JP2004118073A - 基板の貼合わせ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶表示パネル等の製造において、大画面を形成する基板の貼合わせを円滑に行う。
【解決手段】対向配置された上下基板(1U,1D)を位置決めし、両基板を貼り合わせるのに、下基板1Dの表示面に配置されたスペーサ8の配置領域に対応する上基板1Uの対向面、すなわち上基板1Uの中央部に、凹み41aを形成し、下基板1Uのスペーサ8と上基板1Uとの間に位置決めされる周縁部よりもより大きな間隔が形成されるように構成した。
この結果、上下両基板(1U,1D)間の位置合わせ操作に際し、スペーサ8と上基板1Uとの間の摩擦力の低減が図られ、位置合わせ操作を円滑に行うことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】対向配置された上下基板(1U,1D)を位置決めし、両基板を貼り合わせるのに、下基板1Dの表示面に配置されたスペーサ8の配置領域に対応する上基板1Uの対向面、すなわち上基板1Uの中央部に、凹み41aを形成し、下基板1Uのスペーサ8と上基板1Uとの間に位置決めされる周縁部よりもより大きな間隔が形成されるように構成した。
この結果、上下両基板(1U,1D)間の位置合わせ操作に際し、スペーサ8と上基板1Uとの間の摩擦力の低減が図られ、位置合わせ操作を円滑に行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2枚の基板を重ね合わせて貼り合わせる基板の貼合わせ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネルは、ガラス製の2枚の基板が対向配置されて貼り合わされ、その貼り合わされた2枚の基板間の表示部に液晶が封入されて製造される。このような液晶表示パネル等の製造工程では、表示部を囲むように紫外線硬化型の接着剤が塗布形成され、その塗布された接着剤を介して対向配置された2枚の基板は、重ね合わされて貼り合わされる。
【0003】
その基板の貼り合わせに際して、各基板にそれぞれ形成されたアライメント(位置決め用の)マークに基づく高精度な位置合わせが行われる。
【0004】
図7は、従来の液晶基板の貼合わせ装置の平面図で、図8(a)及び図8(b)は、それぞれ図7示した装置で貼り合わされる上基板1U、及び下基板1Dの上方から見た拡大平面図である。
【0005】
図7示すように、矩形状の上基板1U及び下基板1Dは、対向配置された一対の供給機構2U、2Dに順次供給される。
【0006】
一対の供給機構2U、2D間には、旋回しつつ図示矢印Y方向に伸縮自在なアーム3aを有して矢印X方向に移動自在な搬送ロボット3が配置されていて、上基板1U及び下基板1Dは、その搬送ロボット3により、隣接して配置された2台の貼合わせ装置4,4に交互に搬送供給される。
【0007】
貼合わせ装置4,4に供給される基板(1U,1D)には、例えば図8に示したように、1個の表示部1Sを囲むように接着剤5が下基板1Dに塗布形成されており、その接着剤5の囲みの中に液晶が封入されて液晶パネルが製造される。符号5aは接着剤5の囲みに形成された液晶封入口を示したものである。
【0008】
なお、各基板(上基板1U及び下基板1D)の周辺部、すなわち上下左右の4か所の隅には、それぞれ十字状の位置決め用のマーク1U1,1U2、及び1D1,1D2が対をなすように印刷形成されている。
【0009】
対向配置される上下2枚の基板(1U,1D)は、各マーク1U1,1U2、及び1D1,1D2に基づく位置合わせ後の押圧により、接着剤5を介して貼り合わされる。
【0010】
貼り合わされた上基板1Uと下基板1Dは、図7示した搬送ロボット3に受け渡され、次の液晶注入工程へと搬送されるべく、図7示す搬出台6に供給される。そして、これら一連の液晶基板の貼り合わせ工程全体は、マイコン内蔵の制御器7により統制制御される。
【0011】
貼合わせ装置4,4自体は、図9の正面図に示したように構成され、上下(矢印Z)方向に移動可能な上方の吸着ヘッド41が先に上基板1Uを受取り吸着保持し、次に下方のステージ42が下基板1Dを搬送ロボット3から受取り吸着保持する。
【0012】
ステージ42内には、各基板(1U,1D)に付された各マーク位置にそれぞれ対応するように、CCDカメラ等の4台の撮像機器431〜434が組み込まれていて、撮像パターンに基づく位置合わせは、上基板1Uが降下し、上基板1U面が、下基板1D上の接着剤5に接近、ないしはわずかに接触した状態で行われる。
【0013】
すなわち、上方の吸着ヘッド41は、矢印Z方向に上下動可能な作動ロッド44aを介してX−Y−θ移動テーブル44に組込まれており、制御器7による制御により、Z方向並びにX−Y−θ方向に移動可能に構成されている。
【0014】
制御器7は、各撮像機器431〜434から、各マーク1U1,1U2、及び1D1、1D2の撮像パターンの供給を受け、それに基づき、上基板1U、下基板1D間の位置ずれ量が予め設定された許容範囲内に収まって、適切な貼り合わせが行なわれるように、X−Y−θ移動テーブル44を駆動制御する。
【0015】
図10(a)は、上基板1Uと下基板1Dとが一致し、許容範囲内で適正に位置合わせが行われた状態を示した撮像パターン図である。
【0016】
2枚の基板(上基板1U及び下基板1D)が適正に位置合わせされた状態では、図10(a)に示すように、対をなす十字状のマーク1U1,1U2,及び1D1、1D2間にそれぞれ結ばれた直線Lu,Ldが直交するように交差し、かつマーク1U1,1U2、及び1D1,1D2の各中間位置Pu,Pdがほぼ一致する。
【0017】
従って、たとえば上基板1Uが傾き、図10(b)に示すように、各中間位置Pu,Pd間がX−Y方向にΔx,Δy分の距離がずれたとしたとき、制御器7は、各撮像機器431〜434からの撮像パターンに基づき、中間位置Pu,Pdの座標位置、及びΔx,Δyを算出し、各中間位置Pu,Pdが一致するようX−Y−θ移動テーブル44を駆動して、Δx,Δyのずれ量が予め設定された許容範囲内に収まるように制御する。
【0018】
もちろん制御器7は、重ね合わされた上下2枚一組の基板1U,1Dの位置合わせに対し、4か所から各マークの位置データの供給を受けるので、これら4か所における全ての位置ずれ補正を統制し、全体として効率良く位置合わせが行われるようにX−Y−θ移動テーブル44を制御する。
【0019】
このように、吸着ヘッド41及びステージ42にそれぞれ吸着保持された上下2枚の基板は、撮像機器431〜434と制御器7とによる位置ずれ検出操作と、制御器7及びX−Y−θ移動テーブル44による位置ずれ補正操作とを経て適正な位置合わせが行われ、その位置合わせ後の吸着ヘッド41の下降押圧により、接着剤5を介して貼り合わされる。
【0020】
なお、ステージ42には、図示しないが、圧電素子に駆動されて上下動可能なピックアップピンが多数面配置されていて、そのピックアップピンの上下動を介して、吸着ヘッド41やステージ42への基板(1U,1D)の受け渡しが行われる。また、図8(b)において、符号8は、下基板1Dの表示部領域に配置されたスペーサを指し示したものである。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上記説明のように、従来の基板の貼合わせ装置は、制御器7はガラス製の上下2枚一組の基板(1U,1D)の上下左右の四隅に付されたマーク1U1,1U2、1D1,1D2の撮像パターンから、それぞれの中間位置Pu,Pdを算出し、各中間位置Pu,Pd全てが予め設定された許容範囲内で一致するようにX−Y−θ移動テーブル44を制御するように構成されている。
【0022】
ところで、最近の液晶表示パネルでは、表示画面の一層の高精細化及び大型化が図られ、例えば1m四方もの大きさの基板の重ね合わせでも、ミクロン単位の高精度な位置決めが要求される。
【0023】
このように、薄い基板が1m四方程度もの大きさになり、しかもミクロン単位の位置決め精度が要求されるようになってくると、2枚の基板をいかにして許容誤差範囲内の精度で貼り合わせるかがポイントになる。
【0024】
1m四方の薄い基板では、基板自体の製造上の寸法公差もあり、また基板自体の熱膨脹による変化も考えられるので、上下左右の周縁部の四隅に付された位置決め用のマークに基づく位置合わせは容易ではない。
【0025】
そこで、四隅での完全な一致が困難なとき、少なくとも表示部1S領域でのずれが最小となり、表示部1S全体が許容誤差範囲内に収まるように、上下左右周縁部(四隅)では位置ずれ量が均等になるように制御することも行われる。
【0026】
図8では、下基板1Dにスペーサ8を配置されていることを示したが、上下両基板(1U,1D)のいずれか一方の表示部にスペーサ8が配置される。スペーサ8にはビーズ状のものもあるが、光学的処理からなるフォトエッチング法により、微小な径の柱状体が基板面に植立形成されたものもある。
【0027】
図11は、下基板1D面に柱状体のスペーサ6が植立されていて、そのスペーサ8及び接着剤5を介して上下両基板(1U,1D)が位置合わされる様子を示した拡大縦断面図である。
【0028】
1m四方もの薄い大型基板同士を上下方向に対向させ、位置合わせを行ったとき、吸着ヘッド41の下面に吸着保持された上基板1Uとスペーサ8との接触は避けられない。
【0029】
スペーサ8と上基板1Uとが接触した状態では、両者の接触面に摩擦力が働くので、位置合わせを行うべく、図11に矢印XL方向に吸着へッド41を移動させたとき、柱状体のスペーサ8は図示(実線)のように変形する。
【0030】
すなわち、位置合わせ操作に際し、吸着ヘッド41は、表示部の広い領域に配置されたスペーサ8を引き摺りながら移動するので、大きな負荷がかかるのみならず、一旦変形したスペーサ8は、その固有の剛性により図示矢印XR(→)方向に向けて、吸着ヘッド41に吸着保持された上基板1Uを戻そうとする力が働いてしまい、適正な位置合わせが円滑に行われ難いという問題があった。
【0031】
そこで本発明は、基板の貼り合わせのときの位置決めに際し、たとえ柱状体からなるスペーサを有する基板であっても、適正な位置合わせを迅速に行うことができる基板の貼合わせ装置を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、位置決め用のマークを付した上基板を吸着保持する吸着ヘッドと、この吸着ヘッドに対向配置され、下基板を載置するステージとを有する基板の貼合わせ装置において、前記吸着ヘッドと前記ステージとは、前記上基板と前記下基板との間の間隔が前記各基板の周縁部よりも中央部において大となるように前記各基板を保持することを特徴とする。
【0033】
第2の発明は、位置決め用のマークを付した上基板を吸着保持する吸着ヘッドと、この吸着ヘッドに対向配置され、下基板を載置するステージとを有する基板の貼合わせ装置において、前記吸着ヘッドは、前記ステージとの間の間隔が対向面の周縁部よりも中央部においてより大となるように、対向面に凹みが形成されて構成されたことを特徴とする。
【0034】
第3の発明は、位置決め用のマークを付した上基板を吸着保持する吸着ヘッドと、この吸着ヘッドに対向配置され、下基板を載置するステージとを有する基板の貼合わせ装置において、前記吸着ヘッドは、前記上基板の中央部を除き、上基板の周縁部を吸着保持するように構成されたことを特徴とする。
【0035】
第4の発明は、位置決め用のマークを付した上基板を吸着保持する吸着ヘッドと、この吸着ヘッドに対向配置され、下基板を載置するステージとを有する基板の貼合わせ装置において、前記ステージは、前記吸着ヘッドとの間の間隔が対向面の周縁部よりも中央部においてより大となるように、対向面に凹みが形成されて構成されたことを特徴とする。
【0036】
第5の発明は、位置決め用のマークを付した上基板を吸着保持する吸着ヘッドと、この吸着ヘッドに対向配置され、下基板を載置するステージとを有する基板の貼合わせ装置において、前記ステージは、前記下基板の中央部を除き、下基板の周縁部を吸着保持するように構成されたことを特徴とする。
【0037】
このように、第1ないし第5の各発明によれば、基板の貼合わせ装置は、吸着ヘッドとステージとの対向面において、少なくともいずれか一方の中央部への凹みの形成、または上基板周縁部のみに対する吸着ヘッドの吸着保持、あるいは下基板周縁部のみに対するステージの吸着保持が行なわれるように構成されている。
【0038】
従って、位置合わせの際に、基板とスペーサとの間はやや広がるか、あるいは吸着ヘッドあるいはステージの基板に対する拘束力が減少するので、スペーサと基板との間の摩擦力は減少し、位置合わせ操作に伴うスペーサの変形は軽減される。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による基板の貼合わせ装置の一実施の形態を図1ないし図5を参照して詳細に説明する。なお、図7ないし図11に示した従来の基板の貼合わせ装置と同一構成には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
すなわち、図1は、本発明による基板の貼合わせ装置の一実施の形態の正面図で、図2は図1の要部拡大正面図である。
【0041】
本実施の形態の基板の貼合わせ装置は、上下(矢印Z)方向に移動可能な吸着ヘッド41が、不図示の搬送ロボットから上基板1Uを先に受取り吸着保持し、次に下方のステージ42が下基板1Dを搬送ロボット3から受取り、図1に示したように、吸着保持するように構成されている。
【0042】
重ね合わされるガラス製の上基板1U及び下基板1Dの上下左右の四隅には、位置決め用のマーク(1U1,1U2、1D1,1D2)が印刷等により形成されているとともに、下基板1D上面の周縁部には表示部1Sを囲むように、接着剤5が予め塗布されている。
【0043】
従って、吸着ヘッド41に吸着保持された上基板1Uが降下し、下基板1Dに接近ないしは軽く接触した状態で、ステージ42内に組み込まれた4台の撮像機器431〜434からの撮像パターンに基づき、位置決めマークの撮影画像に基づく位置合わせ操作が行われる。なお、この実施の形態でも、図8に示した基板と同様に、一枚の基板に単一の表示部1Sが形成されるものとして説明する。
【0044】
そこで、この実施の形態の基板の貼合わせ装置は、吸着ヘッド41は、下方のステージ42との対向面において、周縁部よりも中央部において上基板1Uと下基板1Dとの間の対向間隔がより大となるように、すなわち表示部1Sが形成された広い領域にわたり、凹み41aが形成されている。
【0045】
また、吸着ヘッド41は、上基板1Uの周縁部(表示部1Sが形成された領域の外側部分)のみを吸着するように凹み41aの周囲に複数の吸着孔41bを有する。そして、この吸着孔41bは不図示の真空源に接続されており、制御器7の制御のもとで適宜真空吸着力が付与される。
【0046】
ステージ42は、下基板1Dの中央部のみを吸着するように、その中央部に複数の吸着孔42bを有する。そして、この吸着孔42bは、吸着孔41bと同様に、不図示の真空源に接続されており、制御器7の制御のもとで適宜真空吸着力が付与される。
【0047】
従って、上基板1Uと下基板1Dとの位置合わせ操作において、上基板1Uが吸着ヘッド41に吸着保持されつつ水平面上で移動して調整されるとき、表示部1Sの位置に対応した凹み41aの存在により、対向面の中央部において上基板1Uと下基板1Dとの間の間隔dは大となって広がることができるので、たとえ上下両基板1U,1Dがごく接近した状態で位置決め操作が行われたとしても、上基板1Uと下基板1Dに植立されたスペーサ8との間の摩擦力は軽減される。
【0048】
すなわち、図3に示すように、上基板1Uがスペーサ8に接した状態で、矢印XL方向に移動する際、上基板1Uとの間の摩擦力によりスペーサ8が弾性変形しようとしても、上基板1Uにおける凹み41aに対応して位置する部分では、たとえ上基板1Uがスペーサ8に接触したとしても、そこには上基板1U自身の重さが加わるだけであるので、吸着ヘッド41の自重を含む押し付け力までもが作用する状態で接触する従来の装置構成に比べて、上基板1Uが面方向に移動し易い状態となるから、上基板1Uとスぺーサ8との間の移動抵抗はごく小さく抑えられる。
【0049】
その結果、図3に示したように、上下両基板1U,1D間の相対的な位置決め操作に際して、上基板1Uが矢印XL方向に移動したとしても、スペーサ8の変形は回避されるかあるいは小さく抑えられるので、スペーサ8には、位置合わせに際して移動する基板(1U)に対し、それを元に戻そうとする作用の働きが大幅に軽減され、ミクロン単位の高精度な位置合わせを迅速に行うことができる。
【0050】
なお、図2においては、説明上、吸着ヘッド41に支持された上基板1Uは、かなり短い曲率半径で湾曲しているように強調して示してあるが、幅寸法がメートル単位の基板(1U,1D)に対し、位置決め精度がミクロン単位であるので、実際には中央部でもごくわずかな凹み41aを形成しただけで、目的を達成することができる。
【0051】
また、図1ないし図3に示したこの実施の形態の基板の貼合わせ装置では、吸着ヘッド41とステージ42間で貼り合わされる基板(1U,1D)は、表示部1Sが1個のみのいわゆる単面取りに構成された場合を例にして説明したが、多面取りの基板の場合も、各面における下基板1Dのスペーサ8と上基板1Uとの間の摩擦力が小さければよいので、例えば図4に示すように、スペーサ8が配置された各領域(すなわち、表示部1S)に、個別に対応するように凹み41a,41aを形成することができる。
【0052】
次に第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、図1を参照して説明すれば、吸着ヘッド41に凹み41aを設けることなく、上基板1Uの周縁部を吸着するように設けた吸着孔41bにて、上基板1Uの中央部を除く周縁部のみを吸着するように構成したものである。
【0053】
このようにすることで、吸着孔41bに吸着された上基板1Uの周縁部は、吸着孔41bによる吸着力により吸着ヘッド41に対して強い拘束力を受けるものの、吸着孔41bに直接吸着されることなく離れて位置する中央部においては、吸着ヘッド41に対する拘束力は周縁部に比べて小さなものとなる。
【0054】
そのため、上基板1Uの中央部は、吸着ヘッド41の水平面内での移動時にその移動方向に対して抵抗が付加されたときに、吸着ヘッド41に対して容易にずれることが可能となる。
【0055】
従って、ミクロン単位での微細な位置合わせにおいては、吸着ヘッド41の移動によって、上基板1Uとの間の摩擦力により、スペーサ8が弾性変形しようとしたときに、上基板1Uの中央部が吸着ヘッド41に対してずれ、上基板1Uの中央部は吸着ヘッド41とともに移動することがない、あるいは移動したとしてもその移動量は周縁部に比べてごく小さなものとなる。
【0056】
この傾向は、基板(1U,1D)がガラスに比べて伸び縮みしやすい合成樹脂等の材料で形成されている場合により顕著に現われ、位置決め調整に際し、吸着ヘッド41が移動してもスペーサ41が大きく変形することを防止できる。
【0057】
従って、両基板間の位置合わせ操作に際して、柱状形のスペーサ8の変形は小さく、周縁部における位置決めマークに基づく位置合わせ操作を、迅速かつ効率的に行うことができる。
【0058】
なお、上記第1及び第2の実施の形態において、ステージ42上に大型の下基板1Dを搭載したとき、下基板1Dはステージ42上で多少波打ち変形した状態で吸着保持されてしまうことがある。下基板1D全体が変形した状態で、ステージ42に吸着保持されてしまうと、周縁部の上下両基板(1U,1D)間でずれが生じ、各位置決めマークに基づく位置合わせが適正に行われない場合がある。
【0059】
そこで、上記第1の実施の形態においては、図1、図2に示すように、ステージ42には、下基板1Dの周縁部を除き中央部のみを吸着するように吸着機構(吸着孔42b)を組み込むことで、下基板1Dの波打ち変形を修正しつつ、円滑に位置合わせを行うことができる。
【0060】
すなわち、ステージ42が下基板1Dの中央部のみを吸着して、その外側周縁部をフリー(自由な)状態に載置したとすると、上基板1Uの降下による上下基板間の位置合わせに際して、上基板1U全体の下基板1D面に向けた押し下げ操作を受けたとき、下基板1Dは、中央部から外側方向に向けて押し伸ばされるので平坦性が得られて、位置合わせ操作を適正におこなうことができる。
【0061】
次に、上記第1及び第2の実施の形態では、スペーサ8と基板との間の摩擦力を軽減するために、吸着ヘッド41における対向面の加工、あるいは同じく吸着ヘッド41側の上基板1Uに対する吸着領域の変更を行ったものであるが、スペーサ8と基板との間のこのような摩擦力の調節は、上下間で相対的な関係にあるから、下基板1Dを吸着保持したステージ42における対向面の加工、同じくステージ42における下基板1Dに対する吸着領域の変更でも同様に目的を達成することができる。
【0062】
すなわち、図5は本発明による基板の貼合わせ装置の第3の実施の形態を示した要部拡大正面図で、位置決め用のマークが周縁部に付された上基板1Uを吸着保持する吸着ヘッド41と、この吸着ヘッド41に対向配置され、下基板1Dを載置するステージ42とを有する基板の貼合わせ装置において、ステージ42は、吸着ヘッド41との間の間隔が対向面の周縁部よりも中央部においてより大となるように、スペーサ領域に対応する凹み42aを形成したものである。
【0063】
そしてこの場合、ステージ42は、下基板1Dの周縁部のみを吸着するように凹み42aの周囲に複数の吸着孔42bが設けられ、この吸着孔42bは不図示の真空源に接続され、制御器7の制御のもとで適宜真空吸着力が付与される。
【0064】
このように、吸着ヘッド41との間の間隔が対向面の周縁部よりも、スペーサ8が配置された領域である中央部においてより大となるように凹み42aを形成したので、第1の実施の形態と同様に、スペーサ8とその配置領域における上基板1Uと下基板1Dとの間の間隔dは大となって広がることができるので、上下基板間の位置合わせの際に生ずる、スペーサ8と上基板1Uとの間の摩擦力の軽減を図ることができる。
【0065】
従って、上下両基板1U,1D間の相対的な位置合わせに際して、スペーサ8の変形は軽減され、上下両基板1U,1D間のミクロン単位の微妙で高精度な位置決め操作を円滑かつ迅速に行うことができる。
【0066】
なお、上記第3の実施の形態においても、第2の実施の形態と同様に、ステージ42の凹み42aを設けることなく、吸着孔42bにて下基板1Dの中央部を除く周縁部のみを吸着するようにしても良い。
【0067】
このようにすることによっても、第2の実施の形態の場合と同様に、ステージ42に対する下基板1Dの拘束力が、その周縁部に比べて中央部で小さなものとなることから、位置合わせのために吸着ヘッド41を水平面内で移動させたとき、下基板1Dに植立されたスペーサ8と上基板1Uとが接触したとしても、その接触による摩擦力によりスペーサ8が弾性変形しようとしたときには、下基板1Dの中央部とステージ42との間にずれが生じ、下基板1Dの中央部が吸着ヘッド41とともに移動してスペーサ8の変形が防止あるいは抑制される。
【0068】
従って、上下両基板1U,1D間のミクロン単位の微妙で高精度な位置決め操作を円滑かつ迅速に行うことができる。
【0069】
また、第3の実施の形態においても、第1、第2の実施の形態と同様に、下基板1Dの周縁部に代えて中央部のみを吸着するように吸着孔42bを設けるようにしても良い。
【0070】
このようにすることによっても、下基板1Dの波打ち変形を修正しつつ、円滑に位置合わせを行なうことができる。このとき、ステージ42の中央部には凹み42aが設けられているものの、この凹み42aはごくわずかの深さに形成すれば目的を達成することができるので、このように形成した場合には、下基板1Dの保持や基板1U,1Dの位置合わせに支障が生じることはない。
【0071】
以上説明のように、この実施の形態の基板の貼合わせ装置において、貼り合わせが適正に行われた上下両基板1U,1Dは、吸着保持の解除、及び吸着ヘッド41の上昇移動を経た後、従来と同様に、搬送ロボットを介して次の液晶封入工程へと引き渡される。
【0072】
なお、上記各実施の形態の説明では、上下両基板(1U,1D)の位置合わせに際し、上基板1U側を降下移動させるように説明したが、もちろん下基板1D側を上昇移動させるように構成しても良く、さらにX−Y−θ移動テーブルも吸着ヘッド41側ではなく、ステージ42側に構成しても良い。
【0073】
また、上記第1及び第3の実施の形態を示した図1から図5では、凹部41a,42a面に向けて開口する吸着機構を組み込んでいないように示されている。しかしながら、周縁部に加えて、その凹み41a,41bに吸着孔を組み込むことができる。このようにすることで、吸着ヘッド41の移動の有無にかかわらず基板1U,1Dが凹み41a,41bに確実に引き込まれ、上基板1Uと下基板1Dとの間の間隔dがその中央部において広がることから、より円滑に上下両基板1U,1Dの位置決め操作を行うことができる。
【0074】
また、本発明は、図8に示すような液晶封入口5aを設けて接着剤5が塗布された基板1U,1Dを貼り合わせる貼り合わせ装置に限らず、液晶封入口を設けることなく、無端枠状に塗布された接着剤5の内側領域に予め所定量の液晶が滴下された基板1U,1Dを貼り合わせる貼り合わせ装置に適用することもできる。
【0075】
また、吸着機構は、真空吸着を例に説明したが、他の吸着機構、例えば静電気を利用したいわゆる静電チャックを用いることができる。
【0076】
さらにまた、上下の基板1U,1Dの間の間隔が中央部において大となるように、吸着ヘッド41、あるいはステージ42に凹み41a,42aを設けた例で説明したが、これに限られるものではない。
【0077】
例えば図6(a)の正面から見た断面図、及び図6(a)において上基板1Uを外した状態でA−A線から矢印方向を見た図6(b)の吸着ヘッド41の底面図に示したように、吸着ヘッド41の構成を吸着ブロック411とこの吸着ブロック411の底部に、表示面1Sを囲むように配列して突設させた複数の支持ブロック412と、これら複数の支持ブロック412の間に支持ブロック412に上基板1Uを支持させるように配列された複数の第1の吸着ノズル413、及び表示面1Sの領域に突設させた複数の第2の吸着ノズル414で構成することができる。
【0078】
図6において、弾性変形が比較的小さい金属やセラミックスで吸着ノズル413を形成できるが、たとえ変形しようとしても、これら吸着ノズル413は隣接する支持ブロック412の支持を受けるので変形は抑制され、基板1U,1D位置合わせ操作の際の位置合わせ精度を確保することができる。なお、支持ブロック412下端の高さ位置は、第1の吸着ノズル413における吸着面の高さ位置と同一とし、表示面1Sの外側に配置されたこれら第1の吸着ノズル413は、上基板1Uを介して下基板1D上の接着剤5を均一に押圧する。また、図6に示した吸着ヘッド41は、中央部で、吸着した上基板1Uと下基板1Dとの間の間隔が広がるように、第2の吸着ノズル414の下端高さ位置が、周縁部における第1の吸着ノズル413及び支持ブロック412の下端高さ位置よりも高くなるように長さ寸法が設定されている。
【0079】
なお、図6に示した吸着ヘッド41のみならず、図1等に示した吸着ヘッド41あるいはステージ42の各中央部には凹み41a,42aを設けてあり、それら中央部は保持される基板1U,1Dにおける表示部1Sの形成領域に一致するように図示してあるが、本明細書においては、中央部とは表示部1Sの全領域に限るものではなく、表示部1Sのうちの一部の領域である場合も含む。
【0080】
また、吸着ヘッド41の吸着孔41bやステージ42の吸着孔42bは、通常、基板1U,1Dの外縁に沿った周縁部を吸着するように組み込まれるものであるが、それに加えて、例えば基板1U,1Dが多面取りの場合のように、形成された各表示面1Sの外側部分をも吸着するように組み込むことができる。
【0081】
以上説明のように、本発明の基板の貼合わせ装置によれば、上方の吸着ヘッド41に吸着された上基板1Uよりも下方の吸着ステージ42面上に吸着保持された下基板1Dは、スペーサ8との間の摩擦力が小さい状態で、位置合わせを行うことができるので、2枚の基板の貼り合わせを円滑かつ迅速に行うことができる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明のように、本発明によれば、大型のガラス製の基板でも、ミクロン単位の高精度な位置合わせによる基板の貼り合わせを、円滑に行うことができ、液晶表示パネルの製造等に適用し、実用上優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による基板の貼合わせ装置の第1の実施の形態を示した正面図である。
【図2】図1に示した装置の要部拡大正面図である。
【図3】図2に示した装置の動作説明図である。
【図4】図1に示す第1の実施の形態の変形例を示した要部拡大正面図である。
【図5】本発明による基板の貼合わせ装置の第2の実施の形態を示した要部拡大正面図である。
【図6】図6(a)は、本発明による基板の貼合わせ装置の吸着ヘッドの変形例を示した正面図、図6(b)は図6(a)の基板1Uを除いたA−A矢視底面図である。
【図7】従来の基板の貼合わせ装置を採用した液晶基板の貼合わせ装置の構成図である。
【図8】図7に示す装置で貼り合わされる上下2枚の基板の各平面図である。
【図9】従来の基板の貼合わせ装置を示した正面図である。
【図10】図9に示す装置に装着された基板の位置決め用のマークの撮像パターン図である。
【図11】図9に示す装置で位置合わされる2枚の基板の要部拡大正面図である。
【符号の説明】
1U 上基板
1U1,1U2 (位置決め用の)マーク
1D 下基板
1D1,1D2 (位置決め用の)マーク
2U,2D 供給機構
3 搬送ロボット
4 基板の貼合わせ装置
41 吸着ヘッド
411 吸着ブロック
412 支持ブロック
413 第1の吸着ノズル
414 第2の吸着ノズル
42 ステージ
431〜434 撮像機器(検出手段)
44 X−Y−θ移動テーブル
44a 作動ロッド(押圧機構)
5 接着剤
6 搬出台
7 制御器
8 スペーサ
Pu,Pd 中間位置
【発明の属する技術分野】
本発明は、2枚の基板を重ね合わせて貼り合わせる基板の貼合わせ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネルは、ガラス製の2枚の基板が対向配置されて貼り合わされ、その貼り合わされた2枚の基板間の表示部に液晶が封入されて製造される。このような液晶表示パネル等の製造工程では、表示部を囲むように紫外線硬化型の接着剤が塗布形成され、その塗布された接着剤を介して対向配置された2枚の基板は、重ね合わされて貼り合わされる。
【0003】
その基板の貼り合わせに際して、各基板にそれぞれ形成されたアライメント(位置決め用の)マークに基づく高精度な位置合わせが行われる。
【0004】
図7は、従来の液晶基板の貼合わせ装置の平面図で、図8(a)及び図8(b)は、それぞれ図7示した装置で貼り合わされる上基板1U、及び下基板1Dの上方から見た拡大平面図である。
【0005】
図7示すように、矩形状の上基板1U及び下基板1Dは、対向配置された一対の供給機構2U、2Dに順次供給される。
【0006】
一対の供給機構2U、2D間には、旋回しつつ図示矢印Y方向に伸縮自在なアーム3aを有して矢印X方向に移動自在な搬送ロボット3が配置されていて、上基板1U及び下基板1Dは、その搬送ロボット3により、隣接して配置された2台の貼合わせ装置4,4に交互に搬送供給される。
【0007】
貼合わせ装置4,4に供給される基板(1U,1D)には、例えば図8に示したように、1個の表示部1Sを囲むように接着剤5が下基板1Dに塗布形成されており、その接着剤5の囲みの中に液晶が封入されて液晶パネルが製造される。符号5aは接着剤5の囲みに形成された液晶封入口を示したものである。
【0008】
なお、各基板(上基板1U及び下基板1D)の周辺部、すなわち上下左右の4か所の隅には、それぞれ十字状の位置決め用のマーク1U1,1U2、及び1D1,1D2が対をなすように印刷形成されている。
【0009】
対向配置される上下2枚の基板(1U,1D)は、各マーク1U1,1U2、及び1D1,1D2に基づく位置合わせ後の押圧により、接着剤5を介して貼り合わされる。
【0010】
貼り合わされた上基板1Uと下基板1Dは、図7示した搬送ロボット3に受け渡され、次の液晶注入工程へと搬送されるべく、図7示す搬出台6に供給される。そして、これら一連の液晶基板の貼り合わせ工程全体は、マイコン内蔵の制御器7により統制制御される。
【0011】
貼合わせ装置4,4自体は、図9の正面図に示したように構成され、上下(矢印Z)方向に移動可能な上方の吸着ヘッド41が先に上基板1Uを受取り吸着保持し、次に下方のステージ42が下基板1Dを搬送ロボット3から受取り吸着保持する。
【0012】
ステージ42内には、各基板(1U,1D)に付された各マーク位置にそれぞれ対応するように、CCDカメラ等の4台の撮像機器431〜434が組み込まれていて、撮像パターンに基づく位置合わせは、上基板1Uが降下し、上基板1U面が、下基板1D上の接着剤5に接近、ないしはわずかに接触した状態で行われる。
【0013】
すなわち、上方の吸着ヘッド41は、矢印Z方向に上下動可能な作動ロッド44aを介してX−Y−θ移動テーブル44に組込まれており、制御器7による制御により、Z方向並びにX−Y−θ方向に移動可能に構成されている。
【0014】
制御器7は、各撮像機器431〜434から、各マーク1U1,1U2、及び1D1、1D2の撮像パターンの供給を受け、それに基づき、上基板1U、下基板1D間の位置ずれ量が予め設定された許容範囲内に収まって、適切な貼り合わせが行なわれるように、X−Y−θ移動テーブル44を駆動制御する。
【0015】
図10(a)は、上基板1Uと下基板1Dとが一致し、許容範囲内で適正に位置合わせが行われた状態を示した撮像パターン図である。
【0016】
2枚の基板(上基板1U及び下基板1D)が適正に位置合わせされた状態では、図10(a)に示すように、対をなす十字状のマーク1U1,1U2,及び1D1、1D2間にそれぞれ結ばれた直線Lu,Ldが直交するように交差し、かつマーク1U1,1U2、及び1D1,1D2の各中間位置Pu,Pdがほぼ一致する。
【0017】
従って、たとえば上基板1Uが傾き、図10(b)に示すように、各中間位置Pu,Pd間がX−Y方向にΔx,Δy分の距離がずれたとしたとき、制御器7は、各撮像機器431〜434からの撮像パターンに基づき、中間位置Pu,Pdの座標位置、及びΔx,Δyを算出し、各中間位置Pu,Pdが一致するようX−Y−θ移動テーブル44を駆動して、Δx,Δyのずれ量が予め設定された許容範囲内に収まるように制御する。
【0018】
もちろん制御器7は、重ね合わされた上下2枚一組の基板1U,1Dの位置合わせに対し、4か所から各マークの位置データの供給を受けるので、これら4か所における全ての位置ずれ補正を統制し、全体として効率良く位置合わせが行われるようにX−Y−θ移動テーブル44を制御する。
【0019】
このように、吸着ヘッド41及びステージ42にそれぞれ吸着保持された上下2枚の基板は、撮像機器431〜434と制御器7とによる位置ずれ検出操作と、制御器7及びX−Y−θ移動テーブル44による位置ずれ補正操作とを経て適正な位置合わせが行われ、その位置合わせ後の吸着ヘッド41の下降押圧により、接着剤5を介して貼り合わされる。
【0020】
なお、ステージ42には、図示しないが、圧電素子に駆動されて上下動可能なピックアップピンが多数面配置されていて、そのピックアップピンの上下動を介して、吸着ヘッド41やステージ42への基板(1U,1D)の受け渡しが行われる。また、図8(b)において、符号8は、下基板1Dの表示部領域に配置されたスペーサを指し示したものである。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上記説明のように、従来の基板の貼合わせ装置は、制御器7はガラス製の上下2枚一組の基板(1U,1D)の上下左右の四隅に付されたマーク1U1,1U2、1D1,1D2の撮像パターンから、それぞれの中間位置Pu,Pdを算出し、各中間位置Pu,Pd全てが予め設定された許容範囲内で一致するようにX−Y−θ移動テーブル44を制御するように構成されている。
【0022】
ところで、最近の液晶表示パネルでは、表示画面の一層の高精細化及び大型化が図られ、例えば1m四方もの大きさの基板の重ね合わせでも、ミクロン単位の高精度な位置決めが要求される。
【0023】
このように、薄い基板が1m四方程度もの大きさになり、しかもミクロン単位の位置決め精度が要求されるようになってくると、2枚の基板をいかにして許容誤差範囲内の精度で貼り合わせるかがポイントになる。
【0024】
1m四方の薄い基板では、基板自体の製造上の寸法公差もあり、また基板自体の熱膨脹による変化も考えられるので、上下左右の周縁部の四隅に付された位置決め用のマークに基づく位置合わせは容易ではない。
【0025】
そこで、四隅での完全な一致が困難なとき、少なくとも表示部1S領域でのずれが最小となり、表示部1S全体が許容誤差範囲内に収まるように、上下左右周縁部(四隅)では位置ずれ量が均等になるように制御することも行われる。
【0026】
図8では、下基板1Dにスペーサ8を配置されていることを示したが、上下両基板(1U,1D)のいずれか一方の表示部にスペーサ8が配置される。スペーサ8にはビーズ状のものもあるが、光学的処理からなるフォトエッチング法により、微小な径の柱状体が基板面に植立形成されたものもある。
【0027】
図11は、下基板1D面に柱状体のスペーサ6が植立されていて、そのスペーサ8及び接着剤5を介して上下両基板(1U,1D)が位置合わされる様子を示した拡大縦断面図である。
【0028】
1m四方もの薄い大型基板同士を上下方向に対向させ、位置合わせを行ったとき、吸着ヘッド41の下面に吸着保持された上基板1Uとスペーサ8との接触は避けられない。
【0029】
スペーサ8と上基板1Uとが接触した状態では、両者の接触面に摩擦力が働くので、位置合わせを行うべく、図11に矢印XL方向に吸着へッド41を移動させたとき、柱状体のスペーサ8は図示(実線)のように変形する。
【0030】
すなわち、位置合わせ操作に際し、吸着ヘッド41は、表示部の広い領域に配置されたスペーサ8を引き摺りながら移動するので、大きな負荷がかかるのみならず、一旦変形したスペーサ8は、その固有の剛性により図示矢印XR(→)方向に向けて、吸着ヘッド41に吸着保持された上基板1Uを戻そうとする力が働いてしまい、適正な位置合わせが円滑に行われ難いという問題があった。
【0031】
そこで本発明は、基板の貼り合わせのときの位置決めに際し、たとえ柱状体からなるスペーサを有する基板であっても、適正な位置合わせを迅速に行うことができる基板の貼合わせ装置を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、位置決め用のマークを付した上基板を吸着保持する吸着ヘッドと、この吸着ヘッドに対向配置され、下基板を載置するステージとを有する基板の貼合わせ装置において、前記吸着ヘッドと前記ステージとは、前記上基板と前記下基板との間の間隔が前記各基板の周縁部よりも中央部において大となるように前記各基板を保持することを特徴とする。
【0033】
第2の発明は、位置決め用のマークを付した上基板を吸着保持する吸着ヘッドと、この吸着ヘッドに対向配置され、下基板を載置するステージとを有する基板の貼合わせ装置において、前記吸着ヘッドは、前記ステージとの間の間隔が対向面の周縁部よりも中央部においてより大となるように、対向面に凹みが形成されて構成されたことを特徴とする。
【0034】
第3の発明は、位置決め用のマークを付した上基板を吸着保持する吸着ヘッドと、この吸着ヘッドに対向配置され、下基板を載置するステージとを有する基板の貼合わせ装置において、前記吸着ヘッドは、前記上基板の中央部を除き、上基板の周縁部を吸着保持するように構成されたことを特徴とする。
【0035】
第4の発明は、位置決め用のマークを付した上基板を吸着保持する吸着ヘッドと、この吸着ヘッドに対向配置され、下基板を載置するステージとを有する基板の貼合わせ装置において、前記ステージは、前記吸着ヘッドとの間の間隔が対向面の周縁部よりも中央部においてより大となるように、対向面に凹みが形成されて構成されたことを特徴とする。
【0036】
第5の発明は、位置決め用のマークを付した上基板を吸着保持する吸着ヘッドと、この吸着ヘッドに対向配置され、下基板を載置するステージとを有する基板の貼合わせ装置において、前記ステージは、前記下基板の中央部を除き、下基板の周縁部を吸着保持するように構成されたことを特徴とする。
【0037】
このように、第1ないし第5の各発明によれば、基板の貼合わせ装置は、吸着ヘッドとステージとの対向面において、少なくともいずれか一方の中央部への凹みの形成、または上基板周縁部のみに対する吸着ヘッドの吸着保持、あるいは下基板周縁部のみに対するステージの吸着保持が行なわれるように構成されている。
【0038】
従って、位置合わせの際に、基板とスペーサとの間はやや広がるか、あるいは吸着ヘッドあるいはステージの基板に対する拘束力が減少するので、スペーサと基板との間の摩擦力は減少し、位置合わせ操作に伴うスペーサの変形は軽減される。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による基板の貼合わせ装置の一実施の形態を図1ないし図5を参照して詳細に説明する。なお、図7ないし図11に示した従来の基板の貼合わせ装置と同一構成には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
すなわち、図1は、本発明による基板の貼合わせ装置の一実施の形態の正面図で、図2は図1の要部拡大正面図である。
【0041】
本実施の形態の基板の貼合わせ装置は、上下(矢印Z)方向に移動可能な吸着ヘッド41が、不図示の搬送ロボットから上基板1Uを先に受取り吸着保持し、次に下方のステージ42が下基板1Dを搬送ロボット3から受取り、図1に示したように、吸着保持するように構成されている。
【0042】
重ね合わされるガラス製の上基板1U及び下基板1Dの上下左右の四隅には、位置決め用のマーク(1U1,1U2、1D1,1D2)が印刷等により形成されているとともに、下基板1D上面の周縁部には表示部1Sを囲むように、接着剤5が予め塗布されている。
【0043】
従って、吸着ヘッド41に吸着保持された上基板1Uが降下し、下基板1Dに接近ないしは軽く接触した状態で、ステージ42内に組み込まれた4台の撮像機器431〜434からの撮像パターンに基づき、位置決めマークの撮影画像に基づく位置合わせ操作が行われる。なお、この実施の形態でも、図8に示した基板と同様に、一枚の基板に単一の表示部1Sが形成されるものとして説明する。
【0044】
そこで、この実施の形態の基板の貼合わせ装置は、吸着ヘッド41は、下方のステージ42との対向面において、周縁部よりも中央部において上基板1Uと下基板1Dとの間の対向間隔がより大となるように、すなわち表示部1Sが形成された広い領域にわたり、凹み41aが形成されている。
【0045】
また、吸着ヘッド41は、上基板1Uの周縁部(表示部1Sが形成された領域の外側部分)のみを吸着するように凹み41aの周囲に複数の吸着孔41bを有する。そして、この吸着孔41bは不図示の真空源に接続されており、制御器7の制御のもとで適宜真空吸着力が付与される。
【0046】
ステージ42は、下基板1Dの中央部のみを吸着するように、その中央部に複数の吸着孔42bを有する。そして、この吸着孔42bは、吸着孔41bと同様に、不図示の真空源に接続されており、制御器7の制御のもとで適宜真空吸着力が付与される。
【0047】
従って、上基板1Uと下基板1Dとの位置合わせ操作において、上基板1Uが吸着ヘッド41に吸着保持されつつ水平面上で移動して調整されるとき、表示部1Sの位置に対応した凹み41aの存在により、対向面の中央部において上基板1Uと下基板1Dとの間の間隔dは大となって広がることができるので、たとえ上下両基板1U,1Dがごく接近した状態で位置決め操作が行われたとしても、上基板1Uと下基板1Dに植立されたスペーサ8との間の摩擦力は軽減される。
【0048】
すなわち、図3に示すように、上基板1Uがスペーサ8に接した状態で、矢印XL方向に移動する際、上基板1Uとの間の摩擦力によりスペーサ8が弾性変形しようとしても、上基板1Uにおける凹み41aに対応して位置する部分では、たとえ上基板1Uがスペーサ8に接触したとしても、そこには上基板1U自身の重さが加わるだけであるので、吸着ヘッド41の自重を含む押し付け力までもが作用する状態で接触する従来の装置構成に比べて、上基板1Uが面方向に移動し易い状態となるから、上基板1Uとスぺーサ8との間の移動抵抗はごく小さく抑えられる。
【0049】
その結果、図3に示したように、上下両基板1U,1D間の相対的な位置決め操作に際して、上基板1Uが矢印XL方向に移動したとしても、スペーサ8の変形は回避されるかあるいは小さく抑えられるので、スペーサ8には、位置合わせに際して移動する基板(1U)に対し、それを元に戻そうとする作用の働きが大幅に軽減され、ミクロン単位の高精度な位置合わせを迅速に行うことができる。
【0050】
なお、図2においては、説明上、吸着ヘッド41に支持された上基板1Uは、かなり短い曲率半径で湾曲しているように強調して示してあるが、幅寸法がメートル単位の基板(1U,1D)に対し、位置決め精度がミクロン単位であるので、実際には中央部でもごくわずかな凹み41aを形成しただけで、目的を達成することができる。
【0051】
また、図1ないし図3に示したこの実施の形態の基板の貼合わせ装置では、吸着ヘッド41とステージ42間で貼り合わされる基板(1U,1D)は、表示部1Sが1個のみのいわゆる単面取りに構成された場合を例にして説明したが、多面取りの基板の場合も、各面における下基板1Dのスペーサ8と上基板1Uとの間の摩擦力が小さければよいので、例えば図4に示すように、スペーサ8が配置された各領域(すなわち、表示部1S)に、個別に対応するように凹み41a,41aを形成することができる。
【0052】
次に第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、図1を参照して説明すれば、吸着ヘッド41に凹み41aを設けることなく、上基板1Uの周縁部を吸着するように設けた吸着孔41bにて、上基板1Uの中央部を除く周縁部のみを吸着するように構成したものである。
【0053】
このようにすることで、吸着孔41bに吸着された上基板1Uの周縁部は、吸着孔41bによる吸着力により吸着ヘッド41に対して強い拘束力を受けるものの、吸着孔41bに直接吸着されることなく離れて位置する中央部においては、吸着ヘッド41に対する拘束力は周縁部に比べて小さなものとなる。
【0054】
そのため、上基板1Uの中央部は、吸着ヘッド41の水平面内での移動時にその移動方向に対して抵抗が付加されたときに、吸着ヘッド41に対して容易にずれることが可能となる。
【0055】
従って、ミクロン単位での微細な位置合わせにおいては、吸着ヘッド41の移動によって、上基板1Uとの間の摩擦力により、スペーサ8が弾性変形しようとしたときに、上基板1Uの中央部が吸着ヘッド41に対してずれ、上基板1Uの中央部は吸着ヘッド41とともに移動することがない、あるいは移動したとしてもその移動量は周縁部に比べてごく小さなものとなる。
【0056】
この傾向は、基板(1U,1D)がガラスに比べて伸び縮みしやすい合成樹脂等の材料で形成されている場合により顕著に現われ、位置決め調整に際し、吸着ヘッド41が移動してもスペーサ41が大きく変形することを防止できる。
【0057】
従って、両基板間の位置合わせ操作に際して、柱状形のスペーサ8の変形は小さく、周縁部における位置決めマークに基づく位置合わせ操作を、迅速かつ効率的に行うことができる。
【0058】
なお、上記第1及び第2の実施の形態において、ステージ42上に大型の下基板1Dを搭載したとき、下基板1Dはステージ42上で多少波打ち変形した状態で吸着保持されてしまうことがある。下基板1D全体が変形した状態で、ステージ42に吸着保持されてしまうと、周縁部の上下両基板(1U,1D)間でずれが生じ、各位置決めマークに基づく位置合わせが適正に行われない場合がある。
【0059】
そこで、上記第1の実施の形態においては、図1、図2に示すように、ステージ42には、下基板1Dの周縁部を除き中央部のみを吸着するように吸着機構(吸着孔42b)を組み込むことで、下基板1Dの波打ち変形を修正しつつ、円滑に位置合わせを行うことができる。
【0060】
すなわち、ステージ42が下基板1Dの中央部のみを吸着して、その外側周縁部をフリー(自由な)状態に載置したとすると、上基板1Uの降下による上下基板間の位置合わせに際して、上基板1U全体の下基板1D面に向けた押し下げ操作を受けたとき、下基板1Dは、中央部から外側方向に向けて押し伸ばされるので平坦性が得られて、位置合わせ操作を適正におこなうことができる。
【0061】
次に、上記第1及び第2の実施の形態では、スペーサ8と基板との間の摩擦力を軽減するために、吸着ヘッド41における対向面の加工、あるいは同じく吸着ヘッド41側の上基板1Uに対する吸着領域の変更を行ったものであるが、スペーサ8と基板との間のこのような摩擦力の調節は、上下間で相対的な関係にあるから、下基板1Dを吸着保持したステージ42における対向面の加工、同じくステージ42における下基板1Dに対する吸着領域の変更でも同様に目的を達成することができる。
【0062】
すなわち、図5は本発明による基板の貼合わせ装置の第3の実施の形態を示した要部拡大正面図で、位置決め用のマークが周縁部に付された上基板1Uを吸着保持する吸着ヘッド41と、この吸着ヘッド41に対向配置され、下基板1Dを載置するステージ42とを有する基板の貼合わせ装置において、ステージ42は、吸着ヘッド41との間の間隔が対向面の周縁部よりも中央部においてより大となるように、スペーサ領域に対応する凹み42aを形成したものである。
【0063】
そしてこの場合、ステージ42は、下基板1Dの周縁部のみを吸着するように凹み42aの周囲に複数の吸着孔42bが設けられ、この吸着孔42bは不図示の真空源に接続され、制御器7の制御のもとで適宜真空吸着力が付与される。
【0064】
このように、吸着ヘッド41との間の間隔が対向面の周縁部よりも、スペーサ8が配置された領域である中央部においてより大となるように凹み42aを形成したので、第1の実施の形態と同様に、スペーサ8とその配置領域における上基板1Uと下基板1Dとの間の間隔dは大となって広がることができるので、上下基板間の位置合わせの際に生ずる、スペーサ8と上基板1Uとの間の摩擦力の軽減を図ることができる。
【0065】
従って、上下両基板1U,1D間の相対的な位置合わせに際して、スペーサ8の変形は軽減され、上下両基板1U,1D間のミクロン単位の微妙で高精度な位置決め操作を円滑かつ迅速に行うことができる。
【0066】
なお、上記第3の実施の形態においても、第2の実施の形態と同様に、ステージ42の凹み42aを設けることなく、吸着孔42bにて下基板1Dの中央部を除く周縁部のみを吸着するようにしても良い。
【0067】
このようにすることによっても、第2の実施の形態の場合と同様に、ステージ42に対する下基板1Dの拘束力が、その周縁部に比べて中央部で小さなものとなることから、位置合わせのために吸着ヘッド41を水平面内で移動させたとき、下基板1Dに植立されたスペーサ8と上基板1Uとが接触したとしても、その接触による摩擦力によりスペーサ8が弾性変形しようとしたときには、下基板1Dの中央部とステージ42との間にずれが生じ、下基板1Dの中央部が吸着ヘッド41とともに移動してスペーサ8の変形が防止あるいは抑制される。
【0068】
従って、上下両基板1U,1D間のミクロン単位の微妙で高精度な位置決め操作を円滑かつ迅速に行うことができる。
【0069】
また、第3の実施の形態においても、第1、第2の実施の形態と同様に、下基板1Dの周縁部に代えて中央部のみを吸着するように吸着孔42bを設けるようにしても良い。
【0070】
このようにすることによっても、下基板1Dの波打ち変形を修正しつつ、円滑に位置合わせを行なうことができる。このとき、ステージ42の中央部には凹み42aが設けられているものの、この凹み42aはごくわずかの深さに形成すれば目的を達成することができるので、このように形成した場合には、下基板1Dの保持や基板1U,1Dの位置合わせに支障が生じることはない。
【0071】
以上説明のように、この実施の形態の基板の貼合わせ装置において、貼り合わせが適正に行われた上下両基板1U,1Dは、吸着保持の解除、及び吸着ヘッド41の上昇移動を経た後、従来と同様に、搬送ロボットを介して次の液晶封入工程へと引き渡される。
【0072】
なお、上記各実施の形態の説明では、上下両基板(1U,1D)の位置合わせに際し、上基板1U側を降下移動させるように説明したが、もちろん下基板1D側を上昇移動させるように構成しても良く、さらにX−Y−θ移動テーブルも吸着ヘッド41側ではなく、ステージ42側に構成しても良い。
【0073】
また、上記第1及び第3の実施の形態を示した図1から図5では、凹部41a,42a面に向けて開口する吸着機構を組み込んでいないように示されている。しかしながら、周縁部に加えて、その凹み41a,41bに吸着孔を組み込むことができる。このようにすることで、吸着ヘッド41の移動の有無にかかわらず基板1U,1Dが凹み41a,41bに確実に引き込まれ、上基板1Uと下基板1Dとの間の間隔dがその中央部において広がることから、より円滑に上下両基板1U,1Dの位置決め操作を行うことができる。
【0074】
また、本発明は、図8に示すような液晶封入口5aを設けて接着剤5が塗布された基板1U,1Dを貼り合わせる貼り合わせ装置に限らず、液晶封入口を設けることなく、無端枠状に塗布された接着剤5の内側領域に予め所定量の液晶が滴下された基板1U,1Dを貼り合わせる貼り合わせ装置に適用することもできる。
【0075】
また、吸着機構は、真空吸着を例に説明したが、他の吸着機構、例えば静電気を利用したいわゆる静電チャックを用いることができる。
【0076】
さらにまた、上下の基板1U,1Dの間の間隔が中央部において大となるように、吸着ヘッド41、あるいはステージ42に凹み41a,42aを設けた例で説明したが、これに限られるものではない。
【0077】
例えば図6(a)の正面から見た断面図、及び図6(a)において上基板1Uを外した状態でA−A線から矢印方向を見た図6(b)の吸着ヘッド41の底面図に示したように、吸着ヘッド41の構成を吸着ブロック411とこの吸着ブロック411の底部に、表示面1Sを囲むように配列して突設させた複数の支持ブロック412と、これら複数の支持ブロック412の間に支持ブロック412に上基板1Uを支持させるように配列された複数の第1の吸着ノズル413、及び表示面1Sの領域に突設させた複数の第2の吸着ノズル414で構成することができる。
【0078】
図6において、弾性変形が比較的小さい金属やセラミックスで吸着ノズル413を形成できるが、たとえ変形しようとしても、これら吸着ノズル413は隣接する支持ブロック412の支持を受けるので変形は抑制され、基板1U,1D位置合わせ操作の際の位置合わせ精度を確保することができる。なお、支持ブロック412下端の高さ位置は、第1の吸着ノズル413における吸着面の高さ位置と同一とし、表示面1Sの外側に配置されたこれら第1の吸着ノズル413は、上基板1Uを介して下基板1D上の接着剤5を均一に押圧する。また、図6に示した吸着ヘッド41は、中央部で、吸着した上基板1Uと下基板1Dとの間の間隔が広がるように、第2の吸着ノズル414の下端高さ位置が、周縁部における第1の吸着ノズル413及び支持ブロック412の下端高さ位置よりも高くなるように長さ寸法が設定されている。
【0079】
なお、図6に示した吸着ヘッド41のみならず、図1等に示した吸着ヘッド41あるいはステージ42の各中央部には凹み41a,42aを設けてあり、それら中央部は保持される基板1U,1Dにおける表示部1Sの形成領域に一致するように図示してあるが、本明細書においては、中央部とは表示部1Sの全領域に限るものではなく、表示部1Sのうちの一部の領域である場合も含む。
【0080】
また、吸着ヘッド41の吸着孔41bやステージ42の吸着孔42bは、通常、基板1U,1Dの外縁に沿った周縁部を吸着するように組み込まれるものであるが、それに加えて、例えば基板1U,1Dが多面取りの場合のように、形成された各表示面1Sの外側部分をも吸着するように組み込むことができる。
【0081】
以上説明のように、本発明の基板の貼合わせ装置によれば、上方の吸着ヘッド41に吸着された上基板1Uよりも下方の吸着ステージ42面上に吸着保持された下基板1Dは、スペーサ8との間の摩擦力が小さい状態で、位置合わせを行うことができるので、2枚の基板の貼り合わせを円滑かつ迅速に行うことができる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明のように、本発明によれば、大型のガラス製の基板でも、ミクロン単位の高精度な位置合わせによる基板の貼り合わせを、円滑に行うことができ、液晶表示パネルの製造等に適用し、実用上優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による基板の貼合わせ装置の第1の実施の形態を示した正面図である。
【図2】図1に示した装置の要部拡大正面図である。
【図3】図2に示した装置の動作説明図である。
【図4】図1に示す第1の実施の形態の変形例を示した要部拡大正面図である。
【図5】本発明による基板の貼合わせ装置の第2の実施の形態を示した要部拡大正面図である。
【図6】図6(a)は、本発明による基板の貼合わせ装置の吸着ヘッドの変形例を示した正面図、図6(b)は図6(a)の基板1Uを除いたA−A矢視底面図である。
【図7】従来の基板の貼合わせ装置を採用した液晶基板の貼合わせ装置の構成図である。
【図8】図7に示す装置で貼り合わされる上下2枚の基板の各平面図である。
【図9】従来の基板の貼合わせ装置を示した正面図である。
【図10】図9に示す装置に装着された基板の位置決め用のマークの撮像パターン図である。
【図11】図9に示す装置で位置合わされる2枚の基板の要部拡大正面図である。
【符号の説明】
1U 上基板
1U1,1U2 (位置決め用の)マーク
1D 下基板
1D1,1D2 (位置決め用の)マーク
2U,2D 供給機構
3 搬送ロボット
4 基板の貼合わせ装置
41 吸着ヘッド
411 吸着ブロック
412 支持ブロック
413 第1の吸着ノズル
414 第2の吸着ノズル
42 ステージ
431〜434 撮像機器(検出手段)
44 X−Y−θ移動テーブル
44a 作動ロッド(押圧機構)
5 接着剤
6 搬出台
7 制御器
8 スペーサ
Pu,Pd 中間位置
Claims (6)
- 位置決め用のマークを付した上基板を吸着保持する吸着ヘッドと、この吸着ヘッドに対向配置され、下基板を載置するステージとを有する基板の貼合わせ装置において、
前記吸着ヘッドと前記ステージとは、前記上基板と前記下基板との間の間隔が前記各基板の周縁部よりも中央部において大となるように前記各基板を保持することを特徴とする基板の貼合わせ装置。 - 位置決め用のマークを付した上基板を吸着保持する吸着ヘッドと、この吸着ヘッドに対向配置され、下基板を載置するステージとを有する基板の貼合わせ装置において、
前記吸着ヘッドは、前記ステージとの間の間隔が対向面の周縁部よりも中央部においてより大となるように、対向面に凹みが形成されて構成されたことを特徴とする基板の貼合わせ装置。 - 位置決め用のマークを付した上基板を吸着保持する吸着ヘッドと、この吸着ヘッドに対向配置され、下基板を載置するステージとを有する基板の貼合わせ装置において、
前記吸着ヘッドは、前記上基板の中央部を除き、上基板の周縁部を吸着保持するように構成されたことを特徴とする基板の貼合わせ装置。 - 前記ステージは、前記吸着ヘッドとの対向面における周縁部を除く中央部のみに、前記下基板を吸着する吸着機構を組み込んだことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板の貼合わせ装置。
- 位置決め用のマークを付した上基板を吸着保持する吸着ヘッドと、この吸着ヘッドに対向配置され、下基板を載置するステージとを有する基板の貼合わせ装置において、
前記ステージは、前記吸着ヘッドとの間の間隔が対向面の周縁部よりも中央部においてより大となるように、対向面に凹みが形成されて構成されたことを特徴とする基板の貼合わせ装置。 - 位置決め用のマークを付した上基板を吸着保持する吸着ヘッドと、この吸着ヘッドに対向配置され、下基板を載置するステージとを有する基板の貼合わせ装置において、
前記ステージは、前記下基板の中央部を除き、下基板の周縁部を吸着保持するように構成されたことを特徴とする基板の貼合わせ装置。
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JP2007041132A (ja) * | 2005-08-01 | 2007-02-15 | Shibaura Mechatronics Corp | 基板の貼り合わせ装置及び貼り合わせ方法 |
KR101112729B1 (ko) * | 2009-09-25 | 2012-03-13 | 김철수 | 기판의 결합장치 및 결합방법 |
JP2013544376A (ja) * | 2011-08-05 | 2013-12-12 | エルジー・ケム・リミテッド | 付着装置 |
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2002
- 2002-09-27 JP JP2002283923A patent/JP2004118073A/ja active Pending
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