JP2000173743A - チップ型サージアブソーバ及びその製造方法 - Google Patents

チップ型サージアブソーバ及びその製造方法

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JP2000173743A
JP2000173743A JP10350123A JP35012398A JP2000173743A JP 2000173743 A JP2000173743 A JP 2000173743A JP 10350123 A JP10350123 A JP 10350123A JP 35012398 A JP35012398 A JP 35012398A JP 2000173743 A JP2000173743 A JP 2000173743A
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chip
forming
surge absorber
laminated
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Yasuhiro Shiyatou
康弘 社藤
Koichiro Harada
宏一郎 原田
Yoshiyuki Tanaka
芳幸 田中
Takahiro Nakamoto
隆裕 中元
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電室を有するマイクロギャップ式チップ型
サージアブソーバを、接着用ガラスを用いることなく、
従って熱膨張差に起因するクラックによる封止不良を防
止して、また、焼結体の切断加工を行うことなく、容易
に製造する。端子電極も容易かつ安価に形成する。 【解決手段】 複数枚のセラミックグリーンシート11
を薄板状に積層して各々、第1、第2、第3の積層シー
ト12A,12B,12Cを得、第1の積層シート12
Aに放電電極形成用の導電性膜14及び放電間隙用のマ
イクロギャップ14Aを形成し、第2の積層シート12
Bに放電室形成用の複数の透孔13を形成し、これらの
積層シート12A〜12Cを積層して積層体15とす
る。この積層体15を、切断してチップ17を得、この
チップ17を封入ガス中で焼成した後、導電性膜14の
表出端面に端子電極18を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サージ電圧を吸収
するサージアブソーバ及びその製造方法に係るものであ
り、詳しくは絶縁性基板で囲まれた放電室に臨むよう
に、放電間隙をあけて1対の放電電極が設けられたチッ
プ型サージアブソーバ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び先行技術】電話機、モデムなど電子機
器が通信線と接続する部分、或いはCRT駆動回路な
ど、雷サージや静電気等の異常電圧による電撃を受けや
すい部分に接続し、異常電圧によって電子機器が破壊さ
れるのを防ぐために使用されるサージアブソーバとして
は、次のようなものがある。
【0003】 図4に示す如く、円柱形碍子41の表
面に、マイクロギャップ42Aを有する導電性皮膜42
を形成したアブソーバ素子の両端にキャップ電極43を
かぶせたものをスラグリード45を用いてガラス管46
内に封入ガスで封止したガラス管封止型マイクロギャッ
プ式サージアブソーバ。 図5に示す如く、放電間隙をあけて1対の放電電極
51A,51Bを板面に形成したアルミナ基板51と、
放電室形成用の開孔52Aが板央部に形成されたアルミ
ナ基板52と開孔のないアルミナ基板53とを(図5
(a))、この順で、ガラスペーストを用いて積層一体
化すると共に放電室内を封入ガス雰囲気としてサージア
ブソーバ素子54とし、その両端面に端子電極55A,
55Bを形成したチップ型サージアブソーバ(図5
(b))。 図6に示す如く、板面に放電電極61Aを形成した
アルミナ基板61と、板面に放電電極63Aを形成した
アルミナ基板63とを、放電室形成用の開孔62Aが板
央部に形成されたアルミナ基板62を介して(図6
(a))、ガラスペーストを用いて積層一体化すると共
に放電室内を封入ガス雰囲気としてサージアブソーバ素
体64とし、その両端面に端子電極65A,65Bを形
成したチップ型サージアブソーバ(図6(b))。 図7に示す如く、アルミナ基板71の一方の板面に
放電電極71A,71Bと端子電極72A,72Bを形
成し、大気中で放電させるチップ型サージアブソーバ。
【0004】上記〜のサージアブソーバでは、それ
ぞれ次のような問題がある。
【0005】のガラス管封止型マイクロギャップ式サ
ージアブソーバでは、マイクロギャップで放電をトリガ
するために放電遅れがなく、しかも主放電をキャップ電
極間に形成するためにマイクロギャップの傷みが少なく
なり寿命特性に優れるという長所を有する反面、ガラス
管内にアブソーバ素子と封入ガスを封入して作製するた
め、製品形状は円筒状で、表面実装には不向きである。
また、このようにガラス管内に素子を封入するもので
は、小型化が図れず、長さ3mm以下のものを作製する
ことは非常に困難である。
【0006】のチップ型サージアブソーバのように、
開孔を有する基板を用いて放電室を形成する場合、基板
に開孔を形成するための金型作製にコストが非常にかか
り、また開孔の大きさを変更するにも金型を作製し直さ
ねばならず、形状変更に大きなコストが必要となる。ま
た、3枚の基板を重ねるため、封着後の基板の重なり具
合にずれが生じ、外形寸法のバラツキが大きなものとな
る傾向がある。更には、構造上、主放電もマイクロギャ
ップ上で形成されることとなるため、マイクロギャップ
の傷みが激しく、寿命特性の面で問題がある。
【0007】のチップ型サージアブソーバでは、放電
空間に臨むように対向する放電電極をただ配置しただけ
であるため、電界電子放出などによる放電をトリガする
機構がない。その結果、インパルスに対する放電遅れが
十分に小さくならず、サージ吸収性能がマイクロギャッ
プ式サージアブソーバに比べて劣る。しかも、3枚の基
板を重ねるため、のチップ型サージアブソーバと同
様、外形寸法のバラツキの問題がある。
【0008】のチップ型サージアブソーバでは、外形
寸法のバラツキは小さいが、大気中で放電するため、大
気の湿度、圧力、塵埃の影響を受けて放電開始電圧が安
定しない。
【0009】このような問題点を解決し、封入ガス雰囲
気の放電室を有するチップ型サージアブソーバであっ
て、製品寸法のバラツキを防止して、容易に封止を行う
ことができ、しかも、放電をトリガするマイクロギャッ
プとは別に、主放電を行う主放電電極を形成することが
でき、寿命特性を向上させることができるチップ型サー
ジアブソーバを提供するべく、本出願人は先に、図3に
示す如く、積層配置された第1及び第2の絶縁性基板3
1,32と、第1の絶縁性基板31の板面のうち、第2
の絶縁性基板32に対面する板面に、放電間隙33Aを
あけて設けられた1対の放電電極33と、第2の絶縁性
基板32の板面のうち第1の絶縁性基板31に対面する
板面に、放電間隙33Aに臨むように設けられた放電室
形成用の溝34と、第1及び第2の絶縁性基板31,3
2の積層体の対向する1対の端面に、溝34を封止する
ように設けられた端子電極35,55とを備えてなるチ
ップ型サージアブソーバを提案した(特願平10−16
5314号。以下「先願」という)。
【0010】このチップ型サージアブソーバでは、第2
の絶縁性基板33に形成した溝34により放電室を形成
することができる。しかも、チップ形状でありながらマ
イクロギャップ(第1の絶縁性基板31の放電間隙33
A)で放電をトリガし、沿面放電の形態で放電を封止電
極(端子電極)35,35まで伸展させ、封止電極(端
子電極)35,35間でアーク放電を形成する2段階放
電を行うことができるため、放電遅れが小さく、しかも
マイクロギャップの劣化を防止して寿命特性を向上させ
ることができる。
【0011】この先願のチップ型サージアブソーバは、
薄板状の第1の絶縁性基板の一方の板面に放電電極形成
用の導電性膜及び放電間隙用のマイクロギャップを形成
する工程、薄板状の第2の絶縁性基板の一方の板面にガ
ラス系接着剤層を形成すると共に、放電室形成用の複数
の溝を並列して形成する工程、該第1の絶縁性基板と第
2の絶縁性基板とを、該導電性膜形成面と溝形成面とを
対面させて接着して積層体とする工程、該積層体を前記
溝と直交する方向に短冊状に切断して角柱体を得る工
程、該角柱体をその長手方向と直交する方向に切断して
チップを得る工程、並びに該チップの前記溝が露出した
面に端子電極を形成する工程により製造される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記先願のチップ型サ
ージアブソーバでは、その製造工程において、次のよう
な欠点がある。
【0013】 第1の絶縁性基板と第2の絶縁性基板
とをガラス系の接着剤層を用いて加熱接着する際に、ア
ルミナ等の絶縁性基板と接着剤層のガラスとの熱膨張係
数の差に起因してガラス系接着剤層にクラックが入って
しまうために、封止が困難である。 焼結体よりなる絶縁性基板の積層体をチップ状に切
断する作業が困難である。 端子電極に金属製のキャップ材を用いて封止する場
合、キャップ材及び加工費など製造コストが高くつく。 金属ペーストにより端子電極を形成する場合には、
金属ペーストが放電室形成用の溝に入り込んだり、ま
た、薄く電極を形成した場合は両端面に露出した放電室
形成用の溝が埋まらず、封止不良となる。
【0014】本発明は上記先願の問題点を解決し、放電
室を有するマイクロギャップ式チップ型サージアブソー
バを、接着用ガラスを用いることなく、従って熱膨張差
に起因するクラックによる封止不良を防止して、また、
焼結体の切断加工を必要とすることなく、しかも端子電
極の形成も容易かつ安価に行って製造することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のチップ型サージ
アブソーバは、積層配置された第1、第2及び第3の絶
縁性基板と、該第2の絶縁性基板に厚み方向(即ち、第
1の絶縁性基板から第3の絶縁性基板に向う積層方向)
に貫通するように設けられた放電室形成用の透孔と、該
第1の絶縁性基板の板面のうち、該第2の絶縁性基板に
対面する板面に、放電間隙をあけて設けられた1対の放
電電極と、該第1、第2及び第3の絶縁性基板の積層体
の対向する1対の端面に設けられた端子電極とを備えて
なるチップ型サージアブソーバであって、これらの第
1、第2及び第3の絶縁性基板は焼結により一体化され
ており、前記放電間隙は、該第2の絶縁性基板の透孔に
よって形成される放電室に臨んでおり、前記1対の放電
電極はそれぞれ前記1対の端面に表出するように設けら
れることにより、前記端子電極に導通しており、かつ、
該放電室内が封入ガス雰囲気とされていることを特徴と
する。
【0016】本発明のチップ型サージアブソーバの製造
方法は、複数枚のセラミックグリーンシートを薄板状に
積層して各々、第1、第2、第3の積層シートを得る工
程、第1の積層シートの一方の板面に放電電極形成用の
帯状の導電性膜を複数本並列に形成すると共に、該帯状
の導電性膜に、該導電性膜の延在方向と直交する方向に
放電間隙用のマイクロギャップを形成する工程、第2の
積層シートに放電室形成用の複数の透孔を厚み方向に貫
通するように形成する工程、第1の積層シート、第2の
積層シート及び第3の積層シートを、この順で、かつ、
前記導電性膜形成面が第2の積層シートに対面するよう
に積層して積層体とする工程、積層体を、前記導電性膜
の延在方向と直交する方向及び隣接する該導電性膜同士
の間において該延在方向にそれぞれ切断してチップを得
る工程、該チップを封入ガス中で焼成する工程、並びに
焼成されたチップの導電性膜が露出した端面に端子電極
を形成する工程を備えることを特徴とする。
【0017】かかるチップ型サージアブソーバであれ
ば、ガラス系接着剤を用いることなく、積層したセラミ
ックグリーンシートを焼結により一体化するため、前述
のような絶縁性基板とガラスとの熱膨張差に起因するク
ラック発生の問題はない。
【0018】しかも、その製造に当っては、セラミック
グリーンシートの積層シートを積層してなる積層体をチ
ップ状に切断した後焼結するため、切断作業を容易に行
える。
【0019】また、端子電極は、切断したチップの導電
性膜の表出端面に導電性ペーストを塗布することにより
容易に形成することができ、放電室へのペーストの浸入
や封止不良の問題は全くない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0021】図1は本発明のチップ型サージアブソーバ
の実施の形態を示す図であって、(a)図は断面図、
(b)図は(a)図のB−B線に沿う断面図である。
【0022】図1のチップ型サージアブソーバ10にお
いて、1は第1の絶縁性基板に相当するアルミナ基板で
あり、一方の板面に放電間隙2Aをあけて導電性膜より
なる放電電極2が形成されている。3,3は、第2の絶
縁性基板に相当するアルミナ基板であり、厚さ方向に透
孔3Aが形成されており、第3の絶縁性基板に相当する
アルミナ基板5及び第1の絶縁性基板であるアルミナ基
板1の間に介在され、この透孔3Aの部分の空間が放電
室4とされている。
【0023】そして、アルミナ基板1,3,5の積層体
6の、放電電極2が表出した両端面に、放電電極2に導
通する端子電極7,7が形成されている。
【0024】なお、図示の如く、放電電極2の放電間隙
2Aは放電室4に臨むように設けられており、また、放
電室4内は封入ガス雰囲気とされている。
【0025】次に、本発明のチップ型サージアブソーバ
の製造方法の実施の形態を図2を参照して説明する。
【0026】まず、セラミックグリーンシート11を複
数枚積層して50〜90℃,1〜5t/cm2で圧着
し、薄板状の積層シート12とする(図2(a),
(b))。ここで、セラミックグリーンシートは、例え
ば、アルミナ粉末とSiO2等の焼結助材とからなる原
料粉末を有機ビヒクル(有機バインダと溶剤、分散剤、
可塑剤等の混合物)と混合して調製したスラリーをドク
ターブレード法でシート化するなどして、常法により容
易に製造することができる。このセラミックグリーンシ
ートは厚さ20〜80μm程度とし、5〜24枚を積
層、圧着して積層シートとするのが好ましい。
【0027】次いで、この積層シート12のうちの1枚
12Cに、放電室形成用の方形の透孔13を複数個縦横
に配列して形成する(図2(c))。この透孔は打ち抜
きにより形成することができる。なお、透孔の形状は方
形に限らず、円形、楕円形等であってもよい。また、別
の積層シート12Aに上記透孔13の配列位置と対応す
るように帯状の電極膜14を形成し、この電極膜14の
透孔13と対応する位置にマイクロギャップ14Aを形
成する(図3(d))。
【0028】そして、電極膜14を形成した積層シート
12A、透孔13を形成した積層シート12B及び、積
層シート11を積層、圧着したのみの積層シート12C
をこの順で積層し、50〜90℃,1〜5t/cm2
圧着して積層体15とする(図2(e),(f))。こ
の圧着には、押え板として、透孔13を形成した積層シ
ート12Bと平面視形状が同形状の押え板を用いるのが
好ましい。
【0029】次いで、この積層体15を、前記帯状の電
極膜14の延在方向と直交する方向に前記マイクロギャ
ップ14Aの中間の位置で切断して角柱体16とし(図
2(g))、この角柱体16をその長手方向と直交する
方向に、隣接する透孔13,13同士の間の位置で切断
してチップ状素体17を得る(図2(h))。この切断
順序は逆であっても良い。即ち、先に、透孔13,13
同士の間で帯状の電極膜14の延在方向に切断しても良
い。
【0030】そして、このチップ状素体17を脱脂し、
次いで、N2,Ar等の不活性ガス等の封入ガス中にお
いて800〜1100℃で0.5〜3時間焼成して焼結
させた後、電極膜14が表出した面17Aに端子電極1
8,18を形成してチップ型サージアブソーバ10を得
る(図2(i))。
【0031】なお、本発明において、絶縁性基板として
は、絶縁性で気密性の高いものであれば良く、アルミナ
基板の他、コランダム、ムライト、コランダムムライト
等の基板を用いることができる。従って、その製造に当
っては、各々のセラミックグリーンシートを用いること
ができる。
【0032】また、図2に示す方法において、透孔13
は幅0.1〜1.4mm×長さ0.1mm〜3.0mm
程度のものを0.1〜4mm程度のピッチで形成するの
が好ましく、放電電極用の電極膜14は、幅0.1〜
3.0mm程度のものを、透孔13の列と同等のピッチ
で形成するのが好ましい。
【0033】この放電電極用の電極膜14は、Ti,T
iN,Ta,W,SiC,SnO2,BaAl,Nb,
Si,C、Au,Ag,Pt,Pd,La,Ru,Ru
2或いはこれらの2種以上の混合物等で、スパッタ
法、蒸着法、イオンプレーティング法、印刷法、焼付法
等により、膜厚0.1〜20μm程度に形成するのが好
ましい。
【0034】また、マイクロギャップ14Aは、レーザ
ーカット、スクリーンマスク、エッチング等で形成する
ことができ、通常、0.1μm〜2.8mmの幅に、電
極膜14の1本当り、1〜100本形成される。
【0035】端子電極を導電性ペーストの塗布により形
成する場合は、Ag,Pt,Au,Pd,Pb,Sn,
Ni,Fe,Cr,Al,C,Ru,Rh或いはこれら
の2種以上の混合物よりなる導電性ペーストを塗布して
400〜850℃で焼成すれば良い。なお、このときの
加熱は、トンネル炉、バッチ炉のいずれでも良いが、密
閉されたチップ内の圧力が温度上昇とともに上昇しても
炉内の圧力も同様に上昇する炉が好適である。
【0036】端子電極の形成には導電性樹脂ペーストを
用いることもでき、この場合には焼成は120〜200
℃で実施される。
【0037】端子電極はキャップ電極を用いて形成する
こともできるが、コスト面からは、導電性ペーストを用
いるのが有利である。
【0038】なお、封入ガスの圧力は、通常の場合、1
00〜1000Torr程度とされる。
【0039】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
【0040】実施例1 図2に示す方法で本発明のチップ型サージアブソーバを
製造した。
【0041】出発原料としてAl23及びSiO2粉末
を4:6の重量比となるように秤量し、有機バインダ、
溶剤、分散剤、可塑剤を添加し、ボールミルで24時間
混合してスラリーを調製した。このスラリーを用いて、
ドクターブレード法により厚さ50μmのセラミックグ
リーンシートを作製した。
【0042】このセラミックグリーンシートを10枚重
ね、温度70℃,圧力2t/cm2で圧着して第1の積
層シートとし、この積層シートの一方の板面にAg/P
dペーストを印刷、乾燥して、幅0.3mmで厚さ3μ
mの電極膜を帯状に形成し、その後、YAGレーザーで
幅100μmのマイクロギャップ溝を3.5mmピッチ
で形成した。
【0043】別に、上記セラミックグリーンシート8枚
を重ねて温度70℃,圧力2t/cm2で圧着して第2
の積層シートとし、この積層シートに、上記電極膜と対
応する位置に幅0.94mmで長さ2.5mmの長方形
状の透孔を1.88mmのピッチで形成した。
【0044】別に、上記セラミックグリーンシート8枚
を重ねて温度70℃,圧力2t/cm2で圧着して第3
の積層シートとした。
【0045】なお、いずれも圧着後の積層シートの大き
さは80mm×70mmである。
【0046】これら3枚の積層シートを重ねて、第2の
積層シートの透孔と同位置に開口を有し、各積層シート
と同一寸法の金属板を押え板として用い、温度70℃,
圧力2t/cm2で圧着して積層体を得た。
【0047】この積層体をチップ状に切断し、脱脂処理
した後、Arガス中にて900℃で2時間焼成してチッ
プ状焼結体を得た。
【0048】このチップ状焼結体の電極膜が表出した端
面に、Ag/Pd導電性ペーストを塗布して大気中にて
850℃で焼成することにより端子電極を形成し、更に
Niめっき、はんだめっきを施して、3.2mm×1.
6mm×1.4mm厚さのチップ型サージアブソーバを
製造した。
【0049】得られたチップ型サージアブソーバの直流
放電開始電圧(Vs)(DC電圧を印加し放電電流が1
mAになった時点の電圧)を調べ、結果を表1に示し
た。
【0050】実施例2 実施例1において、マイクロギャップ幅を50μmとし
たこと以外は同様にしてチップ型サージアブソーバを製
造し、同様に評価を行って、結果を表1に示した。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、次
のような作用効果のもとに、放電室を有するマイクロギ
ャップ式チップ型サージアブソーバを容易に製造するこ
とができる。
【0053】 接着用ガラスを用いる必要がないた
め、熱膨張差に起因するクラックによる封止不良が防止
され、封止が容易である。 グリーン状態でチップ状に切断するため切断加工が
容易である。 端子電極の形成が容易であり、端子電極に金属製の
キャップを用いることなく形成できるため、製造コスト
を安くできる。 不活性ガス中での封止を、チップ状に切断後の焼成
時に同時に行えるため、従来封止に用いていた治具を必
要とすることなく容易に製造できる。 端子電極形成時に電極ペーストにより放電空間を埋
める心配がなく、更に、接着用のガラスを使用していな
いため、ガラスのだれや接着時の位置ずれにより放電空
間を埋める恐れもないことから、放電空間を小さくして
も問題を生じることがないため、素子の小型化を図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチップ型サージアブソーバの実施の形
態を示す図であって、(a)図は断面図、(b)図は
(a)図のB−B線に沿う断面図である。
【図2】本発明のチップ型サージアブソーバの製造方法
の実施の形態を示す斜視図である。
【図3】先願のチップ型サージアブソーバの実施の形態
を示す図であって、(a)図は斜視図、(b)図は分解
斜視図、(c)図は(a)図のC−C線に沿う断面図で
ある。
【図4】先行技術に係るサージアブソーバを示す断面図
である。
【図5】先行技術に係るチップ型サージアブソーバを示
す斜視図である。
【図6】先行技術に係るチップ型サージアブソーバを示
す斜視図である。
【図7】先行技術に係るチップ型サージアブソーバを示
す斜視図である。
【符号の説明】
1,3,5 アルミナ基板 2 放電電極 2A 放電間隙 3A 透孔 4 放電室 6 積層体 7 端子電極 10 チップ型サージアブソーバ 11 セラミックグリーンシート 12,12A,12B,12C 積層シート 13 透孔 14 電極膜 14A マイクロギャップ 15 積層体 16 角柱体 17 チップ状素体 18 端子電極
フロントページの続き (72)発明者 田中 芳幸 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三 菱マテリアル株式会社電子技術研究所内 (72)発明者 中元 隆裕 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三 菱マテリアル株式会社電子技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層配置された第1、第2及び第3の絶
    縁性基板と、 該第2の絶縁性基板に厚み方向に貫通するように設けら
    れた放電室形成用の透孔と、 該第1の絶縁性基板の板面のうち、該第2の絶縁性基板
    に対面する板面に、放電間隙をあけて設けられた1対の
    放電電極と、 該第1、第2及び第3の絶縁性基板の積層体の対向する
    1対の端面に設けられた端子電極とを備えてなるチップ
    型サージアブソーバであって、 これらの第1、第2及び第3の絶縁性基板は焼結により
    一体化されており、 前記放電間隙は、該第2の絶縁性基板の透孔によって形
    成される放電室に臨んでおり、 前記1対の放電電極はそれぞれ前記1対の端面に表出す
    るように設けられることにより、前記端子電極に導通し
    ており、 かつ、該放電室内が封入ガス雰囲気とされていることを
    特徴とするチップ型サージアブソーバ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のチップ型サージアブソ
    ーバを製造する方法であって、 複数枚のセラミックグリーンシートを薄板状に積層して
    各々、第1、第2、第3の積層シートを得る工程、 第1の積層シートの一方の板面に放電電極形成用の帯状
    の導電性膜を複数本並列に形成すると共に、該帯状の導
    電性膜に、該導電性膜の延在方向と直交する方向に放電
    間隙用のマイクロギャップを形成する工程、 第2の積層シートに放電室形成用の複数の透孔を厚み方
    向に貫通するように形成する工程、 第1の積層シート、第2の積層シート及び第3の積層シ
    ートを、この順で、かつ、前記導電性膜形成面が第2の
    積層シートに対面するように積層して積層体とする工
    程、 積層体を、前記導電性膜の延在方向と直交する方向及び
    隣接する該導電性膜同士の間において該延在方向にそれ
    ぞれ切断してチップを得る工程、 該チップを封入ガス中で焼成する工程、並びに焼成され
    たチップの導電性膜が露出した端面に端子電極を形成す
    る工程を備えるチップ型サージアブソーバの製造方法。
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