JP4161696B2 - チップ型サージアブソーバ及びその製造方法 - Google Patents

チップ型サージアブソーバ及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サージから種々の電子機器等を保護し、事故を未然に防ぐために使用されるチップ型サージアブソーバ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
サージアブソーバは、通信線、電源線、アンテナ等、電子機器が外部から信号や電力を得るための入力部に接続し、外部から侵入する異常電圧から電子機器を保護するために使用されるものである。
【0003】
このようなサージアブソーバとしては、放電管タイプのチップ型サージアブソーバが知られている。チップ型サージアブソーバは、絶縁性基板の一面上に導電性膜からなる放電電極が互いの間に放電間隙を挟んで対向配置され、この絶縁性基板の前記一面には前記放電間隙の周囲を囲って前記絶縁性基板との間に放電空間を形成する蓋体が設けられてなる素子本体を有しており、この素子本体には、各放電電極と電気的に接続されるとともに電子機器の基板との接続部をなす端子電極が形成されている。このチップ型サージアブソーバは、電子機器の基板に対して、端子電極をはんだ付けすることで実装される。
【0004】
このようなチップ型サージアブソーバは、従来、以下のようにして製造していた(例えば後述する特許文献1参照)。
まず、絶縁性材料からなる絶縁体シートを用意し、その一面に、この絶縁体シートを複数の絶縁性基板に分割するためのスクライブライン(分割溝)を形成する。この一面において、各絶縁性基板となる領域に、互いの間に放電間隙を挟んで対向させて放電電極を設ける。さらに、この一面の、各絶縁性基板となる領域に、前記蓋体を接着するためのガラス系接着剤層を形成したのち、絶縁体シートをスクライブラインに沿って分割して、各絶縁性基板を得る。一方で、絶縁性材料から、絶縁性基板に接着される側に前記放電空間を形成するための凹部を有する蓋体を個別に作成する。
そして、絶縁性基板に対して蓋体を不活性ガス中で接着して、絶縁性基板と蓋体との間に不活性ガスを封入する。
このようにして絶縁性基板と蓋体とが接着されてなる素子本体においては、各放電電極の端部が露出されている。最後に、素子本体において各放電電極が露出される端部にディッピング等によって端子電極を形成し、さらにこの端子電極にNiめっき及びはんだめっきを施すことによって、チップ型サージアブソーバを得る。
【0005】
このようにして得られた各絶縁性基板に対して、各蓋体を、それぞれ放電間隙に対して凹部が対向するようにして接着して、素子本体を得る。
この接着作業は、一面に絶縁性基板及び蓋体と同形状をなす穴が複数形成された冶具を用いて行われるものである。まず、各絶縁性基板を、冶具の穴内に、放電電極及び放電間隙が形成される前記一面が上方を向くようにしてそれぞれ振り込み、続いて各蓋部を、前記凹部が形成される前記一面が下方を向くようにしてこの穴内に振り込む。そして、この状態で冶具ごと絶縁性基板及び蓋体をヒータによって加熱することで絶縁性基板上のガラス系接着剤層を融解させ、その後これらを冷却することでガラス系接着剤層を固化させて絶縁性基板と蓋体とを接着し、前記の素子本体を得る。
ここで、この接着作業は、上記の手順に限られるものではなく、冶具の穴内に、まず、各蓋部を、前記凹部が形成される前記一面が上方を向くようにして振り込み、続いて、各絶縁性基板を、放電電極及び放電間隙が形成される前記一面が下方を向くようにしてそれぞれ振り込んでもよい。
【0006】
最後に、この素子本体において、放電電極の端部が露出する端面にそれぞれ放電電極と電気的に接続させて端子電極を設けることで、チップ型サージアブソーバを得る。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−35633号公報(段落0016、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の製造方法では、絶縁性基板と蓋体とを接着する際に、これらをそれぞれ冶具の穴内に振り込んでいたので、接着作業に手間がかかり、これが製造コストを高くする要因となっていた。
また、上記のように、絶縁性基板は、焼結シートをスクライブラインに沿って割ることによって得ているので、絶縁性基板の縁にバリが生じやすく、絶縁性基板の形状精度が低下しやすい。ここで、蓋体をプレス成形によって個別に製造する場合には、蓋体にはこのような形状精度低下の問題は生じないが、蓋体を絶縁性基板と同様にして焼結シートを分割することによって得ている場合には、同様に蓋体の形状精度が低下しやすい。そして、このように絶縁性基板や蓋体の形状精度が低いと、これらを冶具の穴内に振り込みにくくなって接着作業にさらに手間がかかってしまう。
【0009】
また、このように焼結シートが適正に割れずに絶縁性基板や蓋体の縁に割れや欠けが生じた場合は、絶縁性基板と蓋体との間に形成される放電空間の封止不良を招き、歩留まりが低下してしまう。従来は、このように絶縁性基板や蓋体に欠けが生じた場合にも放電空間の確実な封止が行われるよう、絶縁性基板及び蓋体において接着しろまたは切断しろを大きく取っているが、これによって同一面積のグリーンシートや焼結シートから得られる絶縁性基板や蓋体の個数が少なくなるので、製造コストが高くなってしまっていた。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、より容易かつ低コストで製造することが可能なチップ型サージアブソーバ及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるチップ型サージアブソーバの製造方法は、絶縁性基板の一面上に放電電極が互いの間に放電間隙を挟んで対向配置され、前記一面には前記放電間隙の周囲を囲って前記絶縁性基板との間に放電空間を形成する蓋体が設けられた構成の素子本体を有するチップ型サージアブソーバの製造方法であって、絶縁性材料からなり一面に前記放電間隙を挟んで対向する前記放電電極が複数組形成される基板用グリーンシート前記一面に、絶縁性材料からなり一面に前記放電間隙と同じ配置で凹部が形成される蓋体用グリーンシートを、前記放電間隙と前記凹部とが対向するように配置し、それらの間に形成した接着剤層を融解させる際に同時にそれら基板用グリーンシートと蓋体用グリーンシートを焼結し、その後冷却させて積層シートとする接着工程と、前記積層シートを互いの分割面が前記凹部間に位置するように分割して複数の前記素子本体を得る分割工程とを有し、前記蓋体用グリーンシートの前記凹部をプレス成形によって形成する際に、前記一面に、前記各蓋体となる領域を区分する溝状のスクライブラインを同時に形成することを特徴としている。
【0012】
このチップ型サージアブソーバの製造方法では、基板用グリーンシートと、蓋体用グリーンシートとを接着して積層シートとし、これらを分割して素子本体を得る。
すなわち、このチップ型サージアブソーバの製造方法では、基板用グリーンシートと蓋体用グリーンシートと間に形成した接着剤層を融解させる際に同時にそれら基板用グリーンシートと蓋体用グリーンシートを焼結し、その後冷却させた積層シートを、分割して各素子本体を得るので、従来の絶縁性基板と蓋体とを個々に接着する製造方法のように各絶縁性基板と各蓋体のそれぞれについて冶具を用いて位置決めする手間が不要となる。
また、各素子本体は、放電空間の封止面同士がすでに接着された状態で積層シートから分離されるので、各素子本体の封止面に割れや欠けが生じにくく、放電空間が確実に封止された素子本体を得ることができる。
さらに、このように各素子本体の放電空間の封止面に割れや欠けが生じにくいので、絶縁性基板及び蓋体において接着しろまたは切断しろを最小限にすることができ、これによって同一面積のグリーンシートから得られる絶縁性基板や蓋体の個数を増加させることができる。
また、前記蓋体用グリーンシートの前記凹部をプレス成形によって形成する際に、前記各蓋体となる領域を区分する溝状のスクライブラインを同時に形成するから、蓋体用グリーンシートに、一度のプレス成形で凹部とスクライブラインとを形成することができ、製造工程を簡略化することができる。
【0015】
また、本発明にかかるチップ型サージアブソーバは、上記の製造方法によって製造されるので、低コストであるとともに、放電空間の封止が確実である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるチップ型サージアブソーバ及びその製造方法の一実施形態を、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0017】
まず、本発明にかかるチップ型サージアブソーバの製造方法によって製造されるチップ型サージアブソーバの構成について説明する。図1に示すように、このチップ型サージアブソーバ1の素子本体2は、絶縁性基板3と、絶縁性基板3の一面3a上に互いの間に放電間隙4を挟んで対向配置されかつそれぞれ一面3aの異なる縁部まで達する一対の放電電極5と、放電間隙4の周囲を囲って絶縁性基板3との間に放電空間6を形成する蓋体7とを有する構成とされており、素子本体2において各放電電極5が縁部まで設けられている端部には、それぞれ放電電極5と電気的に接続される端子電極8が設けられている。
【0018】
本実施の形態では、絶縁性基板3及び蓋体7は、絶縁性材料を四角形板状に成形したものであって、蓋体7において、絶縁性基板3の一面3aと対向させられる面には、一面3aとの間に放電空間6を形成するための凹部7aが形成されている。絶縁性基板3と蓋体7との間には、凹部7aの全周を囲むようにして接着剤層9が設けられており、この接着剤層9によって絶縁性基板3と蓋体7とが接着されるとともに、これらの間に形成される放電空間6が気密に封止されている。また、放電電極5は、それぞれ基板3の一面3aの対向する縁部まで設けられている。
ここで、この放電空間6内には、放電電極5間での放電条件を一定にしてチップ型サージアブソーバ1の放電特性を一定に保つために、不活性ガスが封止されている。
また、端子電極8の表面には、Niめっき、はんだめっきのうちのいずれか一方もしくは両方が施されている。
【0019】
以下、本発明にかかるチップ型サージアブソーバの製造方法の一実施例を、図2を用いて示す。
〔グリーンシート形成工程〕
まず、図2(a)に示すように、絶縁性材料の粉末とバインダーとを含むスラリーをドクターブレード法等によってシート状に形成して、絶縁性基板3となる基板用グリーンシート11と、蓋体7となる蓋体用グリーンシート12とをそれぞれ作成する。
これら基板用グリーンシート11及び蓋体用グリーンシート12の原料となる絶縁性材料としては、例えば、アルミナ、コランダム、ムライト、コランダムムライト、またはこれらの混合物等が用いられる。
ここで、これら基板用グリーンシート11、蓋体用グリーンシート12は、ドクターブレード法によって所望の厚みに形成してもよく、また、ドクターブレード法等によって形成した複数枚のグリーンシートを積層して所望の厚みに形成した構成としてもよい。
【0020】
〔導電性膜(放電電極)形成工程〕
次に、図2(b)に示すように、基板用グリーンシート11の一面11aに、複数の導電性膜13を、互いの間に放電間隙4を挟んで対向させて設ける。
この導電性膜13は、この基板用グリーンシート11から得られる素子本体2において各放電電極5を構成するものであって、金属、酸化物を初めとした電気伝導性、電子放出性を有する物質、例えば、Ag(銀)、Ag/Pd(銀/パラジウム)、SnO(二酸化スズ)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Ti(チタン)、TiN(窒化チタン)、TiC(チタンカーバイド)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、SiC(シリコンカーバイド)、BaAl(バリウムアルミ)、Nb(ニオブ)、Si(ケイ素)、C(炭素)、Ag/Pt(銀/プラチナ)、ITO(インジウム−スズ酸化物)、Ru(ルテニウム)等の導電性金属、もしくはこれらの混合物によって構成される。
この導電性膜13は、上記のような物質を含むペーストを基板用グリーンシート11の一面11a上に、スクリーン印刷によって形成したのちに仮焼結することで形成するほか、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、焼き付け法等の一般的な薄膜形成方法を用いて形成することができる。
【0021】
また、放電間隙4は、導電性膜13を形成する際に、導電性膜13を互いの間に放電間隙4を有するパターンで形成することによって得てもよく、また、導電性膜13を帯状に形成し、この導電性膜13を切削加工またはレーザー加工によって切断することによって形成してもよい。
本実施の形態では、基板用グリーンシート11の一面11aにおいて、絶縁性基板3となる領域を複数またぐようにして帯状の導電性膜13を形成し、各絶縁性基板3となる領域内で導電性膜13を切断して放電間隙4を形成している。
【0022】
ここで、この基板用グリーンシート11には、この導電性膜13の形成と前後して、一面11aに、プレス成形等によって溝状のスクライブライン14を形成して、このスクライブライン14によって基板用グリーンシート11を、各絶縁性基板3となる領域に区分する。ここで、このスクライブライン14は、基板用グリーンシート11において一面11aとは反対側を向く他面に形成してもよく、また一面11aと他面の両方に形成してもよい。
【0023】
〔蓋体用グリーンシート成形工程〕
一方、蓋体用グリーンシート12には、図2(c)に示すように、その一面12aに、基板用グリーンシート11の一面11aにおける放電間隙4の配置と同じ配置にして、プレス成形等によって凹部7aを形成する。
また、蓋体用グリーンシート12には、一面12aに溝状のスクライブライン15を形成して、このスクライブライン15によって蓋体用グリーンシート12を、各蓋体7となる領域に区分する。本実施の形態では、凹部7aをプレス加工によって形成しており、スクライブライン15は、凹部7aを形成するプレス加工の際に凹部7aと同時に形成している。ここで、このスクライブライン15は、蓋体用グリーンシート12において一面12aとは反対側を向く他面に形成してもよく、また一面12aと他面の両方に形成してもよい。
【0024】
〔接着剤層形成工程〕
次に、基板用グリーンシート11上に放電間隙4のそれぞれの周囲を囲むようにして接着剤層9を形成するか、蓋体用グリーンシート12上または該蓋体用グリーンシートを焼結してなる焼結シート上に凹部7aのそれぞれの周囲を囲む接着剤層9を形成する。
本実施の形態では、図2(d)に示すように、基板用グリーンシート11の放電間隙4のそれぞれの周囲を囲むようにして接着剤層9を形成している。
ここで、接着剤層9を構成する接着剤としては、SiO(二酸化ケイ素)、B(酸化ホウ素)、PbO(酸化鉛)、NaO(酸化二ナトリウム)、LiO(酸化リチウム)、BaO(酸化バリウム)、CaO(酸化カルシウム)、ZnO(酸化亜鉛)、MgO(酸化マグネシウム)、TiO(酸化チタン)、Al (酸化リン)のうち、一種または二種以上を混合してなるガラスを用いることができる。
そして、このような接着剤をスクリーン印刷等によって放電間隙4の周囲を囲むパターンで印刷したのちに、仮焼結を行うことで接着剤層9を形成する。
【0025】
〔接着工程〕
続いて、基板用グリーンシート11と蓋体用グリーンシート12とを、グリーンシートの状態のまま、もしくは必要に応じていずれか一方もしくは両方を焼結してそれぞれ基板用焼結シート16、蓋体用焼結シート17としたのち、(A)基板用グリーンシート11と蓋体用グリーンシート12、(B)基板用グリーンシート11と蓋体用焼結シート17、(C)基板用焼結シート16と蓋体用グリーンシート17、(D)基板用焼結シート16と蓋体用焼結シート17、のいずれかの組み合わせで、不活性ガス雰囲気中において、凹部7aが放電間隙4に対向するようにして積層して、各凹部7a内にガスが充填された積層シート21とする(図2(e)参照)。
【0026】
そして、この積層シート21を加熱して接着剤層9を融解させ、接着剤層9が融解したのちにこの積層シート21を冷却することで、接着剤層9を固化させて、積層シート21を構成する基板用焼結シート16と蓋体用焼結シート17とを接着するとともに、各放電空間6を気密に封止する。
ここで、この積層シート21が基板用グリーンシート11もしくは蓋体用グリーンシート12を有している場合(すなわち前記(A)、(B)、(C)のいずれかの組み合わせで積層した場合)には、接着剤層9を融解させる際、もしくはこれと前後して、積層シート21を不活性ガス中で焼結する。
前記放電空間6内に封入する不活性ガス、及び焼結の際の雰囲気ガスとしては、例えばHe(ヘリウム)、Ar(アルゴン)、Ne(ネオン)、Xe(キセノン)、SF(六ふっ化硫黄)、CO(二酸化炭素)、C(パーフルオロプロパン)、C(パーフルオロエタン)、CF(テトラフルオロメタン)、H(水素分子ガス)、大気等、及びこれらの混合ガスを使用できる。
【0027】
〔分離工程〕
そして、図2(f)に示すように、この積層シート21を各素子本体2となる領域ごとに分離させて、素子本体2を得る。
本実施の形態では、焼結体をローラーに通すなどして圧力を加えることで、基板用焼結シート16及び蓋体用焼結シート17とを、それぞれスクライブライン14、15に沿って割り、素子本体2を得ている。これに限らず、各素子本体2は、積層シート21をダイシングによって分割することで得てもよい。
【0028】
最後に、このようにして得た素子本体2において、放電電極5の断面が露出する端部に、放電電極5と電気的に接続された端子電極8を形成し、さらに端子電極8にNiめっき、はんだめっきのうちのいずれか一方もしくは両方を施して、図1に示すチップ型サージアブソーバ1を得る。
この端子電極8は、例えば素子本体2にディッピング等によってAg、Pt、Au、Pd、Pb、Sn、Ni、Fe、Cr、Al、Ru、Rhのうち、一種または二種以上を混合してなる導電性ペースト、もしくは導電性樹脂ペーストを設けて、これを焼結することによって形成することができる。
【0029】
このチップ型サージアブソーバの製造方法では、基板用焼結シート16と蓋体用焼結シート17とが接着されてなる積層シート21を分割して各素子本体2を得るので、従来の絶縁性基板と蓋体とを個々に接着する製造方法のように各絶縁性基板3と各蓋体7のそれぞれについて冶具を用いて位置決めする手間が不要となり、チップ型サージアブソーバ1の製造工程を簡略化することができ、製造コストを低減することができるとともに、大量生産が容易となる。
【0030】
また、このチップ型サージアブソーバの製造方法では、各素子本体2は、放電空間6の封止面同士がすでに接着された状態で積層シート21から分離されるので、素子本体2における放電空間6の封止面には割れや欠けが生じにくく、放電空間6が確実に封止された素子本体2を得ることができ、チップ型サージアブソーバ1の歩留まりを向上させて、製造コストを低減させることができる。
さらに、このように各素子本体2の放電空間6の封止面に割れや欠けが生じにくいので、絶縁性基板3及び蓋体7において接着しろまたは切断しろを最小限にすることができ、これによって同一面積のグリーンシートから得られる絶縁性基板3や蓋体7の個数を増加させることができ、材料歩留まりを向上させて、製造コストを低減させることができる。
【0031】
また、このチップ型サージアブソーバの製造方法では、蓋体用グリーンシート12の一面12aの凹部7aを、プレス成形によって形成し、このプレス成形の際に、各素子本体2となる領域を区分する溝状のスクライブライン15も同時に形成しているので、製造工程を簡略化することができ、チップ型サージアブソーバ1を低コストかつ容易に製造することができる。
【0032】
そして、このような製造方法によって製造されるチップ型サージアブソーバ1は、低コストで製造可能でかつ放電空間の封止が確実で、信頼性が高い。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
本発明のチップ型サージアブソーバの製造方法によれば、予め二枚のシートを接着してなる積層シートを分割して各素子本体を得るので、各絶縁性基板と各蓋体とを接着する際に冶具を用いて位置決めする手間が不要となり、製造コストを低減することができ、また大量生産が容易となる。
また、各素子本体は、放電空間の封止面同士がすでに接着された状態で積層シートから分離されるため、素子本体における放電空間の封止面には割れや欠けが生じにくく、放電空間の封止を確実に行うことができ、歩留まりを向上させて、製造コストを低減することができる。
さらに、このように各素子本体の放電空間の封止面に割れや欠けが生じにくいので、絶縁性基板及び蓋体において接着しろまたは切断しろを最小限にすることができ、これによって同一面積のグリーンシートや焼結シートから得られる絶縁性基板や蓋体の個数を増加させることができ、材料歩留まりを向上させて、製造コストを低減することができる。
【0034】
そして、このような製造方法によって製造されるチップ型サージアブソーバは、低コストで製造可能でかつ放電空間の封止が確実で、信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるチップ型サージアブソーバの製造方法によって作成されるチップ型サージアブソーバの構成を示す縦断面図である。
【図2】 本発明にかかるチップ型サージアブソーバの製造方法を工程順に示す図である。
【符号の説明】
1 チップ型サージアブソーバ 2 素子本体
3 絶縁性基板 3a 絶縁性基板の一面
4 放電間隙 5 放電電極
6 放電空間 7 蓋体
7a 凹部 9 接着剤層
11 基板用グリーンシート 11a 基板用グリーンシートの一面
12 蓋体用グリーンシート 12a 蓋体用グリーンシートの一面
14、15 スクライブライン 21 積層シート

Claims (2)

  1. 絶縁性基板の一面上に放電電極が互いの間に放電間隙を挟んで対向配置され、前記一面には前記放電間隙の周囲を囲って前記絶縁性基板との間に放電空間を形成する蓋体が設けられた構成の素子本体を有するチップ型サージアブソーバの製造方法であって、
    絶縁性材料からなり一面に前記放電間隙を挟んで対向する前記放電電極が複数組形成される基板用グリーンシート前記一面に、絶縁性材料からなり一面に前記放電間隙と同じ配置で凹部が形成される蓋体用グリーンシートを、前記放電間隙と前記凹部とが対向するように配置し、それらの間に形成した接着剤層を融解させる際に同時にそれら基板用グリーンシートと蓋体用グリーンシートを焼結し、その後冷却させて積層シートとする接着工程と、
    前記積層シートを互いの分割面が前記凹部間に位置するように分割して複数の前記素子本体を得る分割工程とを有し、
    前記蓋体用グリーンシートの前記凹部をプレス成形によって形成する際に、前記一面に、前記各蓋体となる領域を区分する溝状のスクライブラインを同時に形成することを特徴とするチップ型サージアブソーバの製造方法。
  2. 請求項1に記載のチップ型サージアブソーバの製造方法によって製造されることを特徴とするチップ型サージアブソーバ。
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