JP4245386B2 - 基板の貼合わせ装置及び基板の貼合わせ方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2枚の基板を重ね合わせて貼り合わせる基板の貼合わせ装置及び貼合わせ方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネルは、ガラス製の2枚の基板が、液晶部材を挟んで貼り合わされて製造されるが、その基板の貼り合わせのために、いずれか一方の基板の対向面に、予め接着剤(例えば、シール剤)が塗布される。
【0003】
高精細な液晶表示画面を形成するためには、矩形状の2枚の基板を高精度に貼り合わせる必要があり、そのため、各基板のアライメント(位置決め用)マークの撮像パターンに基づく位置合わせを、2枚の基板をできるだけ接近させて行うことが望まれる。そこで、例えば真空槽内において、いわゆるプリアライメントにより位置決めされ、対向配置された2枚の基板は、一方の基板に塗布された接着剤に他方の基板面が接触するまで近づけられ、一方の基板面が他方の基板面に塗布された接着剤に接触した状態で、アライメントマークに基づく、高精度な位置合わせ操作が行われる。
【0004】
図11は、従来の基板の貼合わせ装置の要部正面図である。図12は、図11において、上下両基板を重ね合わせ、各基板にそれぞれ形成されたアライメントマークに基づく高精度な位置合わせ操作を行うべく、下基板に塗布された接着剤に上基板を接触させた状態を示す要部拡大断面図である。
【0005】
図11に示したように、貼り合わされる上基板11と下基板12は、上蓋21及び下蓋22からなる真空槽2内に対向配置され、上基板11は上ステージ(上定盤)31の下面に保持され、下基板12は下ステージ(下定盤)32上に載置されて保持されている。
【0006】
両基板11,12間に均一な間隔(ギャップ)が形成され、良好に貼り合わされるためには、各基板11,12は、いずれも波打つことなく良好な平坦性を有し、不均一な間隔(ギャップむら)が形成されない状態で接着剤1aが押圧されることが要求される。
【0007】
ところが、ガラス製の基板11,12自体は、厚さが薄く柔軟性があり、全体が変形しやすい性質を有している。また、剛性の大きなステージ31,32も、機械的な加工により、広い面積に渡って平坦性を得るのは容易ではない。
【0008】
従って、ステージ31,32により貼り合わされた両基板11,12間には、ギャップむらが発生することがある。
【0009】
そこで、図11に示した基板の貼合わせ装置では、下ステージ32上で下基板12を複数個の弾性部材4を介して吸着保持し、その弾性部材4が、各上下ステージ31,32表面の凹凸を吸収緩和し、接着剤1a全体が上下基板11,12間で均一に押圧されるように構成されている。
【0010】
図11の正面図では、下ステージ32上において、矩形状の下基板12を吸着保持する弾性部材4の数は、基板中央部を吸着保持する1個と、基板の四隅部でそれぞれ吸着保持する4個との合計5個であることを示している。
【0011】
なお、図11では、複数(5)個の弾性部材4を下ステージ31上に載置固定しているが、一枚のシート状の弾性部材を介して基板を保持した例が知られている(特許文献1参照。)。
【0012】
そこで、図11に示した基板の貼合わせ装置では、真空槽2内の下ステージ32自体は、下蓋22の外側下方に配置されたX−Y−θ移動機構5の作動軸5aに連結され、吸着保持された上下両基板11,12間の相対位置が水平方向に調整できるように構成されている。
【0013】
真空槽2内で加圧板の機能を備えた上ステージ31は、上蓋21上に載置されたプレス機構6に連結され、図示矢印Z(上下)方向に移動可能に構成されている。
【0014】
図11に示した基板の貼合わせ装置では、接着剤1aを介して両基板11,12を高精度に貼り合わせるのに、真空槽2内で対向配置された両基板11,12にプリアライメントによりおおよその位置合わせを行った後、上ステージ31を降下させ、図12に拡大して示したように、上基板11の下面が下基板12上の接着剤1aに接触し、上下両基板11、12が間隔Hの狭いギャップで対向した状態で、改めてアライメントマークに基づく高精度な位置合わせ操作が行われる。
【0015】
すなわち、図12に示したように、狭い間隔Hで両基板11,12が対向した状態での上下両基板11、12間のアライメント、すなわち位置合わせ操作では、図11に示したように、下方のCCDカメラ等の撮像機器33,33が、下蓋22の透光窓22a及び下ステージ32の貫通孔32aを介して、各基板11,12のアライメントマーク11a,12aを撮影して取り込み、その撮影パターンは制御器7に供給される。
【0016】
アライメントマーク11a,12aの撮影パターンの供給を受けた制御器7は、パターン認識手法により、図12に示したように、水平面内での両基板11,12間の位置ずれ量Δdを検出し、その位置ずれ量Δdが小さくなり、予め設定された許容範囲内に納まる方向に、好ましくはその位置ずれ量が零となるように、X−Y−θ移動機構5を駆動制御する。その結果、例えば、図13に示したように、位置ずれ量Δdがほとんど零となるように、ミクロン単位あるいはサブミクロン単位での位置合わせが行われる。
【0017】
この制御器7によるX−Y−θ移動機構5の駆動操作で、弾性部材4を介して下ステージに吸着保持された下基板12は、上基板11との間の接着剤1aの粘性に起因する抵抗に抗して移動する。そのとき、X−Y−θ移動機構5は、接着剤1aによる移動方向の抵抗に抗して下基板12を移動させようとするので、両基板11,12の位置合わせ操作が終了した時点では、図13に示したように、下基板12と下ステージ32の間にあって下ステージ32に比べて剛性の小さい弾性部材4には水平方向に距離Δkの変形量が生じる。
【0018】
弾性部材4が距離Δkだけ変形し、位置合わされた後の上下両基板11,12は、制御器7による図13の矢印Zで示す方向(下方向)への上ステージ31の押し下げ操作により、予め設定された時間の間加圧され、接着剤1aを押しつぶすので、図14に示したように、上下両基板11,12間は間隔h(h<H)にまで狭められる。
【0019】
その後、両基板11,12は、上下両ステージ31,32から解放され、真空槽2内が大気圧に戻されることにより、貼り合わせが完了する。なお、貼り合わせ完了後の両基板11,12は、接着剤1aの硬化工程に搬送され、接着剤1aは硬化される。
【0020】
なお、上下両基板11,12間の位置合わせ操作は、説明上、一方向(X方向)に行われるとして説明したが、実際には、水平面で、X−Y−θ方向への位置合わせ補正が行われる。
【0021】
また、図12に示したように、上基板11が接着剤1aに接触し、上下両基板11,12が間隔Hで対向した状態では、上基板11の下面は、接着剤1aの他に、表示面に滴下された液晶部材1bや不図示のスペーサ等にも接触していることがあり、弾性部材4は、接着剤1aのみならず、液晶部材1bや不図示のスペーサと上基板11との接触による移動方向の抵抗を受けて変形することもある。
【0022】
【特許文献1】
特開平11−264985号公報(第4頁)
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
上記説明のように、従来の基板の貼合わせ装置及び貼合わせ方法では、制御器7は、両基板11,12面に付されたアライメントマーク11a,12aの撮影パターンに基づき、その撮影パターンが予め設定された許容範囲内で一致するようにX−Y−θ移動機構5を駆動制御し、その後、接着剤1aをさらに押圧して上下両基板11,12の貼り合わせが行われる。
【0024】
その貼り合わせの際の位置合わせ操作(アライメント)では、上下両基板11,12間に均一な押圧力を形成すべく設けられた弾性部材4は、図13及び図14に示したように、水平方向に距離Δk変形してしまう。
【0025】
しかしながら、貼合わせ作業が完了し、基板11,12の吸着保持が解除されるまでには時間を要するので、その間、距離Δk変形した弾性部材4による復元力は、吸着保持した下基板12を、図14に矢印Xで示した方向へ移動させようとする力として作用する。
【0026】
従って、上基板11との間で一旦位置合わせが行われた下基板12は、基板11,12の吸着保持が解除されるまでの間に作用する弾性部材4の復元力により、図14に矢印Xで示した方向にずれてしまい、図15に示したように弾性部材4の水平方向への変形量も、距離Δkから距離Δn(Δn<Δk)へと小さくなり、せっかく位置合わせした両基板11,12間は、水平方向に(X方向)距離Δmだけ位置ずれを引き起こしてしまうという現象が生ずる。その結果、両基板11,12間の位置合わせ精度は、当初のミクロン単位あるいはサブミクロン単位の許容範囲からはみ出す恐れがあった。
【0027】
そこで本発明は、基板の貼り合わせを、適切かつ高品質に行うことができる基板の貼合わせ装置及び基板の貼合わせ方法を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上ステージに保持された上基板と、この上基板に対向配置されて下ステージ上に保持された下基板とを、接着剤を介して貼合わせる基板の貼合わせ装置において、前記上ステージと上基板との間、または前記下ステージと下基板との間の少なくとも一方に介在させた弾性部材と、この弾性部材の水平方向の変形量を検出する検出手段と、この検出手段により検出された前記弾性部材の前記変形量が少なくなる方向に、上ステージと下ステージとを相対的に移動させる駆動制御手段とを具備することを特徴とする。
【0029】
本発明によれば、弾性部材の水平方向の変形量を検出する検出手段を有し、駆動制御手段が、その検出手段により検出された変形量に基づき、上ステージと下ステージとを相対的に移動させ得るので、弾性部材の復元力による作用、すなわち上下基板が位置合わせが行われる前の状態に戻ろうとする作用を低減ないしは回避させることができ、上下基板は位置ずれが小さい状態で、高精度に貼り合わされる。
【0030】
本発明は、上ステージに保持された上基板と、この上基板に対向配置されて下ステージ上に保持された下基板とを、接着剤を介して貼合わせる基板の貼合わせ装置において、前記上ステージと上基板との間、または前記下ステージと下基板との間の少なくとも一方に介在させた弾性部材と、この弾性部材を挟んだ上ステージと上基板との間、または下基板と下ステージとの間の水平方向の位置ずれ量を検出する検出手段と、この検出手段により検出された前記水平方向の前記位置ずれ量が少なくなる方向に、上ステージと下ステージとを相対的に移動させる駆動制御手段とを具備することを特徴とする。
【0031】
本発明によれば、弾性部材を挟んだ上ステージと上基板との間、または同じく弾性部材を挟んだ下基板と下ステージとの間の水平方向の位置ずれ量を検出する検出手段を有し、駆動制御手段が、その検出手段により検出された位置ずれ量に基づき、上ステージと下ステージとを相対的に移動させるので、上下基板の位置合わせ操作に際して、変形した弾性部材による位置合わせ精度の低下を回避ないしは抑制することができる。従って、弾性部材の復元力による作用、すなわち上下基板が位置合わせが行われる前の状態に戻ろうとする作用は低減ないしは回避され、上下基板は位置ずれが小さく、高精度に貼り合わされる。
【0032】
本発明は、上ステージとこの上ステージに保持された上基板との間、または下ステージとこの下ステージに保持された下基板との間の少なくとも一方に弾性部材を介在させ、前記上基板と前記下基板とを、介在物を介して接触させた状態で位置合わせ操作を行い、接着剤を介して貼合わせる基板の貼合わせ方法において、前記上基板と前記下基板とを前記介在物を介して重ね合わせる第1の工程と、この第1の工程の後に、前記上ステージと前記下ステージとの間の相対位置を制御し、前記上基板と前記下基板との間の位置合わせ操作を行なう第2の工程と、この第2の工程での位置合わせ操作に伴う、前記弾性部材の水平方向の変形量を検出する第3の工程と、この第3の工程の後に、前記弾性部材の変形量が少なくなる方向に前記上ステージと前記下ステージとを相対的に移動させる第4の工程とを有することを特徴とする。
【0033】
本発明によれば、第3の工程において弾性部材の水平方向の変形量を検出し、第4の工程では、その弾性部材の変形量が少なくなる方向に上ステージと下ステージとを相対移動させるので、弾性部材の復元力が作用して、貼り合わされる上下両基板間の位置合わせ精度が低下するのを抑制ないしは回避することができる。
【0034】
本発明は、上ステージとこの上ステージに保持された上基板との間、または下ステージとこの下ステージに保持された下基板との間の少なくとも一方に弾性部材を介在させ、前記上基板と前記下基板とを、介在物を介して接触させた状態で位置合わせ操作を行い、接着剤を介して貼合わせる基板の貼合わせ方法において、前記上基板と前記下基板とを前記介在物を介して重ね合わせる第1の工程と、この第1の工程の後に、前記上ステージと前記下ステージとの間の相対位置を制御し、前記上基板と前記下基板との間の位置合わせ操作を行なう第2の工程と、この第2の工程での位置合わせ操作に伴う、前記上基板と前記下基板のうち前記弾性部材を介して保持された基板とこの基板を保持するステージとの間における前記弾性部材の変形に基づく水平方向の位置ずれ量を求める第3の工程と、この第3の工程の後に、前記水平方向の位置ずれ量が少なくなる方向に前記上ステージと前記下ステージとを相対的に移動させる第4の工程とを有することを特徴とする。
【0035】
本発明によれば、第3の工程で求めた、弾性部材を挟んだ上ステージと上基板との間、あるいは下ステージと下基板との間の位置ずれ量に基づき、上ステージと下ステージとを相対的に移動させる(第4の工程)ので、弾性部材の復元力が作用して、貼り合わされる上下両基板間の位置合わせ精度が低下するのを抑制ないしは回避することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による基板の貼合わせ装置及び基板の貼合わせ方法の一実施の形態を図1ないし図10を参照して詳細に説明する。なお、図11ないし図15に示した従来の基板の貼合わせ装置及び基板の貼合わせ方法と同一構成には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0039】
すなわち、図1は、本発明による基板の貼合わせ装置の第1の実施の形態を示した正面図である。
【0040】
第1の実施の形態の基板の貼合わせ装置は、図1に示すように、上蓋21及び下蓋22からなる真空槽2内において、上基板11及び下基板12は、対向配置された上ステージ31、及び下ステージ32にそれぞれ吸着保持されている。
【0041】
上基板11は上ステージ31に直接吸着保持されているが、上下両ステージ31,32表面の凹凸を吸収し、凹凸に起因した接着剤1aにおける接着不良を回避すべく、複数(5)個の弾性部材4を介して、下基板12は下ステージ32上に吸着保持されている。
【0042】
複数(5)個の弾性部材4はいずれも、図2にその拡大斜視図を示したように、全体が偏平な四角形状をなし、下ステージ32からつらなって開口した吸引チャック用の排気孔4aが、弾性部材4上に載置される下基板12を吸着するように構成されている。そして、下基板12の中央部を吸着保持する弾性部材4には、図2に示したようには、既知の歪み計8が内蔵されていて、弾性部材4自体が機械的外力を受けて水平方向に変形したとき、可撓性を有する歪み計8は、その弾性部材4の水平方向の変化量を検出し、その検出データを、図1に示すように、制御器7に供給するように接続されている。
【0043】
図3は、図2に示した弾性部材4をA−A線から矢印方向に切断し、内蔵された歪み計8を上方から見て示した平面図である。
【0044】
この実施の形態の歪み計8には、例えば特開平6−397350号公報に開示されたセンサを適用することができる。すなわち、歪み計8は、上下(Z軸)方向に感圧抵抗体を挟んで対をなした4つの電極体81,82,83,84が、90度間隔で配置され、水平方向のX軸回り及びY軸回りに受けた弾性部材4の変形に伴う機械的モーメントを電圧値に変換して出力し、制御器7に供給する。
【0045】
なお、弾性部材4を搭載した下ステージ32は、従来と同様に、X−Y−θ移動機構5に固定され、水平面内で移動して上下基板11,12間の相対位置を調整し得るように構成されている。
【0046】
なお、この第1の実施の形態では、下基板11の中央部の弾性部材4に、歪み計8を内蔵させたが、この中央部を含む四隅部に設けた弾性部材4全てに、あるいはこれら複数個の弾性部材4のうち、選択された任意の弾性部材4に、歪み計8を内蔵させることもできる。
【0047】
そこで、対向する基板11,12の位置合わせ操作では、例えばプリアライメント後に、まず制御器7がプレス機構6を制御して上ステージ21を下降させ、図4に拡大して示したように、上下基板11,12が間隔Hの狭いギャップで対向し、上基板11が下基板12面上の接着剤1aに少し接触した状態なるように操作される。
【0048】
図4に示した状態において、従来と同様に、下方に設置された撮像機器33,33が、各基板11,12のアライメント(位置決め用)マーク11a,12aを撮影し、その撮影パターンを制御器7に供給する。
【0049】
撮影パターンの供給を受けた制御器7は、パターン認識により、両基板11,12間の位置ずれ量Δdを検出し、その位置ずれ量Δdが予め設定された許容範囲内、好ましくはその位置ずれ量Δdが零近くにまで小さくなり、精度良く貼り合わせが行なわれるように、適宜、X−Y−θ移動機構5を駆動制御する。
【0050】
このとき、X−Y−θ移動機構5は、図5に示すように、接着剤1a及び液晶部材1b等と上基板11との間の接触抵抗に抗して下基板12を移動させるので、下基板12と下ステージ32との間の弾性部材4は、水平方向に距離Δkだけ変形し、この距離Δkの変形量は、内蔵された歪み計8により検出され、その検出信号は制御器7に供給される。
【0051】
なおこのとき、下基板12と弾性部材4との間にすべりがないとすれば、制御器7は、その検出信号に基づいて、下ステージ32と下基板12との間の、図4に示す状態と図5に示す状態との間のずれ量を求めることができる。
【0052】
次に、制御器7は、プレス機構6を駆動制御し、上ステージ31を図5に矢印Zで示す方向(下方)に押し下げることで、予め設定された時間の間、上下両基板11,12を加圧するので、上下両基板11,12の間隔はさらに狭められる。
【0053】
この制御器7による上ステージ31の押し下げ操作前に、制御器7は前述の歪み計8からの変形量(距離Δk)の検出信号に基づき、X−Y−θ移動機構5を駆動し、弾性部材4の変形量(距離Δk)が小さくなる方向に下ステージ32を移動制御する。
【0054】
これにより、図7に示すように、弾性部材4のX−Y−θ面における変形は解消される。
【0055】
つまり、この第1の実施の形態によれば、位置合わせ調整(アライメント)に基づく弾性部材4の変形に起因した復元力は解消ないしは大幅に減少するので、上下両基板11,12は、位置合わせ調整が完了し、上述の上ステージ31の押し下げ操作が行われ、上下両基板11,12が上下両ステージ31,32から解放されるまでの間に、弾性部材4の復元力によって位置ずれすることなく、高精度に位置合わせされた状態を維持して貼り合わされる。
【0056】
なお、図1に示したこの第1の実施の形態では、矩形状の下ステージ32上面に5個の弾性部材4を搭載し、そのうち中央部の1個にのみ歪み計8を内蔵させるように構成しているが、例えば5個全ての弾性部材4に歪み計8を内蔵させたときは、制御器7において、これら複数個の歪み計8で検出された各変形量のたとえば平均値あるいは中央値を算出し、その平均値ないしは中央値に基づいて、(図5あるいは図6に示した)水平方向の位置ずれ量(距離Δk)が小さくなる方向に移動制御するようにしても良い。
【0057】
また、水平方向(X−Y−θ方向)での位置合わせ操作は、X−Y(直交)方向での位置合わせ操作と、θ(旋回)方向での位置合わせ操作とに分解することができる。
【0058】
X−Y方向での位置合わせでは、いずれの弾性部材4においても、同じ方向(X−Y方向)への変形量として検出し得るから、制御器7は、上記のように、平均値や中央値の算出という簡単な演算によりX−Y−θ移動機構5に対する操作量を求めることができる。
【0059】
一方、θ方向での位置合わせでは、基板の回転中心である基板中心部において検出される弾性部材4のX,Y方向への変形量は極めて小さいので、例えば、基板12の四隅部にも、歪み計8を内蔵した弾性部材4を設け、四隅部に設けられた各歪み計8におけるX−Y方向での変形量の検出値から、下ステージ32と下基板12との間のθ方向のずれ量を幾何学的に求めて、各四隅部における弾性部材4の変形量が小さくなる方向の操作量を求めることができる。
【0060】
上記第1の実施の形態では、位置合わせ操作による弾性部材4の変形量を歪み計8で検出するように構成したが、弾性部材4の変形量とは、図4に示された下基板12と下ステージ32との間の位置関係と、図5に示された下基板12と下ステージ32との間の位置関係との差にほかならない。
【0061】
すなわち、弾性部材4の歪み解消とは、下基板12と下ステージ32との間の位置関係を図5の状態から図4の状態に戻すことを意味する。
【0062】
そこで、弾性部材4に歪み計8を設けることなく、弾性部材4を上下で挟んだ下基板12と下ステージ32との間の、位置合わせ前の状態に対する(弾性部材4が変形した結果生じた)位置合わせ後の位置ずれ量を検出し、その検出値の値が零となる方向に下ステージ32の位置を駆動制御しても同様に目的を達成することができる。
【0063】
そこで、この弾性部材4を挟んだ下基板12と下ステージ32との間の位置ずれ量の検出方法は、撮像機器33,33で撮像された下基板12のアライメントマーク12aが、図4に示した(位置合わせ前)状態で撮影されたX−Y座標軸上での位置と、図5あるいは図6に示したように、(位置合わせによる)弾性部材4変形後のX−Y座標軸上での位置との間のずれ量を制御器7が算出し、その算出量に基づきX−Y−θ移動機構5を補正制御するようにしても良い。
【0064】
さらにまた、この実施の形態では、弾性部材4の変形を解消させるために、下ステージ32側を移動させたが、上ステージ31にX−Y−θ移動機構を組み込み、上ステージ31側を移動させて下基板12側を移動させても良い。
【0065】
あるいはまた、X−Y−θ移動機構を、上下両ステージ31,32双方に連結して組み込み、弾性部材4に対するずれ量の補正操作を互いに分担して行うように構成することもできる。また、このとき、弾性部材4は、上下いずれか一方、あるいは双方のステージ31,32に取りつけ、貼り合わせ操作時におけるこれら弾性部材4の変形量を零に戻すように操作しても良い。
【0066】
次に、図1に示した第1の実施の形態の基板の貼合わせ装置を使用した2枚の基板の貼り合わせ手順(工程)を、図8に示したフローチャートを参照して以下説明する。なお、上下両基板11,12は、真空槽2内に供給されて上下両ステージ31,32に吸着保持され、真空槽2内はすでに真空状態に減圧されているものとする。
【0067】
まず、第1の工程は、上下基板11,12を接着剤1aを介して重ね合わせる(ステップ8A)。
【0068】
第2の工程では、上下基板11,12間の位置ずれ量が小さくなる方向に位置合わせ操作を行う(ステップ8B)。
【0069】
次に、第3の工程では、両基板11,12の位置合わせ操作で生じた、弾性部材4の変形量を検出する(ステップ8C)。
【0070】
次に、第4の工程では、弾性部材の変形量が零となる方向に、下ステージ12を移動調整する(ステップ8D)。
【0071】
その後、第5の工程として、予め設定された時間だけ、上下基板11,12をさらに押圧する(ステップ8E)。
【0072】
さらに、第6の工程では、上下両基板11,12が上下両ステージ31,32から解放され、真空槽2内が大気圧に戻される(ステップ8F)。
【0073】
真空槽2内が大気圧に戻された後、上ステージ31を上昇させ、貼り合わされた基板11,12は真空槽2内から不図示の搬送ロボットにより取り出され、例えば接着剤1aの硬化工程等の次工程へと搬送される。
【0074】
なお、上記手順の説明の中で、下ステージ12の移動調整(ステップ8D)の後に、接着剤1aをさらに押圧し、上下基板の貼り合わせを行う(ステップ8E)旨説明したが、要するにこの第1の実施の形態における基板の貼合わせ方法は、位置合わせ操作の際に変形した弾性部材4の復元力が、位置合わせされた基板11,12間に作用するのを防ぐことができれば良いので、少なくとも上ステージ31による上基板11の吸着保持、または下ステージ32による下基板12の吸着保持のいずれかが解除されるまでの間に行えば良く、ステップ8Eの間にステップ8Dを実行しても同様に目的を達成できる。もっとも、弾性部材4の変形の解消操作は、できるだけ早く実施した方が復元力によるずれ防止効果が高まるので、上記のようにステップ8B→ステップ8C→ステップ8Dの手順で行うのが好ましい。
【0075】
また、上下両基板11,12の位置合わせ操作の際に、上基板11と接触した接着剤1aはもとより、粘性を有する液晶部材1bやスペーサが上基板11と接触しているとすれば、弾性部材4は、接着剤1aや液晶部材1b等と上基板11との間の接触抵抗に加えて、接着剤1aはもとより液晶部材1bやスペーサが等の有する固有の粘性に抗して変形する。
【0076】
換言すれば、上下両基板11,12の位置合わせ操作では、弾性部材4のみならず、接着剤1aや液晶部材1b等も粘性を有して変形する。
【0077】
従って、制御器7がX−Y−θ移動機構5を操作し、弾性部材4自体の変形量Δkを零に復帰させ、見かけ上、上下両基板11,12間の位置ずれ量がない状態となっているように見えても、位置合わせ操作の際に変形した接着剤1aや液晶部材1b等の、粘性に起因した反作用が作用し、上下両基板11,12間に新たな位置ずれを生じさせることも考えられる。
【0078】
この現象を回避させるために、制御器7は、接着剤1a等の反作用を見越して、弾性部材4の変化量Δk解消のための移動操作量に、例えば係数σ(0<σ<1)を乗算する等の制限を設けるようにしても良い。係数σは、例えば、弾性部材4の変形量Δkを補正した後に、接着剤1a等の反作用によって生じる上下両基板11,12間の位置ずれ量を実験によって求めた結果に基づいて決定することができる。
【0079】
あるいはまた、制御器7によるX−Y−θ移動機構5を駆動制御した位置合わせ操作の際に、予め、その接着剤1aや液晶部材等の反作用(復元力)により予測される位置ずれ量分、すなわち戻り量分だけ加味した位置合わせ操作、例えば戻り分量を加算した位置合わせ操作を行うことによって、最終的に、ミクロン単位あるいはサブミクロン単位で許容された範囲の位置ずれ量で貼合わせが完了するように調整制御することができる。
【0080】
次に、上記第1の実施の形態では、制御器7は、下ステージ32(あるいは上ステージ31)を移動調整して弾性部材4の変形を解消させる旨説明したが、下基板12と下ステージ32との間(あるいは上基板11と上ステージ31との間)の連結、すなわち基板11,12の少なくともいずれか一方に対する吸着保持を一時的に解消させても、結果的に弾性部材4等における変形の拘束状態は解放されるので、同様に目的を達成することができる。
【0081】
図9は、位置合わせ操作時における弾性部材4等の変形による反作用を解消するために、一時的に基板保持を解消させる本発明の第2の実施の形態の基板の貼合わせ方法の手順(工程)を示したものである。なお、この方法を採用した基板の貼合わせ装置と、図1に示した基板の貼合わせ装置とは、弾性部材4内には必ずしも歪み計8を必要としない点において相違するのみであり、他の構成は同一であるので、図1の構成をも参照して説明する。なお、上下両基板11,12は、真空槽2内に供給されて上下両ステージ31,32に吸着保持され、真空槽2内はすでに真空状態に減圧されているものとする。
【0082】
すなわち、まず、第1の工程では、上下基板11,12を接着剤1aを介して重ね合わせる(ステップ9A)。
【0083】
第2の工程では、上下基板11,12間の位置ずれ量が小さくなるように位置合わせ操作を行う(ステップ9B)。
【0084】
次に、第3の工程で、両基板11,12のうち少なくともいずれか一方の基板に対し、ステージからの吸着保持を解除させる(ステップ9C)。
【0085】
次に、第4の工程において、吸着保持を解除した基板を再びステージが吸着保持し、予め設定された時間だけ、上下基板間11,12をさらに押圧する(ステップ9D)。このように、吸着保持が解除された基板を再び吸着保持することで、両基板11,12が押圧されたときに、この押圧により両基板11,12間に位置ずれが生じるのを防止できる。
【0086】
さらに、第5の工程では、上下両基板11,12が上下両ステージ31,32から解放され、真空槽2内が大気圧に戻される(ステップ9E)。真空槽2内が大気圧に戻された後、上ステージ31を上昇させ、貼り合わされた基板11,12は真空槽2内から不図示の搬送ロボットにより取り出され、例えば、接着剤1aの硬化工程等の次工程へと搬送される。
【0087】
上記のように、第3の工程(ステップ9C)の実行に際し、制御器7は、位置合わせ後の両基板11,12に対し、ステージ(少なくともステージ31またはステージ32のいずれか一方)の吸着等の保持を解除するように、例えば各吸着孔につらなる排気ポンプの制御、あるいは静電チャックの一時的解放制御等を行う。それにより、両ステージ31,32間の拘束のうち少なくとも一方での弾性部材4に対する拘束は解除されるので、位置合わせ操作に伴う弾性部材4の変形は解除され、弾性部材4の復元力に起因した両基板11,12間の位置合わせ精度の劣化を回避することができる。
【0088】
なお、この第2の実施の形態において、吸着等の解除後は、切り離された上ステージ31と上基板11との間の摩擦抵抗は、下基板12とこれを載置した弾性部材4との間の摩擦抵抗より小さいので、上ステージ31側で基板11の保持を解除した方が、弾性部材4等の復元作用がより円滑に行われる。
【0089】
また、上記説明では、上ステージ31は上基板11を押さえつけた状態で、基板11,12の保持を解放させたが、その解放操作をより確かなものとするために、単に吸着等解除にとどまらず、例えばプレス機構6を瞬時的にわずか上昇させ、上ステージ31の上基板11に対する押圧力をより小さく、あるいは押圧力が零となるように操作しても良い。
【0090】
上記第1及び第2の実施の形態における制御器7は、アライメントマークの撮影パターンに基づき、貼り合わせ操作時における位置合わせ操作を行い(ステップ8B、及びステップ9B)、その後、位置合わせ操作で変形した弾性部材4の変形を解消させ、変形した弾性部材4の復元力が、両基板の貼合わせ精度を劣化させないように制御を行うものである。
【0091】
すなわち、制御器7は、撮影パターンによる基板11,12間の位置ずれデータに基づき、下基板12を上基板11に位置合わせるべく、X−Y−θ移動機構5を駆動制御するが、X−Y−θ移動機構5は弾性体である弾性部材4を介して下基板12を移動調整するので、前述のように弾性部材4が変形し、位置合わせ操作にはやや時間を要する。
【0092】
そこで、基板11,12間の位置ずれ量と弾性部材4の変形量との関連を、予め実験等により求めておくことによって、制御器7は、弾性部材4の変形を加味したX−Y−θ移動機構5の制御を行い、円滑かつ迅速に位置合わせ操作を行うことができる。
【0093】
すなわち、本発明による基板の貼合わせ装置及び貼合わせ方法の第3の実施の形態では、上記第1及び第2の実施の形態とは相違し、制御器7は、アライメントマークの撮影パターンに基づき検出された最初の位置ずれ量に、その位置ずれ量の補正の際の弾性部材4の変形量を、予め求めたデータから読み出して加算し、X−Y−θ移動機構5を駆動制御する。
【0094】
すなわち、制御器7は、貼合わせ時の両基板11,12間の位置ずれ量と、その位置ずれ量を補正した結果、変形する弾性部材4の変形量との対応データを予め実験等により求め、内蔵されたROM等に記憶しておく。
そこで、この第3の実施の形態による基板の貼合わせ方法の手順(工程)を図10に示したフローチャートを参照して説明する。なお、上下両基板11,12は、真空槽2内に供給されて上下両ステージ31,32に吸着保持され、真空槽2内はすでに真空状態に減圧されているものとする。
【0095】
まず、第1の工程では、上下基板11,12を接着剤1aを介して重ね合わせる(ステップ10A)。
【0096】
第2の工程では、上下基板11,12間の位置ずれ量を検出する(ステップ10B)。
【0097】
第3の工程では、検出された位置ずれ量から、その位置ずれ量を設定された許容範囲内に収めるべく、下基板12を移動させたときに、変形する弾性部材4の変形量を、予め実験等で求めてROM等に記憶されたデータから読み出す(ステップ10C)。
【0098】
第4の工程において、制御器7は、第2の工程で検出した位置ずれ量に、第3の工程で求めた弾性部材4の変形量を加味した下ステージ32に対する移動補正量(例えば、上記第2の工程で検出した位置ずれ量に上記第3の工程で求めた弾性部材4の変形量を加算した補正量)を算出する(ステップ10D)。
【0099】
第5の工程において、制御器7は、X−Y−θ移動機構5を制御し、第4の工程で算出した移動補正量分だけ下ステージ32を駆動する(ステップ10E)。
【0100】
次に、第6の工程において、制御器7は、上下基板11,12間の位置ずれ量が予め設定された許容範囲内に収まったか否か、撮像機器33,33によるアライメクトマーク11a,12aの撮影パターンに基づき判定する(ステップ10F)。
【0101】
第7の工程では、上記第6の工程において、上下基板11,12間の位置ずれ量が予め設定された許容範囲内に収まった(YES)と判定されたとき、制御器7は、第3の工程で求めた弾性部材4の変形量に基づいて、弾性部材4の変形量が零となる方向に下ステージ32を移動させる(ステップ10G)、続いて第8の工程において、制御器7は、接着剤1aをさらに押圧し、予め設定された時間の間、両基板11,12を押圧すべく、プレス機構6を制御する(ステップ10H)。
【0102】
最後に、第9の工程で、上下両基板11,12が上下両ステージ31,32から解放され、真空槽2内が大気圧に戻される(ステップ10I)。
【0103】
真空槽2内が大気圧に戻された後、上ステージ31を上昇させ、貼り合わされた基板11,12は、真空槽2内から不図示の搬送ロボットらより取り出され、例えば、接着剤1aの硬化工程等の次工程へ搬送される。
【0104】
上記第6の工程において、上下基板11,12間の位置ずれ量が予め設定された許容範囲内に収まっていない(NO)と判定されたとき、第2の工程(ステップ10B)に戻り、制御器7は、上下基板11,12間の位置ずれ量の検出操作を再度実行し、以後上記説明の手順を繰り返す。
【0105】
このように、この第3の実施の形態では、上下両基板11,12間の位置合わせ操作において、弾性部材4の変形量を加味して下ステージ32を移動させるので、位置合わせ操作の高速化を図ることができる。
【0106】
なお上記説明において、弾性部材4が変形して位置合わせが行われた後の、弾性部材4における変形の解消操作は、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態で説明した方法を採用することができる。
【0107】
従って、この第3の実施の形態によれば、円滑かつ効率的な位置合わせ操作を経て、この位置合わせ後の上下両基板11,12間の各位置精度の劣化を回避ないしは抑制することができる。
【0108】
なお、上記説明の各実施の形態では、矩形状の基板11,12に対して、中央部に1個、及び四隅部に各1個の合計5個、弾性部材4が配置されるように説明したが、これらの個数は基板サイズに応じて、適宜増減させて配置させることができる。また、その配置位置も、全ての弾性部材4が大小いずれの基板にも対応できても良く、また基板サイズに応じて、採用される弾性部材4を適宜選択し得るように構成することもできる。
【0109】
また、上記説明では、弾性部材4は、基板11,12の中央部と四隅に設ける旨説明したが、多面取りの場合は、各表示面毎にその中央部と四隅にそれぞれ配置させても良い。
【0110】
さらにまた、上記各実施の形態の説明では、上下基板11,12間の位置合わせに際し、上基板11側を降下移動させるように説明したが、下基板12側を上昇移動させるように構成しても良く、さらにX−Y−θ移動機構5も、下ステージ32側ではなく、上ステージ31側に設けても、あるいは双方に構成設置して、X−Y−θ方向への移動操作を分担して行うようにしても良い。この場合、撮像機器33もそれらの機構に合わせて適宜構成配置できることは言うまでもない。
【0111】
また、歪み計8を内蔵させた弾性部材4は、下ステージに限らず、上ステージあるいは上下双方のステージに取付けるようにしても良い。
【0112】
また、上基板11と下基板12との間での、位置合わせ後における接着剤1aに対する押圧操作を、プレス機構6によることなく、真空槽2内昇圧による上下基板11,12における内外圧差を利用して行うこともできる。
【0113】
また、上基板11が下基板12に塗布された接着剤1aに接触した状態で位置合わせが行われる例で説明したが、上基板11あるいは下基板12には、接着剤1a以外にも液晶部材1b等の他の介在物が塗布されているので、上下両基板11,12の位置合わせを、液晶部材1bのみに接触させて行う場合、あるいは接着剤1aと液晶部材1bの双方に接触させて行う場合が考えられる。
【0114】
このような場合でも、上下両基板11,12の位置合わせの際、下基板12と下ステージ32との間の弾性部材4は、液晶部材1b、あるいは液晶部材1bと接着剤1a双方の粘性に起因する移動方向の抵抗を受けることから、上述した実施の形態を適用できる。
【0115】
また、上下両基板11,12を予め設定された時間だけ上ステージ31で加圧した後、上下両ステージ31,32による上下両基板11,12の吸着保持を解除し、その後、真空槽2内を大気圧に戻す例で説明したが、これに限らず、真空槽2内を大気圧に戻した後、あるいは大気圧に戻す過程で、上下両ステージ31,32による上下両基板11,12の吸着保持を解除するようにしても良い。
【0116】
また、上下両ステージ31,32による上下両基板11,12の吸着保持の解除は、同時に行ってもあるいは異なるタイミングで行っても良い。
【0117】
また、弾性部材4の弾性係数が等方性でない場合、縦弾性係数が横弾性係数より小さくなるように配置すると良い。このようにすることで、弾性部材4を上下両基板11,12の貼り合わせには柔軟に、位置合わせ操作時における上下両基板11,12の位置合わせ方向には頑強となるように構成することができるので、上下ステージ31,32間の凹凸を良好に吸収しつつ、位置合わせ操作時の変形を極力小さくすることができる。
【0118】
さらにまた、真空槽2内のステージ32には、上下基板11,12の受け渡し機能も併せ具備させることができる。すなわち、図示しないが、エアシリンダ等の駆動源にて駆動されて上下動するリフトピンが、弾性部材4を避けるように、下ステージ32の面に向けて多数配置され、そのリフトピンが上下動することで、下基板12の下ステージ32に対する受け渡しを効率的に行うことができる。
【0119】
上記説明による本発明の基板の貼合わせ装置及び基板の貼合わせ方法によれば、均一で高品質な貼合わせのための弾性部材が、位置合わせ操作で変形し、その復元力が、貼合わせ精度を劣化させるのを回避させることができるものであり、液晶基板等の製造工程に採用して優れた効果を得ることができる。
【0120】
【発明の効果】
以上説明のように、本発明によれば、大型のガラス製の基板でも、高精度な貼り合わせを、効率的に行うことができるものであり、液晶表示パネルの製造等に適用し、実用上優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による基板の貼合わせ装置の第1の実施の形態を示した要部正面図である。
【図2】図1に示した装置の弾性部材の拡大斜視図である。
【図3】図2に示した装置のA−A線から矢印方向に切断させたときの平面図である。
【図4】図1に示す第1の実施の形態の要部拡大正面図である。
【図5】図4に示した状態から基板の位置合わせを行った状態を示す要部拡大正面図である。
【図6】図5に示した状態から、上基板11が接着剤1aを押圧した状態を示す要部拡大正面図である。
【図7】図6に示した弾性部材4の変形量が零となるようにした状態を示す要部拡大正面図である。
【図8】図1に示した第1の実施の形態における基板の貼合わせ方法を示すフローチャートである。
【図9】本発明による第2の実施の形態における基板の貼合わせ方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明による第3の実施の形態における基板の貼合わせ方法を示すフローチャートである。
【図11】従来の基板の貼合わせ装置を示した要部正面図である。
【図12】図11示した装置の要部拡大正面図である。
【図13】図12に示した状態から基板を位置合わせた状態を示す要部拡大正面図である。
【図14】図13に示した状態で、上基板11が接着剤1aを押圧した状態を示す要部拡大正面図である。
【図15】図14に示した状態で、弾性部材4に復元力が作用した状態を示す要部拡大正面図である。
【符号の説明】
11 上基板
12 下基板
1a 接着剤(介在物)
1b 液晶部材(介在物)
2 真空槽
21,22 上下蓋(真空槽)
31 上ステージ
32 下ステージ
33 撮像機器
4 弾性部材
5 X−Y−θ移動機構
6 プレス機構
7 制御器
8 歪み計
Claims (9)
- 上ステージに保持された上基板と、この上基板に対向配置されて下ステージ上に保持された下基板とを、接着剤を介して貼合わせる基板の貼合わせ装置において、
前記上ステージと上基板との間、または前記下ステージと下基板との間の少なくとも一方に介在させた弾性部材と、
この弾性部材の水平方向の変形量を検出する検出手段と、
この検出手段により検出された前記弾性部材の前記変形量が少なくなる方向に、上ステージと下ステージとを相対的に移動させる駆動制御手段と
を具備することを特徴とする基板の貼合わせ装置。 - 上ステージに保持された上基板と、この上基板に対向配置されて下ステージ上に保持された下基板とを、接着剤を介して貼合わせる基板の貼合わせ装置において、
前記上ステージと上基板との間、または前記下ステージと下基板との間の少なくとも一方に介在させた弾性部材と、
この弾性部材を挟んだ上ステージと上基板との間、または下基板と下ステージとの間の水平方向の位置ずれ量を検出する検出手段と、
この検出手段により検出された前記水平方向の前記位置ずれ量が少なくなる方向に、上ステージと下ステージとを相対的に移動させる駆動制御手段と
を具備することを特徴とする基板の貼合わせ装置。 - 前記検出手段は、前記弾性部材の変形量を測定する歪み計で構成したことを特徴とする請求項1に記載の基板の貼合わせ装置。
- 前記駆動制御手段は、前記上ステージと下ステージとの間の相対的な移動量が、前記検出手段で検出された検出結果よりも少ない量となるように構成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の基板の貼合わせ装置。
- 上ステージとこの上ステージに保持された上基板との間、または下ステージとこの下ステージに保持された下基板との間の少なくとも一方に弾性部材を介在させ、前記上基板と前記下基板とを、介在物を介して接触させた状態で位置合わせ操作を行い、接着剤を介して貼合わせる基板の貼合わせ方法において、
前記上基板と前記下基板とを前記介在物を介して重ね合わせる第1の工程と、
この第1の工程の後に、前記上ステージと前記下ステージとの間の相対位置を制御し、前記上基板と前記下基板との間の位置合わせ操作を行なう第2の工程と、
この第2の工程での位置合わせ操作に伴う、前記弾性部材の水平方向の変形量を検出する第3の工程と、
この第3の工程の後に、前記弾性部材の変形量が少なくなる方向に前記上ステージと前記下ステージとを相対的に移動させる第4の工程と
を有することを特徴とする基板の貼合わせ方法。 - 上ステージとこの上ステージに保持された上基板との間、または下ステージとこの下ステージに保持された下基板との間の少なくとも一方に弾性部材を介在させ、前記上基板と前記下基板とを、介在物を介して接触させた状態で位置合わせ操作を行い、接着剤を介して貼合わせる基板の貼合わせ方法において、
前記上基板と前記下基板とを前記介在物を介して重ね合わせる第1の工程と、
この第1の工程の後に、前記上ステージと前記下ステージとの間の相対位置を制御し、前記上基板と前記下基板との間の位置合わせ操作を行なう第2の工程と、
この第2の工程での位置合わせ操作に伴う、前記上基板と前記下基板のうち前記弾性部材を介して保持された基板とこの基板を保持するステージとの間における前記弾性部材の変形に基づく水平方向の位置ずれ量を求める第3の工程と、
この第3の工程の後に、前記水平方向の位置ずれ量が少なくなる方向に前記上ステージと前記下ステージとを相対的に移動させる第4の工程と
を有することを特徴とする基板の貼合わせ方法。 - 前記第3の工程は、歪み計による検出信号に基づいて前記弾性部材の変形量を求めることを特徴とする請求項5に記載の基板の貼合わせ方法。
- 前記第4の工程は、前記弾性部材の水平方向の変形量よりも少ない移動量で、前記上ステージと前記下ステージとを相対的に移動させることを特徴とする請求項5または7に記載の基板の貼合わせ方法。
- 前記第4の工程は、前記弾性部材の変形に基づく水平方向の位置ずれ量よりも少ない移動量で、前記上ステージと前記下ステージとを相対的に移動させることを特徴とする請求項6に記載の基板の貼合わせ方法。
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