングである請求項1〜5の何れかに記載のハウジング用熱可塑性樹脂組成物。
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JP2016023258A (ja) * 2014-07-23 2016-02-08 日油株式会社 Pc/abs樹脂組成物およびその樹脂成形品
CN113260671A (zh) * 2018-12-27 2021-08-13 乐天化学株式会社 热塑性树脂组合物和由其生产的模制品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016023258A (ja) * 2014-07-23 2016-02-08 日油株式会社 Pc/abs樹脂組成物およびその樹脂成形品
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