JP4157723B2 - 三重効用吸収式冷凍機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調装置等の熱源装置として使用される三重効用吸収式冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】
三重効用吸収式冷凍機に関する従来技術としては、例えば特開2000−171123号公報に記載のものが挙げられる。本従来技術では、高温再生器、中温再生器及び低温再生器、凝縮器、吸収器、熱交換器類、溶液ポンプ及び冷媒ポンプなどを主要構成機器とし、これら機器を溶液配管、冷媒配管などで接続する構成になっている。高温再生器には圧力センサーが設けられ、また高温再生器出口部に液面センサーが設けられている。圧力センサーの出力をもとに、吸収器から高温再生器に溶液を送る溶液ポンプの基本回転速度が設定されている。そして、液面センサーが検出する液位によって溶液ポンプの回転速度を修正する回転速度制御装置を備え、この回転速度制御装置によって前記設定された溶液ポンプの回転速度が修正されるようになっている。
【0003】
また、前記液面センサーは高位及び低位の液面スイッチとして作用し、前記回転速度制御装置が設定した回転速度を、液面スイッチが液面高位を検知したときは下方修正し、液面低位を検知したときは上方修正するように構成されていた。さらに中温再生器には、その出口部に液面スイッチが設けられると共に、希溶液流入配管または濃溶液流出配管に溶液弁が設けられ、液面スイッチが液面高位を検知したときは中温再生器へ送られる希溶流量を減少させるか、または、中温再生器から流出する濃溶液流出量を増大させるように前記溶液弁を制御する制御機構を有していた(従来技術1)。
【0004】
また、他の従来技術としては、特開平10−9706号公報に記載の吸収式冷凍機が挙げられる。本従来技術では、二重効用吸収式冷凍機において、高温再生器の出口部に、出口部の液位によって高温再生器及び低温再生器へ送られる溶液流量を調整するためのフロートバルブが設けられている。さらに溶液ポンプの制御装置が設けられ、溶液ポンプの起動時にソフトスタートさせるように制御が行われていた(従来技術2)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の三重効用吸収式冷凍機は、上記特開2000−171123号公報に記載されるように、高温再生器の圧力センサーの出力を基に、吸収器から高温再生器へ溶液を送る溶液ポンプの基本回転速度が設定されており、さらに、設定された回転速度を高温再生器の出口部に設けられた液面センサーによって修正するように制御されている。このため、制御ルールが複雑になる。また、高温再生器へ入熱を開始した直後や、停止した直後などに起こる急激な状態変化に伴う液位の急変動に追従することは容易でない。さらに、高温再生器が貫流式(器内で溶液の対流が起こらず、いわゆるつきぬけて流れる方式)または満液式であった場合には、高温再生器におけるボイド率の変動に伴って出口液面が変動する。この変動によって溶液ポンプの基本回転速度が修正されるため、この修正の前後で定格運転状態における溶液循環量が変化し、所定性能のサイクルが再現し難くなる場合がある。
【0006】
また上記従来技術では、高温再生器の出口液面の変化によって溶液ポンプの基本回転速度が修正されるため、これに伴って低温再生器に供給される溶液流量も変化する構成となっていた。従って、高温再生器の出口液面が上昇して溶液ポンプの基本回転速度が下方修正されると、低温再生器に供給される溶液の流量も同時に減少し、低温再生器を加熱する冷媒蒸気の圧力すなわち中温再生器の圧力が上昇することになる。これに伴い、高温再生器の圧力も上昇するので、高温再生器から吸収器への溶液流出量が増加する。このとき高温再生器では、溶液ポンプの基本回転速度を下方修正したことによる流入量の減少と、高温再生器圧力が上昇したことによる流出量の増加とによって保有溶液量が急激に減少し、液面が急激に低下する。そこで溶液ポンプの基本回転速度を上方修正すると、上記の動作と全く逆の現象が生じ、これらの繰り返しによってサイクルが不安定になる。
【0007】
また、上記従来技術の不具合を防止するためには、サイクル内の圧力変化や各再生器におけるボイド率等の動的特性を考慮した制御ルールを採用する必要がある。このため、制御ルールが複雑となり、機種ごとに異なる制御パラメータを設定する必要が生じてくる。
また吸収式冷凍機では、筐体が密閉容器であることから溶液及び冷媒ポンプにキャンドポンプが用いられており、この種のポンプでは、一般に軸受の潤滑及び冷却を行うために動作流体がポンプ内を自己循環している。このため、溶液ポンプの回転速度及び電源周波数に下限値が設定され、常時この下限値以上になるようにポンプは運転されている。
【0008】
さらに上記従来技術では、冷凍機の起動直後または冷房負荷が小さい場合、あるいは冷却水温度が低い場合等のように高温再生器圧力が低い条件においては、高温再生器から吸収器へ送られる溶液量が減少すると、溶液ポンプを上記下限値で運転した場合でも高温再生器へ供給される溶液が過剰となる。
さらに上記従来技術においては、高温再生器本体の上部において冷媒蒸気と濃縮された溶液との分離が行なわれ、高温再生器出口に液面検出タンクを別途設ける構造としているので、気液分離性能維持のために高温再生器本体の小型化が難しい。
【0009】
次に、上記特開平10−9706号公報に記載の吸収式冷凍機では、二重効用吸収冷凍サイクルを採用しているので成績係数が低い。また、溶液ポンプの全ヘッドとしては、二重効用吸収冷凍サイクルに用いる9〜15m程度を想定しており、三重効用で用いる全ヘッドが30m程度、あるいはそれ以上の溶液ポンプは考慮されていなかった。このため、起動時を除く通常運転中は溶液ポンプは一定速度で運転されていた。従って、本従来技術を三重効用サイクルに適用すると、フロートバルブの前後における圧力差が二重効用に比べて大きくなって軸受の磨耗が激しくなり、これに伴って軸漏れが増大して冷房効率の低下し、また異物の混入、挟み込みによる軸受の固渋トラブルなどの不具合を誘発する恐れがあった。
【0010】
本発明の目的は、サイクルの安定性が確保された三重効用吸収式冷凍機を提供することにある。
また本発明の目的は、部分負荷効率が向上した三重効用吸収式冷凍機をすることにある。
さらに本発明の目的は、小型化が図られる三重効用吸収式冷凍機をすることにある。
さらに本発明の目的は、高温再生器への供給量のみを調整する場合は、冷房能力、吸収器内の溶液量などが安定し、不安定現象に関連した不具合を防止できる三重効用吸収式冷凍機を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る三重効用吸収式冷凍機の発明は、高温再生器、中温再生器及び低温再生器、凝縮器、吸収器、蒸発器、複数の熱交換器、これら機器を結ぶ溶液配管及び冷媒配管、溶液及び冷媒をサイクル内に循環させる溶液ポンプまたは冷媒ポンプを備え、前記吸収器から前記高温再生器、中温再生器及び低温再生器に並列に溶液が送られるように前記溶液配管が接続した三重効用吸収式冷凍機において、前記高温再生器出口部に液面を形成する筐体が設けられ、該筐体内には、液面を検出し、該検出された液位に基づいて前記高温再生器へ送られる溶液量を調整するフロートバルブが設けられ、前記中温再生器及び低温再生器へ溶液を送る溶液配管が、前記フロートバルブと前記高温再生器との間の溶液配管に接続されている。
【0016】
これにより、溶液ポンプの回転速度及び溶液弁の制御ルールが不要となり、液位変動に対する追従性が向上し、サイクル状態量の再現性も良く、溶液ポンプの自己循環液量も確保できるので、性能安定性、信頼性向上及び運転範囲の拡大が図れる。
また、中温再生器及び低温再生器へ送られる溶液量が高温再生器と連動して調整されるので、部分負荷効率も良好となる。
【0017】
また上記目的を達成するために本発明に係る三重効用吸収式冷凍機の他の発明は、高温再生器、中温再生器及び低温再生器、凝縮器、吸収器、蒸発器、低温熱交換器及び中温熱交換器を含む複数の熱交換器、これら機器を結ぶ溶液配管及び冷媒配管、溶液及び冷媒をサイクル内に循環させる溶液ポンプまたは冷媒ポンプを備え、前記溶液配管は、希溶液が吸収器から低温熱交換器に送られた後で分岐され、分岐後の一部希溶液は低温再生器に送られ、残りの希溶液が中温熱交換器を経て高温再生器及び中温再生器に送られるように接続された三重効用吸収式冷凍機において、前記低温熱交換器と高温再生器との間に、前記吸収器から高温再生器及び中温再生器に送られる溶液量を調整する流量調整手段が設けられている。
【0020】
さらに、以上すべての解決手段において、吸収冷凍サイクルは三重効用サイクルを採用しているので、成績係数が高く、吸収式冷凍機の省エネルギー化が図られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る三重効用吸収式冷凍機のサイクル系統図で、中温再生器、低温再生器などへ高温再生器と並行に希溶液を流す、いわゆるパラレルフロー方式のものである。
三重効用吸収式冷凍機は、高温再生器1、気液分離器15、中温再生器2、低温再生器3、凝縮器4、蒸発器5、冷媒ポンプ55、吸収器6、希溶液ポンプ7、低温熱交換器8、濃溶液ポンプ85、中温熱交換器9、高温熱交換器10、及びこれら機器を結ぶ溶液配管及び冷媒配管などから構成されている。本実施形態においては、冷凍機の冷媒には水、吸収剤には臭化リチウム水溶液が用いられている。
【0022】
次に、該冷凍機の運転中の動作について説明する。
冷房に供される冷水は、蒸発器5で冷媒の蒸発熱によって冷却されて配管5aから冷房負荷系に送られる。この時発生した冷媒蒸気は、吸収器6の溶液によって吸収される。この吸収によって蒸発器内の圧力と蒸発温度とが低圧、低温に維持される。吸収器6では、高温再生器1、中温再生器2、低温再生器3の各再生器で加熱濃縮された溶液すなわち濃溶液が散布される。散布された濃溶液は、吸収器6の配管6aを流れる冷却水によって冷却されると共に冷媒蒸気を吸収し、濃度のより薄い溶液すなわち希溶液となって吸収器6の下部に滞留する。この希溶液は、希溶液ポンプ7によって低温熱交換器8に送られ、吸収器6に流入する濃溶液と熱交換して温度上昇した後、2系統に分岐して一方は低温再生器3に、他方は中温熱交換器9に送られる。
【0023】
低温再生器3に送られた希溶液は、中温再生器2で発生した冷媒蒸気の凝縮熱、中温再生器2の加熱に用いられて凝縮した冷媒の顕熱によって加熱濃縮されてより濃度の濃い溶液すなわち濃溶液となる。この濃溶液は、配管35を通って高温再生器1及び中温再生器2からの濃溶液と合流し、濃溶液ポンプ85によって、低温熱交換器8を経由して吸収器6へ送られる。また低温再生器3で発生した冷媒蒸気は、凝縮器4の配管6aを流れる冷却水により冷却されて凝縮し、中温再生器2の加熱に用いられて凝縮した冷媒及び低温再生器3の加熱に用いられて凝縮した冷媒と共に蒸発器5へ送られる。
【0024】
一方、中温熱交換器9に送られた希溶液は、高温再生器1、中温再生器2からの濃溶液と熱交換してさらに温度上昇した後、再び2系統に分岐して一方は中温再生器2に、他方は高温熱交換器10を経由して高温再生器1に送られる。
【0025】
中温再生器2に送られた希溶液は、高温再生器3で発生した冷媒蒸気の凝縮熱で加熱濃縮されて濃溶液となり、フロートボックス24にオーバーフローする。フロートボックス24内にはフロートバルブ25が設置されており、このフロートバルブ25は、フロートボックス24内の濃溶液の液位によって中温再生器2に送られる希溶液量を調整する流量調整手段となっている。フロートボックス24内の濃溶液は、濃溶液配管26を通って高温再生器1からの濃溶液と合流して中温熱交換器9の高温側配管に送られ、中温熱交換器9の出口側から、低温再生器3からの濃溶液と合流するために送られる。
【0026】
中温再生器2の加熱に用いられて管内で凝縮した冷媒は、低温再生器3に送られ、低温再生器3内の溶液を顕熱によって加熱した後に凝縮器4に送られる。また中温再生器2で発生した冷媒蒸気は低温再生器3に送られ、ここで低温再生器3に流入した希溶液を加熱濃縮する。
【0027】
一方、高温再生器1側に送られた溶液は、高温熱交換器10において高温再生器1から流出する濃溶液と熱交換した後、気液分離器15内に設置されているフロートバルブ16により流量調整をされた後、入口ヘッダ11側から高温再生器1に流入する。高温再生器1は貫流式となっており、この高温再生器1は、燃料を燃焼するバーナ12、このバーナ12の周囲に同心円状に配置されて溶液を加熱濃縮する伝熱管群などから構成されている。
【0028】
高温再生器1に流入した希溶液は、バーナ12からの放射熱及び燃焼ガスからの熱伝達によって加熱濃縮されて濃溶液となった後、発生した冷媒蒸気と共に、筐体で構成る気液分離器15に送られる。気液分離器15は高温再生器1の出口部(下流)に設置され、その内部は、冷媒蒸気を分離した溶液すなわち濃溶液が滞留する底部と空間を形成する上部とから構成されている。気液分離器15内部にはフロートバルブ16が設置されており、フロートバルブ16は、前述のように底部の濃溶液の液面高さ(液位)によって高温再生器1へ送られる希溶液量を調節している。
【0029】
気液分離器15で冷媒蒸気から分離された濃溶液は高温熱交換器10に送られ、高温再生器1に流入する希溶液と熱交換して温度低下した後、中温再生器2で加熱濃縮されて生成された濃溶液と合流し、さらに中温熱交換器9に送られる。気液分離器15で濃溶液から分離された冷媒蒸気は、中温再生器2に送られて中温再生器2の希溶液を加熱濃縮して管内で凝縮した後、さらに低温再生器3を経由して凝縮器4に送られる。凝縮器4に流入し管内で凝縮した冷媒は、さらに低温再生器3及び凝縮器4で凝縮した冷媒と共に蒸発器5に送られる。
【0030】
以上説明したように本実施形態によれば、高温再生器1の出口部(下流)に、筐体で構成される気液分離器15を備え、この気液分離器15の底部に滞留する溶液の液位によって高温再生器1への溶液量を調節するフロートバルブ16を設けたので、希溶液ポンプ7を駆動する駆動電源の周波数や制御弁などの制御ルールが不要となり、複雑な制御ルールに関連した不具合が防止される。
【0031】
また、気液分離器15内の液位変動に対するフロートバルブ16の動作追従性は極めて良好であり、液位の過大な変動による気液分離不良を防止できる。さらに、液位と弁開度との関係、すなわち流量調整に関するパラメータは常に一定であるから、性能や容器内圧力などの状態量の再現性は良好である。
【0032】
さらに、高温再生器1へ送られる溶液量を調節するフロートバルブ16の動作は、希溶液ポンプ7を駆動する駆動電源の周波数制御等によって溶液循環量全体を制御する場合と比較して、中温再生器2及び低温再生器3へ流入する溶液の流量にはほとんど影響を与えないので、冷凍サイクルの動作が安定し、性能などのハンチングや、吸収器6または各再生器への溶液の偏在に伴う不具合が防止される。
【0033】
さらに、高温再生器1の出口部の液位検出手段であるフロートバルブ16を気液分離器15の内部に設置したので、液面検出専用のタンク等を設ける必要がなく、高温再生器1及び吸収式冷凍機全体の小型化が可能となった。
【0034】
なお、本実施の形態において中温再生器1の出口部に設けられたフロートバルブ25は、中温再生器2に送られる希溶液量のみを調節するように配管接続されているが、これは前記特開平10−9706号公報に記載の高温再生器に設けられたフロートバルブのように、中温再生器2及び低温再生器3の2つの再生器に送られる希溶液流量を調節するようにしても良い。この場合は、配管接続が複雑になる代わりに、低温再生器3に送られる希溶液量を部分負荷運転時などに減少させることができるので、部分負荷効率が向上する。
【0035】
次に、本発明の他の実施の形態について、図2を用いて説明する。
図2に示す三重効用吸収冷凍機の基本構成要素は、図1の実施の形態と同様である。図1の実施の形態と異なる点は、フロートバルブ16と高温再生器1の入口ヘッダ11との間の溶液配管に、低温再生器3へ溶液を送る溶液配管3及び中温再生器2へ溶液を送る溶液配管21が分岐して接続されていることである。
【0036】
本実施の形態では、吸収器6から希溶液ポンプ7及び低温熱交換器8を経由した希溶液は、直接高温再生器1の出口部の気液分離器15内に設けられたフロートバルブ16に送られ、気液分離器15内の濃溶液の液位に基づいて流量調整される。その後希溶液は2系統に分岐されて、一方は溶液配管31を通って低温再生器3に送られ、他方は中温熱交換器9に送られる構成になっている。
【0037】
希溶液は、中温熱交換器9で高温再生器1から戻ってくる高温の濃溶液と熱交換して温度上昇した後に再び2系統に分岐され、一方は溶液配管21を通って中温再生器2に送られ、他方は高温熱交換器10を経由して高温再生器1の入口ヘッダ11に送られる。中温再生器2に送られる希溶液の流量は、気液分離器15に設けられたフロートバルブ16によって調整されているので、中温再生器2の出口部にはフロートバルブは不要である。
【0038】
本実施の形態によれば、高温再生器1の出口部に設けられた単一のフロートバルブ16によって高温再生器1、中温再生器2及び低温再生器3に送られる希溶液量が調整されている。このため、サイクルの状態と中温再生器2の出口液面の安定性が低下する。しかしその代わりに、低温再生器3に送られる希溶液量を部分負荷運転時などで減少させることができ、部分負荷効率が向上する。また中温再生器2においてフロートバルブが不要となるため、中温再生器2の小型化が可能となる。
【0039】
次に、本発明のさらに他の実施の形態について、図3を用いて説明する。
図3に示す三重効用吸収冷凍機の基本構成要素は図1の実施の形態と同様である。すなわち本実施の形態で、希溶液が吸収器6から希溶液ポンプ7、低温熱交換器8を経由して2系統に分岐され、一方が低温再生器3へ、他方が中温熱交換器9に送られる構成は図1の実施形態と同様である。しかし、中温熱交換器9で高温再生器1から戻ってくる高温の濃溶液と温度上昇した希溶液は、図1の実施形態とは異なり、直接高温再生器1のフロートバルブ16に送られて気液分離器15内の濃溶液の液位に基づいて流量調整される。その後希溶液は2系統に分岐されて、一方は中温再生器2へ、他方は高温熱交換器10を経由して高温再生器1の入口ヘッダ11に送られることである。
【0040】
本実施の形態によれば、低温再生器3へ送られる希溶液量がほぼ一定となるので、部分負荷効率の面で図2の実施形態と比較して劣る代わりに、低温再生器3及び凝縮器4内の冷媒蒸気圧力が安定する。このため蒸発器5、吸収器6を含むサイクルの低圧側全体の動作が安定する。したがって、冷房能力のハンチングや吸収器内の溶液量の変動に伴う不具合、この不具合への対策による装置の大型化などを回避することができる。
【0041】
本発明のさらに他の実施の形態について、図4を用いて説明する。
図4に示す三重効用吸収冷凍機の基本構成要素は図1の実施の形態と同様である。本実施形態が図1の実施形態と異なる点は、図1の実施の形態にインバータ73等によって制御される制御装置72を設置したことである。ただし、図2及び図3の実施の形態においても、同様にインバータ73等によって制御される制御装置72が設置できる。
【0042】
本実施の形態においては、図4に示すように高温再生器1の圧力が圧力センサー71で計測され、この計測された信号に基づいて希溶液ポンプ7及び濃溶液ポンプ85を駆動する駆動電源の周波数を制御するものである。
本実施の形態によれば、駆動電源周波数が必要最低限の値に近づけられるることによる消費電力の低減、また低温再生器3へ送られる溶液量が減少することによって、部分負荷効率の向上が可能となる。
【0043】
さらに、高温再生器1及び中温再生器2へ送られる希溶液量を調節するフロートバルブ16、25によって、希溶液ポンプ7は常時一定値以上の回転数で運転される。希溶液ポンプ7が常時一定値以上の回転数で回転することによって、希溶液ポンプ7の自己循環液量が確保され、したがって、ポンプ軸受の信頼性が確保され、フロートバルブを用いない場合に比べて運転範囲が拡大される。
【0044】
さらに、駆動電源の周波数が必要最低限の値に近づけられることにより、フロートバルブ16及びフロートバルブ25の前後における圧力差が小さくなり、これらフロートバルブ16、25の軸受磨耗や軸受磨耗に伴う軸漏れの増大、冷房効率の低下、異物の混入、挟み込みによるトラブルが防止される。
なお、インバータ制御用の入力信号としては、高温再生器圧力の他に、高温再生器温度、中温再生器の圧力または温度、あるいはこれらを組み合せた信号を利用しても同様の効果が得られる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の三重効用吸収式冷凍機によれば、気液分離器内の濃溶液の液位変動に対して希溶液の流量調整の応答が改善され、過大な液位変動に起因する不具合が防止される、サイクルの安定性が確保される。
【0046】
また本発明の三重効用吸収式冷凍機によれば、中温再生器、低温再生器へ送られる溶液流量が高温再生器と連動して調整されるので部分負荷効率が向上する。
【0047】
さらに本発明の三重効用吸収式冷凍機によれば、高温再生器出口部に液面検出タンクを別途設ける必要がないので、小型化が図られる。
【0048】
さらに本発明の三重効用吸収式冷凍機によれば、高温再生器へ送られる溶液量のみを調整する場合は、冷房能力、吸収器内の溶液量などが安定し、不安定現象に関連した不具合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る三重効用吸収式冷凍機の系統図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係る三重効用吸収式冷凍機の系統図である。
【図3】本発明のさらに他の実施の形態に係る三重効用吸収式冷凍機の系統図である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態に係る三重効用吸収式冷凍機の系統図である。
【符号の説明】
1…高温再生器、2…中温再生器、3…低温再生器、4…凝縮器、5…蒸発器、6…吸収器、7…希溶液ポンプ、8…低温熱交換器、9…中温熱交換器、10…高温熱交換器、11…高温再生器入口ヘッダ、15…気液分離器、16、25…フロートバルブ、21…中温再生器への溶液配管、24…フロートボックス、26、35…濃溶液配管、31…低温再生器への溶液配管、55…冷媒ポンプ、71…圧力センサ、72…制御装置、73…インバータ、85…濃溶液ポンプ。
Claims (3)
- 高温再生器、中温再生器及び低温再生器、凝縮器、吸収器、蒸発器、複数の熱交換器、これら機器を結ぶ溶液配管及び冷媒配管、溶液及び冷媒をサイクル内に循環させる溶液ポンプまたは冷媒ポンプを備え、前記吸収器から前記高温再生器、中温再生器及び低温再生器に並列に溶液が送られるように前記溶液配管が接続した三重効用吸収式冷凍機において、
前記高温再生器出口部に液面を形成する筐体が設けられ、
該筐体内には、液面を検出し、該検出された液位に基づいて前記高温再生器へ送る溶液量を調整するフロートバルブが設けられ、
前記中温再生器及び低温再生器へ溶液を送る溶液配管が、前記フロートバルブと前記高温再生器との間の溶液配管に接続されていることを特徴とする三重効用吸収式冷凍機。 - 高温再生器、中温再生器及び低温再生器、凝縮器、吸収器、蒸発器、低温熱交換器及び中温熱交換器を含む複数の熱交換器、これら機器を結ぶ溶液配管及び冷媒配管、溶液及び冷媒をサイクル内に循環させる溶液ポンプまたは冷媒ポンプを備え、前記溶液配管は、希溶液が吸収器から低温熱交換器に送られた後で分岐され、分岐後の一部希溶液は低温再生器に送られ、残りの希溶液が中温熱交換器を経て高温再生器及び中温再生器に送られるように接続された三重効用吸収式冷凍機において、
前記低温熱交換器と高温再生器との間に、前記吸収器から高温再生器及び中温再生器に送られる溶液量を調整する流量調整手段が設けられていることを特徴とする三重効用吸収式冷凍機。 - 前記吸収器から高温再生器、中温再生器もしくは低温再生器に溶液を送る前記溶液ポンプには、前記高温再生器の圧力もしくは温度によって前記溶液ポンプを駆動する駆動電源の周波数を制御する制御装置が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の三重効用吸収式冷凍機。
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