JP4381953B2 - 表面弾性波デバイス - Google Patents

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本発明は、圧電性を有する半導体材料からなる伝搬層上に櫛形電極を形成することにより作製される表面弾性波(以下SAWという)デバイスに係り、特に、SAWデバイスの一種である信号処理デバイスに関するものである。
従来の圧電性を有する半導体材料からなる伝搬層上に形成されるSAW信号処理デバイスについて説明する。
図5は従来のSAW信号処理デバイスの構造を示す説明図である。図5において、5−0はサファイア(0001)基板、5−1は例えばMOCVD法もしくはMBE法により形成される(0001)方向に配向する不純物を積極的に含まない(なお、各製造過程で不可避的に侵入する極微少量の不純物の侵入は防ぎようがないので、このような微少量の不純物が含まれても素子特性に与える影響が少なければ許容されるものと思われる。)、例えば厚さ2μmのGaNからなる伝搬層、5−3および5−4は所定の電極長l(例えば2μm)、電極間隔s(例えば2μm)、電極幅(例えば500μm)、対数(例えば50)を有し、所定の間隔(例えぱ5mm)をおいて対向する位置に配置される厚さ100nmのアルミニウムからなる櫛形電極である。5−5はSAWの伝搬領域である。
上述構造と類似の構造(伝搬層厚、電極長、電極間隔、電極幅、対数が異なる構造)が〔非特許文献1参照〕において開示されている。この非特許文献1に開示されているSAW信号処理デバイスは、中心周波数fのトランスバーサルフィルタとして機能する。ここでfは、電極長l、電極間隔s、SAWの伝搬速度vによってv=v/〔2(l+s)〕により規定される。この従来例(第1の従来例という)で用いられるGaNにおいては、vの値はGaN層厚、電極長l、電極間隔sに依存して変化するが、この第1の従来例の構造においては4683m/sであり、f=585.4MHzとなる。この第1の従来例の構造の信号処理デバイスとしての動作は以下の通りである。
図5に示す櫛形電極の一方(入力電極、例えば5−3)を構成する電極指間に交流の電気信号を入力する。電気信号の周波数がfの場合に最も効率的にSAWが励振される。SAWは伝搬層表面付近を他方の櫛形電極(出力電極、例えば5−4)へ伝搬する。櫛形電極5−4においてSAWは電気信号に変換されデバイス外部へ出力される。fと異なる周波数の電気信号は効率的にはSAWへ変換されないため、この第1の従来例のデバイスにより電気信号から特定の周波数を有する信号成分が抽出される。すなわち、上記の動作により図6に示すような周波数特性(伝搬特性のスペクトル)を有するSAWデバイス(トランスバーサルフィルタ)が提供される。
なお、上記第1の従来例構造においては、特定の電極長、電極間隔、電極幅、対数を有する櫛形電極によって構成されるSAWデバイスについて、その動作原理を説明しているが、櫛形電極の形状は所望の周波数特性を実現するために決定されるものであり、トランスバーサルフィルタとしての動作が特定の形状に限定されるものではない。例えば、要求されるfの値が高いほど小さいl、sの値が必要となるが、加工精度が許す限りにおいて任意の値を有する櫛形電極の形成が可能である。例えば、電子ビーム露光を用いることにより、0.1μmの電極長・電極間隔を有する櫛形電極を精度良く形成することが可能である。
異なる周波数特性を有するトランスバーサルフィルタを組み合わせることにより、デバイス動作時にその伝搬特性を変化させることが可能である可変フィルタが実現されている。
ここで、第2の従来例構造としての可変フィルタの一構成例を図7を用いて説明する。この第2の従来例の構造として、〔非特許文献2参照〕において「バンプ型可変フィルタ」として説明されている。
図7において、7−3a、7−4aは伝搬層7−1表面に形成され、相互に等しい電極長・電極間隔を有する櫛形電極からなる入力電極および出力電極であり、これらによって伝搬領域7−5aを有するトランスバーサルフィルタ7−7aが構成される。同様に、トランスバーサルフィルタ7−7b〜7−7eが櫛形電極7−3b〜7−3eおよび7−4b〜7−4e、伝搬領域7−5b〜7−5eを伴って伝搬層7−1表面に形成される。各トランスバーサルフィルタは、それぞれの櫛形電極の電極長および電極間隔が相互に異なっており、したがって異なる中心周波数を有している。
さらにこの第2の従来例構造は、櫛形電極7−3a〜7−3eに対して並列に接続されている信号入力手段を有し、かつ、制御回路7−8a〜7−8eが櫛形電極7−4a〜7−4eに接続されている。トランスバーサルフィルタ7−7a〜7−7eの各々の出力信号は櫛形電極7−4a〜7−4eから出力され、制御回路7−8a〜7−8eを介した後、加算・出力される。各制御回路により重み制御を行うことにより、出力信号のスペクトル形状が変化し、もって、第2の従来例構造の可変フィルタとしての動作が実現される。
上記図5および図6を伴って説明したように、上記従来構造によるトランスバーサルフィルタにおいては、周波数特性はその構造パラメータおよび伝搬層の電気音響学的性質によって製造時に一意的に決定されており、デバイス動作中に周波数特性を変化させ、所定の周波数特性を実現することは不可能である。したがって、従来構造による可変フィルタにおいて所定の周波数特性を得るためには、図7を伴って説明したように出力側に制御回路(電気回路)を付加し、各トランスバーサルフィルタから出力される電気信号に対して重み制御を行う必要がある。
Suk-Hun Lee,Hwan-Hee Jeong,Sung-Bum Bae,Hyun-Chul Choi,Member,IEEE,andYong-Hyun Lee,Member,IEEE:「EpitaxiallyGrown GaN Thin-FilmSAW Filter with High Velocity and Low Insertion Loss」、IEEE Transaction on Elctoron Devices vol.48 no.3,pp.524-529 「弾性表面波工学」(電子情報通信学会編、柴山乾夫監修、ISBN4−88552−048−7)「II.応用編 第4章 信号処理への応用 4.3可変フィルタ」
このように、従来の信号処理を目的とするSAWデバイスは、周波数特性を変化させる機能を有しないため、動作状態において特性を変化させ所定の特性を実現するためには、出力を電気信号に変換後に重み制御用の電気回路を介する必要があり、その結果デバイス構成が複雑になるという問題があった。
本発明の目的は上記従来技術における問題点を解消し、デバイスの動作中にゲート電圧を変化させるという簡易な構成で、表面弾性波の伝搬効率を任意に変調することができる機能を有するSAWデバイスを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は特許請求の範囲に記載のような構成とするものである。すなわち、
請求項1に記載のように、少なくとも、基板と、圧電性を有する半導体材料からなる伝搬層と、当該伝搬層表面に局所的に形成された一組ないしそれ以上の櫛形電極と、前記伝搬層表面に局所的に形成されたゲート電極からなり、
前記ゲート電極が、櫛形電極から放射され伝搬層を伝搬する表面弾性波の伝搬領域の外部に形成され
前記伝搬層をメサエッチングすることにより形成されたメサ構造表面に、前記櫛形電極および前記ゲート電極を形成してなる表面弾性波デバイスとするものである。
また、請求項に記載のように、同一基板上に、前記請求項に記載の表面弾性波デバイスを複数個形成してなり、前記表面弾性波デバイスに並列接続により信号を入出力する手段と、前記各表面弾性波デバイスのゲート電極に独立にバイアス電圧を印加する手段を有し、可変フィルタとして動作する表面弾性波デバイスとするものである。
また、請求項に記載のように、請求項1または2に記載の表面弾性波デバイスにおいて、前記基板が(0001)サファイア基板からなり、前記伝搬層が(0001)方向に配向する不純物を積極的に含まない窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化インジウム、窒化ホウ素、それらの混晶、それらを積層してなる層、のいずれかからなる表面弾性波デバイスとするものである。
また、請求項に記載のように、請求項1または2に記載の表面弾性波デバイスにおいて、前記基板が(0001)SiC基板からなり、前記伝搬層が(0001)方向に配向する不純物を積極的に含まない窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化インジウム、窒化ホウ素、それらの混晶、それらを積層してなる層、のいずれかからなる表面弾性波デバイスとするものである。
本発明は、圧電性を有する化合物半導体(特にGaNなど)を用いた表面弾性波デバイスに係り、一対の櫛型電極対に対向して、別個にゲート電極を設けた点に特長があり、複雑な外部電気回路を用いなくても、デバイスの動作中にゲート電圧を変化させるという簡易な構成で、表面弾性波の伝搬効率を任意に変調することができる。
本発明によるSAWデバイスは、少なくとも、基板と、圧電性を有する半導体材料からなる伝搬層と、伝搬層表面に局所的に形成される一組ないしそれ以上の櫛形電極と、伝搬層表面に局所的に形成されるゲート電極からなり、上記ゲート電極が櫛形電極から放射され伝搬層を伝搬する表面弾性波の伝搬領域の外部に形成されるという構造の表面弾性波デバイスとするものである。
また、本発明によるSAWデバイスは、少なくとも、基板と、圧電性を有する半導休材料をメサエッチングすることにより形成される伝搬層と、伝搬層表面に局所的に形成される一組ないしそれ以上の櫛形電極と、伝搬層表面に局所的に形成されるゲート電極からなり、上記ゲート電極が櫛形電極から放射され伝搬層を伝搬する表面弾性波の伝搬領域の外部に形成するという構造の表面弾性波デバイスとするものである。
さらに、本発明によるSAWデバイスは、前記基板が(0001)サファイア基板、もしくは(0001)SiC基板からなり、前記伝搬層が(0001)方向に配向する不純物を積極的に含まない窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化インジウム、窒化ホウ素、それらの混晶、それらを積層してなる層、のいずれかからなる構造の表面弾性波デバイスとするものである。
以下に、参考例の説明に続き、本発明を実施するための最良の形態として、実施例1および2を挙げ、図面を用いてさらに詳細に説明する。
参考例
図1は本発明に係る参考例で例示するSAWデバイスの構成を示す模式図(上面図および断面図)である。図1(a)は上面図を示し、図1(b)は図1(a)のA−A′断面図である。
図1において、1−0はサファイア(0001)基板、1−1は、例えばMOCVD法もしくはMBE法により形成される(0001)方向に配向する不純物を積極的に含まない、例えば厚さ2μmのGaNからなる伝搬層、1−3および1−4は所定の電極長l(例えば2μm)、電極間隔s(例えば2μm)、電極幅(例えば500μm)、対数(例えば50)を有し、所定の間隔(例えば5mm)をおいて対向する位置に配置される厚さ100nmのアルミニウムからなる櫛形電極である。図1において、1−5はSAWの伝搬領域、1−6は伝搬領域の外部に櫛形電極と同時に形成される厚さ100nmアルミニウムからなるゲート電極である。
参考例は、上記第1の従来例と同様に、中心周波数f(上記のGaN層厚、電極長、電極間隔に対しては、第1の従来例と等しく585.4MHz)の電気信号を選択的に透過するトランスバーサルフィルタとして機能する。
参考例においては、図2(a)のエネルギーバンド構造図に示すように、ゲート電極1−6に正のバイアス電圧を印加する場合、そのバイアス電圧は櫛形電極を構成するショットキ障壁に対して逆バイアスとして作用するので、櫛形電極直下の伝搬層における空乏層厚が大きくなり残留キャリア(電子)濃度が減少する。高いバイアス電圧ほど減少量は大きい。
残留キャリアは櫛形電極における電気信号からSAWへの変換およびSAWから電気信号への変換を抑制する作用を有するので、残留キャリア濃度減少により、櫛形電極における電気信号からSAWへの変換効率およびSAWから電気信号への変換効率が増加し、もって櫛形電極問の信号伝搬効率が増加する。一方、ゲート電極1−6に負のバイアス電圧を印加すると、櫛形電極を構成するショットキ障壁に対して順バイアスとして作用し、櫛形電極直下の残留キャリア濃度が増加する。それにより電気信号・SAW間の変換効率が低下し、したがって櫛形電極間の信号伝搬効率が低下する。
このように本参考例においては、図2(b)に示すように、ゲート電極1−6に印加するバイアス電圧を変化させることにより、トランスバーサルフィルタとしての伝搬特性の変化が実現される。
なお、本参考例においては電極長2μm、電極間隔2μmの櫛形電極によって構成されるSAWデバイスについての効果を説明したが、従来構造を有するトランスバーサルフィルタについて説明したことから明らかなように、の効果は櫛形電極の特定の形状に限定されるものではない。
また、本参考例においては、櫛形電極と同時に形成される櫛形電極と同一の厚さの材料からなるゲート電極についての効果を説明しているが、ゲート電極1−6はSAW伝搬領域1−5上に形成されていない。したがって、櫛形電極形成とは別工程によりゲート電極を十分厚い金属層により形成し、ゲート電極の質量によるSAWの減衰を伴わずに、ゲート電極の抵抗を低減させるという変更が可能である。また本参考例においてはゲート電極をGaNに対してショットキ障壁を形成するアルミニウムによって形成しているが、ゲート電極の電気的性質(ショットキ電極か、あるいはオーミック電極か)の如何に関わらず、櫛形電極がショットキ障壁を有する限り同様の効果が実現されるのであるから、ゲート電極を例えばTi/Alの二層構造形成後、アニールすることにより形成されるオーミック電極により形成するという変更も可能である。
これらの変更により周波数特性の変化を制限する要因である寄生抵抗が減少し、周波数特性の高速変化が実現される。
〈実施例
図3は本発明に係る第の実施形態を示す説明図である。図3は本発明に係る第の実施例として例示するSAWデバイスの構成を示す模式図(上面図および断面図)である。図3(a)は上面図、図3(b)は、図3(a)のA−A′断面図である。
図3において、3−0はサファイア(0001)基板、3−1は例えばMOCVD法もしくはMBE法により形成される(0001)方向に配向する不純物を積極的に含まない、例えば厚さ2μmのGaNからなる伝搬層、3−2は上記伝搬層を局所的にサファイア基板に達するまでメサエッチングを行うことにより形成されるメサ構造、3−3および3−4は所定の電極長(例えば2μm)、電極間隔(例えば2μm)、電極幅(例えば500μm)、対数(例えば50)を有し、所定の間隔(例えば5mm)をおいて対向する位置に配置される厚さ100nmのアルミニウムからなる櫛形電極である。3−5は、SAWの伝搬領域、3−6は伝搬領域の外部に形成される厚さ100nmアルミニウムからなるゲート電極である。
本実施例は上記参考例と同様に、中心周波数f(上記のGaN層厚、電極長、電極間隔に対しては、第1の従来例と等しく585.4MHz)の電気信号を選択的に透過するトランスバーサルフィルタとして機能する。また、ゲート電極の作用も上記参考例と同様であり、その効果が櫛形電極の形状によらないことも同様である。
本実施例においては、不純物を積極的に含まないGaNからなる伝搬層を局所的にメサエッチングすることにより形成されるメサ構造表面に櫛形電極およびゲート電極が形成されている。ゲート電極にバイアス電圧を印加することにより生ずる効果は、電気伝導性を有する伝搬層を介してのみ櫛形電極に効果を及ぼすのであるから、その効果はメサエッチングにより形成されている伝搬層内部に限られる。すなわち、本実施例においては、SAWデバイス外部にバイアス電圧印加の影響を及ぼすことなく、伝搬特性の変化が実現される。
なお、本実施例においては、参考例と同様にゲート電極の質量によるSAWの減衰を伴わずに、ゲート電極を十分厚い金属層により形成するという変更が可能である。またゲート電極をオーミック性電極により形成するという変更も可能である。
また、基板表面に達するまでメサエッチングを行う場合について発明の効果を説明しているが、メサエッチングの目的が伝搬層の電気的な絶縁性を確保することにあるので、メサエッチング後に残留するGaN層が完全に空乏化する限りにおいて、エッチング後の最表面をGaNとするという変更も可能である。
〈実施例
図4は本発明に係る第の実施例としてSAWデバイスの構成を示す説明図であり、そのデバイスの上面図を示す。図4において、4−0はサファイア(0001)基板、4−2a〜4−2gは、例えばMOCVD法もしくはMBE法により形成される(0001)方向に配向する不純物を積極的に含まない、例えば厚さ2μmのGaNからなる伝搬層を、該伝搬層を局所的にサファイア基板に達するまでメサエッチングを行うことにより形成されるメサ構造、4−7a〜4−7eは、各メサ構造表面に、所定の電極長、電極間隔、電極幅、対数を有し、所定の間隔をおいて対向する位置に配置される厚さ100nmのアルミニウムからなる櫛形電極(4−3a〜4−3eおよび4−4a〜4−4e)、およびSAWの伝搬領域(4−5a〜4−5e)の外部に厚さ100nmアルミニウムからなるゲート電極(4−6a〜4−6e)を形成することにより実現されるトランスバーサルフィルタである。各トランスバーサルフィルタは、それぞれの櫛形電極の電極長および電極間隔が相互に異なっており、したがって、異なる中心周波数を有している。
さらに、本実施例は、櫛形電極4−3a〜4−3eに対して並列に接続されている信号入力手段、および櫛形電極4−4a〜4−4eに対して並列に接続されている信号出力手段を有する。また、各ゲート電極に対して個別にバイアス電圧を印加する手段を有する。
本実施例においては、各トランスバーサルフィルタはメサ構造によって分離されているのであるから、ゲート電極にバイアス電圧を印加することの効果は同ゲート電極と同一のメサ構造内に限定される。したがって、各ゲート電極に所定のバイアス電圧を印加することにより、各トランスバーサルフィルタの伝搬特性が個別に制御され、可変フィルタとしての動作が実現される。
以上、トランスバーサルフィルタおよび複数のトランスバーサルフィルタを組み合わせることにより構成される可変フィルタの範囲で本発明の効果を説明したが、本発明の根幹が櫛形電極におけるSAWへの変換効率の変調にある以上、櫛形電極を伴う他のSAWデバイス、例えば共振器に対して本発明を適用することが可能であること、すなわち、共振器の近接位置にゲート電極を形成し所定のバイアス電圧を印加することによりその共振特性が変調可能であることは明らかである。
また、上記実施例においては不純物を積極的に含まないGaNからなる伝搬層表面、もしくは同伝搬層を局所的にメサエッチングすることにより形成されるメサ構造表面上に櫛形電極を形成する場合について発明の効果を説明しているが、上記伝搬層に代わってサファイア基板上に不純物を積極的に含まないGaNからなる層上にn型不純物を積極的に含むか、あるいは含まないAlGaN薄層を形成することにより形成されるAlGaN/GaNヘテロ構造を形成し、同ヘテロ構造のAlGaN薄層を局所的にエッチングすることにより得られるGaN表面上に櫛形電極を形成するという変更も可能である。AlGaN/GaNヘテロ構造から電界効果型トランジスタなどの電子デバイスが形成されるのであるから、上記変更により、SAWデバイスと電子デバイスの同一基板上への集積が実現される。
本発明に係る参考例で例示したSAWデバイスの構成を示す上面図および断面図。 本発明に係る参考例で例示したSAWデバイスの効果を示す説明図。 本発明の実施例で例示したSAWデバイスの構成を示す上面図および断面図。 本発明の実施例で例示したSAWデバイスの構成を示す上面図。 第1の従来例として例示したSAWデバイスの構成を示す上面図および断面図。 第1の従来例として例示したSAWデバイスの伝搬特性をしめす説明図。 第2の従来例として例示したSAWデバイスの構成を示す上面図。
符号の説明
1−0、3−0、4−0、5−0…基板
1−1、3−1、4−1、5−1、7−1…伝搬層
3−2、4−2a〜4−2e…メサ構造
1−3、1−4、3−3、3−4…櫛型電極
4−3a〜4−3e、4−4a〜4−4e…櫛型電極
5−3、5−4、7−3a〜7−3e、7−4a〜7−4e…櫛型電極
1−5、3−5、4−5a〜4−5e…SAW伝搬領域
5−5、7−5a〜7−5e…SAW伝搬領域、
1−6、3−6、4−6a〜4−6e…ゲート電極
4−7a〜4−7e、7−7a〜7−7e…トランスバーサルフィルタ
7−8a〜7−8e…制御回路

Claims (4)

  1. 少なくとも、基板と、圧電性を有する半導体材料からなる伝搬層と、当該伝搬層表面に局所的に形成された一組ないしそれ以上の櫛形電極と、前記伝搬層表面に局所的に形成されたゲート電極からなり、
    前記ゲート電極が、櫛形電極から放射され伝搬層を伝搬する表面弾性波の伝搬領域の外部に形成され
    前記伝搬層をメサエッチングすることにより形成されたメサ構造表面に、前記櫛形電極および前記ゲート電極を形成してなることを特徴とする表面弾性波デバイス。
  2. 同一基板上に、前記請求項に記載の表面弾性波デバイスを複数個形成してなり、前記表面弾性波デバイスに並列接続により信号を入出力する手段と、前記各表面弾性波デバイスのゲート電極に独立にバイアス電圧を印加する手段を有し、可変フィルタとすることを特徴とする表面弾性波デバイス。
  3. 請求項1または2に記載の表面弾性波デバイスにおいて、前記基板が(0001)サファイア基板からなり、前記伝搬層が(0001)方向に配向する不純物を積極的に含まない窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化インジウム、窒化ホウ素、それらの混晶、それらを積層してなる層、のいずれかからなることを特とする表面弾性波デバイス。
  4. 請求項1または2に記載の表面弾性波デバイスにおいて、前記基板が(0001)SiC基板からなり、前記伝搬層が(0001)方向に配向する不純物を積極的に含まない窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化インジウム、窒化ホウ素、それらの混晶、それらを積層してなる層、のいずれかからなることを特とする表面弾性波デバイス。
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