JP4160712B2 - 感光性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は感光性組成物及びそれを用いた感光性平版印刷版に関し、更に詳しくは、印刷版として用いた場合の着肉性、耐刷性を向上させた感光性組成物及びそれを用いた感光性平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ジアゾ樹脂を用いた感光性組成物は従来良く知られている。この組成物は種々の用途で使用されており、そのうちの1つとして感光性平版印刷版の感光層に使用されている。
感光性平版印刷版の感光層としてこの組成物を用いる場合、そのほとんどは結合剤となる高分子化合物との組み合わせで使用されている。この高分子化合物はジアゾ樹脂との組み合わせによって光硬化するものであればよく、その例としては(メタ)アクリル酸やその誘導体よりなるモノマーを(共)重合させた(共)重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、酸性ポリビニルアルコール誘導体、酸性セルロース誘導体、ポリビニルアセタール誘導体といった高分子化合物を挙げることができる。これらの高分子化合物のうちポリウレタン樹脂は、印刷版の耐摩耗性を必要とする場合に特に用いられる。また近年、このような感光層を用いた感光性平版印刷版を現像する際にはアルカリ水を用いて未露光部を除去(現像)するのが通常であり、したがって高分子化合物中にカルボン酸、スルホン酸といった酸基を導入しアルカリ水現像性を持たせることを行っている。
ところが高分子化合物中にカルボン酸、スルホン酸といった酸基を導入したとき、印刷の刷り出し時画像部にインキが付かない「刷り出し着肉不良」や、一旦画像部にインキが付くが印刷途中で画像部の磨耗がほとんどないにもかかわらず画像部にインキが付かなくなる「ブラインディング」といった現像が起こる場合がある。そこで種々の添加剤を加える試みがなされており、例えば特開昭63−259657号、特開昭63−262642号等の各公報に示されている。しかしながら、特にポリウレタン樹脂を使用した場合その効果が十分ではなく、改良が必要とされていた。
【0003】
一方環化付加反応によって架橋する光架橋性材料もよく知られており、これらもジアゾ樹脂と同様感光性平版印刷版の製造に用いる感光性組成物の主要成分として数多く用いられている。
光架橋性材料を用いた感光性組成物の一つとして、マレイミド基を側鎖に有する光架橋性高分子化合物を含有する感光性組成物が、例えば特開平6−107718号、特開平7−295212号、特開平8−254825号等の各公報に例示されている。
この光架橋性の感光性組成物を感光性平版印刷版の感光層に用いた場合、前述のような刷り出し着肉不良やブラインディングは発生しにくい。しかしながら光架橋性の感光性組成物単独では、親水性表面を有する支持体との密着力が弱いため、印刷版の耐刷性が低いという重大な欠点がある。そこで密着力を向上させるために種々の方法が検討されている。その一つとして感光層にジアゾ樹脂を添加することが検討されており、特公平5−2227号、特開平3−2868号、特開平3−240061号、特開平4−274429号などの各公報に例示されている。しかしながらこれらの方法ではまだ十分満足する耐刷性が得られないという欠点があった。そこで特開平4−274429号公報に記述されているように、ジアゾ樹脂を含有する中間層を設ける方法を検討したが、それでも効果が不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の目的は、感光性平版印刷版の感光層として用いた場合に高い耐刷性を有し、刷りだし着肉不良やブラインディングが発生することのない感光性組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意研究した結果、ジアゾ樹脂とポリウレタン樹脂よりなる感光性組成物中に更にある特定の種類の光架橋性高分子化合物を存在させることで、刷りだし着肉不良やブラインディングの発生を抑制できるばかりか、予想されるよりも非常に高い耐刷性が発現することを見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、酸性水素原子を持つポリウレタン樹脂、ジアゾ樹脂、及び下記一般式(A)で示される基を側鎖に2個以上有するアルカリ水可溶性もしくは膨潤性の高分子化合物、を含有する感光性組成物、並びに表面に親水化処理を施したアルミニウム支持体上に前述の感光性組成物よりなる層を設けた感光性平版印刷版に関する。
【0006】
【化2】
【0007】
式(A)中、RおよびR′はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子若しくはアルキル基を示すか、またはRとR′が一緒になって5員環または6員環を形成する。
本発明において、一般式(A)で示される基を側鎖に2個以上有するアルカリ水可溶性もしくは膨潤性の高分子化合物がインキ着肉性を向上させる働きをするとともに、この高分子化合物同士の架橋反応(2+2環化付加反応)により更に耐刷性が向上したと推定する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の感光性組成物は、酸性水素原子を持つポリウレタン樹脂、ジアゾ樹脂、及び一般式(A)で示される基を側鎖に2個以上有するアルカリ水可溶性もしくは膨潤性の高分子化合物、を含有する感光性組成物である。以下各成分について説明する。
【0009】
(酸性水素原子を持つポリウレタン樹脂)
本発明において、酸性水素原子を有するポリウレタン樹脂とは、一つ以上の酸性水素原子を持つ基を主鎖または側鎖中に有するポリウレタン樹脂を意味する。酸性水素原子を持つ基とは、その水中での酸解離定数(pKa)が7以下のものを指し、例えば−COOH、−SO2NHCOO−、−CONHSO2−、−CONHSO2NH−、−NHCONHSO2−などが含まれる。特に好適なものは−COOHである。ポリウレタン樹脂1g当りの酸含量は、0.05〜6ミリ当量が好ましい。0.05ミリ当量より少ないとアルカリ現像液での現像性が不十分となり、6ミリ当量より多いと耐摩耗性が劣化してくる。好ましくは0.2〜4ミリ当量である。
【0010】
上記ポリウレタン樹脂は種々の方法で製造することができる。例えば、酸性水素原子を持つ置換基としてカルボキシル基を有する好適なポリウレタン樹脂の場合には、下記一般式(I)で表わされるジイソシアネート化合物と、一般式(II)、(III)又は(IV)で表わされるカルボキシル基を有するジオール化合物との反応生成物を基本骨格とするポリウレタン樹脂が挙げられる。
【0011】
【化3】
【0012】
式中、R1は置換基(例えば、アルキル、アルケニル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい二価の脂肪族又は芳香族炭化水素を示す。必要に応じ、R1中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル、ウレタン、アミド、ウレイド基、または炭素−炭素不飽和結合を有していてもよい。
【0013】
R2は水素原子、置換基(例えば、アルキル、アリール、アルコキシ、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド、ハロゲノの各基が好ましい。)を有してもよいアルキル、アルケニル、アラルキル、アリール、アルコキシ、またはアリーロキシ基を示し、好ましくは水素原子、炭素数1〜8個のアルキル基もしくは炭素数2〜8個のアルケニル基、炭素数6〜15個のアリール基を示す。
【0014】
R3、R4、R5はそれぞれ同一でも相異していてもよい、単結合、置換基(例えば、アルキル、アルケニル、アラルキル、アリール、アルコキシ及びハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい二価の脂肪族又は芳香族炭化水素を示す。好ましくは炭素数1〜20個のアルキレン基、炭素数6〜15個のアリーレン基、更に好ましくは炭素数1〜8個のアルキレン基を示す。また、必要に応じ、R3、R4、R5中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル基、ウレタン基、アミド基、ウレイド基、または炭素−炭素不飽和結合を有していてもよい。なお、R2、R3、R4、R5のうちの2又は3個で環を形成してもよい。
Arは置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素を示し、好ましくは炭素数6〜15個の芳香族基を示す。
【0015】
一般式(I)で示されるジイソシアネート化合物として、具体的には以下に示すものが含まれる。
即ち、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジイソイアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソイシネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の如き芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の如き脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)−ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の如き脂環族ジイソシアネート化合物:1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルの付加体等の如きシオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物等が挙げられる。
【0016】
一般式(II)、(III)又は(IV)で示されるカルボキシル基を有するジオール化合物としては具体的には以下に示すものが含まれる。
即ち、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオンアミド等が挙げられる。
【0017】
また、カルボキシル基以外の酸性水素原子を持つ置換基を有するポリウレタン樹脂としては、一般式(I)のジイソシアネート化合物と、下記一般式(V)、(VI)、(VII)又は(VIII)のジオール化合物との反応生成物で表わされる構造を基本骨格とするポリウレタン樹脂が含まれる。
【0018】
【化4】
【0019】
式中、R2'、R3'、R4'、R5'及びAr′はそれぞれR2、R3、R4、R5及びArと同義である。R6は置換基(例えば、アルキル、アルコキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい一価の脂肪族又は芳香族炭化水素を示す。好ましくは炭素数1〜20個のアルキル基又は炭素数2〜20個のアルケニル基、炭素数6〜15個のアリール基、炭素数7〜15個のアラルキル基を示す。更に好ましくは炭素数1〜8個のアルキル基、又は炭素数2〜8個のアルケニル基、炭素数6〜10個のアリール基を示す。
【0020】
Yは−スルホニルアミド基(−CO−NH−SO2−)、N−スルホニルウレイド基(−NH−CO−NH−SO2−)、N−アミノスルホニルアミド基(−CO−NH−SO2−NH−)又はスルホニルウレタン基(−O−CO−NH−SO2−)を示す。
【0021】
一般式(V)、(VI)、(VII)で示されるジオール化合物は、例えば一般式(II)、(III)、(IV)で示されるカルボキル基を有するジオール化合物のヒドロキシ基を保護した後、一般式(X)、(XI)、(XII)の化合物と反応させ、保護したヒドロキシ基をもとに戻すことにより合成される。
【0022】
X−A−CO−NH−SO2−R6 (X)
X−A−NH−CO−NH−SO2−R6 (XI)
X−A−CO−NH−SO2−NH−R6 (XII)
【0023】
式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示す。
ここで、一般式(X)の化合物は例えば一般式(XIV)と(XV)の化合物の反応で、一般式(XI)化合物は一般式(XVI)と(XV)の化合物の反応で、一般式(XII)の化合物は一般式(XVII)の化合物とクロロスルホンアミドと一般式(XIII)のアミン化合物との反応により、各々得ることができる。
【0024】
R6−NH2 (XIII)
X−A−COCl (XIV)
R6−SO2−NH2 (XV)
X−A−NCO (XVI)
X−A−COOH (XVII)
【0025】
また、一般式(V)、(VI)、(VII)で示されるジオール化合物においてYがスルホニルウレタン基の場合、トリヒドロキシ化合物の1つのヒドロキシ基を一般式(IX)の化合物と反応させることにより得ることもできる。
R6−SO2−NCO (IX)
【0026】
また、更に一般式(VIII)で示されるジオール化合物は、例えば、一般式(XIV)と下記一般式(XVIII)の化合物の反応、一般式(XVI)の化合物と下記一般式(XVIII)の化合物の反応、一般式(XVII)の化合物とクロロスルホンアミドと一般式(XIX)の化合物との反応により各々得られた化合物をヒドロキシ化することにより合成できる。
【0027】
X−B−SO2−NH2 (XVIII)
X−B−NH2 (XIX)
式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示す。また式(X)〜(XIX)におけるA及びBはR3〜R5の定義と同義である。
【0028】
具体的には一般式(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)で示されるジオール化合物としては、以下に示すものが含まれる。
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
本発明に用いるポリウレタン樹脂は、一般式(I)のジイソシアネート化合物と一般式(VI)、(VII)、又は(VIII)のジオール化合物との反応生成物であるカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂に、塩基存在下、一般式(IX)、(X)、(XI)又は(XII)の化合物を反応させること、更に上記樹脂とクロロスルホニルイソシアネートとの反応の後に、一般式(XIII)のアミン化合物を反応させることによっても合成できる。
【0035】
更に、カルボキシル基を有せず、イソシアネートと反応しない他の置換基を有していてもよいジオール化合物を、アルカリ現像性を低下させない程度に併用することもできる。
このようなジオール化合物としては、具体的には以下に示すものが含まれる。即ち、エチレングリコール、ジエチルレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−ブチン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、2,2−ジメチロールマロン酸ジエチル、ビス−(2−ヒドロキシエチル)スルフィド、水添ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ビス−フェノールFのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、p−キシリレングリコール、ジヒドロキシエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,4−トリレンジカルバメート、2,4−トリレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、ビス(2−ヒドロキシエチル)−m−キシリレンジカルバメート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート等が挙げられる。
【0036】
本発明に用いるポリウレタン樹脂には、残存の−OH基と一般式(IX)の化合物とを反応させて、酸性水素原子を有する置換基−SO2NHCOO−を導入することができる。
本発明に用いるポリウレタン樹脂は上記ジイソシアネート化合物及びジオール化合物を非プロトン性溶媒中、それぞれの反応性に応じた活性の公知な触媒、例えばジエチルアニリン、2,2,2−ジアザビシクロオクタン、n−ジブチルチンジラウレートなどを添加し、加熱することにより合成される。使用するジイソシアネート及びジオール化合物のモル比は好ましくは0.8:1〜1.2:1であり、ポリマー末端にイソシアネート基が残存した場合、アルコール類又はアミン類等で処理することにより、最終的にイソシアネート基か残存しない形で合成される。
【0037】
本発明に用いるポリウレタン樹脂の分子量は、好ましくは重量平均で1000以上であり、更に好ましくは5,000〜15万の範囲である。
これらのポリウレタン樹脂は単独で用いても混合して用いてもよい。全組成物質量に対するポリウレタン樹脂の含有量については後述する。
【0038】
(一般式(A)で示される基を2以上有する高分子化合物)
本発明における一般式(A)で示される基を側鎖に2個以上有するアルカリ水可溶性またはアルカリ水膨潤性の高分子化合物について説明する。
【0039】
【化10】
【0040】
式(A)中、R及びR′はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子若しくはアルキル基を示すか、またはRとR′とが一緒になって5員環又は6員環を形成していてもよい。
ここで、RおよびR′のアルキル基としては、炭素数1〜4のものが好ましく、特に好ましいのはメチル基である。また、RとR′とが一緒になって形成する環としては、6員環が好ましく、特に炭化水素基からなる芳香族または脂肪族6員環が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子又は沃素原子が好ましい。
【0041】
本発明におけるポリマーにおいて、一般式(A)の側鎖を導入するためには、例えば、下記の一般式(B)〜(D)で表されるモノマーを用いることができる。
【0042】
【化11】
【0043】
式(B)〜(D)中、R11及びR12は一般式(A)のR及びR′とそれぞれ同じ意味を有し、R13は水素原子またはメチル基を表し、n1、n2及びn3は整数を示し、好ましくは1から6である。
【0044】
さらに、本発明の感光性平版印刷版は、実質上有機溶媒を含まないアルカリ性水性現像液で現像することが環境安全上好ましいため、本発明においてはこれらのポリマーはアルカリ水に可溶性または膨潤性のものである。そのため、側鎖にマレイミド基を有するモノマーと、アルカリ可溶性基を有するモノマーとを共重合させることにより合成される。
【0045】
アルカリ可溶性基としては、pKaが14以下の酸基が好ましい。このようなアルカリ可溶性基を有するモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリ酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有するビニルモノマー、下記式(E)で示されるような-CONHSO2-基を含むビニルモノマー、下記式(F)で示されるような-SO2NH-基を含むビニルモノマー、下記式(G)で示されるようなフェノール性水酸基を含むビニルモノマー、下記式(H)で示されるようなリン酸基あるいはホスホン酸基を含むビニルモノマーの他、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物等が例示される。
【0046】
【化12】
【0047】
式(E)中、R14は水素原子またはメチル基を表し、R15は置換基を有していても良い炭素数12以下の炭化水素基を表す。
なお、R15として好ましい基は、メチル基、フェニル基、トリル基である。
【0048】
【化13】
【0049】
式(F)中、R16は水素原子またはメチル基を表し、R17は水素原子または置換基を有していても良い炭素数12以下の炭化水素基を表す。
なお、R17として好ましいのは、水素原子、メチル基、フェニル基、トリル基である。
【0050】
【化14】
【0051】
式(G)中、R18は水素原子またはメチル基を表す。
【0052】
【化15】
【0053】
式(H)中、R19は水素原子またはメチル基を表し、R20は置換基を有していても良い炭素数12以下の炭化水素連結基を表し、Zは酸素原子または単結合を表す。
なお、R20として好ましいのは、炭素数1から6までのエチレン基、フェニレン基である。
【0054】
これらのアルカリ可溶性基を有するモノマーと、マレイミド基を有するモノマーとを、10/90〜70/30(モル比)、好ましくは20/80〜60/40(モル比)の割合で共重合することによって、本発明の一般式(A)で表される基を2個以上有するアルカリ水可溶性もしくは膨潤性の高分子化合物を容易に得ることができる。この高分子化合物の酸価は30〜500の範囲が好ましく、特に好ましいのは50〜300である。これらの高分子化合物の中でも、ジ・アンゲバンテ・マクロモレクラエ・ケミ(Die Angewandte Mackromolekulare Chemi)128(1984)の71〜91ページに記載されるようなN−〔2−メタクリロイルオキシ)アルキル〕−2,3−ジメチルマレイミドとメタクリル酸あるいはアクリル酸との共重合体が有用である。更にこの共重合体の合成に際して第3成分のビニルモノマーを共重合することによって目的に応じた多元共重合体を容易に合成することができる。例えば、第3成分のビニルモノマーとして、そのホモポリマーのガラス転移点が室温以下のアルキルメタアクリレートやアルキルアクリレートを用いることによって共重合体に柔軟性を与えることが出来る。
【0055】
なお、本発明で用いるこれらの一般式(A)で表される基を2個以上有するアルカリ水可溶性もしくは膨潤性の高分子化合物としては、重量平均分子量1000以上、好ましくは1万〜50万、特に好ましくは2万〜30万のものが望ましい。
【0056】
(ポリウレタン樹脂と高分子化合物の比率及び含有量)
上述したポリウレタン樹脂と一般式(A)で表される基を2個以上有する高分子化合物の使用比率は特に制限はないが、好ましくはポリウレタン樹脂/一般式(A)で表される基を2個以上有する光架橋性高分子化合物=5/95〜95/5(質量比)である。
ポリウレタン樹脂と一般式(A)で表される基を2個以上有する高分子化合物とを合わせたポリマー類は、全組成物質量に対して30質量%以上、好ましくは50〜90質量%使用する。
【0057】
(ジアゾ樹脂)
次にジアゾ樹脂について説明する。
ジアゾ樹脂としては従来公知のものが適宜使用できるが、芳香族ジアゾニウム塩と例えば活性カルボニル含有化合物、特にホルムアルデヒドとの縮合物で代表されるジアゾ樹脂が含まれ、その中で有機溶媒可溶性のジアゾ樹脂が好ましい。ジアゾ樹脂としては、例えばp−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドの縮合物と、ヘキサフルオロリン酸塩、テトラフルオロホウ酸塩との有機溶媒可溶の反応生成物であるジアゾ樹脂無機塩、また米国特許第3,300,309号明細書に記載されているような、前記縮合物とスルホン酸類例えばパラトルエンスルホン酸又はその塩、ホスフィン酸類例えばベンゼンホスフィン酸又はその塩、ヒドロキシル基含有化合物例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸又はその塩等の反応生成物である有機溶媒可溶性ジアゾ樹脂有機酸塩等が挙げられる。
【0058】
ジアゾ化合物は以下に説明するものも含めて全体で感光性組成物中に1〜50質量%、好ましくは3〜35質量%含有される。本発明において、好適に用いることができる他のジアゾ樹脂は、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、スルフィン酸基、スルフィン酸塩基よりなる群から選択した基を少なくとも1個有する芳香族化合物と、芳香族ジアゾニウム化合物とを構成単位として含む共縮合体である。
【0059】
芳香族化合物は、例えばベンゼン環又はナフタレン環に、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、スルフィン酸基、およびスルフィン酸塩基よりなる群から選択した置換基を少なくとも1個有するものであり、各置換基は芳香族環に直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。芳香族ジアゾニウム化合物の具体例としては4−ジアゾ−4′−メトキシジフェニルアミン塩、4−ジアゾ−4′−エトキシジフェニルアミン塩及び4−ジアゾ−3−メトキシジフェニルアミン塩、4−ジアゾ−ジフェニルアミン塩が挙げられる。
【0060】
芳香族化合物の具体例としては、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸ソーダ、m−ベンゼンジスルホン酸2ソーダ、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ソーダ、p−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸ソーダ、ベンゼンスルフィン酸ソーダ、アニリン−2−スルホン酸、4−アミノ−m−トルエンスルホン酸、4−アミノ−m−トルエンスルホン酸ソーダ、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、1−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸、5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸、7−アミノ−1,3−ナフタレンジスルホン酸、2−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸ソーダ、5−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸ソーダ、6−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸ソーダ、5−スルホイソフタル酸ソーダ、2−スルホ安息香酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、安息香酸、o−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、ジフェニル酢酸、フェノキシ酢酸、p−メトキシフェニル酢酸、p−メトキシ安息香酸、2,4−ジメトキシ安息香酸、2,4−ジメチル安息香酸、p−フェノキシ安息香酸、4−アニリノ安息香酸、4−(m−メトキシアニリノ)安息香酸、4−(p−メトキシベンゾイル)安息香酸、4−(p−メチルアニリノ)安息香酸、4−フェニルスルホニル安息香酸、フェノール、(o,m,p)−クレゾール、キシレノール、レゾルシン、2−メチルレゾルシン、(o,m,p)−メトキシフェノール、m−エトキシフェノール、カテコール、フロログルシン、p−ヒドロキシエチルフェノール、ナフトール、ピロガロール、ヒドロキノン、p−ヒドロキシベンジルアルコール、4−クロロレゾルシン、ビフェニル4,4−ジオール、1,2,4−ベンゼントリオール、ビスフェノールA、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、p−ヒドロキシアセトフェノン、4,4−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4−ジヒドロキシジフェニルアミン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、クミルフェノール、(o,m,p)−クロロフェノール、(o,m,p)−ブロモフェノール、サリチル酸、4−メチルサリチル酸、6−メチルサリチル酸、4−エチルサリチル酸、6−プロピルサリチル酸、6−ラウリルサリチル酸、6−ステアリルサリチル酸、4,6−ジメチルサリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、6−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ−4−メチル安息香酸、4−クロロ−2,6−ジヒドロキシ安息香酸、4−メトキシ−2,6−ジオキシ安息香酸、没食子酸、フロログルシンカルボン酸、2,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、m−ガロイル没食子酸、タンニン酸、m−ベンゾイル没食子酸、m−(p−トルイル)没食子酸、プロトカテクオイル−没食子酸、4,6−ジヒドロキシフタル酸、(2,4−ジヒドロキシフェニル)酢酸、(2,6−ジヒドロキシフェニル)酢酸、(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)酢酸、p−ヒドロキシメチル安息香酸、p−ヒドロキシエチル安息香酸、4−(p−ヒドロキシフェニル)メチル安息香酸、4−(o−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、4−(2,4−ジヒドロキシベンゾイル)安息香酸、4−(p−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸、4−(p−ヒドロキシアニリノ)安息香酸、ビス(3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニル)アミン、4−(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)安息香酸、4−(p−ヒドロキシフェニルチオ)安息香酸等があげられ、このうち特に好ましいものは、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−メトキシ安息香酸、メタクロロ安息香酸、フェノキシ酢酸、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸ソーダ、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ソーダ、p−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸ソーダ、ベンゼンスルフィン酸、5−スルホイソフタル酸ソーダ、2−スルホ安息香酸、4−アミノ−m−トルエンスルホン酸、4−アミノ−m−トルエンスルホン酸ソーダ、1−ナフタレンスルホン酸、2−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、5−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸ソーダ、p−クロロベンゼンスルホン酸である。
【0061】
本発明に係る感光性ジアゾ樹脂は、公知の方法、例えば、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Photo. Sci. Eng.) 第17巻、第33頁(1973)、米国特許第2,063,631号、同第2,679,498号各明細書に記載の方法に従い、硫酸やリン酸あるいは塩酸中で、前記芳香族化合物、芳香族ジアゾニウム塩及びアルデヒド類、例えばパラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドあるいはケトン類、例えばアセトン、アセトフェノンとを重縮合させることによって得られる。
【0062】
また、芳香族ジアゾ化合物と芳香族化合物の仕込みモル比は1:0.1〜0.1:1、好ましくは0.5:1〜1:0.2、より好ましくは1:1〜1:0.2である。またこの場合、前記芳香族ジアゾ化合物、芳香族化合物の合計とアルデヒド類又はケトン類とをモル比で通常0.6〜1.5:1、好ましくは0.7〜1.4:1で仕込み、低温で短時間、例えば3時間程度反応させることによりジアゾ樹脂が得られる。
【0063】
次にジアゾ樹脂の対アニオンX-について説明する。X-は、脂肪族又は芳香族スルホン酸アニオンが好ましく、その中でも好ましい例としては、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのフルオロアルカンスルホン酸、ラウリルスルホン酸、ジオクチルスルホコハク酸、ジシクロヘキシルスルホコハク酸、カンファースルホン酸、トリルオキシ−3−プロパンスルホン酸、ノニルフェノキシ−3−プロパンスルホン酸、ノニルフェノキシ−4−ブタンスルホン酸、ジブチルフェノキシ−3−プロパンスルホン酸、ジアミルフェノキシ−3−プロパンスルホン酸、ジノニルフェノキシ−3−プロパンスルホン酸、ジブチルフェノキシ−4−ブタンスルホン酸、ジノニルフェノキシ−4−ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、p−アセチルベンゼンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−クロロ−5−ニトロベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ブトキシベンゼンスルホン酸、ドデシルオキシベンゼンスルホン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルベンゼンスルホン酸、イソプロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ヘキシルナフタレンスルホン酸、オクチルナフタレンスルホン酸、ブトキシナフタレンスルホン酸、ドデシルオキシナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、ジオクチルナフタレンスルホン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、トリブチルナフタレンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、ナフタリン−1−スルホン酸、ナフタリン−2−スルホン酸、1,8−ジニトロ−ナフタレン−3,6−ジスルホン酸、4,4′−ジアジド−スチルベン−3,3′−ジスルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸及び1,2−ナフトキノン−1−ジアジド−4−スルホン酸のアニオンもしくは、これらのアニオンの混合物が含まれる。これらのアニオンの中で特に好ましいものは、ブチルナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、ジオクチルナフタレンスルホン酸、トリブチルナフタレンスルホン酸等のアルキル置換ナフタレンスルホン酸のアニオンである。
【0064】
本発明に使用するジアゾ樹脂は、各単量体のモル比及び縮合条件を種々変えることにより、その分子量は任意の値として得ることができるが、本発明の目的とする使途に有効に供するためには分子量が約400乃至100,000のもの、好ましくは、約800乃至5,000のものが適当である。上記の感光性ジアゾ樹脂は、アルカリ可溶性もしくは膨潤性の親油性高分子化合物をバインダー樹脂として使用して、これと組合わせて使用するのが望ましい。
【0065】
(増感剤)
本発明における感光性組成物中には増感剤を含むことが好ましい。増感剤としては、300nm以上の範囲で実際に充分な光吸収を可能にするような極大吸収を有する三重項増感剤が好ましい。そのような増感剤としてはベンゾフェノン誘導体、ベンズアンスロン誘導体、キノン類、芳香族ニトロ化合物、ナフトチアゾリン誘導体、ベンゾチアゾリン誘導体、チオキサントン類、ナフトチアゾール誘導体、ケトクマリン化合物、ベンゾチアゾール誘導体、ナフトフラノン化合物、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等を挙げることが出来る。
【0066】
具体的にはミヒラーケトン、N,N′−ジエチルアミノベンゾフェノン、ベンズアンスロン、(3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズ)アンスロンピクラミド、5−ニトロアセナフテン、2−クロルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、メチルチオキサントン−1−エチルカルボキシレート、2−ニトロフルオレン、2−ジベンゾイルメチレン−3−メチルナフトチアゾリン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2,4,6−トリフェニルチアピリリウムパークロレート、2−(p−クロルベンゾイル)ナフトチアゾールの他、特公昭45−8832号、特開昭52−129791号、特開昭62−294238号、特開平2−173646号、特開平2−131236号、欧州特許368327号、特開平2−236552号、特開平3−54566号、特開平6−107718号の各明細書に記載されている増感剤などを挙げることが出来る。
【0067】
これらのうち好ましくは特開平2−236552号、特開平3−54566号、特願平4−259915号の各明細書に記載されている増感剤であり、特に好ましくは特願平4−259915号明細書にあるように、分子中にアルカリ可溶性基として、-COOH基、-NHSO2R30基、-CONHCOR30基、-CONHSO2R30基(R30はアルキル基、芳香族基またはアルキル芳香族基を示す)を1つ以上含む増感剤である。これらの増感剤の添加量は感光性組成物の1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%であり、特に好ましいのは3〜10質量%である。
【0068】
(その他)
【0069】
本発明における感光性組成物には必要により更に結合剤を含有させることができ、通常線状有機ポリマーより適宜選択される。結合剤の具体例としては、フェノールホルムアルデヒド樹脂、クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂等、公知のアルカリ可溶性の高分子化合物が挙げられる。かかるアルカリ可溶性の高分子化合物は全組成物の50質量%以下の添加量で用いられる。
【0070】
本発明における感光性組成物には更に必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。例えば、ラジカル重合可能なエチレン性二重結合を分子内に2個以上有する多官能モノマーを添加することができる。このような化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールおよびジペンエリスリトールのトリ−、テトラ−もしくはヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能モノマーの添加量は感光層の全組成物中10質量%以下である。
【0071】
更に感光層の着色を目的として、染料もしくは顔料、例えばジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサントン系染料、アントラキノン系染料、イミノナフトキノン系染料、アゾメチン系染料、アゾ系染料、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料等を加えることが好ましい。更に焼き出し剤として、例えばトリハロメチル基含有化合物、ジアゾ単量体、スルホニウム塩、ヨードニウム塩といった光酸発生剤や光酸化剤と、pH指示薬、ロイコ染料の組み合わせを感光性組成物中に加えることもできる。
【0072】
また、本発明における感光性組成物は可塑剤などを含んでもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレートなどフタル酸ジアルキルエステル、オリゴエチレングリコールアルキルエステル、リン酸エステル系の可塑剤などを使用することができる。又ジアゾ樹脂の安定化剤としての各種酸化合物、現像促進の為のアルカリ水に可溶な酸基含有化合物を用いてもよい。更に、本発明における感光層には、感脂化剤、界面活性剤、フッ素系化合物、シリカ化合物等を添加することによって、感光層表面の性質を変える事も出来る。
【0073】
更に、感光性組成物中には、熱重合防止剤、酸化防止剤を配合することが好ましく、例えばハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用なものとして挙げられる。
【0074】
(感光層塗布方法)
本発明における感光性組成物各成分を溶解する溶媒に溶かして表面親水化処理を行ったアルミニウム支持体上に感光層として塗布することにより感光性平版印刷版を作成することができる。ここで使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル等があり、これらの溶媒を単独であるいは混合して使用することができる。また、これらの溶媒や混合溶媒に少量の水を添加してもよい。尚、上記成分の溶媒中の濃度(固形分)は、1〜50質量%である。
【0075】
これらの溶媒に溶解させた感光液を塗布し乾燥させる場合50℃〜120℃で乾燥させることが望ましい。乾燥方法は始め温度を低くして予備乾燥した後高温で乾燥させてもよいが、適当な溶媒と濃度を選ぶことによって直接高温で乾燥させてもよい。乾燥後の感光層の塗布量としては、0.1g/m2〜10g/m2の範囲が適当であり、好ましくは0.5g/m2〜5g/m2である。
【0076】
(支持体、製版方法など)
上記のようにして設けられた感光層の表面は、真空焼枠を用いた密着露光の際の真空引きの時間を短縮し、かつ焼きボケを防ぐ為、マット化することが好ましい。具体的には、特開昭50−125805号、同58−182636号、特公昭57−6582号の各公報に記載されているようなマット層を設ける方法、特公昭62−62337号公報に記載されているような固体粉末を熱融着させる方法などがあげられる。
【0077】
本発明の感光性平版印刷版の製造に用いる親水性を有する表面を有する支持体は、寸度的に安定な板状物であることが望ましい。かかる寸度的に安定な板状物としては、従来印刷版の支持体として使用されたものが含まれ、それらは本発明に好適に使用することができる。かかる支持体としては、紙、プラスチックス(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)がラミネートされた紙、アルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、銅などのような金属板、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタールなどのようなプラスチックフィルム、上記の如き金属がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルムなどが含まれる。これらの支持体のうち、アルミニウム板は寸度的に著しく安定であり、しかも安価であるうえ、本発明の感光層等との接着性が特に良好なので好ましい。更に、特公昭48−18327号公報に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートも好ましい。
【0078】
金属、特にアルミニウム支持体の場合には、砂目立て処理、陽極酸化処理などの表面処理がなされていることが好ましい。表面の親水性を高めるために、珪酸ソーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、リン酸塩等の水溶液への浸漬処理が行なわれることが好ましい。米国特許第2,714,066号明細書に記載されているように、砂目立てした後に珪酸ナトリウム水溶液に浸漬処理されたアルミニウム板、特公昭47−5125号公報に記載されているようにアルミニウム板を陽極酸化処理した後に、アルカリ金属珪酸塩の水溶液に浸漬処理したものも好適に使用される。
【0079】
また、米国特許第3,658,662号明細書に記載されているようなシリケート電着も有効である。さらに、特公昭46−27481号公報、特開昭52−58602号公報、特開昭52−30503号公報に開示されているような電解グレインを施した支持体と、上記陽極酸化処理及び珪酸ソーダ処理を組合せた表面処理も有用である。また、特開昭56−28893号公報に開示されているような、ブラシグレイン、電解グレイン、陽極酸化処理、更に珪酸ソーダ処理を順に行ったものも好適である。また、これらの処理を行った後に、水溶性の樹脂、例えばポリビニルフォスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体及び共重合体、ポリアクリル酸等を下塗りしたものも好適である。更に、特開平2−23348号、特願平2−151858号に開示されているものも好適である。これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性とするために施される以外に、その上に設けられる感光性組成物との有害な反応を防ぐため、また感光層との密着性の向上等のために施される。
【0080】
本発明の感光性平版印刷版をメタルハライドランプ、高圧水銀灯などのような紫外線に富んだ光源を用いて画像露光し、現像液で処理して感光層の未露光部を除去し、最後に不感脂化ガム液を塗布することにより平版印刷版とする。
【0081】
本発明の感光性平版印刷版に対する現像液としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア水などのような無機アルカリ剤の水溶液及びモノ、ジ又はトリエタノールアミン等の有機アミン化合物の水溶液が適当であり、それらの濃度が0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%になるように添加される。
【0082】
また、該アルカリ性水溶液には、必要に応じ界面活面剤やアルコールなどのような有機溶媒を加えることもできる。有機溶媒として好ましいものは、ベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ブトキシエタノール、n−プロピルアルコール等が挙げられる。界面活性剤としては、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ラウリルサルフェートナトリウム塩等のアニオン界面活性剤などが挙げられる。この他、ジアゾ溶解剤、例えば、亜硫酸塩、メチルレゾルシン、ピラゾロン化合物等の還元性物質を入れることも好ましい。また、米国特許第3,475,171号及び同第3,615,480号の各明細書に記載されているものを挙げることができる。更に、特開昭50−26601号、特公昭56−39464号及び同56−42860号の各公報に記載されている現像液も本発明の感光性平版印刷版の現像液として優れている。
【0083】
しかし、有機溶媒等を含有すると、作業時の毒性、臭気等の衛生上の問題、火炎、ガス爆発等の安全性の問題、泡の発生等の作業性の問題、廃液による公害等の問題、コストの問題等が発生するため、実質上有機溶媒を含まないものが好ましい。なお、「実質上有機溶媒を含まない」とは、前述の環境衛生、安全性、作業性等の点からみて不都合を生じる程度までは有機溶媒を含有しない、の意であり、本発明においては該物質の組成物中に占める割合が2質量%以下である事を言い、好ましくは1質量%以下である。このような、実質上有機溶媒を含まない水性アルカリ現像液として例えば特開昭59−84241号及び特開昭57−192952号公報等に記載されている、ポジ型平版印刷版を画像露光後、現像する際に用いられる現像液組成物を使用することができる。
【0084】
本発明の感光性組成物を用いた感光性平版印刷版は、特開昭54−8002号、同55−115045号、特開昭59−58431号の各公報に記載されている方法で製版処理してもよいことは言うまでもない。即ち、現像処理後、水洗してから不感脂化処理、またはそのまま不感脂化処理、または酸を含む水溶液での処理、または酸を含む水溶液で処理後不感脂化処理を施してもよい。さらに、この種の感光性平版印刷版の現像工程では、処理量に応じてアルカリ水溶液が消費されアルカリ濃度が減少したり、あるいは、自動現像液の長時間運転により空気によってアルカリ濃度が減少するため処理能力が低下するが、その際、特開昭54−62004号、同55−22759号、同55−115039号、同56−12645号、同58−95349号、同64−21451号、特開平1−180548号、特開平2−3065号に記載の補充液、並びに補充方法によって、処理能力を回復させることが出来る。
【0085】
また、上記のような製版処理は、特開平2−7054号、同2−32357号に記載されているような自動現像機で行なうことが好ましい。なお、製版工程の最終工程で所望により塗布される不感脂化ガムとしては、特公昭62−16834号、同62−25118号、同63−52600号、特開昭62−7595号、同62−11693号、同62−83194号の各公報に記載されているものが好ましい。現像処理の後に、必要に応じ消去・水洗・不感脂化処理の工程を行ったり、又、画像部の強度を高めることを目的として、後露光や、バーニング処理等を行う事も出来る。
【0086】
【実施例】
以下、本発明について実施例により更に詳細に説明する。ただし本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。なお「%」は他に指定がない限り質量%を示す。
【0087】
実施例1
厚さ0.24mmの1S材のアルミニウム板をナイロンブラシと400メッシュのパミストンの水性懸濁液を用いてその表面を砂目立した後、よく水で洗浄した。これを20%水酸化ナトリウム水溶液に70°Cで60秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20%硝酸で中和洗浄後、VA=12.7V、VC=9.1Vの正弦波交番波形電流を用い、1%硝酸水溶液中で170クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。これを25%水酸化ナトリウム水溶液に45°Cで10秒間浸漬してエッチングし、引き続き30%の硫酸水溶液中に浸漬し55°Cで2分間デスマットした後、7%硫酸水溶液中で酸化アルミニウムの被覆量が1.8g/m2になるように陽極酸化処理を行った。その後70°Cのケイ酸ナトリウムの3%水溶液に1分間浸漬処理し、水洗乾燥することにより表面を親水化処理したアルミ板を得た。
【0088】
以上のようにして得られたアルミニウム板に次に示す感光液(A)をバーを用いて塗布し、100°Cで1分間乾燥した。乾燥重量は1.0g/m2であった。
【0089】
【化16】
【0090】
【0091】
上記のようにして得られた感光性平版印刷版の上に、ステップウェッジ(濃度段差0.15、最高濃度15段)及び網点ネガフィルムを重ね、米国ヌアーク社製プリンターFT26V2UPNS(光源;2KWメタルハライドランプ)で200カウント露光した。その後、下記の現像液(A)に30°Cで12秒間浸漬し、脱脂綿にて軽くこすった後、水洗し、下記の不感脂化液で不感脂化処理し、平版印刷版を得た。このようにして得られた印刷版を印刷版〔1〕とする。
【0092】
現像液(A)
・ [SiO2]/[K2O]のモル比が1.2で、SiO2濃度が2.1質量%の珪酸カリウム水溶液 999g
・エチレンジアミン4酢酸の2ナトリウム塩 1g
【0093】
不感脂化液
・アラビアガム 5g
・白色デキストリン 30g
・エチレングリコール 10g
・リン酸 3g
・水 952g
上記のようにして作成した印刷版を小森印刷機(株)製印刷機リスロンにとりつけ、市販のインキを用い上質紙に印刷した。このとき、刷り始めから良好な印刷物が得られるまでの損紙の枚数を数えた。またその後印刷を続けていったときの耐刷性を確認した。
【0094】
以上の結果を表2に示す。なお表2における性能の評価は次の通りである。
・「着肉性」は、刷り始めから良好な印刷物が得られるまでの損紙の枚数を数えたものであり、損紙の枚数が少ないほど着肉性が良好であることを表す。
・「耐刷性」は、印刷物に本来インキが付着する部分がかすれたりインキがつかなくなったり、あるいは本来無地の部分にインキが付着したりした場合に刷了とし、そこに至るまでの印刷枚数を調べたものであり、枚数が多いほど耐刷性が良好であることを表す。
・「ブラインディングの発生」は、上記の印刷テストにおいて良好な印刷物が得られなくなった際、印刷版の画像部がほとんど磨耗していない場合は、「発生あり」とし、画像の磨耗以外の要因でインキが着肉せず良好な印刷物が得られなくなったことを表す。
【0095】
実施例2〜9、比較例1〜3
実施例1の中の感光液(A)に記載されているポリウレタン樹脂a、ジアゾ樹脂b、高分子化合物c、増感剤の添加量、乾燥重量などをそれぞれ表1に示すように変更し、それ以外は実施例1と同様にして、印刷版〔2〕〜〔9〕、印刷版〔比較1〕〜〔比較3〕を得た。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
なお、表1に示す樹脂成分の略号は以下のものを示す。
DMDI:4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
HMDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
BHP:2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸
TEG:テトラエチレングリコール
TMDI:テトラメチレンジイソシアネート
DEG:ジエチレングリコール
【0099】
DDA・DBS:4−ジアゾジフェニルアミン・ドデシルベンゼンスルホン酸塩
MDDA・DBS:3−メトキシ4−ジアゾジフェニルアミン・ドデシルベンゼンスルホン酸塩
DDA・DNS:4−ジアゾジフェニルアミン・ジブチルナフタレンスルホン酸塩
【0100】
MHDM:N−[6−(メタクリロイルオキシ)ヘキシル]−2,3−ジメチルマレイミド
MPDM:N−[3−(メタクリロイルオキシ)プロピル]−2,3−ジメチルマレイミド
HEM:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
AHDM:N−[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]−2,3−ジメチルマレイミド
ASPAA:N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド
BA:ブチルアクリレート
AN:アクリロニトリル
上記のようにして作成した印刷版を実施例1のときと同様に評価した。この結果を表2に示す。
【0101】
表2
【0102】
表2から分かるように、実施例1〜9の印刷版は刷り出し時の損紙が少なく、良好な着肉性を示す。また耐刷性も良好であり、このときブラインディングの発生はない。
一方、高分子化合物cを添加しない印刷版〔比較1〕は着肉性が悪く、またブラインディングが発生する。着肉性を向上させる化合物として特開昭63−262642号公報に記載されている化合物を添加した印刷版〔比較2〕もその効果は十分でない。一方ポリウレタン樹脂とジアゾ樹脂を含有していない光架橋性の感光性組成物よりなる印刷版〔比較3〕は耐刷性が低い。このように比較例の印刷版はいずれも十分な性能を有していない。
【0103】
実施例10
実施例1〜9で得られた感光性平版印刷版について、現像を下記現像液(B)で実施した以外はそれぞれの実施例と同様に行い、印刷版を得た。
現像液(B)
・D−ソルビット 25g
・水酸化カリウム 13g
・ジエチレントリアミンペンタ(メチレンスルホン酸)5ナトリウム塩 1g
・水 961g
【0104】
これらの印刷版について同様に評価したところ、着肉性は実施例1〜9の場合とそれぞれ±2枚程度の差しかなく、良好な着肉性を示した。耐刷性についてもそれぞれ±0.5万枚程度の差しかなく、良好な耐刷性を示した。またこのときいずれの印刷版にもブラインディングは発生していなかった。
【0105】
【発明の効果】
本発明の感光性組成物を用いた感光性平版印刷版は、着肉性が良好であり、またブラインディングを示さず、さらに非常に優れた耐刷性を示す。
Claims (3)
- 表面に親水化処理を施したアルミニウム支持体上に、酸性水素原子を持つポリウレタン樹脂、ジアゾ樹脂、及び下記一般式(A)で示される基を側鎖に2個以上有するアルカリ水可溶性もしくは膨潤性の高分子化合物、を含有する感光性組成物を含む感光層を設けてなる感光性平版印刷版であって、前記ポリウレタン樹脂と下記一般式(A)で示される基を側鎖に2個以上有するアルカリ可溶性もしくは膨潤性の高分子化合物とを合わせたポリマー類が、感光性組成物全質量に対して30質量%以上使用されており、ポリウレタン樹脂/下記一般式(A)で示される基を側鎖に2個以上有するアルカリ可溶性もしくは膨潤性の高分子化合物=5/95〜95/5(質量比)であって、ジアゾ樹脂が感光性組成物全質量に対して1〜50質量%含有されることを特徴とする感光性平版印刷版。
- 前記ポリウレタン樹脂と下記一般式(A)で示される基を側鎖に2個以上有するアルカリ可溶性もしくは膨潤性の高分子化合物とを合わせたポリマー類が、感光性組成物全質量に対して50〜90質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の感光性平版印刷版。
- 前記ジアゾ樹脂が感光性組成物全質量に対して3〜35質量%含有されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感光性平版印刷版。
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