JP4160605B2 - 乱数発生装置 - Google Patents

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    • H03B29/00Generation of noise currents and voltages

Description

本発明は、乱数発生装置に関する。
乱数は、情報セキュリティを目的とした暗号技術において、鍵生成などに用いられている。近年では、特に小型で高速な乱数発生装置が求められている。通常は、擬似乱数が用いられることが多い。
しかしながら、個人情報保護などにおいて、より高度なセキュリティ技術が必要とされてきている。そのため、暗号を解読されないよう、より予測不可能性の高い真性乱数を発生させる必要がある。真性乱数の生成には、物理現象を利用したランダムノイズが有効である。物理現象に基づくランダムノイズの生成には、ダイオード電流のゆらぎを利用するものが知られている。しかしながら、微小な白色ノイズの増幅のために大きな増幅回路が必要となるため、小型の乱数生成装置を得ることは困難である。
また、小型、高速かつ良質な乱数生成装置として、Siナノ微結晶MOSFETを用いたものが提案されている(特許文献1参照)。このSiナノ微結晶MOSFETでは、チャネルと導電性微粒子との間には、非常に薄いトンネル絶縁膜が介在しているだけである。そのため、熱揺らぎにより、ランダムな電子の充放電が起こる。その結果、チャネルに流れる電流がランダムに変動し、ランダムノイズが発生する。このランダムノイズをデジタル乱数へ変換することで、乱数を発生させることが可能である。
通常のセキュリティシステムでは、1Mbits/sec以上の生成レートで乱数を生成する必要がある。しかしながら、上述したSiナノ微結晶MOSFETでは、ランダムノイズが小さいため、良質な乱数を十分に発生させることができない。また、1Mbits/sec以上の乱数生成レートを達成するためには、技術的にもコスト的にも難度の高い微細化技術が必要である。
このように、情報セキュリティのより一層の向上をはかるため、小型、高速かつ良質な乱数発生装置が要求されている。しかしながら、従来は、良質な乱数を十分に発生させることができる高性能の小型乱数発生装置を得ることが困難であった。
特開2005−167165号公報
本発明は、良質な乱数を十分に発生させることが可能な高性能の乱数発生装置を提供することを目的としている。
本発明の一視点に係る乱数発生装置は、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域とドレイン領域との間に設けられたチャネル領域と、前記チャネル領域上に設けられた絶縁部であって、ダングリングボンドに基づくトラップを有し且つSix(SiO2)y(Si34)1-yz(ただし、MはSi、O及びN以外の元素、x≧0、1≧y≧0、z≧0、x=0且つy=1且つz=0の場合は除く)で表されたトラップ絶縁膜を含んだ絶縁部と、を備え、前記トラップに捕捉された電荷の量に応じて前記チャネル領域の導電性がランダムに変動する半導体素子と、前記半導体素子に接続され、前記チャネル領域の導電性のランダムな変動に基づく乱数を生成する乱数生成部と、を備える。
本発明によれば、良質な乱数を十分に発生させることが可能な高性能の乱数発生装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るノイズ生成素子(半導体素子)の構成を模式的に示した断面図である。
シリコン基板(半導体基板)10の表面領域には、ソース領域16a、ドレイン領域16b、及びソース領域16aとドレイン領域16bとの間に位置するチャネル領域11が設けられている。チャネル領域11のゲート長L及びチャネル幅(ゲート幅)Wは小さいことが望ましい。また、図2に示すように、チャネル領域11は、チャネル長L及びチャネル幅Wの細線チャネルを一部に有するものであってもよい。ソース領域16a及びドレイン領域16bには、リン(P)或いはヒ素(As)といったn型不純物が含有されている。これらのチャネル領域11、ソース領域16a及びドレイン領域16bは、素子分離絶縁領域によって分離されている。
チャネル領域11上にはトンネル絶縁膜12が形成され、トンネル絶縁膜12上にはトラップ絶縁膜13が形成されている。これらのトンネル絶縁膜12及びトラップ絶縁膜13によって絶縁部が形成されている。トラップ絶縁膜13は、ダングリングボンドに基づくトラップを有し、Six(SiO2)y(Si34)1-yz(ただし、MはSi、O及びN以外の元素、x≧0、1≧y≧0、z≧0、x=0且つy=1且つz=0の場合は除く)なる一般式で表される。例えば、トラップ絶縁膜13は、非ストイキオメトリなシリコン酸窒化膜で形成されている。このトラップ絶縁膜13上には制御酸化膜(制御絶縁膜)14が形成され、制御酸化膜14上にはn+型ポリシリコンで形成されたゲート電極(制御電極)15が形成されている。
上述したように、本実施形態のノイズ生成素子には、ダングリングボンドに基づくトラップを有するトラップ絶縁膜13が形成されている。そのため、本実施形態のノイズ生成素子は、トンネル絶縁膜12を介して、チャネル領域11とトラップ絶縁膜13との間で電子(電荷)の充放電を行うことが可能である。すなわち、チャネル領域11とトラップ絶縁膜13との間には非常に薄いトンネル絶縁膜12が介在しているだけであるため、熱揺らぎに起因した電子のランダムな充放電が生じる。したがって、トラップ絶縁膜13中のトラップに捕捉された電荷の量に応じて、チャネル領域の導電性がランダムに変動する。すなわち、トラップに捕捉された電荷の量に応じて、ソース領域16a及びドレイン領域16b間に流れる電流がランダムに変動する。したがって、ノイズ生成素子に後述する乱数生成部を接続することにより、チャネル領域の導電性のランダムな変動に基づく乱数を生成することが可能である。
本実施形態のノイズ生成素子では、トラップ絶縁膜13をSiリッチにすることにより、ダングリングボンドが増加してトラップが増加するため、ランダムノイズを大きくすることができる。また、トンネル絶縁膜12の膜厚Tを薄くすることにより、トンネル確率が増加するため、ランダムノイズを大きくすることができる。さらに、チャネル領域11のチャネル長L及びチャネル幅Wを短くすることにより、充放電電子の電流への影響が大きくなるため、ランダムノイズを大きくすることができる。その結果、本実施形態に係るノイズ生成素子は、1MHzのランダムノイズ成分を0.1%以上とすることが可能である。
本実施形態のノイズ生成素子が、1MHzのランダムノイズ成分を0.1%以上有するための条件は、実験データなどに基づいて特定することが可能である。1MHzのランダムノイズ成分が0.1%以上であれば、増幅回路なしで、1Mbits/sec以上の乱数生成レートで真性乱数を生成すること可能である。具体的には、以下の通りである。ノイズ生成素子を含んだマルチバイブレーターを1MHzで発振させる。そして、発振周期の揺らぎ幅を、リングオシレータを用いた1GHzのクロックでカウントする(例えば、"S. Yasuda et al., International Conference on Solid State Devices and Materials, pp. 250-251, 2002" 参照)。1μsの周期(周波数1MHz)における揺らぎ成分を1ns(1μsの0.1%)以上とすれば、一般的に最も高速な1GHzクロックであれば、カウント値をデジタル乱数に変換することができる。その結果、増幅回路なしで、1MHz/sec以上の乱数生成レートで真性乱数を生成可能となる。
すでに述べたように、本実施形態のノイズ生成素子は、ダングリングボンドに基づくトラップによって電子の充放電を行っている。そのため、例えば従来技術で述べた導電性微粒子を用いたノイズ生成素子に比べて、ランダムノイズ成分を大きくすることが可能である。すなわち、ダングリングボンドは導電性微粒子に比べて、はるかに高密度化することが可能である。したがって、電子の充放電量を多くすることができ、ランダムノイズ成分を大きくすることが可能である。
図3〜図5は、上述した事項を実験的に示したものである。図3は本実施形態における固定バイアスでの電流揺らぎの実験結果を示した図であり、図4は従来技術における固定バイアスでの電流揺らぎの実験結果を示した図である。図5は、これらの電流揺らぎに対する周波数特性を示した図である。
ノイズ生成素子における半導体細線チャネルのゲート長及びチャネル幅(ゲート幅)は、従来技術に係る実験サンプルと本実施形態に係る実験サンプルとで同一である。具体的には、ゲート長Lは0.08μm、チャネル幅Wは0.15μmである。従来技術に係るノイズ生成素子では、導電性微粒子の面密度Ddotは1.33×1012cm-2、平均粒径dは10nmである。また、トンネル絶縁膜として熱窒化膜を使用し、その膜厚Tは0.7nmである。この従来技術に係るノイズ生成素子では、導電性微粒子及びトンネル絶縁膜に、最良に近いものを用いている。すなわち、Siナノ微粒子(平均粒径10nm)は最密状態であり、トンネル絶縁膜にはトンネル抵抗が酸化膜よりも低い熱窒化膜を用いている。本実施形態に係るノイズ生成素子では、トラップ絶縁膜としてシリコンリッチなシリコン窒化膜を用いている。具体的には、シリコン(Si)と窒素(N)の原子数比率が1、すなわちSi/N=1のシリコン窒化膜を用いている。トンネル絶縁膜には、熱窒化膜よりもトンネルバリア高の高いシリコン酸化膜を用いている。このシリコン酸化膜の膜厚Tは0.7nmとしている。
図3に示すように、本実施形態のノイズ生成素子の電流揺らぎ成分は、電流全体の15%程度である。一方、図4に示すように、従来技術のノイズ生成素子の電流揺らぎ成分は、電流全体の5%程度である。このように、本実施形態のノイズ生成素子の方が、従来技術のノイズ生成素子に比べて、電流揺らぎ成分が格段に大きくなっている。また、図5に示すように、実質的に全ての周波数において、本実施形態のノイズ生成素子の方が、従来技術のノイズ生成素子よりも、電流揺らぎ成分が大きくなっている。したがって、本実施形態のノイズ生成素子の方が、従来技術のノイズ生成素子よりも、高品質な真性乱数を生成することが可能である。
以下、本発明の各種実施形態について、さらに詳しく述べる。
(第1の実施形態)
本実施形態のノイズ生成素子は、トンネル絶縁膜12にシリコン酸化膜を用い、トラップ絶縁膜13にSiリッチなシリコン窒化膜(SiUN:U=1)を用いている(図1参照)。
まず、シリコン基板10上に、幅Wが0.15μmの細線チャネルパターンを、トレンチ素子分離等によって形成する。続いて、チャネル領域11上に、熱酸化によって、厚さ0.7nmのトンネル絶縁膜12を形成する。さらに、トンネル絶縁膜12上に、トラップ絶縁膜13としてSiリッチシリコン窒化膜を形成する。すなわち、Si原料ガスとN原料ガスの比率を調節し、LPCVDによって原子数比率Si/N=1のSiリッチシリコン窒化膜13(SiUN:U=1)を形成する。このSiリッチシリコン窒化膜13の厚さは、20nmとする。
次に、LPCVDにより、厚さ6nmの制御絶縁膜(制御酸化膜)14を形成する。さらに、ゲート電極となる厚さ200nmのn+型ポリシリコン膜15を、CVDによって堆積する。続いて、レジストパターンをマスクとして用いて、n+型ポリシリコン膜15をパターニングすることにより、ゲート電極15を形成する。ゲート電極のゲート長Lは0.06μmとする。続いて、リン(P)又はヒ素(As)をイオン注入し、さらに活性化アニールにより、ソース領域16a及びドレイン領域16bとなるn+型拡散層を形成する。
以上のようにして、図1に示すようなノイズ生成素子が形成される。このようにして形成されたノイズ生成素子は、1MHzの振動成分が0.1%以上含まれるランダムノイズを発生することが可能である。以下、本実施形態のノイズ生成素子が1MHzの振動成分を0.1%以上含む理由について述べる。
図6は、本実施形態のノイズ生成素子の、固定バイアス下における電流揺らぎ特性について示したものである。なお、ゲート長Lは0.06μm、ゲート幅Wは0.15μm、トンネル絶縁膜厚Tは0.7nm、シリコン窒化膜13における原子数比率Si/Nは1である。図6に示すように、電流揺らぎ成分は電流全体の15%程度である。
図7は、図6の電流特性の周波数特性を示した図である。図7からわかるように、電流揺らぎ成分が0.1%の周波数は、2.8MHz付近となる。また、1MHzでの電流揺らぎ成分は0.16%程度である。したがって、1MHzにおける揺らぎ成分が0.1%以上という条件を満たしている。
また、構造パラメータを変えたノイズ生成素子を作製し、ノイズ生成素子の特性を調べた。構造パラメータには、半導体細線チャネルにおけるゲート長L及びチャネル幅(ゲート幅)W、トンネル絶縁膜厚T、及びシリコン窒化膜(SiUN、U>0.75)の原子数比率Uがあげられる。
図8は、ゲート長(チャネル長)Lとフーリエ係数(Fourier coefficient)との関係を示した図である。Wは0.15μm、Tは0.7nm、Si/Nは1である。100Hzのフーリエ係数について、ゲート長Lとフーリエ係数との関係を示している。図8から、ランダムノイズは1/Lに比例することがわかる。
図9は、ゲート幅(チャネル幅)Wとフーリエ係数との関係を示した図である。Lは0.06μm、Tは0.7nm、Si/Nは1である。250Hzのフーリエ係数について、ゲート幅Wとフーリエ係数との関係を示している。図9から、ランダムノイズは、W-2/5に比例することがわかる。
図10は、トンネル絶縁膜厚Tとフーリエ係数との関係を示した図である。Lは0.06μm、Wは0.15μm、Si/Nは1である。250Hzのフーリエ係数について、トンネル絶縁膜厚Tとフーリエ係数との関係を示している。図10から、ランダムノイズは、exp(−T/0.8664[nm])に比例することがわかる。
図11は、シリコン窒化膜(SiUN、U>0.75)の原子数比率Uとフーリエ係数との関係を示した図ある。Lは0.06μm、Wは0.15μm、Tは0.7nmである。300Hzのフーリエ係数について、原子数比率Uとフーリエ係数との関係を示している。
図11には、理論モデルとして、a×((U−0.75)/(1+U)+0.01174)1/2が図示されている。ここで、aは定数である。この理論モデルは、統計学の中心極限定理に基づき、揺らぎは重ね合わせ数(トラップ密度)の1/2乗に比例する、という考えから導いたものである。ここで言うトラップ密度とは、1原子あたりのダングリングボンド数である。シリコン窒化膜SiUNでは、U=0.75でストイキオメトリが満たされるため、1原子あたりのダングリングボンド数は(U−0.75)/(1+U)となる。したがって、原子数比率(1原子あたりのダングリングボンド数)とフーリエ係数との関係は、上記の理論モデルで表される。また、U=0.75の時のa×0.011741/2は、ストイキオメトリが満たされている場合のノイズ強度の目安である。
なお、上述した各種実験データは、本願発明者が実験によって独自に見出した実験データである。
各パラメータに対するフーリエ係数が、1MHzでの揺らぎ成分を0.1%以上の比率で含むための条件を以下に示す。ゲート長Lが0.06μm、ゲート幅Wが0.15μm、トンネル絶縁膜Tが0.7nm、原子数比率Si/Nが1であるときのフーリエ係数の周波数依存性は、図7に示したようになる。図7より、フーリエ係数の回帰分析式は、
|Fourier Coe.|=0.0006f-0.4705
となる。この式から、0.1%の揺らぎ成分に対するフーリエ係数の値を見積もることができる。
また、各パラメータの依存性を示す積Cは、
C=((U−0.75)/(1+U)+0.01174)1/2×exp(−T/0.8664[nm])/LW2/5
となる。各パラメータが図7の条件と等しいとき、C=5.87[um-7/5]となる。また、上記のフーリエ係数の回帰分析式から、周波数1MHzでの揺らぎ成分の比率は約0.16%となる。各パラメータの積Cが、5.87×(0.1/0.16)よりも大きければ、1MHzにおける揺らぎ成分が0.1%以上であると考えられる。すなわち、以下の関係
((U−0.75)/(1+U)+0.01174)1/2×exp(−T/0.8664[nm])/LW2/5≧5.8678/1.6=3.67[um-7/5
が満たされるとき、1MHzにおける揺らぎ成分が0.1%以上であると考えられる。
また、図10から、トンネル酸化膜厚が薄いほどフーリエ係数が増大することがわかる。また、図11から、少なくともSi/N比率が1以下の範囲では、Si/N比率が大きいほどフーリエ係数が増大する(ダングリングボンド密度が増大する)ことがわかる。そこで、T=0.7nm、Si/N=1として、2つのパラメータを固定する。この場合、L及びWが、1/(L×W2/5)≧22.25[um-7/5]という条件を満たせば、1MHzの振動成分を0.1%以上含んだ乱数を生成することが可能である。この条件は、以下の式
((U−0.75)/(1+U)+0.01174)1/2×exp(−T/0.8664[nm])/LW2/5≧3.67[μm-7/5]
に、T=0.7[nm]及びU=1を代入することで得られる。
ところで、トンネル抵抗Rtは、exp(4πT(2mH)1/2/h)に従って指数関数的に変化する。ここで、Tはトンネル絶縁膜の厚さ、H[eV]はトンネルバリアの高さ(チャネル半導体の伝導帯端とトンネル絶縁膜の伝導帯端とのエネルギー差)、mは直接トンネルの実効質量、πは円周率、hはプランク定数である。直接トンネルの実効質量mは、トンネル絶縁膜の伝導帯有効質量(シリコン酸化膜では、電子静止質量の0.5倍程度)と、チャネル半導体の伝導帯有効質量(シリコンでは、電子静止質量の0.19倍程度)の間の値であり、直接トンネルしやすいほどチャネル半導体の伝導帯端有効質量に近づく。非常に直接トンネルしやすい状況では、有効質量は電子静止質量の0.3倍程度である(例えば、"T.Yoshidaetal., Jpn. J. Appl. Phys. Vol.31 (1995) L903" を参照)。
また、直接トンネルしやすいほど、高速で高周波ノイズを生成しやすい。すなわち、セキュリティシステムのほとんど全てにおいて適用可能な乱数レート(1Mbits/sec)以上の乱数レートで高速乱数を生成しやすい。直接トンネルの有効質量は、電子静止質量の約0.3倍と考えられる。酸化膜では、バリア高Hは3.1eV程度である。したがって、トンネル酸化膜の厚さをT[nm]とすると、トンネル抵抗Rtは、exp(T/0.25[nm])に比例する。よって、トンネル抵抗と、図10に示したトンネル絶縁膜とフーリエ係数との関係から、ランダムノイズはRt-3/10にほぼ比例すると考えられる。
なお、本実施形態では、構造パラメータである、ゲート長L、チャネル幅W、トンネル絶縁膜厚T及び原子数比率Uを、それぞれ、L=0.06[μm]、W=0.15[μm]、T=0.70[nm]、U=1.0とした。しかしながら、各構造パラメータの値はこれに限定されるものではない。すなわち、1MHzの振動成分を0.1%以上の比率で含んでいればよく、各構造パラメータのフーリエ係数に対する関係式から、条件式を導くことができる。すでに述べたように、各構造パラメータのフーリエ係数は、1/L、W-2/5、exp(−T/0.8664[nm])、及び((U−0.75)/(1+U)+0.01174)1/2に比例する。したがって、
((U−0.75)/(1+U)+0.01174)1/2×exp(−T/0.8664[nm])/LW2/5≧3.67[μm-7/5
なる関係が満たされれば、1MHzの振動成分を0.1%以上含んだ乱数を生成することが可能なノイズ生成素子が得られる。
なお、本実施形態ではトンネル酸化膜を熱酸化によって形成しているが、大気中で形成される自然酸化膜を利用してもよい。
(第2の実施形態)
図12は、本実施形態に係るノイズ生成素子(半導体素子)の構成を模式的に示した断面図である。本実施形態のノイズ生成素子は、トンネル絶縁膜を形成せずに、シリコン基板10上にトラップ絶縁膜13を直接形成している。トラップ絶縁膜13には、Siリッチなシリコン窒化膜(SiUN:U=1)を用いている。
まず、シリコン基板10上に、幅Wが0.15μmのチャネルパターンを形成する。続いて、チャネル領域11上の酸化膜(図示せず)をフッ酸によって除去する。自然酸化膜が形成される前に直ちにCVD装置に基板を搬入し、厚さ20nmのシリコン窒化膜(トラップ絶縁膜)13(原子数比率Si/N=1)を堆積する、或いは、SiN堆積装置内で自然酸化膜を除去し、大気に晒すことなく、シリコン窒化膜13(原子数比率Si/N=1)を堆積する。
次に、LPCVDにより、厚さ6nmの制御絶縁膜(制御酸化膜)14を形成する。さらに、ゲート電極となる厚さ200nmのn+型ポリシリコン膜15を、CVDによって堆積する。続いて、レジストパターンをマスクとして、n+型ポリシリコン膜15をパターニングすることにより、ゲート電極15を形成する。ゲート電極のゲート長Lは0.06μmとする。続いて、リン(P)又はヒ素(As)をイオン注入し、さらに活性化アニールにより、ソース領域16a及びドレイン領域16bとなるn+型拡散層を形成する。
以上のようにして、図12に示すようなノイズ生成素子が形成される。このようにして得られたノイズ生成素子は、1MHzの振動成分が0.1%以上含まれるランダムノイズを発生することが可能である。
本実施形態では、トンネル絶縁膜を形成していないため、トンネル抵抗が低くなり、より大きなランダムノイズを得ることが可能である。したがって、シリコン窒化膜13(SiUN、U>0.75)の原子数比率U=1としたとき、L及びWが、1/(L×W2/5)≧22.25[um-7/5]という条件を満たせば、1MHzの振動成分を0.1%以上含んだ乱数を生成することが可能である。したがって、第1の実施形態と同様に、高速且つ高品質の乱数を生成することが可能である。
(第3の実施形態)
本実施形態のノイズ生成素子は、トンネル絶縁膜12に酸化ハフニウム(HfO2)膜を用い、トラップ絶縁膜13にSiリッチなシリコン窒化膜(SiUN:U=1)を用いている(図1参照)。酸化ハフニウム膜のトンネルバリア高は、シリコン酸化膜のトンネルバリア高よりも高い。
まず、シリコン基板10上に、幅Wが0.15μmのチャネルパターンを形成する。続いて、チャネル領域11上に、トンネル絶縁膜12として酸化ハフニウム膜を形成する。さらに、トンネル絶縁膜12上に、Siリッチシリコン窒化膜(トラップ絶縁膜)13を形成する。具体的には、ハフニウム(Hf)ターゲットを用い、酸素を含んだ雰囲気中でのスパッタリングによって、膜厚T=0.7×(3.1/1.5)1/2nmの酸化ハフニウム膜12を形成する。さらに、Si原料ガスとN原料ガスの比率を調節し、LPCVDによってSiリッチシリコン窒化膜13(SiUN:U=1)を形成する。このSiリッチシリコン窒化膜13の厚さは、20nmとする。
次に、LPCVDにより、厚さ6nmの制御絶縁膜(制御酸化膜)14を形成する。さらに、ゲート電極となる厚さ200nmのn+型ポリシリコン膜15を、CVDによって堆積する。続いて、レジストパターンをマスクとして、n+型ポリシリコン膜15をパターニングすることにより、ゲート電極15を形成する。ゲート電極のゲート長Lは0.06μmとする。続いて、リン(P)又はヒ素(As)をイオン注入し、さらに活性化アニールにより、ソース領域16a及びドレイン領域16bとなるn+型拡散層を形成する。
以上のようにして、図1に示すようなノイズ生成素子が形成される。このようにして得られたノイズ生成素子は、1MHzの振動成分が0.1%以上含まれるランダムノイズを発生することが可能である。
本実施形態では、フーリエ係数は、1/L、W-2/5、Rt-3/10、及び((U−0.75)/(1+U)+0.01174)1/2に比例する。本実施形態では、トンネル絶縁膜12として、トンネルバリア高の低い酸化ハフニウム膜(H=1.5eV程度)を用いているため、Rt-3/10は、
exp(−0.7×(3.1/1.5)1/2×{1.5/3.1}1/2/0.8664[nm])/exp(−0.7/0.8664[nm])=1
となる。したがって、HfO2膜をトンネル絶縁膜として用いた場合にも、SiO2膜をトンネル絶縁膜として用いた第1の実施形態の場合と同様の振幅揺らぎが得られる。ここでは、非常にトンネルしやすい状況であるため、有効質量mは電子静止質量の0.3倍としている。
本実施形態では、シリコン窒化膜13(SiUN、U>0.75)の原子数比率Uが1であるとし、トンネル抵抗が厚さ0.7nmのSiO2膜のトンネル抵抗と同じであるとすると、L及びWが、1/(L×W2/5)≧22.25[um-7/5]という条件を満たせば、1MHzの振動成分を0.1%以上含んだ乱数を生成することが可能である。したがって、第1の実施形態と同様に、高速且つ高品質の乱数を生成することが可能である。
すでに述べた議論と同様の議論から、トンネルバリア高H[eV]を持つトンネル絶縁膜では、
((U−0.75)/(1+U)+0.01174)1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧3.67[μm-7/5
なる関係を満たしていれば、1MHzで0.1%以上のランダムノイズを得ることができる。
なお、シリコン酸化膜よりもトンネル抵抗の低いトンネル絶縁膜としては、酸化ハフニウムの他に、酸化セリウム等が考えられる。
(第4の実施形態)
本実施形態のノイズ生成素子は、トンネル絶縁膜12にシリコン酸化膜を用い、トラップ絶縁膜13にSiリッチなシリコン酸化膜(SiVO:V>0.5)を用いている(図1参照)。Siリッチシリコン酸化膜の1原子あたりのSiダングリングボンド数は、Siリッチシリコン窒化膜(SiUN:U=1)の1原子あたりのSiダングリングボンド数と同じである。
まず、シリコン基板10上に、幅Wが0.15μmのチャネルパターンを形成する。続いて、チャネル領域11上に、トンネル絶縁膜12としてシリコン酸化膜を形成する。さらに、トンネル絶縁膜12上に、Siリッチシリコン酸化膜(トラップ絶縁膜)13を形成する。具体的には、熱酸化により、厚さ0.7nmのシリコン酸化膜12を形成する。さらに、Si原料ガスとO原料ガスの比率を調節し、LPCVDによってSiリッチシリコン酸化膜13(Si0.6O)を形成する。このSiリッチシリコン酸化膜13の厚さは、20nmとする。
次に、LPCVDにより、厚さ6nmの制御絶縁膜(制御酸化膜)14を形成する。さらに、ゲート電極となる厚さ200nmのn+型ポリシリコン膜15を、CVDによって堆積する。続いて、レジストパターンをマスクとして、n+型ポリシリコン膜15をパターニングすることにより、ゲート電極15を形成する。ゲート電極のゲート長Lは0.06μmとする。続いて、リン(P)又はヒ素(As)をイオン注入し、さらに活性化アニールにより、ソース領域16a及びドレイン領域16bとなるn+型拡散層を形成する。
以上のようにして、図1に示すようなノイズ生成素子が形成される。このようにして得られたノイズ生成素子は、1MHzの振動成分が0.1%以上含まれるランダムノイズを発生することが可能である。
ストイキオメトリを満たすシリコン窒化膜は、Si34である。したがって、Siリッチシリコン窒化膜(SiUN:U>0.75)の場合は、1原子あたりのSiダングリングボンド数は(U−0.75)/(U+1)となる。Si/N=1の場合には、U=1となり、1原子あたりのダングリングボンド数は0.125となる。
一方、ストイキオメトリを満たすシリコン酸化膜は、SiO2である。したがって、Siリッチシリコン酸化膜(SiVO:V>0.5)の場合は、1原子あたりの過剰Si数は(V−0.5)/(V+1)となる。4本の原子結合手を有する過剰Si原子1個が、2本の原子結合手を有するO原子と入れ替わることで、2本のダングリングボンドが発生する。したがって、SiVOの1原子あたりのSiダングリングボンド数は、{(V−0.5)/(V+1)}×2となる。
シリコン酸化膜(SiVO)の1原子あたりのSiダングリングボンド数が、シリコン窒化膜(SiUN:U=1)の1原子あたりのSiダングリングボンド数と同じである場合には、V=0.6となる。この場合、シリコン酸化膜の1原子あたりのSiダングリングボンド数は、第1の実施形態で述べたシリコン窒化膜の1原子あたりのSiダングリングボンド数と同じになる。したがって、この場合、トンネル絶縁膜の厚さが0.7nmとすると、L及びWが、1/(L×W2/5)≧22.25[um-7/5]という条件を満たせば、1MHzの振動成分を0.1%以上含んだ乱数を生成することが可能である。したがって、第1の実施形態と同様に、高速且つ高品質の乱数を生成することが可能である。
また、一般に、ゲート長L、ゲート幅W、トンネル絶縁膜厚T、及び原子数比率V(V>0.5)が任意である場合には、
[{(V−0.5)/(V+1)}×2+0.01174]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧3.67[μm-7/5
なる関係を満たしていれば、1MHzで0.1%以上のランダムノイズを得ることができる。
なお、本実施形態ではトンネル酸化膜を熱酸化で作製しているが、大気中で形成される自然酸化膜をトンネル酸化膜として用いてもよい。また、第2の実施形態のように、トンネル絶縁膜を設けない構成にしてもよい。また、第3の実施形態のように、膜厚Tが0.7nmのシリコン酸化膜と同じトンネル抵抗を有し、且つシリコン酸化膜よりもトンネルバリア高の低いトンネル絶縁膜を用いるようにしてもよい。
(第5の実施形態)
本実施形態のノイズ生成素子は、トンネル絶縁膜12にシリコン酸化膜を用い、トラップ絶縁膜13にSiリッチなシリコン酸窒化膜(Six(SiO2)y(Si34)1-y(ただし、x>0、1≧y≧0)を用いている(図1参照)。Siリッチシリコン酸窒化膜の1原子あたりのSiダングリングボンド数は、Siリッチシリコン窒化膜(SiUN:U=1)の1原子あたりのSiダングリングボンド数と同じである。
まず、シリコン基板10上に、幅Wが0.15μmのチャネルパターンを形成する。続いて、チャネル領域11上に、トンネル絶縁膜12としてシリコン酸化膜を形成する。さらに、トンネル絶縁膜12上に、Siリッチシリコン酸窒化膜(トラップ絶縁膜)13を形成する。具体的には、熱酸化により、厚さ0.7nmのシリコン酸化膜12を形成する。さらに、Si原料ガスとO原料ガスの比率を調節し、LPCVDによってSiリッチシリコン酸窒化膜13(Six(SiO2)y(Si34)1-y:x>0、1≧y≧0)を形成する。このSiリッチシリコン酸窒化膜13の厚さは、20nmとする。また、x=(14−15y+4y2)/(y+14)の関係が満たされるようにする。
次に、LPCVDにより、厚さ6nmの制御絶縁膜(制御酸化膜)14を形成する。さらに、ゲート電極となる厚さ200nmのn+型ポリシリコン膜15を、CVDによって堆積する。続いて、レジストパターンをマスクとして、n+型ポリシリコン膜15をパターニングすることにより、ゲート電極15を形成する。ゲート電極のゲート長Lは0.06μmとする。続いて、リン(P)又はヒ素(As)をイオン注入し、さらに活性化アニールにより、ソース領域16a及びドレイン領域16bとなるn+型拡散層を形成する。
以上のようにして、図1に示すようなノイズ生成素子が形成される。このようにして得られたノイズ生成素子は、1MHzの振動成分が0.1%以上含まれるランダムノイズを発生することが可能である。
ストイキオメトリを満たすシリコン窒化膜は、Si34である。したがって、Siリッチシリコン窒化膜(SiUN:U>0.75)の場合は、1原子あたりのSiダングリングボンド数は(U−0.75)/(U+1)となる。Si/N=1の場合には、U=1となり、1原子あたりのダングリングボンド数は0.125となる。
一方、ストイキオメトリを満たすシリコン酸窒化膜は、(SiO2)y(Si34)1-yである。したがって、Siリッチシリコン酸窒化膜(Six(SiO2)y(Si34)1-y:x>0、1≧y≧0)の場合は、1原子あたりの過剰Si原子数はx/(x+7−4y)となる。4本の原子結合手を有する過剰Si原子1個が、3本の原子結合手を有するN原子及び2本の原子結合手を有するO原子と入れ替わることで、ダングリングボンドが発生する。Si原子がN原子或いはO原子と入れ替わる確率は、NとOの原子数比によって決まる。したがって、Siリッチシリコン酸窒化膜(Six(SiO2)y(Si34)1-y:x>0、1≧y≧0)の1原子あたりのSiダングリングボンド数は、
x/(x+7-4y)×[(4−4y)/(4−2y)+{2y/(4−2y)}×2]
となる。つまり、本実施形態では、1原子あたりのSiダングリングボンド数が、
x/(x+7-4y)×[(4−4y)/(4−2y)+{2y/(4−2y)}×2]=0.125
となる。この条件式を満たすように、x及びy値が決められる。例えばy=0.5のときは、x=15/29となる。
Siリッチシリコン酸窒化膜(Six(SiO2)y(Si34)1-y:x>0、1≧y≧0)の1原子あたりのSiダングリングボンド数が、第1の実施形態のシリコン窒化膜(SiUN:U=1)の1原子あたりのSiダングリングボンド数と同じであり、トンネル絶縁膜の厚さが0.7nmであるとする。この場合、L及びWが、1/(L×W2/5)≧22.25[um-7/5]という条件を満たせば、1MHzの振動成分を0.1%以上含んだ乱数を生成することが可能である。したがって、第1の実施形態と同様に、高速且つ高品質の乱数を生成することが可能である。
一般に、ゲート長L、ゲート幅W、トンネル絶縁膜厚T、及び原子数比率x及びy(x>0、1≧y≧0)が任意である場合には、
[x/(x+7−4y)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}+0.01174]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧3.67[μm-7/5
なる関係を満たしていれば、1MHzで0.1%以上のランダムノイズを得ることができる。
さらに、トラップ絶縁膜が、Six(SiO2)y(Si34)1-yz(ただし、MはSi、O及びN以外の元素、x>0、1≧y≧0、z≧0)で表される場合には、
[x/(x+7−4y+z)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}+0.01174]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧3.67[μm-7/5
なる関係を満たしていれば、1MHzで0.1%以上のランダムノイズを得ることができる。
なお、本実施形態ではトンネル酸化膜を熱酸化で作製しているが、大気中で形成される自然酸化膜をトンネル酸化膜として用いてもよい。また、第2の実施形態のように、トンネル絶縁膜を設けない構成にしてもよい。また、第3の実施形態のように、膜厚Tが0.7nmのシリコン酸化膜と同じトンネル抵抗を有し、且つシリコン酸化膜よりもトンネルバリア高の低いトンネル絶縁膜を用いるようにしてもよい。
(第6の実施形態)
本実施形態のノイズ生成素子は、第5の実施形態と同様、トンネル絶縁膜12にシリコン酸化膜を用い、トラップ絶縁膜13にSiリッチなシリコン酸窒化膜(Six(SiO2)y(Si34)1-y(ただし、x>0、1≧y≧0)を用いている(図1参照)。Siリッチシリコン酸窒化膜の1原子あたりのSiダングリングボンド数は、Siリッチシリコン窒化膜(SiUN:U=1)の1原子あたりのSiダングリングボンド数と同じである。また、本実施形態のノイズ生成素子では、1MHzの振動成分(1MHzにおける揺らぎ成分)を1%以上含んでいる。
すでに述べたように、ほとんど全てのセキュリティシステムで適用可能な乱数を生成するためには、1Mbits/sec以上のレートで乱数を発生させることが望ましい。ノイズ生成素子を含んだマルチバイブレーター等を1MHzで発振させ、発振周期の揺らぎ幅をリングオシレータを用いた1GHzのクロックでカウントする。そのカウント値をデジタル乱数に変換することで、1μsの周期(周波数1MHz)における揺らぎ成分を1ns(1μsの0.1%)以上とすることができる。その結果、増幅回路なしで、1MHz/sec以上の乱数生成レートで真性乱数を生成すること可能となる。
ところで、携帯電話等の小型機器では、使用クロックの周波数がより小さい100MHz程度であることがより望ましい。マルチバイブレーター等を用いて1MHzで発振させるためには、1μsの周期における揺らぎ成分は10ns(クロック周波数100MHzの逆数)以上であることがより望ましい。そこで、本実施形態では、このような条件を満たすノイズ生成素子、すなわち1MHzにおける揺らぎ成分を1%以上含んだノイズ生成素子について述べる。
図1を参照して、本実施形態のノイズ生成素子の製造工程を説明する。
まず、シリコン基板10上に、幅Wが0.02μmのチャネルパターンを形成する。続いて、チャネル領域11上に、トンネル絶縁膜12としてシリコン酸化膜を形成する。さらに、トンネル絶縁膜12上に、Siリッチシリコン酸窒化膜(トラップ絶縁膜)13を形成する。具体的には、熱酸化により、厚さ0.7nmのシリコン酸化膜12を形成する。さらに、Si原料ガスとO原料ガスの比率を調節し、LPCVDによってSiリッチシリコン酸窒化膜13(Six(SiO2)y(Si34)1-y:x>0、1≧y≧0)を形成する。このSiリッチシリコン酸窒化膜13の厚さは、20nmとする。また、x=(14−15y+4y2)/(y+14)の関係が満たされるようにする。
次に、LPCVDにより、厚さ6nmの制御絶縁膜(制御酸化膜)14を形成する。さらに、ゲート電極となる厚さ200nmのn+型ポリシリコン膜15を、CVDによって堆積する。続いて、レジストパターンをマスクとして、n+型ポリシリコン膜15をパターニングすることにより、ゲート電極15を形成する。ゲート電極のゲート長Lは0.02μmとする。続いて、リン(P)又はヒ素(As)をイオン注入し、さらに活性化アニールにより、ソース領域16a及びドレイン領域16bとなるn+型拡散層を形成する。
以上のようにして、図1に示すようなノイズ生成素子が形成される。このようにして得られたノイズ生成素子は、以下に述べるように、1MHzの振動成分が1%以上含まれるランダムノイズを発生することが可能である。
第1の実施形態で示したノイズ生成素子では、チャネル長Lが0.06μm、チャネル幅Wが0.15μmであったのに対し、本実施形態のノイズ生成素子では、チャネル長Lが0.02μm、チャネル幅Wが0.02μmとなっている。第1の実施形態で述べたようにノイズ成分は1/Lに比例することから、チャネル長Lに基づくノイズ成分は、第1の実施形態で示したノイズ生成素子の3倍となる。また、第1の実施形態で述べたようにノイズ成分はW-0.4に比例することから、チャネル幅Wに基づくノイズ成分は、第1の実施形態で示したノイズ生成素子の約2.24倍となる。したがって、本実施形態のノイズ生成素子は、第1の実施形態のノイズ生成素子に対して、ノイズ成分が約6.72倍(3×2.24=6.72)となる。第1の実施形態では、図7で示したように、1MHzで約0.16%の電流揺らぎが得られる。したがって、本実施形態では、上記のようにL及びWを微細化することで、1MHzの振動成分が1.075%(0.16×6.72=1.075)となり、1%以上の揺らぎ成分を得ることが可能である。
すでに述べたように、Siリッチシリコン窒化膜(SiUN:U>0.75)の場合は、1原子あたりのSiダングリングボンド数は(U−0.75)/(U+1)となる。Si/N=1の場合には、U=1となり、1原子あたりのダングリングボンド数は0.125となる。
一方、ストイキオメトリを満たすシリコン酸窒化膜は、(SiO2)y(Si34)1-yである。したがって、Siリッチシリコン酸窒化膜(Six(SiO2)y(Si34)1-y:x>0、1≧y≧0)の場合は、1原子あたりの過剰Si原子数はx/(x+7−4y)となる。4本の原子結合手を有する過剰Si原子1個が、3本の原子結合手を有するN原子及び2本の原子結合手を有するO原子と入れ替わることで、ダングリングボンドが発生する。Si原子がN原子或いはO原子と入れ替わる確率は、NとOの原子数比によって決まる。また、Si原子が3本の原子結合手を有するN原子と入れ替わることで1本のダングリングボンドが発生し、Si原子が2本の原子結合手を有するO原子と入れ替わることで2本のダングリングボンドが発生する。したがって、Siリッチシリコン酸窒化膜(Six(SiO2)y(Si34)1-y:x>0、1≧y≧0)の1原子あたりのSiダングリングボンド数は、
x/(x+7−4y)×[(4−4y)/(4−2y)+{2y/(4−2y)}×2]
となる。つまり、本実施形態では、1原子あたりのSiダングリングボンド数が、
x/(x+7−4y)×[(4−4y)/(4−2y)+{2y/(4−2y)}×2]=0.125
となる。この条件式を満たすように、x及びy値が決められる。例えばy=0.5のときは、x=15/29となる。
Siリッチシリコン酸窒化膜(Six(SiO2)y(Si34)1-y:x>0、1≧y≧0)の1原子あたりのSiダングリングボンド数が、第1の実施形態のシリコン窒化膜(SiUN:U=1)の1原子あたりのSiダングリングボンド数と同じであり、トンネル絶縁膜の厚さが0.7nmであるとする。この場合、L及びWが、1/(L×W2/5)≧2.23×102[um-7/5]という条件を満たせば、1MHzの振動成分を1%以上含んだ乱数を生成することが可能である。したがって、高速且つ高品質の乱数を生成することが可能である。
一般に、ゲート長L、ゲート幅W、トンネル絶縁膜厚T、及び原子数比率x及びy(x>0、1≧y≧0)が任意である場合には、
[x/(x+7−4y)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}+0.01174]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧36.67[μm-7/5
なる関係を満たしていれば、1MHzで1%以上のランダムノイズを得ることが可能である。
さらに、トラップ絶縁膜が、Six(SiO2)y(Si34)1-yz(ただし、MはSi、O及びN以外の元素、x>0、1≧y≧0、z≧0)で表される場合には、
[x/(x+7−4y+z)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}+0.01174]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧36.67[μm-7/5
なる関係を満たしていれば、1MHzで1%以上のランダムノイズを得ることが可能である。
なお、本実施形態ではトンネル酸化膜を熱酸化で作製しているが、大気中で形成される自然酸化膜をトンネル酸化膜として用いてもよい。また、第2の実施形態のように、トンネル絶縁膜を設けない構成にしてもよい。また、第3の実施形態のように、膜厚Tが0.7nmのシリコン酸化膜と同じトンネル抵抗を有し、且つシリコン酸化膜よりもトンネルバリア高の低いトンネル絶縁膜を用いるようにしてもよい。
(第7の実施形態)
本実施形態のノイズ生成素子は、第5の実施形態と同様、トンネル絶縁膜12にシリコン酸化膜を用い、トラップ絶縁膜13にSiリッチなシリコン酸窒化膜(Six(SiO2)y(Si34)1-y(ただし、x>0、1≧y≧0)を用いている(図1参照)。Siリッチシリコン酸窒化膜の1原子あたりのSiダングリングボンド数は、Siリッチシリコン窒化膜(SiUN:U=1)の1原子あたりのSiダングリングボンド数と同じである。また、本実施形態のノイズ生成素子では、1MHzの振動成分(1MHzにおける揺らぎ成分)を0.01%以上含んでいる。
図1を参照して、本実施形態のノイズ生成素子の製造工程を説明する。
まず、シリコン基板10上に、幅Wが0.6μmのチャネルパターンを形成する。続いて、チャネル領域11上に、トンネル絶縁膜12としてシリコン酸化膜を形成する。さらに、トンネル絶縁膜12上に、Siリッチシリコン酸窒化膜(トラップ絶縁膜)13を形成する。具体的には、熱酸化により、厚さ0.7nmのシリコン酸化膜12を形成する。さらに、Si原料ガスとO原料ガスの比率を調節し、LPCVDによってSiリッチシリコン酸窒化膜13(Six(SiO2)y(Si34)1-y:x>0、1≧y≧0)を形成する。このSiリッチシリコン酸窒化膜13の厚さは、20nmとする。また、x=(14−15y+4y2)/(y+14)の関係が満たされるようにする。
次に、LPCVDにより、厚さ6nmの制御絶縁膜(制御酸化膜)14を形成する。さらに、ゲート電極となる厚さ200nmのn+型ポリシリコン膜15を、CVDによって堆積する。続いて、レジストパターンをマスクとして、n+型ポリシリコン膜15をパターニングすることにより、ゲート電極15を形成する。ゲート電極のゲート長Lは0.5μmとする。続いて、リン(P)又はヒ素(As)をイオン注入し、さらに活性化アニールにより、ソース領域16a及びドレイン領域16bとなるn+型拡散層を形成する。
以上のようにして、図1に示すようなノイズ生成素子が形成される。このようにして得られたノイズ生成素子は、以下に述べるように、1MHzの振動成分が0.01%以上含まれるランダムノイズを発生することが可能である。
第1の実施形態で示したノイズ生成素子では、チャネル長Lが0.06μm、チャネル幅Wが0.15μmであったのに対し、本実施形態のノイズ生成素子では、チャネル長Lが0.5μm、チャネル幅Wが0.6μmとなっている。第1の実施形態で述べたようにノイズ成分は1/Lに比例することから、チャネル長Lに基づくノイズ成分は、第1の実施形態で示したノイズ生成素子の約0.12倍となる。また、第1の実施形態で述べたようにノイズ成分はW-0.4に比例することから、チャネル幅Wに基づくノイズ成分は、第1の実施形態で示したノイズ生成素子の約0.57倍となる。したがって、本実施形態のノイズ生成素子は、第1の実施形態のノイズ生成素子に対して、ノイズ成分が0.069倍(0.12×0.57=0.069)となる。第1の実施形態では、図7で示したように、1MHzで約0.16%の電流揺らぎが得られる。したがって、本実施形態では、上記のようにL及びWを決めることで、1MHzの振動成分が0.011%(0.16×0.069=0.011)となり、1MHzで0.01%以上の揺らぎ成分を得ることが可能である。
Siリッチシリコン酸窒化膜(Six(SiO2)y(Si34)1-y:x>0、1≧y≧0)の1原子あたりのSiダングリングボンド数が、第1の実施形態のシリコン窒化膜(SiUN:U=1)の1原子あたりのSiダングリングボンド数と同じであり、トンネル絶縁膜の厚さが0.7nmであるとする。この場合、L及びWが、1/(L×W2/5)≧2.23[um-7/5]という条件を満たせば、1MHzの振動成分を0.01%以上含んだ乱数を生成することが可能である。したがって、高速且つ高品質の乱数を生成することが可能である。
一般に、ゲート長L、ゲート幅W、トンネル絶縁膜厚T、及び原子数比率x及びy(x>0、1≧y≧0)が任意である場合には、
[x/(x+7−4y)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}+0.01174]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧0.37[μm-7/5
なる関係を満たしていれば、1MHzで0.01%以上のランダムノイズを得ることが可能である。
さらに、トラップ絶縁膜が、Six(SiO2)y(Si34)1-yz(ただし、MはSi、O及びN以外の元素、x>0、1≧y≧0、z≧0)で表される場合には、
[x/(x+7−4y+z)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}+0.01174]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧0.37[μm-7/5
なる関係を満たしていれば、1MHzで0.01%以上のランダムノイズを得ることが可能である。
なお、本実施形態ではトンネル酸化膜を熱酸化で作製しているが、大気中で形成される自然酸化膜をトンネル酸化膜として用いてもよい。また、第2の実施形態のように、トンネル絶縁膜を設けない構成にしてもよい。また、第3の実施形態のように、膜厚Tが0.7nmのシリコン酸化膜と同じトンネル抵抗を有し、且つシリコン酸化膜よりもトンネルバリア高の低いトンネル絶縁膜を用いるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るノイズ生成素子は、トラップ絶縁膜中のトラップに捕捉された電荷の量に応じて、チャネル領域の導電性がランダムに変動する。すなわち、トラップに捕捉された電荷の量に応じて、ソース領域及びドレイン領域間に流れる電流がランダムに変動する。したがって、ノイズ生成素子に乱数生成部を接続することにより、チャネル領域の導電性のランダムな変動に基づく乱数を生成することが可能である。以下、このような乱数生成部について説明する。なお、以下に述べる事項は、本実施形態のみならず、すでに述べた各実施形態についても適用可能である。
乱数生成部として、ノイズ生成素子を含んだマルチバイブレーターを用いることについては、すでに説明した。以下に示す乱数生成部は、ローパスフィルタ(又はハイパスフィルタ)とコンパレータを含んでおり、マルチバイブレーターを使用した場合と比べて、より高速に乱数を生成することが可能である。
本発明の実施形態に係るノイズ生成素子では、伝導電子の数が少ないほど1つの電子の揺らぎによる影響が大きくなり、抵抗が大きくなるほどノイズは大きくなる。しかしながら、マルチバイブレーターを用いたデジタル乱数変換回路(乱数生成部)では、抵抗値が高くなると乱数生成速度が遅くなる。そのため、乱数生成速度に限界があると考えられる。ローパスフィルタ(又はハイパスフィルタ)及びコンパレータを含んだデジタル乱数変換回路に、ノイズ生成素子を接続することで、乱数生成速度を高速化することが可能である。
図13は、ローパスフィルタとコンパレータを用いたデジタル乱数変換回路の概略構成を示した電気回路図である。
ノイズ生成素子を含んだノイズ源30から出力されたノイズ信号は、入力回路40に入力する。入力回路40からの出力信号は、ローパスフィルタ50及びコンパレータ60の一方の端子に入力する。ローパスフィルタ50からの出力信号は、コンパレータ60の他方の端子に入力する。入力回路40を設けた理由は、以下の通りである。すなわち、ノイズ源30とフィルタ50或いはコンパレータ60を直接接続すると、フィルタ50やコンパレータ60の影響により、十分なノイズが得られない可能性がある。そのため、フィルタ50やコンパレータ60の影響を遮断するために、入力回路40を設けている。
コンパレータ60では、コンパレータ60に入力した2つの信号を比較し、ハイレベル信号又はロウレベル信号を出力する。ローパスフィルタ50では、ノイズ信号の高周波成分が除去される。したがって、カットオフ周波数を適切に選べば、入力信号のほぼ中央値がローパスフィルタ50から出力される。ただし、コンパレータ60に入力する信号の大きさや、入力信号の変化速度によっては、コンパレータ60の出力レベルが不十分となる場合がある。そこで、図13では、コンパレータ60にバッファ70を接続している。バッファ70によってコンパレータ60の出力が増幅され、所望の電圧レベルを得ることができる。バッファ70からの出力信号を、適当なクロックを用いてラッチすることで、乱数を生成することができる。
図14は、ハイパスフィルタとコンパレータを用いたデジタル乱数変換回路の概略構成を示した電気回路図である。
ノイズ源30から出力されたノイズ信号は、入力回路40に入力する。入力回路40からの出力信号は、ハイパスフィルタ80に入力する。ハイパスフィルタ80からの出力信号は、コンパレータ60の一方の端子に入力する。コンパレータ60の他方の端子には、参照電圧が入力している。ハイパスフィルタ80では、ノイズ信号の低周波成分が除去される。コンパレータ60では、コンパレータ60に入力した2つの信号を比較し、ハイレベル信号又はロウレベル信号を出力する。
図14の場合も図13の場合と同様、コンパレータ60に入力する信号の大きさや、入力信号の変化速度によっては、コンパレータ60の出力レベルが十分にとれない場合がある。そこで、コンパレータ60にバッファ70を接続している。バッファ70によってコンパレータ60の出力が増幅され、所望の電圧レベルを得ることができる。バッファ70からの出力信号を、適当なクロックを用いてラッチすることで、乱数を生成することができる。
図15は、ノイズ源30の構成例を示した図である。抵抗Rとノイズ生成素子31とを直列に接続し、中間ノードの電圧をノイズ信号として出力している。
図16は、入力回路40の構成例を示した図である。図16(a)では、P型MOSFET41と抵抗Rとで入力回路40が構成されている。図16(b)では、N型MOSFET42と抵抗Rとで入力回路40が構成されている。
図17は、ローパスフィルタ50及びハイパスフィルタ80の構成例を示した図である。図17(a)はローパスフィルタ50の構成例であり、図17(b)はハイパスフィルタ80の構成例である。ローパスフィルタ50及びハイパスフィルタ80いずれも、抵抗RとコンデンサCによって構成されている。カットオフ周波数は、おおよそ1/(2πCR)で決まる。コンデンサCの容量値と抵抗Rの抵抗値を調整することで、コンパレータに入力する信号の強度を調整することができる。
図18は、コンパレータ60の構成例を示した図である。入力1及び入力2は、コンパレータ60の2つの入力である。入力1の電圧が入力2の電圧よりも高い場合は、出力はロウレベル電圧となる。逆に、入力2の電圧が入力1の電圧よりも高い場合は、出力はハイレベル電圧となる。入力1と入力2の電圧差が小さい場合や、感度の弱い領域に電圧が分布している場合には、出力電圧は完全にハイレベル或いはロウレベルにならない。このような場合には、コンパレータ60にバッファ70を接続する。
図19は、バッファ70の構成例を示した図である。コンパレータ60の出力をバッファ70によって増幅することで、十分な電圧レベルを有するデジタル信号を得ることができる。図19では、N型MOSFET71及びP型MOSFET72を有するインバータによってバッファ70を構成している。
上述したデジタル乱数変換回路を用い、ノイズ源として各実施形態で説明したノイズ生成素子を用いることにより、高速で乱数を生成することが可能となる。
上述したデジタル乱数変換回路では、バッファ70に用いるインバータの個数を調整することで、1MHzにおける振動成分の割合に応じた最適な乱数発生装置を構成することが可能である。上述した各実施形態において、ノイズ生成素子に印加する電圧は、シリコンのバンドギャップに対応した数V程度である。したがって、出力信号の電圧揺らぎが10mVオーダーであれば、揺らぎ成分は入力電圧の1%程度となる。同様に、出力信号の電圧揺らぎが1mVオーダーであれば、揺らぎ成分は入力電圧の0.1%程度となる。出力信号の電圧揺らぎが0.1mVオーダーであれば、揺らぎ成分は入力電圧の0.01%程度となる。コンパレータ60を構成するオペレーションアンプの増幅率は、典型的には1MHzで100倍程度である。したがって、電圧揺らぎが10mV程度であれば、バッファなしでデジタル乱数信号を取り出すことが可能である。0.1mVオーダーの電圧揺らぎであれば、バッファとして1つのインバータを設けることで、デジタル乱数信号の取り出しが可能である。0.01mVオーダーの電圧揺らぎであれば、バッファに2つのインバータを直列に設けることで、デジタル乱数信号の取り出しが可能である。なお、回路シミュレーションからも上記のことが確認されている。
以上のように、1MHzの振動成分を0.01%以上含む場合には、コンパレータ60の出力を2個のインバータで増幅することにより、小型で高速の乱数発生装置を構成することができる。また、第1〜第5の実施形態のように、1MHzの振動成分を0.1%以上含む乱数を生成可能なノイズ生成素子では、バッファ70を1個のインバータで構成することができる。また、第6の実施形態のように、1MHzの振動成分を1%以上含む乱数を生成可能なノイズ生成素子では、バッファ70を用いることなく、小型で高速の乱数発生装置を構成することが可能である。
すでに述べたように、本発明の実施形態に係るノイズ生成素子では、トンネル絶縁膜厚は薄いほどよい。特に、トンネル絶縁膜厚Tを0.7nm以下にすることが望ましい。また、トラップ絶縁膜としてシリコン窒化膜を用いた場合、Si/N比が大きいほどダングリングボンド密度が増加する。以下、T=0.7nm、Si/N=1という2つの条件について述べる。
トンネル抵抗は、トンネル絶縁膜厚Tに対して指数関数的に増加する。したがって、トンネル絶縁膜を極力薄くする、或いはトンネル絶縁膜を形成しないことが望ましい。ところが、通常の製造工程では、シリコン基板上に自然酸化膜が形成される。この自然酸化膜の典型的な値は0.7nm程度である。したがって、トンネル絶縁膜厚Tを0.7nm以下にすることは、トンネル絶縁膜厚Tを自然酸化膜厚以下にすることを意味する。すなわち、0.7nmという値は、自然酸化膜厚に基づく値である。
シリコン窒化膜(SiUN)では、通常は、U値すなわちSi/N比が大きいほどダングリングボンドが増加する。したがって、通常は、U値を増加させることで、ノイズを増加させることができる。しかしながら、U値が著しく大きくなると、過剰SiによってSi−Siのネットワークが形成され始める。その結果、U値が増加しても、Siダングリングボンドが増加しなくなる。U値が1(Si/N=1)程度でダングリングボンド数が最も多くなると考えられる(J.Robertson , Philosophical Magazine B, 1994, Vol.69, No.2, 307-326 参照)。したがって、Si/N=1という値は、ダングリングボンドに基づくノイズ成分が最も大きくなる値であると考えられる。
以上のことから、1MHzの振動成分を0.01%以上含む乱数を生成可能なノイズ生成素子では、L及びWは、
1/(L・W2/5)≧2.23[μm-7/5
という条件を満たせばよい。
また、1MHzの振動成分を0.1%以上含む乱数を生成可能なノイズ生成素子では、L及びWは、
1/(L・W2/5)≧22.25[μm-7/5
という条件を満たせばよい。
また、1MHzの振動成分を1%以上含む乱数を生成可能なノイズ生成素子では、L及びWは、
1/(L・W2/5)≧2.23×102[μm-7/5
という条件を満たせばよい。
また、すでに述べたように、シリコン窒化膜(SiUN:U>0.75)の実験データから、フーリエ係数は、a×((U−0.75)/(1+U)+0.01174)1/2に比例する。上式のa×0.011741/2は、U=0.75のときのノイズ強度の典型的な目安である。しかしながら、例えば、シリコン酸窒化膜におけるO原子の含有量によって、上記の値は変動し得る。また、膜形成条件によっても上記の値は変動し得る。最もノイズが生成されにくい場合、すなわちストイキオメトリが満たされている場合に、上記a×0.011741/2の値が0でも、所望のノイズ成分が生成されることが望ましい。この場合、1MHzの振動成分を0.01%以上含む乱数を生成可能なノイズ生成素子では、
[x/(x+7−4y)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧0.37[μm-7/5
なる関係を満たす。
また、1MHzの振動成分を0.1%以上含む乱数を生成可能なノイズ生成素子では、
[x/(x+7−4y)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧3.67[μm-7/5
なる関係を満たす。
また、1MHzの振動成分を1%以上含む乱数を生成可能なノイズ生成素子では、
[x/(x+7−4y)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧36.67[μm-7/5
なる関係を満たす。
また、以上の説明では、シリコン酸窒化膜部にダングリングボンドが豊富に存在するという前提の元、統計学の一般的法則から、ダングリングボンドの揺らぎへの寄与が1/2乗に依存すると仮定している。したがって、シリコン酸窒化膜部が、ダングリングボンドを豊富に有しないSiO2の場合は、上記仮定は当てはまらないと考えられる。
すでに述べたように、トラップ絶縁膜は、Six(SiO2)y(Si34)1-yz(ただし、MはSi、O及びN以外の元素、x≧0、1≧y≧0、z≧0、x=0且つy=1且つz=0の場合は除く)なる一般式で表される。ここで、元素Mとしては、ハフニウム、ランタン或いはジルコニウム等の金属元素があげられる。
また、トラップ絶縁膜は、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜或いはシリコン酸窒化膜が主成分である。したがって、これらのシリコン酸窒化膜等の原子数(x+7−4y)が、元素Mの原子数z以上になっていることが望ましい。したがって、「z≦x+7−4y」であることが望ましい。
また、トラップ絶縁膜には、ダングリングボンドによるトラップが豊富に含まれていることが望ましい。通常は、x値が大きいほどSiダングリングボンドが多くなるため、x値が大きいことが望ましい。ただし、1原子当たりの過剰Si原子数(x/(x+7−4y))が、「x/(x+7−4y)≦0.596」であることが望ましい。すなわち、「x≦0.596(7−4y)/(1−0.596)」であることが望ましい。SiUNにおいて、U値が0.75から増加していくと、過剰SiによるSiダングリングボンドは増加するが、過剰Siが多すぎると、Si原子どうしの再結合により、U=1付近をピークとしてダングリングボンドは減少し始める。そして、U値が約10/3のときのダングリングボンド数は、U値が0.75のときのダングリングボンド数とほぼ等しくなる(例えば、「S. Hasegawa et al., Appl. Phys. Lett. Vol.58, pp741-743 (1991)」参照)。Si原子どうしの再結合の機会は、1原子当たりの過剰Si原子数で決まると考えられる。U=10/3のときの1原子当たりの過剰Si原子数は、(U−0.75)/(1+U)=0.596個である。したがって、1原子当たりの過剰Si原子数は、0.596個以下であることが望ましい。
なお、以上説明した各実施形態では、半導体基板としてシリコン基板を用いたが、シリコン以外の半導体基板を用いてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示された構成要件を適宜組み合わせることによって種々の発明が抽出され得る。例えば、開示された構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、所定の効果が得られるものであれば発明として抽出され得る。
本発明の第1の実施形態及び第3〜第7の実施形態に係るノイズ生成素子の構成を模式的に示した断面図である。 本発明の第1〜第7の実施形態に係るノイズ生成素子の構成を模式的に示した平面図である。 本発明の実施形態に係るノイズ生成素子の電流揺らぎの測定結果を示した図である。 従来技術に係るノイズ生成素子の電流揺らぎの測定結果を示した図である。 電流揺らぎの周波数特性を示した図である。 本発明の実施形態に係るノイズ生成素子の電流揺らぎの測定結果を示した図である。 本発明の実施形態に係るノイズ生成素子の電流揺らぎの周波数特性を示した図である。 本発明の実施形態に係るノイズ生成素子について、チャネル長とフーリエ係数との関係を示した図である。 本発明の実施形態に係るノイズ生成素子について、チャネル幅とフーリエ係数との関係を示した図である。 本発明の実施形態に係るノイズ生成素子について、トンネル絶縁膜厚とフーリエ係数との関係を示した図である。 本発明の実施形態に係るノイズ生成素子について、シリコン窒化膜の原子数比率とフーリエ係数との関係を示した図ある。 本発明の第2の実施形態に係るノイズ生成素子の構成を模式的に示した断面図である。 本発明の実施形態に係る乱数発生装置の概略構成の一例を示した電気回路図である。 本発明の実施形態に係る乱数発生装置の概略構成の他の例を示した電気回路図である。 本発明の実施形態に係る乱数発生装置におけるノイズ源の構成例を示した図である。 本発明の実施形態に係る乱数発生装置における入力回路の構成例を示した図である。 本発明の実施形態に係る乱数発生装置におけるローパスフィルタ及びハイパスフィルタの構成例を示した図である。 本発明の実施形態に係る乱数発生装置におけるコンパレータの構成例を示した図である。 本発明の実施形態に係る乱数発生装置におけるバッファの構成例を示した図である。
符号の説明
10…シリコン基板 11…チャネル領域
12…トンネル絶縁膜 13…トラップ絶縁膜
14…制御絶縁膜 15…ゲート電極(制御電極)
16a…ソース領域 16b…ドレイン領域
30…ノイズ源 31…ノイズ生成素子
40…入力回路 41、42…MOSトランジスタ
50…ローパスフィルタ 60…コンパレータ
70…バッファ 71、72…MOSトランジスタ
80…ハイパスフィルタ

Claims (20)

  1. ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域とドレイン領域との間に設けられたチャネル領域と、前記チャネル領域上に設けられた絶縁部であって、ダングリングボンドに基づくトラップを有し且つSix(SiO2)y(Si34)1-yz(ただし、MはSi、O及びN以外の元素、x≧0、1≧y≧0、z≧0、x=0且つy=1且つz=0の場合は除く)で表されたトラップ絶縁膜を含んだ絶縁部と、を備え、前記トラップに捕捉された電荷の量に応じて前記チャネル領域の導電性がランダムに変動する半導体素子と、
    前記半導体素子に接続され、前記チャネル領域の導電性のランダムな変動に基づく乱数を生成する乱数生成部と、
    を備えたことを特徴とする乱数発生装置。
  2. 前記絶縁部は、前記チャネル領域と前記トラップ絶縁膜との間に設けられたトンネル絶縁膜をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の乱数発生装置。
  3. 前記チャネル領域のチャネル長をL[μm]、前記チャネル領域のチャネル幅をW[μm]、前記チャネル領域と前記トラップ絶縁膜との間のトンネル絶縁膜の厚さをT[nm](ただし、T≧0)、前記トンネル絶縁膜のバリア高をH[eV]として、
    以下の関係が満たされる
    [x/(x+7−4y+z)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}+0.01174]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧0.37[μm-7/5
    ことを特徴とする請求項1に記載の乱数発生装置。
  4. 前記トラップ絶縁膜が、Six(SiO2)y(Si34)1-y(ただし、x≧0、1>y>0)と表され、
    以下の関係が満たされる
    [x/(x+7−4y)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}+0.01174]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧0.37[μm-7/5
    ことを特徴とする請求項3に記載の乱数発生装置。
  5. 前記トラップ絶縁膜が、SiUN(ただし、U≧0.75)と表され、
    以下の関係が満たされる
    ((U−0.75)/(1+U)+0.01174)1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧0.37[μm-7/5
    ことを特徴とする請求項3に記載の乱数発生装置。
  6. 前記トラップ絶縁膜が、SiVO(ただし、V>0.5)と表され、
    以下の関係が満たされる
    [{(V−0.5)/(V+1)}×2+0.01174]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧0.37[μm-7/5
    ことを特徴とする請求項3に記載の乱数発生装置。
  7. 前記チャネル領域のチャネル長をL[μm]、前記チャネル領域のチャネル幅をW[μm]として、
    以下の関係が満たされる
    1/(L×W2/5)≧2.23
    ことを特徴とする請求項1に記載の乱数発生装置。
  8. 前記トラップ絶縁膜が、Six(SiO2)y(Si34)1-yz(ただし、MはSi、O及びN以外の元素、x>0、1≧y≧0、z≧0)と表され、
    以下の関係が満たされる
    [x/(x+7−4y+z)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧0.37[μm-7/5
    ことを特徴とする請求項3に記載の乱数発生装置。
  9. 前記チャネル領域のチャネル長をL[μm]、前記チャネル領域のチャネル幅をW[μm]、前記チャネル領域と前記トラップ絶縁膜との間のトンネル絶縁膜の厚さをT[nm](ただし、T≧0)、前記トンネル絶縁膜のバリア高をH[eV]として、
    以下の関係が満たされる
    [x/(x+7−4y+z)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}+0.01174]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧3.67[μm-7/5
    ことを特徴とする請求項1に記載の乱数発生装置。
  10. 前記トラップ絶縁膜が、Six(SiO2)y(Si34)1-y(ただし、x≧0、1>y>0)と表され、
    以下の関係が満たされる
    [x/(x+7−4y)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}+0.01174]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧3.67[μm-7/5
    ことを特徴とする請求項9に記載の乱数発生装置。
  11. 前記トラップ絶縁膜が、SiUN(ただし、U≧0.75)と表され、
    以下の関係が満たされる
    ((U−0.75)/(1+U)+0.01174)1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧3.67[μm-7/5
    ことを特徴とする請求項9に記載の乱数発生装置。
  12. 前記トラップ絶縁膜が、SiVO(ただし、V>0.5)と表され、
    以下の関係が満たされる
    [{(V−0.5)/(V+1)}×2+0.01174]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧3.67[μm-7/5
    ことを特徴とする請求項9に記載の乱数発生装置。
  13. 前記チャネル領域のチャネル長をL[μm]、前記チャネル領域のチャネル幅をW[μm]として、
    以下の関係が満たされる
    1/(L×W2/5)≧22.25
    ことを特徴とする請求項1に記載の乱数発生装置。
  14. 前記トラップ絶縁膜が、Six(SiO2)y(Si34)1-yz(ただし、MはSi、O及びN以外の元素、x>0、1≧y≧0、z≧0)と表され、
    以下の関係が満たされる
    [x/(x+7−4y+z)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧3.67[μm-7/5
    ことを特徴とする請求項9に記載の乱数発生装置。
  15. 前記チャネル領域のチャネル長をL[μm]、前記チャネル領域のチャネル幅をW[μm]、前記チャネル領域と前記トラップ絶縁膜との間のトンネル絶縁膜の厚さをT[nm](ただし、T≧0)、前記トンネル絶縁膜のバリア高をH[eV]として、
    以下の関係が満たされる
    [x/(x+7−4y+z)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}+0.01174]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧36.67[μm-7/5
    ことを特徴とする請求項1に記載の乱数発生装置。
  16. 前記トラップ絶縁膜が、Six(SiO2)y(Si34)1-y(ただし、x≧0、1>y>0)と表され、
    以下の関係が満たされる
    [x/(x+7−4y)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}+0.01174]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧36.67[μm-7/5
    ことを特徴とする請求項15に記載の乱数発生装置。
  17. 前記トラップ絶縁膜が、SiUN(ただし、U≧0.75)と表され、
    以下の関係が満たされる
    ((U−0.75)/(1+U)+0.01174)1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧36.67[μm-7/5
    ことを特徴とする請求項15に記載の乱数発生装置。
  18. 前記トラップ絶縁膜が、SiVO(ただし、V>0.5)と表され、
    以下の関係が満たされる
    [{(V−0.5)/(V+1)}×2+0.01174]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧36.67[μm-7/5
    ことを特徴とする請求項15に記載の乱数発生装置。
  19. 前記チャネル領域のチャネル長をL[μm]、前記チャネル領域のチャネル幅をW[μm]として、
    以下の関係が満たされる
    1/(L×W2/5)≧2.23×102
    ことを特徴とする請求項1に記載の乱数発生装置。
  20. 前記トラップ絶縁膜が、Six(SiO2)y(Si34)1-yz(ただし、MはSi、O及びN以外の元素、x>0、1≧y≧0、z≧0)と表され、
    以下の関係が満たされる
    [x/(x+7−4y+z)×{(4−4y)/(4−2y)+2y/(4−2y)×2}]1/2×exp(−T{H/3.1[eV]}1/2/0.8664[nm])/LW2/5≧36.67[μm-7/5
    ことを特徴とする請求項15に記載の乱数発生装置。
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