JP4158360B2 - マスキングペーパー及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はアクリル板或いは塩化ビニル板等の樹脂板の表面保護に利用されるマスキングペーパー及びその製造方法に関する。更に詳しくは、サイズ性が高く、乾燥時、湿潤時の引張強度及び表面強度の全てに優れたマスキングペーパー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マスキングペーパーは、アクリル板或いは塩化ビニル板等の樹脂板の表面に貼付され、樹脂板の表面を保護する紙として、広く使用されている。マスキングペーパーは、抄紙後の加工工程で、湿紙がヤンキードライヤーに接して乾燥した面(艶面)に糊が塗布され、乾燥された後、再びスチームにより糊を再湿潤し、アクリル板等の樹脂板に貼付され、表面保護紙として使用されるものである。
【0003】
上述の糊を塗布する工程で、糊がマスキングペーパーの裏面へ染み出てしまうという、糊の裏抜けが問題となっており、糊の裏抜けを防止するため、高いサイズ性および高いバリアー性を付与することが求められている。更に糊の塗布時は、マスキングペーパーは湿潤状態となるため、破断をおこさないように高い湿潤強度も必要である。
【0004】
又、樹脂板保護紙としての実用の際、即ち保管時又は運搬時に樹脂板をスライドさせた際、マスキングペーパーの表面が摩擦を受け剥けてきてしまうことがあるため、表面強度が高いことが望まれている。
【0005】
上記の品質に応えるため、様々な技術が提案されている。従来、紙の強度を高める目的で、変性デンプン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリアミドーエピクロルヒドリン樹脂、メラミンーホルムアルデヒド樹脂、尿素ーホルムアルデヒド樹脂等が製紙用紙力増強剤としてパルプ繊維に添加されているが、これらは、紙力増強効果が低かったり、高価であったり、或いは抄造条件によっては歩留まりが悪く、実用に際して強度の発現効果が十分でない等種々の問題がある。
【0006】
カルボキシメチルセルロース(以下CMCという)やカルボキシエチルセルロース等のセルロース誘導体に紙の強度を増強する作用があることは古くから知られているが、パルプ繊維を含む紙料に添加して用いる種類の紙力増強剤としては、得られる強度の増強効果が小さい等の問題点があり、紙料に添加して用いる製紙用紙力増強剤としては、現在ほとんど使用されていないのが実状である。
【0007】
更に、抄紙に際しては紙力増強剤の他に高いサイズ性とバリヤー性を付与するために撥水性、耐水性、サイズ性等の性能を付与する目的で、ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤、アルケニルコハク酸塩、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸等の製紙用サイズ剤をパルプ繊維スラリーに添加している。これらのサイズ剤に関する大きな問題点の一つとして、サイズ剤の歩留まり不良がある。このためサイズ剤の添加率を上げて対応するため、抄紙系内を汚し、操業性に問題を残す。又、サイズ剤の歩留まりを向上させる目的で、カチオン変性デンプン、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂等のように種々のカチオン性の薬品が添加されるが、それでも得られる効果が十分でなかったり、薬品が高価であったり、又、他に添加される薬品によっても効果が落ちるとか、品質が安定しない等の問題点を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来の技術の欠点を克服し、優れたサイズ性、紙力を有し、加工適性に優れ、経済性も良好なマスキングペーパーを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下の各発明を包括する。
(1)置換度0.3〜0.6のカルボキシメチルセルロースが絶乾パルプ重量に対して0.01〜3.0重量%、ポリアクリルアミドを主成分とする製紙用紙力増強剤と尿素樹脂を主成分とする製紙用湿潤紙力増強剤を併用し、これら紙力増強剤をパルプ繊維の乾燥重量当り0.1〜2.0重量%添加されてなり、JIS P 8135に準じて測定したMD方向の湿潤引張強さが0.55〜3.0kN/m、JIS P 8122に準じて測定したステキヒトサイズ度が3秒以上、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験法 No.1 A法に準じて測定した表面強さ表面強さが16以上であり、厚さが45μ以上65μm以下であることを特徴とするマスキングペーパー。
【0013】
(5)置換度が0.3〜0.6のカルボキシメチルセルロースをパルプ繊維スラリーに、絶乾パルプ重量に対して0.01〜3.0重量%添加した後に、添加率の合計が、絶乾パルプ重量に対して0.1〜2.0重量%の範囲で、ポリアクリルアミドを主成分とする製紙用紙力増強剤と尿素樹脂を主成分とする製紙用湿潤紙力増強剤を添加するマスキングペーパーの製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明における原料セルロースパルプとしては例えばミズナラ、シナノキ、イタヤカエデ、ハリギリ、カツラ、ハルニレ、シラカバ等の国内産、ビーチ、オーク、オルダー、マングローブ、ユーカリ、アカシア等の国外産の広葉樹を原料とする、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、又、赤松、杉、米松、スプールなどの針葉樹を原料とする針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)が用いられ、品種に応じてこれらのパルプが任意の割合で配合される。適正な紙力を得るためには、NBKPまたは、NUKPが配合されるが、良好な地合を考えるとこれらの配合量は70重量%を超えないものとする。この際、パルプの製造は公知のクラフト蒸解方法を施し、公知の方法で漂白を行う。環境を考えれば分子状塩素元素を使用しないECFまたはTCFで漂白することが好ましい。
【0015】
上記パルプはカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)で250〜500mL、好ましくは350〜450mLに調整することにより透気度が高まり、糊塗布時に糊の裏抜け防止に効果がある。
【0016】
本発明で用いられるCMCは、木材パルプ、リンターパルプ等を原料とし、モノクロル酢酸等を反応させて合成されたセルロース誘導体であり、工業的には水媒法、溶媒法等の公知の製造方法で得られるものがそのまま用いられる。CMCと類似のセルロース誘導体であるカルボキシエチルセルロースでも、本発明と同様の効果は認められるものの、CMCと比較すると効果は低く、また、高価であることから、好ましくない。
【0017】
本発明のために用いられる前記CMCの置換度(エーテル化度)は0.3〜0.6の範囲のものである。置換度が0.3未満のものは水に不溶であり、パルプ繊維表面には吸着されずパルプ繊維との混合物となり、紙力増強剤による紙力増強効果を向上させない。一方、置換度が0.6を超すものは、イオン性基が多く分子内に存在するため、マイナス電荷を帯びているパルプ繊維との静電的反発が強く、且つパルプ繊維との親和性が乏しくなるため、電解質が共存して静電的反発がある程度遮蔽されても、パルプ表面への吸着が不十分となる。このため、その後に添加された紙力増強剤がパルプ表面に均一に留まらず、十分な紙力増強効果が得られない。
【0018】
本発明に用いられるCMCは、使用するパルプ繊維の性状や前記したようにCMCの製造方法により様々な重合度のものが製造可能であるが、1%水溶液の粘度が5〜16,000mPa・s(0.1N−NaCl溶媒、25℃、B型粘度計)、平均重合度が100〜4,500、平均分子量が2万〜100万の範囲のものである。本発明に用いられるCMCは、カルボン酸ナトリウム塩或いはカリウム塩であり、正確に記せばCMCはカルボキシメチルセルロースナトリウム或いはカルボキシメチルセルロースカリウムであるが、慣用上、ナトリウムやカリウムの記載は省略し、単にCMCとして表示する。
【0019】
本発明では、CMCのナトリウム塩、カリウム塩或いはアンモニウム塩が用いられるが、価格が安価で容易に入手できること及び得られる効果が高いことから、CMCのナトリウム塩が好ましい。又、CMCをパルプスラリーへ添加する際の溶液濃度は、濃度が高すぎると粘性が高く、使用が困難になるため、0.01〜5.0%、好ましくは0.1〜3.0%の範囲である。
【0020】
本発明におけるCMCの添加量は、それらの置換度、パルプ繊維の種類、要求される性能等に応じて変えられるが、パルプ繊維の乾燥重量に対して0.01〜3.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%である。3.0重量%を超えて使用すると、紙の地合が低下したり、濾水性が低下する場合がある。さらに、コストアップにつながり経済面より現実的でない。
【0021】
本発明では、パルプ繊維スラリーにCMCを水溶液で添加するが、パルプ繊維スラリーの電気伝導度は0.4mS/cm以上、好ましくは0.6〜3.0mS/cmにするのがよい。電気伝導度は、スラリー中の電解質の量に比例する。スラリーの電気伝導度が0.4mS/cm未満では、電解質量が不足しているため、CMCの分子は、パルプ繊維との間に静電的反発力が働き、十分にパルプ繊維表面に吸着しない。スラリーの電気伝導度が高いほど、CMCのパルプへの吸着量が増え、効果が大きくなるが、スラリーの電気伝導度が3.0mS/cmで、CMCがほぼ全量パルプ繊維表面に吸着するため、パルプスラリーの電気伝導度を3.0mS/cm以上にする必要性はない。
【0022】
前記CMCをパルプ繊維スラリーに添加するとCMCがパルプ繊維表面に吸着してパルプ繊維のゼータ電位がマイナス側に大きく変わる。一般にゼータ電位とは微粒子における界面動電位で、表面に電荷を有する粒子が存在する際、周囲には粒子表面に比較的強く結びついているイオン層と静電気力とランダムな熱運動との平衡で成立する外層との電気二重層が存在し、粒子が移動する際、それを取り巻くイオン層の内部層も一体となり、媒体中を移動する移動体の表面電荷を示している。一般にパルプ繊維のゼータ電位は0〜−25mVの範囲である。本発明ではパルプ繊維スラリーにCMCを添加することでパルプ繊維のゼータ電位が下がるが、3mV以上下げた場合に顕著に抄紙薬品の効果が向上する。
【0023】
CMC無添加ではパルプ繊維表面に存在する吸着点でしか紙力増強剤が吸着されないが、CMCを添加することによりパルプ繊維の吸着点だけでなくパルプに均一に吸着されたCMCに吸着されるため、紙力増強剤は均一、かつ高い確率で吸着されるため、紙力増強剤に起因する強度のムラがなくなり高い紙力強度が得られる。
【0024】
本発明で使用する紙力増強剤はいわゆる製紙用紙力増強剤や湿潤紙力増強剤で、たとえば、酸化澱粉、両性澱粉、カチオン化デンプン、アセチル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉類、カチオン化グアーガム、カルボキシメチル化グアーガム等のグアーガム類、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ポリアミドポリ尿素樹脂、カチオン変性尿素樹脂等があげられ、それらを1種類以上CMC添加後に加える。
【0025】
中でも、ポリアクリルアミドを主成分とする製紙用紙力増強剤と尿素樹脂を主成分とする製紙用湿潤紙力増強剤を併用した場合に、最も高い効果が得られるが、他の種類の紙力増強剤、湿潤紙力増強剤を用いても、優れた効果が発現するため、併用する紙力増強剤、湿潤紙力増強剤の種類には特に限定はなく、さらに数種類の紙力増強剤、湿潤紙力増強剤を併用することもできる。
【0026】
これらの紙力増強剤の添加率は、要求品質に応じて変えられるが、パルプ繊維の乾燥重量当たり0.1〜2.0重量%、好ましくは0.3〜1.5%である。0.1%未満であると紙力増強効果が不十分であり適さない。逆に2.0%を超えた添加率で紙力増強剤を使用すると、却って紙の地合の低下、ろ水性の低下などの問題点が生じる場合があり、好ましくない。
【0027】
本発明においては、前記した製紙用紙力増強剤の他に、製紙用サイズ剤と定着剤、填料、顔料、歩留まり向上剤、染料、消泡剤、防腐剤、粘度低下剤等の公知の抄紙薬品を、必要に応じて併用添加することができ、これらの種類および添加率には特に制限はない。これらの抄紙薬品は前記パルプ繊維スラリーの電導度に影響されないことを確認して目的に応じて適宜選択して用いられる。
【0028】
本発明の抄紙は、公知の湿式抄紙機、例えば長網式抄紙機、ギャップフォーマ型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機などの抄紙機を適宜選択することができる。形成された紙層をフェルトにて搬送し、ヤンキードライヤーで乾燥させる。該ヤンキードライヤーには、蒸発させた水分を結露させない給気と、該給気を蒸発させた水分と共に排気するためのヤンキードライヤーフードが取り付けられていて、給気として100℃以下の温風が送風されている。
【0029】
本発明ではヤンキードライヤー熱風の温度を60〜400℃の範囲、好ましくは60〜300℃の範囲にする。熱風の温度が60℃未満であるとヤンキードライヤーの表面とシート間に発生する水蒸気を均一且つ迅速に蒸発させることが困難となり、ヤンキードライヤーとシートの非接触部分で発生するアバタを防ぐ事が出来なくなるため適さない。
【0030】
逆に、熱風の温度が400℃を超えて高くなると、過乾燥となりパルプの強度低下し、ひいてはシート強度が低下するばかりでなく、表面の平滑性が悪くなり、シート製造中シワや紙切れが発生しやすくなり、シート製造が困難になるため適さない。
【0031】
ヤンキードライヤーフード内で発生する水蒸気の結露防止、熱効率の向上、アバタの発生防止のためには熱風を吹き付け、水蒸気を含んだ熱風を吸引する工程を少なくとも1回以上行う。通常、シートがヤンキードライヤーに貼りつく適量な水分が必要であり、その範囲は45〜65%であることが好ましい。水分が45%未満であると、ヤンキードライヤーに貼りつかないため適さない。逆に水分が65%を超えて多くなると、ヤンキードライヤーとシートの間に水蒸気が多量に発生し、シートが浮いた状態になり適さない。
【0032】
ヤンキードライヤーに貼りつく適量の水分をシートが保有していても、乾燥工程でシートとヤンキードライヤーとの間に存在する水蒸気が不均一に蒸発し、結果としてアバタ(微小な光沢抜け)が発生するため、光沢を出すためには、ヤンキードライヤーに貼りついたシートの水分を均一に且つ速やかに排除する必要がある。そのためには、水蒸気を含んだ熱風を吸引する工程を少なくとも1回以上行うことが不可欠である。
【0033】
得られたマスキングペーパーのJIS P 8135に準じて測定したMD方向の湿潤引張強さは0.4〜3.0kN/mであることが好ましい。湿潤引張強さが0.4kN/m未満であると、抄紙後の加工工程において湿潤引張強さが不十分であり、加工時の操業に支障をきたすため適さない。逆に3.0kN/mを超えて大きくすることはパルプの叩解を進めたり、湿潤紙力増強剤の添加を増加させる必要があり、紙の地合が悪化するばかりでなく抄紙機系内にパルプが付着しやすくなり安定して抄紙できなくなるため適さない。
【0034】
得られたマスキングペーパーは厚さが65μm以下で、JIS P 8122に準じて測定したステキヒトサイズ度が3秒以上であることが好ましい。マスキングペーパーはアクリル或いは塩化ビニル板等の樹脂板の表面保護のため使用されていて、保管、輸送、アクリル板などの使用後の廃棄には薄くて軽量であることが望まれているため、65μm以下が好ましい。厚さは薄ければ薄いほうが好ましいが、ステキヒトサイズが3秒未満であると加工工程での糊付けで糊が裏抜けし、操業菜等に支障をきたすため適さない。現状では45μm未満であるとクッション性が低く、樹脂板の保護に支障を来すことがある。
【0035】
得られたマスキングペーパーのJAPAN TAPPI 紙パルプ試験法 No.1 A法 に準じて測定した表面強さは14以上であることが好ましい。表面強さが14未満であると実用時に、表面が剥けてきてしまい、実用に相応しくなく適さない。
【0036】
得られマスキングペーパーのJAPAN TAPPI NO.5に準じて測定される透気度は 30秒〜60秒が好ましい。後の加工工程で糊を塗布する際、糊が裏面へ裏抜けしないようサイズ性とともに地合が求められる。地合の悪化は強度の低下とともにこの裏抜けを誘発するため、透気度は30秒〜60秒が好ましい。30秒未満では糊塗布時に地合不良で糊の裏抜けを誘発するだけでなく、地合不良により紙力の低下も招くため好ましくない。逆に60秒を超えると、シート乾燥時の乾燥不良を誘発するため好ましくない。
【0037】
得られたマスキングペーパーの坪量は要求品質に合わせ適宜選択可能であるが密度は0.5〜0.9g/cmの範囲にすることが重要である。密度が0.5g/cm以下であるとクッション性はあるものの、紙力が低下してしまい適さない。逆に密度が0.9g/cmを超えるとクッション性が乏しく、実用時緩衝材として樹脂板の保護に支障をきたすため適さない。
【0038】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、勿論、本発明はこれらの例に限定されるものではない。尚、以下の実施例および比較例において%は重量%であり、パルプスラリーへの添加剤の添加量は、絶乾重量に対する重量%で示した。
【0039】
各物性の測定は、下記の方法に従った。
試験法
(1)厚さ
JIS P−8118に準じて測定した。
(2)裂断長(MD方向)
JIS P−8113に準じて測定した。
(3)湿潤引張強さ(MD方向)
JIS P 8135に準じて測定した。
(4)ステキヒトサイズ度
JIS P 8122に準じて測定した。
(5)表面強さ
JAPAN TAPPI 紙パルプ試験法 No.1 A法に準じて測定した。(単位A)
(6)王研式透気度
王研式透気度はJAPAN TAPPI 紙パルプ試験法 No.5 に準じて測定した。
【0040】
実施例1
LBKP55%、NBKP45%とを配合し、CSF390mLに叩解した後、置換度0.45のCMC(固形分濃度1%の溶液粘度900mPa・s、第一工業製薬製試作品450A)を絶乾パルプ重量に対し0.1%添加した。その後、定着剤として硫酸バンドを2.0%添加し、サイズ剤(日本PMC社製 AL−120)を1.5%添加し、更にアニオン性ポリアクリルアミドを成分とする紙力増強剤(荒川化学工業株式会社製 PS194−7)を0.9%と、カチオン変性尿素樹脂を成分とする湿潤紙力増強剤(三井化学株式会社製 ユーラミンP1510)を0.9%添加し、ハーパー型抄紙機を用い、ヤンキードライヤーでの熱風の温度を80℃で、反ドライヤー面から吹き付けたに後に湿った熱風を吸引し、マスキングペーパーを得た。
【0041】
実施例2
アニオン性ポリアクリルアミドを成分とする紙力増強剤(荒川化学工業株式会社製 PS194−7)を0.5%と、カチオン変性尿素樹脂を成分とする湿潤紙力増強剤(三井化学株式会社製 ユーラミンP1510)を0.5%とした以外は実施例1と同様にして抄紙し、マスキングペーパーを得た。
【0042】
実施例3
CMCの添加率を2.9%にしたこととカチオン変性尿素樹脂を成分とする湿潤紙力増強剤(三井化学株式会社製 ユーラミンP1510)を1.0%とした以外は実施例1と同様にして抄紙し、マスキングペーパーを得た。
【0043】
実施例4
CMCの添加率を0.03%とした以外は実施例1と同様にして抄紙し、マスキングペーパーを得た。
【0044】
実施例5
CMCを置換度が0.35のもの(固形分濃度1%の溶液粘度100mPa・s、自社実験室製造)とした以外は実施例2と同様にして抄紙し、マスキングペーパーを得た。
【0045】
実施例6
CMCを置換度が0.55のもの(固形分濃度1%の溶液粘度1600mPa・s、第一工業製薬社製、セロゲン4H)としたこと以外は実施例1と同様にして抄紙し、マスキングペーパーを得た。
【0046】
実施例7
CMCをの置換度が0.40のもの(固形分濃度1%の溶液粘度100mPa・s、第一工業製薬試作品#412C)としたことと、CMCの添加率を1.0%とした以外は実施例1と同様にして抄紙し、マスキングペーパーを得た。
【0047】
比較例1
CMCを添加しないこと以外は、実施例1と同様にして抄紙し、マスキングペーパーを得た。
【0048】
比較例2
カルボキシメチルセルロースの置換度を0.7(固形分濃度1%の溶液粘度1700mPa・s、第一工業製薬株式会社製、セロゲンBSH)とした以外は実施例1と同様に抄紙し、マスキングペーパーを得た。
【0049】
比較例3
カルボキシメチルセルロースの添加率を0.03%とした以外は実施例1と同様に抄紙し、マスキングペーパーを得た。
【0050】
比較例4
カルボキシメチルセルロースの添加率を3.2%とした以外は実施例1と同様に抄紙し、マスキングペーパーを得た。
【0051】
得られたマスキングペーパーの物性を測定し、実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた結果を表1に示した。
【0052】
【表1】
Figure 0004158360
【0053】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜3のマスキングペーパーは加工時もしくは樹脂表面に貼付され実用される際に必要な、高いサイズ性と十分な強度を有している。一方、カルボキシメチルセルロースを添加しなかったり(比較例1)、カルボキシメチルセルロースの置換度が規定の範囲を外れた場合(比較例2)、あるいはカルボキシメチルセルロースの添加率が規定の範囲を外れて小さくなると(比較例3)、裂断長が十分でなくなり、あわせてサイズ性、湿潤引張強さも十分な値とはならない。また、カルボキシメチルセルロースの添加率が規定の範囲を超えて大きくなると(比較例4)、地合が悪化することにより紙力が低下するのみでなく、サイズ性も低下してしまう。
【0054】
【発明の効果】
特定のカルボキシメチルセルロースを添加することにより、紙力増強剤の添加量を減らしても、加工時および実用時の良好な強度とサイズ性を有するアクリル板あるいは塩化ビニル板などの樹脂板の表面保護に利用されるマスキングペーパーを得ることが可能となった。

Claims (2)

  1. 置換度0.3〜0.6のカルボキシメチルセルロースが絶乾パルプ重量に対して0.01〜3.0重量%、ポリアクリルアミドを主成分とする製紙用紙力増強剤と尿素樹脂を主成分とする製紙用湿潤紙力増強剤を併用し、これら紙力増強剤をパルプ繊維の乾燥重量当り0.1〜2.0重量%添加されてなり、JIS P 8135に準じて測定したMD方向の湿潤引張強さが0.55〜3.0kN/m、JIS P 8122に準じて測定したステキヒトサイズ度が3秒以上、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験法 No.1 A法に準じて測定した表面強さ表面強さが16以上であり、厚さが45μ以上65μm以下であることを特徴とするマスキングペーパー。
  2. 置換度が0.3〜0.6のカルボキシメチルセルロースをパルプ繊維スラリーに、絶乾パルプ重量に対して0.01〜3.0重量%添加した後に、添加率の合計が、絶乾パルプ重量に対して0.1〜2.0重量%の範囲で、ポリアクリルアミドを主成分とする製紙用紙力増強剤と尿素樹脂を主成分とする製紙用湿潤紙力増強剤を添加することを特徴とするマスキングペーパーの製造方法。
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