JP3971516B2 - 感光性平版印刷版 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はネガ型に作用する感光性化合物と、耐摩耗性の優れた高分子化合物からなる感光性組成物を用いた感光性平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ネガ型に作用する感光性組成物において感光性物質として使用されているものの大多数はジアゾニウム化合物であり、その最も常用されているものにp−ジアゾジフェニルアミンのホルムアルデヒド縮合物に代表されるジアゾ樹脂がある。ジアゾ樹脂を用いた感光性平版印刷版の感光性層の組成物は、例えば米国特許第2,714,066号明細書に記載されているようにジアゾ樹脂単独のもの、つまり結合剤を使用しないものと、例えば特開昭50−30604号公報に記載されているように結合剤とジアゾ樹脂が混合されているものに分類することができるが、近年ジアゾニウム化合物を用いた感光性平版印刷版の多くのものは高耐刷性を持たせるためにジアゾニウム化合物と結合剤となるポリマーとからなっている。
【0003】
このような感光層としては特開昭50−30604号公報に記載されているように、未露光部が水性アルカリ現像液によって除去(現像)される所謂アルカリ現像型が知られているが、前記特開昭50−30604号公報に記載されているようにカルボン酸含有のモノマーを共重合させたポリマーは構造上、耐摩耗性が悪く、このような結合剤とジアゾ樹脂を感光層に含む感光性平版印刷版からは耐刷力の低い平版印刷版しか得られなかった。
また、耐摩耗性が優れた公知のポリマーとしてポリウレタン樹脂があり、更に、水性アルカリ現像性を付与する目的で、特開昭62−123452号、同62−123453号、同63−287946号、特開平1−134354号、同1−255854号、同1−271741号、同1−293336号、及び同2−24656号等の公報において、カルボキシル基を導入したポリウレタン樹脂とジアゾ樹脂との組合わせ系が開示されている。
【0004】
しかし、高温・高湿の環境に感光性平版印刷版を経時させると、現像性と耐刷性が充分ではなく、よりいっそうの改善が望まれていた。
また、ブラシ研磨により表面を粗面化処理し、硝酸電解により更に粗面化処理し、陽極酸化処理し、親水化処理したアルミニウム表面にジアゾ樹脂とウレタン樹脂を含有する感光性組成物を設けた感光性平版印刷版を用いると耐刷性が確かに向上するが、汚れやすいという問題も同時に生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記欠点を克服し、水性アルカリ現像液に対する現像性と耐刷性のバランスが高度に保たれ、かつ汚れにくい感光性平版印刷版を提供することである。
更に詳しくは、高温・高湿の環境に保存した場合でも現像性と耐刷性が優れており、かつ汚れにくい感光性平版印刷版を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、(1)ブラシ研磨により表面を粗面化処理し、(2) 塩酸電解により更に粗面化処理し、(3)陽極酸化処理し、(4)親水化処理したアルミニウム表面にジアゾ樹脂とアルカリ可溶性ウレタン樹脂を含有する感光性組成物層を設けたことを特徴とする感光性平版印刷版により、これらの目的が達成されることを見い出し、本発明に到達した。即ち本発明は、ジアゾ樹脂とアルカリ可溶性ウレタン樹脂の組合せの感光性組成物を設けることによる現像性及び耐刷性を高度に維持しつつ、ブラシ研磨による粗面化処理、塩酸電解による粗面化処理及び陽極酸化処理をして親水化処理したアルミニウム表面に前記ウレタン樹脂を含む感光層を設けることにより、汚れにくい平版印刷版を得ることができるという効果を奏するものである。
また、本発明の感光性平版印刷版における感光性組成物中に、全イソシアネート成分中に一般式(I)で示されるジイソシアネートが40〜90モル%含まれるイソシアネート成分と、全アルコール成分中に一般式(II)、(III) 又は(IV)で示されるジオールが30〜90モル%含まれるジオール成分との反応生成物であるポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする感光性平版印刷版は、さらに耐刷性及び汚れ難さが向上し、好ましい。
【0007】
【化4】
Figure 0003971516
【0008】
式中、R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ同一でも異っていてもよく、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数1〜6個のアルコキシ基又はハロゲン原子を示す。R5 は水素原子又は置換基を有していても良いアルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ基、アリーロキシ基を示し、R6 、R7 、R8 はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、単結合、置換基を有していてもよい2価の脂肪族又は芳香族炭化水素を示す。また、R5 、R6 、R7 、R8 の2又は3個で環を形成していても良い。Arは置換基を有していてもよい3価の芳香族炭化水素を示す。
【0009】
【発明の実施の態様】
以下、本発明における感光性組成物に用いられる成分と、本発明の感光性平版印刷版の製造法及び使用法について、詳細に説明する。
1)支持体及びその表面処理
[支持体]
本発明に用いられる支持体としては、アルミニウム板(アルミニウム合金を含む)が寸度的に安定であり、安価であるので特に好ましい。さらに、本発明の感光性平版印刷版に好適に使用される支持体は、鉄を0.1〜0.5%、ケイ素を0.03〜0.3%、銅を0.001〜0.03%、更にチタンを0.002〜0.1%含有する1Sアルミニウム板を、アルカリ好ましくは、1〜30%の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム等の水溶液に、20〜80℃の温度で5秒〜250秒間浸漬してエッチングする。エッチング浴には、アルミニウムイオンをアルカリの5分の1程度加えても良い。ついで、10〜30%硝酸または硫酸水溶液に20〜70℃の温度で5秒〜250秒間浸漬して、アルカリエッチング後の中和及びスマット除去を行ってもよい。このアルミニウム合金板の表面清浄化後、下記の粗面化処理が行われる。
【0010】
[ブラシ研磨]
上記アルミニウム板は以下のように粗面化処理が行われる。
まず、研磨粒子のスラリーを注入しながらナイロンブラシで粗面化するブラシグレイニングを行う。
【0011】
[塩酸電解]
その後、塩酸を電解液とする電解グレイニングにより粗面化処理を行う。
塩酸水溶液による電解グレイニングを行う際の塩酸濃度は0.1%〜8.0%が好ましく、特に0.5%〜4.0%が好ましい。また、この塩酸水溶液には塩化ナトリウム等の塩類を添加してもよく、添加量としては0.01%〜5.0%が好ましい。電解グレイニングを行う際の浴温は10℃〜60℃が好ましく、特に15℃〜50℃が好ましい。また電流密度としては5A/dm2 〜18A/dm2 が好ましく、特に8A/dm2 〜15A/dm2 が好ましい。
塩酸電解グレイニングにおいては直径0.2〜2.0μm の半球状のピット密度が50〜1000個/μm2生成しているものが好ましい。ピットの直径及び密度のコントロールは処理時の電流密度、処理温度、処理液の塩酸濃度によりコントロールされる。直径が0.2μm 以下および/または密度が1000個/μm2以上であると耐刷不良となり、直径が2.0μm 以上および/または密度が50個/μm2以下であると汚れやすくなる。
【0012】
[陽極酸化]
上述した粗面化処理によって表面を砂目立てした後、必要に応じて酸又はアルカリによりエッチング処理し、引き続いて硫酸、リン酸、しゅう酸、硼酸、クロム酸、スルファミン酸又はこれらの混酸中で直流又は交流電源にて陽極酸化を行い、アルミニウム表面に強固な不動態皮膜を設ける。
このような陽極酸化方法として特に好ましくは、硫酸またはリン酸を含む浴で処理する方法が挙げられる。さらに特開昭55−28400号公報に開示されている硫酸とリン酸の混酸もまた有用である。
硫酸法は通常直流電流で処理が行われるが、交流を用いることも可能である。硫酸の濃度5〜30%、20〜60℃の温度範囲で5〜250秒間電解処理されて、表面に1〜10g/m2の酸化皮膜が設けられる。この電解液には、アルミニウムイオンが含まれていることが好ましい。さらにこのときの電流密度は1〜20A/dm2 が好ましい。リン酸法の場合には、5〜50%のリン酸濃度、30〜60℃の温度で、10〜300秒間、1〜15A/dm2 の電流密度で処理される。
【0013】
また、このようにして処理されたアルミニウム支持体には、更に必要に応じて米国特許第2,714,066号明細書や米国特許第3,181,461号明細書に記載されいる珪酸塩(ケイ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム)処理、米国特許第2,946,638号明細書に記載されている弗化ジルコニウム酸カリウム処理、米国特許第3,201,247号明細書に記載されているホスホモリブデート処理、英国特許第1,108,559号に記載されているアルキルチタネート処理、独国特許第1,091,433号明細書に記載されているポリアクリル酸処理、独国特許第1,134,093号明細書や英国特許第1,230,447号明細書に記載されているポリビニルホスホン酸処理、特公昭44−6409号公報に記載されているホスホン酸処理、米国特許第3,307,951号明細書に記載されているフィチン酸処理、特開昭58−16893号や特開昭58−18291号の各公報に記載されている親水性有機高分子化合物と2価の金属との塩による処理、特開昭59−101651号公報に記載されているスルホン酸基を有する水溶性重合体の下塗りによって親水化処理を行ったもの、特開昭60−64352号公報に記載されている酸性染料による着色を行ったものは特に好ましい。その他の親水化処理方法としては米国特許第3,658,662号明細書に記載されているシリケート電着をも挙げることが出来る。また、砂目立て処理及び陽極酸化後、封孔処理を施したものが好ましい。かかる封孔処理は熱水及び無機塩または有機塩を含む熱水溶液への浸漬ならびに水蒸気浴などによって行われる。さらに、アルミニウム支持体には下塗りを施してもよい。
【0014】
下塗りに用いられる化合物としては例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩、特開昭59−101651号公報に記載されているスルホン酸基を有する水溶性重合体、及び特開昭60−64352号公報に記載されている酸性染料等が好ましく用いられる。この下塗層は、水、メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどもしくはそれらの混合溶剤に上記の化合物を溶解させ、支持体上に塗布、乾燥して設けることができる。また、感光性平版印刷版の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもできる。下塗層の乾燥後の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。
本発明の感光性平版印刷版は、上述したように、アルミニウム板をブラシ研磨により表面を粗面化し、塩酸電解により更に粗面化処理し、陽極酸化を行って、必要に応じてその他の親水化処理をしたのち、後述する感光性組成物層を設ける。
【0015】
2)感光性組成物層
本発明における感光性組成物層はジアゾ樹脂とアルカリ可溶性ウレタン樹脂を含有するものである。
[ウレタン樹脂]
本発明における感光性組成物中のウレタン樹脂が、全イソシアネート成分中に一般式(I)で示されるジイソシアネートが40〜90モル%含まれるイソシアネート成分と、全アルコール成分中に一般式(II)、(III) 又は(IV)で示されるジオールが30〜90モル%含まれるジオール成分との反応生成物であるポリウレタン樹脂であると、さらに耐刷性が向上し、かつ汚れ難くなり好ましい。
【0016】
【化5】
Figure 0003971516
【0017】
式中、R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ同一でも異っていてもよく、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数1〜6個のアルコキシ基又はハロゲン原子を示す。R5 は水素原子又は置換基を有していても良いアルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ基、アリーロキシ基を示し、R6 、R7 、R8 はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、単結合、置換基を有していてもよい2価の脂肪族又は芳香族炭化水素を示す。また、R5 、R6 、R7 、R8 の2又は3個で環を形成していても良い。Arは置換基を有していてもよい3価の芳香族炭化水素を示す。
【0018】
<ジオール化合物>
上記ポリウレタン樹脂中のジオール化合物についてさらに詳細に説明する。
上記一般式(II)において、R5 は水素原子又は置換基を有していても良いアルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ基を示す。置換基としては、例えば、シアノ、ニトロ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、−CONH2 、−COOR15、−OR15、−NHCONHR15、−NHCOOR15、−NHCOR15、−OCONHR15、−CONHR15(ここで、R15は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基を示す。)などの各基が含まれる。好ましいR5 としては、水素原子、炭素数1〜8個のアルキル基、炭素数6〜15個のアリール基が挙げられる。
一般式(II)〜(IV) におけるR6 、R7 、R8 はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、単結合、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい2価の脂肪族又は芳香族炭化水素を示す。好ましくは、炭素数1〜20個のアルキレン基、炭素数6〜15個のアリーレン基、更に好ましくは炭素数1〜8個のアルキレン基を示す。又必要に応じ、R6 、R7 、R8 中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えば、カルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド、エーテル基を有していてもよい。またR5 、R6 、R7 、R8 の2又は3個で環を形成していても良い。
Arは置換基を有していてもよい3価の芳香族炭化水素を示し、好ましくは炭素数6〜15個の芳香族基を示す。
【0019】
一般式(II)、(III) 又は(IV)で示されるカルボキシル基を有するジオール化合物の代表的なものとしては、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシプロピオンアミド等が挙げられる。この中では特に2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸が好ましい。
【0020】
また、上記ポリウレタン樹脂がさらに下記一般式(VI) 、(VII) 又は(VIII)で示されるジオール化合物に由来する構造単位を1重量%以上有し、カルボキシル基を0.4meq/g 以上有することにより、感光性平版印刷版の耐刷性がさらに向上するので好ましい。
【0021】
【化6】
Figure 0003971516
【0022】
10、R11、R12及びR14はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、2価の脂肪族又は芳香族炭化水素を示し、R13は2価の脂肪族炭化水素を示し、n1、n2、及びn3はそれぞれ2以上の整数を示す。
好ましくは、R10、R12、R14はそれぞれ炭素数2〜20個のアルキレンまたは炭素数6〜15個のアリーレン基、さらに好ましくは炭素数2〜10個のアルキレンまたは炭素数6〜10個のアリーレン基を示し、R11は炭素数1〜20個のアルキレンまたは炭素数6〜15個のアリーレン基、さらに好ましくは炭素数1〜10個のアルキレンまたは炭素数6〜10個のアリーレン基を示し、R13は炭素数2〜20個のアルキレン基、更に好ましくは炭素数2〜10個のアルキレン基を示す。またR10、R11、R12、R13及びR14中には、イソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエーテル、カルボニル、エステル、シアノ、オレフィン、ウレタン、アミド、ウレイド基またはハロゲン原子等であってもよい。
一般式(VI) 、(VII) 又は(VIII)で示されるジオール化合物としては、具体的には、以下に示すものが含まれる。
【0023】
【化7】
Figure 0003971516
【0024】
【化8】
Figure 0003971516
【0025】
具体例中nは2以上の整数を示す。
上記のポリウレタン樹脂をネガ型に作用するジアゾニウム化合物と組み合わせて用いる場合、該ジアゾニウム化合物の光架橋の効率を上げる目的で、ヒドロキシル基および/またはニトロ基をこのポリウレタン樹脂に導入してもよい。ヒドロキシル基および/またはニトリル基の導入は、例えば、ヒドロキシル基および/またはニトリル基を有するハロゲン化合物を塩基存在下に該ポリウレタン樹脂のカルボキシル基の一部と反応させることにより達成できる。
また、ニトリル基の場合、ニトリル基を有するジオール化合物を一般式(II)〜(IV)のジオール化合物と併用することによってもポリウレタン樹脂中に導入することができる。
【0026】
また更に一般式(II)〜(IV)のジオール化合物と、具体的には以下に示すジオール化合物とを併用してもよい。即ち、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ジプロピレングリコール、1,2−トリプロピレングリコール、1,2−テトラプロピレングリコール、1,3−ジプロピレングリコール、1,3−ジブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、p−キシリレングリコール、ジヒドロキシエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,4−トリレンジカルバメート、2,4−トリレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、ビス(2−ヒドロキシエチル)−m−キシリレンジカルバメート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート等が挙げられる。この中で好ましいものは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−トリプロピレングリコール、1,2−テトラプロピレングリコールであり、特に好ましいものは、トリエチレングリコール及びテトラエチレングリコールである。
【0027】
<ジイソシアネート化合物>
以下に本発明に好適に使用されるポリウレタン樹脂における、一般式(I)で表されるジイソシアネート化合物について述べる。
一般式(I)で示されるジイソシアネート化合物の代表的なものとして、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−(2,2−ジフェニルプロパン)ジイソシアネートが挙げられる。更に必要に応じ、一般式(I)で示されるジイソシアネート化合物に加え、以下に示すジイソシアネート化合物が、本発明の好ましい組成範囲内で併用される。
即ち、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1、5−ナフチレンジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の如き芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の如き脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の如き脂環族ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等の如きジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物等が挙げられる。
【0028】
一般式(I)のジイソシアネート化合物と併用するジイソシアネート化合物としては、上記の中でヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びm−キシリレンジイソシアネートが特に好ましい。また上記のジイソシアネート化合物2種以上を用い、一般式(I)のジイソシアネートと組合せてもよい。
【0029】
本発明に好適に使用されるポリウレタン樹脂では、上記一般式(I)で示されるジイソシアネート化合物の含量が全ジイソシアネート成分中、40〜90モル%であり、好ましくは50〜85モル%、更に好ましくは60〜80モル%である。残りの成分は、一般式(I)のジイソシアネート化合物と併用される上記ジイソシアネート化合物が用いられる。また一般式(II)、(III)、 (IV) で示されるジオール化合物の含量は、全ジオール成分中30〜90モル%であり、好ましくは40〜80モル%、更に好ましくは50〜70モル%である。残りの部分は、一般式(II)、(III)、 (IV) のジオール化合物と併用される上記ジオール化合物を用いることができ、上記ジオール化合物2種以上を用いて一般式(II)、(III)、 (IV) のジオール化合物と組合せて使用してもよい。特に一般式(II)、(III)、 (IV) で示されるジオール化合物と一般式(VI) 、(VII) 又は(VIII)で示されるジオール化合物を併用することが好ましく、このとき一般式(VI) 、(VII) 又は(VIII)で示されるジオール化合物に由来する構造単位を1重量%以上有し、ポリウレタン樹脂はカルボキシル基を0.4meq/g 以上有することが好ましい。
【0030】
本発明に好適に使用される上記ポリウレタン樹脂の分子量は重量平均(ポリスチレン標準)で40,000以上が好ましい。一般に分子量が高ければ、耐刷性が優れるが、現像性は低下する。逆に分子量が低い場合、現像性は向上するが、耐刷性が低下する。本発明の組成を有するポリウレタン樹脂においては、重量平均分子量が40,000より小さい場合は、耐刷性、劣化の問題があり好ましくない。好ましい重量平均分子量は50,000〜500,000 であり、更に好ましくは70,000〜200,000 である。このときの分散度(Mw/Mn)は20以下であり、好ましくは16以下、更に好ましくは14以下である。20以上の場合には、重量平均分子量が40,000より小さい低分子量成分の有意量が混在し、耐刷性劣化の問題を生じる。
【0031】
本発明のポリウレタン樹脂の感光性組成物中の含量は、固型分換算で50〜97重量%、好ましくは70〜95重量%である。本発明のポリウレタン樹脂は上記ジイソシアネート化合物及びジオール化合物を非プロトン性溶媒中、それぞれの反応性に応じた活性の公知な触媒を添加し、加熱することにより合成される。使用するジイソシアネート及びジオール化合物のモル比は好ましくは0.8:1〜1.2:1であり、ポリマー末端にイソシアネート基が残存した場合、アルコール類又はアミン類等で処理することにより、最終的にイソシアネート基が残存しない形で合成される。
【0032】
[ジアゾ樹脂]
本発明に使用されるジアゾ樹脂は、芳香族ジアゾニウム塩と活性カルボニル基含有化合物、例えばホルムアルデヒドとの縮合物で代表されるジアゾ樹脂、又はカルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、リンの酸素酸基、ヒドロキシル基の少なくとも1つを有する芳香族化合物と芳香族ジアゾニウム化合物とを構成単位として含む共縮合ジアゾ樹脂、又は芳香族アミン、フェノール、フェノールエーテル、芳香族チオエーテル、芳香族炭化水素、芳香族複素環化合物、有機酸アミドを有する芳香族化合物と芳香族ジアゾニウム化合物とを構成単位として含む共縮合ジアゾ樹脂である。これらのジアゾ樹脂において対アニオンは特公平7−120038号公報に記載されているような無機酸、有機酸アニオンが用いられる。
【0033】
上述したジアゾ樹脂において、対アニオンが無機酸アニオン又は炭素数3以下の脂肪族の有機酸アニオンであるジアゾ樹脂(a)と、対アニオンが炭素数6以上の脂肪族又は芳香族の有機酸アニオンであるジアゾ樹脂(b)とを含有することが好ましく、樹脂(a)と樹脂(b)の重量比は、好ましくは0.1:0.9〜0.9:0.1の範囲であり、より好ましくは0.2:0.8〜0.8:0.2の範囲である。ジアゾ樹脂(a)の比率が0.1より小さい場合(ジアゾ樹脂(b)の比率が0.9より大きい場合)は、支持体との密着性が劣り耐刷力が低下する。一方、ジアゾ樹脂(a)の比率が0.9より大きい場合(ジアゾ樹脂(b)の比率が0.1より小さい場合)は、感光層の耐摩耗性が劣り耐刷力が低下する。
ジアゾ樹脂とポリウレタン樹脂の比率は好ましくは重量比で3:97〜30:70の範囲であり、より好ましくは5:95〜25:75の範囲である。
【0034】
上記ジアゾ樹脂aの対アニオンを形成する無機酸又は炭素数3以下の脂肪族の有機酸としては、ヘキサフルオロ燐酸、テトラフルオロ硼酸、リン酸、リンタングステン酸、チオシアン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸もしくはこれらの混合物が挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、ヘキサフルオロ燐酸、テトラフルオロ硼酸である。
【0035】
一方、ジアゾ樹脂bの対アニオンを形成する炭素数6以上の脂肪族又は芳香族の有機酸としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、5−スルホサリチル酸、パラトルエンスルホン酸、ラウリルスルホン酸、ジオクチルスルホコハク酸、ジシクロヘキシルスルホコハク酸、カンファースルホン酸、トリルオキシ−3−プロパンスルホン酸、ノニルフェノキシ−3−プロパンスルホン酸、ノニルフェノキシ−4−ブタンスルホン酸、ジブチルフェノキシ−3−プロパンスルホン酸、ジアミルフェノキシ−3−プロパンスルホン酸、ジノニルフェノキシ−3−プロパンスルホン酸、ジブチルフェノキシ−4−ブタンスルホン酸、ジノニルフェノキシ−4−ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、p−アセチルベンゼンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−クロロ−5−ニトロベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ブトキシベンゼンスルホン酸、ドデシルオキシベンゼンスルホン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルベンゼンスルホン酸、イソプロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ヘキシルナフタレンスルホン酸、オクチルナフタレンスルホン酸、ブトキシナフタレンスルホン酸、ドデシルオキシナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、ジオクチルナフタレンスルホン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、トリブチルナフタレンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、ナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1,8−ジニトロナフタレン−3,6−ジスルホン酸、4,4′−ジアジド−スチルベン−3,3′−ジスルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−1−ジアジド−4−スルホン酸もしくはこれらの混合物が挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、オクチルナフタレンスルホン酸である。
【0036】
[その他の成分]
本発明における感光性組成物中に、下記一般式(V) で示される化合物を感光層の総重量に対し0.1〜20重量%の範囲で添加すると、耐刷性が更に向上し、好ましい。
【0037】
【化9】
Figure 0003971516
【0038】
9 は水素又は炭素数1〜2のアルキル基、又はアリール基、X、Yは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子(例えばナトリウム、カリウム、カルシウム)又はアミン類を示す。
【0039】
一般式(V) の化合物として、4−ヒドロキシ−2−スルホベンゾイックアシッド、4−ヒドロキシ−3−スルホベンゾイックアシッド、5−ヒドロキシ−3−スルホベンゾイックアシッド、6−ヒドロキシ−3−スルホベンゾイックアシッド、2−ヒドロキシ−4−スルホベンゾイックアシッド、3−ヒドロキシ−4−スルホベンゾイックアシッド、5−スルホ−o−クレソチックアシッド、5−スルホ−p−クレソチックアシッド、5−スルホ−m−クレソチックアシッド、1−ヒドロキシ−5−スルホナフトイックアシッド、および/またはそのアルカリ金属塩(例えばナトリウム、カリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩)、アンモニウム塩などを挙げることができる。特に、6−ヒドロキシ−3−スルホベンゾイックアシッドと5−スルホクレソチックアシッドのo−、m−、p−異性体が好ましい。
これら化合物の少なくとも一種を感光層の総重量に対して0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%使用する。0.1重量%以下では、露光時の耐刷性の効果がなく、20重量%以上になると、キズがつきやすく、耐刷性も低下する。
【0040】
また、本発明において使用される組成物中には、前述のポリウレタン樹脂の他にフェノールホルムアルデヒド樹脂、クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等、公知のアルカリ可溶性の高分子化合物を含有させることができる。かかるアルカリ可溶性の高分子化合物は全組成物の70重量%以下の添加量で用いられる。
【0041】
本発明において使用される組成物中には、露光後直ちに可視像を得るための焼出し剤、画像着色剤として染料、顔料、安定剤、界面活性剤、可塑剤、感脂化剤やその他のフィラーなどを加えることができる。露光後直ちに可視像を得るための焼出し剤としては露光によって酸を放出する感光性化合物と塩を形成し得る有機染料との組合せを代表として挙げることができる。具体的には特開昭50−36209号公報、特開昭53−8128号公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハライドと塩形成性有機染料の組合せや特開昭53−36223号公報、特開昭54−74728号公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。画像の着色剤として前記の塩形成有機染料以外の他の染料も用いることができる。塩形成性有機染料を含めて好適な染料として油溶性染料及び塩基性染料を挙げることができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#130、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上、オリエント化学工業株式会社製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
【0042】
更に安定剤としては、リン酸、亜リン酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、ジピコリン酸、リンゴ酸、酒石酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、p−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、4−スルホフタル酸、トリカルバリル酸、フェニルホスホン酸等が挙げられる。また界面活性剤としては、弗素系界面活性剤またはシリコーン系界面活性剤が好ましい。
また可塑剤としてはトリクレジルホスフェート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート、クエン酸トリブチル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。更にまた、感脂化剤としては、特公昭62−60701号、特開昭63−262642号の各公報に記載されているものが好ましい。更に、現像促進剤(例えば高級アルコール、酸無水物等)等が好ましく用いられる。これらの添加剤の添加量はその使用対象、目的によって異なるが、一般に感光性組成物の固形分に対して、0.01〜30重量%である。
【0043】
本発明における感光性組成物は、上記各成分を溶解する溶媒に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、テトラメチルウレア、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、トルエン、酢酸エチル等があり、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。そして、上記成分の濃度(固形分)は、2〜50重量%である。また、塗布量は用途により異なるが、例えば感光性平版印刷版についていえば、一般的に固型分として0.5〜3.0g/m2が好ましい。塗布量が少くなるにつれ感光性は大になるが、感光膜の物性は低下する。
【0044】
感光層上には相互に独立して設けられた突起物により構成されるマット層を設けることが好ましい。マット層の目的は密着露光におけるネガ画像フィルムと感光性平版印刷版との真空密着性を改良することにより、真空引き時間を短縮し、さらに密着不良による露光時の微少網点のつぶれを防止することである。マット層の塗布方法としては、特公昭62−62337号に記載されているパウダリングされた固体粉末を熱融着する方法、特開昭50−125805号、特公昭57−6582号、同61−28986号、特公平3−21902号に記載されているポリマー含有水をスプレーし乾燥させる方法などがあり、いずれの方法もを用いうる。マット層は実質的に有機溶剤を含まない水性現像液に溶解するか、あるいはこれにより除去可能な物質から構成されることが望ましい。
【0045】
粗面化されたアルミニウム板上に塗布され乾燥された感光性組成物層を有する感光性平版印刷版は、画像露光後アルカリ水溶液系現像液で現像することにより原画に対してネガのレリーフ像が得られる。露光に好適な光源としては、カーボンアーク灯、水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、ストロボ、紫外線、レーザ光線などがあげられる。上記感光性平版印刷版の現像に使用されるアルカリ水溶液系現像液としては、特開昭51−77401号、同51−80228号、同53−44202号や同55−52054号の各公報に記載されている様な現像液であって、pH=8〜13、水が75重量%以上含まれるものが好ましい。必要により水に対する溶解度が常温で10重量%以下の有機溶媒(ベンジルアルコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アルカリ剤(トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム)、アニオン界面活性剤(芳香族スルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩)、ノニオン界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー)、汚れ防止剤(亜硫酸ナトリウム、スルホピラゾロンのナトリウム塩)や硬水軟化剤(エチレンジアミンテトラ酢酸四ナトリウム塩、ニトリロ三酢酸三ナトリウム塩)を加えることができる。
【0046】
本発明の感光性平版印刷版は、特開昭54−8002号、同55−115045号、特開昭59−58431号の各公報に記載されている方法で製版処理してもよいことは言うまでもない。即ち、現像処理後、水洗してから不感脂化処理、またはそのまま不感脂化処理、まはた酸を含む水溶液での処理、または酸を含む水溶液で処理後不感脂化処理を施してもよい。さらに、この種の感光性平版印刷版の現像工程では、処理量に応じてアルカリ水溶液が消費されアルカリ濃度が減少したり、あるいは、自動現像液の長時間運転により空気によってアルカリ濃度が減少するため処理能力が低下するが、その際、新鮮な未使用の現像液(補充液)を添加するか、又は特開昭54−62004号に記載のようにアルカリ度の高い補充液を用いて処理能力を回復させてもよい。この場合、処理されるPS版の一片の長さに比例する量の補充液を添加する方法や米国特許第4,882,246号に記載されている方法で補充することが好ましい。
【0047】
また、上記のような製版処理は、特開平2−7054号、同2−32357号公報に記載されているような自動現像機で行なうことが好ましい。なお、製版工程の最終工程で所望により塗布される不感脂化ガムとしては、特公昭62−16834号、同62−25118号、同63−52600号、特開昭62−7595号、同62−11693号、同62−83194号の各公報に記載されているものが好ましい。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、水性アルカリ現像液に対する現像性と耐刷性のバランスが高度に保たれ、かつ汚れにくい感光性平版印刷版を提供する。
特に、高温、高湿下で保存した後の現像性及び耐刷性を顕著に維持しながら、かつ汚れ難いという効果を奏する。
【0049】
【実施例】
以下、本発明を合成例、実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
[基板の作成方法]
厚さ0.24mm、幅1000mmのアルミニウム板(材質1100)をアルカリ脱脂し、水洗したのち、ストンパウダー20%水溶液の研磨剤を使用してブラシ研磨した。次に、10%水酸化ナトリウム浴で、研磨残さをよく除去し、水洗した後、塩酸1.0%を含む電解液(30℃)中で、電流密度をふり、10秒間交流電解研磨した。次いで、水洗し、10%硫酸浴(30℃)中、電流密度2A/dm2 で60秒間陽極酸化し、水洗したのち、5%珪酸カリウム(40℃)中で、電流密度2A/dm2 として15秒間、交流陽極酸化処理を施し、水洗、乾燥して陽極酸化アルミニウム板(1)、(2)及び(3)を得た。
【0050】
【表1】
Figure 0003971516
【0051】
厚さ0.24mm、幅1000mmのアルミニウム板(材質1100)をアルカリ脱脂し、水洗したのち、ストンパウダー20%水溶液の研磨剤を使用してブラシ研磨した。次に、10%水酸化ナトリウム浴で、研磨残さをよく除去し、水洗した後、硝酸1.0%を含む電解液(30℃)中で、電流密度をふり、10秒間交流電解研磨した。次いで、水洗し、10%硫酸浴(30℃)中、電流密度2A/dm2 で60秒間陽極酸化し、水洗したのち、5%珪酸カリウム(40℃)ちゅうで、電流密度2A/dm2 として15秒間、交流陽極酸化処理を施し、水洗、乾燥して陽極酸化アルミニウム板(4)、(5)及び(6)を得た。
【0052】
【表2】
Figure 0003971516
【0053】
[ポリウレタン樹脂の合成方法]
コンデンサー、攪拌機を備えた500mlの3つ口丸底フラスコに2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸21.4g(0.16モル)、テトラエチレングリコール7.8g(0.04モル)を加え、N,N−ジメチルアセトアミド120mlに溶解した。これに4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート35.0g(0.14モル)、ヘキサメチレンジイソシアネート10.1g(0.06モル)を添加し、100℃にて8時間、加熱攪拌した。その後、N,N−ジメチルホルムアミド120ml及びメタノール60mlにて希釈した。反応溶液を水4リットル中に攪拌しながら投入し、白色のポリマーを析出させた。このポリマーを濾別し、水で洗浄後、真空下乾燥させることにより73gのポリマーを得た(ポリウレタン樹脂▲1▼)。
【0054】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて分子量を測定したところ、重量平均(ポリスチレン標準)で85,000、分散度は4.1であった。更に滴定により、カルボキシル基含有量(酸価)を測定したところ2.10 meq/gであった(ポリウレタン樹脂▲1▼)。
以下ポリウレタン樹脂▲1▼と同様にして、表3に示したジイソシアネート化合物とジオール化合物を用い、ポリウレタン樹脂▲2▼〜▲7▼を合成した。
更にGPCにより分子量を測定し、滴定により酸価を測定した。(測定した酸価並びに分子量、分散度を表4に示す。また分子量はいずれも重量平均(ポリスチレン標準)で示す。)
【0055】
【表3】
Figure 0003971516
【0056】
【化10】
Figure 0003971516
【0057】
【表4】
Figure 0003971516
【0058】
[ジアゾ樹脂]
また、実施例においては以下のジアゾ樹脂を使用した。
ジアゾ樹脂−Aは、特開昭59−78340号公報の合成例−1に記載のp−ジアゾジフェニルアミンとパラホルムアルデヒドとの縮合物のヘキサフルオロリン酸塩である。ジアゾ樹脂−Bは、p−ジアゾジフェニルアミンとパラホルムアルデヒドとの縮合物のドデシルベンゼンスルホン酸塩である。
【0059】
【化11】
Figure 0003971516
【0060】
[実施例1〜4及び比較例1〜4]
上述したように作成されたアルミニウム支持体(1)〜(6)に次に示す感光液をホイラーを用いて塗布し、80℃で2分間乾燥した。乾燥重量は1.5g/m2であった。
感光性組成物
ポリマー(表−5) 5.00g
ジアゾ樹脂−B 0.50g
油溶性染料(ビクトリアピュアブルーBOH) 0.10g
リンゴ酸 0.05g
F−176PF 0.02g
(大日本インキ社製フッ素系界面活性剤)
1−メトキシ−2−プロパノール 100.00g
【0061】
この感光性平版印刷版を、富士写真フイルム製PSライトで1mの距離から30秒間画像露光し、800H(富士写真フイルム(株)製自動現像機)で、DN−3C(富士写真フイルム(株)製アルカリ水溶液系現像液)を水で1:1に希釈した液にて現像し、直ちにFN−2(富士写真フイルム(株)製ガム液)を水で1:1に希釈した液を用いて30℃、20秒間で現像ガム引き処理を行い、平版印刷版を作成した。
各印刷版をハイデルベルグ社製SOR−KZ印刷機に取り付け、市販のインキを用いて、上質紙で印刷し、印刷可能枚数及び印刷物の汚れの程度を調べ、表4にその結果を示した。
【0062】
【表5】
Figure 0003971516
【0063】
塩酸電解による粗面化処理を行った基板上に、ポリウレタン樹脂を含む感光層を設けた感光性平版印刷版はいずれも汚れ難く、かつ耐刷性も良好であった(実施例1〜4)。これに対し、硝酸電解による粗面化処理を行った基板上にポリウレタン樹脂を含む感光層を設けた感光性平版印刷版は、汚れ難さ又は耐刷性のいずれかにおいて劣る結果であった(比較例1〜3)。また、基板が塩酸電解による粗面化処理が行われていても、ポリウレタン樹脂を含む感光層を用いない場合には、耐刷性は不十分であった(比較例4)。
【0064】
[実施例5〜16]
基板(1)に下記の塗布液をホイラーで塗布し、80℃で2分間乾燥し、1.5g/m2 の塗布量の感光層を設けた。
感光性組成物
ポリマー(表−6) 5.00g
ジアゾ樹脂(表−6) 0.50g
油溶性染料(ビクトリアピュアブルーBOH) 0.10g
6−ヒドロキシ−3−スルホ−
ベンゾイックアシッド(表−6) Xg
F−176PF 0.02g
(大日本インキ社製フッ素系界面活性剤
1−メトキシ−2−プロパノール 100.00g
【0065】
このようにして得られた感光性平版印刷版を実施例1と同様に製版し、印刷を行った。耐刷性及び汚れ難さを評価した結果を表−6に示す。
【0066】
【表6】
Figure 0003971516

Claims (6)

  1. (1)ブラシ研磨により表面を粗面化処理し、(2)塩酸電解により更に粗面化処理し、(3)陽極酸化処理し、(4)親水化処理したアルミニウム基板表面にジアゾ樹脂とアルカリ可溶性ウレタン樹脂を含有する感光性組成物層を設けたことを特徴とする感光性平版印刷版であって、
    前記アルカリ可溶性ウレタン樹脂が、全イソシアネート成分中に一般式( I )で示されるジイソシアネートが40〜90モル%含まれるイソシアネート成分と、全アルコール成分中に一般式( II )、 (III) 又は (IV) で示されるジオールが30〜90モル%含まれるジオール成分との反応生成物である、上記感光性平版印刷版。
    Figure 0003971516
    式中、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 はそれぞれ同一でも異っていてもよく、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数1〜6個のアルコキシ基又はハロゲン原子を示す。R 5 は水素原子又は置換基を有していても良いアルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ基、アリーロキシ基を示し、R 6 、R 7 、R 8 はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、単結合、置換基を有していてもよい2価の脂肪族又は芳香族炭化水素を示す。また、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 の2又は3個で環を形成していても良い。Arは置換基を有していてもよい3価の芳香族炭化水素を示す。
  2. 該アルカリ可溶性ウレタン樹脂が、一般式( I )で示されるジイソシアネートが60〜80モル%含まれるイソシアネート成分と、一般式( II )、( III )または( IV )で示されるジオールが40〜80モル%含まれるジオール成分の反応生成物であり、重量平均分子量が 70,000 200,000 、分散度(Mw / Mn)が14以下であることを特徴とする請求項1記載の感光性平版印刷版。
  3. 塩酸電解による粗面化処理により、アルミニウム基板表面に直径が0.2〜2.0μmの半球状のピットを密度が50〜1000個/μm2になるように生成させたことを特徴とする、請求項1または2記載の感光性平版印刷版。
  4. 感光性組成物中に一般式(V)で示される化合物感光層の総重量に対し0.1〜20重量%の範囲で含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性平版印刷版。
    Figure 0003971516
    9は水素又は炭素数1〜2のアルキル基、又はアリール基、X、Yは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はアミン類を示す。
  5. 該ジアゾ樹脂が(a)対アニオンが無機酸によるアニオン又は炭素数3以下の脂肪族の有機酸アニオンであるジアゾ樹脂及び(b)対アニオンが炭素数6以上の脂肪族又は芳香族の有機アニオンであるジアゾ樹脂を含有し、(a):(b)の比率が重量比で0.1:0.9〜0.9:0.1であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性平版印刷版。
  6. 下記一般式(VI)、(VII)又は(VIII)で示されるジオール化合物に由来する構造単位を1重量%以上有し、カルボキシル基を0.4meq/g以上有するポリウレタン樹脂を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性平版印刷版。
    Figure 0003971516
    10、R11、R12及びR14はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、2価の脂肪族又は芳香族炭化水素を示し、R13は2価の脂肪族炭化水素を示し、n1、n2、及びn3はそれぞれ2以上の整数を示す。
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