JP4157788B2 - 折版葺屋根の軒樋固定構造、およびそれ用の軒樋吊り金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軒樋吊り金具に関するものであり、折版にて葺かれる屋根の軒先に軒樋を取り付けるのに、例えば積雪、風圧等の荷重によって軒樋が撓むのを防止して構造堅牢に支持するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば工場、劇場、体育館、駅等の公共施設等の建物、さらにはガレージ等の屋外施設は、屋根が山部と谷部とを有する折版を用いて葺かれた屋根がある。そして、屋根の水下側となる軒先には軒樋が取付けられる。
この軒樋を折版からなる屋根の軒先に取付けるための軒樋吊り金具には、従来、屋根の軒先の山部に吊りボルトを垂設し、該吊りボルトの下部に耳部受部を左右両側に設けた支持金具を、ボルトのねじ部にナットを螺合することによって略水平に固定し、該耳部受部にて軒樋の耳部を支持すると共に、該耳部の上面にばね板を弾性的に圧接することにより、軒樋の保持を図るものがあった(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−193220号公報(第1−3頁、図1、図2、図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の上記従来の軒樋吊り金具は、山部と谷部とが交互に連続する折版の複数の山部に、数ピッチ、例えば8ピッチ毎に間隔をおいて吊りボルトを垂下して支持金具を装着することにより、軒樋を取付けるようにしているので、軒樋自体の荷重がかかったり、また積雪によったり、さらには風による風圧がかかって吊りボルトに荷重が集中すると、吊りボルトが定位置から変位し、折角軒先に取付けた軒樋は、吊りボルトにより支持されている相互間の中間部に撓みが生じて排水が停滞するため、軒樋の排水能力が低下することになる。
【0005】
ところで、積雪量が多い地方において、折版屋根に積もった雪が屋根勾配に沿って滑落しきれずに軒先に集中して残る場合には、残存した積雪が夜間、外気が低下することによって凍結する。したがって、この凍結した積雪による荷重が吊りボルトに−層、顕著に集中することになるため、軒樋の前記撓み量はさらに過大になlって軒樋を損壊することになり、排水能力はさらに低下する。
また、夜間凍結した積雪が軒樋の水路を塞いで山盛りになってしまうので、屋根からの積雪の滑落能力も低下し、屋根の上部から滑り落ちる雪が再凍結し、さらに排水能力が低下するという悪循環を来す原因になっていた。
【0006】
しかも、凍結した積雪の荷重を受けて軒樋毎吊りボルトが凍結するので、軒樋は大きく撓んだまま軒先から次第に遠退いた位置で凍結してしまう。このため、軒樋は元の取付位置には復元し難くなる。したがって、屋根に積もった雪からの融水は、軒樋には到らずに軒先から直接的に落下して軒樋による集水能力が低下したり、この融水が夜間に凍結して氷柱が生ずる原因になる等の不都合を生じていた。
【0007】
また、特許文献1に記載の上記従来の軒樋吊り金具は、吊りボルトの下部のねじ部にナットを螺合することにより、支持金具を略水平に固定して軒樋を保持するものであるが、上流側から下流側へと隣接する吊りボルトは、排水のために水勾配をつけて軒樋を上流側から下流側へと傾斜して取付けなければならないので、吊りボルト毎にそのねじ部に対するナットの螺合度が相違し、軒樋に対する取付位置に高低差を生ずるから、軒樋の取付作業には多くの時間と労力がかかり、工事費が高価になっていた。
【0008】
本発明は、上記従来の欠点を解決し、隣接する吊りボルトによって支持される相互間の中間部における積雪、風圧等による荷重を分散して軒樋の中間部での撓みを防止することにより、軒樋の損壊を生ぜずに全体的に構造堅牢に、しかも迅速かつ確実に軒樋の取付が行え、また軒先に溜まる積雪が夜間、凍結することによる軒先からの軒樋の変位を防止し、以て雨、雪の軒樋への集水を迅速かつ確実になして排水が効率的に行え、さらには構造が簡単で製作、保守・点検が容易になり、製作コスト、工事費が安価な軒樋吊り金具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の折版葺屋根の軒樋固定構造は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、山部と谷部とを交互に連続形成した折版で葺かれた屋根の軒先辺り裏面がわに、軒樋が、その溝断面の半分には及ばない範囲で片方の耳部がわを当該軒先の前方に突き出した状態で配設された上、同折版の所望数毎の山部であって、平面配置状においてそれら山部が同軒樋に交差する箇所に吊りボルトを支持、垂設するようにした任意の軒樋吊り金具によって固定され、所望の水勾配を維持する如く配されるようにする一方、当該軒樋を固定している任意の軒樋吊り金具であって、隣接する同軒樋吊り金具同士の中間辺りに 位置する折版山部の軒先直近辺りからは、同所を支持部として山部表面添いに軒先をやや越えた辺りまで伸びた上、その直下であって、軒先の前方に突き出た状態となっている当該軒樋耳部に向けて折曲、下降するようにした支持部材の下端に耳部受部を形成して軒樋吊り金具となし、その耳部受部を当該軒樋耳部に嵌入、連結してなるものとした構成を要旨とする折版葺屋根の軒樋固定構造である。
【0010】
そして、本発明には、上記したこの発明の基本的な構成からなる折版葺屋根の軒樋固定構造に関連し、該軒樋固定構造に使用する軒樋吊り金具が含まれており、その構成の要旨は、折版葺屋根の軒先直近辺りから折版山部表面添いに軒先をやや越えた辺りまで伸びる上端と、該上端の伸びてきたがわを、その直下であって、軒先の前方に突き出た状態となっている当該軒樋耳部に向けて折曲、下降させ、伸縮可能な高さ調整手段を有するものとした支持部材と、該支持部材の下端に設けられ、軒樋の少なくとも一側の耳部を保持可能な内断面形状をなす軒樋吊り材とからなるものとした軒樋吊り金具とするものである。
【0011】
また、本発明の上記軒樋吊り金具には、その支持部材は、上部支持部材と、該上部支持部材の下部に高さ調整手段を介して伸縮可能に取り付けられる下部支持部材との組合せからなるものとした構成の軒樋吊り金具を含まれる。
【0012】
さらにまた、同軒樋吊り金具の支持部材における高さ調整手段は、上部支持部材の下端がわか、該下端に重ね合わされる下部支持部材の上端がわかの何れか一方で、その一方の部材長手方向に穿設される長孔と、該長孔内所望箇所に挿入され、他方の部材に螺入される止ねじとの組合せによって調整されるものとするか、もしくは、上部支持部材の下端か、または下部支持部材の上端かの何れか一方に対し、他方の対応箇所を摺動可能に挿入するようにした抱持片と、該抱持片に設けられ、上部支持部材か、または下部支持部材かの何れか他方を係止する係止手段とによって調整されるものとするかの何れかの手段によるものとした構成からなる軒樋吊り金具が含まれている。
【0013】
【実施の形態】
以下、図面に従い、本発明による折版葺屋根の軒樋固定構造、およびそれ用の軒樋吊り金具一実施形態の詳細を説明する。
図1は、本発明の軒樋吊り金具の一実施形態を示す拡大断面図、図2は、同じく取付状態を示す正面図、図3は、同じく本実施形態の軒樋吊り金具に併用する第1の軒樋吊り金具を示す拡大断面図である。
【0014】
1は、山部1Aと谷部1Bとが交互に連続して形成された折版であり、この折版1により、例えば工場、劇場、体育館、駅等の公共施設等の建物、さらにはガレージ等の屋外施設の屋根2が敷設される。
【0015】
そして、図2、図3において、折版1の複数の山部1Aの軒先に所望ピッチ、例えば8ピッチ毎に間隔Kを置いて吊りボルト3を垂設し、該吊りボルト3の下方のねじ部3aにナット4a,4bを螺合することにより、支持金具5を略水平に固定して装着し、該支持金具5の左右両側に外側下方から上方に、さらに内側上方から下方にへと折曲して捲回形状をなす耳部受部5a,5bに、軒樋6の左右外側に形成した耳部6a・6bを係合して支持すると共に、該耳部6a,6bの上面に前記支持金具5の下面に重合させたばね板Sの左右の端部下面を弾性的に圧接してばね力によって抑えつけることにより、軒樋6を保持する構造の従来の軒樋吊り金具を第1の吊り金具として併用するものであり、この第1の吊り金具については同様の構成であり、しかも軒樋6を取付るための取付方法および作用については略同様である。
【0016】
しかしながら、本実施形態の軒樋吊り金具は、前述のように折版1の所望の山部1A,1A・・・に配設されて取付けられる前記第1の吊金具の吊りボルト3,3・・・間の中間部に位置する折版1の所望の山部1A,1A・・・に配設され、この吊りボルト3,3・・・と共同して吊りボルト3,3・・・間の中間部において軒樋6を支持し、取付けるためのものである。
【0017】
そして、本実施形態の軒樋吊り金具では、図1、図2に示すように、前記折版1の所望の山部1A,1A・・・に上端部7aが取付けられて軒先Nに下向きに軒先Nの端面部に対して所望角度θ1をつけて配設されて取付けられて伸縮可能になる高さ調整手段8を有する支持部材7と、該支持部材7の下端部7bに設けられ、軒樋6の少なくとも−側(図では外側)の耳部6aを保持可能に耳部6aの外形の全部または−部に合致する内断面形状をなす軒樋吊り材9とを備えている。
また、支持部材7の折版1の山部1Aに対する取付は、短寸の取付ボルト10のねじ部10aにナット11を螺合する等して取付ける。
【0018】
前記支持部材7は、図示する実施形態では上部支持部材12と該上部支持部材12の下部に高さ調整手段8を介して伸縮可能に取付けられる下部支持部材13との2部材を重合して1つに組み付けることによって形成される。
【0019】
また、前記高さ調整手段8は、例えば図1に示すように、上部支持部材12の下端12aまたは該下端12aに伸縮可能に重合される下部支持部材13の上端13aの何れか一方に長手方向(図では上下方向)に設けられる長孔14と、該長孔14内に外側から螺入される止ねじ15とによって形成される。そして、前記止ねじ15を緩めた後に、長孔14内において止ねじ15を摺動させて上部支持部材12に対して下部支持部材13を伸縮可能に長さ1を調整してから、屋根2の軒先Nに軒樋6を取付けた時に、軒樋6が上流側(図2において右側)から下流側(図2において左側)へと所望角度の水勾配θをつけて傾斜して取付けられることにより、水勾配θに伴って排水が行われる。したがって、降雨量や積雪量が多い地域において軒樋6を取付ける場合には水勾配θが急傾斜になり、降雨量や積雪量が少ない地域において軒樋6を取付ける場合には水勾配θは緩傾斜になる。
【0020】
また、高さ調整手段8は前述のほか、例えば図には示さないが、上部支持部材12の下端12aまたは下部支持部材13の上端13aの何れか一方に他方を摺動可能に挿入する抱持片と、該抱持片および上部支持部材12または下部支持部材13の何れか他方との対向面に設けられ、例えば突起と、この突起が係脱可能になる凹部とよりなる係止手段とによって形成されるものであってもよい。
【0021】
本発明の一実施形態は、以上の構成からなり、例えば工場、劇場、体育館、駅等の公共施設等の建物、さらにはガレージ等の屋外施設の屋根2を敷設した山部1Aと谷部1Bとを連続して有する折版1に軒樋6を取付るのには、図2、図3に示すように、折版1の山部1Aと谷部1Bとの大きさによっても異なるが、複数の山部1A,1A・‥の軒先Nに所望ピッチ、例えば8ピッチ毎に間隔Kを置いて吊りボルト3を垂設し、該吊りボルト3の下方のねじ部3aにナット4a,4bを螺合することにより、支持金具5を略水平に固定して装着する。次いで、該支持金具5の左右両側に外側下方から上方に、さらに内側上方から下方へと折曲される捲回形状をなす対向する耳部受部5a,5bに軒樋6の左右外側に形成した耳部6a,6bを係合して支持する。そして、該耳部6a,6bの上面に前記支持金具5の下面に重合させたばね板Sの左右の端部下面を弾性的に圧接することにより、ばね板Sのばね力によって軒樋6の耳部6a,6bを抑えつけ、軒樋6を水勾配θをつけて第1の軒樋吊り金具を用いて支持し、取付る点については、従来の軒樋吊り金具と同様の構成であり、同様の作用、取付方法である。
【0022】
しかしながら、本実施形態の軒樋吊り金具では、前述のように第1の軒樋吊り金具のみを用いて軒樋6を支持するのとは異なり、第1の吊金具と併用して軒樋6を支持し、取付けるものである(図2参照)。
すなわち、本実施形態の軒樋吊り金具は、該第1の吊金具の吊りボルト3,3‥・間の中間部に位置する折版1の所望の山部1A,1a‥・に、取付ボルト10と、ナット11とを用いて高さ調整手段8を有する支持部材7の上端7aを取付けることにより、所望個数の支持部材7を、吊りボルト3,3‥・間において軒先Nに下向きに配設するようにして取り付ける。
【0023】
この際、本実施形態では、図1に示すように、下部支持部材13の上端13aに設けた長孔14内に止めねじ15を外側から螺入することにより、上部支持部材12と下部支持部材13との2部材を重合して1つに組み付けているので、この止ねじ15を緩めることにより、長孔14内において止ねじ15を摺動させて上部支持部材12に対して下部支持部材13を摺動させ、屋根2の軒先Nに取付けられる軒樋6の所望角度の水勾配θに合わせて支持部材7を伸縮可能にして長さ1を調整し、軒樋6に対する支持部材7の上下方向の取付位置を選択する。
【0024】
その後、軒樋6の水勾配θに合わせて軒先Nに下向きに配設される各支持部材7には、その下端7bに軒樋6の少なくとも一側の耳部6aを保持可能に耳部6aの外形の全部または−部に合致する内断面形状をなす軒樋吊り材9が設けられているので、この軒樋吊り材9に軒樋6の−側の耳部6aを嵌入するという簡単な取り扱い操作により軒樋6を支持部材7を介して軒樋6に迅速かつ確実に保持する。
【0025】
このように、本実施形態では、折版1の所望の山部1A,1a・‥に配設されて軒樋6を支持している第1の吊金具と併用して該第1の吊金具の吊りボルト3,3‥・間の中間部に位置する折版1の所望の山部1A,1a‥・に、所望個数の支持部材7を下向きに配設し、該支持部材7の下端7bに設けた軒樋吊り材9に軒樋6の一側の耳部6aを嵌入することによって軒樋6は保持されるので、軒樋6自体の荷重がかかったり、また積雪、さらには風による風圧等が軒樋6にかかる場合に、本実施形態の支持部材7と軒樋吊り材9との支持により、軒樋6にかかる荷重が分散されるため、吊りボルト3,3・‥にて支持される軒樋6の中間部には撓みが生じない。
【0026】
そして、例えば降雪量が多い地方において、積雪が屋根勾配に沿って滑落しきれずに軒先Nに集中して残る場合に、夜間に外気が低下して積雪が凍結しても、凍結した積雪による荷重が吊りボルト3,3・‥に集中するのを、本実施形態の支持部材7と軒樋吊り材9とが吊りボルト3,3・‥の中間部において支持することによって分散し、緩和できるので、軒樋6が撓むのを防止することができる。
したがって、軒樋6の水勾配θは所望角度に維持されるので、従来のように軒樋6の中間部が撓んで排水が停滞し、排水能力が低下することはなくなる。しかも、軒樋6の損壊はなくなり、屋根2に残存する積雪が凍結して軒樋6の水路を塞いで排水能力が低下したり、屋根2からの積雪の滑落能力が低下したり、さらには再凍結する等の悪循環の心配がなくなる。
【0027】
また、凍結した積雪の荷重を受けて軒樋6毎吊りボルト3,3‥・が凍結する場合にも、該吊りボルト3,3‥・の間に配設される支持部材7と軒樋吊り材9との支持により、吊りボルト3,3‥・の中間部において軒樋6は大きく撓むのが防止されるので、軒樋6が軒先Nの直下ではなく遠退いた位置で凍結することがなくなり、軒樋6は、所望位置に水勾配θを確保して取り付られるため、屋根2からの融水は円滑かつ確実に軒樋6に落下して軒樋6による集水能力が低下するという不都合がなくなる。しかも、軒下Nに氷柱が生ずるのを防ぐ。
【0028】
また、上記実施形態では、隣接する第1の軒樋吊り金具間の中間に支持部材7および軒樋吊り材9を配設することによって軒樋6を支持する構造を代表的に説明したが、第1の軒樋吊り金具を併用しなくても軒樋6を折版1の屋根2の軒先Nに多くの労力と時間を費やすことなく効率的に取付けることができる。
【0029】
また、上記実施形態では、支持部材7の下端に軒樋6の一側の耳部6aを保持する1つの耳部受部9aを有する軒樋吊り材9によって軒樋6を片持にて支持するようにしているが、本発明は、これに限ることなく軒樋吊り材9の左右に耳部受部を設けることにより、軒樋6の左右の耳部6a,6bを嵌入して安定に軒樋6を保持する両持形式の軒樋吊り金具も本発明の適用範囲である。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、本発明の折版葺屋根の軒樋固定構造、およびそれ用の軒樋吊り金具は、山部と谷部とを連続して形成する折版が敷設された屋根の軒先に軒樋を取付ける軒樋吊り金具にして、前記折版の所望の山部に上端部が取付けられて軒先に下向きに配設されるとともに伸縮可能になる高さ調整手段を有する支持部材と、該支持部材の下端に設けられ、軒樋の少なくとも−側の耳部を保持可能な内断面形状をなす軒樋吊り材とを備えたので、隣接する吊りボルト相互間の中間部における積雪、風圧等による荷重を分散して軒樋の撓みを防止することにより、軒樋が損壊を生ぜずに全体的に構造堅牢に、しかも多くの時間と労力を要することなく軒樋の取付作業を迅速かつ確実に行うことができる。
そして、特に降雪量が多い地方において軒先に溜まる積雪が夜間、凍結することによる軒先からの軒樋の変位を確実に防止でき、以て雨、雪の軒樋への集水を迅速かつ確実になして排水が効率的に行える。
さらには、構造が簡単で製作、保守・点検が容易になり、量産可能なので製作コストも安価で工事費も廉価になる。
【0031】
また、本発明の軒樋固定構造に用いる軒樋吊り金具は、その支持部材が、上部支持部材と該上部支持部材の下部に高さ調整手段を介して伸縮可能に取付けられる下部支持部材とによって形成されることを特徴とし、また、その高さ調整手段は、上部支持部材の下端または該下端に重合される下部支持部材の上端の何れか一方に長手方向に設けられる長孔と、該長孔内に螺入される止ねじとによって形成されるか、もしくは上部支持部材の下端または下部支持部材の上端の何れか−方に他方を摺動可能に挿入する抱持片と、該抱持片に設けられ、上部支持部材または下部支持部材の何れか他方を係止する係止手段とによって形成されることを特徴とするので、支持部材を高さ調整手段にて伸縮可能に調整することにより、屋根の軒先に取付けられる軒樋の所望角度の水勾配に合わせて軒樋を容易かつ確実に支持することができる。
【0032】
さらにまた、本発明における軒樋吊り金具の支持部材および軒樋吊り材は、山部と谷部とが交互に連続して形成されて屋根に葺設される折版の複数の山部に所望ピッチ毎に垂設され、支持金具を下方部に装着した第1の吊金具の吊りボルト間の中間部に位置する所望の山部に配設するようにして軒樋を取付けることを特徴とするので、軒樋自体の荷重がかかったり、また積雪によったり、風による風圧が軒樋にかかる場合でも、本実施形態の支持部材と軒樋吊り材との支持により、軒樋にかかる荷重が分散されるため、吊りボルト相互間の軒樋の中間部には撓みが生ぜず、構造堅牢に軒樋を支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の軒樋吊り金具の一実施形態を示す拡大断面図である。
【図2】 同じく取付け状態を示す正面図である。
【図3】 同じく本実施形態の軒樋吊り金具に併用する第1の軒樋吊り金具を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 折版
1a 山部
1b 谷部
2 屋根
3 吊りボルト
4a ナット
4b ナット
5 支持金具
6 軒樋
6a 耳部
6b 耳部
7 支持部材
8 高さ調整手段
9 軒樋吊り部材
9a 耳部受部
12 上部支持部材
13 下部支持部材
Claims (4)
- 山部と谷部とを交互に連続形成した折版で葺かれた屋根の軒先辺り裏面がわに、軒樋が、その溝断面の半分には及ばない範囲で片方の耳部がわを当該軒先の前方に突き出した状態で配設された上、同折版の所望数毎の山部であって、平面配置状においてそれら山部が同軒樋に交差する箇所に吊りボルトを支持、垂設するようにした任意の軒樋吊り金具によって固定され、所望の水勾配を維持する如く配されるようにする一方、当該軒樋を固定している任意の軒樋吊り金具であって、隣接する同軒樋吊り金具同士の中間辺りに位置する折版山部の軒先直近辺りからは、同所を支持部として山部表面添いに軒先をやや越えた辺りまで伸びた上、その直下であって、軒先の前方に突き出た状態となっている当該軒樋耳部に向けて折曲、下降するようにした支持部材の下端に耳部受部を形成して軒樋吊り金具となし、その耳部受部を当該軒樋耳部に嵌入、連結してなるものとしたことを特徴とする折版葺屋根の軒樋固定構造。
- 折版葺屋根の軒先直近辺りから折版山部表面添いに軒先をやや越えた辺りまで伸びる上端と、該上端の伸びてきたがわを、その直下であって、軒先の前方に突き出た状態となっている当該軒樋耳部に向けて折曲、下降させ、伸縮可能な高さ調整手段を有するものとした支持部材と、該支持部材の下端に設けられ、軒樋の少なくとも一側の耳部を保持可能な内断面形状をなす軒樋吊り材とからなるものとした、請求項1記載の折版葺屋根の軒樋固定構造に使用する軒樋吊り金具。
- 支持部材は、上部支持部材と、該上部支持部材の下部に高さ調整手段を介して伸縮可能に取り付けられる下部支持部材との組合せからなるものとした、請求項2記載の軒樋吊り金具。
- 支持部材における高さ調整手段は、上部支持部材の下端がわか、該下端に重ね合わされる下部支持部材の上端がわかの何れか一方で、その一方の部材長手方向に穿設される長孔と、該長孔内所望箇所に挿入され、他方の部材に螺入される止ねじとの組合せによって調整されるものとするか、もしくは、上部支持部材の下端か、または下部支持部材の上端かの何れか一方に対し、他方の対応箇所を摺動可能に挿入するようにした抱持片と、該抱持片に設けられ、上部支持部材か、または下部支持部材かの何れか他方を係止する係止手段とによって調整されるものとするかの何れかの手段によるものとしたことを特徴とする請求項2または3何れか一記載の軒樋吊り金具。
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