JP4163020B2 - 工具クランプ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、主軸を数万回転以上の高速回転をさせて高速・高精度切削するマシニングセンタなどの工作機械の主軸に工具を保持するクランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近では、マシニングセンタなどの工作機械を用いて金型などの3次元曲面加工をする際に、チタン合金をコーティングした超微粒子超硬合金のエンドミルやCBNあるいはPCD焼結体を用いたボールエンドミル(以下、高速切削用工具)を用い金型を直彫りする研削に近い切削方法が指向されている。このような加工では、3次元形状を最少本数の工具でかつ短時間で形成することが望まれており、また手作業による仕上げから高速仕上げが可能な機械化に移行するニーズが増している。
【0003】
ところで、このような焼入れされた高硬度(例えば、HRC55以上)の金型材料を直彫りする工作機械に用いられる主軸には、高周波モータが内蔵され、4万〜30万回転の高速回転が可能なように、機械の運転される状態での温度で主軸の質量バランスが精密に取られていなければならない。
【0004】
そのため、マシニングセンタに採用されている、最も一般的な自動工具交換装置のクランプ装置のように、主軸ヘッドに軸受を介して回転自在に軸支された中空の主軸の先端部にテーパ孔を形成し、該テーパ孔に、各種形状の高速切削用工具を取り付けたホルダのテーパ部を嵌合し、該ホルダを前記主軸内に設けたクランプ機構により主軸の内側へ引張ってクランプするようなドローバーを用いた構成を採用すると、数万回転以上の高速回転する主軸の回転バランスを取ることが非常に困難であると共にホルダの交換精度に起因するアンバランスが発生し、高速回転させる上で安全性の問題を十分考慮しなければならない。
【0005】
そこで、このような問題を解決するため特許文献1及び特許文献2に示されるような構成のクランプ装置が提案されている。以下、特許文献1に開示されたクランプ機構について図6を用いて説明する。
【0006】
図6は、工作機械の主軸ヘッドの主軸2に取り付けられたクランプ装置を示している。80は主軸2の先端に研削砥石100を保持するためのホルダで、ホルダ80の先端に凹状部130aを設け、後部を主軸2の先端部分に嵌着して主軸2と同軸上に配置されている。砥石100側のホルダ120に凸状部90aを設け、ホルダ120とシャンク110にはインバー、セラミックスなどの低膨脹材料を用い、凹状部130aを設けるホルダ80にはニッケルクロム鋼が用いられている。
【0007】
140は電熱ヒータを組み込んだ高速加熱装置、150は冷却エアー又は冷却水を噴射する高速冷却装置で、ホルダ80に近接してその周囲に配設されている。ホルダ120をホルダ80にクランプする際には、搬送アーム210のフィンガー220でシャンク110を把持して主軸2の先端近傍の交換位置まで移動する。次に、高速加熱装置140によりホルダ80を加熱することにより、熱膨脹によって凹状部130aの内径が拡大し、ホルダ120の凸状部90aが嵌合可能となるので、凹状部130aに凸状部90aを嵌合させる。嵌合が完了すると、高速加熱装置140による加熱を停止し、高速冷却装置150でホルダ80を冷却する。この冷却により両ホルダが焼ばめ状態に密着嵌合して、砥石100が主軸2先端にクランプされる。
【0008】
【特許文献1】
特許第2912401号公報
【特許文献2】
実公平7−46404号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように構成された焼ばめ方式のクランプ装置では、ホルダ120は低膨脹材料で製作され、ホルダ80はホルダ120の熱膨脹率より高い材料で製作されている。そして、工具を交換するためにホルダ120をホルダ80から取り外す際には、電熱ヒータを用いた高速加熱装置によりホルダ80を200から300度になるまで数分間加熱する。
【0010】
この場合に与えられる熱量Qはホルダ80の質量と比熱そして上昇させる温度により決まる。この従来の方式では、ホルダ120とホルダ80の着脱を熱膨張率の差により可能にしており、与えられた熱量はホルダ120にも伝導され、ホルダ120とホルダ80の両者を温度上昇させる熱量を与えていることになる。
【0011】
そして、ホルダ120を取り外した後、新しいホルダ120をホルダ80に挿入してホルダ120をクランプするために、ホルダ80は高速冷却装置により急速に冷却され、ホルダ80の温度は通常の温度に戻されて交換動作が終了する。
【0012】
この工具交換の間にホルダ80を300度近くに上昇させた熱量は、その一部がホルダ80から主軸2へと伝導されていき、工具交換が終了した後も主軸2に残存している。そして、主軸下端に伝わった熱は、徐々に主軸全体に伝導し主軸全体に分散されることになる。そして、十数分かけて主軸2に拡散した熱は徐々に放熱されて工具交換前の平衡状態に達する。
【0013】
ところで、高速回転用の主軸2は、熱膨張率の異なる複数の材質の材料が使われている。このため、精密にバランスを取られていた主軸のバランスは、工具交換の際に与えられた熱量がすべて除去されるかまたは放熱されて温度が工具交換前の均一な温度に戻るまで、バランスが失われた状態となる。数万回転以上で回転させる主軸では、このようなバランスの狂いは、主軸の大きな芯振れとなってあらわれるため、加工精度の問題や安全性の問題から、主軸がもとの均一な温度状態に戻り主軸のアンバランスがなくなるまで、機械をアイドリングさせておく必要が生じる。
【0014】
主軸2に伝わった熱をより速やかに除去するために、特許文献2に示されるような主軸に冷却液導通路を開設することも提案されているが、高速回転主軸の場合、主軸に伝わった熱が放熱され主軸の温度が回転バランスを調整した温度に戻り、かつ、主軸の部分的な温度差がなくなり均一な温度になっていないと、回転バランスを狂わせる原因となるので、主軸2全体の温度が均一でかつ平衡状態になるまで、やはり時間を要することになる。
【0015】
また、従来の装置では、熱膨張率の差の大きい材料で成るホルダを使っているので温度の上昇を200から300℃に抑えることができるが、一般に市販されている工具をそのまま使うような場合、熱膨張率の差が少ないため、加熱する温度は、さらに高くなり主軸への熱の影響は避けられない。
【0016】
本発明の目的は、数万回転以上の高速回転する主軸の工具クランプ装置に、工具ホルダのクランプのためにドローバーなどのクランプ機構を使用せず、直接工具を主軸にクランプする工具クランプ装置に好適な装置を提供することであり、特に、工具交換の間に主軸に与える熱をできるだけ小さくかつ局部的なものとするとともに、与えられた熱量をホルダ部分から速やかに除去することにより、主軸に伝達される熱量を減少させて、主軸の熱によるアンバランスの発生をほとんどなくし、短時間で機械運転を再開することができるクランプ装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決する手段】
上記課題を解決するための本発明の工具クランプ装置は、工作機械の主軸の先端に工具を自動交換可能に保持するため前記主軸先端部に設けられる工作機械の工具クランプ装置において、前記主軸先端に取り付けられ工具を密着嵌合してクランプする工具保持部をホルダの先端部に設けた熱膨張率の大きい材料で製作されたホルダと、前記工具保持部を局部的に加熱する高周波誘導加熱装置と、前記工具保持部と主軸取付け部との間のホルダ本体部を把持して冷却する冷却手段を設けた良熱伝導性の材質で製作されたホルダ把持装置と、工具を把持するとともに工具を冷却するための冷却手段を設けた良熱伝導性の材質で製作された工具把持装置とからなることを特徴とする工具クランプ装置である。
【0018】
また、上記本発明の工具クランプ装置において、上記冷却手段が電子冷却素子であることを特徴とする工具クランプ装置である。
【0019】
さらに、上述の本発明の工具クランプ装置において、上記工具クランプ装置が自動工具交換装置の工具把持装置の一部として構成されていることを特徴とする工具クランプ装置である。
【0020】
本発明の工具クランプ装置では、工具をクランプして保持するホルダ全体の熱容量を小さくなるようにすると共に、工具を保持する工具保持部(チャック部)を高周波で局部的に誘導加熱する装置を設けているので、工具把持部分が数秒〜数十秒間のうちに工具着脱可能温度に達する。この間、ホルダが主軸に取り付けられている部分と加熱部分の間のホルダ本体部が、冷却手段を備えた熱伝導性の良い材質で製作されたホルダ把持装置で把持されていることにより冷却されており、加熱部分から主軸方向へ伝達されてきた熱は吸収され、主軸へ伝達されることが防止される。
【0021】
また、工具を保持しているもう一つの工具把持装置も冷却手段により冷却されているので、工具も所定温度低くなっているので、ホルダの円筒孔状の工具保持部と工具との寸法差が温度差により生じるので、一般的な工具をそのまま着脱できるようになっている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図5を参照しながら本発明の好適な1実施例を説明する。図1は、本発明の工具クランプ装置を備えた工作機械の主軸ヘッド1の要部を示しており、2は高速回転用主軸(高速回転スピンドル)で、5つの軸受3を介して主軸ヘッド1に回転自在に支持され、主軸ヘッド1に内蔵した高周波電動モータ6のロータ7に直結して、回転駆動されるようになっている。
【0023】
主軸ヘッド1には、図示していないオイルエアー潤滑装置から軸受3に潤滑油が供給される配管が施されており、また、高周波モータ部を冷却するため冷却装置から冷却用媒体を循環供給する配管等が設けられている。高速回転主軸2は、数万回転以上の高速回転ができるように精密にバランスが取られている。
【0024】
本発明の工具クランプ装置は、主軸2下端に取付けられたホルダ7及びホルダ7を把持して冷却するホルダ把持装置20A、工具15を把持するとともに冷却する工具把持装置20B並びに高周波誘導加熱装置8で構成される工具着脱装置部20によりなっている。なお、上記冷却把持装置を動作させるアクチュエータやエアーシリンダーなどの部材および加熱手段と冷却手段などを制御する制御装置は図示していないが、一般的に用いられる公知の技術を利用して構成することが可能である。
【0025】
ホルダ7は、本発明の工具クランプ装置の一部を構成する、主軸2の先端に取り付けられた、ニッケルクロム鋼などの熱膨張率の大きい材質で製作されたホルダである。ホルダ7は、主軸2の下端に回転質量バランスが調整された状態で取り付けられている。
【0026】
ホルダ7の先端部は、超硬等の材料で作られたボールエンドミル等の工具15を保持するため円筒状の貫通孔の工具保持部7aと、後述する冷却装置を備えた把持装置により把持冷却されるホルダ本体部7bからなっている。また、ホルダ7の全体的な熱容量を小さくするためにホルダ内に空洞7cが設けられている。ホルダ7を除く工具着脱装置20は、自動工具交換装置の一部として工具交換アームに設けることができる。
【0027】
図2には、工具着脱装置20により工具を着脱するときの各部材の位置関係が示されている。ホルダ把持装置20Aは、例えば、銅、アルミニュームなどからなる良熱伝導性の材質で製作されたホルダ把持部材10a、ホルダ把持部材10aに取付けられた電子冷却素子12a及び放熱フィン13aを組として一方の把持爪とし、ホルダ把持部材10b、電子冷却素子12d及び放熱フィン13dにより他方の把持爪を構成し、アクチュエータなどにより動作させることにより、両者でホルダ7のホルダ本体部7bの外周(図2中のBで示した矢印の領域)を把持して冷却する構造となっている。
【0028】
工具把持装置20Bは、ホルダ把持装置20Aと同様に、銅、アルミニュームなどからなる良熱伝導性の材質で製作された工具把持部材11a、工具把持部材11aに取付けられた電子冷却素子12b及び放熱フィン13bを組として一方の把持爪とし、工具把持部材11b、電子冷却素子12c及び放熱フィン13cにより他方の把持爪を構成し、両者で工具15の外周を把持して冷却する構造となっている。
【0029】
電子冷却素子12a、12b、12c、12dの吸熱側が、ホルダあるいは工具把持部材に密着して取付けられており、吸収された熱は放熱側から放熱フィン13a、13b、13c、13dを介して排熱される。電子冷却素子の放熱フィン13a、13b、13c、13dに空冷用のファンを取付けることで冷却効率を一段と高めることができる。
【0030】
本実施例では電子冷却素子を用いた例を示しているが、電子冷却素子の代わりに把持部材部分に冷却装置からの冷媒(液体または気体)あるいは市販されている断熱膨張を利用して−10℃以下の空気を発生させることができるコールドエアー発生装置からの冷却エアーを導く通路を設けて冷却するよう構成することも可能である。
【0031】
8は、約2MHzの高周波誘導加熱用コイルからなる高周波誘導加熱装置で、ホルダ7の工具保持部7a(図中Aで示される矢印の領域)を数秒から数十秒で局部的に加熱する。この工具保持部7aをテーパー状にして熱容量を小さくしておくことにより、工具保持部分だけが急速に約200℃程度に加熱できる。高周波誘導過熱装置8は、ホルダあるいは工具把持装置を支持しているアームなどの把持装置の動作に対して影響を受けない部分に固定されており、図2に示される工具着脱装置20の位置関係になるように取付けられている。
【0032】
次に、本発明の工具クランプ装置の工具交換動作について、図2から図5を参照しながら説明する。図3は、ホルダ7に保持されている工具15を交換するために、工具交換装置のアームに取り付けられた工具着脱装置20が、主軸2の直下の位置に位置決めされた状態を示している。この位置では、ホルダ及び工具把持装置は所定量開いた状態になっている。また、工具交換動作を開始した時点あるいはそれ以前から、電子冷却素子12a乃至dにより、ホルダ把持部材10aと10b及び工具把持部材11aと11bの冷却が開始されている。
【0033】
これら把持部材10及び11は、良熱伝導性でかつ比熱の高いアルミニュームなどの材質で製作し熱容量的にも大きくすることが望ましい。ペルチェ効果を利用した電子冷却素子12により、工具交換動作を行なう以前からこのホルダ把持部材に対し予め冷却を行なって温度を低下させておくことにより、より短時間でかつ多くの熱を把持部材で吸収できるようになる。
【0034】
図3の状態から図2の状態に工具着脱装置20が移動すると共にホルダ把持装置20Aと工具把持装置20Bが図示していないアクチュエータによりホルダ7及び工具15を把持する。ホルダ及び工具把持部材は既に冷却が開始されているので、ホルダ7の本体部7b部分と工具15の温度は低下し始める。
【0035】
所定時間後に高周波誘導加熱装置8により、ホルダ先端の工具保持部7aを十数秒加熱する。この間工具は冷却されている把持部材11aと11bにより把持されているためホルダ7aと工具15の間に数十度の温度差が発生する。ところで、本発明では、従来の装置のように600℃以上の熱風でホルダを加熱する方式ではなく、高周波誘導加熱用のコイルによりホルダ7の工具保持部7aを局部加熱することができるので、与えた熱が他の部材まで影響することがなくなり、主軸ヘッド1全体に対する熱影響も防ぐことができる。したがって、主軸2の軸方向(Z軸方向)に対する温度変化による変位もほとんど発生しない。
【0036】
一方、ホルダ本体部7bは、既に冷却されているホルダ把持部材10aと10bにより把持されているので、加熱されている部分から伝導してきた熱はより温度が低い把持部材に伝達され主軸方向への熱の伝導はほとんどなくなる。ホルダ7先端の工具保持部7aの質量は、ホルダ7の他の部分の質量に対して小さくなっているので、工具保持部7bを工具着脱温度にまで上昇させるのに必要な、質量、比熱と上昇温度から求められる熱量とホルダの本体部分の質量、比熱、低下温度から求まる熱量がほぼ一致するようにホルダ本体部7bを冷却しておくことで高周波誘導加熱装置8により与えられた熱をほぼ打消し合せることができる。
【0037】
高周波誘導加熱装置8によりホルダ7の工具保持部7aが、取外し可能な温度まで上昇した時点で、図4に示すように工具把持装置20Bは、工具15を把持したまま下方へ移動する。ホルダ把持装置20Aは、引き続きホルダを把持した状態で所定時間冷却を続けた後、図5に示されるように、把持爪を開放して主軸を下方へ移動させる。この動作タイミングは、実験等で時間間隔を決定することができるが、ホルダ把持部材10aに温度センサを取付けてホルダ本体7bの温度が所定温度になった時点で冷却動作を停止すると共にホルダ把持部材を開放して、ホルダ把持装置20Aを主軸部分から移動させる構成とすることができる。また、ホルダ7の工具保持部7aの冷却を促進するため冷却エアーを加熱した部分に吹きかける構成を追加して冷却時間を短縮することもできる。なお、この場合冷却空気が他の主軸ヘッド1の構成部材に温度変化を与えないように考慮する必要がある。
【0038】
次に、交換する工具を本発明の工具クランプ装置で密着嵌合させてクランプする動作について説明する。この動作は、先に説明した工具を取外す動作の略逆の動作になる。工具冷却把持部20Bは、取外した工具を工具マガジンに戻した後交換する工具を把持し、図5に示す位置に工具交換アームにより位置決めされる。
【0039】
この際、把持部材10a及び10b並びに11aと11bを電子冷却素子12a乃至dにより冷却を始めておく。次に、図4に示す位置にホルダ把持装置20Aを移動し把持部材10aと10bによりホルダ本体部7bを把持してホルダの温度を低下させる。所定時間後あるいはホルダ7の温度を検出して、ホルダ7が所定の温度に低下したら、高周波誘導加熱装置8の高周波誘導加熱コイルに高周波電流を流してホルダの工具保持部7aを局部加熱する。
【0040】
工具保持部7aの内径が拡大し工具を挿入できる温度に達した時点で、工具を冷却しながら把持している工具把持装置20Bを上昇させ、図2に示される位置関係で、工具保持部に工具15を挿入し、高周波加熱装置8の電流を切る。ホルダ7aに与えられた熱は工具側とホルダ本体部から奪われて、工具15は工具保持部7aに確実に密着嵌合することによりクランプされる。このとき上述と同様に、外部から冷却エアーを加熱部分に吹きかけることで動作を促進させることができる。
【0041】
所定時間経過後あるいはホルダ7の温度が通常の運転温度に戻った時点ですべての電子冷却素子の電源を切り、ホルダ及び工具把持装置の把持部材を開放し工具着脱装置20全体を降下させて工具の交換動作を終了する。
【0042】
上述した工具交換動作は数値制御装置からの指令に基づいて行なわれるようにすることもできるし他に専用の制御装置を設けてもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているから、中実の主軸により剛性を高めて主軸径を小さくできるので軽量化がはかれ、高速回転に適したクランプ装置である。そして、主軸側に設けたホルダに工具交換のために熱が与えられても、その熱が主軸にほとんど影響を与えることがなく主軸の熱による回転バランスの狂いを防ぐことができるため、アイドリング運転時間を短くすることができる。
【0044】
また、本発明では、ホルダ部を局部的に加熱すると同時に工具を冷却する手段を有して温度差で着脱できるようにした構成であるので、一般に市販されている工具をそのまま主軸にクランプすることができ工具の取付精度を向上させることができる。
【0045】
さらに、本発明の工具クランプ装置では冷却のために電子冷却素子を用いているので冷媒を送る配管や断熱材も不要となりコンパクトに製作でき、従来の工具交換装置のアームに取り付けられる工具把持爪としてもそのまま利用できるので工具交換装置の設計変更などの必要性がなくなる。
【0046】
加えて、従来装置が有していた、シンプルなホルダ構造により、主軸の軸受から工具までの距離を最小限に設計することが可能となり、高剛性と共に安全性が高められ、かつ高速回転によるクランプ力の低下が少ないので、高速重研削が可能であるという効果も損ねることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工具クランプ装置を備えた工作機械の主軸ヘッドの要部を示す図である。
【図2】工具着脱装置の各部材の詳細を示すとともに、工具を着脱するときの位置関係を示す図である。
【図3】ホルダに保持されている工具を交換するために、工具着脱装置が主軸の直下の位置に位置決めされた状態を示した図である。
【図4】工具着脱装置の工具把持装置が工具を把持したまま下方へ移動した状態を示した図である。
【図5】すべての把持爪を開放して工具着脱装置が主軸下方へ移動し工具を交換する状態を示す図である。
【図6】従来の高速加熱及び高速冷却装置を備えたクランプ装置を示す図である。
【符号の説明】
1,主軸ヘッド
2,主軸
3,軸受
7,ホルダ
8,高周波誘導加熱装置
10a,ホルダ把持部材
11a,工具把持部材
12a,電子冷却素子
13a,放熱フィン
20,工具着脱装置
20A,ホルダ把持装置
20B,工具把持装置
110,ホルダ支持軸
120,工具ホルダ
130a,ホルダ凹部
140,高速加熱装置
150,高速冷却装置
210,アーム
220,フィンガー
230,加振装置
240,ばね

Claims (3)

  1. 工作機械の主軸の先端に工具を自動交換可能に保持するため前記主軸先端部に設けられる工作機械の工具クランプ装置において、前記主軸先端に取り付けられ工具を密着嵌合してクランプする工具保持部をホルダの先端部に設けた熱膨張率の大きい材料で製作されたホルダと、前記工具保持部を局部的に加熱する高周波誘導加熱装置と、前記工具保持部と主軸取付け部との間のホルダ本体部を把持して冷却する冷却手段を設けた良熱伝導性の材質で製作されたホルダ把持装置と、工具を把持するとともに工具を冷却するための冷却手段を設けた良熱伝導性の材質で製作された工具把持装置とからなる工具クランプ装置。
  2. 請求項1に記載の装置において、上記冷却手段が電子冷却素子であることを特徴とする工具クランプ装置。
  3. 請求項1及び2に記載の装置において、上記工具クランプ装置が自動工具交換装置の工具把持装置の一部として構成されている工具クランプ装置。
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