次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
まず、本発明によるパネル貼り合わせ方法が適用されるパネル貼り合わせ装置について、図5を参照しながら説明する。図5は本発明によるパネル貼り合わせ方法が適用されるパネル貼り合わせ装置の断面図である。
図5に示すパネル貼り合わせ装置10は、液晶表示装置を構成するTFT基板(TFTパネル)とカラーフィルタ基板(CFパネル)とを加圧して接着するための装置である。TFTパネルには液晶の駆動回路が形成されており、TFTパネルとCFパネルとの間に封入した液晶を駆動することにより、CFパネル上に情報が表示される。
パネル貼り合わせ装置10は、CFパネル12が取り付けられて垂直方向(Z軸方向)に移動可能な上定盤14と、TFTパネル16が取り付けられて水平方向に移動可能な下定盤18とを有する。上下定盤14,18は、上チャンバ20と下チャンバ22とよりなるチャンバ内に配置される。上チャンバ20と下チャンバ22とを閉じた状態でチャンバは真空引き可能となり、チャンバ内を所定の真空圧に設定することができる。
上チャンバ20は、支持部材24に接続され、支持部材24はエアシリンダ等よりなる往復移動機構により垂直方向(Z軸方向)に移動可能である。チャンバの開閉は上チャンバ20を上下に移動することにより行なわれる。
上定盤14には、上チャンバ20の壁を貫通してチャンバ内まで延在する支持部材26が接続される。支持部材26を上定盤移動機構28により垂直方向(Z軸方向)に移動することにより、チャンバ内の上定盤14を垂直方向(Z軸方向)に移動することができる。
なお、上定盤移動機構28は図示したようなボールねじ機構やリニアモータ等の周知の直線運動機構により構成することができる。図5に示す例ではボールねじを駆動するサーボモータ30を駆動源として上定盤移動機構28を駆動し、上定盤14を垂直方向(Z軸方向)に移動する。
下チャンバ20内に配置された下定盤18には、下チャンバ20の底部を貫通して延在する支持部材32が接続される。支持部材32はXYθテーブル34に固定されており、下定盤18はチャンバ内で水平方向に移動可能である。すなわち、XYθテーブル34を水平面内でX方向、Y方向、及びθ方向(回転方向)することにより、チャンバ内で下定盤をX方向、Y方向、及びθ方向(回転方向)に移動することができる。駆動源を含んだXYθテーブル34は周知の移動機構により構成することができるため、その詳細な説明は省略する。
上述のパネル貼り合わせ装置では、上定盤移動機構28は頑丈なフレーム36に取り付けられ、上定盤移動機構28の垂直方向の移動を案内するガイド機構38がフレーム36に取り付けられる。ガイド機構38は上定盤移動機構28による上定盤14の垂直移動を精度良く案内する機構であるが、機械的な寸法誤差や取り付け誤差等の影響により、完全に垂直な方向とはならない。
すなわち、下定盤18に対する上定盤14の垂直移動は、完全に垂直とはならず、上定盤14が垂直方向に移動する際、下定盤18に対して僅かではあるが水平方向(X、Y、θ方向)にずれが生じる。このようなずれを補正するために、下定盤18はXYθテーブル34に固定され、水平方向に移動可能となっている。すなわち、XYθテーブル34を駆動することにより、上下パネルを上下定盤14,18に取り付けた際の位置合わせ、及び加圧の際に生じた位置ずれの補正を行なう。
上定盤移動機構28には、位置合わせに用いる位置センサとして画像認識カメラ40が設けられる。画像認識カメラ40は、上チャンバ20に設けられた透明窓と上定盤14に設けられた貫通開口とを通じて、CFパネル12及びTFTパネル16の各々に設けられたアライメントマークを画像認識する。すなわち、両方のパネル12,16のアライメントマークを画像認識カメラ40により画像認識しながら、CFパネル12とTFTパネルとの位置合わせを行なう。なお、画像認識カメラ40は、アライメントマークのX,Y及びθ方向のずれを認識するために異なる位置に2つ以上設けることが好ましい。
また、上定盤移動機構28には荷重センサとしてロードセル42が設けられる。ロードセル42は、上定盤14に取り付けられたCFパネル12を下定盤18に取り付けられたTFTパネル16に対して押し付ける際の荷重(すなわち加圧力)を検知する。
ここで、上定盤14を垂直移動するための駆動源であるサーボモータ30の動作は、制御装置44により制御される。また、下定盤18の水平方向に移動するためのXYθテーブル34も制御装置44により制御される。制御装置44には、上述の画像認識カメラ40から画像認識結果を示す位置合わせ情報が供給され、またロードセル42から加圧力の検出結果を示す加圧力情報が供給される。したがって、制御装置44は、画像認識カメラからの位置合わせ情報とロードセル42からの加圧力情報に基づいて、上定盤移動機構28及びXYθテーブル34の動作を制御する。
また、制御装置44は、後述するように位置合わせ及び位置すれ補正を学習するために、各種情報を蓄積するためのメモリ(記憶手段)と、それらの情報を基に位置ずれ量を予測して位置ずれ補正量等を演算するためのプロセッサ(予測手段)を有していることが好ましい。
さらに、制御装置44は、予測した位置ずれ量と実際の位置ずれ量との差が所定の値を超えた場合に、装置に異常が発生したと判断して警報を発生するアラーム(警報手段)を有することが好ましい。
なお、上述の図5に示す例では、上定盤14にCFパネル12を取り付け、下定盤18にTFTパネル16を取り付けているが、上定盤14にTFTパネル16を取り付け、下定盤18にCFパネル12を取り付けることとしてもよい。以下、上定盤14に取り付けたパネルを上パネルと称し、下定盤18に取り付けたパネルを下パネルと称する。
なお、TFTパネルとCFパネルとを貼り合せる際には、下パネルの周辺部に枠状にシール接着材を設け、その内側に液晶を供給する。上下パネルをシール接着材を介して加圧して接着することで、上下パネルの間に液晶が封止される。シール接着材として、例えばUV硬化型接着材を用いることにより、貼り合わせ処理後に紫外線を照射して完全に硬化させることができる。
次に、本発明の第1実施例による位置合わせ方法について、図6乃至図8を参照しながら説明する。
図6は本発明の第1実施例によるパネル貼り合わせ方法を用いたパネル貼り合わせ工程を示すフローチャートである。また、図7及び図8は図6に示すパネル貼り合わせ工程における二枚のパネルの相対的な移動を模式的に表した図である。
図6に示すパネル貼り合わせ工程は、図5に示すパネル貼り合わせ装置10を用いて行なわれ、まず、上下パネルを対向した状態で上下定盤14,18に取り付け(ステップS31)、上下パネル12,16に設けられているアライメントマークを画像認識カメラ40により読み込む(ステップS32)。
次に、上下パネルのアライメントマークが所定の範囲内に入っているか否かを判定する(ステップS33)。すなわち、上下パネルが所定の精度で位置合わせされているか否かを判定する。所定の精度で位置合わせされていない場合は、下定盤18をX,Y,θ方向に移動し(ステップS34)、再度位置合わせを行なう。以上の工程が粗位置合わせ(粗アライメント)の工程である。粗位置合わせ工程では、上下パネルの位置ずれが、例えば5μm以下となるように位置合わせを行なう。
粗位置合わせが終了すると、次に微位置合わせ(微アライメント)を行なう。微位置合わせは上述のステップS32〜S34と同様な処理(ステップS35〜S37)であり、上下パネルの位置ずれが例えば0.5μm以下となるように位置合わせを行なう。
微位置合わせが終了すると、上定盤14を下定盤16に対して垂直移動し、二枚のパネルが重なった状態で加圧する。この際、最終的な加圧を100kgとした場合、例えば、まず30kgまで加圧する(ステップS38)。このステップにおいて、後述するように、上定盤14を垂直移動して上パネルを下パネルに対して加圧するときの上パネルの位置ずれに追従するように下定盤18(下パネル)を移動する。すなわち、上パネルの水平方向の移動を予測して下パネルも同じ方向に同時に移動する(予測移動)。
加圧後に上下パネルのアライメントマークを読み込み(ステップS39)、上下パネルの位置ずれが許容範囲内であるか否かを判定する(ステップS40)。上下パネルの位置ずれが許容範囲を越えていた場合には、XYθテーブル34を駆動して下定盤18(下パネル)を移動し、上パネルと下パネルとの微位置合わせを再度行なう。
その後、処理はステップS38に戻って、ステップS39及びS40の処理を行なう。ステップS40において上下パネルの位置ずれが許容範囲内であると判定されると、直前に行なった加圧が最終加圧であるか否かを判定する(ステップS42)。最終加圧ではない場合は、ステップS38に戻ってステップS38〜S42の処理を再度行なう。
図6に示す例では、最終加圧を100kgとし、加圧の中間で30kgと60kg加圧の位置で微位置合わせを行なっている。すなわち、最初のステップS38の処理で30kgまで加圧し、次のステップS38の処理で60kgまで加圧し、更に次の処理で100kgまで加圧する。100kgまで加圧したときに、この加圧が最終加圧であると判定される。
図7及び図8は上述のパネル貼り合わせ工程における上下パネルの移動を模式的に示す図である。図7は上パネルの位置ずれに対して下パネルの予測移動がうまく対応している例を示す。一方、図8は上パネルの位置ずれに対して下パネルを予測移動するが、誤差が生じているため加圧の途中において僅かな補正を行う例を示す。
図7(a)において、30kgまで加圧した状態における上パネルのZ軸方向の位置がP2の位置である。上パネルが垂直方向にP1からP2へと移動する間に、点線の矢印で示すようにXY方向に位置ずれが生じる。これは主に上定盤14を移動するための上定盤移動機構28の機械的誤差に起因した位置ずれである。この位置ずれをなくすために、上パネルがP1からP2へと垂直移動する間に、図7(b)に示すように、上パネルの水平方向における位置ずれ分だけ下パネルを同時に移動する(最初のステップS38の処理)。
図7に示す例ではP2の位置においてパネルの位置ずれが許容範囲内であると判定される(ステップS40のYes)。したがって、処理はS38に戻り、上下パネルに60kgの加圧力を加える。加圧力が60kgに達したときの上パネルの位置がP3である。上パネルがP2からP3の位置に移動する際にも同様に位置ずれが生じる。このため上パネルがP2からP3の位置に移動する間、(すなわち加圧力が30kgから60kgへと増加する間にも、下パネルを予測移動する(2回目のステップS38の処理)。
次に、上下パネルに最終圧力である100kgの加圧力を加える。加圧力が100kgに達したときの上パネルの位置がPFである。上パネルがP3からPFの位置に移動する際にも同様に位置ずれが生じる。このため、加圧力が60kgから100kgへと増加する間にも、下パネルを予測移動する(3回目のステップS38の処理)。
以上のような加圧を繰り返した後、ステップS42で直前の加圧が最終加圧であると判定されると、上下パネルのアライメントマークの位置ずれ量を測定し(ステップS43)、パネルの貼り付け処理が終了する。以上のような貼り合わせ工程により、二枚のパネルを0.5μm〜1.5μmの位置合わせ精度で貼り合わせることができる。
以上のような方法によれば、上パネルの垂直方向の移動に伴う水平方向の移動と同時に下パネルの水平方向の移動が行われるため、加圧の最中でも上下パネルの位置ずれは生じることがない。したがって、上下パネルの間に挟まって加圧されているシール接着材には垂直方向の加圧力のみがかかることとなり、シール接着材に水平方向のせん断応力が生じて損傷することを防止することができる。
したがって、パネル貼り合わせ時の位置ずれに起因して、シール接着剤が損傷し、液晶漏れが発生することを防止することができ、貼り合わせ工程の信頼性を向上することができる。また、段階的な加圧の途中において微位置合わせが不要となるので、この分の工程に必要な時間を削減することができ、貼り合わせ工程に要する時間を短縮することができる。
一方、図8に示す例では、上パネルの垂直移動と同時に下パネルを水平方向に予測移動するが、加圧の各段階において補正すべき位置ずれが生じている。このような例は、例えば上パネルの位置ずれ量が、予め設定された下パネルの予測移動量(すなわち上パネルの位置ずれの予測値)と異なってきた場合であり、貼り合わせ装置10の移動機構の精度が経時的に変化した場合等に相当する。
図8(a)において、30kgまで加圧した状態における上パネルのZ軸方向の位置がP2の位置である。予め予測上パネルが垂直方向にP1からP2へと移動する間に生じる水平方向の位置ずれが点線の矢印で示されている。ここで、上パネルの移動が予測値からずれて、実際には実線の矢印で示すような移動となった場合、P2位置において僅かな位置ずれが生じてしまう。そこで、P2位置においてこの位置ずれを補正する。この補正は図6のステップS41における補正に相当する。
したがって、例えば30kgの加圧力が加わっている状態において、下パネルを移動して位置補正を行なうこととなる。ただし、予め下パネルの予測移動を行なっているため、図8(b)の実線の矢印で示すように、下パネルの移動量は、予測移動位置からの位置ずれ量のみであり、加圧下における上下パネルの相対移動量(すなわちP2における下パネルの移動量)を、僅かな量に抑えることができる。すなわち、P2における下パネルの移動量は、図2に示す従来の方法によるP2における下パネルの移動量よりはるかに小さい値とすることができる。
図8に示す例では、位置P1での位置補正と同様に、60kgまで加圧した位置P3及び最終的に100kgまで加圧した位置PFにおいても、予測位置とのずれを補正する。
以上のように、図6に示す貼り合わせ工程では、加圧の各段階において予測位置からのずれを判定する。そして、各段階でずれが許容範囲内であった場合は、上下パネルの移動は図7に示すようになり、一方、各段階でずれが許容範囲を超えた場合は上下パネルの移動は図8に示すようになる。
次に、本発明の第2実施例について、図9乃至図14を参照しながら説明する。図9は本発明の第2実施例によるパネル貼り合わせ工程の一部を示すフローチャートである。
本発明の第2実施例によるパネル貼り合わせ工程は、図6に示す貼り合わせ工程において、ステップS38〜S42までの処理を連続的に行なうものであり、粗位置合わせ及び微位置合わせまでの処理は、図6に示すステップS31〜S37までの処理と同様である。
すなわち、微位置合わせが終了すると、図9に示すように、まずZ軸方向の加圧を開始する(ステップS51)。そして、加圧中に画像認識カメラ40にてアライメントマークを画像認識し(ステップS52)、且つ上パネルのZ軸方向の現在の位置を取得する(ステップS53)。Z軸方向の位置は上定盤14のZ軸方向の位置を検出すればよい。また、ロードセル42により検出した荷重(加圧力)とZ軸方向の位置はほぼ比例するので、この加圧力をZ軸方向の位置と見なしてもよい。
次に、取得したZ軸位置における上パネルの水平方向の位置(X/Y/θの位置)を、ステップS52での画像認識結果に基づいて演算する(ステップS54)。そして、ステップS54での演算結果に基づいて上下パネル間の実際の位置ずれ量を演算する(ステップS55)。
次に、ステップS55で求めた位置ずれ量が許容値内であるか否かを判定する(ステップS56)。この際、位置ずれ量の演算はX/Y/θの各方向について別々に行なう。位置ずれ量が許容値を超えている判定された場合、その位置ずれ量を補正するために移動すべきテーブルの移動量を演算する(ステップS57)。
その後、ステップS57で求めたテーブルの移動量をXYθテーブル34の駆動部に通知し(ステップS58)、ステップS57で求めたテーブルの移動量だけXYθテーブル34を移動する(ステップS59)。
以上の工程により、実際の位置ずれ量と予測した位置ずれ量との差が許容値を超えた場合に、上下パネルの位置ずれを補正する処理が行われる。
位置ずれ補正を行なった後、本実施例では、上述のステップS55にて演算した位置ずれ量を取得して情報として蓄積し(ステップS60)。そして、蓄積した情報に基づいて、位置ずれ量の予測値を演算するための基となるX/Y/θ方向の位置ずれ量とZ軸方向の位置との関係(図10乃至12参照)を作成したり変更したりする。すなわち、実際の位置ずれ量と予測した位置ずれ量との差を学習し、その後の貼り合わせ工程において、位置ずれ量の予測値がより正確となるように実際の位置ずれ量の変化を学習する。
上述のステップS56において、実際の位置ずれ量と予測した位置ずれ量との差が許容値内であると判定された場合は、処理はステップS60に進む。すなわち、許容範囲内の位置ずれ量に関する情報も蓄積し、その後の貼り合わせ工程において、位置ずれ量の予測値がより正確となるように実際の位置ずれ量の変化を学習する。なお、本実施例では、位置ずれ量の学習は、X/Y/θ方向のそれぞれについて別個に行なう。
位置ずれ量の学習が完了すると、処理はステップS42に進み(図6参照)、所定の最終加圧に到達したか否かが判定される。
以上の工程は、上パネルをZ軸方向に移動しながら、すなわち加圧力を増大させながら行なわれるため、位置ずれ補正を加圧工程と同時に行なうことができ、貼り合わせ工程に要する時間は加圧工程に要する時間だけとなる。すなわち、位置ずれ補正のために必要な下パネルの移動は、加圧工程中に行われるため、パネル貼り合わせ工程に要する時間を短縮することができる。
また、予測位置ずれ量と実際の位置ずれ量と差を学習し、予測位置ずれ量をより実際の位置ずれ量に近い値に変更するため、上下パネル間の相対移動量を低減することができる。これにより、パネル間に挟まれたシール接着材の損傷を防止し、信頼性の高いパネル貼り合わせ処理を達成することができる。
図13及び図14は、図9に示す貼り合わせ工程における上パネルと下パネルの移動を模式的に表した図である。図13は位置ずれ量の予測値と実際の位置ずれ量が一致した場合の例であり、図14は位置ずれ量の予測値と実際の位置ずれ量との間に誤差が生じて位置ずれ量の補正が行なわれた場合の例である。
したがって、図9に示す貼り合わせ工程において、位置ずれ量の予測値と実際の位置ずれ量が一致した場合には、上パネルが図13(a)の実線矢印に示すように最初に位置合わせされた位置P1から最終位置PFへと移動する間に、下パネルは図13(b)の実線矢印に示すように上パネルの移動の水平方向の成分だけ移動する。したがって、上下パネルは水平方向に相対移動することなく、Z軸方向から見た場合上下パネルは重なったまま同じ水平移動をしているように見える。したがって、上下パネルの間に挟まれたシール接着材には加圧力のみがかかり、せん断応力は発生しない。
一方、図9に示す貼り合わせ工程において、位置ずれ量の予測値と実際の位置ずれ量との間に誤差が生じて位置ずれ量の補正が行なわれる場合は、上パネルの移動は、図14(a)の点線で示す予測経路とは異なり、実際には実線矢印で示す経路となる。そこで、下パネルの移動は図14(b)に示す点線矢印の経路ではなく、実線矢印で示すように位置ずれ補正が行われた経路となる。
ただし、予測ずれ量からの誤差は学習により極力小さな値とされているため、位置ずれ補正の判断基準となる許容値は小さな値でよく、位置ずれ量が許容値を超え可能性や回数は小さい。このため、図14に示すように位置ずれ補正を行っても、上下パネル間の相対移動量は小さく、上下パネル間のシール接着材を損傷するような移動量とはならない。
図15は図9にパネル示す貼り合わせ工程を行う際に制御装置内における各種情報の流れを示す図である。
制御装置44において、画像認識部50は画像認識カメラ40からアライメントマークの読み取り結果を得ると、画像認識カメラ40の読み取り結果からX方向の位置ずれ量とY方向の位置ずれ量とを演算し、XYθずれ演算部52に送る。XYθずれ演算部52はX方向の位置ずれ量とY方向の位置ずれ量に基づいてXYθテーブル34の移動量を決定する。すなわち、XYθテーブル34のX、Y,θ方向に関する位置ずれ補正量(テーブルのXYθ値)を演算する。
XYθテーブル34の位置ずれ補正量は、学習反映部54に送られ、学習した位置ずれが加味された位置ずれ補正量(XYθ値)に変更される。次に、学習した位置ずれが加味された位置ずれ補正量は、比較・ズレ演算部56に送られる。比較・ズレ演算部56は、学習した位置ずれが加味された位置ずれ補正量と、同じZ軸位置における位置ずれ補正量の予測値とを比較し、該Z軸位置における位置ずれ補正量(XYθ/Z補正値)決定する。
比較・ズレ演算部56で決定された位置ずれ補正量は、駆動制御部58に送られると同時に、XYθ傾向学習部60にも送られる。駆動制御部58は、供給された位置ずれ補正量に基づいてXYθテーブル34の移動を制御し、位置ずれ補正を行なう。また、XYθ傾向学習部60は、供給された位置ずれ補正量に基づいて位置ずれ量の傾向を求め、XYθ目標位置演算部62に供給する。
XYθ目標位置演算部62は、位置ずれ量の傾向を反映させながら、位置ずれ量の予測値(XYθの目標値)を演算し、上述のように比較・ズレ演算部56に供給する。
また、駆動制御部58にはロードセル42や他の位置検出器から上定盤18のZ軸位置に関する情報が供給されており、駆動制御部58はZ軸位置の値(Z値)を学習反映部54及びXYθ目標位置演算部62に供給する。
さらに、比較・ズレ演算部56で決定された位置ずれ補正量を、警報発生部64に送ることにより、位置ずれ補正量が所定の値を超えた場合に、装置に異常が生じたと判断し、装置の操作者に対して通知するように警報を発生することもできる。すなわち、警報発生部64は、比較・ズレ演算部56で決定された位置ずれ補正量、すなわち上下パネルの位置ずれ量が所定の値を超えた場合に警報を発生する。
予測位置ずれ量と実際の位置ずれ量との差は、一回の貼り付け工程とその次の貼り付け工程では経時変化はごく微量であるため、本来ゼロに近い僅かな値である。したがって、比較・ズレ演算部56で決定された位置ずれ補正量を監視して、その値が所定値より大きくなった場合は、装置になんらかの異常が生じたものと判断することができる。この場合に警報を発生することにより、異常を操作者に通知し、装置の安全性を向上することができる。
なお、上述のような構成の制御装置44は、プロセッサ及びメモリ等よりなる周知ハードウェア構成が所定のプログラムを事項することにより実現可能である。
次に、本発明の第3実施例によるパネル貼り合わせ方法について、図16及び図17を参照しながら説明する。
上述の第1及び第2実施例によるパネル貼り合わせ方法では、まず上下パネルの相対的な位置のずれ量を予測し、その予測値を補正するように上下パネルを相対的に平行移動させながら、なおかつ上下パネル間に所定値以上の位置ずれが生じた場合にその位置ずれ量を補正している。一方、本実施例によるパネル貼り合わせ方法では、ずれの予測値を用いずに、加圧中に検出した実際のずれ量を加圧中に同時に補正している。
図16は本発明の第3実施例によるパネル貼り合わせ方法による貼り合わせ工程の一部(加圧工程)を示すフローチャートである。
上下パネルの位置合わせが完了した後に、図16に示す加圧工程が開始される。加圧工程では、まず、Z軸方向の加圧を開始し(ステップS101)、加圧中に画像認識カメラ40にてアライメントマークを画像認識する(ステップS102)。そして、上パネルの水平方向の位置(X/Y/θの位置)を、ステップS102での画像認識結果に基づいて演算し、演算結果に基づいて上下パネル間の実際の位置ずれ量を演算する(ステップS103)。
次に、ステップS103で求めた位置ずれ量が許容値内であるか否かを判定する(ステップS104)。この際、位置ずれ量の演算はX/Y/θの各方向について別々に行なう。位置ずれ量が許容値を超えている判定された場合、その位置ずれ量を補正するために移動すべきテーブルの移動量を演算する(ステップS105)。
その後、ステップS105で求めたテーブルの移動量をXYθテーブル34の駆動部に通知し(ステップS106)、ステップS106で求めたテーブルの移動量だけXYθテーブル34を移動する(ステップS107)。そして、所定の最終加圧に到達したか否かを判定し(ステップS108)、所定の最終加圧に到達していれば加圧工程を終了し、貼り合わせ工程を終了する。
以上の工程により、実際の位置ずれ量が許容値を超えた場合に上下パネルの位置ずれを補正する処理が、パネルの加圧と並行して同時行なわれる。
なお、上述のステップS104において、実際の位置ずれ量が許容値内であると判定された場合は、ステップS105〜S107の処理を行なわずに、処理はステップS108に進み、所定の最終加圧に到達したか否かを判定する。
以上の工程において、位置ずれ補正は、上パネルをZ軸方向に移動しながら、すなわち加圧力を増大させながら行なわれるため、位置ずれ補正を加圧工程と並行して同時に行なうことができ、貼り合わせ工程に要する時間は加圧工程に要する時間だけとなる。すなわち、位置ずれ補正のために必要な下パネルの移動は、加圧工程中に同時に行なわれるため、パネル貼り合わせ工程に要する時間を短縮することができる。また、加圧中に微細な位置補正を行なうことにより、一回の位置補正におけるパネルの相対的な移動量を小さくすることがで、加圧中にパネル間のシール材に加わる横応力(せん断応力)を減少させることができる。
図17は、本実施例によるパネル貼り合わせ工程の全体を示すフローチャートである。本実施例によるパネル貼り合わせ工程は、図5に示すパネル貼り合わせ装置10を用いて行なわれ、まず、上下パネルを対向した状態で上下定盤14,18に取り付け(ステップS111)、上下パネル12,16に設けられているアライメントマークを画像認識カメラ40により読み込む(ステップS112)。
次に、上下パネルのアライメントマークが所定の範囲内に入っているか否かを判定する(ステップS113)。すなわち、上下パネルが所定の精度で位置合わせされているか否かを判定する。所定の精度で位置合わせされていない場合は、下定盤18をX,Y,θ方向に移動し(ステップS114)、再度位置合わせを行なう。以上の工程が粗位置合わせ(粗アライメント)の工程である。粗位置合わせ工程では、上下パネルの位置ずれが、例えば5μm以下となるように位置合わせを行なう。
粗位置合わせが終了すると、次に微位置合わせ(微アライメント)を行なう。微位置合わせは上述のステップS112〜S114と同様な処理(ステップS115〜S117)であり、上下パネルの位置ずれが例えば0.5μm以下となるように位置合わせを行なう。
微位置合わせが終了すると、上定盤14を下定盤16に対して垂直移動し、二枚のパネルが重なった状態で加圧する。この際、上下パネルの加圧中にアライメントマークを読み込み(ステップS118)、上下パネルのアライメントマークのずれ量が所定の許容値内に入っているか否かを判定する(ステップS119)。すなわち、上下パネルの相対位置のずれ量が所定の精度の範囲内であるか否かを判定する。
上下パネルの相対位置のずれ量が所定の精度の範囲内ではない、すなわち所定の許容値を超えた場合(ステップS119のNo)、下定盤18をX,Y,θ方向に移動し(ステップS120)、上下パネルの加圧を継続しながら同時に上下パネルの位置補正を行なう。すなわち、上下パネルの加圧移動中(垂直移動中)に、上下パネルのアライメントマーク認識結果に基づいて検出されたパネルの位置ずれ量を、上下パネルを相対的に平行移動することにより補正する。
ステップS120における位置ずれ量の補正が終了すると、続いて、加圧動作が終了したか否かを判定する(ステップS121)。加圧動作が終了していない場合は、処理はステップS118に戻り、ステップS118〜S120の処理を繰り返す。
ここで、上述のステップS118〜S120の処理は、例えば、ステップS115〜S117の処理における微アライメントと同様な処理を、パネルの加圧移動中に行なうこととしてもよい。例えば、ステップS119における許容値を0・5μmとして、加圧中に微細なアライメントを行なう。許容値を小さくすればするほど、パネル間のシール材に加わる横応力を減少することができるが、下定盤18の移動制御との兼ね合いで、加圧動作を停止することなく下定盤18を移動することができるように許容値を決定すればよい。
以上のように加圧中に位置補正を繰り返した後、ステップS121で加圧が終了したと判定されると、上下パネルのアライメントマークの位置ずれ量を測定し(ステップS122)、パネルの貼り付け処理が終了する。このような貼り合わせ工程により、二枚のパネルを0.5μm〜1.5μmの位置合わせ精度で貼り合わせることができる。
以上のような方法によれば、上パネルの垂直方向に伴う水平移動とほぼ同時に下パネルの水平方向の移動が行なわれるため、加圧の最中でも上下パネルの位置ずれを最小限にとどめることができ、上下パネルの間に挟まって加圧されているシール接着材に水平方向のせん断応力が生じて損傷することを防止することができる。したがって、パネル貼り合わせ時の位置ずれに起因して、シール接着剤が損傷し、液晶漏れが発生することを防止することができ、貼り合わせ工程の信頼性を向上することができる。また、加圧動作を停止して位置合わせを行なった後に加圧動作を再開するといった段階的な加圧を行なうことなく、加圧中に位置合わせを並行して行なうため、位置合わせを行なうための時間が不要となり、貼り合わせ工程に要する時間を短縮することができる。
なお、加圧動作における上下パネルの相対垂直移動速度(加圧方向の移動速度)と、上下パネルの位置ずれ補正量(ステップS104またはS119における位置ずれ量の許容値)とを関連付けて位置ずれ補正を行うことにより、高速で加圧動作を行いながら位置ずれも補正できるようになる。
また、例えば、加圧中に許容値を越える位置ずれ量が生じていない場合には、加圧速度(上下パネルの相対垂直移動速度)を増大させることとすれば、より高速に加圧動作を行なうことができ、貼り合わせ工程を短縮することができる。すなわち、加圧速度と位置ずれ補正量とを関連付けて位置ずれ補正を行なうことにより、高速で加圧動作を行なうことができ、その分貼り合わせ工程を短縮することができる。この場合、上下パネルのアライメントマークの画像認識により検出した上下パネルの位置ずれ量を、図5に示すパネル貼り付け装置の上定盤移動機構28の制御に反映する手段を、制御装置44に設ければよい。
次に、本発明の第4実施例によるパネル貼り合わせ方法について、図18及び図19を参照しながら説明する。
本発明の第4実施例によるパネル貼り合わせ方法では、上述の第3実施例によるパネル貼り合わせ方法と同様に、ずれの予測値を用いずに、加圧中に検出した実際のずれ量を加圧中に同時に補正している。ただし、本実施例では、補正の際の位置ずれ量に対する許容値を定めずに、随時位置ずれ量を補正する。
図18は本発明の第4実施例によるパネル貼り合わせ方法による貼り合わせ工程の一部(加圧工程)を示すフローチャートである。
上下パネルの位置合わせが完了した後に、図18に示す加圧工程が開始される。加圧工程が開始された後のステップS131〜S133までの処理は、図16におけるステップS101〜S103までの処理と同様である。すなわち、まず、Z軸方向の加圧を開始し(ステップS131)、加圧中に画像認識カメラ40にてアライメントマークを画像認識する(ステップS132)。そして、上パネルの水平方向の位置(X/Y/θの位置)を、ステップS132での画像認識結果に基づいて演算し、演算結果に基づいて上下パネル間の実際の位置ずれ量を演算する(ステップS133)。
次に、本実施例では、ステップS103で求めた位置ずれ量の大小にかかわらず、その位置ずれ量を補正するために移動すべきテーブルの移動量を演算する(ステップS134)。すなわち、位置ずれ量が所定の許容値内であるか越えているかにかかわらず、位置ずれ補正を行なう。
その後、ステップS134で求めたテーブルの移動量をXYθテーブル34の駆動部に通知し(ステップS135)、ステップS134で求めたテーブルの移動量だけXYθテーブル34を移動する(ステップS136)。そして、所定の最終加圧に到達したか否かを判定し(ステップS137)、所定の最終加圧に到達していれば加圧工程を終了し、貼り合わせ工程を終了する。
以上の工程により、上下パネルの位置ずれが生じた時点でその位置ずれを補正する処理が、パネルの加圧と並行して同時行われる。
以上の工程において、位置ずれ補正は、上パネルをZ軸方向に移動しながら、すなわち加圧力を増大させながら行なわれるため、位置ずれ補正を加圧工程と並行して同時に行なうことができ、貼り合わせ工程に要する時間は加圧工程に要する時間だけとなる。すなわち、位置ずれ補正のために必要な下パネルの移動は、加圧工程中に同時に行われるため、パネル貼り合わせ工程に要する時間を短縮することができる。また、加圧中に微細な位置補正を行なうことにより、一回の位置補正におけるパネルの相対的な移動量を小さくすることがで、加圧中にパネル間のシール材に加わる横応力(せん断応力)を減少させることができる。
図19は、本実施例によるパネル貼り合わせ工程の全体を示すフローチャートである。本実施例によるパネル貼り合わせ工程は、図5に示すパネル貼り合わせ装置10を用いて行なわれる。図19において、ステップS141〜S147の処理は、図17におけるステップS111〜S117における処理と同様であり、上下パネルの粗位置合わせ及び微位置合わせを行なう処理である。
微位置合わせが終了すると、上定盤14を下定盤16に対して垂直移動し、二枚のパネルが重なった状態で加圧する。この際、上下パネルの加圧中にアライメントマークを読み込み(ステップS148)、読み込んだ時点での上下パネルのアライメントマークのずれ量に基づいて、下定盤18をX,Y,θ方向に移動して上下パネルの加圧を継続しながら同時に上下パネルの位置補正を行なう(ステップS149)。すなわち、上下パネルの加圧移動中(垂直移動中)に、上下パネルのアライメントマーク認識結果に基づいて検出されたパネルの位置ずれ量を、上下パネルを相対的に平行移動することにより補正する。
ステップS149における位置ずれ量の補正が終了すると、続いて、加圧動作が終了したか否かを判定する(ステップS150)。加圧動作が終了していない場合は、処理はステップS148に戻り、ステップS148〜S149の処理を繰り返す。
以上のように加圧中に位置補正を繰り返した後、ステップS121で加圧が終了したと判定されると、上下パネルのアライメントマークの位置ずれ量を測定し(ステップS151)、パネルの貼り付け処理が終了する。このような貼り合わせ工程により、二枚のパネルを0.5μm〜1.5μmの位置合わせ精度で貼り合わせることができる。
上述のパネル貼り合わせ方法によれば、上パネルの垂直方向に伴う水平移動とほぼ同時に下パネルの水平方向の移動が行なわれるため、加圧の最中でも上下パネルの位置ずれを最小限にとどめることができ、上下パネルの間に挟まって加圧されているシール接着材に水平方向のせん断応力が生じて損傷することを防止することができる。したがって、パネル貼り合わせ時の位置ずれに起因して、シール接着剤が損傷し、液晶漏れが発生することを防止することができ、貼り合わせ工程の信頼性を向上することができる。また、加圧動作を停止して位置合わせを行なった後に加圧動作を再開するといった段階的な加圧を行なうことなく、加圧中に位置合わせを並行して行なうため、位置合わせを行なうための時間が不要となり、貼り合わせ工程に要する時間を短縮することができる。
また、例えば、加圧中に位置ずれが生じていない場合には、加圧速度(上下パネルの相対垂直移動速度)を増大させることとすれば、より高速に加圧動作を行なうことができ、貼り合わせ工程を短縮することができる。すなわち、加圧速度と位置ずれ補正量とを関連付けて位置ずれ補正を行なうことにより、高速で加圧動作を行なうことができ、その分貼り合わせ工程を短縮することができる。この場合、上下パネルのアライメントマークの画像認識により検出した上下パネルの位置ずれ量を、図5に示すパネル貼り付け装置の上定盤移動機構28の制御に反映する手段を、制御装置44に設ければよい。
以上説明したように、本出願は以下の発明を開示する。
(付記1) 二枚のパネルを接着材を介して重ね合わせた状態で加圧して貼り合せるパネル貼り合わせ方法であって、
二枚のパネルをパネル面が対向した状態で位置合わせを行ない、
該二枚のパネル同士が接着材を介してパネル面に垂直な方向に所定の加圧力で加圧されるように、該二枚のパネルの加圧を開始し、
前記所定の加圧力に到達するまでの間に、該二枚のパネルの少なくとも一方を、予め予測して設定された予測位置ずれ量に相当する移動距離だけ、パネル面に平行な方向に移動し、
該所定の加圧力に到達した時点で、前記二枚のパネルが位置合わせされた状態で、加圧を終了する
ことを特徴とするパネル貼り合わせ方法。
(付記2)付記1記載のパネル貼り合わせ方法であって、
加圧の開始から終了までの間で加圧を一時停止し、
停止した時点までの前記パネル同士の位置ずれ量を検出し、
該位置ずれ量が所定の位置ずれ量を超えた場合に該位置ずれ量を補正するように前記二枚のパネルの少なくとも一方をパネル面に平行な方向に移動し、
前記位置ずれ量の補正が終了した後に加圧を再開する
ことを特徴とするパネル貼り合わせ方法。
(付記3) 付記1記載のパネル貼り合わせ方法であって、
加圧の開始から終了までの間に、前記パネル同士の位置ずれ量を検出し、
該位置ずれ量が所定の位置ずれ量を超えた時点で、連続的に加圧しながら、該位置ずれ量を補正するように前記二枚のパネルの少なくとも一方をパネル面に平行な方向に移動する
ことを特徴とするパネル貼り合わせ方法。
(付記4) 付記2又は3記載のパネル貼り合わせ方法であって、
検出した位置ずれ量を前記二枚のパネルの距離と関連付けて情報として蓄積し、その後のパネル貼り合わせ工程における予測位置ずれ量の設定に用いることを特徴とするパネル貼り合わせ方法。
(付記5) 付記2又は3記載のパネル貼り合わせ方法であって、
検出した位置ずれ量を加圧量と関連付けて情報として蓄積し、その後のパネル貼り合わせ工程における予測位置ずれ量の設定に用いることを特徴とするパネル貼り合わせ方法。
(付記6) 付記4又は5記載のパネル貼り合わせ方法であって、
検出した位置ずれ量が、蓄積した位置ずれ情報に基づいて求めた位置ずれ量より所定の値以上大きいときに、異常が発生したことを通知する警報を発することを特徴とするパネル貼り合わせ方法。
(付記7) 二枚のパネルを接着材を介して重ね合わせた状態で加圧して貼り合せるパネル貼り合わせ装置であって、
該二枚のパネルがそれぞれ取り付けられる上下定盤と、
前記上定盤を垂直方向に移動する上定盤移動機構と、
前記下定盤を水平方向に移動するテーブルと、
前記二枚のパネルの各々に設けられたアライメントマークを画像認識するカメラと、
前記上定盤移動機構の動作を制御し、且つ前記カメラによる画像認識結果に基づいて前記パネル同士の位置合わせを行なうために前記テーブルの移動を制御する制御装置と
を有し、
前記制御装置は、前記上定盤移動機構を動作させて前記パネルを加圧しながら、前記下定盤が予め予測して設定された予測位置ずれ量に相当する移動距離だけ移動するように、前記テーブルの移動を制御することを特徴とするパネル貼り合わせ装置。
(付記8) 付記7記載のパネル貼り合わせ装置であって、
前記制御装置は、
前記上定盤の垂直方向位置に対応して検出した前記下定盤の水平方向位置を情報として蓄積する記憶手段と、
蓄積した情報を位置ずれ量の予測に反映する予測手段と
を有することを特徴とするパネル貼り合わせ装置。
(付記9) 付記7又は8のパネル貼り合わせ装置であって、
前記制御装置は、検出した位置ずれ量が、蓄積した位置ずれ情報に基づいて求めた位置ずれ量より所定の値以上大きいときに、異常が発生したことを通知する警報を発する警報手段を有することを特徴とするパネル貼り合わせ装置。
(付記10) 二枚のパネルを接着材を介して重ね合わせた状態で加圧して貼り合せるパネル貼り合わせ方法であって、
二枚のパネルをパネル面が対向した状態で位置合わせを行ない、
該二枚のパネル同士が接着材を介してパネル面に垂直な方向に所定の加圧力で加圧されるように、該二枚のパネルの加圧を開始し、
前記所定の加圧力に到達するまでの間に、加圧と並行して該二枚のパネルのパネル面に平行な方向の位置ずれを補正する
ことを特徴とするパネル貼り合わせ方法。
(付記11) 付記10記載のパネル貼り合わせ方法であって、
加圧中に常にパネル同士の位置ずれ量を検出し、
該位置ずれ量が所定の値を越えた時点で、位置ずれを補正するように前記二枚のパネルの少なくとも一方をパネル面に並行な方向に移動し、
前記所定の加圧力に到達した時点で、前記二枚のパネルが位置合わせされた状態で、加圧を終了する
ことを特徴とするパネル貼り合わせ方法。
(付記12) 付記10記載のパネル貼り合わせ方法であって、
加圧中に常にパネル同士の位置ずれ量を検出し、
連続的に加圧しながら、該位置ずれ量の大小にかかわらずに、常に位置ずれを補正するように前記二枚のパネルの少なくとも一方をパネル面に平行な方向に移動し、
前記所定の加圧力に到達した時点で、前記二枚のパネルが位置合わせされた状態で、加圧を終了する
ことを特徴とするパネル貼り合わせ方法。
(付記13) 付記11又は12記載のパネル貼り合わせ方法であって、
前記二枚のパネルのパネル面に垂直な方向への移動速度と、前記位置ずれの補正量とを関連付けて加圧動作を行ない、前記二枚のパネルが位置合わせされた状態で加圧を終了することを特徴とするパネル貼り合わせ方法。
(付記14) 二枚のパネルを接着材を介して重ね合わせた状態で加圧して貼り合せるパネル貼り合わせ装置であって、
該二枚のパネルがそれぞれ取り付けられる上下定盤と、
前記上定盤を垂直方向に移動する上定盤移動機構と、
前記下定盤を水平方向に移動するテーブルと、
前記二枚のパネルの各々に設けられたアライメントマークを画像認識するカメラと、
前記上定盤移動機構の動作を制御し、且つ前記カメラによる画像認識結果に基づいて前記パネル同士の位置合わせを行なうために前記テーブルの移動を制御する制御装置と
を有し、
前記制御装置は、前記上定盤移動機構を動作させて前記パネルの加圧動作と並行して、前記アライメントマークの画像認識結果により得られる位置ずれ量に相当する移動距離だけ前記下定盤が移動するように、前記テーブルの移動を制御することを特徴とするパネル貼り合わせ装置。
(付記15) 付記14記載のパネル貼り合わせ装置であって、
前記制御装置は、画像認識により検出した前記二枚のパネルの位置ずれ量を、前記上定盤移動機構の制御に反映する手段を有することを特徴とするパネル貼り合わせ装置。