JP4162963B2 - 電子内視鏡システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子内視鏡システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、数100万画素以上の多画素のCCDを備えた電子内視鏡が利用されつつある。このような電子内視鏡は従来の電子内視鏡に比べてより多くの画像処理を短時間で行なう必要がある。また、近年リアルタイムでFFTフィルタ等の画像処理を行なうといった需要が増加しつつある。このような目的のため、内視鏡自身にDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等の高速の演算処理回路を搭載させたものがある。
【0003】
また、近年の演算処理回路の高機能化・高速化が進む一方、演算処理装置の発熱量は上昇傾向にあり、演算処理装置には冷却装置が必須となりつつある。演算処理装置からの熱を効率よく放熱させる冷却装置としては、ヒートシンクがある。
【0004】
しかしながら、冷却効率を上げるための大きなサイズのヒートシンクの採用や冷却ファンの追加等の手段は電子内視鏡本体の大型化を余儀なくされるため、あまり好ましいとはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の目的に鑑み、本発明は、電子内視鏡に内蔵された演算処理装置を効率よく冷却可能であり、かつ電子内視鏡の大型化を防止可能な電子内視鏡システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の電子内視鏡システムは、電子内視鏡用プロセッサが、電子内視鏡のヒートシンクの熱を電子内視鏡用プロセッサ内に移送可能なヒートパイプと、ヒートパイプを移動可能なヒートパイプ移動手段と、ヒートパイプ移動手段を制御して電子内視鏡を電子内視鏡用プロセッサに接続したときにヒートパイプの一端をヒートシンクに当接させるようにヒートパイプを移動し電子内視鏡を電子内視鏡用プロセッサから取り外したときにヒートパイプが電子内視鏡用プロセッサに収納されるようにヒートパイプを移動する制御手段と、を有する。
【0007】
従って、本発明によれば、電子内視鏡の演算処理装置から発生した熱がヒートパイプによって電子内視鏡用プロセッサ内に移送されて放熱されるため、演算処理装置の冷却装置を電子内視鏡の中に収める必要がない。
【0008】
また、電子内視鏡が電子内視鏡の機種情報が記憶された記憶手段を有し、制御手段は機種情報を記憶手段から読み出して機種情報に応じてヒートパイプの移動量を設定する構成としても良い。
【0009】
このような構成とすることによって、電子内視鏡の種類に応じてヒートパイプを熱の移送に最適な位置に移動可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態による電子内視鏡システムのブロック図を図1に示す。本実施形態の電子内視鏡システム1は電子内視鏡100、電子内視鏡用プロセッサ200、モニタ300、を有する。
【0011】
電子内視鏡100の挿入可撓管101の先端には対物レンズ102が埋め込まれている。対物レンズ102による光学像は、挿入可撓管101の内部に取り付けられたCCD104の受光面上で結像する。CCD104はこの光学像を電気信号に変換し、一定のタイミングで電子内視鏡100のコネクタ部105内に配置されたCCDドライバ基板110上のDSP111に送信する。なお、CCD104はモノクロCCDである。
【0012】
DSP111の上面はヒートシンク112に覆われている。ヒートシンク112は銅やアルミなど、熱伝導率の高い材料で形成された板状の部材であり、DSP111からの熱を効率よく吸収する。
【0013】
また、電子内視鏡100の内部にはライトガイド103が挿通されている。ライトガイド103の一端は挿入可撓管101の先端に設けられた配光部に位置している。ライトガイド103の他端は電子内視鏡100のコネクタ部105から突出しており、電子内視鏡用プロセッサ200がライトガイド103の他端に光束を入射させることにより、光束はライトガイドを通過して挿入可撓管101の先端から放射される。
【0014】
電子内視鏡用プロセッサ200は、システムコントロール201と、信号処理回路202と、光源ユニット204と、ヒートパイプ211と、ヒートパイプ移動手段212と、ヒートパイプ冷却手段213と、を有する。
【0015】
光源ユニット204は白色光を発するランプを有する。また、光源ユニット204は回転フィルタを有する。回転フィルタは3箇所にスリットが形成された円盤であり、各スリットには赤・緑・青いずれかの単色のカラーフィルタが埋め込まれている。回転フィルタはランプとライトガイド103の入射端との間に配されており、ランプからの光束はカラーフィルタを通過して単色光化された後、ライトガイド103に入射する。
【0016】
システムコントロール201は光源ユニット204と電子内視鏡100のCCDドライバ基板110に配置されたCCDコントローラ(図示せず)とを制御して、回転フィルタのカラーフィルタのそれぞれがランプの前を通過しているときはCCD104が画像の撮像を行ない、それ以外の時はCCD104が画像信号を前段信号処理回路206に転送するようにする。従って、CCD104によって撮像される画像は単色光のみで照射された画像となる。すなわち、CCD104による1フレーム分の撮像が行なわれている間は赤・緑・青いずれか1色の光のみがライトガイド103より照射されるよう、回転フィルタの回転は制御されている。電子内視鏡100のDSP111は赤・緑・青各色の光で照射された生体の画像を合成してデジタルカラー画像を得る。このいわゆる面順次方式により、CCD104がモノクロCCDであってもカラー画像を得ることができる。また、DSP111はデジタルカラー画像を生成する際にFFTフィルタ等の画像処理を行なうことができる。
【0017】
DSP111によって生成されたデジタル画像データはコネクタ部105に設けられた電気コネクタ105aを介して信号処理回路202に転送される。信号処理回路202はこのデジタル画像データをNTSC・PAL等のビデオ信号に変換し、モニタ300に出力する。従って、電子内視鏡100の対物レンズ102による像はカラー画像としてモニタ300に表示される。
【0018】
また、電子内視鏡100の操作ボタン109を操作してDSP111に特定の制御信号を送り、DSP111に通常のデジタルカラー画像の代わりに輪郭強調画像等の特定のデジタル画像を生成させることができる。
【0019】
ヒートパイプ211はヒートパイプ移動手段212によってその軸方向に移動可能である。ヒートパイプ移動手段212は、ヒートパイプ211の一端が電子内視鏡用プロセッサ200から突出して電子内視鏡100のコネクタ部105内のヒートシンク112に当接する当接状態と、ヒートパイプ211の一端が電子内視鏡100のヒートシンク112から離間して電子内視鏡用プロセッサ200に収納される収納状態のいずれかの状態を取るようにヒートパイプ211の位置を制御する。
【0020】
ヒートパイプ211の他端には冷却手段213が取り付けられている。冷却手段213は、放熱フィンをスタック化したヒートシンクと冷却ファンから構成されており、ヒートパイプ211の他端の熱を放熱させる。
【0021】
従って、ヒートパイプ移動手段212によってヒートパイプ211がヒートシンク112に当接状態となっているときは、DSP111から発せられる熱はヒートシンク112に移動し、さらにヒートパイプ211によってヒートパイプ211の他端に移動する。ヒートパイプ211の他端に移動した熱は冷却手段213によって放熱されるので、ヒートパイプ211の他端の温度は一端よりも低く抑えられ、ヒートパイプ211による一端から他端への熱の移動は継続的に行なわれる。この結果、DSP111の温度は低く保たれる。
【0022】
なお、ヒートパイプ移動手段212およびヒートパイプ冷却手段213の冷却ファンの作動はシステムコントロール201によって制御される。
【0023】
以上のように、本実施形態の電子内視鏡システム1によれば、DSP111からの熱を電子内視鏡用プロセッサ200内に移送して放熱させる構成となっているため、DSP111を効率よく冷却可能であり、かつ電子内視鏡100の寸法は小さく抑えられる。
【0024】
ヒートパイプ移動手段212の構造を図2を用いて説明する。図2は、ヒートパイプ211、ヒートパイプ移動手段212、ヒートパイプ冷却手段213および電子内視鏡100のコネクタ部105を示した斜視図である。なお、以下の説明においては、図2中に記載されている矢印にて「上」「下」を定義している。
【0025】
ヒートパイプ移動手段212は、レールガイド212a、ヒートパイプ固定具212b、ガイドレール212cLおよび212cR、ラック212d、マイクロスイッチ212eFおよび212eB、ピニオン212f、ステッピングモータ212g、ドライバ回路212hを有する。
【0026】
ヒートパイプ固定具212bは、ヒートパイプ211の中途でヒートパイプ211を保持するアームである。また、ヒートパイプ211の熱がヒートパイプ移動手段212に吸収されないよう、ヒートパイプ固定具212bは熱伝導率の低い材料を使用している。
【0027】
レールガイド212aは長方形板状の部材である。ヒートパイプ211の軸方向がレールガイド212aの長手方向に一致するようにヒートパイプ固定具212bはレールガイド212aの上面に固定されている。
【0028】
レールガイド212aの両長辺は、コの字断面のガイドレール212cLおよび212cRの凹部に摺動可能にガイドされている。また、ガイドレール212cLおよび212cRは電子内視鏡用プロセッサ200のフレームに固定されている。従って、レールガイド212aはガイドレール212cLおよび212cRによって位置規制され、その長手方向のみに移動可能となっている。
【0029】
ラック212dはレールガイド212aの下面から下方に延びる略長方形形状のプレートであり、その長辺の方向はレールガイド212aの移動方向に等しい。ラック212dの歯はラック212dの下部長辺に形成されている。
【0030】
ピニオン212fはラック22dの歯と係合している。また、ピニオン212fはステッピングモータ212gに接続されている。なお、ステッピングモータ212gはドライバ回路212hに、ドライバ回路212hはシステムコントロール201によって制御される。従って、システムコントロール201がステッピングモータ212gを制御してピニオン212fを回転駆動することによって、ヒートパイプ211をその軸方向に前後退させることができる。
【0031】
ヒートパイプ211を前進させるとその先端は電子内視鏡用プロセッサ200から突出する。この時、電子内視鏡用プロセッサ200に電子内視鏡100が取り付けられていれば、ヒートパイプ211は電子内視鏡100のコネクタ部105に形成された開口部Oからコネクタ部105の内部に挿入される。また、電子内視鏡100のヒートシンク112にはヒートパイプ211と係合する扁平形状の穴112Hが形成されており、開口部Oを通って電子内視鏡100のコネクタ部105に案内されてヒートパイプ211は穴112Hに挿置される。この時、ヒートパイプ211の外周は穴112Hの内周に密着し、DSP111からヒートシンク112に移動した熱はヒートパイプ211に伝導する。
【0032】
マイクロスイッチ212eFおよび212eBはレールガイド211aの前後(長手)方向の移動量を規制するために利用される。すなわち、レールガイド211aが電子内視鏡100に向かって所定量前進すると、ラック212dの前端がマイクロスイッチ212eFに接触する。ラック212dの前端がマイクロスイッチ212eFに接触するとマイクロスイッチ212eFはシステムコントロール201に所定の信号を発し、システムコントロール201はこの信号を受信すると、ステッピングモータ212gの動作を停止するようドライバ回路212hを制御する。従って、ラック212dの前端がマイクロスイッチ212eFに接触する位置以上にヒートパイプ211が前進することはない。なお、ラック212dの前端がマイクロスイッチ212eFに接触する状態では、ヒートパイプ211の先端はヒートシンク112の穴112Hの内壁に対して充分な接触面積をもって電子内視鏡100のヒートシンク112の穴112Hに挿置されている。
【0033】
同様に、レールガイド211aが電子内視鏡100から離れるように所定量後退すると、ラック212dの後端がマイクロスイッチ212eBに接触する。ラック212dの後端がマイクロスイッチ212eBに接触するとマイクロスイッチ212eBはシステムコントロール201に所定の信号を発し、システムコントロール201はこの信号を受信すると、ステッピングモータ212gの動作を停止するようドライバ回路212hを制御する。従って、ラック212dの後端がマイクロスイッチ212eBに接触する位置以上にヒートパイプ211が後退することはない。なお、ラック212dの後端がマイクロスイッチ212eBに接触する状態では、ヒートパイプ211は完全に電子内視鏡用プロセッサ200の内部に収納される。
【0034】
ヒートパイプ211の位置制御機構を図3を用いて説明する。図3は、電子内視鏡100および電子内視鏡用プロセッサ200の回路ブロックの一部である。図3に示すように、電子内視鏡100の電気コネクタ105aには検知ピン108aおよび108bが用意されている。同様に、電子内視鏡用プロセッサ200の電気コネクタ205には検知ピン108aおよび108bのそれぞれに対応する端子205aおよび205bが用意されている。
【0035】
端子205aは電源Vccからの電圧供給を受け、またシステムコントロール201の検知信号端子201aと接続されている。また、端子205bは接地されている。一方、検知ピン108aおよび108bは共にCCDドライバ基板110のGNDに接続されている。
【0036】
電子内視鏡用プロセッサ200に電子内視鏡100が接続されていないときは、端子205aがオープン状態となり、電源Vccからの電圧を受けて検知信号端子201aにはデジタル的に"H"レベルの信号が入力されている。一方、電子内視鏡用プロセッサ200に電子内視鏡100が接続されているときは、端子205aと205bがCCDドライバ基板110のGNDを介してショート状態となるため、検知信号端子201aにはデジタル的に"L"レベルの信号が入力されている。システムコントロール201はこの検知信号端子201aに応じてドライバ回路212hを制御する。
【0037】
検知信号端子201aに"L"レベルの信号が入力されているとき、すなわち電子内視鏡用プロセッサ200に電子内視鏡100が接続されているときは、システムコントロール201はヒートパイプ211が電子内視鏡100に向かって前進するようにステッピングモータ212gを駆動するための制御信号をドライバ回路211hに送信する。また、ラック212dの前端がマイクロスイッチ212eFに接触するまでヒートパイプ211が前進した後、システムコントロール201はステッピングモータ212gを停止するための制御信号をドライバ回路211hに送信する。従って、電子内視鏡100が電子内視鏡用プロセッサ200に装着されると、ヒートパイプ211が所定量前進して電子内視鏡100のヒートシンク112の熱をヒートパイプ211が移送可能となる。
【0038】
検知信号端子201aに"H"レベルの信号が入力されているとき、すなわち電子内視鏡用プロセッサ200に電子内視鏡100が接続されていないときは、システムコントロール201はヒートパイプ211が電子内視鏡100から後退するようにステッピングモータ212gを駆動するための制御信号をドライバ回路211hに送信する。すなわち、電子内視鏡100を電子内視鏡用プロセッサ200から取り外すとヒートパイプ211は後退を始める。また、ラック212dの後端がマイクロスイッチ212eBに接触するまでヒートパイプ211が後退した後、システムコントロール201はステッピングモータ212gを停止するための制御信号をドライバ回路211hに送信する。従って、電子内視鏡100が電子内視鏡用プロセッサ200から外されると、ヒートパイプ211が所定量後退して電子内視鏡用プロセッサ200に収納される。
【0039】
以上のように、本実施形態の内視鏡システムによれば、電子内視鏡100に内蔵されたDSP111の冷却装置を電子内視鏡用プロセッサ200の内部に設置できる。従って、発熱量の多い演算処理手段を電子内視鏡の内部に配置する場合であっても電子内視鏡の寸法・重量の増大を抑えることができる。また、冷却風を通すための開口部を内視鏡に設ける必要がないため、内視鏡洗浄時はコネクタのみを密封すればよい。
【0040】
なお、本実施形態は、ラック212dの前端がマイクロスイッチ212eFに接触した状態で、ヒートパイプ211による熱の移送が可能となるよう構成されている。しかしながら、本発明は上記構成に限定されるものではなく、電子内視鏡の種類に応じてヒートパイプを熱の移送に最適な位置に移動可能な構成としても良い。以下に説明する本発明の第2の実施の形態はこのような電子内視鏡システムである。
【0041】
本発明の第2の実施の形態による電子内視鏡システムのブロック図を図4に示す。なお、以下の説明において、本発明の第1の実施の形態と同等の機能を有する部材には本発明の第1の実施の形態と同一の符号を配する。本実施形態の電子内視鏡システム1000は電子内視鏡1100、電子内視鏡用プロセッサ1200、モニタ300、を有する。
【0042】
図4に示されるように、本実施形態は本発明の第1の実施の形態の電子内視鏡100にEEPROM1113を、電子内視鏡用プロセッサ200にペリフェラルドライバ回路1206を追加したものである。電子内視鏡1100を電子内視鏡用プロセッサ1200に接続すると、EEPROM1113はペリフェラルドライバ回路1206に電気的に接続されるようになっている。また、ペリフェラルドライバ回路1206は電子内視鏡1200のシステムコントロール1201によって制御される。なお、本実施形態の他の構成については本発明の第1の実施の形態と同様であるので、説明は省略する。
【0043】
EEPROM1113には電子内視鏡1100の種類を特定可能な型番(機種情報)が記録されている。また、システムコントロール1201のROMには、この型番からヒートパイプ211の収納状態(ラック212dの後端がマイクロスイッチ212eBに接触している状態)から熱の移送に最適な位置までの移動量を参照するためのルックアップテーブルが記憶されている。図5にルックアップテーブルの一例を示す。
【0044】
電子内視鏡1100が電子内視鏡用プロセッサ1200に接続されると、システムコントロール1201はペリフェラルドライバ回路1206を制御して接続された電子内視鏡1100の型番をEEPROM1113から読み取る。さらに、システムコントロール1201は、ルックアップテーブルを参照して読み取った型番からヒートパイプの移動量を得る。例えば、読み取った型番が「A120」であれば、移動量は収納状態から50ステップである。次いで、システムコントロール1201はドライバ回路212hを制御してステッピングモータ212gをルックアップテーブルを参照して得られたステップ数だけ回転させ、ヒートパイプ211を前進させる。なお、このヒートパイプ211移動制御の詳細については後述する。
【0045】
従って、本実施形態によれば、CCDドライバ回路110の設計上の都合で、例えばヒートシンク112を電子内視鏡用プロセッサ1200よりの位置(図4中右側)、或いは電子内視鏡用プロセッサ1200から離れた位置(図4中左側)に配置しなければならない場合であっても、ヒートパイプ211の先端入熱部を確実にヒートシンク112の中に配置させることができる。
【0046】
本実施形態の電子内視鏡システム1000による、ヒートパイプ211移動制御ルーチンの動作を図6から図8のフローチャートを用いて説明する。なお、以下のフローはシステムコントロール201が所定のプログラムを実行することによって実施される。
【0047】
図6はヒートパイプ211移動制御ルーチンの動作フローである。電子内視鏡用プロセッサ1200の電源が投入されると、最初にステップS101が実行される。ステップS101ではヒートパイプ後退サブルーチン(後述)が実行され、ヒートパイプ211を収納状態(ラック212dの後端がマイクロスイッチ212eBに接触している状態)にする。次いでステップS102に進む。
【0048】
ステップS102では電子内視鏡1100が電子内視鏡用プロセッサ1200に接続されているかどうかの判定が行なわれる。電子内視鏡1100が電子内視鏡用プロセッサ1200に接続されているのであれば(S102:YES)ステップS103に進み、接続されていなければ(S102:NO)ステップS102を引き続き実行する。すなわち、電子内視鏡用プロセッサ200の電源投入時に電子内視鏡1100が接続されていないのであれば、接続されるまで待機する。
【0049】
ステップS103では、ヒートパイプ前進サブルーチン(後述)が実行される。次いで、ステップS104に進む。
【0050】
ステップS104では電子内視鏡1100が電子内視鏡用プロセッサ1200に接続されているかどうかの判定が行なわれる。電子内視鏡1100が電子内視鏡用プロセッサ1200に接続されていなければ(S104:NO)ステップS101に戻ってヒートパイプ211を電子内視鏡用プロセッサ200に収納し、接続されていれば(S104:YES)ステップS104を引き続き実行する。すなわち、ステップS104では電子内視鏡1100が電子内視鏡用プロセッサから取り外されるまで待機する。
【0051】
図7は、図6のフローのステップS103で呼び出される「ヒートパイプ前進サブルーチン」の動作フローである。本ルーチンが開始すると、最初にステップS201が実行される。
【0052】
ステップS201では、システムコントロール1201はペリフェラルドライバ回路1206を制御して電子内視鏡1100のEEPROM1113の内容を読み出す。次いで、ステップS202に進む。
【0053】
ステップS202では、ステップS201で読み出したEEPROM1113の内容から型番を抽出し、システムコントロール1201のレジスタにロードする。次いで、ステップS203に進む。
【0054】
ステップS203では、ステップS202でレジスタにロードした電子内視鏡1100の型番を用いてシステムコントロール1201のROMに保存されたルックアップテーブルを参照する。次いで、ステップS204に進む。
【0055】
ステップS204では、ステップS203の参照結果の判定を行う。すなわち、ステップS202で抽出した型番に対応する移動量がルックアップテーブルに記録されていないのであれば(S204:NO)、この電子内視鏡1100にはヒートパイプ211用の開口部Oが形成されていないと判断し、本ルーチンを終了する(図6のステップS104に進む)。一方、ステップS202で抽出した型番に対応する移動量がルックアップテーブルに記録されているのであれば(S204:YES)、ステップS205に進む。
【0056】
ステップS205では、変数CにステップS203で参照された移動量(パルスカウント値)を代入する。次いでステップS206に進む。
【0057】
ステップS206では、システムコントロール1201はドライバ回路212hを制御して、ヒートパイプ211が電子内視鏡1100に向かって前進するようにステッピングモータ212gの回転方向を設定する。次いで、ステップS207に進む。
【0058】
ステップS207では、変数Cの値が0であるかどうかの判断を行なう。変数Cの値が0であれば(S207:YES)本ルーチンを終了して図6のステップS104に進み、変数Cの値が1以上であれば(S207:NO)ステップS208に進む。
【0059】
ステップS208では、変数Cの値を1減ずる。次いで、ステップS209に進む。
【0060】
ステップS209では、システムコントロール1201はドライバ回路121hを制御して、ステッピングモータ121gに1パルス送出する。この結果、ヒートパイプ211は1ステップ(ステッピングモータ121gが1パルス受信したときの回転角度×ピニオンのピッチ円周長さ)分電子内視鏡1100に向かって前進する。次いで、ステップS210に進む。
【0061】
ステップS210では、システムコントロール1201はラック212dの前端がマイクロスイッチ212eFに接触したかどうかのチェックを行なう。ラック212dの前端がマイクロスイッチ212eFに接触したのであれば(S210:YES)、ステップS211に進む。本実施形態においては、ルックアップテーブルに記載されている移動量はラック212dの前端がマイクロスイッチ212eFに接触しないような値に設定されている。従って、ラック212dの前端がマイクロスイッチ212eFに接触したということは、何らかのエラーが発生したということを示す。従って、ステップS211ではシステムコントロール1201は信号処理回路202を制御してモニタ300にエラーメッセージを表示させ、次いで本ルーチンを終了する。
【0062】
一方、ステップS210において、ラック212dの前端がマイクロスイッチ212eFに接触していないのであれば(S210:NO)、ステップS207に戻る。従って、S207〜S210が一回実行されるたびに、変数Cが1ずつ減少し、ヒートパイプ211は1ステップ前進する。従って、S207〜S210のループによってヒートパイプ211はステップS205で変数Cに代入されたステップ数分前進する。
【0063】
図8は、図6のフローのステップS101で呼び出される「ヒートパイプ後退サブルーチン」の動作フローである。本ルーチンが開始すると、最初にステップS301が実行される。
【0064】
ステップS301では、システムコントロール1201はドライバ回路212hを制御して、ヒートパイプ211が電子内視鏡1100から離れて後退するようにステッピングモータ212gの回転方向を設定する。次いで、ステップS302に進む。
【0065】
ステップS302では、システムコントロール1201はラック212dの後端がマイクロスイッチ212eBに接触したかどうかのチェックを行なう。ラック212dの後端がマイクロスイッチ212eBに接触したのであれば(S302:YES)、本ルーチンを終了し、図6のステップS102に進む。
【0066】
一方、ステップS302において、ラック212dの後端がマイクロスイッチ212eBに接触していないのであれば(S302:NO)、ステップS303に進む。
【0067】
ステップS303では、システムコントロール1201はドライバ回路121hを制御して、ステッピングモータ121gに1パルス送出する。この結果、ヒートパイプ211は1ステップ分電子内視鏡1100から離れて後退する。次いで、ステップS302に進む。
【0068】
以上のように、本サブルーチンによれば、ラック212dの後端がマイクロスイッチ212eBに接触するまでヒートパイプ211が後退し、ヒートパイプ211が電子内視鏡用プロセッサ200の内部に完全に収納される。
【0069】
以上のように、図6〜8に示されたルーチンをシステムコントロール1201が実行することによって、電子内視鏡の型番に応じてヒートパイプ211の移動量を設定可能となる。なお、ヒートパイプ冷却手段を設けずに自然空冷によりヒートパイプから放熱させても良い。
【0070】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、電子内視鏡に内蔵された演算処理装置を効率よく冷却することが可能であり、かつ電子内視鏡の大型化を防止可能な電子内視鏡システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の電子内視鏡システムのブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のヒートパイプ、ヒートパイプ移動手段、ヒートパイプ冷却手段および電子内視鏡のコネクタ部を示した斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の電子内視鏡および電子内視鏡用プロセッサの回路ブロックの一部である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による電子内視鏡システムのブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態において、電子内視鏡の型番からヒートパイプの適切な移動量を参照するためのルックアップテーブルの一例である。
【図6】本発明の第2の実施の形態のヒートパイプ移動制御ルーチンの動作フローである。
【図7】本発明の第2の実施の形態のヒートパイプ前進サブルーチンの動作フローである。
【図8】本発明の第2の実施の形態のヒートパイプ後退サブルーチンの動作フローである。
【符号の説明】
1 電子内視鏡システム
100 電子内視鏡
105 コネクタ部
105a 電気コネクタ
108a 検知ピン
108b 検知ピン
110 CCDドライバ基板
111 DSP
112 ヒートシンク
112H 穴
200 電子内視鏡用プロセッサ
201 タイミングコントロール
205 電気コネクタ
205a 端子
205b 端子
211 ヒートパイプ
212 ヒートパイプ移動手段
212a レールガイド
212b ヒートパイプ固定具
212cL ガイドレール
212cR ガイドレール
212d ラック
212eF マイクロスイッチ
212eB マイクロスイッチ
212f ピニオン
212g ステッピングモータ
212h ドライバ回路
213 ヒートパイプ冷却手段
1113 EEPROM
1206 ペリフェラルドライバ回路
Claims (12)
- 演算処理回路と演算処理回路からの熱を吸収するヒートシンクとを備えた電子内視鏡と、
電子内視鏡用プロセッサと、
を有する内視鏡システムであって、
前記電子内視鏡用プロセッサが、
前記ヒートシンクの熱を前記電子内視鏡用プロセッサ内に移送可能なヒートパイプと、
前記ヒートパイプを移動可能なヒートパイプ移動手段と、
前記ヒートパイプ移動手段を制御して、前記電子内視鏡を前記電子内視鏡用プロセッサに接続したときに前記ヒートパイプの一端を前記ヒートシンクに当接させるように前記ヒートパイプを移動し、前記電子内視鏡を前記電子内視鏡用プロセッサから取り外したときに前記ヒートパイプが前記電子内視鏡用プロセッサに収納されるように前記ヒートパイプを移動する、制御手段と、
を有することを特徴とする、電子内視鏡システム。 - 前記ヒートシンクには、前記ヒートパイプが挿入される穴が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の電子内視鏡システム。
- 前記穴の内周は、前記ヒートパイプの一端の外周と係合することを特徴とする、請求項2に記載の電子内視鏡システム。
- 前記電子内視鏡が、前記電子内視鏡の機種情報が記憶された記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記電子内視鏡を前記電子内視鏡用プロセッサに接続したときに、前記機種情報を前記記憶手段から読み出して、前記機種情報に応じて前記ヒートパイプの移動量を設定することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子内視鏡システム。 - 前記制御手段は、前記機種情報から前記移動量を決定するルックアップテーブルを参照することによって前記ヒートパイプの移動量を設定することを特徴とする、請求項4に記載の電子内視鏡システム。
- 前記ヒートパイプ移動手段は前記ヒートパイプを保持するヒートパイプ保持手段と、前記ヒートパイプ保持手段を移動させる駆動手段とを有することを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれかに記載の電子内視鏡システム。
- 前記ヒートパイプ保持手段の前記ヒートパイプと接触する部分は低熱伝導率の材料を使用していることを特徴とする、請求項6に記載の電子内視鏡システム。
- 前記駆動手段は、ラック・ピニオン機構を用いて前記ヒートパイプ保持手段を移動させることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の電子内視鏡システム。
- 前記ヒートパイプ移動手段は、前記ヒートパイプが前記ヒートシンクに向かう方向に所定量移動したときに前記ヒートパイプ保持手段と接触する、第1のスイッチと、前記ヒートパイプが前記ヒートシンクから離れる方向に所定量移動したときに前記ヒートパイプ保持手段と接触する、第2のスイッチとを有し、
前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチは各々のスイッチと前記ヒートパイプ保持手段との接触状態をそれぞれ前記制御手段に報知し、
前記制御手段は、前記駆動手段が前記ヒートパイプを前記ヒートシンクに向かう方向に移動させているときに、前記ヒートパイプ保持手段が前記第1のスイッチに接触したとことを検知すると前記駆動手段を停止し、前記駆動手段が前記ヒートパイプを前記ヒートシンクから離れる方向に移動させているときに、前記ヒートパイプ保持手段が前記第2のスイッチに接触したとことを検知すると前記駆動手段を停止することを特徴とする、請求項6から請求項8のいずれかに記載の電子内視鏡システム。 - 前記ヒートパイプ保持手段が前記第2のスイッチに接触しているときは、前記ヒートパイプが前記電子内視鏡用プロセッサに収納されていることを特徴とする、請求項9のいずれかに記載の電子内視鏡システム。
- 前記電子内視鏡用プロセッサは、前記電子内視鏡が前記電子内視鏡用プロセッサに接続されているかどうかを検知する、内視鏡挿抜検知手段を有することを特徴とする、請求項1から請求項10に記載の電子内視鏡システム。
- 前記電子内視鏡用プロセッサが、 前記ヒートパイプによって前記電子内視鏡用プロセッサ内に移送された熱を強制的に放熱させるヒートパイプ冷却手段を有することを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれかに記載の電子内視鏡システム。
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